補文構造と格 : CP削除と格付与に関するー提案
著者 川本 裕未
雑誌名 主流
号 52
ページ 167‑182
発行年 1991‑03‑20
権利 同志社大学英文学会
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000015090
補文構造と格
c
P削除と格付与に関するー提案1川 本 裕 未
I 序論
believe, exρectのような例外的格付与動詞2 が従える IP補文と, consider などが従える小節補文には,共通の特性が数多く観察される.従ってIP補 丈と小節を並行的なものとして捉えていこうとする研究が,近年特にさかん になされている.3 本稿では, I P補丈と小節の構造を並行的に捉え,且 つτvantのように不定調補文と小節の両方をとることが可能な動詞の特性を 的確に捉えるためには,従来言われている CP削除,及び、格付与に関して修 正が必要であることを示し,より妥当で統合的な代案を提示することを試み
る.
第二節では,小節と例外的格付与動詞の従える IP補丈の共通性を概観し ながら,小節の構造を探る.第三節では,空範轄の識別に関してChomsky
(1981)に従って,機能的決定の立場をとることを確認する.第四節では,
例外的格付与動詞のはρectとbelieveの特性の違いを説明する Chomsky (1981)の欠陥を指摘し, CP削除と格付与に関して,代案を示す.第五節,
並びに第六節で,その代案が, wantのような制御動詞の従える不定詞補丈 と小節の分析に有効であること,そして例外的格付与動調のEゆectとbelieve の特性の共通点と相違点の両方を捉えることができることを見る.
I I I P補文と小節
次の(1 a)の believeが従える不定詞補丈(すなわちMaryto be h口nest)
168
をIP補文と呼ぴ,(1 b)のconsiderが従える動詞部を欠いた補丈を小節4
と呼ぶ.
(1) a . John beli巴vesMary to be honest. b . John considers Mary honest.
I P補文と小節には数々の共通点がある.まず第一に, I P補丈,小節とも に,次の(2a‑b)のように冗語のitを主語としてたてることが可能で ある.
(2) a . John believes it to be lucky that he was not th巳re. b. John considers it lucky that he was not ther巴,
I P補文においても小節においても,慣用句切片を主語としてとった場合に 慣用句としての解釈ができる.
(3) a. John believes the cat to be out of the bag. b. John considers the cat out of the bag
ま た は a‑b)のように補文主語を繰り上げて受動態を作ることができる し,(5a‑b)のように補文内の要素を Wh移動させることもできる.
(4) a . Mary; is believed t; to be hon巴st b. M旦ry;is considered f; honest.
(5) a . What; does John believe Mary to be t; ? b . How honest; does John consider Mary t; ?
従って小節は,例外的格付与動詞のIP補丈の構造と同様に,構成素をな
い
5c
P節点を欠き, 6 その主語位置は主文動詞によって統率7されるこ とによって対格を得ていると考えて差し支えないだろう.従って(1 b)は 次の構造を持つものとして捉えられる.( 6) John considers [iP Mary honest] .
Chomsky (1981)においては, PR Oは統率されてはならないという P R O定理が導かれたが,最近の研究8 によれば, PR Oは格付与される 位置には分布できないが,統率される位置には出現が可能であり,統率され たPR Oと統率されていない PR Oを区分して捉えるべきであることが示唆 されている.ここではKawamoto (1990) 9 に従って, PR Oに関して次 の束縛理論が成立すると仮定する.
(7) a.統率されたPR O (OC‑PRO) 10 は照応形として,ある領域 内で1l C統御する12 制御子13 を持たねばならない.
b.統率されていない PR 0 ( N 0 C ‑P R 0) 14 は代名詞として,
ある領域内で自由でなければならない.
I I I
空範曙空範曙とは音声的内容を持たない範曙のことで, PR Oの他に,(8)のよう にNP移動によって残される NP痕跡と( 9 a)のような Wh移動及び( 9
b)のような演算子移動によって残される変項などが空範障に含まれる.]5 (8) Mary; is loved ; tby John.
