東海地域の温暖化の検証(気象庁のデータを活用)と 予測
著者 北村 孔志
雑誌名 静岡地学
巻 97
ページ 15‑23
発行年 2008‑06‑22
出版者 静岡県地学会
URL http://doi.org/10.14945/00024786
静 岡 地 学 第
9 7
号 (2008 )
北 村 孔 志
し は じ め に
1 9 6 0
年代から1 9 8 0
年代にかけて異常低温化現象が各地で頻発した.これは氷河期がやってくる前兆 だと声高に呼ばれたり,異常気象に関する書物も多く見られた(根本,1 9 7 9 ) .
同じ頃,スクリップス海洋研究所は
1 9 5 8
年からハワイのマウナ口ア観測所で精度の高いC02
濃度の 観測を行い,その結果をキーリング曲線として報告した(Weart
,2 0 0 3 ) .
今日では,大気中のC02
濃 度 上昇と地球温暖化との相関関係は明白である.温暖化は,化石燃料の大量使用により大気中のC02
な どの濃度が増加することで,放射赤外線が再吸収されるために生じる温室効果のことである.温室効 果は悪役の代名前のような印象を受けるが,決して悪ばかりではない.温室効果がない場合,地表の 平 均 気 温 は ‑1 8
0C
となってしまうが,ほどほどの温室効果のおかげで現在の地球は平均気温が1 5
0C
に保たれている(環境庁地球環境部,
1 9 9 7 ) .
近年,温室効果による北極海での氷の減少や台風(ハリ ケーン合む)の巨大化など,異常気象の危険性が現実的となってきた.京都新関連載のシリーズ「環を考える
J
(http://www.kyoto‑np.co.jp/kp/special / e c o l o g y
Ie c o l o g y . h t m
l)では,ナガサキアゲハ (Papilio memnon)は,1 9 4 0
年代は山口県西部が分布の北限であったが,1 9 8 0
年代には大阪府北部ま で拡大していることを報告した.井原は長野県天龍村で2 0 0 3
年にナガサキアゲハ (Papiliomemnon) を確認し,2005
年にはナガサキアゲハ (Papiliomemnon)の産卵及び踊化も確認した(井原・浜,2 0 0 4
,2 0 0 5
,2 0 0 7 ) .
南方系の蜘妹であるスズミグモ (Cyrtophoramoluccensis) は,1 9 7 0
年頃は西日本 のみで見られたが,最近では関東地方でも見かけられるようになった(環境庁地球環境部,1 9 9 7 ) .
琵 琶湖博物館レポーターだよりでは,クマゼミ (Cryptotympanafacialis)北上の可能性について報告 した.亜熱事性のチョウ( L e p i d o p t e r a )
や蜘妹類( A r a n e a e )
が越冬できるようになったのは,温媛 化の影響との推定が可能である.しかし,クマゼミ (Cryptotympanafacialis)の場合は,公園造成 等における樹木の移植に伴う南方からの人為的分布拡大の可能性が捨てきれない.生物の移動からではなく,気象庁のデータを活用すれば各地域での温暖化の検証及び将来の予測が可能である.
気象庁のデータを活用した温暖化の検証については北村
( 2 0 0 6 )
の報告があるが,将来の予測や原 因の考察がない.本稿では,公開されている気象庁のデータを活用し,東海地域の温暖化の検証や将 来の予測を通して,急激に進行する温暖化への警鐘をより身近なものとすることを目的とした.また,この方法は小中学生の環境教育への導入や問題提起が可能である.
東海地方(静関県・愛知県・三重県・岐阜県)の観測地を名古屋,岐阜,高山,浜松,津に限定し たのは,気象観測開始時期が各地で異なること,過去
1 0 0
年前まで遡れるのはこの5
地点しかないた めであるO静岡大学工学部
尚,
Al Gore
前米副大統領及び、IPCC
(国連の 気候変動に関する政府間パネル)は,20
昨年ノ ーベル平和賞に輝いた.時勢に適合したこの受は,絶妙なタイミングであり世論の関心をよ り一層温暖化問題へ向けさせる契機となるであ
ろう.
