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素  粒  子  論(皿)

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(1)

69

素  粒  子  論(皿)

自然科学鮪研究室齋  藤  一  之

§1 序

論者腔鵬間の構卸)に於ぞ渥宇宙を内部縮,外部宇宙に分け,内音区縮に正の energy,質量,外部宇宙に負のenergy,質量が存在する場合に,内外両宇宙による発展 は内部宇宙に負のenergy,質量を生じせしむる事を示した。又この宇宙論の哲学的意味

       (3)     (2)

ヘ科学方法論に詳述してある。素粒子論§7に於てProton, neutronは負の質量を有す る事を示した。質量M(〉挽)を〃zの発展として考へるには正の質量をもつ粒子(ルf−〃z)

を結果として質量〃zに加へなければならないし,.Mの発展として辮を考へるには一(M 一〃Z)の質量をもつ粒子を結果としてMに加へなければならない。

質量の発展には肯定(否定)としての正の質量,否定(肯定)としての負の質量が必要 である。電気的発展に於て正の電気量と負の電気量が存在する事は周知の事実であり・一 は肯定として他の一っは否定としての役割を果して居る。さてDiracの方程式が負の energyの解を有する事は現実の反映であり,従つて如何なる方法を用ひてもこの現実・

即ち負のenergyを取去る事は出来ない。論者はこの負のenergy一この当然の帰結とし ての負の質量一を積極的に活用して粒子の運動方程式を導く新しい方法を提唱する。だが 負の質量は質量の発展にのみ必要である事を注意しなければならない。論者の理論は時間 空間の発展性の性質に特長を有して居る。坪ち・一点の時空が否定・肯定の後・他の一点 の時空になると云ふ考へがそれである。この考へは時空の連続性を意味するものでもなく        (3)

博梛 内のeventの古典的因果律を許すものでもない,即ちtoのeventAがtで eventBとなつた事は且とBで問題が解決された形となり,∫oのevent・4からは 如何なる物理法則を用ひても,tでeventBとは必らずしもならない形になつて居る。

この点を特に強調する。

さて負の質量は時間,空間の発展過程に表はれるものであり,従つて絶対時空の内部に 存在する。時間,空間は否定,肯定(本論文を通じてこの否定,肯定は部分的否定,部分 的肯定を合むものと解する)の後,新しい時間,空間となり,これは適当なる広義の坐標 変換,或は単位(次元)の変更によりLorentz frame→Lorentz frameと書き表わし 得るものと考へる。この事は質量の否定,肯定により新しい質量(これは観測可能)とな

(2)

70       茨城大学教育学部紀要 第七号

る111:に対応して居る。§2に於てnon−definite metric spaceに就て説明し,§3に於 て粒子の運動方程式に就て説明する。§4に於てsimple formalismに就て論ずる。

本論文は一Lとして発見的方法を川ひて説明されて居る。粒子の連動方程式は形式として は従来のstyleに類似的であるが,物理的忘味は非常に違つて居る。だがそれにもかか わらず,本論文はまだ不完全であり完全なる定式化は出来なかつた。しかしながら完全な る定式化が完成されても本論文に記述せる種々の物理的性質はそのま㌧生き残ると信ずる また従来の理論から論者の理論への移り変りの点に就ても多くの問題がある。問題の一部 は解決されて居るが多くは今後の研究によらなければならない。

§2 ηoπ一4のκ吻魏6〃ゴos勿o召.

(a)集合Lはvector空間を作る

       亀 ib)Lの仁自1の元∫名乃に対して

』一 一一

i (f,9)=(島ノ)

皿 (f,9+h)=(弄9)+(弄乃)

皿 (af,9)=α(∫8り

但しαは複素数とする。

(・)ll矯→°に対して

19を1碇した場合 瓢鰍9)→°

皿臨(fn,fn)→o

(d)然る時は(∫∫)は正,0,又は負の何れかの値を取り得る。

我々はこのvector空間のelementに就て以後考へる事とする。以下このvector s一 paceをnon−definite metric spaceと名付ける。

(1)

論文§7に於て本節の(a),(b)の規則が記述されて居る。又同論文に於て説得的方法で負 の質量が生ずる事は必然的である事を述ぺた。これは必然的に(∫∫)<0を容認する匡ji二を 意味する。従つて論者の理論はHilfert spaceに基礎を置く量子力学とは異なるものであ る。論者の負の質量は(〃)<0の反映であり,量子力学にもとつく如何なる理論とも異 なるものである事を強調する。存存論としては負のnormは外部宇宙の確率を表わし,正 のnormは内部宇宙に関する確率を表わす。従つて内部宇宙にele。tronがあり,外部 宇宙に反対のelectronがあると云う記述が即ち内部宇宙にelectronが存在すると云ふ 事実を表わすと定義する。だが負のnormの役割はこれにとどまらない。前節に述ぺた 如く粒子の発展即ち,粒子の否定,肯定として次元の異なる粒子に発展する事を容認する 以一ヒ,負の質量が表われるのを避ける事は出来ない。負の質量の表われは現実との矛盾を

(3)

斎 藤: 素 粒 子 論(皿)      71 意味するものではなく,逆に全宇宙全体の現実への反映であり,又内部宇宙での現実に於 ても弁証法的変化の過程として表われなければならないのである。論者は§3以下に於て 全宇宙(内,外両宇宙)に於ける現実,及び内部守宙の現実に於ける粒子の性質を種々の 角度より研究する。これにより論者のabsolute spaceの意床も明僚となり, absolute spaceとLorentz spaceの関係も理解する事が出来るであらう。

§3 粒子の運動方程式

今一般的operatorσのκ, y,9, 成分をσ@),σ(ツ),σ(2),σ(∫)と書き,σの固有

operator を σ1,σ2,(ア3 ……と書く

operatorρは外力(一般杓な)vector製により特定の固有operatgrρ・・ρ2・…を取 ると仮定する。襲は外力の種類により鶏,要12…となると仮定する・即ち

91ρ==班%ρπ       (1)

である。又竜磁場且のκ,ツ,9,渉成分を、4(κ),・4(の,A(z), Aσ)と警く。ε,はch一

arge operatorであり,6はcharge unitである。

(a)electron

今4元vectorρ(P,ρo)は

」ウσ1=σ11)      (2)

を,又vector黙1は

劉〔1ρ1=ρ1.∠1十〃20ρ1      (3)

を満足し,窺1とσ1,ρとρ1とは交換可能とする。

今vectb・   回ψ   (4)     .

