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Academic year: 2021

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(1)

長崎大学工学部研究報告 第 28 巻 第 51 号 平成 1 0

7

237

透過性潜堤 による平面波浪場の制御 に関す る研究

富 樫 宏 由*・山 田 和 弘**

St ud yo nt heCo n t r o lo ft hePl a neWa v e sFi e l d byaSubme r ge dPe r me a bl eBr e a kwa t e r

by

Hi r o y o s h i TOGAS HI *a n dKa z u h i r oYAMADA* *

I nr e c e ntye a r s , a st hec o ns c i o us ne s sf o re nvi r onme nt a lpr o t e c t i ona ndc oa s t als c e ne r yns e s , t hewa ve s c o nt r o lt e c hni queus i ngs ubme r gedpe m e a bl ebr e a kwa t e r sha sbe c omeo fma j o ri nt e r e s tl a t e l y.Cons e ‑ q ue nt l y,S omemode le quat i o nsha vea l r e a dybe e npr e s e nt eds of a r ,a ndt heve r t i c a lt wo ‑ di me ns i o na l a na l ys i so rt hemode l a na l ys i sast hec ha r ac t e r i s t i c so ft her e f l e c t i onort hepe m e a bi l i t ybyt he mha vebe e n c a 汀i e do ut .Ho we ve r , t hepl a newa ve sa na l ys e so nt her e a lc o as t a la r e aa r ei ndi s pe ns a bl ebe c a us et he wa ve sc ont r o le f f e c t sus l ngbr e a kwa t e ra r ei nf l ue nc edbyt heva r io usf a c t o r s .

So,t hi ss t udya i mst oa na l yz et hepl a newa vef i e l dsa r o undas ubme r ge dpe m e a bl ebr e a kwa t e rus i ng t hemo de le qua t i onc o ns i de r i ngpr e s e nc eo fape m e a bl el a ye runde rt hea s s umpt i o no fmi l ds l ope.

1 . まえが き

従来 ,わが国におけ る海岸防災構造物 として,数多 くの離岸堤 が施工 されて きた.その理 由 として,高い 波浪制御効果お よび堆砂効果 を もち,かつ施工 ・維持 管理 も容易であ るこ とがあげ られる.通常 ,離岸堤背 後 には,舌状 に張 り出 した海浜地形 ( 舌状砂 州),義 るいは トンボロが形成 され るが, この ような離岸堤の 波浪制御効果あ るいは海浜変形制御効果 については, すでに数多 くの実験 .実証的,あるいは理論的な研究 が行われている. しか し,最近の環境保全 および沿岸 景観 に対 す る意識の高ま りと共 に,従来の離岸堤のあ りかたを見直 し,新 たな波浪制御 ・海岸侵食制御構造 物の研究 お よび開発が求め られ るようにな って きた.

その中で も,人工 リーフや大規模清堤 と呼ばれ るもの に代表 され る透過性潜堤 を利用 した波浪制御工 が注 目 されている.それに伴 って,潜堤の反射や透過特性 に 関 して数多 くの研究 が行われて きたが,従来 の研究の 殆 どは鉛直 2次元 もしくはモデル解析 とい った限 られ 平成 1 0 年 4 月 24

*社会開発工学科 ( De par t me ntofCi v ilEng ine e r ing)

**日本鋪道 ( Ni pponHo do,Co. )

た条件下の ものである. しか しなが ら,清堤 を含めた 離岸堤 による波浪制御効果 は,設置 される海岸の様 々 な要田に左右 され るために,上述の ような限 られた条 件下 での解析だけでは不十分で,実海域 におけ る平面 的波浪場の解析が不可欠である.そ こで本研究 におい ては,現在 ,長崎市西部 の手熊海岸 で透過性清堤 に よ る波浪制御工 が計画 されている実海域 を対象 とし,逮 過性潜堤周辺の平面的波浪場 を,緩勾配の仮定の下 に 透水層の存在 を考慮 したモデル方程式 を用 いて数値 シ

ミュレーシ ョン解析す る.