1 8 . 0 1 7 . 0
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上各都市(東京綱名吉屋闘津@岐阜a浜松@高山)の 人口の推移閑人口の単位は人幽
都 市 年 代 人口 年代 人口神ぴ率(情) 備 考 東京市
1 8 8 9
1.3 8 9
,6 8 4 2 0 0 7 8
,6 4
1.7 6 4 6 . 2 2
※2 3
区1 8 8 9 1 6 2
,7 6 7 2 0 0 7 2
,2 3 4
,2 4 3 1 3 . 7 3
津市1 8 8 9 2 8
,15 6 2 0 0 7 2 8 8
,6 4 7 1 0 . 2 5
岐阜市 ※
1 9 0 7 4 3
,12 2 2 0 0 7 4 1 2
,7 5 7 9 . 5 7
※岐阜市 浜松市 ※1 9 1 1 3 6
,7 8 2 2 0 0 7 8 0 9
,3 1 3 2 2 . 0 0
※浜松市 高I
lJ甫 ※1 9 2 0 1 6
,3 4 4 2 0 0 7 9 5
,8 0 9 5 . 8 6
※ 行 政 情 報1 9 0 0 1 9 2 0 1 9 4 0 1 9 6 0 1 9 8 0 2000
浜松
φ φ
φ @ φ 的?生論?宅議診φ幾多
ダ ユ ヂ @ φ @
φ φ
。φ . . φ。。φ
y 0 . 0 1 4 7 x ‑1 3 . 1 4 9
1 9 0 0 1 9 2 0 1 9 4 0 1 9 6 0 1 9 8 0 2000 2020
岐 阜
九も
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1 8 . 0 1 7 . 0
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降
1 2 . 0 1 1 . 0 1 0 . 0
1 8 . 0 1 7 . 0
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ミ0 ./1 5 . 0
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1 4 . 0 1 3 . 0
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名
φ φ
φ。
9与
: J
1 9 0 0 1 9 2 0 1 9 4 0 1 9 6 0 1 9 8 0 2000
。
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AVφ
1 9 0 0 1 9 2 0 1 9 4 0 1 9 6 0 1 9 8 0 2000
1 9 0 0 1 9 2 0 1 9 4 0 1 9 6 0 1 9 8 0 2000
高山
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φ φ φ φ φ e与φφφ.!
争
. ., . . . . . .
~歩。 φ.+φ@ φ!宇4惨 私守伊 +φ@φ~+てφ 4争 ..匂伊 @ 。
y
コ0 . 0 1 4 3 x 1 7 . 6 0 6
1 9 0 0 1 9 2 0 1 9 4 0 1 9 6 0 1 9 8 0 2000
図
1
.各地の100
年( 1 9 0 7
年,‑...;2006
年)聞の平均気温と近似グラブ.( a )
東京の平均気温の散布図と近似グ ラフ緩 (b)名古麗の平均気温の散布図と近似グラフ欄 (c)浜松の平均気温の散布閣と近似グラフ.(d)津の 平均気温の散布図と近似グラフ鵬( e )
岐阜の平均気温の散寄留と近似グラフ. ('時高山の平均気温の散布図と近似グラフ鴎
静 岡 地 学 第
9 7
号 (2 0 0 8 )
2 .
研究の方法この研究は,公開されている気象庁のデータを活吊するものである.降水量などのデータはラ 交通省なども蓄積(ダムの管理などで)しているが,こちらは公開されないため利用できない.前
した温暖化の検証(北村,
2 0 0 6 )
で用いた気象庁のホームページに一部変更がみられたので,タの入手方法を示す.また,温暖化を促進しているのは,都市化の影響も大きいと考えられる ので都市人口の入手についても示した.
