複断面開水路における大規模水平渦の周期性とその流れに対する抵抗
Periodicity of Large Surface Eddies in Compound Open Channel Flow and Resistance to the Flow
土木工学専攻
35号 樊 建強
FAN JianQiang1. はじめに
日本の河川の中・下流部の河道横断面は複断面形状が多い.大規 模洪水が発生する時,高水敷に水が乗り上げ複断面河道流れとなる.
複断面河道流れでは,低水路と高水敷の流れの流速差が大きくなる ことにより境界部での流れの混合が激しく,低水路と高水敷の境界 部で大規模水平渦が発生し,河川の流れに大きな影響を与える.こ のような水平渦は付加的なせん断力を生成して流水抵抗を変化さ せるため,その特性を解明することは水理学的に極めて重要である
(図-1).また、複断面開水路における大規模水平渦に関する武内 ら
1)の研究によると,複断面開水路の低水路と高水敷の境界部で発 生した渦の特徴として周期的な渦と非周期的な渦の2種類がある.
この周期的な渦と非周期的な渦は流れの混合の形が違うため,流れ に与える抵抗が違うと考えられる.
そこで本研究では大規模水平渦が洪水流れに与える影響の評価 を目的として,数値計算上で渦の考慮の有無によって同一流量の場 合の水深の差を考察した.また複断面開水路の形状と発生する渦が 周期的か非周期的であるかとの関係を調べた.さらに渦の周期性よ って流れの抵抗に与える影響を考察した.
2. 研究方法
複断面開水路流れの計算を行うにあたり,基礎式として二次元不 定流の運動方程式と連続式を用いた.対象とした複断面形状は図-2 に示すような両側複断面形状とし,数値計算の際には,未知数を
leap-frog
法で配置し陽的に解いた.境界条件は開水路上流端で流量
一定,下流端で水位一定とした.境界条件に与える値は断面分割法 により算出した.同一の流れ場を対象として渦を考慮していない断 面分割法,二次元定常流計算(横断方向流速 v=0,横断方向の混合が 起きない計算)と渦を考慮している二次元不定流計算の結果を比較 することで大規模水平渦の存在が流れの抵抗に与える影響を分析 した.
また,渦の周期性に影響を与える要因としては,複断面開水路の 河全幅(B),低水路幅(b),高水敷高さ(h)と水深(H)が要素として考 えられる.この水路形状のパラメータを変化させ,発生した渦の挙 動と水路の形状との関係を評価する.
さらに,福岡
2)によって提案されている流れの混合の度合いを表 す境界混合係数 f を用いて,渦の周期的な場合と非周期的な場合の 渦により抵抗について考察した.
3. 計算結果
3-1 渦についての考慮の有無によって流れの抵抗の計算に与える 影響
図-3 は同一流れ場を対象として,断面分割法,二次元定常流計算 と二次元不定流計算により算出した H-Q の関係を示す.図中渦を考 慮しない断面分割法で算出した H-Q の関係と横断方向の混合が起 きない二次元定常流計算で算出した H-Q の関係が一致である.大規 模水平渦の存在を考慮する二次元不定流計算で算出した H-Q の関
係と比較して,ある流量に対する水深は,大規模水平渦の存在を考慮しない場合より大きくなった.よって渦 による抵抗が流れに与える影響を確認した.また,流量が 600[m
3/s]以下のとき(高水敷上の水深が 1m 以下),
渦を考慮しない断面分割法の計算結果と二次元不定流計算による計算結果はほぼ一致しており,渦の影響は少 図-1 研究の概念図
河川計画を立案する上で河川 の流量の算出は重要である
数値計算と水路実験により
・渦が発生しない場合と渦が発生する場合の比較
・渦が発生する場合:周期的な渦と非周期的な渦の抵抗 渦による影響を把握することが重要 問題点:洪水時の複断面河道流れの流量の算出 は低水路と高水敷の境界部に大規模水平渦が発 生するため,流れに影響を与える原因とし,単断
面河道の流量の算出より複雑になる
渦が洪水流れに与える影響の評価
図-3 各計算法によるH-Q関係
300 400 500 600 700 800 900 10001100120013001400150016003 4
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
Q流量(m3 /s)