      (5)

ノ(P+ε肌工)を左からoperateすると

(P十εVI 1)(ρのψ一/(ρ、σ・P+・4)+ρ・ぴ・(り吻+・4・+P・)}ψ一・ (5)         、

{巳し σ1,P=σ一1(κ)P(κ)+σ1(夕)P(y)十σ・1(9)P(2)       (6)

を意味し,(5)式の右辺の且は電磁potentialである。

又σ・(κ)一(一σ(hr) 0  0 σ(x)) σ・(y)一(−7)亀(£)

σ・(・)一(『で②σ(£) σ・α)一(1ゐ1)

(7)

ρ・一ill)         、

但しσ1,ρ1は4行4列のmatrixであり,σ(κ),σ(の,σ(9)はpauliのmatrixである

(4)

72      茨城大学教育学部紀要 第七号

鐵鰭謝脚爆禦)}(8)

α・(κ)一ρ・σ・ω一(−9(ず(智)α・(の一ρ・σ・(y)《−9(ッ酬  (9)

α・(の一ρ・σ・(・)一(−3(。)σ(曽)αm一ρ・σ・α)一(1コ1) ,

(5)式は(9)式により

{(α、P+eA)+αm(m+eA。+P。)}ψ一・ (1・)

となる・今ψ一{謝  (11)

とし上式を(10)に代入すると

{σ(x)(P(x)+eA(x))+σ(y)(ρ(y)+蜘))+σ(・)(P(・)綴・)}卯・+吻舶σ)

十ρ( ))go 1==0     (12α)

一{σ(x)(ρα)+・魚))+σ(ツ)(P(y)+・A(y)+σ②(P(の舶(・)}卯・一吻舶

)十P( ))g⊃2=0     (12∂)

(12α)式は内部宇宙に質量〃2,4元vector(P+6!1)が存在し,(12∂)は外部宇宙に質量 一〃2,4元vector−(P十eA)が存在する事を示すものと考へる。負の質量が存在する場 所は外部宇宙である。又(12α,∂)両式で内部宇宙にelectronが存在し,同時に外部宇 宙にperfect anti−electronが存在すると云ふ事を意味して居ると考へる。(このpart一 icleはPositronと異なり負の質量を有して居る)。従つて電子の質量は内部宇宙のみに よつて決定されるものではなく従つて計算により導きだす事は出来ない。即ち自己場・4と 質量勉は不可分の関係にあり故に自己場Aから駕を計算して出すと云ふ事は不可能である

4元vector(P十eA)に(−1)を掛けて(12のに代入すると

{σω(Pα)十θ且(x)十σ(.y)(Pω+蜘)+σ(・)(P(・)融・)}卯・+(P( )…

)一〃¢)992=0      (12ど〆)

(12α),(12∂)!は合してDiracの方程式である。

さてDiracの方程式を普通の記号のγ、,γ2,γ3,γ4を用ひ

γ・(羨+殉ψ+κψ一・ (13)

と書きcharge conjugate operator Cにより

ψ1=C−1ψo        (14)

なるψ!は次の方程式を満足する。即ち

γ・儀一殉ザ+・ψ・一・ (15)

(5)

斎 藤: 素 粒 子 論(・皿)      73 従つてψ1はpositronを表わす事がわかる

(13),(15)式は内部宇宙のparticleの式であり, electron, positronは同じ形式の方程 式を満足する。electronが安定な我が銀河系ではpositronが不安定であるが,内部宇 宙のどこかの星雲でpositronが安定であればそこではelectronは不安定である。だが それでも内部宇宙のみに限定した考へでは粒子の発展の無限性を理解する事は出来ない。

今momentumPの坐標κ,y,9, に対応してρ・4μの仮想杓坐標瓦y,Z,Sを導入し(13)

式のψを次の如く書く

ψ=ψ(x十iX,y十iY,9十iZ,it十s)        (i6)

ψのcomplexψ0は

ψo=ψ(x−iX,y−iY,z−iz,−it一十s)         (17)

と書き得る

が一G幻σ・) γ・一(一1 00  1) (18)

なる特別のmatrixを考へると C−i8,−8つ (19)

となるo従つて(14)式ぱ

ψ・一(一゜σ,+8うψ卿瓦卿y・・+iz・i z F7s) (2°)

となる。ここで注意する事は(3)式より,窺とpotentialAが決定される事はsが決定 されると云ふ事である。

(12∂)→(12が)にするには

究轡}噛 (21)癖s→読一sl

とすればよいから(12のは初めから一κ一班,−y一ゴY,−2−∫Z,一髭一Sの坐標をもつと 考へる。従つて外部宇宙の坐標はchargeの+,一を合せて考へると(一x,一ニソ,−9,−s)

で特長づけられる,換言すればfree stateでは内部宇宙ではSは増大し,外部宇宙で はSが減少する如くSを定める事が出来る。

最後に時間 により古典力学の運動が決定されると同じIE確度でSにより且と彿 が決定される。従つて竜子のmassが一定して居る事はSが或るconstant S 1にある 事を示して居る。論者はS、が負であると考へる。然るに内部宇宙では一般にSは増大 するから,electronも極めてゆつくりであるが少しつつ質量は減少して居ると断定する 事が出来る。実に不変なる存在は正確には有り得ないQだが論者は本論文ではelectron・

(6)

74      茨城大学教育学部紀要 第七号       ,      侮

proton等を近似的に不変であるかの如き取扱ひをする。

(b)π傭漉o

Diracの方程式(12α),(12が)に於て吻=0,A=0とすれば

{a(x)ρ(κ)+σ(ツ)ρ(の+σ(・)ρ(・)}卿α)91−・ (22・)

{σ(脚)+σ(夕)カ(ツ)+σ(・)ρ(・)}例+ρ伽・一・ (22∂)

(22α)+(22∂),及び(22α)一(22∂)をつくると

{σ(鯛+σ(夕)ρ(ツ)+σ(・)ρ(・)+ρα)}(卿・)一・ (23・)

{σω姻+σωρω+σ(・)ρ(・)一ρ( )}(一・)一・ (23∂)

さてρ( )は輸m・t・ixのρ( )1音であるから一般に{}は(23・)・(23∂)のいつれ かはzeroではない,今 σ(κ)ρ(κ)+σ(ッ)ρ(y)+σ(9)ρ(9)一ρ( )キ0とすれば一般に

(23のより91=ψ2でなければならない,但し

ψ・一

iφ、(s)φ,(−s)) ψ・一($ll2,))

とする。すると(22α),(22∂)は(18)式のmatrixを用ひて

γμρμψ=0     (24)    となる

φ、

但しψ一$1 (25)である

φ2

neutrinoのantiparticleは(20)式より ゆ2(一め

ψ・一傷2)ψ(x・y…一の一1綴:llll (26)

ゆ、(一の

となる・従つてザー(鋤とすれば

g91ノ十go 2ノ=O    go 1 −go 2ノ・≒・0    (27)

