新たな海岸防災・減災対策決定プロセスと津波規模 と生起頻度の関係の定量化手法
その他のタイトル New decision process of coastal disaster prevention and reduction measures and
quantification method of tsunami scale and occurrence frequency relation
著者 安田 誠宏
雑誌名 理工学と技術 : 関西大学理工学会誌 =
Engineering & technology
巻 24
ページ 35‑41
発行年 2017‑12‑20
URL http://hdl.handle.net/10112/12461
関西大学理工学会誌 理 工 学 と 技 術
V
o
I . 24 (2 0 1 7)一
新たな海岸防災・減災対策決定プロセスと 津波規模と生起頻度の関係の定量化手法
安 田 誠 宏 *
New d e c i s i o n p r o c e s s o f c o a s t a l d i s a s t e r p r e v e n t i o n and r e d u c t i o n m e a s u r e s and q u a n t i f i c a t i o n method o f t s u n a m i s c a l e and o c c u r r e n c e f r e q u e n c y r e l a t i o n
Tomohiro YASUDA
1 . は じ め に
東 日本大媒災から
5年、 1
見H まちづくりが進む被災 地において、まちづくりの外形をりえる IWi❖JJ 提につい て、改めてそのまちづくりや屈観、生業等への彩押に ついて議論がなされている
。イl : l ¥ : 合滋のもと、発展的 なまちづくりをしていくためには、防設施設設定のイ
Cり方について、津波防災
・減災とまちづくりの双方の 視点を生かした続合的な施策が必災である
。20]] 年 3 月の東日本)ゞ姦災を受け て 、」••本学 会では
「 津 波 特 定 テ ー マ 委 員 会」 を設 j i ' , ' . し、今次沖波の科学 的な位附づけを整理し、さらに 今後の i l t i 皮災 化 に備え るべく、津波規模の指椋を祁人した
。2 0 1 1 年 9 月の報 告会では、数十年 か ら白数十年に
1疫の i ‑ 1 ' ‑ : i 皮を対象と
し、人命及び壺旅を守るレペルとして「 i ‑ l t i 皮レベル
1( Ll ) 」 、また、これを はるかに l ‑ . 1 1 1 1 り、構辿物対策の 適用限界を超過する沖被に対して、人命を守るために 必要な最大限の措附を行うレベ ル と し て 「 i ・ I け皮レ ベル 2 ( L2 ) 」の 2 つ の 津 波 レベル を提 案 し た。 Ll 津 波 に つ い て は 枯 本 的 に 構 造 物 で の 防 御 を 考 え 、 ま た し 2
津波に対しては避難を中心とした複合滅災対策を
11(奨したが、あわせて現状では沖波レベルの設定梢炭に つ いては技術的に限界があることも示した。
中 央 防 災 会 議 で の j , j i 様 の 議 論 を 枯 に 、 被 災 地 で は Ll津波を対象とした IVii❖JJ 提の建設計 111Jj が辿められ て きた 。 しかし、
L]による防沖/ j り 恥 ' り さ の 検 討 の 一 つ の 問題点として、どのように予測籾 1 文を 1 , , JI ・ . ・ させたにせ よ 、 L 1 が沖波外)
Jの み に よ り 決 定 され、),い本的に防
原 稿 受 付 平 成
29年10月 9「
I*棗疫都市工学部都市システム T 学科・准教授
設される地域の状況を考 . I 紐しないことが部げられる 。 現在、南悔トラフの地 i~~ をはじめ、全国的に人 1 1 密 度も裔い地域で将米起こりうる底災への対策が忽務と なっているが、炭災に対する減災には、
1)謀災前に 対処すべきハードおよびソフトの ) 確 i i 的対策 ( 防災
・減災対策) 2 ) 震 災 後 の 復 1 1 1・ f 糾卯において行うべき 政策の制炭設計の
'-)fl)lj 実施 (•)i-jj;j復 9\l) が必災である
。復卯プロセスも含めて 、東
l―1本)<震災における)成功事 例 ・ l l i l 辿事例を i 1 1 j : / 怜工学および寸刀蟷 1 ・ 1 1 1 1 j 学の知兄か ら 照理し、その結果をもとに今後起こりうる i l t : i 皮災・ 、 ; り に 対する総合的減災 i 廿