H水深(m)
低水路粗度係数:0.015
水路勾配:1/1000 高水敷高さ:3m 水路全幅:60m 低水路幅:30m
二次元不定流計算 断面分割法(井田法) f=0.17の場合のH-Q関係 f=0.10の場合のH-Q関係 f=0.05の場合のH-Q関係 f=0.025の場合のH-Q関係 f=0.015の場合のH-Q関係
高水敷粗度係数:0.1
二次元定常流計算 Afp Ufp
Sfp nfp=0.1
Afp Ufp Sfp nfp=0.1
Amc Umc Smc nmc=0.015、0.03
B b
h 高水敷 H
低水路
高水敷
水路勾配:1/1000
図-2 複断面河道の横断面図
) 3 2 (
) (
) (
2 )
( 2
13 2 2
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
=
−
−
−
+ mc fp b
mc mc
mc b I
gH h
H u
u f b h
R u
gn ρ ρ
ρ
) 2 2 (
) (
) (
2 )
( 2
13 2 2
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
=
−
−
−
+ mc fp b
mc mc
mc b I
gH h
H u
u f b h
R u
gn ρ ρ
) ρ 1 ( )
( − 2 ⋅⋅⋅⋅⋅⋅
= mc fp
as ρf u u
τ
ない.流量が 600〜700[m
3/s]の場合は,渦が考慮できる二次元不定流計算による水深と渦が考慮できない断面分割法の計算による水深との差が 0m から 1m までに増加した.これは大規模渦が発生し,流れに与える影響 が大きくなったためであると考えられる.さらに,流量が大きければ大きいほどその水深差が大きくなる.
3-2 境界混合係数 f の変化曲線
福岡は低水路・高水敷境界部に働くせん断力を境界混合係数fを用いて表現する方法を示した.このせん断 力 τasが流速差の 2 乗と流体の密度との積に比例することを示している.式を以下に示す.
f
は低水路と高水敷の境界での混合の激しさを表す境界混 合係数である.二次元不定流計算から各流量の場合で算出 した
umc,
ufpを上式に代入して,それぞれの境界混合係数
fの値(0.015,0.025,0.05,0.10,0.15)で算出した水深の 変化は図-5 に示したとおりである.図中の二次元不定流計 算による計算結果と境界混合係数f=0.025 の場合の計算結 果がよく一致している.このfの値は福岡・藤田
2)の実験 値 0.17 より小さいが,木村ら
3)の三次元非線形数値解析の 計算結果とほぼ一致する.また流量が 700[m
3/s]以下の場合,大規模水平渦はまだ発達していないため,二次元不定流計 算で算出した水深より福岡の方法で境界混合係数 f=0.025 で算出した水深の方が大きい.流量が 700[m
3/s]以上の場合,大規模水平渦は発達しており,境界混合係数 f=0.025 の計 算結果と二次元不定流計算の計算結果がよく一致している.
大規模水平渦が発達した後の境界混合係数
fと二次元不定 流計算の計算結果がよく一致することにより,大規模水平 渦が発達した後の境界混合係数
fが一定値になることが分 かった.渦の発生から発達までの境界混合係数fの変化曲 線は図-4 に示す, 図-4 は二次元不定流計算により算出した 流速分布と水深から逆算した
fの値である.水路幅 60m,低 水路幅 30m の場合と水路幅 90m,低水路幅 30m の場合であ る.水路幅 60m 低水路幅 30m の場合は流量が 600[m
3/s]を超えるまで,渦からの影響は非常に小さく,
fの値は
0と見 られる.600[m
3/s]を越えるとfの値が流量の増加とともに 増加し,流量は 700[m
3/s]以上になるとfの変化が非常に小さく,ほぼ一定値になる.水路幅 90m 低水路幅 30m の場 合も
fの変化曲線がほぼ同じ傾向を示す,f の値は流量が 700[m
3/s]を超えるとほぼ一定値になる.3-3 河床全抵抗に対して渦による抵抗の割合
福岡らは複断面開水路流れに低水路の潤辺に作用する平 均せん断力 τmc、高水敷の潤辺に作用する平均せん断力 τfp
と式(1)の渦によりせん断力 τas 3 つの抵抗があることを提 案した.式を以下に示す.