ψノはantiparticleであるから(23α),(23∂)を満足.する。(27)式より(23α)は満足 する事は判明するが一般にψ は(23のを満足しない。

    !φ・         o

。ψ

キとするとザ ll溜となる

.ヒ式を(22α),(22∂)に代入すると

緯魁} (28)

1為瓢二8} (29) (但しφ・・一φ・(一∫ ))

(7)

斎 藤: 素 粒 子 論(∬)       75      0

@    φ2又 ψ=   とすると     0

φ2

(Px−iPy)晦=°

p (3・)     

(一Pz+P。)φ2=0

(醐φ2 =° p (31) (但購一φ・(一の)

ψ。+ゴρのφ2!=0 となる。

(28)式一(31)式の意床は明らかである。例へば(23)式はspin}のneutrionはspin directionがPの方向であり.又このmeutrinoはP,の減少(masヨの減少, i換言す れば絶対時間の増大)する場合に起る事を意味する。従つて(28)〜(31)式を表にすると次

の如くなる。

i 動imassl糊時間l m・u・・i・・1・pi・

spin direction

meutrino P

減 少 減 少

anti−neutino 一% . 一P

neutrino

一% rP

増 大 増 大 減  少

P

さて本節の解釈は論者の流動的考へに基くものであるが現実に於ては絶対時間はまわり道 して変化するから量子力学に於てはneUtrinO,及びanti−neUtrinOは各々+壱,一壱の 2通りのspinを取り得る。従つて論者のneutrinoはLee&Youngの理論とは異り Diracのneutrinoの理論と非常に似て居ると云へる。 Leeの理論と論者の理論の異同 正確に云へば次の通りである。

(1)存在としては全く等しい。

② 変化の過程に於ては一般に異なり得る。

(c)変 化 粒 子

前項でneutrinoに就て述べたがそれではη→μ+〃なるdecayに於てμ,フは何が転 化したものであらうか。論者はμ,ソの源としての変化粒子と云ふものを仮定する。学界 の通説はηなる粒子がμと〃にdecayすると考へて居るが,論者は冗を変化粒子の 発展的複合と考へ,変化粒子の色々なdecayの仕方に応じて現実のdecayが起ると考 へる。論者は粒子の発展には否定肯定が必要である事を繰返して述べた。実に変化粒子は この役割をするのである。従つて変化粒子はabsolute spaceで存在する。

〔仮定1〕変化粒子にはそれ以上分割し得ない最小の単位があり,総ての変化粒子はこの 最小変化粒子の集合であるQ

(8)

76      茨城大学教育学部紀要 第七号

〔仮定2〕最小変化粒子の質量をルfとする。このMには正のものと負のものがある。

即ち最小変化粒子の質量はMか又は一Mである。

〔仮定3〕最小変化粒子はabsolute space charge 9を有する。

〔仮定4〕変化粒子の波動函数はparticleξ, antiparticleξ!の2通り存在する。

〔仮定5〕変化粒子の総質量はそのままの状態では(例へばηmesonはμ+7・にdecay するがそのままの状態とはη→ηでまだdecayしない状態では)Lorentz spaceに増 減なしに表われる。

〔仮定6〕変化粒子のtotal chargeはそのままの状態ではLorentz spaceに増減なし にchargeとして表われる。

〔仮定7〕変化粒子のdecayの仕方には一定の法則がある。

最小変化粒子はabsolute spaceで存在するが,しかしながらLorentz spaceとは密接 な関係がある。今この粒子の波動函数をξとすればξはabsolute spaρeでspin壱を

もつ。今簡単の為に変化粒子がLorentz space・のspin吉粒子にdecayする場合を考 へて見よう。勿論この場合には粒子系のordinary spinの合計がdecay前とdecay後 とでは同じでなければならない。さて最小変化粒子はabsolute spaceで存在するから

(16)式のκ,夕,9,ち瓦y,Z,sの役割を逆にした形にすればよい。即ち

ξ=ξ(一x十ix,−Y十iy,−z十ig, is 一一t)      (32)

とする。ここで飢ッ,2, は(16)式のκ,ッ,9, とは直接的な関係はない。さてξはabs一 olute spaceでabsolute spin+青,一吉を有すると仮定し+去は(0)のchargeと

(+)のchargeの或る重畳と考へabsolute spin一去はdecayの際には捨てるとす る。瓦y,Z, Sは電磁場類似の坐標でありκ, y,9, はβfieldの坐標である。

(32)式のξは

海・i議+姻ξ+礎一・ (33)

を満足するものとする。今ξがdecay してneutrinoになつたとしその際瓦→0,

M→0になるものと考へる。したがつてγ♂は(22α),(22のの形の式になる役割をし なければならない。即ち

γノ→(乱一納 γ・・→(ゐ11) (34)

但しγ〆はabsolute spaceに関係するmatrixである。(34)式はξがabsolute spin

+壱でcharge(0)と云ふ流動的立場に於てξがneutrinoにdecayする場合に成立 する式と考へれば

ヅ・一(0 −iσノゴiσノ Q) γ・ 一(%11) (34)・

(9)

斎 藤: 素 粒 子 論(9)       77

としてよい。但しcharg(+)を重畳して考へる量子力学的立場に於ては(34)!のγ・/は    、 次元が倍に増大する。

今     η+

ξ一写ン  (35)        η一

とし, η+ は absolute spin(+)charge(0),η_ はabsolute spin(一), charge(0)       一

の状態とし(35)式は(12α),(12の式を満足すると考へる。(12α),(12のの一つの反映とし

てDiracの方程式がある。さてabsolute spaceの運動量をρ3,ρoとすれば, M→0

(ρ3十ρo)η+==0        (36)

が成立.しη、はneutrinoにdecayすると考へられる。即ちM→0でabsolute spa一 ceはLorentz spaceに転化しη+はneutrinoに転化する。

(32)式よりLorentz spaceのtime reversalはabsolute spaceでは

一&→x②      σノξ=一ξ→σ9ξ!=一ξ!       (37)

x4→x噛S

が成立し,又Lorentz spaceで

κ→・一κ   へ

@       (38)

・4ブ→二Aブ ノ14→.44

は abtolute space で・1ま

x→_x

s→s (39)

βブ→−Bブ

B4→B4 ,

κ→一κ         x→−2ぐ

→一  2X・→−X・  (4・)

五μ→一∠Lμ     Bμ→−Bμ

が成立する。       曾

       、

ウて(33)式の9をabsolute chargeと名づけ(33)式のabsolute charge conjugate な粒子を新しくξ1とすれば(13)式より(15)式を導くのと全く同じ方法で(33)式よりξi の式を出す事が出来る。ξiは

ツ μ(。£μ一綱一Mξ・一・ (41)

(10)

78      茨城大学教育学部紀要 第七号 を満足する。さて今

κ・(x, Y,z,t)

ξ_ κ2(x,y,z,一彦)

(42)

κ3(一x,−Y,−z,十彦)

κ4(一x,−Y,−z,−t)

とすれば

ゴκ4(x,Y,z, −t)

ξ・= 一ゴκ3(瓦yP, z,の

(43)

一∫κ2(一瓦一γ,−z,一の

●zκ1(−X,−y,−Z,十

である。今(42)式を      

η+の

ξ一η一(一 )  (44)

η!.(!)