2. 平面波浪鳩の計井法

緩勾配底面上 におけ る波の運動 を考 える.水の粘性

お よび圧縮性 を無視 し,波の運動 が渦無 し運動 であ る

と仮定 す る と速度 ポ テン シ ャル ◎ が定義 で き

,

◎ が

ラプ ラス方程式 を満 たす.次に,潜堤周辺の波 は微小

振幅波 であ る と仮定 す る と,速度ポテンシ ャルの鉛直

方向への分布 を仮定 で きる.それを基 に速度ポテンシ

(2)

ヤル ◎ に関す るラプラス方程式 を鉛直方向へ債分 し, 更に底面摩擦 な どによる波の減衰 を流体運動 に抵抗力 が働 く場合のそれで模擬す る と,不透過底面上の海面 変動 を支配する緩勾配方程式は以下の ように書け る.

・( c o g ∇ ヮ) + ( I+l fD) k 2 c c g ヮ ‑ 0 ( I ) 一方,水平透過水層上の海面変動 を支配す る緩勾配方 程式は以下の ように書ける.

∇2 ヴ+ ( 1十I fD) k 2 ヮ‑0

(2)

ただ し, ∇ ‑( ∂/ a x, ∂ / a y) ,i ‑ √ =了 ,k は波数 , C は 波速,c gは群速度,fD は波高減衰係数であ り , では複 素振幅を表わす.減衰係数 に関 しては,砕波領域 にお いて Yuら ( 1 992)の捷案 した経験式で与 える.砕波 領域 を定める際 には,全領域で砕波 しないことを仮定 した試算 を行 い,その計算結果 に合 田 ( 1 97 5)の砕波 条件式 を適用する.波数は波の角周波数お よび水深か

ら以下の分散関係式で求め る.

q2 ‑

g た ( ( E +Fp ) C 2 h h p + ( ‑ e + Fp ) ) e h h l ‑( ( ‑ E +Fp ) C 2 k h p +( C +Fp ) ) C ‑ k h l

i ( ( 十Fp ) e P +( ‑C +Fp ) ) c1 +( ( ‑e + Fp )

e

P +( E +Fp ) I e ‑ 1

( 3) ここに,Uは角周波数

,g

は重力加速度 ,h lは堤体上 の水深 ,h p は堤体 高 さ , Eは空 隙率 ,F p は抵抗係数 を含む関数である.式 ( 3 ) において,透水層の空隙率 £ を 0とすれば,水深 h lでの通常 の微小振幅波 と一致 す る.

境界条件 に関 しては, 自由水面の変位 を既知 とす る 強制境界,不透過境界および部分透過境界を考 える.

強制境界 においては ヮを直接与 え,不透過境界 お よ び部分透過境界においては次の境界条件式で表 わす.

c c g莞 + 如 ・ リ‑0 ( 4 ) 5 0 0

ただ し,lお よび L 'は実 際の境界の物理的な状況 を反映す る係数であ り, nは境界の法線方 向を表 わす.

3. 数値モデル

数値計算は変分法 に基 づいた有限要素法 を用い て行 う.幸いに も,形の 上で式( 1 ) は式

(2)

を満た し ているので,式( 1 ) につい てのみ考 えれば よい.有

450

4 0 0

350

■ = ∈3 こ こ = l 0 0 L T ‑ I

>ヽ

250

2 0 0

1 50

1 0 0

限要素方程式 を導 く際に,まず対象問題の境界条件で 式( 1 ) の解 を最小化条件 とす る汎関数 を以下の ように得

る.

n ‑ 封。 l c c g (( ∇7)・ ( V7ト ( 1・l f D) k 272 ) ] dQ

( 5 )

リ, 2 ( i 頼 +叩)dr

ここに , Q は対 象問層 の商域 を ,r 2 は境 界 をそれぞ れ表わす.計算領域 を三角形要素 に分割 し,各要素 に おいて既知量 および未知量 を共 にその節点値 と内挿関 数 の線形組 み合わせで近似 す る こ とに よ り,汎 関数

Ⅲ は下式の ように書 き換 え られる.