上式より,二次元不定流計算から各流量の場合で算出した
umc
,
ufpを使い,これらの抵抗の割合を図-5 に示す.渦
による抵抗と全体の抵抗の割合は大規模渦が発生した後,流量の増加とともに 4 割から 2 割に下がることが分
300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500 1600 1700 0
0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06
Q流量(m3 /s)
低水路粗度係数:0.015 高水敷粗度係数:0.1 水路勾配:1/1000 高水敷高さ:3m
水路全幅:90m 低水路幅:30m
f 境界混合係数
水路全幅:60m 低水路幅:30m
図-4 境界混合係数と流量の関係
図-5 河川抵抗と流量の関係
300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500 1600 0
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1
Q流量(m3 /s)
各部分の抵抗/流れに与える全抵抗
低水路粗度係数:0.015 高水敷粗度係数:0.1 水路勾配:1/1000 高水敷高さ:3m
全体抵抗に対して渦による抵抗の割合
水路全幅:60m 低水路幅:30m
全体抵抗に対して低水路抵抗の割合 全体抵抗に対して高水敷抵抗の割合
) 5
3 (
1 2 2
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
⋅
=
fp fp fp
fp R
u ρgn τ
) 4
3 (
1 2 2 ⋅⋅⋅⋅⋅⋅
=
mc mc mc
mc R
u ρgn τ
かった.流量が増加するにつれてこの割合は 2 割で安定して いる.
3-4 水路実験と結果
二次元不定流計算の結果を検証するため,複断面開水路の 水路実験を行った.低水路は鋼板でほぼ滑面であり,高水敷 では粗度を大きくなるため人工芝を取り付けた.実験水路の 諸元は水路勾配を 1/1000,川全幅 180cm,低水路幅 90cm,高 水 敷 高 さ 10.7cm で あ る
(図 -6) . 流 量 は 0.095[m
3/s], 0.112[m
3/s],0.134[m3/s]の 3 ケースを実験した.図-7は複 断面水路実験により求めた H-Q 関係と断面分割法により求め た H-Q 関係の比較と実験により求めた流速分布から逆算し た
fの図である. 図-7 の複断面水路実験値と断面分割法の水 深差が図-3 の 550〜650[m
3/s ]部分の二次元不定流計算と断面分割法の水深差の傾向が近似していることを示している.
また図-7 の境界混合係数
fの変化と図-4 の 550〜650[m
3/s]部分の境界混合係数
fの変化の傾向が近似していることを示 している.
3-5 周期的な渦と非周期的な渦
図-8 は二次元不定流計算の結果であり,上から順に境界 部主流速で動く系から見た流速ベクトル図,水位コンター図,
境界部水深の縦断分布図である.図-8 より低水路と高水敷 の境界部で大規模水平渦が発生しており,発生した水平渦の 挙動には周期的なものと非周期的なものがあることがわか る.周期的な渦と非周期的な渦の判別の仕方は基本的には目 視と境界部横断方向の流速時系列データによるスペクトル 分布で判断する.図-8(a)のように流速ベクトル図と水位コ ンター図と境界部の水深が規則的に変化し,左右境界部に発 生した左右対称的な渦は周期的な渦と判断する.逆に図 -8(b)の場合は境界部の水深が非周期的に変化し,流速ベク トル図と水位コンタ
ー図からも渦の大き さと渦の間の距離が 不規則的に変化し,
左右境界部で発生し た渦の対称性がない ことから渦は非周期 的であると判断する.