(1 )気象データ取得の方法:
データ入手:データの入手は気象庁のホームページ(討中:/
/ w w w . j m a . g o . j p / j m a / i n d e x . h t m
I)を利 用する.気象庁と入力し,気象庁(Japan M e t e o r o l o g i c a l Agency)
を選択する.以下次のように行つ .
‑気象統計j害報:過去の気象データ検索を選択する.
.地点の選択:都府県支庁を選択する.
:地図から都道府県支
J T
を選択する.地点の選択を行う.B
の選択:必要とする年や月を選択する.・の種類:観測開始からの月ごとの値.または,必要とする年の月ごとの債を表示を選択する.必 とするデータ(気圧
( h P a )
・鋒水量(mm))
・気温CC)
・雪日数など)から必要なデータ を 選 択 す る . な お , 本 論 文 で 仕 様 し た デ ー タ は , 全 て 気 象 庁 の ホ ー ム ペ ー ジ に デ ー タ( h t t p : / / w w w . j m a . g o . j p / j m a / i n d e x . h t m
I)として掲載されているものである.観測開始は全国一 律ではないため,使用できる観測地点のデータは一様で、はない.必要に応じて使い分ける必要がある.
デ ー タ の 一 覧 化 例 ) エ ク セ ル を 利 用 し デ ー タ を 入 力 す る .
データのグラフ化:データの入力が終ったら,必要に応じてグラフ化する.グラブは散布図を選択 するとよい.必要に応じてオプションの追加を
行うことにより,近似曲線や近似式などを加え ること治宝できる.
2 .
各都子宮の線形近11J.t式を用いた平均気温の予測舘.器 的 に 応 じ た デ ー タ の 利 用 例 )
1 0 0
間の 平均気温の推移,1 0 0
年間の年降水量の水位など.
(2) 都市人口のデータ取得の方法:
デ ー タ 入 手 .
Wikipedia
人口動態統計(日 本) .臼本の市の入口伍 ( h t
社t
ゆp β : / μ / w w w
阜市経営管理部統計分析室の資料料'を利用した.
単位拡℃罵
地名 線形近似式 浜 松
Y = 0 . 0 1 4 7
X‑1 3 . 1 4 9
東 京Y = 0 . 0 3 0 4
X‑4 4 . 3 3 9
岐 阜Y = 0 . 0 2 1 2
X‑2 6 . 6 7 6 i
幸Y =
ロ0 .
0l7 8
X‑1 9 . 8 2 7
吉屋Y = 0 .
0l8 4
X‑2 1
.l7
高 UJ}乍0 .
0l4 3 X ‑ 1 7 . 6 0 6
デ ー タ の 入 力 例 ) エ ク セ ル を 利 用 し デ ー タ を 入 力 す る .
1 9 0 0
年(' C )2 0 0 0
年(t)2 0 5 0
年CC)21 0 0
年( C )
1 4 . 8 1 6 . 3 1 7 . 0 1 7 . 7
1 3
.41 6 . 5 1 8 . 0 1 9 . 5
1 3 . 6 1 5 . 7 1 6 . 8 1 7 . 8
1 4 . 0 1 5 . 8 1 6 . 7 1 7 . 6
1 3 . 8 1 5 . 6 1 6 . 6 1 7 . 5
9 . 6 1 1 . 0 1
1.7 1 2
.43 .