(9) a. What does John read f;?
b. Everyone; John likes ι
そじて一般的な特徴としてNP痕跡とOC‑PR Oは[+ anaphor], N 0 C‑
P R Oと変項は[ anaphor]の特離をもっている.空範轄のそれぞれの特 性は次表のようにまとめることができる,
170 (10)
統 率 格 付 与 | 項 先 行 詞
N P 痕 跡
。 x x
OC‑PR 0
。 x 。
NOC‑PRO
x x
ム16変 項
。 。 x
つまり統率される空範時は NP痕跡, OP‑PR O,及び、変項であり,格を 付与されている空範轄は変項だけであり,また項の位置にある NPを先行詞
として持つのはOC‑PR Oだけである.
次に,空範轄の識別に関して次のChomskyの提案を採用して,機能的決 定の立場をとる.
在日 There is only on巳 basic empty category, which may hav巴 the grammatical features person, numb恒久 gender,Case, [ wh‑] , and perhaps others, as determined by its derivation and context.17 つまりD構造では空範轄は全て1つのタイプであり, S構造で素性複合体が 環境によって決定されると考えるのである.そこで表側から次の闘が導かれ
る.
同空範曜の識別:
a.統率はされるが格付与を受けない空範轄は[
+
anaphor]である.b.それ以外は[− anaphor]である.
N c P
削除に関する問題点、expect, believe は共に例外的格付与動詞として,不定詞補丈のCPを削除し,
補丈主語に対格を与えるものとして扱われる. しかしexpectとbelieveの間 には重要な特性の違いが見られる.
(13) a. John, expects PRO, to work. b . John expects Mary to work. (
1母a.傘John,believes PRQ, to work. b . John believes Mary t9 work.
rゆectは(13a)のように補文主語に PR Oをとれるが, believeは(14a) に示されるように補文主語に PR Oをとることは許さない.
Chomsky (1981)は, exρectを例外的格付与動詞と制御動詞の両方の特性 を持つものとして(13a ‑ b)を説明している.つまり Chomskyの枠組み では, PR Oは統率されてはならないという P RO定理を仮定したうえで,
expectをCP削除が樋意的な動調として捉える.
c
P削除を行わない方のオ プションをとるなら,補文主語位置は統率されずPR Oが生起できることに なり,一方 CP削除を行なう方のオプションをとるなら,補丈主語位置は主 文動詞のexpectによって統率,格付与され,語柔的NPが生起することにな る.前者のオプションをとった場合,(13a)が生成され,後者のオプショ ンをとった場合,(13b)が生成されるのである.一方, believeはCP削除 が義務的な動詞として,補文主語位置が常に統率されることになり, PR O は生起できず,(14a)の非文法性か、説明される.以上がexpectとbelieveの分布の違いについてのChomskyの枠組みにおけ る説明の概要であるが,もしこの仮説が正しいとすれば,言語習得者は Cp 削除が義務的か随意的かに関して,語棄特性として各動詞ごとに覚えていか ねばならないことになり,これは明らかに経済性の面で不利な理論といわざ るをえない.
そこでより簡単な文法として, CP削除と格付与に関して次の闘を提案す る.
172 補文構造と格
(15)
c
P削除は, CPが空であり,他の原理に抵触しない限り,義務的 に行われるとする.そして格付与は随意的とする.誤った派生は他 の一般原理から排除される.以上の議論においては,この同の提案が有効であることをまずwantのとる 補文を例にとって論じ,後にexpect, believeの問題に立ち戻って論じるつも
りである.
V Want
wantもexpectと同様に,次の(16a b)のように,補文主語に語素的 N PとPR Oの両方をとることが可能である.
(16) a. John wants [Mary to leave]. b. John, wants [PRO, to leave].
しかしexpectとは異なり, wantは補文主語を主文に繰り上げて,受動態に することはできない.
。
カ
a.牟John,is wanted t; to leave. b. John, is expected f; to leave. またwantは補文標識forもとれる.(18) John wants for Mary to leave.
