右 田 清 治
The Perforating Growth of Conchocelis into the Substratum of Coralline Algae
Seiji MIGITA
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Table 1. Water temperature in culture vessel during the experiment
Max.
Min.
Mean
1957 Mar.
(20−3 1 )
Apr. May June July Aug.
14.5 12.7 13.8
17.6 13.0 15.2
20.9 17.0 18.3
23.4 19.8 21 .5
25.1 21 .0
23.7
26.0 24.2 25.0
した.
培養容器は水道水を流した大型ガラス容器に入れて水温の急激な変化を防止した.培養期間の水温.は第1 表の通りで∫使用海水の比重は1.022〜1.024であった.また照度は培養期間を通じて1000〜1500Luxに痴
るように留意した.
実 験 と 察 観
1.果胞子の穿孔生長 石灰藻基質への果胞子付けは1957年3月より4月にかけて実施した.果胞子は貝 殻や大理石の場合と同様に発芽後直ちに,またはしばらく表面を葡湿した後穿孔生長をはじめる.石灰藻基 質の場合は飼飼して穿孔するものも少くなく,特に傾斜面で多く見られた(Fig.1,1−2).
枯死した石灰藻の表面は細胞の内容が吐出していて,多角形の穴を囲む石灰壁が蜂窩状に排列している、
このため糸状体の各枝は直線的に伸長せ ず,石灰壁に沿って小刻みに弧を描いて生 長し不規則な曲線をなす(Fig・1,3).原 則的には糸状体は放射状に伸長するが,貝 殻の場合のように特徴ある対生した分枝は 少なくて互生,偏生したものが多い(Fig・
1, 4).
石灰藻の切断面は格子状に石灰壁が規則 正しく排列している.ヒライボ等の断面に 果胞子付けをすると各枝はその排列に従っ て直角に屈曲するものが多く,糸状体は網 の目の様な形になる.ま牝断面の場合は糸 状体の対生した分枝が多く見られる(Fig.
1, 5).
糸状体の穿孔深度は培養1〜2ケ月まで はカキ殻や大理石を基質にした場合に比べ かなり浅く,深く穿孔した枝でも50μ位ま で達するに過ぎないが,培養4ケ月後の観 察では一部の枝は400.・以上深く穿孔して いアこ.まアこ石灰藻の表面に胞子付けした糸 状体でも繁茂後の断面観は,初めから切断 面に胞子付けしたものに酷似していて,斜
Fig. 1. The early stages of the Conchocelis−phase of PorPhyra tenera penetrating into coralline substratum.1; 10 days old,2: penetration after carpospore germination, 8 days old,3:perforta−
ing Conchocelis−filament and the coralline tissue,
after 30 daysi, 4:30 days old, 5:a germling on the cross section of coralline algae, after 15
days, 1−2, 4−5 ; ca x 250 ;3; ca x 350.一
めに深く穿孔するカキ殻や大理石の場合と
・違い,表面に垂直に穿孔する枝が多く網状 の排列が見られる(Fig.2,1).
2.生長速度 ・石灰藻に穿孔した糸状体 の生長は同一容器内で培養した対照のカキ 殻と比較し表面観の主要部の直径で示すと 第3図のようになる.すなわち3月10日と
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77
一
Fig. 2 The Conchocelis−phase of P.
tenara penetrating into the cora!一 line substratum.
1 ; cross section of the Conchocelis−
growing subst:catum, ca×150,
2: sporangia on the filament (deca−
lcified),ca × 500a
除去したが生長は幾分阻害されたようで,
oTt 26一 3 o 40
DAYS
Fig. 3 The growth of the Conchocelis−
phase in cpralline algae and oyster shells.
A,C…in coralline alga.
B,D…in oyster shell.
A,B・一・Mar. 10一一Apr・ 11・
C,D…Apr・ G O一一May 17・
4月10日培養開始のもので,共に対照のカキ毅とほとんど差 違はなく,初期の生長はいずれも石灰藻の方が良好であっ アこ.本実験に用いた石灰藻基質は乾燥枯死したもので細胞内 の粘質物が充分に除去されていなかったアこめ培養1ケ月位し て表面に粘質の被覆を生じた.これは注意して約3日置きに 1ケ月後の測定ではカキ殻との差はほとんど見られなかった.そ
の後の生長度の測定は糸状体が繁茂して互に相接したため困難となったが,一般的な観察ではカキ殼と余り 差はないように見えた.また前述の初期の穿孔藻度が浅いのは粘質のためと考えれば,糸状体は細胞間富山 のない浅い表面近くを拡がるので見かけの生長が良好に見えるとも思われる.