結果( 1
)データを基にした100
年嵩(1907
年‑‑2006
年)の平均気温C c )
の推移:年の平均気温は毎 月の月間平均気温,月の平均気温は毎日の平均気温の月平均,一日の平均気温は毎正時24
自の観測値 の平均である.名古屋,岐阜,高山,浜松,津の5
都市及び参考として東京を加えた.この1 0 0
年間 でどの観測地点でも,平均気温の上昇が確認できた(図1 )
.しかし,観測地点によって平均気温の上 にバラツキが生じている.2
月と8
月の気温も平均気温と同様に上昇している(留2
).その原因 のーっとして,都市化の影響が大きいと考えられる.平均気温の上昇は,都市化の影響も考慮する必 要があると思われるので,人口の変化( W i k i p e d i a )
を比べてみた(表1
).気温上昇と都市人口の増 加とは必ずしも一致しなかった.3 各都市の近様式を用いた年間降水量の予測値嗣 4 . 1J;l式を用いた各都市の 190
む 要2000 {立は mm. 2100 年の 1
月2 足 日数の予測"単位
l手自a地 名 近似式
1 9 0 0
年2 0 0 0
年2 0 5 0
年2 1 0 0
年 筒考 都 市 式1 9 0 0
年2000
年2100
年 東 京1
ペー0 . 0 7 1 6 X 2 ‑ 2 8 2 . 3 8 X + 2 7 9 7 0 4 1 6 5 8 . 0 1 3
仏O 1 7 2 4 . 0 2 4 6 2 . 0
多項式近拐、 東 京Y=
・0 . 0 3 4 X
十7 3 . 7 2 9 9 . 1 5 . 7 2 . 3
名古罷Y = O
郎7 9
X2‑ 2 2 6 . 8 8 X + 2 2 3 8 4 1 1 7 8 8 . 0 1 6 8
1.0 2 0 6
1.8 2 7 3 2 . 0
多項式近似Y = ‑ 0 . 0 4 9 1 X
十1 0 9 . 7 8 1 6 . 5 1
1.6 6 . 7
浜 松Y = . 2 . 4 9 1 7 X + 6 7 8
1.2 2 0 4 7 . 0 1 7 9 7 . 8 1 6 7 3 . 2 1 5 4 8 . 6
隷形近鉱 浜 松Y
止0 . 0 1 3 6 X
+3 2 . 0 8 6
.24 . 9 3 . 5
i幸Y = . 21 7 8 2 X + 5 9 4 9 . 3 1 8 1 0 . 7 1 5 9 2 . 9 1 4 8 4 . 0 1 3 7 5
.1 線、形近悦 津Y
止0 . 0 1 9 X + 5 0 . 9 5 9 1 4 . 9 1 3 . 0 1
1.1
岐 阜Y = . 0 . 6 2 0 9 X
十3 1 0 1
.71 9 2 2 . 0 1 8 6 0 . 0 1 8 2 8 . 9 1 7 9 7 . 8
隷形i!I叡 岐 阜Y = ‑ 0 . 0 3 9 4 X + 9 5 . 5 0 2 2 0 . 6 1 6 . 7 1 2 . 7
高 IIIY =
・0 . 9 6 4 8 X
ト3 6 5 8 . 0 1 8 2 4 . 9 1 7 2
8.41 6 8 0
.21 6 3
1.9
線形近鉱 高 山Y=0.499X 5 2 . 9 3 4 4
1.9 4 6 . 9 5
1.9
※ 単位はm m
静 岡 地 学 第 9 7 号 ( 2008 )
( 2 ) 近19{式による約 1 ∞年後の平均気濯の予測:線形近似式によると 2 1 0 0 年には,名古屋・浜松・
・岐阜の各観測地点の平均気温は 1 7
0Cを越え,東京は 1 9
0C 以上で亜熱帯の気候となってしまうこ とが判明した(表 2).
( 3 ) データを基にした 100 年間 (1907 年‑‑2006 年)の年間蜂水量 (mm) の推移:近年降水量の 増加が指摘されているが 1 0 0 年前と比較した結果,年間降水量は増加しているとは言いがたく,逆に 減少傾向であることが判明した.名古屋及び東京では降水量の減少から田復傾向がみられた(図 3 , 表 3) .
