編集後記
2020年度、COVID-19のパンデミックにより、社会のあらゆる場所で、日常は大きく変 化せざるを得なかった。大学も大きな変化に晒された。
国内での学会は、軒並に延期や中止、あるいはWEB上の遠隔会議となり、国際学術交流 会議もほぼ不可能となった
キャンパス内では、対面による教育の重要さと、ICT技術活用のオンライン授業の想像を 超えた利便性、その両方を学生と教師双方が認識したことにより、これまでの日常において、
朧げにしか見えていなかった問題点が鮮やかに浮彫にされた。
大学は遥か昔から「象牙の塔」などと呼ばれる特別の場所ではなくなっている。分断と格 差に喘ぐ世界の中に大学は存在し、大学の中にもエッセンシャル・ワークとブルシット・ジ ョブが混在している。
感染症で移動の自由が制限されるずっと以前から、大学は二度目の死をむかえようとし ていると言説されてきた。果たして、それは、今日の本学にも当てはまるだろうか?
教育機関、とりわけ大学においては、教育と研究は一体で不可分のものである。この小誌 に集められた諸論文は、2020年度現在の本学人間学部の学術研究の質を示すと同時に、教 育の質を如実に示すものでもある。
読者の皆様には忌憚なきご批判を仰ぎたい。
但し、編集上の不手際については、もとより論文執筆者が責を負うべきものではない。20 年近い時の流れの中で生じた本紀要の編集上の諸課題は、次年度委員会において、各学域の 観点から再検討されることになっている。
最後に、論文執筆者、査読者、紀要編集委員会事務担当者各位へ深い感謝を申しあげると
ともに、SJN21 計画の節目に当たる 2021 年度、本紀要のさらなる充実がパンデミックの
終焉とともにあることを心から祈りたい。
清泉女学院大学 人間学部 紀要編集委員会