3.胞子嚢形成この糸状体は白色の枯死石灰藻を黒灰色にして繁:茂していくが,カキ二等の場合より色 が鮮明でない.これは石灰藻の石灰質がやや不透明な白色であるためと考えられる.
この糸状体は培養開始後4ケ月を経た7月中旬頃より一部の枝に胞子嚢の形成が見え始めた.一般に石灰 藻穿孔糸状体では胞子嚢が石灰壁に沿って形成されるので枝との区別が困難で,脱石灰して確認した.胞子 嚢の形態は貝殻の場合と殆んど同様である(Fig・2,2).ただ対照のカキ殼に比較して胞子嚢の形成数ば 少ないように観察されfaが正確な計数比較はしていない.
以上の観察結果はマルバアマノリ,イチマツノリ等でも同様に見られた.
4.日射,乾燥に対する抵抗力 石灰藻穿孔の糸状体が日射,乾燥のもとで受ける影響について,約3ケ 月培養のものを用いて対照のカキ殼と同時に実験を行った.生死の判別は実験後さらに培養を2週間継続し
Table 2. Resi$tibility of Conchocelis exposed to the direct sunlight and under the shade in the air
Time (min.) 2 5 7.5 10 15 20 30 40 60 80
工)irect sunlight
Shade
+士++
+十AB ++++++AB 士士++ ++ ++ 士士 士
Humidity : 750/o; Temp. : 230C,.A・・・…in coralline algae,
B・・・…in oyster shell, 十・・・…alive, 一・一・…dead.
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Table 3. Resistibility of Conchocelis exposed to the direct sunlight in sea water Time(min.)
Depth 60 90 120 150 180 210
A 2cm B A lOcm B
++++ ++++ +士++ 士士+士 士
Weter temp. : 24一一260C, A…一・・in coralline alge,
B・・・…in oyster shell, 一1一・・・…alive, 一・・・…dead.
て色の腿色と顕微鏡観察により区別した.また試料は実験開始前にガーゼで軽く拭いて余分の水分を除い 7.その結果は3,4表のよう1となり,対照のカキ殻と比べ抵抗力の差は少ない.すなわち直射光線下では 露出時に10分以上で,浅い海水中では2〜3時間以上で枯死し,室内乾燥で40分前後でかなり害を畳けそれ 以上では死滅する.しかし乾燥に対してはカキ殻の場合より幾らか抵抗力が強いようで,これは石灰藻基質
がカキ殼より吸湿性が良好なためと考えられる.
5.野外の観察 石灰藻穿孔の糸状体を天然の海で確認するだめ,6矧3,14日に島原市猛島海岸の海苔 種場で平均干潮線附近の枯死石灰藻を採集しi.この種場はやや外洋性のため穿孔藻類の種類も多く,右岸 藻にも貝殼同様に色々の穿孔体が見られる.しかも貝殼と違って糸状体の放射状の輪郭や特徴ある分枝が見
.難い上に色も白濁するので識別が困難であった.薄片にし7cり脱石灰して色素体等を見て判SIJした結果,選 択的に採集したもの,約14%でアマノ、りの糸状体と思われるのを観察した.そのうち生き残ったものは培養
を続けて観察したが,特に断面観で特徴ある分枝などから糸状体であることを確認した.また9月上旬に平 均干潮線より約80cm上位(大潮時の平均干満差は5m)より採集した石灰藻では糸状体は観察出来なかっ
たが,同時に同水位附近で採集したカキ,マテガイ等の殻にも糸状体は確認出来なかった.
考 察
以上の実験,観察の結果よりアマノリ類の果胞子は石灰藻基質にも穿孔して糸状体となり勢望出来ると考 えられる.糸状体が石灰藻の細胞膜に沈積しアこ石灰壁に沿って伸長し,蜂窩状をなす表面では不規則に屈曲 し,格子状に排列した断面では網の目のように繁茂することは興昧深い.石灰壁と石灰壁の間隙は約10μで 糸状体が表面を鰯費するのに不都合と考えられない.しかしこの様に顕微鏡的に石灰質部が間隙を交えて排 列した基質で,石灰質部に穿孔生長することは,糸状体が他の基物上を飼発するより石灰質に穿孔するのを 好むよつの根拠ともなると考えられる.
