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問題 と目的

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Academic year: 2021

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(1)

〔 修士論文要 旨〕

問題 と目的

青年期 の人 々は ,友 人 関係 において表 面 的な関 わ りを している。 しか し ,内 面では どこか虚 しさを 感 じ ,  自分の傷つきを厭 わず心の底から求め合 える 友人 関係 を望んでいる (高 井 ,2008)。 木下 (2012)は

,

安全な 自己の居場所があることで ,少 々の傷つきを 恐れず, さらに積極 的に他者 と関わることにつなが ると述べている。今 ,青 年期の人 々にとって ,安

な 自己の居場所は現実だけでなく ,イ ンターネット 上にもあるのではないか c

対人志 向性 の高い人がコミュニケーションメデ ィ アにその解 消先 を向けることで, メディアによつて 表現 される自己に対する意味づけが容易に高まり

,

心理的 。時間的な過剰な利用に結び付 くとされてい る (小 寺 ,2009)。 インターネ ッ トは今や若者 の新たな たま り場 となつている。若者たちは ,オ ンラインの

社会 的ネ ッ トワークの負の根 1面 に最 も影響 されやす いため (Nicholasら ,2010),イ ンターネッ ト内での ト

ラブルに巻 き込まれやすいのではないかと考えられる。

そ こで ,本 研 究では ,青 年 期 の人 々が どのよ うに

SNSを 利 用 し ,そ れが青年 期の対人 関係観 にどの ような影響 を及ぼしているのか ,ま た ,SNS内 でど のような トラブルに遭遇 し ,そ れが SNS利 用や対人 関係観 とどのよ うな関連があるのかを明 らかにする ことを目的 とする。

方法 予備調査

今 回使用す る多川・ 吉 田 (2002)の 対人 関係観 尺 度 は50項 目と項 目数が多 く ,研 究協力者 の負担 を 考慮 し ,項 目の精選 を行 うため予備 調査 を実施 し た。調査は ,2012年 9月 から 10月 にインターネ ット 利 用者 111名 を対象 に ,Webア ンケー ト調査 を行つ た。項 目においては ,因 子分析で抽 出された 8因 子 か ら因子負荷量の高い上位 4か ら5項 目を選定 し ,3

2項 目を設定 した。

青年期の人々におけるコミュニケーションツールとしての SNS(ソ ーシャル・ネットワーキング 0サ ービス )利 用

― SNS利 用状況 と青年期 の対人 関係 のあ り方 との関連 一

宮     愛   美

本調査

調査協 力者   青年期の SNS利 用者 121名

調査期 間  2012年 10月 〜 12月

手続き  Web上 に ,作 成 したアンケー トを掲載 し

;

始めのページに研 究の 目的や個人情報保護 に関する インフォーム ドコンセン トを掲載 し, 同意 を得 られ た方のみ ,質 問項 目に進んでもらう形 をとった。

Webア ンケー トの構成   ① フェイス項 目 (年 齢 ,性

別 ,属 性 ),② SNSの 利用に関する項 ロ   インターネッ

ト利用に関する項 目 (三 浦 ・篠 原 ,1997;鈴 木 。大 貫 ,2006;尾 ,2007;岡 田・野村 ,2010)を 基 に独 自で作成 したものを使 用 した。 内容 は ,SNSの 利 用種類 ,利 用動機 ,利 用状況体 J用 時 間 ,頻 度

,

コミュニケーションの相 手 ,ブ ログ等の書き込み頻

度 ,  自分の情報の公 開の程度等),  トラブルの遭遇 の有無や内容の20項 目であつた。

③ 対 人関係観尺度   予備調 査 により作成 した尺 度32項 目を使 用 し ,現 実 とインターネ ッ ト上の 2つ の対人関係の場合について ,そ れぞれ回答 を求めた。

「非常にそ う′ 思 う」「わ りとそ う′ 思 う J「 少 しそ う′ 思 う J「 そ う思わない Jの 4段 階で評定を用いて行つた。

結果

1)SNS利 用状況と属性 との関連

SNSの 利 用 状況 としては ,友 人や知 人 との関係 を深 める為や暇つぶ しの為 に主 にFacebookや m破 i

を利 用 し ,1日 平均30分 未満 または30分 〜 1時 間 と いった短時間で ,何 度 も利用する人が多かった。 ま た ,半 数の人が夜20時 頃か ら利 用 し ,携 帯電話か らの利用が多かつた。 SNS内 で主にコミュニケーショ ンを取 る相 手は友人や知人で同世代の人が多 く

,

性男りはどちらかとい うと同性 が多い ,性 月りを気 にし ない とい う人が多かった。 SNS利 用における トラブ ルに関 しては, 13名 が トラブルに遭ったことがあり

,

自分の 日記やブログに書いた内容がきつかけで とい うものが多かつた。

‑64‑

(2)

青年期 の人 々にお けるコ ミュニケー シ ョンツール と しての SNS(ソ ー シャル・ネ ッ トワー キ ング・サー ビス

)利

用   宮 口愛美

SNS利 用状況 と性別 との関連 としては ,コ ミュニ ケーション相手の性別

2(4)=18.45,ρ <.01),年

2(4)=10.13,p<.05)と

有意な関連があり ,男 性 は

「どちらかとい うと異′ 性」 ,  女′ 性は 「どちらか とい う と同性」が有意に高かった。 また ,男 性 と 「自分 よ り年 下が多い」が有意に高 く ,女 性 と 「自分 より 年 下が多い」が有意 に低かった。公 開情報において も有 意な関連 があ り