η!.(一 )

と略記すれば(43)式は

ozη .(一

ξ・= 一ゴη!+(+の

(45)

 ・

鼈黹

ナ.(一t)

ゴη+(+

と書く事が出来る。但しξ1のη!.(一 )は(41)式よりabsolute spin(+)を満足する 事が判明する。

今(41)式にM→−M,ξ1→ξノ ヅμ→γ μ    (46)

の変換を行うと

〔γμ (6気一綱+M]ξ・一・ (47)

となる。ξはξのabsolute charge conjugateであると新しく定義する。このξ,

ξ!は

η+(の ηノー(

ξ= η.(一 ξノ= η!+(一 (44)ノ

ゴη+(+ 一吻 .(+∫)

一ゴη_(一 )      疹η +(一

の形である。ξのη+(absolute spin+)はneutrinoにdecayし得る成分であり,

ξノのηノ.(absolute spin−)はanti¶eutrinoにdecayし得る成分である。

従つてξ,ξ は互ひにsPin conjugateであると考へる。さてξ及びξ の集合体 のchargeを@のとすれば変化粒子の集合を

(11)

斎 藤: 素 粒 子 論(fi)       79

    (M,ξ)

i吻  i   (48)      :    (M,ξノ)

で表わすことが出来る。尚M>Qの場合は一Mが含まれて居ないから(48)式のMを

略する。

さてξ,ξ は(33)式より

ヅμ(5気+綱ξ+Mξ一・  (49)

γμ i e− igBμe×μ)ギ+耀一・ (5・)

(_9_一 8召μe×μ)釣〆一峰一・ (51)

(轟+綱ξ/*γμ −Mξノ*一・ (52)    

が成立する。γμ はξ/がξとspin conjugateな形である事にもとつく。γμ の表 現は後で示して居る。(49)一(52)式は普通の量子力学的記述であるが論者の理論では吟味

を要する。これらの点については後節に於て一部分の記述がある。

さて我々は今後,変化粒子ξ,ξ!を各々particle, antiparticleであると云ふ事にす

る。

本項の論理を次に述べる事にする。先づ(32)式のX,y, Z反転は(38)式からはLorentz spaceのparticleをparticleに移し,(37)式からはLorentz spaceのparticle を antiparticleに移す事が判る。従つて(32)式のξは本質的に(44)!式の如きpartlcle・

antiparticleに各々decayし得る成分の重畳と考へるぺきである。

尚変化粒子がneurinoにdecayする場合には

;鳩㌍)} (53)

が(M>0)の場合に成立する。

§3の今後の記述に於けるξ/((4S)式のξ!)はξのantiparticleと云ふよりはξの 否定と云ふ広い意味で解釈されん事を望む

〔例〕 今N→ρ+6−+〃のtypeのdecayを考へて見る。

N一¥諸ξ)×P⇒多‡藷  (54)

上式の(一M,ξM,ξ!)は磁の腿と一Mの質量によるdip・1・麟しこれにより蛛

_一一一一

るenergyは正である。具体的に式で書くとC1ξξ+C2ξ!ξ!と云ふ形でありξ,ξ!は 各々ξ,ξ!の否定を意味する。(54)式はρがξで否定され且つ肯定されると云ふ発展

(12)

o       茨城大学教育学部紀要 第七号

の仕方でNになる事を示して居るのである。否定肯定によりこの場合には質量の増加及 びchargeの変化が表われる。さて(54)式で明瞭なる如くdecayはabsolute釦aceの 次元の減少を意味し,且つこれは変化粒子のcomponent減少を意味して居る。

⑪μmeson

(1)μmeson

(P+ε顕)(ρ・)ψ一{(ρ・σ1ψ+・餅ρ・σ・(t)吻μ+・A・+ρ・)}ψ一・ (55)

mμはμmesonの質量であり,又上式はspin音でchargeを有するから(55)式は μmesonの運動方程式である。だが上式はdecayの問題を取扱ふのには.適した形では

ない。今

Mξ     .

μ+=  6, .ルfξ   (ρσ)曳μ       (56)

Mξ!

と書くならばμ+は spin壱で質量3Mであるからμ+mesonの式である。(56)式

でM→0とすれば

μ+→ρ+十〃十り        (57)

又      ξノ

  μ+=  6  ξ   (ρσ)、か       (58)

@      ξ ニすれば

一_

μ+→6+十レ十y    (59)

となり得る。

(2)μ1meson

@     ξ

μ1+=

 ξ

U,ξ (ρσ)ψ   (60)

ξ!

ξノ

上式はspin去,質量5Mの波動函数である。

ξ

π+== xsino×φ         (61)

ξ1 ξ!

とするとμ1+→π++〃    (62)

とdecayし得る。又

(13)

斎 藤: 素 粒 子 論(皿)      81

 十_ハ1 一  ξ

U,ξ! (ρσ)、〃・         (63)

ξ!

ξ!

       一

ニすれば    μ1+→・π++〃    (64)

とdecayし得る。

これらのdecayに於てordinary spinは前に述べた規則により自動的に決定される。

(3)μ。meson

μ・mesonも同様にして定める事が出来る。μ。 mesonの存在可能の条件は困難な問題 であり本論文では全くふれない。本節では代表的なdecay modeに就て述べる。総ての decay Inodeはselection ruleが判明した後に論ずるであらう。

⑪ πmeson

(1)π+meson

     ξ

ホ・= 6ξ ×spinO Xφ       (65)

ξ!

ξ!

π+→μ++〃に対しては

ξξ

π+→ (ρσ十ρσ曜)ψ・=μ+十〃        (66)

ξ! 一『

ξ!

       ξ

緕ョの2番目の式はξ はρσに,又ξ!はρσにoperateすることを意味する。

ξ!         一

さて(66)式と同様に

π+→z6+十y        (67)

が可能である。(66)式のdecay probabilityと(67)式のdecay probafilityが一般的に 異なり得る事が所謂parity non−conserveを意味するのである。

(2>π゜meson

      ξ

@     ξπo=  0,

spino xφ       (68)

ξノ

ξ!

