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中村隆志名誉教授記念号の刊行にあたって
学長 和 田 健 夫
中村隆志先生は,1973年に北海道大学工学部電気工学科を卒業され,同大学 大学院工学研究科に進学されました。1975年に修士課程を修了した後,₆年間 の民間会社での勤務を経て,1981年に本学商学部管理科学科(1991年10月から 社会情報学科)助手として赴任,1985年に同講師,1986年に同助教授,1994年 に同教授となられ,2014年₃月に定年退職されました。定年後₂年間の特任教 授期間を含め,35年の長きにわたり,本学の教育研究や大学運営に多大の貢献 をなされました。
大学運営の面では,2000年₄月~2002年₃月,2006年₄月~2008年₃月,
2010年₄月~2012年₃月と通算₆年にわたり社会情報学科長を務められまし た。とりわけ,1989年₁月に旧計算センターを情報処理センターに改組した際 には,システム仕様書策定委員会のメンバーとして準備段階から参画され,情 報処理センター発足後は同センター員,同副センター長,そして1997年₁月~
2000年₇月には同センター長に就任されるなど,情報処理センターの立ち上げ 時から組織運営に尽力されたことは特筆に値するものです。
中村先生の専攻分野は,システム工学です。新交通システム,生産システム など,確率的に状態の変動するシステムの分析・評価に関する研究で多くの業 績を挙げられました。それらは,たとえば,「マルコフ連鎖モデルによる個別 軌道輸送システム₂バース駅の解析(共著)」(電子通信学会論文誌A,Vol.
J67-A, No. 12,1984年),「マルコフ連鎖によるトランスファ型自動生産シス テムの解析-₁段階₂機械モデル-(共著)」(同Vol. J68-A, No. 2, 1985年),「マ ルコフ連鎖による₁段階グループ型自動生産システム機械部の特性解析(共
商 学 討 究 第67巻 第4号 2
著)」(日本オペレーションズリサーチ学会論文誌Feb-30,1987年),「複数窓 口同時サービス並進待ち行列の入力制御」(商学討究41巻₄号,1991年),「一 般化確率ペトリネットによる有限容量同時並進サービス待行列のモデル化」(同 52巻₄号,2002年)などです。そして,これらの研究により,1987年,北海道 大学から工学博士の学位を授与されました。
教育の面では,中村先生は,学部では,「情報処理」,「計画数学」,「社会情 報入門」の講義と「研究指導」を,大学院では,「マネジメント・サイエンスⅠ」
(現代商学専攻博士前期課程)を担当されました。講義の中で長く担当された
「情報処理」では,プログラミング中心の授業が行われました。これは,履修 者が自分で学ぶ気がなければ修得できない科目であるため,先生は,履修者に プログラムへの興味を持たせる様々な工夫を試みたということです。「研究指 導(ゼミナール)」では,先生のご研究に関連するテーマ(「確率システムのモ デル化と解析に関する研究」)のもとに,理論の修得と応用研究が行われ,多 くの学生が育っていきました。28年間の間に143名の学生を指導されました。
長きにわたる本学へのご貢献に改めて感謝申し上げるとともに,一層のご活 躍を祈念しております。