2(1)=7.77,p<.01),男 性 と

「趣 味特技」の公 開 ,女 性 と 「趣 味特技」の非公 開が有意 に高かった。「パ ソコンからの 日記 の書 き 込 み 」 は ,  男 性 の 方 が 女 性 よ りも有 意 に高 く (Kl19)=2.11,p<.05),  日記 等 の公 開範 囲の限 定 は ,  女 性 の 方 が 男 性 よ りも有 意 に 高 か っ た

(ズ

42.53)=‐ 2.40,p<.05)。 また ,属 性 との関連 とし

ては ,利 用種類 と有意な関連が見 られ

2(1)=7.07,

メ .01),社 会人 とmixiの 利 用 あ り ,学 生 とmixiの

利 用なしが有意に高かった。利用機器 においても有 意 な関連 が見 られ (χ 2(4)=10.o7,p<.01),学 生 と

「パ ソコンのみ Jの 利 用 が有 意 に高 く ,社 会 人 と

「パ ソコンのみ」の利用が有意に低かつた。 また

,

公 開情報 と有意な関連が見 られ

2(1)=6.08,メ .05),

社会人 と 「血液型 」の公 開 ,学 生 と 「血液型」の 非公 開が有意 に高かった。   日記の公 開範 囲の限定 は ,  社 会 人 の 方 が 学 生 よ りも有 意 に高 か った

(K83.3)=‐ 2.20,p<.05)。

2)属 性 ,SNS利 用 と対人関係観 との関連

対人 関係観 においては ,「 real主 張 を曲げないつ きあい Jは ,  男性 の方 が女 性 よ りも有 意 に高 く

(【

119)=2.50,p<.05),「 real消 極的なつきあい」は

,

女性 の方 が男性 よ りも有 意 に高 く(Kl19)=‑2.02,p

<.05),「 sns積 極的なつきあい Jは ,男 性の方が女 性 よりも有 意 に高かった (Kl19)=2.34,′ <.05)。 性 別 における対人 関係観 に有意差が見 られたため ,性

別 における対人 関係観 において ,SNS利 用 状 況 に よる影響があるのかを検討するために ,2要 因の分 散分析 を行 った。 その結果 ,性 別 と利 用動機 で有 意 な交 互 作 用 が示 され (ズ 1,117)=4.53,p<.05),

「sns積 極的なつきあい」は ,「 友人や知人 との関係 を深 める J動 機 がある男性 は動機 のない男性 よりも 有意 に高かったが ,女 性 においては動機 の有無 によ る有意差は見 られなかつた。また ,性 別 と利 用 時間

帯 が 定 期 か 否 か で 有 意 な 交 互 作 用 が 示 され

(ス 1,117)=5.44,ρ <.05),「 sns積 極的なつきあい」

は ,利 用 時 間帯が定期 の男性 の方が ,不 定期の男 性 より有意に高かったが ,女 性 においては利用 時間

帯が不定期か否力ヽこよる有意差は見 られなかつた。

性 別 と公 開 情 報 で 有 意 な 交 互 作 用 が 示 され

(ズ 1,117)=4.97,p<.05),「 sns誠 実なつきあい」は

,

出身地を公 開 している男性の方が非公開の男性 より も有意 に高かったが ,女 性 においては公 開の有無に よる有意差は見 られなかった。

3)属 性 ,利 用状況 と SNSト ラブルとの関連

属性 においても ,対 人 関係観においても SNSト ラ ブル との有意な関連は見 られなかった。 SNSの 利 用 状況では ,SNSの 利 用 時 間の長 さと有意 な関連が 見 られ

2(2)=7.82,p<.05),1時 間以上の人 とトラ ブルあり ,30分 未満の人 と トラブルなしが有意に高 かった。また ,利 用 時間帯においても有意な関連が 見 られ

2(1)=8.42,p<.01),深 夜 (0時 〜4時 )の 利 用者 とトラブルあり ,深 夜 (0時 〜4時 )の 非利 用者 と

トラブルなしが有意に高かった。また, コミュニケー シ ョン相 手 との有意な関連が見 られ

2(3)=12.13, p<.01),「 友人・知人が多い」利用者 とトラブルな

しが有意に高 く ,  トラブルあ りが有意に低かった。

パ ソコンからの 日記等の書き込みと有意な関連が見 られ (χ 2(1)=5.77,p<.05),書

き込み多数群 と トラ ブルあ り ,書 き込み少数群 と トラブルなしが有意 に 高かった。相手の 日記等への五メン トとの有意な関 連 が見 られ

2(1)=3.93,p<.05),コ メン ト少数群 と トラブル あ り ,コ メン ト多数群 とトラブルな しが 有意に高かつた。

考察

SNS利 用や対 人 関係 観 においては ,男 女で違い が見 られ ,SNS利 用 に関 しては ,男 性 は 自分の情 報の公 開や異性 とのコミュニケーション等 ,積 極 的 なつきあいをし ,女 性 は同性 とのコミュニケーシ ョ ンや 日記の公 開範 囲の限定等 ,慎 重なつきあいをし

ていると考えられた。また ,男 性 は SNSの 利 用の仕 方による対人 関係観の違いが見 られ ,女 性 は見 られ ないとい う結果から ,男 性 は SNS利 用により対人関 係のつきあい方が変化するが ,女 性 は SNS利 用によ

り対人 関係 のつきあい方が変化するわけではないと 考 えられた。 男性 においては ,SNS利 用 が対 人 関 係 を築 くためのツール として存在 していると考 えら オ Lる 。

SNSト ラブルに関 しては ,い くつかの SNSの 利 用 の仕方によつて違いが見 られるとい う結果が得 られ

,

トラブルは ,長 時間の利用や深夜の利用等のインター ネ ットの持つ負の部分に結びつ くと考えられた。

‑65‑

参照

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