(4)
データを蕃にした 75 年間 ( 1 9 3 1 年'" 2006 年)の 1 克 2 毘の雷日数の推移:図
4では目盛り間 関が大きいためはっきりしないが、表 4では差が明確となる.高山を除き他の 5都市は雷日数(雷の 降った日数.一瞬でも雪を観測すれば雷日数となる)の減少が著しい.温暖化の影響と考えられる.
( 5 ) 近似式による 1 ∞年後の雷
B数の予澱:近似式によると 2100 年には,名古屋・浜松・岐皐・
京の各観測地点の雪日数は大幅に減るが,高山だけは増加することが判明した(表 4 ) . 高山の雪日数 の増加と 1 月2 月の降水量の増加とは結び、つかなかった.このデータを見る限り雪日数の減少は,年 関降水量の減少よりも温暖化の影響と考えられる.
4 .
れている通り東海地方のどの観測地点においても,図 1 で示すように 1 0 0 年跨に平均気温 (変動しながらも)は確実に上昇している.その上昇は急、激である(特に東京).線形近似式によると 1 9 0 0 年から 2000 年までの 1 0 0 年の開に,対象として加えた東京は, 3 . 1 o C ,名古屋1. 8
0C ,浜松1. 5
0C , 津1. 8 o C ,岐阜 2 . 1 o C ,高山1. 4
0C の上昇であった(表2 ) . IPCC による地球温暖化の予測では,この 100 年で気温が最も上昇すると仮定すると 2100 年には 3 . 5 u c の上昇と予測している(環境庁地球環境部,
1 9 9 7 ) .表 2 の線形近似式を用いた近似(現状のままと仮定)では, 2100 年には東京の平均気温は 6 . 1
0C
の上昇,岐阜では 4 . 2
0C ,名古屋では 3 . 7
0C の上昇となり IPCC の予想を超える結果となった.一番低 い高山でも 2 . 8
0C の上昇となる.気温上昇の原因として海流や地形などの自然要因を考慮する必要が あるが,どの地域においても気温の上昇は明白な ある.各地域の平均気温は上昇しているが,
上昇の傾向は一様ではない(同じ率ではなくバラツキがある)理由として,人口の伸び率ではなく人
口集中に伴う都市化の差を考慮する必要がある(表 1 ) .平成の大合併で誕生した都市には,市域面積
が全国第一位の高山市や第二位の浜松市がある.この両市は広大な山地を含むため人口の伸び率と気
温上昇とは必ずしも一致しない.東京での気温上昇が特に著しいのは,都市化による人口の集中と人
間活動に伴う大量の熱エネルギー消費(発生)のためと思われる.その一例として,人間活動の結果
により生じる環八雲がある(塚本, 1 9 9 8 ) . 大都市のヒートアイランド現象は今や東京ばかりではなく
大阪,名吉震,札幌でもみられる.この乙ートアイランド現象の原因は複雑に絡み合っているが,化
石燃料の使用以外にも森林面積の減少,緑のダムといわれる水田の減少や森林面積減少に伴う植物か
らの蒸散量の減少,これに付随する大気中の水蒸気の減少が気温の上昇及び降水量の減少を引き起こ
していると思われる.名古屋,岐阜,津,東京の観測地点(図 2 には示してないが浜松,高山も同様
である)での 2 月と 8 月の 1 0 0 年間の平均気温をみても気温上昇は明白な事実である(図 2 ) . これらの
( a )
ε
ε
3 0 0 0 . 0
2 5 0 0 . 0
2 0 0 0 . 0
吉岡
1 5 0 0 . 0
ム乙、
E、
監
1 0 0 0 . 0
5 0 0 . 0
0 . 0
3 0 0 0 . 0
( b )
2500O
2 0 0 0 . 0
〆'町、、
ε
g
、 句4〆
量酬耗生
1 5 0 0 . 0 1 0 0 0 . 0
5 0 0 . 0 0 . 0
1900 1920
A
認協 A
1900 1 9 2 0
盟 欝
国
閤 麗
番多
A
題浜松
i:章一多項式(津) 一瞬多項式(東京)
1940 1960 1980 2000
麗
A A
露盤 鴎
曜 争
番多 曜多 曜勢
関岐阜 ム 品 山
雌欄幡多項式(高山) 一 多項式(名古屋)
1940 1 9 8 0 2000
年図 3. 各都市の 100 年間(1907 年~2006 年)の降水量と近似グラブ.