lijを設計するための方法論の開発 が喫緊の課題である
。禅波対策に対する総合的減災, l ・ I 他 i の方法論開発」 ‑ . の J~-1本的な検討課題を、
J)事前対策と
2)'‑)f後対応に 区別すると 、以ドのようである 。
1)
震 災前に対処すべきこととして、 i l t i 皮の起こる規 校
・確率の予測、 w 波予測に対応した 1 リ ' . i i i i ) j り且糾 i i i や 減災のための土地利川 の兄刷しと いった準り i i i が必災 である
。例えば、 「 1打り強い fi'li 造 」の
IWi❖!PJ心や、 そ れによる没水低減効呆の評価、または邸台移転を含 む土地利川や街路照備などに ついても 1 ) 1 = せ て検討す ることが必要である
。また 、 これらハード対策だけ でな く 、 「 避難」行動を促す防災教脊や、 n け皮災 占 野戒区域の設定 、移 1 : H 足進政策などのソフト対策が 必要である。
2 ) 震災後には、早期の人命救助、その後の復 I l l ・ 復
判の過程を効率よく行う必!災があ る。 災 ;り対応、復
I I J. 復卯という 一辿の過程を、 1 1 ; ¥ ; H I J 制約の 中で ; n , , 1 1 1
し、調整し、実施していくことは容易ではない
。こ
のためには、災和発生後のこれら 一辿の過程を、住
民合慈を形成しながら、 円滑にかつ効率的に実施し
本来.l.11防の高さは外力だけで 決まるのではなく.辺1t対 策 や まちづくりと一体となって決めら れるぺきではないかつ
渇岸管瑾者は.計面宴について 慣政稟を遵示し.住民の雹見を 1111くなどのT寧な万法で合意形 成を図るぺきではないかつ
図 1 現行の悔岸防災 . i 咸災対策決定 プロセスにおけ る課題
ていくこと を可能と するような、 'l ~r前の準備や制疫 の構築が必要である。
1 嘩 対 策 と 事後対応は相 互に関述している。東日本 大姦災被災地の従前の防潮堤 および土地利川が 1 )の 参考に、そして即 1 3・ 復籾に入 った現在までの取り 組 みが
2)の参考になる
。例を学げると、
2)について 現在被災地では、防洵 l 提の施設規模に ついて住民と行 政で意見が一致せ ず 、 I i i ! l l l i が1
1.:じている地域がある 。 如
1本大設災の場合では、姦災後すぐ に防潮提整備を 復 Ill 事業と位附 付けて 、発牛頻度の邸い津波 (Lli~ 雑 と ) に対しては完全に防御できる I り
j) 怜
j堤,凋さが設定され た。 しかしながら、 l : l 常生祈や漁業等の経済活動、観 光府源 としての蚊観や砂浜の利川を 考えた場合には 、 , ・ : : i い防怜)l 提は
1叡衣唐となる J J ) i 合があり、また、防 i
叡/j提の 整備よ りも、避難を円沿にす るた めの幅の広い 道路整 備を望む住民の声も多い。 地域の将米像を含めた総合 的
・長期的見地で の議論がなされず、各担当部局がそ れぞれ整備を進めたことが一 l l i l といえる ( I 及 1 1 : 現行 の課俎) 。 この ことはまた、
2) の'l~前復判が 1) の 防災
・滅災施策の考え方とィ畑[分であることを示して いる
。ハード対策における現在の方法論では、防潮堤約の 構造物の設計は、原則として既往蚊大主義をとってお り、
1坪後地の人 ロ ・ 賓産の集積状況やその時間的変化 、
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L2津波の決定
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[ :: 乏 印ttllの決定] 図 2 悔岸防災 ・ 減災対策決定 プロセ ス ( 案)
」:地利) ll
誘禅も含めた ~}j 災対策 !'11本が地域の経済、ぢi様に及ぼす彩押等は考@:されていない。 このため、人 1 1 や 1 f t 泥の集枯 が進んでいる大都 d i l 召でも 、背後地が 森林や
LLLF地である場合にも、 撒備の
1二1標は
1司程度の水 準が設定され、また、整備による生業、娯観、環椅ヘ の / , i l l 次的影秤とそれによる
1呼後地の時間変化も検討さ れていない。 どの地域でも 一律の防災基準を設定する ことは爪災な観点であ るが、地域の将来と国民合意を 考えた楊合には、施設整備によるリスク減少と 投ドコ ストの間の最適解が存在すると考えられる
