発散のないmodelの試作(14)
著者 古尾谷 泉
出版者 法政大学多摩研究報告編集委員会
雑誌名 法政大学多摩研究報告
巻 27
ページ 51‑56
発行年 2012‑05‑30
URL http://doi.org/10.15002/00008725
発散のないmodel の試作(XIV)
古尾谷 泉
An attempt toward a non-divergent model (XIV)
Izumi FURUOYA
Neutrino には何故
o
Rが存在しないのかNeutrinoは、理論的には、Spinに関してleft-handed hericity oLとright-handed hericity oRとの 2 つの状態が許される。
しかし、実験では、oLしか測定にかからない。この世には、oRは存在しないのである。このナゾは今でも解明され ていない。Neutrinoは、現在では実験でneutrino振動の存在が確かめられ、小さな質量を持つとされている。我々の
modelでは、もし、neutrion がこの様な質量をもてば、このナゾがうまく説明出来そうである。この論文では、この
ことについて報告する。
まず、従来の理論で、この問題の概要について述べよう。(素粒子物理学(武田暁、宮沢弘成著(しょう華房))か ら文章を引用。)
Dirac equationはc-matrix の適当な表示を用いて
(E-vp)u=mv, (1)
(E+vp)v=mu, (2)
とかける。ここで、質量mが0の粒子に対しては、
(E-vp)u=0 (3)
(E+vp)v=0 (4)
となるが、u, vは相互に無関係な式とみなすことが出来るので、uまたはvのみが存在し、他方が常に0である解が 存在しうる。 uY=0 で、 v=0 のときは、hericity h=vp/E は E= p に対しては、h= +1,また、 E= - p に対 しては h= -1 である。すなわち、正energy の解に対しては常に正のhericity,負energy の解は常に負のhericityとな る。一方、 u=0 で vY=0 の解では E>0 に対しては負のhericity, E<0 に対しては正のhericityをもつ。負
energyの解は正energyの反粒子をあらわすと考えられるので、これらをまとめると
uはhericity正の粒子とhericity負の反粒子を、また、
vはhericity負の粒子とhericity正の反粒子をあらわす
となる。
ところで、実験では、neutrinoは常に負のherictyを持っていることが確かめられている。正のhericity をもつ
neutrinoは測定にかからない。従って、その波動関数は 4 成分uとvとを持つかわりに、ただ、2 成分vのみで記述で
きる。
もし、neutrinoの従う方程式が空間反転に対して、不変ならば、 v=Y0 、u=0 の解に対して、 v=0 、 uY=0 の 解も存在しなければならない。しかし、neutrinoの関与する現象では、空間反転に対して不変性の破れていることが 知られており、 uY=0 の解は必要としないようにみえる。
上述の議論を我々のmodelでおこなおう。我々のmodel spaceに拡張されたEq.(1)および、Eq.(2)に対するDirac equationは、それぞれ
(q0-vq)(1+(vq-Hiqp)/(q0+Hn z)) =H(n-iqp)(1-(vq-Hiqp)/(q0+Hn z)) , (5)
(q0+vq)(1-(vq-Hiqp)/(q0+Hn z)) =H(n+iqp)(1+(vq-Hiqp)/(q0+Hn z)) , (6)
である(Eq.(A-17)およびEq.(A-18) in Appendix)。ここで、H=exp( / )pa であり、H(n+iqp) は我々のmodelにおけ る質量をあらわす。また、q0はenergy、qは 3 次元momentum、pとqpとは、我々のmodel space におけるextra な 座標とそのconjugate なmomentum である。zはspin の上向き、および、下向きの 2 つの状態をあらわし、それらを、
それぞれ
( ) 1 ( ) + = 0
z p および ( ) 0 ( ) ,
- = 1
z p (7)
であらわすことにしよう。カッコの中のpはzはpの関数であることを表す。
ここで、neutrinoは小さな質量を持っていると仮定しよう。このことから、HnやHqpはq0やqに比べて小さいと 考えられるから、Eq.(5)とEq.(6)では、以下のように近似しよう。
( q)/q0]( q Hiq )/(q0 H ),
= v v - + n
R p (8)
この近似のもとで、Eq.(5) とEq.(6) とは、それぞれ
(q0-vq)(1+R)z=H(n-iqp)(1-R)z, (9)
(q0+vq)(1-R)z=H(n+iqp)(1+R)z, (10)
とかける。今、粒子の進行方向をz軸にとると、 1 q q 0
0 1
0 0
= -
R となるので
q0> のとき0
(1-R)z( )+ =0, (1-R)z( )- =2z( )- (11)
(1+R)z( )+ =2z( ),+ (1+R)z( )- =0 (12)