3-6 水路の形状と渦 の挙動との関係
二次元不定流計算 により水路形状のパ ラメータとして川幅 (B),低水路幅(b),
高水敷高さ(h)と水 深(H)を変化させ,渦 の周期性と水路形状 の関係を調べた.図 -9(a)は(低水路平均 水 深/高水敷高さ)と
(低水路幅/高水敷高さ)の関係図である.渦の周期性は(低水路幅/高水敷高さ)に従い,この比が 20 を超えると,渦は非周期的な挙 図-8 境界部主流速で動く系から見た流速ベクトル図と水位コンター図と縦断面水深図
(b) (a)
0 1 5 3 0 4 5 6 0
3 5 0 0 3 5 5 0 3 6 0 0 3 6 5 0 3 7 0 0 3 7 5 0 3 8 0 0 3 8 5 0 3 9 0 0 3 9 5 0 4 0 0 0
0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0
0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0
3500 3600 3700 3800 3900 4000
0 10 20 30 40 50 60
3500 3600 3700 3800 3900 4000
6.3 6.4
3500 3600 3700 3800 3900 4000
6.2 6.3 6.4 6.5
上流端からの距離[m]
水深[m]川幅[m]川幅[m]
0 20 40 60 80 100 120
3500 3550 3600 3650 3700 3750 3800 3850 3900
3500 3550 3600 3650 3700 3750 3800 3850 3900
5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 6 6.1
3500 3550 3600 3650 3700 3750 3800 3850 3900
5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 6 6.1
0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0
0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0
3500 3550 3600 3550 3700 3550 3800 3550 3900
0 20 60 40 80 100 120 135
上流端からの距離[m] 水深[m]川幅[m] 川幅[m]
0 1 5 3 0 4 5 6 0
3 5 0 0 3 5 5 0 3 6 0 0 3 6 5 0 3 7 0 0 3 7 5 0 3 8 0 0 3 8 5 0 3 9 0 0 3 9 5 0 4 0 0 0
0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0
0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0
3500 3600 3700 3800 3900 4000
0 10 20 30 40 50 60
0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0
0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0
3500 3600 3700 3800 3900 4000
0 10 20 30 40 50 60
3500 3600 3700 3800 3900 4000
6.3 6.4
3500 3600 3700 3800 3900 4000
6.2 6.3 6.4 6.5
上流端からの距離[m]
水深[m]川幅[m]川幅[m]
0 20 40 60 80 100 120
3500 3550 3600 3650 3700 3750 3800 3850 3900
3500 3550 3600 3650 3700 3750 3800 3850 3900
5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 6 6.1
3500 3550 3600 3650 3700 3750 3800 3850 3900
5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 6 6.1
0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0
0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0
3500 3550 3600 3550 3700 3550 3800 3550 3900
0 20 60 40 80 100 120 135
0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0
0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0
3500 3550 3600 3550 3700 3550 3800 3550 3900
0 20 60 40 80 100 120 135
上流端からの距離[m] 水深[m]川幅[m] 川幅[m]
図-6 複断面開水路実験
Bbmc
h
高水敷
H低水路
高水敷
実験水路諸元:
水路幅
180cm,低水路幅:
90cm高水敷高さ:
10.7cm水路勾配:1
/1000図-7 複断面開水路実験によるH-Qとfの関係
0.1 0.11 0.12 0.13
0.11 0.12 0.13 0.14 0.15
0.006 0.008 0.01
Q流量(m3 /s)
H 水深(m)
低水路粗度係数:0.008
水路勾配:1/1000 高水敷高さ:0.107m 川幅:1.8m 低水路幅:0.9m
実験結果 断面分割法
流速から逆算したf の値
f 境界混合係数
高水敷粗度係数:0.02
動を示す.図-9(b)は計算したそれぞれのケースの流量(水 深)を増加させた場合である. 図-9(c)は(低水路幅/河道全幅) と渦の周期性との関係図である.図-9(d)は渦の周期性と河 床の粗度係数との関係を確認するため,低水路の粗度係数を 0.015 から 0.03 まで増加した場合である.以上の場合はど れでも,渦の周期性は b/h に従い,20 を超えると渦は非周 期的な挙動を示すと言える.