従ってwantはS構造までは補丈にforをかかえていて,そして補丈主語は,
S構造において主文動調の wantによってではなく,補丈標識のforによっ て認可されていると考えられる.つまり,(16a ‑b)のS構造は次のよう なものとなる.
(19) a . John wants [cP for [IP Mary to leave]]
b. John wants
b
for [IP PRO to leave]].(19 a b)においては, CPが補丈標識forによって埋められているので,
c
P削除は行われない.そして補文主語はforによって統率される.(15)によれば,格付与は随意的であるから,もしforによって格が付与され る方のオプションをとると,補丈主語位置は格理論18を満たして,語柔的 N Pの生起が許される.この場合,この補丈主語位置は統率され,格付与さ れる環境であるので,(12b)によって,[一組丘phor]の変項しかこの位置 に生起できる空範需はないが,変項は適切に束縛する演算子を必ず伴ってい ないと非文となるため,変項もこの位置に生起することは許されない.
一方, forによって格付与がなされない方のオプションをとると,ここに 生起できる空範障は,(12a)によって,[
+
anaphor]範障ということにな り,さらにその空範轄の束縛子となるべき主文主語位置は,項の位置なので N P痕跡は排除され, OC‑PR Oのみ出現が許される. p Fで,(19a)の forが削除されると(16a)が派生され, forが削除されないと倒が派生さ れる. (19 b)では, PR Oはforによって統率されてOC‑PR Oとなり,p Fで
'
for削除されて(16b)が派生されるのである.初'antは不定詞補文だけでなく,次の仰)に見るように,小節もとれる.
側 Johnwants [Mary in New York]
(16 b)かあ wantは不定調補丈の主語にPR Oをとれることがわかる.で はなぜ小節補文の主語に PR Oをとることは許されないのかという疑問に文 法は適切な解答を示さなければならない.
(21)* John, wants [PRO, in New York].
ここではWilliamsand Di Sciullo (1987) 19 に従って,(22a)のよう な項の位置を占める小節は(22b)のように再分析却 されて,一種の複合 動調をつくると考える.
(22) a . I consider Bill sick
174 補文構造と格 b . I consider sick BilL
(22 b)は再分析の結果,次のような構造をもつことになり,複合動詞crm‑ side「sick全体でBillに内項としてのθ役割を与えていると考えられる固
(23)
v
p/\
V IP
consider‑sick N P
Bill
同様の分析が(21)の小節に対しでも可能で、ある.
ω
の小節は再分析されて凶 のようになる.包4) John; [vP wants in‑New‑York PRO,].
上記の構造は,次の丈と同じ理由で容認されない.
同 *
L kicked PROム (Ikicked myselfの意味で\)なぜなら Hornsteinand Lightfoot (1987) 21 に従えば,
(26) To be visible in LF, an element must be identified either by being Case marked or by appearing in an OBLIGATORY POSI‑
TION, that is, a subject position.
つまり凶と闘における PR Oは,格付与がされていない上に,主語の位置に もないのでLFでの解釈が受けられずに,非文となるのである.
さらに言えば,一般に仰のように主語じ PR Oを立てている小節は,項の 位置には生起できず,付加詞の位置にしか現れることができない.
。
カ
a.*John£ wants [PRO£ in New York]. b . John wants [Mary in New York] . (28) a . *[PRO honest] is desiable.b. [PRO to be honest] is desiabl喧
(=凶)
(二側)
(27 a b)は,削と仰をそれぞれ再録したものであるが,目的語の位置を 占める小節の主語にPR Oを立てられないことを示している.(28品 b)は, 主語の位置を占める小節の主語にも PR Oが立てられないことを示してい る.非文法の(27a)は,すぐ上での議論で示されたように,闘によって,
L Fでの可視性の問題から排除される.
(28 a)は,小節はCPを欠いているために,主語位置にある小節内の P R O主語は主文のINFLによって統率される.