。この評価のためには、あらゆる規校の外力とその発 生頻 I 文を予測 し、施設規校に応じた長期被古の期待値 と ‑ , ' ' f 後地域の変造を計批化 し、防設コス トを 含めた災
'
, ‑ I ; に
1対する長期総便益の 1 立大化を評価 の中核に据えた 方法論の開発が有効である。 長期使益の符定に当た っ ては、 社 会構造や地域の将米予測もその評価に取り 込 む必要があるが、これにより、地域固有の事情を反映
した効率的な整備目椋の設定が
11]能 と な る 。
ソフ ト対策もハー ド対策の状況に依存してその効果 は異なる 。 したがって、ハード・ソフト対策から構成 される総合的な減災施策の効果 を定批化し、計画や設
, 汁 に反映することの重災性は 論を 1 れ たない。 リス ク ' h ' i
報の提供や土地利用の規制 ・ 誘将、避難に役立つ施設
照備や避難のためのソフト施策等の効果も合わせて分
B.C
H
。
1 3 : 被害軽減額の期待値
Hs
。
IrH100 H150一防潮堤建設に伴う 外部性
(環境
・景観• 生集等)
物理的防御レペル
(防潮堤の高さ)
図
3 Iり滑jj提の,•,':j さとその使益と mu析していくための方法論の開発が進められている 。 具
1 本的には、 1 ) d t t 皮の規校と生起頻 J ! . t との関係の定凪 化手法 ( 津波ハザードモデル) についての把捉とその 利用可能性の検討、
2)滅災のためのハード・ ソフト 施策の効呆の定拙化に対する都市均衡モデルの利 i l l 可 能性の検討、 3) 照り i i i すべき防潮提高の検討に必災な
・ i
) ' i 報 と考え方の照理について 、検討していく必要があ る。
1)、
2)、
3)の知見を踏まえたうえで、現在の悔; , ; 雑防災
.i咸災対策決定プロセスの諜題を腋則し、 1~
Ill イ史益分析に基づく 1りJi❖JJ 堤腋1~ii7.':i の設定)j法などをは じめとした現在の政策決定とは異なるプロセスの政策 禅入を含む新たな プ ロセスが、土木学会減災アセスメ
ン ト 小委員会により提案されて いる(図 2) 。
図 2では 、純便益指椋 (B‑C) をI l l いて沖波防御 レ ベルの設定を行うプロセスを祁入している 。 これは、
L I 津 波 が 数 十 年 か ら 百 数 1 年 と 幅 が あ る こ と に 沿 目 すれば、例えば、 1 J り 1 1 本では再現期間
50年 程 1 文
(l l ( j 禾 I I
南悔級) 、100 年程度 ( 安 政 1 + . i 洵級) 、150 年札渡 ( * : 水 級)等の津波 ( 物理的防御水準)を想定し、
1呼後地の 利用状況を考應した I ・ . で、それぞれに対して経済的 な
!!佑在を行い、幼率性非準を泌たす範 l l
、lj内で蚊も招まし い防御水 i , t を採択するという方法である 。
1;;.:13にぷす ように
、柚軸に 1リ:;i❖JJ提の ;•,':j さをとり、縦iqli に そ の使益 と 1tm をとる 。 このとき、 1Wl は防潮堤の研さ ととも に迎妍する。 一方、便益は防潮堤によ って守られる生 命、財産であり、これらは被柑 軽 滅額の期待値で表さ れる 。便益は 、防潮堤の沿
jさとともにその W I J J I I が一般 に辿滅する 。 このとき、純便 益指椋 (B ‑ C) を最大化 する l り灌 l 堤の邸さが効半 的な記
jさとなる 。
本柏では、 や l 辟皮の規校と生起頻度との関係の定址化 手法について、蔽新の研究成呆を紹介する。
2
.津波の規 模と生起頻度 との関係の定足化 手法
まちづ くりに配慇した i ' l l i / 支 I W i 殴施設というのは、こ れまでの洵 i 翡保令施設撒備の観点からは大きく異なる
ものである 。従米から汁 i j : J ・ や保全施設の柩備レベルは、
波浪や翡杓 l / 、 i l t i 皮などの生起
Ti{I平あるいは既往蔽大を ベースに 、ある 一延の防設レベルを満たすよう物理的 検討により設定されており 、 この中に後秤地の社会的 経済活動を蝕含するファクターはない。 具イ 本 的な構辿 物の設けにおいては、利便性や段(様について配曲され ているものの、防設基巡そのものについては、 これら の災索や後1 呼地の社会経済活動などは考應されていな い。一 )
jで、沿 ; ; i : 市町村におけるまちの活性化 は、海