(司東京@浜松@津の蜂水量と近似グラフ*
(b)
名古塵@岐皐@高山の降水量と近似グラフ爾
9 7
号 (2 0 0 8 )
( a )
300 300
け ト2
尭 の 雪 出 数 泌1 ‑ 2
月 の 跨 水 量 血 縁 形 (1‑2月(J)雲自数)一線形 (1'2月の降水量〉250 250 I
ロ 室温
1 5 5 2
∞ 1 l:I200
酬 耗盤
1 5 0
j j咲1lE
1 0 0
5 0
怒 1:1
思
怒喝
P
溜ロ
l:I
滋 l:I l:I 1:1
150
器
1
∞ 察署一一溜一一 一E喜一持
一峯認 も⑫ 額 一 l:I E3
J 組 J
轟轟接寄 今 A 曜接 轟 轟 弘 4
G 。
1 9 3 0 1950 1970 1 9 9 0 2010 1930 1950 1 9 7 0 1 9 9 0 2010
( c )
500
φjト2
月 の 雪 日 数 ロ ト2
舟の降水量300
け ト2
月 の 雪 百 数 綴1 ‑ 2
Flの降水量 (1' 2丹の雪臼数)一線影 (1・2月のi
建水量) (1・2月の警告数)一線影 (1‑2月400 250
) E 300 E
yコ
‑ 0 . 0 1 3 6 x
+3 2 . 0 8
5200
l:I l:I 羽
国長
竿副
200
図 関 関 際盤 理 150
3現/̲,←T
1 0 0 1 0 0
l:Il:I
50
翻 悶 ロ
O O
1 9 3 0 1 9 5 0 1 9 7 0 1 9 9 0 2010 1930 1950 1 9 7 0 1 9 9 0 2010
( 告 ) ( f )
600 ド . . 一 4
月‑の雪nt:l白m数朝一山a
線1‑ 2
形月(の1 ‑
降月水の量2 i
建水量)400
φト2
月 の 零 自 数 関 ト2 )
寺臨欄鱗形(
1
・2
月の繋日 線 形 (1
・2
舟の捧水量)500 350
l:I際 y二
0 . 0 4
関9 9 x
1 E 3300 5 2 . 9 3 4 E
ξ400
yコー0 . 0 3 9 4 x
+9 5 . 5 0 2
1:1 E草 関盤
酬 キ::E300
白 目
250
悶 隠
悶 CI 1:1 窃
1 5 0
ヨ ,
D窓100
l:I
。 50 。
1 9 3 0 1950 1970 1 9 9 0 2010 1930 1950 1 9 7 0 1 9 9 0 2010
関4担各都市の1F.12丹の雷日数と降水量(1931年から
2 0 0 6
年までの7 5
年間)及び近似グブ. (吋東京の1月2
月の雷日数と隣水量の近似グラフ.
( b )
名古屋の1
月2
月の語日数と降水量の近似グラ7. ( c )
浜松の1
月2F.1の雷呂数と降水量と近似グラフ網 (d)津の1丹2毘の雪国数と降水量の近鋭グラフ.(e)岐阜のt
F.l2
月の雷日数と蜂水量の近似グラフ様(司高山の1
月2毘の雪日数と降水量の近似夕、ラフ楊明白な気温上昇は人為的背景と考えざるを得ない.