。 功
I p
ど〉
PRO honest 1 p
/\
/\
V P
ど ご ュ
is desirabl巳
今,(15)によって,格付与は随意的としている.そこで主語位置にある小節内 の主語がIN F Lによって格が与えられるというオプションをとった場合,
格理論を満足させて語素的 NPが現れる.これは次のような例で示される.
。 。 [
Goodste丘ksraw] s明 m/*seems to please Maybelle目主節の主語位置にある小節の主語の位置は,統率されて格付与もされている ので,空範蒔は,(12b)によって,[−an叩hor]の変項しか生起できない.
しかし,変項を適切に束縛する演算子が存在しないので,変項も生起できな いことになる.一方,小節内の主語位置が主文のINF Lによって格付与さ れない方のオプションをとると,(12a)によってその位置に現れることの できる空範轄は[
+
anaphor]のOC‑PR Oということになる. ( 7 a)は そのPR OにOC‑PR Oとして制御子を持つことを要求する.しかし,実 際はそのPR OをC統御して,制御できる資格のあるNPが存在しないの で,(28a)は非文法となるのである.以上のことから, wantの小節補文 内に PR Oが主語として現れることができないことの説明がなされたと同時 に, wantの小節補丈に限らず,一般に PR Oを主語として持つ小節が項の 位置に生起できない事実も,このアプローチによってうまく説明されたので ある.V I Expect and Believe
本節においては,先に(13a ‑b)及び(14a ‑b)によって示された expectとbelieveの分布の関する対照点について,このアプローチを使って論
じてみたい. (13 a ‑b)と(14a ‑b)はそれぞれ(31a ‑b)と(32a
‑ b)として,ここに繰り返す.
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まずex戸・ctの方から考察していこう. (31 a ‑b)はCPが空なので,仰 によって CP削除が義務的に行われ,補文主語位置は統率されることになる.
また同じく同によって格付与の随意性は保証されている.
主文動詞のexpectが補文の主語位置に格を付与した場合,格理論を満たし て語蒙的NPの生起が許され,(31b)が派生される.この位置は統率され
且つ格付与されるので,(12b)によって,[ anaphor]の空範轄しか生起 できないが,変項はそれを束縛する演算子が存在していないために生起する ことは排除される.NOC‑PR Oは統率された位置には生起できないので,
これもまた排除される.
主文動詞のexpectが補文主語に格付与しない場合,(12a)によって,こ の位置に生起できる空範轄は[
+
anaphor]のものということになり, Np 痕跡とOC‑PR Oが生起可能な空範轄の候補として挙がるが,その空範轄を束縛すべき主文の主語位置は独立の θ役割を担うので, NP痕跡は排除さ れ, OC‑PR Oのみが出現を許され,(31a)が派生される.
次にbelieveについてみていく.believeは倒で示されるように,補丈を分 裂させて,焦点の位置にもってくることが許されない.それに対して,
wantや は:pectはそのような操作が可能で、ある.
同a̲ *What John believes is for Mary to work. b. What John wants is for Mary to work. c . What John expects is for Mary to work.
このことから, believeはwantやexpectに比べて,補文の述語との結びつき が強く,再分析を受けて,一撞の複合動調believe‑‑to‑workとなっていると 考えられる.複合動調 believe‑‑to‑u刀法全体で,目的語のMaryにO役割を与
えるために,補文を分裂させられないのである.つまり(33a)の基底構造 凶は,再分析を受けて,闘の構造を持つ.
。
母
Johnbelieves Mary to work.178 補文構造と格
同
v
pA
V IP
beli巴ve‑to‑work N P
Mary
非文の(32a)も主文動詞にbelieveを持つため,同様に,補丈の述語を『抽 象的に編入するj坦 ことによって,再分析され,次の構造をとる.
(36) John, [believes‑to work] PRO,
この構造は先に仰と闘において,格をもたず,且つ主語の位置にない空範騰 がLFにおいて見えず,解釈を受けられないために排除されたのと同じ理由 で,排除されるe 従ってbelieveは, e:xヂectと異なり,補文主語にPR Oをと ることカfできないのである.