i 怜の利 I l l 形態や構造に大きく左右 されるため、 i 舌性化 を「 I 的 H 本としたときの最適防設施設の姿は物理要因 からのみでは決定できない。 これらは、非本的 に防設 レベルが低く、社会災求に渦たない
J:).)j合にはそれほど 大きな1
11]辿とはならないが、整伽が進み防設レベルが ある程殷以 I ・ . に ! ・ . がれば、 1 1 s , として 「 防渡レベルが過 刺ではないか」 という議論が生じてくるのはむしろ自 然であると, i えよう 。
間題は、いかにして様々な社会 ' 災求と 防設レベルと のバランスをとるか 、 という 、 点であるが、 これについ てi
M潤 ・ 樋渡
(2013)は「残余のリスク 」 という考え 方を l I l いて、後秤地の土地利川状況に応じた泣適湘波 防設施設,•,':j を求める方法について論じている
。「 残余 のリスク 」 は、防護施設で守り切れない災布による期 待 m 失のことであるが、期待祖失を減らすことを使益 ととらえれば、この考え)
jは防設施設の建設コス ト を マイナス災 L K
Lとした純便益1
1と大化と
1,;J等 と 考 え ら れ る
。この視、•.'.(に立 っ て、便益をどのように壺定するか を中心とし て議論されているが、使益評価の 中には、
津波の
tj:̲起
fi{t卑特性や社会竹本苓梢の状況、避難
・人 命の考え)
j、対泉期間における社会構造変化など、様々 な要素があり、これらの変動や規制 ・ インセンテイプ を辿した誘禅などの災 l 乱を考えれば、板めて複雑な評 価 とならざるを得ない。 これらを現実的な評価手法と して社会尖装するための議論や、 H J と合、のための ' h ' i
報伝逹手段としてのツールの開発が望まれる 。
2 . 1 ランダム フェー ズモデル
近年、 i ! t i 皮シミュレーション手法は)<きく進歩して きており、 r f , J 洋 を伝播する汁激の 計狩梢炭への信頼性 は, ・ : : i くな っている 。津波被店評価における困難な課題 は、将米、 i i 域を発生させる可能性のある地震の特性 を
‑fil[ljすることであり、特に、すべり分布が津波特性 に大 きな彩押 を与える 。地震特性に関連する不確実性 は大きく、イ~(i'(I尖性の評価は過去の地姦の科学的事象 を店に、起こりうる多数のシナリオを考應しなければ ならない。 束
II本大裳災以 降 、
Godael a. l(2014)は、東北地)
j)心 I 年(:神地震を対象に、 多数のすべり分布を
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図
4 ランダムフェーズ確率すべり分布モデルの解析フロー ( STEPl: 予備解析. STEP2 : スペクトル解析.
STEP3 : スペクトル合成)
確玲;的に生成するランダムフェーズモデルを I J f . J 発 し た
。(i'/1平すべり分布の生成には、空
IIIJ~11
l½J 性をパワースペク ト ルで表現するという l ¥ l l a i a n d Be r o z a ( 2 0 0 2 ) による確率( I り手法を基にしている 。
(i'/1(平津波モデルは、
沈み込み地店を想定した津波シミュレーションを多数 行うことにイ i m である 。東北地方太平袢沖地店を対象 に ‑ I l l 汐とされたインバージョンすべり分布はいくつかあ るが、そのうちの
11モデルを検討対象としている 。 こ こで、インパージョンすべり分布とは、観測された地 成波形の逆解析を行うことで推定された断 1 1 ' 1 而のすべ り分布、あるいは地姦により生じた津被の観測波形か ら逆解析 することにより推定された断 / 1 ' 1 而のすべり分 布のことである。
確率すべり分布を生成するために、インパージョン すべり分布に対する空 1 / l ] ( t
り+ 1 1 1 対性を利 m する 。波数ス ペク トル解析を行うことで、すべり
‑J,しの空間
(1り朴I I
関性を一般化する。
このインパージョンすべり分布に対し て二 次元フーリエ変換を行い、 , g 行 方 向 の 放数
Cr)と傾斜)
j向の 波 数
(z)のバワースペクトル分布に変 換する 。 中心から放射状にパワースペクトルの平均値 をと った 1 月 )
jJfTJ平均それぞれに対して、波放とパワ ー スペク ト ルの関係をプロットし、このスペクトル勾配 に対して線形 回焔分析を行う 。線形町 l 紺分析時の額き とハースト指数(空間相関性を表すパラメータの一つ ) の関係式、周方向平均の理論 式 を ) I J