I T‑QT K守一野 T r

(6)

ただ し,Qは未知の複素振幅の節点値で構成 されるベ ク トルであ り, K は係数 マ トリックス

,r

は境界条 件 に関連 した既知のベ ク トルであ る.式

(6)

を汎関数の 最小化条件 に代入す ると,有限要素方程式

Kp‑r ( 7 )

が得 られる.式( 7 ) を強制境界条件 も満たされるように 修正 して解 くと, 複素振幅すなわち 自由水面の振幅 ( 実 部) と位相 ( 虚部)の節点値が得 られる.

4. 解析結果 と考察

(1)解析領域 と計算ケース

図 ‑

1 に構造物 のない手熊海岸の 自然海浜地形 を示

す .

次に,与 える入射波諸元 として平常時,最大波時お よび異常時の波浪 ( 義 ‑ 1参照)を考 える.これ らに 対 して,まず構造物が存在 しない ときの当海岸の波浪

400 5 0 0

600

7 0 0 8 0 0

x( ∩)

‑ 1 手熊海岸の 自然海浜地形

9 0 0 1 ∝) 0 11 0 0

(3)

透過性潜堤に よる平面波浪場 の制御 に関す る研究

秦 ‑ 1 代表波諸元

代表波 入射波高

(m)

周期

(see)

波向 ( 角度) 平常時 I . 2 7 4. 8 9 0 最大波 2. 5 5 6. 8ー 9 0 異常時 3. 6 0 1 6. 0 9 0 特性 を把握 した上 で ( 平常時),計画 されてい る離岸 潜堤 ( 堤体長 1 5 0m , 堤体幅 4 0m ,天端水深 1. 6 6m ,堤 体数 2 基,堤体間隔 5 0m) を①不透過性 ( 空隙率 0) , お よび( 彰透過性 ( 空隙率 5 6%) に した とき,の計 6 ケ ー スにおけ る解析結果 を掲載す る.

また,今後考察 を行 う上で表現 を容易にす るために 便宜的 に海域 を,海域 A ( 4 0 0m ≦x ≦6 0 0m) ,海域 B ( 600m

∬ ≦800m) ,海域

C

( 800m ≦∬) に分割 し, 2 箇所 の砂浜 を,砂浜 A ( 620m ≦x ≦72 0m ,y‑45 0 m ),砂浜 B ( x‑1 020m ,23 0m ≦y ≦320m) と名付 け,更に 2 堤の離岸堤 を,砂浜 Aを護 るべ き離岸堤 を 離岸堤 A ,砂浜 B を護 るべ き離岸堤 を離岸堤 B と名付 け る.

(2 )解析結果 と考察

a) 平常時におけ る波浪制御効果

まず,手熊海岸の 自然海浜地形 による波浪特性 を把 握す るために,図 ‑2 に離岸堤 が存在 しない ときの解 析結果 ( 波高分布)を示す. これは基本的 に,水深の 変化のみによって生 じた浅水変形 と屈折効果,お よび 海岸 か らの反射波 とに よる波高分布 お よび波 向の様子 であ る.ただ し, 2 箇所の砂浜か らの反射波 は無視す る. この場合 ,大 き く分 けて海域 A,Bの 2 箇所 で波 高の増幅 がみ られ る, これ らは どち らも水深 が小 さ く なって くるのに伴 う浅水変形 による波高増幅 と,海岸

5 00

450

4 00

350

∈ 300

ヽ ■ ■ ′ ■

>ヽ

250

200

1 50

1 0 0

23 9

か らの反射波が集 まって くる位置, とい う 2つの要素 が重 な り合 うこ とに よって生 じる波 高増 幅領域 であ る.次に屈折効果 をみてみ る と,水深 4 m 付近か ら砕 波 お よび屈折効果が現れている.屈折は浅海域でみ ら れる現象なので, もっ と水深の深い所で も起 こってい る もの と考 え られる茄,浅水変形 による波高増幅の限 界 と砕波地点 を過 ぎてか ら,屈折効果は顕著 に現れる ようになる.砕波帯内では,等波高線ははは等水深線 に沿 った形 になっている.なお, 2 箇所の砂浜に注 目 す る と,砂浜 A付近 では静穏海域 の 目安 とされ る 0. 5