四 結 論
e:x戸ctとbelieveは,共に例外的格付与動詞として分類されるが,不定詞補 文の主語に
P
RO
をとれるか,とれないかの点で,その特性が決定的に異な る.Chomsky (1981)は, exρectをCP削除が随意的な動詞として,また believeをCP削除が義務的な動調として捉えることで,この特性の違いを説 明した.しかし,それは,どの動詞がCP削除が義務的であり,またどの動 詞がCP削除が随意的であるのか, 1つ1つ覚えていかねばならないことを 意味し,明らかに言語習得者は大きなコスト負担を強いられることになる.本稿ではBouchard (1982), Koster (1984),及び、Kawamoto (1990)な
と守に従って, PR Oは統率されることは可能であるが,格付与される位置に は生起できず,また統率されたPR Oは照応形として義務的に項NPを指示 し な く て は な ら な い と い う 主 張 を 採 用 し , ま た 空 範 轄 の 識 別 に 関 し て は Chomsky (1981) に 従 っ て 機 能 的 決 定 の 立 場 を と る こ と に よ っ て , よ り 妥 当で簡単な文法として, CP削除の義務性と格付与の随意性を主張した.そ してこの新しいアプローチが, expect及び、believeの非対称性を説明するにと どまらず, PR Oを含む小節,及ぴ不定詞文分析に関して,広く説明力をも つことを示した.
7主
1 本論は1990年6月2日,福島医科大学で開催された日本比較文化学会第12回大会 での発表をもとに加筆し,論文としてまとめたものである.
z 通常の動詞は不定詞補文として CP補文を選択する.その CP節点は主文の動詞 によってLマークされるが,その下にある IPから障壁性を受け継いで、継承障壁と なる.従ってCP補文の主語は主文動詞からの統率をCP節点によって阻まれ,格 を得られず語嚢的NPの分布治宝排除される.
I) *John tried (cp [IP Mary to go]]
(I)においてMaryは格を持たないので,全ての語集的NPに格を持つことを要 求する格理論によって, (I)は非文とされる 例外的格付与動詞は,文字通り,
その障壁となるCP節点を削除して,補文主語を統率し,格付与できる動詞をいう.
補文主語は格を与えられるため,語葉的NPの生起が可能となる.
II) a . John expects [w Mary to go]. b. John believes [1P Mary to go] 注6も参照のこと,
3 Yoshihis在Kitagawa,SmallBut Clausal,' CLS 21 (1985), 210‑220,及びRyu jiro Hayashi,Another Argument That Small Claus巴sAre Ss,'Linguistic Research 5 (1987), 29‑51参照.
4 小節には,次の(I‑II)に見られるように項の位置に現れるものと,(阻−N) に見られるように付加詞の位置に現れるものがある.
I) John considers Bill silly. II) Bill silly is evident to us 阻) John eats the meat raw. N) John eats the meat naked
ここでの議論では,不定詞補文との並行性を探ることから,前者の小節のみを取り 上げることになる.
5 Noam Chomsky, Lectures on Gove門imentand Bindi1官g(Dordrecht: Foris Pubhca tions, 1981), Timothy Stowell, Origins of Phrase Str紅 白 川 (Doctoraldissertation, MIT, Cambridge, Mιss., 1981), Ken Safir,On Small Clauses as Constituents,'
Linguistic Inquiry 14 (1983), 730 735, 及 ぴIan Roberts,Predic昌tive AP's,'
Linguistic Inquiry 19 (1988), 703 710等を参照.
6 I Pを除いて最大投射は固有障壁として機能する.但し語葉主要部(V, A, P, Nなど)と姉妹関係にある最大投射は Lマークされて,国有障壁とならない.しか しその下のIPが阻止範時となるため, CPはIPから障壁性を継承する.つまり 補文CPは主文動詞によってLマークはされるが,継承障壁となって,結局外から の統率を妨げる.その過程を図示すると次のようになる.