糸状体の初期の穿孔深度が意外に浅かったのは内部の粘質のためと考えられるが,また初期の繁茂が表面 観でカキ殼よりやや優っていたのも多くの枝が深く穿孔出来ず表面近くを横に伸びた結果と推察される.し かし一般に生長速度は対照のカキ殻と差は少なく,従来報ぜられた黒木・平野4),齊藤5)等のカキ殻を基質 にした結果とも本質的な違いはないと考える.附随して行った日射,乾燥に対する抵抗力に関する実験でも
カキ殻の場合と大差はなく,また濟藤5),竹内等6)の貝殻で行つだ実験結果ともほぼ一致する.ただ乾燥に 対して幾らか強いのは基質の吸湿性がよいためと考える.光線に対しても石灰質の透明度が小さいことは深
く穿孔した糸状体の致死を防止すると思われるが,本実験では前述のように糸状体が深く繁茂していなかっ 7cので更に詳細な実験を行う必要がある.
二回だけの不充分な調査であるが,天然の海苔種場で糸状体穿孔の石灰藻が6月には干潮線附近で見られ たが,9月の調査では観察出来なかつtc.このことより潮間帯では貝殻同様に夏期に枯死するものが多いと 考えられる.なほ,天然の石灰藻に穿孔した糸状体は識別が困難であるが,繁茂したものの断面観では対生 の分枝等の特徴も見られ今後判別する上の参考になると思われる.
石灰藻の被覆は海苔一場でも少くなく,有明海でも島原沿岸の岩礁の多い種場では特に多いが.熊本側の 菊池川尻のような広汎な三三でも干潮線三三ではかなり多く,そのうちには枯死したのも少くない〆・石灰藻 基質に穿孔する糸状体は貝殻のものと同様に今後天然採苗の実態を把握する上の資料になると思う、.
くいた やが レザ セ ザ
鞭躍鰹錦
嚢搬器籔謹鑓
・.ウ鍵
懇
讃 織躍層鱗
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回饗灘欄麟
鷺灘無鎌︑・
︑︐・総州
雛 鞭
饗鍵・繋 灘 灘
1 2
購隻雛騒騒 憲㌔ 騨
4 3
The Conchocelis of PorPhyra tenera penetrating into the surface of coralline substratum, ca x 150・
The Conchocelis in the cross section, ca x 150.
The formation of sporangia (decalcified), ca x 270.
Surface view of LithoPhyllum containing the Conchocelis, ×1.
L
Plate
Fig.
Fig・ 2・
Fig・ 3・
Fig・ 4・
1.ア マ ノ リ類 の 果胞 子 発 芽 体 は石 灰 藻 基 質 に も内層 に穿 孔 して糸 状 体 と な る.
2.糸 状 体 は石 灰藻 の 細胞 壁 に蓄積 され た石 灰 質部 に沿 つ て 伸 長 し,表 面 で は小 刻 み に屈 曲 し,断 面 で は 網 の 目 の よ うに 不規 則 な放 射 状 とな る.
3.こ の 糸状 体 の胞 子 嚢 は カキ 殻 の もの と差 違 は認 め られ ない が,形 成 数 は少 なか つ た.
4.糸 状 体 は直 射 光 線 下 で10分,室 内乾 燥(湿 度75%)で40分 以 上 で枯 死 す る.
5.天 然 の 海苔 種 場 で も糸 状 体 の 穿 孔 した石 灰 藻 を採 集 した.
1頁
1
618
19 50 56 58 98 115
118
裏表紙 行
11 25 7 11 12 2 18 3 Tab.3註
23 27 37
ill,
14 33
44
3 12 13 14 15 27 33 40
誤
便用 除さ :乾爆
(20×3液量:にょっ14cm)
て調整する :水量気 )
1000〜1500Luxにな
alge N/loo NaHo 二二 Fig. 2一一一C
(MULLER et HENLE)
GUNTHER GUNTDER GUNTHER Met−hert jurisdiction troble
Davelopment
Pures Squilla oratria
Enviromental
not
正
使用 除き :乾燥
(20×14cm)
る液量によって調整する 水蒸気 1)
1000〜500Luxにな
algae 9 N. NaOH 決定 Fig 2一一一D
(Mむ肌ER et HENLE)
GONTHER GUNTHER GむNTHER Met−heat Jurisdiction Trouble
Development
Purse Squilla oratoria
Environmental net