q0< のとき0
(1-R)z( )+ =2z( ),+ (1-R)z( )- =0 (13)
(1+R)z( )+ =0, (1+R)z( )- =2z( )- (14)
が成立する。上の結果とEq.(9) とから以下の表がえられる。
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z (1+R)z (1-R)z
q0>0 z( )+ z( )+ 0 (q0-vq)z( )+ =0, (15)
( )-
z 0 z( )- (n-iqp)z( )- =0, (16)
q0<0 z( )+ 0 z( )+ (n-iqp)z( )+ =0, (17)
( )-
z z( )- 0 (q0-vq)z( )- =0, (18)
同様にして、Eq.(10) から
z (1-R)z (1+R)z
q0>0 z( )+ 0 z( )+ (n+iqp)z( )+ =0, (19)
( )-
z z( )- 0 (q0+vq)z( )- =0, (20)
q0<0 z( )+ z( )+ 0 (q0+vq)z( )+ =0, (21)
( )-
z 0 z( )- (n+iqp)z( )- =0, (22)
以上の結果から、qp"-i2p と置き換えて
, ,
q0>0 q0<0 のいずれに対しても、Eq.(9) からは
(n-iqp)z( )! =(n-2p)z( )! =0 (23)
をうるが、これを解いて
( )! = 0( )! exp(+ )
z z np (24)
をうる。また、Eq.(10) からは
(n+iqp)z( )! =(n+2p)z( )! =0 (25)
をうるが、これを解いて
( )! = 0( )! exp(- )
z z np (26)
をうる。
これらの結果から、Eq.(5) の方程式からは 波動関数 zは、pの値が増大すると、すなわち、相互作用が大きく なると、いくらでも大きくなってしまうので、これは物理的にはうけいれられない。これに反して、Eq.(6) のzの値 は、Eq.(26) から有限であることが分かる。
我々のmodel space は 5 次元なのだからDirac equationを表すには 5 個の
c
-matrix が必要になる。したがって、4 次 元のMinkowski space における、通常の 4 個のc
-matrix、すなはち、c0, ci, i=1, 2 3, ,の他に、新たに、p成分の
c
-matrix、これをcpと書いた、を探さなければならない。このcpは4#4行列であって、Eq.(A-9) のanti-comutation relation を満たさなければならない。これらの条件を満たす行列としては c5= -ic c c c1 2 3 0 がある。しか し、このc5をそのまま使用するわけにはいかない。Eq.(A-4)におけるq0がenergy であるためには、cpはanti-
hermitianでなければならない。これらの条件を満たすためには
i 5 1 2 3 0,
= =
cp c c c c c (27)
と置けばよい。Eq.(A-7) の特殊な表示のcpは、その前の 2 つのc0とciの具体的な表示から求めたものである。
我々のmodel における、p方向の量子化では、momentum qi, i=1, 2, 3, の量子化と同様な形
qp " -i2p, (28)
と置き換をした。しかし、我々のmodel 内には、微分operator の前の符号を決める条件は何もないようである。この 符号が異なると、すなわち、+i2pとすると、事態は逆になる。すなわち、oRは存在するが、oLは存在しなくなっ てしまう。
我々のmodel では、neutrinoの質量を、mとするとあるp が存在して
( / ) ,
exp
m2= 2p a n2 (29)
と書ける。このことから
p>p ならばn2>exp(-2p/ )a m2, (30)
となる。Eq.(A-4)で、m2=q02-qi2 を代入し、更に、qpにEq.(28) の置き換えをおこなうと
( ) ( exp( 2 / )a m ) ( ) ,
2 2 2
2p z p = n - - p z p (31)
をうる。ここで、Eq.(30)より、Eq.(31) の右辺のカッコ内は正であり、m2項を無視しても、その符号は変わらないか ら、その項を無視すれば
(2p2-n2)z p( )=0,すなわち、(2p-n)(2p+n z p) ( )=0, (32)
をうる。Eq.(32) の解は
( ), exp N
= -
z np および、z=Nexp(np) , (33)
である。
Appendix
我々の物理空間は 5 次元超曲面であり、この超曲面上の座礁を (x0 xi p) . i=1. 2. 3. で表す。また、不変線素は
( / )( ) , , , ,
exp
ds2= -2pa dx02-dxi2 -dp2 i=1 2 3 (A-1)
ある。したがって、この超曲面上のmetric tensor は
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( )
( / )
( / )
( / )
( / )
, exp
exp
exp