m 等波 高線 はかな り砂浜近 くまで きてい るのか分 か る. これは,直角 に入射 して きた波 は何 も障害物が無 い場合,その運動の方 向に運動 を続け ようとする し, 等水深線 も砂浜の方 に向か って徐 々に浅 くな っている ことか ら,浅水変形 に よる波高の増幅が砂浜近 くまで 起 こっていることに加 え,屈折効果 によ り波が収束 し て くるこ とに よるが,砂浜では波は発散 し,波高は低 減 している.一方 ,砂浜 B付近は,入射波が直接砂浜 に打ち寄 せず,かな り屈折 を経過 して くるので砂浜A に比べて比較的静穏な海域 にな っている.また, この 付近の等水深線は急激 に曲折 しているので,浅水変形 による波高の増幅 も砂浜A付近 より後退 している.

図 ‑3 に計画不透過性離岸港堤設置時の解析結果を 示 す.まず,海域 Aに関 しては所 々で波高の増幅がみ られ るものの,比較的安定 している. これは離岸堤が 潜堤 であ るため,離岸堤の影響 を受 けに くい もの と考 え られる.また,滞堤 では完全な遮蔽体 とな らないの で,潜堤前面 では部分重複波の領域 とな り,波高はそ れ程大 き くはない.む しろ, この部分は図 ‑2 で もと

もと波高の増幅 している海域 であることか ら,その現 象が大 き く反映 されている もの と考 え られる.一方,

一 一 J I

40 0 500 6 ∝ ) 7 0 0 800

x( ∩)

900 1 0 C O 11 0 0

図 ‑2 離岸堤 が存在 しない ときの波高分布 ( 平常時)

潜堤周辺 お よびその背後 の海域 では,回折現象は それ程願書 に現れていな い.む しろ屈折効果 によ る影響 をよ り大 き く受け て い る もの と考 え られ る.また,潜堤 によって 遮 蔽 さ れ るべ き海 域 を 0. 5m 等波 高線 で見 てみ る と,潜堤 を設置 した こ とに よ り静穏海域 が広 く なってい るのか分か る.

従 って,堤体背後では堆 砂効果が期待で きる.

図 ‑4 に計画透過性離

(4)

純 4‑。 棚 3‑。

(≡)I

抑 棚 棚 湖 謝

納 Ⅷ

400 5 00 6 0 0 7 ∞ 8 0 0

x( ∩)

8 0 0 1 000 1 1 0 0

図 ‑3 不透過性滞堤設置時の波高分布 ( 平常時)

5 00 600 7∞ 800

x( ∩)

図 ‑4 透過性潜堤設置時の波高分布

岸清堤設置時の解析結果 を示す. この とき,図 ‑3 で 述べた ように,潜堤 では完全な遮蔽体 とな らないので 潜堤前面では部分重複波の領域 とな り,波高の増幅 し ている箇所が認め られる.ただ し, この場合はそれが 点在 しているため,た とえそれが潜堤か らの反射波 と 浅水変形 による波高の増幅 との相互作用であって も, 明 らか に図 ‑ 3 のそれ よ りも波 高は小 さ くな ってい る. これは潜堤 を透過性 に した ことによるエネルギー 吸収 お よびエネルギー透過 に よって,反射波 エネル ギーが減少 したため と考 え られ る.一方,清堤周辺お よびその背後の海域 では,前述の ように潜堤では完全 な遮蔽体 とな らないので回折効果は現れに くい と考 え られるが, この場合 においては回折効果が非常 に大 き く現れているように見受け られる. これは,潜堤 を越 える波が滞堤上で砕波 を生 じて波 エネルギーが減少す

9 0 0 1 ∝ 氾 11 0 0

( 平常時)

ることと,潜堤 を透過性 に した ことによるエネル ギー吸収 によって波 エネ ルギーが減少 したため と 考 え られる.次に,潜堤 によって遮蔽 される海域 を図 ‑3 のそれ と比較 し てみ る と,明 らかに図‑

4 の方が静穏海域は広が ってお り,堤体背後 にお いて もそれ以上の堆砂効 果が期待で きる.

b)最大波時 におけ る波 浪制御効果

図 ‑ 5 に計画不透過性 離岸潜堤設置時の解析結 果を示す. この とき,港 堤 を設置す ることによっ て等波高線が全体的に後 退 している.従 って静穏 海域 も広がってお り,逮 蔽域では波浪制御効果が 得 られている.一方,屈 折効果は水深が急激 に変 化す る箇所 と砂浜付近で 現れている程度である.

