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雑誌名 論文集:金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学

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日本語とスンダ語における「断り」談話とそれに対 する反応: 予備調査結果の分析に基づいて

著者 ノフィア ハヤティ

雑誌名 論文集:金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学

演習

巻 12

ページ 55‑68

発行年 2017‑03‑22

URL http://hdl.handle.net/2297/47332

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金沢大学人間社会学域経済学類

社会言語学演習「論文集」第12巻2017年3月

日本語とスンダ語'における「断り」談話とそれに対する反応 一 予 備 調 査 結 果 の 分 析 に 基 づ い て −

人 間 社 会 環 境 研 究 科 D 1 ノ フ イ ア ハ ヤ テ イ 2

< 概 要 >

本研究は日本語母語話者(JNS)とスンダ語母語話者(SNS)における「断り」

行為を談話レベルから考察した。「断り行為の展開パターン」を明らかにし、両 母語話者の特徴を調べた。分析は「断り」談話における「断る」側とその反応 のそれぞれについて、その異同に焦点を当てた。その結果、両母語話者におい て「断り成立までの段階」で断り行為の展開パターンに多様なストラテジーが 使用され、共通した「断りの展開パターン」が見られた。ところがJNSと異な り、SNSには「断り成立後の段階」で「断り」行為の特定の展開パターンが特に 認められなかった。これは両母語話者間における「断り」行為の展開パターン のスタイルの違いと見なすことができる。また、「断り」に対して主に使用され たのは「負担感の軽減」という発話であり、これは「断り成立まで」の交渉プ ロセスとして両母語話者が共に使用されている。また、SNSにおいて「強要」を 使用している傾向が見られ、これはJNSとの相違点であろう。

< キ ー ワ ー ド >

「断り」談話、断る側、断られる側、展開パターン

lスンダ語はインドネシアの西ジャワにおける。一つの民族語(地方語)である。話者数を順で

言 う と 共 通 語 の

2 h a y a n o v i a ̲ O 6 1 1 @ y a h o o . c o j p

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考えられる。

それに対し、「断り成立後の段階」では、SNSはほとんど何のパターンも使用 していないことが分かった。SNSは「断り成立までの段階」において、依頼側か らの「断りへの了解を示す」発話が発せられるまでに様々な展開パターンを発 している。「断りへの了解を示す」発話とは断る側の断りたい意思を受け入れ、

依頼者(断られる側)がもうこれ以上粘って、依頼し続けないことを伝える発 話である(施,2007)。それは「分かった、そつか、オッケーなど」という断り の受諾という発話で示すのが多い。したがって、「断り」行為の展開パターンが JNSに比べてSNSは若干多くなっている(JNSは40種類だが、SNSは63種類)。

つまり、SNSは1回目の断りで終わるのではなく、2回以上、再依頼が何度も繰 り返されため、複数回の断り行為が生じることになった。この段階において、

断る側は「断り」の意図を相手に伝えると同時に、人間関係を維持するための 発話も発する可能性があると思われる。例えば、JNSでは「断り成立後の段階」

に現れた「将来承知」はSNSには「断り成立まで」の段階に使用した。「代案」

または「代案」を含んでいるパターンはJNSには「断り成立後の段階」に出現 したが、SNSには「断り成立まで」の段階に現れた。そのため、「断り成立後の 段階」には特に何も「断り」行為のパターンが見られなくなった。一方、JNSの 方 は 断 り の 意 図 を 相 手 に 伝 え 、 相 手 が そ れ を 受 け 入 れ て か ら 、 人 間 関 係 の 維 持 をするための配盧行動を取る傾向が見られた。それは「詫び」のようなパター ンが「断り成立後の段階」に明確に集中している。この結果から、JNSとSNSは 違った形で「断り」談話を作り上げていると言えよう。さらに、SNSは「断り成 立までの段階」に「否定的な見解の表明」、JNSは「断り成立後の段階」に「詫 び」というパターンがそれぞれの行為的特徴として表れている。それに対し、

SNSにおいては断りの際、相手が友達であれば依頼や依頼者に対して批判をした り、否定的な感情や意見を述べたりすることが普通のようである。また、JNSと 異なり、友達という理由により、それほど詫びを言わない傾向が見られた。

4.2.断りに対する依頼側の反応

発話行為が成功するためには聞き手による協調行動が不可欠であり、事実、

ほとんど全ての会話は共同的であるとThomas(1995)が指摘している。そのた め、「断り」が成立するためには「断られる」側による受け入れが必要であると 考える。Muniroh(2013)は「断り」に対する反応は会話の流れを維持するため に 発 せ ら れ 、 円 滑 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お い て 話 し 手 の 努 力 と 切 り 離 せ な い ことであると述べている。したがって、「断り」談話において、「断られる」側 も分析の対象とする必要がある。また、「断り」に対する反応の分析項目を以下

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参照

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