V P
/\
\ 」.A
ス 勺 障 盛 性
v
L‑mark
従って例外的格付与動詞と異なり, CP補文をとる動詞は,補文主語を主文に繰り 上げて受動態をつくることはできない.
I)本John'i
統率
上の場合CPが障壁となって痕跡ιがwantによって統率されることを妨げるので,
空範蒔が適性に統率されることを要求するEC P (Empty Category Principle)に よって排除されるのである.Noam Chomsky, Barriers (Cambridge, Mass. MIT Press, 1986)を参照.
7統率に関してここではChomsky (1986)に従い,次のように定義する.
I) 統率:
αがFを支配せず, αを支配するすべての最大投射が戸を支配し, α と戸の間に障壁が介在しない場合にαは戸を統率する.
障壁の定義に関しては注6を参照のこと.
8 D. Bouchard, On the Content of EmρりCategories(Dordrecht: F oris Publicat10ns, 1983), M. R. Manzini, "On Control呂ndControl Theory," Linguistic Iηquiry 14
(1983), 421‑446,及び].Koster,On Binding and Control,'Linguistic lnquirツ15 (1984), 417‑160等を参照.
9 Yumi Kawamoto,A PRO Theory Capturing Obligatory Control and Non Obligatory Control,DLS W併古ingPa1り計百四Linguistics 2, eds. N. Ito et al. (Kyoto Doshisha Linguistic Society, 1990), 71‑81
10 制御子(注目を参照)を義務的に持たねばならないPR OをObligatoryControl PROと呼ぴ,以下OC‑PR Oと表記する.
11 領域の範囲指定については, Kawamoto (1990)を参照のこと.ここでの議論は,
制御に関する領域の範囲とは直接の関係を持たないので立ち入らない.
12 Tanya Reinhart, The Syntactic Domain of Anaphora (Doctoral dissertation, MIT, Mass., 1976)に従って, C統御を次のように定義する.
I) C統御:
αが
F
を支配せず, αを支配する最初の枝分かれ節点が戸を支配す る場合に, αはF
をC統御する.13 P R Oと同ーの指標を持ち,そのPR OをC統御するNPを制御子と呼ぶ.
14 制御子を持たずに~~意的解釈を許したり,長距離束縛を許す PR OをNon‑Ob ligatory Control PROと呼ぴ,以下NOC‑PR Oと表記する.
15 空範時には次のようなproの存在も確認されているが,ここでの議論からは除く I) 太郎zは[pro;proj嫌いなので]魚Jを食べなかった.
proについて詳しくは, NoamChomsky, Kno加ledgeof Language: Its Nature, Origins and Use (New York: Praeger, 1986)を参照のこと.
16 NOC‑PR Oは次の(I)のように項の位置の先行詞(制御子)を持つ場合と,
(lI)のように先行詞を持たずに恋意的解釈を受ける場合があるので,項先行詞に 関してムを付した.
I) John; does not know what PRO; to do lI) It is uncle呂rwhat PRO"b to do
17 Noam Chomsky, Lectures on Government and Binding, p. 323 18 格理論は全ての語蒙的NPに格を持つことを要求する.
19 Edwi11 Williams and Anna Maria Di Sciullo, On the Dφnition of Word (Cam bridge, Mass MIT P.. ress, 1987), pp. 37 38
20 Mark Baker, lnccrp町 宮tion: A Theoη of Grammatical Function Changing (Chic品
go: The University of Chicago Press, 1988), pp. 200 203はロマンス語の使役構 文を用いて再分析の操作について詳細に議論している.それによると,再分析は動 詞編入の一事例で抽象的編入と呼べるものであり,他の編入現象に見られるように,
再分析も統率の下で行われるとしている.
21 N. Hornstein and D. Lightfoot、"Predication 品日dPRO," Lang四rge63 (1987), 23‑52
22 Ken Safir, "On Small Cl呂uses品sConstituents、町p.733 23 Mark Baker, Incorporation, p. 202