πo→γ+γに際しては

(14)

82       茨城大学教育学部紀要 第七号

(spin l十spin(−1)+」ρ, s)→・γ十・γ      (69)

ξノ

0 ξ!

sPin 1とspin(−1)はparityに無謁係でありp・s particle(interaction energy)

でParityがconserveされ,これがッ+γに影響iを与へ,結果としてParityがcon一 serveされる。尚(69)式はπoのdecayをvitualな核了・で説明する通常の方法がIFし

くない事を示して居る。

(3)πηmeson

(3)

πmeSOnより質量の重いπ1meSOn,…πηmeSOnに就ては論文を参照されたい。

⑲ 核 子 属

(1)核子

Proton, neutronの構造に就ては前』に述べたから省略する。今

ノ2→ρ一ト{2−十〃        (70)

ρ→多z十6+十μ        (71)

のtypeのdecayを調べて見る。πのparameterをS1ρのparameterをS2と

すれば52>S1であり,η→ψには4s1>0でありρ→・ηにはS2+4S2→S、(4S2<

S1−S2)でなければならない。ρ(S2)→ρ(S㌔)(S2<S㌔)は極めて除々に行はれる。

不連続の5/2に移る事はprotonのdecayを意味する。 neutronは4S 1>0でprot一 onにdecayするが4S 1<0では一般には非常に異なる性質を示す。 protonはS≦S1 のSでneutronにdecayするが, S2>SなるSでは非常に性質が異なる。量子学 ではこの点に関してexPlicitにふれて居ない。 electronのParameterを今S,とす れば第二量子化はS<S,なるSに対応する。故にこの形式をS,<Sであるfree ele一 ctronの発展と直i接結びつけるには種々の考慮が必妾である。

②Σ粒 子

(a)Σ+粒 子

_M

M

Σ+=・ π xρ or 多2         (72)

2M M

上式の括弧内の上2段×ρor%でρorπを表わすとすれば,括弧内の上3段で

》=覆螺となり韻量は上2段と最下段だけが関係する瀟ぜ)で(72)式を(Aπ・)

(15)

斎 藤: 素 粒 子 論(皿)       83

φ*(3ルf)or@,π+)φ*(3M)と書いたのを以上の様に理解する。括狐内の下から2行目の

2Mはρor%とMが外力(核内の強力な場)により(strong interation)生じた付    1 加質量である。

最下行はstrangenessを示す付加質量である。

(b)Σo

カ,π一

Σo=     φ*(3ハ4)     (73)

多Zπ0

(c)Σ一

Σ一二@,π一)φ*(3ルリ     (74)

(3)〈 粒 子

ρ    %

〈==   π}   =   πo         (75)

M    M

MはΣ粒子と同じくstrangene3sを示す付加質丑である。

㈲y粒 子

(翫)  y−=(〈,π )φ*(2ノしf)        (76)

(b)  y『 =(/\,πo)φ*(2M)        (77)

πのabnormal spinは去であるから核子のπによる発展はYで完了する。

       (3)

i5)y粒子より質量の大きな重核子に就ては論文 を参照されたい。

(6)今proton, neutron,〈,Σ,γのabsolute timeをS1, S2, S3, S4, S5とし,

S1働S2を新しくS1と記述するとS1>S>55の範囲内のSでは核子の発展にπm一 esonが本質的な役刮をして居る。今πmgsつnをMで対応させると S1>5>S5で

・M,又S>S1でzeroであるからこれを  B(s一△)一β(31+△)=M    (78)

これに対して

B(SJr △)−B(s5一トム)=ノレf        (79)

が成立すると仮定する

β(s5十△)−B(s1−△)=0         (80)

であるから

B(s5−△)=2M        (81)

となる。(81)式はyの発展(質量増加)には2Mが必要でり,これは即ちπ1 meson が必要であることを示して居る。(78),(79)両式はinteractionがabsolute timeに 対して非対称である事を示して居る。さて(78),(80)両式は成立するから問題は(79)式に

(16)

84      茨城大学教育学部紀要 第七号 ある。この式の可否はπ1mesonの発見如何による。

⑭ K粒 子

Kmesonの理論を今迄の方法で記述する事が出来る。 しかしながらこの方法は実際の 計算には不十分の形式であるので§4,§5で正確なκ粒子の運動方程式を記述する・

尚§3の最期に(72)一(77)式のπは暗にπmesonが含まれると云ふ記号で現実のπ mesonを意味するものでは全くない事を注意する。暗にと云ふのはやがてこれが現実の πmesonに転化するという意味である。

§4 S伽ρ1ρカγ御%1α

㈱ πmeson

フτ一

ィ−1)→2ノ〉        (82)

よりπmesonが空間反転に対して奇であると結論される。即ち

πα,y,2,の=一π(一x,一ツ,−z,t)        (83)

今一般的にmesonの波動函数をparity spaceとabsolute spaceに分けてて,各厚 をψ,ξで表わすと

π=ξ(X,y, ZF, s)ψ(κ,ニソ,2,の       (84)

となる。今

ψ・

ψ= ψ2 (85)

ψ3 ψ4

に於てψ・,ψ3はparity(+),ψ2ψ4はparity(一)の状態とする。 Diracの方程式と 同様に

ツμ儀+禰ψ一・ (86)

が成立すると考へる。但しCμはparityに関係する場である。ここにsPin(+)はpa一 rity(+)にsPin(一)はPariy(一)に対応すると考へる。現実に於てはparity(+)のπ mesonは表われないからこれを消去するoperatorをγ.とすれば,(86)式は

ツμ(毒綱ッーψ一・ (87)

となる。論者はabsolute spaceの発展に於てparity(+)のmesonが必要であると 考へる。(86)式のψの或る対応物を考へこれを(72)一(77)式の暗にπmesonが含まれ

と云ふそのπmesonの実体と考へる。すると暗なるπmesonはparity(+)とPari一 ty(一)を有す。これをψはabnormal spin(±)を有すると云ふ。このspinにより Σ,y7粒子の発展が行はれるQ

(17)

斎 藤: 素 粒 子 論(豆)       85

⑧K耀5碗の訥α79召 に就て

核子に於てはdipoleがchargeに関係して居る事を述べたがKmesonに於てはこの 方法の発展としてcharge+,0に対応してspin 1,0を考へ

       ●

P000      00−zO

γ+= 0010

     o

@    zOOOチ+ツ3=        ■ (88)

0100

000z

0001   ■O−zOO

とする。γ.γ3の上段の擁はspin+,二段目のゴは他のcomponentとの結合の影 響を示すものでspinには関係がないと仮定する。今

蟻゜

。縮+ }ψ+卿一・ (89)

を考へ

γ+γμ

       レ

ノ対して次の変換を考へる。

ψ→ξ

・γ+ツμ→窺→M       (90)

