九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
発育性股関節形成不全患者に対する寛骨臼移動術前 後での股関節動態解析
吉本, 憲生
https://doi.org/10.15017/2556289
出版情報:Kyushu University, 2019, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
(別紙様式2)
氏 名 吉本 憲生 論 文 名
Dynamic hip kinematics before and after
periacetabular osteotomy in patients with dysplasia 論文調査委員 主 査 九州大学 教授 岡田 誠司
副 査 九州大学 教授 三浦 岳 副 査 九州大学 教授 二宮 利治
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
発育性股関節形成不全 (developmental dysplasia of the hip, DDH) 患者に対する 寛骨臼移動術 (periacetabular osteotomy, PAO) は臨床症状を改善し変形への進行 を抑制する有効な術式であるが、近年のCTを用いたシミュレーション研究により、
PAO 後 は 股 関 節 可 動 域 が 減 少 す る こ と や 二 次 性 の 股 関 節 イ ン ピ ン ジ メ ン ト (Femoroacetabular impingement, FAI)が生じる可能性が報告されている。一方、
申請者らのグループはイメージマッチング法を用いたin vivo での股関節動体を解 析する手法を確立している。本研究に於いては、このイメージマッチング法を用い てDDH 患者14 例及び健常者ボランティア10 例に対し、PAO術前後で股関節の 可動域に実際に変化があるかどうかを検証し、さらにPAO後にFAIのリスクが高 まるかを検討した。その結果、PAO術前後に於いて股関節可動域に大きな変化は無 く、健常人の正常股関節可動域と遜色ないものであった。また、DDH 患者群での 臼蓋縁-大腿骨頸部距離の解析から、PAO術前後ともFAIとの相関リスクは低いこ とが明らかとなった。これらの結果は、PAO は術後の可動域に影響を与えず FAI のリスクを高めないことを示すと同時に、イメージマッチング法を用いた in vivo での関節動態評価の有効性を示している。
以上の成績はこの方面の研究に新たな知見を加えた意義あるものと考えられる。
本論文についての試験はまず研究の目的、方法、実験結果などについて説明を求め、
各調査委員より専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事項について種々 の質問を行ったが、いずれも適切な回答を得た。よって調査委員合議の結果、試験 は合格と決定した。