4.周期性によって流れの抵抗に与える影響
周期的な渦は 3-2 で述べたように低水路が狭く,高水敷高 さが高く,b/h が 20 を超えない場合で発生する.逆に非周 期的な渦は b/h が 20 を超える場合で発生する.周期的な渦 は左右対称で互いに干渉している(図-8a).非周期的な渦は 低水路が広く,かつ中央の流速が非常に速い場合に発生し,
その際には渦が互いに干渉せず,左右対称性も崩れる(図 -8b).この周期的な渦と非周期的な渦によって流れに与える 抵抗は図-10 のように,(低水路幅 b/全幅 B )が同じ場合に おいても周期的な渦の抵抗が非周期的な渦の抵抗より大き い.すなわち(低水路幅 b/全幅 B )が同じ場合で高水敷高さ が下がり(低水路幅 b/高水敷高さ h)が 20 を超えると渦の抵 抗が下がることが分かった,また低水路幅が全川幅の 1/3 の ときの抵抗が一番大きい.非周期的な場合では低水路幅が広 ければ広いほど抵抗が小さい.
5. まとめ
本研究で得られた結果を以下にまとめて示す.
1) 渦を発生させない二次元定常流計算と渦を考慮する二次元不定流計算の結果を比べた結果,流量が一定値 を超えると大規模渦が発生し,渦により流れに与える影響が大きくなり,さらに流量が大きくなるほどそ の影響(水深差)が大きくなる.
2) 低水路と高水敷の境界での混合の激しさを表す境界混合係数fの値は流量が一定値になるとピークを迎 える.流量がさらに増加しても,このfの値はピーク値のままで一定していることがわかった.
3) 全体の抵抗に対する渦による抵抗の割合は大規模渦が発生した後,流量の増加とともに 4〜2 割まで下が ることが分かった.流量が大きければ大きいほどこの割合は 2 割で安定していることが分かった.
4) 複断面開水路における大規模水平渦の挙動は低水路幅と高水敷高さの比が 20 を超えると非周期的になる.
5) 周期的な渦による抵抗と非周期的な渦による抵抗は,同じ(低水路幅/全川幅)b/B の場合,周期的な渦の 方が抵抗が大きい,さらに低水路幅が全川幅の 1/3 のとき水路で混合が最も激しく,渦による抵抗が最も 大きい.
参考文献:
1) 武内慶了,本永良樹,海野修司,山田正:複断面開水路流れにおける大規模水平渦の発生と発達、土木学 会水工学論文集、Vol.47,pp.475-480,2003.
2) 福岡捷二,藤田光一, “複断面河道の抵抗予測と河道計画への応用”,土木学会論文集,411(1989),pp.63-72.
3) 木村一郎,細田尚,村本嘉雄,安永良, “平面二層モデルによる複断面開水路流れの水平渦運動解析”,水 工学論文集, 40(1996),pp.699-704.
4) 福岡捷二:洪水の水理と河道の設計法、森北出版、2005.
図-9 渦を発生した複断面開水路の水路形状と渦の挙動
(d) (c)
(b) (a)
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8
10 20 30 40
b/B
b/h
非周期的な渦 周期的な渦
低水路粗度係数: 0.015
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
10 20 30 40
b/B
b/h
非周期的な渦 周期的な渦 低水路粗度係数: 0.03
10 20 30 40
1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6
b/h
H/h
非周期的な渦 周期的な渦 低水路粗度係数: 0.015
10 20 30 40
1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6
b/h
H/h
非周期的な渦 周期的な渦 低水路粗度係数: 0.015
(d) (c)
(b) (a)
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8
10 20 30 40
b/B
b/h
非周期的な渦 周期的な渦
低水路粗度係数: 0.015
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
10 20 30 40
b/B
b/h
非周期的な渦 周期的な渦 低水路粗度係数: 0.03
10 20 30 40
1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6
b/h
H/h
非周期的な渦 周期的な渦 低水路粗度係数: 0.015
10 20 30 40
1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6
b/h
H/h
非周期的な渦 周期的な渦 低水路粗度係数: 0.015
図-10 渦の周期性によって流れに与える抵抗と河 川相対幅の関係
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06
b/B
f
境界 混合 係 数
h:高水敷高さ H:平均水深