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雑誌名 金沢大学歴史言語文化学系論集. 言語・文学篇

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内的経験の発露としての「叫び」の言語起源論的考 察: ドイツ語と日本語を比較しながら

著者 竹内 義晴

雑誌名 金沢大学歴史言語文化学系論集. 言語・文学篇

=Studies and essays. Language and literature

号 8

ページ 1‑27

発行年 2016‑03‑25

URL http://hdl.handle.net/2297/47497

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金 沢 大 学 歴 史 言 語 文 化 学 系 論 集 言 語 ・ 文 学 篇 第8号2016年l〜27

内 的 経 験 の 発 露 と し て の 「 叫 び 」 の 言 語 起 源 論 的 考 察

一 ド イ ツ 語 と 日 本 語 を 比 較 し な が ら −

竹 内 義 晴

1.序論:身体を持って環境に生きる私たちにとっての進化論

チャールズ・ダーウィン(1809‑1882)の進化論の衝撃はもちろん、キリスト教の考え方と それに基づく人間の優越感を根底から揺るがした、という文化思想史上のものにとどまる ものではない。『種の起源』の出版(1859)から150年以上にもなろうとする現代(2016) においてもなお、神に似せて創造された人間が実は(神に似ていなくて、「下等で劣った」)

サ ル な ど に 似 た 動 物 を 祖 先 に 持 っ て い る 、 と い う 「 お 話 」 に 自 尊 心 を 傷 つ け ら れ て い る 人 た ち が い る 。 そ の 人 た ち の 国 で は 進 化 論 を 学 校 教 育 に お い て 締 め 出 す と い う こ と が 未 だ に 生々しい政治論争の課題なのである。しかし、過去の戦争での侵略や加害を認めようとし ない人物を国のリーダーに選んでいる人々が、よその社会での科学をめぐる状況のアナク ロニズムを笑うとしたら、それは「目くそ鼻くそを笑う」というようなものだろう。進化

論の衝撃というのはむしろ生物に関係する私たちの科学の根底が覆されたことにある。

生物が、例えば人間がサルのような存在から進化を遂げてきたという「お話」が問題で

はない。生物は肉体を持っていて、その理由で、環境に適応して生きのびなくてはならず、

そ う い う わ け で 、 そ れ ぞ れ の 環 境 で 生 き の び る の に 適 し た 身 体 を 持 っ た 動 物 だ け が 生 き 残 ってきた。この生物の存在を規定する根本原理が提案されたことこそが重要なのである。

こ の 原 理 が 広 範 に 働 い た 結 果 と し て 、 何 ら か の 原 始 的 な 生 物 を 祖 先 と し て そ れ ぞ れ の 生 物が進化の過程を経て出来上がっているという物語がある。そして、この物語は、生物学 的 分 類 を す る 上 で の 重 要 な 手 が か り で あ り 、 私 た ち の 自 己 存 在 に つ い て の 認 識 も こ の 物 語 の 上 に 成 り 立 っ て い る 。 し か し 、 そ う で あ っ て も 、 こ の 物 語 に つ い て の 文 化 思 想 史 に お け る 争 い 自 体 は 、 私 た ち が 個 人 や 集 団 と し て そ の 物 語 を 好 き か 嫌 い か と い う 問 題 に か か わ る ものにすぎない。

生 物 に 関 係 す る 科 学 の 守 備 範 囲 は 広 く 、 生 物 学 や 医 学 ・ 環 境 科 学 だ け の こ と に と ど ま ら な い 。 人 文 科 学 の 大 部 分 、 そ し て 言 語 研 究 の 対 象 も も ち ろ ん 、 人 間 と い う 動 物 が や っ て い る こ と な の で あ り 、 人 間 と い う 動 物 の 本 性 に よ っ て 成 り 立 っ て い る こ と な の で あ る か ら 、 こ れ ら の 研 究 は 生 物 に 関 係 す る 科 学 な の で あ る 。 青 年 文 法 学 派 か ら 構 造 主 義 ま で 、 近 現 代 の 言 語 学 は 、 言 語 記 号 だ け を 観 察 し て 、 そ の 成 り 立 ち ( 構 造 ) や そ の 時 間 軸 上 の 変 化 の 法 則 性 を よ り 精 微 に 記 述 す る 仕 事 を し て き た 。 し か し 、 進 化 論 に よ る 科 学 の パ ラ ダ イ ム の 変

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