い、 1ll1線に蚊も合致 す る よ う な ハ
ー ス ト 指数H と相 l 関長 . 4 . 、 じ Az の 組
み合わせを校索して決定する 。 また、周方向平均の理 論式に関 して 、様々な理論式のモデルが存在するが、
描いた1111
線に 1 立も合致するとしてフォンカルマンモデ ルの周)
jJ11j平均の理論式を採) H した。 一方で、 イ ンパー ジョンすべ り分布 が 1 , l も J I : 規 分 布 に 近 づ く 時 を 考 え る。あるデータを正規分布に近づけるときには
、一般的に Box‑Cox 変換が)― n いられる。 変 換 前 と 変 換 後 の すべり分布を比較し
、i
立も相関係 数 が1に近づくとき の値を、 Box ‑Co x 変換のパラメータ入として定める 。
波数ス ペク トル解析手法を用いる
ことで、空 1111+11 1½1 性 を表す 3 つのパラメータ、すなわちハースト指数 H 、
柑関長Ax 、 Az を求めることができる 。 そのパラメー タを用いてフォンカルマンモデルのパワ ースペクトル の理論値 ( 絶 対 値)を t ? : 1 1 ¥
し、位相をランダムに変 化 させ、複索領域でのフーリエ変換の値を多?:出する 。 こ れをすべての波数領域に適切に拡張し、逆フーリエ変 換 か ら 空 間 領 域 の す べ り屈 を得る 。 その 後、 逆 B o x ‑ Cox 変換を行い、非正規化する 。すべり似の平均値と 標準偏差を元のインパージョンすべり分布の統計 1 直に 合わせる採作や、アスペリティ領域を設定する採作が 可能である 。 これら 一述の方法を 、図
4に示す。
さらに、 Go d a c t a . l ( 2 0 1 5 ) は、得られた確率 i l 1 : i
皮モデルを) l l いて、束北地方沿岸部における津波泌水 ・
,n
符をし
(l~I5) その結果と建物(被唐)分布 デー タ ( I ‑ r 1
土交辿省
2011)、 フ ラ ジ リ テ イ カ ー プ ( S upp a s r i e t
a l . .
2013)を ) J I いることで、確率的津波リスク マ ッ プ
Nn:fcn:rc<
model
ヽ
Shp(ml
OIO~JO 鳩”閾
I~· ― ‑ " ..
l 芯霊翌悶; ) ' " ' ' 心 "
lluildins l>nln Hi~u,.ntul.n1n (61 I~huildins<l
M≪:ali,.tions pc,,ck,c心 moJd
s1;r(m1 CJ 10 20 .lO 40 50 60
I : ・ :
↑ .↓ 窃竺、岱~~ 之 , ヂ
<qu以ioo,&lnnmlation li.1>11、 ~la1><(1Iり.Vx.1/i
図
5 M i l 玲約 I t 波モデルを用いた確率すべり分布の
llc}戊 とそれを) l l いた津波没水計符
を求めている
(柊 I
6)。({/1[率的沖波リスク マップは、
津波に対する建物の被牝:
(i/1,率の空間分布を示すことが でき 、起こり得る特定の湘波シナリオに対してだけで なく 、建物の沖波抵抗力の不確実性までぷすことがで きる
。確率論的津 波リスクマップと リスクカ
ープの1,1,j方が、地形の影押、 i ‑ l t : 波波源との近さ 、および建物の 特性
(材料の種類と階数)の影評を受けることが示さ れた。確率的津波リス・ ク評価において異なるインバ
ージョンすべり分布モデルを用いることは、予測不確 必 性の評価に爪災であるといえる
。現在の限られた地i 此 学の知 識では 、沈み込み俯における 巨大 地点の予 i J I I J 7 i ,
確実性は人 きいため 、ある特定のシナリオに),~ づ いて 浬波避難と減災施策をすることは危険であり 、確率的 評価が望ましいと考える。
2.2
ロジッ クツリ ーモ デル
Cornell (1968)は 、 地 震 に よ る 強 震 動 を 評 価 す る
, .
TヽunanoiFrueililJ
ヽ
lo,ld,RC(l ,toril
‑ ¥lush
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―
Co/lap≪ .ー
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W•trrdcpth (
, .