6/1μ→λMμ

すると(89)式は

γ+γμ

(。要μ一+ゴλ砿)ξ+Mξ一・ (91)

となる。 ξの対立者写に対しては(90)の変換によりγ岬.と云ふ量を考へると

ξγ酔γ+γ+ッμξ       (92)

は不変的な量であり又,γ+怖=γボ,γμγ+二γノとすれば

rソμ!rγy 十rγy ツμ1= 2δμγ

を満足する。(91)式はκ,ツ,9,9,彦に関した式であるがabsolute spaceに容易に変換出 来るから(91)式で議論をすすめる。今

.ψ1 ξ= ψ2 ψ3 ψ4

とすればMμ→0の写像により(91)式は

(一・読丁一砺

      、, ?jψ・一∫。睾、ψ・孟ψ・+蜘・一・

(∫ 晶+誌)ψ・+ゴ晶ψ・+読ψ・+Mψ・一・

(93)

( 。o.  e−z  十・  e才1 ex2)ψ・+諾ψ・一読ψ・+Mψ・一・

(歪。κ、〇 −

@ oκ詔

e)ψ・一蔵1ψ・+毒ψ・+Mψ・一・

(18)

86      茨城大学教育学部紀要 第七号

となる。今    吻=%趨ρμ毎    (94)

と形式的に置くと(93)式は

(P1−tP・.)%4+ρ3%3+Eπ、+ルf%、=0

(rP 1+ipo.)彿・一ρ・%・−E%・+M%・−0   (95)

(Pi−+ tP .D)%3一ρ3%4+E%2+M%3=0

C一ρ一ゴρ2)%、+ρ3砺一E%4+M%、=0 ,

上式のdeterminantは

(ハ42−E2+P12+P22+P32){(勘・)・+E・−P1・−P・・}一・ (96)

である。さて(95)式はM≒0の時は解がないから(90)式の変換を物理内にM二〇,

M陣=0なる或る基本的な空間への移動と考へる。次に%1,阪はDiracの成分と同 一であるからELP12−P22−P32・=0を満足し%2,π3は(tP・.)2+E2−P12−P32=0

を満足すると考へる。すると臨成分は質量zeroであり,%2成分は質量∫P2である。

炉2→m1なる変換はP2軸は虚数軸でるある事を示して居る。即ち

κ12一κ22十κ32一κ42=inrariant       (97)

が基本的な空間の特長である。基本的な空間に於ける物理理象の反映が(+)のcharge をもつparticleか或は(0)のchargeをもつparticleである。

(o)Soα1α7万614

(・) (蟻槻)㈲一・ (98)

は一∫σ̀ψ・《6先一勉)ψ・一・      (99)

ゴσ・義ψ・+(o −十〃zex4)ψ・一・,

となり・上式は 嵯一吻・)ψ・一・ (1・・)

を満足する。ψ1はtwo componentであるがこれが密接に結合して居てその為にσ3 は+1と一1の平均としてzeroになると考へる。するとψ1は平均としてscalar の役割をする。この方法の便利な点は任意の偶数個のcomponentを結合する事が出来

る点にある。

(b)次に(91)式のξからcharge(0)のcomqonentを取出すoperatorをγとすれば

ッξ=η       (101)

なるηの反映としてscalar fieldを作る:事が出来る。本節の(a)は発展的であり(b)は静IL

的である。従つて(昂)㈲は相補的である。

◎最後に(98)一(100)式に就て一言のべる。

two componentのψ↓

(19)

斎 藤: 素 粒 子 論(皿)      87

ψ・一(Xlx2) (1・2)

は普通の意味に解してはならないと云ふ事である。即ち晦はκ1の部分的否定を示す実 体であり(102)式はκ2,絢と解すぺきである。(発展として)scalar fieldに於てはκ2・

κ・は各々実体として正の質量を有し,chargeのtota1はzeroである。charge zero

(4)

をspin zeroに変換する事は容易である。 これらの詳細に関しては論文 を参照され

たい。

(D) πmeson

πmesonの wave functionは

γ〆続+綱耳(5£7+姻φ一φ・ (1・3)   、

と書ける・上式の意味は後で述ぺるとして(r・9農。+igB・)は粒子の発展的生成を意味 する。即ちこれにより変化粒子の個数及び電気的性質が決定される。同様な方法で他の粒 子のwave functionを作る事が出来る。

伍】) adjoint spinor

Dirac particleの方程式は

(   07μSllμ 十M)ψ一・ (1・4)

である。今

ψ(x十 iX,ツ十iY, z十iZ, it十s)一→ψ(κ一ゴ瓦y一ゴy,9一ゴZ,一〃+s)   (105)

の変換をすると(104)式は

(ツ・°。婁、−r)t・…裁棚)ψ一・ (1・6)

となる。     ψ(x−iX;−it十s)=Cψ     (107)

但しψ!はantiparticleのwave functionである。すると(106)式は

(   oγμeκμ十m)ψ 一・ (1・6)

←一  ←

となる。さて上式のψ,ψ・・は左向きにoperateするfunctionである。今これをψ・ψ!

で表わす。

一→     一→

さて新しくψ,ψ!を次の如く定義する。

→       →

ψ!=ψ(∬一∫X;一〃十8)C−1    (108)

→      一

すると上式のψノはadjoint spinorψに等しい。即ち

雛瞬一。 (1・9)

(20)

88      茨城大学教育学部紀要 第七号

となる。五〇rentz spaceのtime reversal, space reversa1に対して

、一一一}

ψψ一→ψψ    (110)

となる事は容易に判明する。さて(109)式は量子力学の辺と祝の符号が異なるのは論者 の場合にはparameter Sを常に負に取つたからでありparameter Sが(104)式で負      1

i109)式で正ならば量子力学と全く同じになる。この時は

ψα脚 +sk瀦;一露+3)} (m)

と置くと(105)式は

(ツ・°δ島一γ・。宴、−m)ψ一・ (112)

となり(109)式の吻の符号が変る。或は(108)式のoperaterの時Sの符号が変つても よい。(109)式は粒子の存在を表わし,(112)式は,負の質量の粒子の方程式である。(112)

ユ・随1よ         ψ・→rγ2ψ         (113)

とすると

(   071k O XPt 一 M)ψ一・ (114)

従つて    ψ(x−iX;−it−s)=物ψ

イ「tし @(   9ツμeκμ一m)ψ一・ (115)

さて(106)式は

(    o     e     ∈)     e−O「・ex、一γ・筋+γ・。ぺγ・翫r初)ψ一・

となり従つて

ψ一→物γ2ψ    で

(   eγμoκμ一 2)(一ψ)一・ (116)