年 間 降 水 量 は 年 度 に よ り バ ラ ツ キ が 大 き い た め 一 概 に は 断 定 で き な い が , 各 観 測 地 点 の
1 0 0
年 間( 1 9 0 7
年‑‑‑‑2 0 0 6
年)の降水量は,岐阜,高山,浜松,津では減少傾向となっている(函3 ) .
降水量の 減少が乾燥化を招き,さらに降水量の減少を招いていると推定される.しかし,東京と名古屋は減少 傾向から増加傾向に転じている.東京と名古屋の場合は,人間活動に伴うたートアイランド現象による局地的な降水が加わり 結果的に増加したと推定した.
日数も年度によりバラツキが大きいが?全体傾向としては確実に減少に向かっている.
と雷日数は必ずしも一致しなかった.一致しない原因のーっとして,観測時に雪が舞っていれ 自数にカウントされるためと思われる.雪日数の減少も温暖化の影響が如実に現れている証拠と えられる.
5 まと
現状のまま推移し手を扶いていると,
1 9 0 0
年から2100
年までの200
年間で,名古屋,津,岐阜では3
0C
以上の上昇(平均気温)となり温暖化がより進行し,東京は亜熱帯の気候に近づく可能性が出て きた.温暖化は異常気象を引き起こすばかりではなく生態系にも大きな影響を与えている.アメリカ・フ口リダナ
1 1 '
のミシシッピーワニ( A l l i g a t o rm i s s i s s i p p i e n s i s )
は,内分泌撹乱化学物質による脱雄性 化や癖化率の低下が問題となっている@温暖化は内分泌撹乱化学物質の悪夢に加え,艇虫類の仲間で あるワニ@トカゲ・カメなどの解化にも深刻 を与える(伊豆熱) 1 1
バナナワニ鴎 ,http://www4
.i‑youne
t.n e . j p / ‑ w a n i e n / i n d e x 2 n o 2 . h t m )
.この件については,南アフリカS t e l l e nb o s c h
大学のA l i s o n
L e s l i e
が「地球温竣化はワニにとって大打撃?J
と を鳴らしている( h t t p : / / w w w . e a r t h w a t c h . j p / p r o j e c t / p r o j e c t l i s t / w o r l d / 8 ̲ a f / z a m b e z i ̲ c r o c o d i l e s . h t m
l).砂浜海岸の急速な減少はダムによる土砂の供給が絶たれたことも理由の
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つではあるが,温暖化に よる海水面上昇の影響も大きい.生態系や稲作などの農作物にまでも大きな影響を与える温暖化は,結局は一人ひとりの行動や意思にかかってくるのではないだろうか.熱い水(湯)にカエルを入れる と慌てて飛び出すが,ぬるま湯に入れておくとそのまま茄ってしまうという「茄でガエル」にならな いように,先ずは足元である地元地域の滋暖化の現状を知札将来の変動を最小限に抑えるような 明な行動が必要となるであろう.
小中学校生の利用に関しては,
することは科学する力の育成を,
タの収集は目的を持った輔広い知識の育成に繋がり,グラブ化 タ解釈は思考力・探求力の育成となるであろう.また,自分な りの考え方を持つことは多方面に関心を向けより多くの情報収集に自を向けることに繋がる.温暖化 の検証は,身近な問題として扱うよい材料となるのではないだろうか.
今後の課題としては,
2100
年での年間降水量予想、は東京と名古屋は,線形近似式だと極端な減少傾 向となり?多項式近似式だと首を傾げる値となる.年による降水量のバラツキの大きさが予想を難しくしていると思われる@正確な予想値の産出方法を見つけることも大切なことである.
快適な環境を求め由然の営みをさえも変えてしまう人類の果てしない欲望から,かけがえのない地 球を守る活動へと方向転換することが大切だと切に思われる.これから地球は氷河期に向かうと叫ば れた時代が懐かしく思える昨今である.
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砲引用文献井原道夫.t
兵
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地