また,不透過性潜堤では 回折効果は殆 どみ られな い .

図 ‑6 に計画透過性離 岸潜堤設置時の解析結果 を示す.潜堤全面の海域 にお け る波高分布は前述の図 ‑ 5と大差はない. しか し注 目すべ きは,潜堤上お よび潜堤周辺 とその背後の海域 におけ る波高分布である.特 に,潜堤 を越 える波が潜 堤上で砕波 し, 急激 に波高が低減 しているのが分か る.

つま り,砕波 による急激なエネルギー減少 と清堤の透 過性 によるエネルギー吸収が同時に起 こるため,清盤 上お よび潜堤 内を通過 した波はエネルギーポテンシャ ルの低 い状態 にある.それを補 うために,潜堤先端付 近 において波の回折が起 こっている と考 え られる. こ の とき, 潜堤 によって遮蔽 される海域の静穏度は高 く, 堆砂効果 も期待で きる.

C)異常時 における波浪制御効果

図 ‑7 に計画不透過性離岸潜堤設置時の解析結果 を

(5)

透過性潜堤に よる平面波浪場 の制御 に関す る研究 241

和 樹 棚 湖 細 25。 抑 (∈ こ 叩 .5。 棚 卸

∈3 0 0 I J

>ヽ 250

2 0 0

1 50

1 0 0

5 0 0

450

4 0 0

350

∈ 3 0 0

E T ! : i

>ヽ 2

5

0

00 50 00 2 1 1

400 5 0 0 6 0 0 7 C K

)

800 9 00 1000 11 0 0

x(∩)

図 一 5

不透過性潜堤設置時の波高分布 ( 最大波時)

400 9 C O 1 ( 氾 0 11 0 0

‑ 6 透過性潜堤設置時の波高分布 ( 最大波時)

7 0 0 8 0 0

x(m)

9 0 0 1 000 11 00

‑7 不透過性潜堤設置時の波高分布 ( 異常時)

示す. ここでは,今 まで の不透過性離岸潜堤 に よ る波高分布では現れに く かった潜堤 に よる回折効 果が顕著 に現れている.

これは,入射波が元 々大 きいために潜堤上での急 激な水深変化 によ り急激 な砕波が起 こ り,その分 回折効果が大 き く現れ る もの と考 え られる. 次 に, 潜堤 に よって遮蔽 され る 海域 に注 目してみ る と, 砂浜 A 付近の海域は静穏 になってお り,堆砂効果 も期待 で きるが,砂浜 B 付近 の海 域 は

0.5m

等波 高線がかな り砂浜 に近づ いてお り,静穏 になって いる とは言 い難い.

図 ‑

8 に計画透過性離 岸潜堤設置時の解析結果 を示 す. これは,実際 よ りかな り早 い段階で砕波 が生 じてい るため,全体 的 に等波高線 が後退 して いる債 向にあ る. 従 って, 潜堤 に よって遮蔽 され る 海域の静穏域 に関 しては 厳密 な こ とは言 えない.

しか し,砂浜 B 付近の海 域 に注 目す る と,潜堤 B

による回折効果 と水深変 化 に よる屈折効果が共存 し

, 0.5m

等波 高線 はか な り砂浜 に接近 している のが分 かる.

5.