となる。故に

一ッ5ッ2ψ(十s)=rγ2ψ(−s)         (117)

ψ1

今ψ=

奄奄撃ニすると

ψ1(s)

vψ2(s)    =十・

C繋;1

ψ3(−s)

ユ4(一s)    、   (118)

(21)

斎 藤: 素 粒 子 論(∬)      89

となる。

(F)xμ空 間

本項で§3⑨項の説明を理論的取扱う事にする。

ξ=ξ(一x+ix,−Y+砂,−z+iz, is −t)≡ξ(−x+ix;is 一彦)    (119)

は〔γ・・儀+igB・)+M〕ξ一・

を満足する。但し

ツ・!一γ・γ・・一マ働γ3!一噛 曜一ツ・

さてξのantiParticleξ!は

レ(誌一剃一頭義一綱+ツ3ノ(議一鯛+γ4!(義一姻+M〕劃一・

今 ψノ=C2ξ!としψ!は

〔 〉・…儀一綱+M〕ヴー・ (12・)

を満足するとする。γmatrixの形からX2軸を虚軸と仮定してよいであらうからξの complex conlugateξ゜は

〔一γ・・儀一綱+M〕解一・

を満足する。従つて

ξノ=・γ5ξ゜      (121)

である。又,

ψ1=γ2ξo=C2・γ5ξo

即ち @c・一(音σ・謝  A

となる。今ξ=ψ,γ2ξ゜=ψ!と記し又以後ξ,ξノの代りにη,ガと記す事とする。η        一

フLorentz spaceへの反映としてのψを作ればadjoint spinorψを前項の方法で自 動的に作り出す事が出来る。

本節は全空間をX、空間とLorentz空間に分けて考へられて居る如く見えるが物理現象 はこの両空間を不可分の関係に於て研究する事も必要である。Xμ空間の種々の現象は正 しく全空間に反映される。全空間で成立しない法則の反映がXμ空間に於ける法則の全空 間への反映を制限する。

さて(7)式よりσ1( )2=−1であるから(7)式のσ↓の反映としての空間はEuc真id空間で ある9即ち

(22)

90      茨城大学教育学部紀要第七号 κ12+κ22+κ32+κ}2=invariant   B

このσ・がρ・の作用でspaceは

κ12枕22+κ32一κ42二invariant   C なるLorentz spaceに変換される。さてCの代りに

二i:主1::Tl::竣::器;1譲l c,一κ、2+κ,・+κ,・+κ、・−inv。,i。nt l

なるspaceも存在する。 proton, neutron, electron, neutrlnoはO, C!のspace とBなるspaceの比較と考へられる。さてXμspaceは一一般に

κ1Lκ22+κ32−一κ42

劣12+κ22一κ32一κ42  ・=invariant      D 一κ12+κ22一κ32一κ42

と考へるれる。本項はD→Cを問題として居るのである。

今特別の瓦spaceκ12一κ22+κ32一κ12=invariantを考へこれとCspaceを比較する とX2軸が時間軸と考へられるからXμspaceのspace reversa1は

κ1−→・一κ1 κ2→∬2 κ3→一κ3 κ4→一κ4

と考へられる。このspace reversalにより

η→ツ5η

となりψ=η!Cガ→η!γ5C2

であるから,このspace reversalにより

一→       一一今

一1胃目−_

ψψ→η!・γ5C2・γ5η=一η!C2η=一ψψ

一一一

即ち   ψ ψ→一ψψ     (122)

である。今項はξ(η)がDirac Particleに対して居る如き取扱ひをしたがその本質は Bose particleに対応させても似た結果が得られるであらう。これらの検討は後日にゆず

る。

㈹  ω66漉∫η ρ7α0あ0%

(107),(113)式より

ψ=ッ2Cψノ=一づ・ψ!    (123)

上式の物理.的意味を(107),(113)式より見ると

一 }

Ψ→_」Ψ        (124)

(23)

斎 藤: 素 粒 子 論(霊)      ・91 となり,質量〃zの符号が変ずる博の侍別な表現であるっ従つてψ今ρで吻の符号は

一『

変らず,ψ→ψで勉の符号が変ずる時は

『      一

ユψ→一ゴψψ         (125)

となり,これはbound stateに於てbindlng e登ergyが正となる相互作用の存在の特別 な表現が対応する事を意味する。

一一

さてψ→ψ,ψ→ψの変換は況。spaceのsPace reversal

X1−→−X1

x2→x2         (126)

x辱

R→−x㌧

R

x4→−x隔S が対応する    一

(124)の変換で

ψψ→η γ、c,γ5η=一Ψψ

一_

ユγ。ψ→ψγ。ψ

→_

ψrソ5rγμψ→ψrγ5っ〆μψ

一『

(127)

      一『

ユ(γμγ一γ.γのψ→一ψ(γμ駒一γ.γのψ ユッ5(『ド芦『Yン『γンγμ)ψ→一ψγ5(ッμγゾγ、γμ)ψ

一一一

ユγ、ψ→一ψγ、ψ

      一一一一一一

緕ョに於てψψ はψとψの問にenergyをはさむ形でありψγμψのγμは怖・4μ の形であるぺきである。さてXμspaceのspace reversalでη!→γ5ηノとなるのはη!

とηはこのreversalで同様に変換されなければならないからである。ηは一方に於て は澱空間の粒子であると同時にLorentz spaceの粒子でもあり(125)式のexplicitの 式は(131)一(132)式である。(125)式の成立は空間の同値による関係であるからLorentz spaceのspace reversalでも成立する様にしなければならない。(130)式と(131)式の 異ひはdecayに必要であり,これがweak interactionに関係する。

     一

ウてψ,ψはどちらも存在であり,量子電磁気学のannihilation operatorの如きも のではないが,この差異は別として互に対応をつけることが出来る。今Ψと(ψ》ψ)

       }       一      一  一      一 一

ニの間に角運動量がevenで存在する(ψと(ψψψ)とのbound state)ことをψP+ψψψ

      一一

ニ表わし,odd角運動量の時はψP一ψψψと記するとπ+mesonはparityが負であ  一 『閭ユψψψはparity正であるから

一_

π+二ψp_ψψ・ψ     (128)

』一一_

π+=ψP_ψψP+ψ     (129)

       一『

ェ可能である9(P+,P一はψψの問にのみはいる)Q所が(129)式ではevenとodd

(24)

92      茨城大学教育学部紀要 第七号

の角運動量の合成どしてeven parityが表われなければならない。しかるにπmeson はparity oddであるから(128)式のみが可能であり角運動量は1であると考へられる・