exp g
a
a
a
a 2
2
2
2
1
= -
- -
- -
- -
- p
p
p
p
mn
R
T SS SS S SS S
V
X WW WW W WW W
(A-2)
ここで、m, n=0, 1, 2, 3, p, となる。我々のmodel space におけるenergy momentum を以下のように定義する
( / ) , ( / ) , , , , ( / ) ,
q0=n dx0 ds qi=n dx dsi i=1 2 3 qp=n pd ds (A-3)
ここで、nは質量の次元を持つ量である。qpはmodel spaceに新しく導入されたextra な座標pにconjugate な momentum である。Eq.(A-1) とEq.(A-3)とから、これらのenergy momentum は
( / )( ) ,
exp 2 a q qi q
2 02 2 2
= - - -
n p p (A-4)
を満たさなければならない。我々のmodel space におけるDirac equation を導出するためにEq.(A-4) をq0, qiおよ びqpの線形の和の二乗の形に表さなければならない、nを
q iqi q ,
0 0
= + +
n ct ct ctp p (A-5)
とおく。ここで、
( / ) , ( / ) , , , ,
exp a i exp a i i 1 2 3
0= - 0 = - =
ct p c ct p c および ctp=cp, (A-6)
である。c0, ciおよびcpは以下の具体的な表示を採用しよう
, , ,
I
I iI
iI 0
0 0
0
0
i 0
0=
- =
- =
c c
v
v cp (A-7)
c0はhermitian, ci , i=1, 2, 3 およびcpはanti-hermitian である。
すなわち、
, i i
0= 0 = -
c+ c c+ c および c+p= -cp, (A-8)
また、これらは、hmnを 5 次元Minkowski space におけるmetric tensor として
, , , , , ,
2 0 1 2 3
= =
c cm n hmn m n p
8 B
ただし、 hmn=sign
6
1 -1 -1 -1 -1@
, (A-9)をみたす。この表示でEq.(A-5)のnを具体的にあらわすと、Iを2#2行列として
( / ) ( / )( )
( / )( )
( / ) ,
exp exp
exp exp I
I
a q I a q iq I
a q iq I a q I
0
= - 0
- - -
- +
- -
n n
p p v
p v
p p
p
(A-10)
となる。これより、我々のmodel space に拡張したDirac equation は
( ( / ) )
( ) ( / )
( ) ( / )
( ( / ) ) ,
exp exp
exp exp
q a I
q a iq I
q a iq I
q a I u 0
0
0
-
- +
+
- - =
p n
v p
v p
p n
p
p
(A-11)
となる。これを書き直すと、u= z | として
(q0+nexp( / ))p a I|= -( )((vq)-exp( / )(p a iq Ip ))z,
(q0-nexp( / ))p a Iz= -( )((vq)+exp( / )(pa iq Ip ))|, (A-12)
をうる。Eq.(A-12)の解は、第 1 式から
( / ) ( )(( ) ( / )( ))
exp , x exp
q a
q a iq I
= 0
+
- -
n p
v p
z
p
(A-13)
を得るが、これより
( / )
( )(( ) ( / )( ) , ,
exp
u N exp
q a
q a iq I
0
= =
+
- -
z |
z n p
v p
z
p (A-14)
となる。
しかし、Eq.(A-12) は、従来の理論におけるDirac equation Eq.(1)に対応しない。それはc-行列の表示が異なるか らである。Eq.(A-7)の表示を以下の表示で表さなければならない。
, ,
I 0 I
0
0
i 0
0= = -
c c
v
v (A-15)
そのためには、Eq.(1)をUnitary 変換
( / ) ,
S 1 2 1
1 1
1
/
= 1 2
- (A-16)
を用いて、Eq.(A-12) と、その解Eq.(A-14) とを変換しよう。このようにして、Eq.(1) に対応する、我々のmodelにお けるDirac equationは
(q I0 +(vq))z=exp( / )(pa n+iqp)I|,
(q I0 +(vq))|=exp( / )(p a n-iqp)Iz, (A-17)
であり、また、その解は
( / )
U=Su= 1 2 (I-((vq)-exp( / )(pa iq Ip ))/(q0+nexp( / )))p a z
(I+((vq)-exp( / )(p a iq Ip ))/(q0+nexp( / )))p a z, (A-18)
となる。
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