ま とめ

本研究 では,手熊海岸

の景観の保全 に焦点 を当

て,不透過性 お よび透過

性潜堤周辺の海域 におけ

る波浪制御 についての検

討 を行 った.得 られた成

果 を要約す る と,以下の

(6)

500

450

40 0

3

50

喜 3 0 0

>ヽ

25 0

2 0 0

1 5 0

1 0 0

400 500 6 CO 700 800

x( ∩)

9 0 0 1 000 11 0 0

図 ‑8 透過性滞堤設置時の波高分布 ( 異常時)

ようにな る.

まず,潜堤 に よる水深の急変 に伴 う強制砕波は,入 射波の諸元 に よる ところが大 き く,入射波高が大 きい ほ ど砕波 による波高減衰 も大 きいが,透過性潜堤 では 入射波 高 が小 さ くて も港 堤 の透過 性 に よる波 エネル ギー吸収 に よ り,潜堤背後 に比較的広 い静穏域 が造 ら れ る.従 って,潜堤 において も堆積土砂の沖方 向への 流 出を防止す る効果のあ ることが分か った.

次 に,潜堤 は完全 な遮蔽体 とな らないので,清堤 に よる回折効果は離岸堤 ほ どではないが,潜堤背後 にお け る波 エネルギーが潜堤上での砕波 によるエネルギー 逸散 やエネルギー吸収 に よって減少 し,それを補 うた めに滞堤先端付近 お よび開 口部 において回折現象が現 れ る.従 って,潜堤背後の海域 において も砂 が堆漬 し やす くな ってい るのが分 か った.ただ し, これは透過 性落莫 の場合 において顕著 であ る.

以上 に, 潜堤 による波浪制御効果 を検討 して きたが, その効果は不透過性潜堤 よ りも透過性潜堤 の方 が優 れ てい る といえる. しか し,潮位変動 および入射波浪の 変化の激 しい海岸では天端水深 が大 き く変動 し,従 っ てその波浪制御効果 も大 き く変動 す るこ とが考 え られ る.また,船舶の航行安全上大 きな障害 にな るな どの 問題点 も残 されてい るが,景観保全 と波浪制御のみに

目的 を絞 れば,透過性潜 堤 で も十分その役割 を果 たす こ とがで きる もの と 考 え られ る.

謝 辞

本 研 究 を行 う に 当 た り,東京大学大学院工学 系研究科社会基盤工学専 攻 の余 錫平助教授 には 適切 な御指導 ,助言 を賜 った.また,復建調査設 計株式会社 の橋 口 剛氏 には参考資料 の提供等 に おいて御協 力頂 いた. こ こに,以上の方 々に対 し て心 か ら御礼 を申 し上げ る.

参 考 文 献

1)Xi pi ngYu, Ma s a hi koI s o bea nd A ki r aWa t a na be:

Fi ni t eEl e me ntSo l ut i o no fWa veFi e l da r o und St r uc t ur e si n Ne a r s ho r eZo ne,Pr o c e e di ngso f J SCE,Vo l . 3 5,No. 1 ,pp. 2ト3 3,1 9 9 2.

2 )東京大学工学部土木教室 :土木工学研究会平成 2 年度第

6

回 沿岸域波浪場の解析手法 とその応用,

( 財)総合研究奨励会 東京大学工学部土木教室, 1 9 9 1.

3 )土木学会海岸工学委員会研究現況 レビ ュー小委員 会 :海岸波動 ( 波 ・構造物 ・地盤の相互作用の解 析法),社団法人 土木学 会 ,1 9 9 4.

4 )余 錫平,富樫宏 由 :汚水振動 に対 す る河川の影 響 につ いて,海岸工学論文集 第 43 巻 ,pp. 271 ‑ 2 7 5,1 9 9 6.

5 )余 錫平 :ポー ラス境界条件 について,平成 5 年 度 土木学会西部支部研究発表会講演概要集 ,pp.

21 0 ‑21 1 ,1 9 9 4.

6)Ⅹi pi ng Yu a nd Hi r o yos hiTo ga s hi : Ⅰ 汀e gul a r Wa ve so ve ra nEmi pt i cSho a l ,Pr o c.2 4 t h I CCE , pp. 7 4 6 ‑7 6 0,1 9 9 4.

7) 技研興業株式会社 :六脚 ブロ ック ,1 9 8 3.

参照

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