さて(103)式を考へて兄るにBμfieldで変化粒子ξの個数及びabsolute spinが決定 される。Bμfieldは況.坐標空間にありこの空間に於けるξの性質は§3⑨項に述べ た。又C.fieldでξの結合状態(従つて変化粒子の集合の角運動量のeven, oddの 状態及びbinding energy等)が定まる。 C、 fieldはκ 坐標空間にあり,この空間に 於けるξは本項のψに対応する。従つて瓦〆空間の両者で変化粒子の集合の質量,

absolute spin,角運動量が正確に定まる。

以上をLorentz spaceに移動すると考へる粒子の質量,電気量, parityが実在すると 云ふ事になる。尚ξのdecayの仕方は§3の⑨項で述べた。(103)式は量子力学と同様 に2体(多体)問として解き得る筈である。さて

{怖読+M}ψ一・

は sPace「eve「sal により (ハ4→1匠)

ψ→ッ4ψ    (130)

となりspace reversa1(M→・_M)で

{一〇r15藷一rγ2e弐i2一っ〆3訟一r一っピ40呈4−1しf}ψ一・

上式は 一{γ・晶+γ義+物義噸詣+M}ψ一・

γ4を左から掛けて

ψ→一γ4ψ        (131)

      一

。space reversa1でψは(130)式のtypeψは(131)式のtypeとすれば

享ヱ振} (132)

ψψψ→一ッ4ψψψ

一一一『一一

ψψψ→ッ、ψψψ

decayに於ては上2段の成分のみが関係するから今γ4=1としてよいであらう。従つ てspace reversalにより

ψ→ψ

『一

ψ→一ψ

(133)

 一一一一

ユψψ→一ψψψ

一一『一

ψψψ→ψψψ

       _,_,

。ψ,Ψがyにdecay出来るとすればψψψ,マ・ψψは決して〃1個にdecayする

(25)

斎 藤: 素 粒 子 論(巫)      93 事は出来ない。従つてψ辺ψ,はcharged particle (μmeson)であると推定する。問 題はψはなぜelectronにdecayしないかと云ふ事である。論者は電磁場はLorentz spaceと凡spaceを結ぶ橋でありX. spaceの住人とは考へない。今は只常識的にψ

       一

P個は決してelectronにはdecayしないと仮定する。するとψ,ψの集合に於て集合 の個数が奇数でψ及びΨの合計を各々%及び%!とすれば %=ガ±1 を満足する

ときは      1

(a)  %一トπ!二4〃②十 1      (〃2整数)

この時はこの集合はneutrinoにdecayし得る。

(b) η一トノ〆=4〃3−1

この時はこの集合はcharged dirac particleにdecayし得る。      、        一

i128)式は従つて    π+→μ++μ   (134)

一一

また     π+=ψ・ψ ψP_ψ→・μ++レ

が成立する。さてψはなぜcharged、Dirac particle 1個にdecay しないのであら

うか,ψのX.空間の表現ξがξ・に対する立場はLorentz spaceのparticleと       、       、

antiParticleの関係にある。 X、空間ではξはabsolute spinに就て非対称性がある からこの反映としてLorentz spaceではordinary spinに非対称性が表われなければ ならない。ψのdecayに於てこの性質が保存され,又electrρn, positronがordina『

       、 窒凵@spinに就て対称であるとすればψはneutrinoにdecayする他はないであらっ。

さてπ+=否ψP一Ψψを考へるにこれはテψと否ψdecayにするであらう。所がψψ

は&空間のspace reversalにより否ψ→一『アψとなる。乎ψは同時にdecay(例       ρ一

ヨば砺→房ψ→〃の如く)するから(131)式よりψ→一γ4ψ 炉→一ψγ4とordina「y        一

唐垂≠モ?@reversalで変換される。従つてordinary space reversalで砺ψ→ψψとなる から&空間のreversalと符号が異なる。(この場合,辺もψも.M>0に注意ク)

一一

従つてπ+=ψψP一ψψは有りえない。  

一一一一

w

今         7τo==ψψP_ψψ一→γ一トγ         (135)

を考へるとψは負,Ψは正のchargeをもつことは不可能である・さて本項は要する にspace reversalが如何に破れるかの形式化を行つた。またψ,ψの個数が前もつて一一一

定められた時にこれらの集合のbound stateの議論であり,従つて(103)式のκ♂空間 と瓦空間を合せた空間の議論である。だが(103)式は一般的な式であつて今外力(原子 核の中心の場等)をβ。とすればX.空間で外力の影響の為ξかξが数個作られるで

         

?轤、。従つてξξはStrangeneSSと密接な関係があるQπi颯eSOnは存在し得・るで あらうかg今迄の規則により

(26)

94      茨城大学教育学部紀要 第七号

}一一_}_一

π・+二ψψψψψψ=ψP年ψψψψψ→〃+〃㌧

となり都合が悪い。しかしながら一

  一

ホ・°=ψψψP.ψ否ψ→μ++μ二

は存在する可能性はある。 π、+mesonの存在の可能性は今後の問題であるが逆にこれ らの存在不可能が証明されれば素粒子の性質がそれだけ解明される事になる。何れにして もこの方向の研究は必要であらう。

§ 5   S彦70%9ゴ多2∫ραo ゴo%

(A) Strong interaction

外力の作用のもとで変化粒子の空間に於て変化粒子の生成が行はれる場合StrOng inter一 actionがあると云ふ。外力の作用でLorentz spaceに於てelectron, positronの pairが生ずると同様に瓦空間で外場(この場合β。はこの外場を含む)により変化粒 子のpairが生ずる。さてparticleとしての変化粒子はdecayするがprotonの本体 はdecayしないと考へ,この本体をbare protonと名づける。従つてbare proton は&spaceには存在しない。 Lorentz spaceで安定な粒子の条件は変化粒子を含まな いと云ふ事が出来よう。

〔仮定〕変化粒子,P,%のparticleはparity(+)と仮定する

今     P+π一→A°+θ゜

を考へて見るに外場によりξ,ξが一つづつ出来ると見て

△°=1)五〜_ξ       θ゜=1〜+ξ

として見よう。ρはproton又はneutronであり」?一はparity(一), R+はparity

(+)である。さて A°→ρ+ガ

であるからR.はmesonに対応する。&空間で変化粒子のpairが生ずるならば interaction energyであるR一が同時に変化粒子の集合体であるπmesonに等しい と云ふ事になり不合理であるから変化粒子の生成をする空間はX、空間の或る種の発展 的空間即ちS。空間と仮定する。Lorentz spaceの電磁場が瓦空間の運動量であり得       『

髞@く凡空間のξ,ξはS。空間の運動量で表わされ得る。ξ,ξのS.空間への反映 を11で表わして

(P3+E)1=O@ E1二〇} (136)

    』一

i一 逍]τ゜} (137)

参照

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