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.
r, ヽ1111,midom•~• ..‑uhヽ
forLsmmmi ... ,.rd/ri、
km•1•11inc nnd u11<•rt•inl) <111•nlifi,.1ion図
6建物分布とフラジリテイカープおよび没水社符 結呆を I l l いた
{i/1玲年 i t 波被忠マップ
際に考艇すべきイく確実性の種類を、認識論的不確尖性 と偶然的不
(i{;1実性とに分類した
。以来、米国や日本国 の原子力分野における確率論的強旋動および祁波評価 の過程では、評価の不確実性を認識論的不確実性と 1 / J . ¥ 然的不確実性に分類して評価することが基本とな
っている
。米国における});[子力施設の確率論的地震動評価に お い て 採 ) l l さ れ て い る
UnitedStates Nuclear Regulatory Commission (2002)では、認識論的不確 実性は科学的知識の欠 如に起 l l s l するもので、データ派 が妍えれば将米的に滅少 させ得る不確実性であ り 、
1111然的不確実性は物理現象の ランダム性に起 l 対するもの で、デー タ絨には左右されず将来的にも減少不可能な
ィく確実性である、と定義している
。国内における )~;( 子
力発俎所を対象 とした
fi(1玲勺論的 i ' i t i 皮ハザー ド評価に関
''" , , . .
:‑
. . .
・ 慶Loolc ""
“—., . . .
. ' " . .
ー・. . . ・
図
7 確 定 論 的 評 価 と 確 率 論(Iり評価による想定地謀領 域図
8 束北地方太平洋沖地設を対泉としたロジックッ リーする技術は 、
—l→.木学会原子力土木委員会 il t i 皮評価部会 ( 2 0 0 2 ) ( 2 0 1 5 年 現 在 、 土木学会原子)
J上木委 且 会 i I t 被
評 価 小 委 貝 会)の「原子力発氾所の津波,評価技術」に端を発しており 、ここ では 、 パラメータスタディと い う形で確率 論的 に 津 波 ハ ザ ー ド を 扱 っている
。その 後 、
確率,論的な i l t i 皮評価 手 法に関 する 更 なる調介研究が為 され、 L :
木学会原子力土木委員会沌波,1 ' 1 ' f 1 l l i 惰 I I 会 ( 2 0 l l ) は 、 「
確率論的津波ハザード解析の)j法」を公表した。
「確嘔論的 i ‑ l t i 皮ハザ ード解析の方法」では、)炉本的な
津 波 ハ ザ ー ド の 確 率 論 的 評 価 手 法 と し てAnnaka e t a l . ( 2 0 0 7 ) の 評 価 手 法 を 採 川 し て い る。 Annakae t a . l ( 2 0 0 7 )
は、津波ハザード評価に関わるイ寸確実性を認 識 論的 不確 実 性 と 偶 然的 不確 尖性 とに分類し、認識 論
(Iり+ 確 実性を ロジ ック ッリ ー に よ り 評価し、 f / J . 1 然的
ィ
'(i{I[実性 を f l t 波 波 , l d i の 確 率 分 布 に よ り 評価するという
手法を川いた。福谷ら ( 2 0 ] 4 )
は、ロジックッリーを)1 1 いた 確 率 論
的i ! t i
皮ハザード評価の手法を応I l l
し、陸1
この地点における i ! t i 皮訟水深を確率論的に評価した後、津波による
建 物 の フ ラ ジ リ テ ィ 評 価 と 結 合 さ せ る こ と で 、 特 定 の地].せに立地する特定の建物が保布する津液リスクを定 斌的に評価して い る。 津波リスクを定械的に評価する
ことができれば、構造の辿う建物や別地域に立地する 建 物 の リ ス クi ,
し を 客 観 的 に 比 較 す る こ と がrrJ能 で あ り、防災分野の多様な場1 f l i
に お け る 吝 観 的 な判断の指 椋 値 と し て 利 用 さ れ る こ と が 期 持 さ れ る。束 n 本 大成 災以前、 宮 城 県では窮 城 県 沖 地虚 を 想 定 地設として、被杏想 定 と 対 策 を 行ってきた。 i l t i 皮ハザー
ドを確率論的に評価するためには、多数の地姦やパラ‑LE
3k )
0 . 1
0 0
゜ ゜゜
呼
逹痔函母
0 . 0 0 0 1
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 0 . 05 f r a c t i l e c u r v e
ー
0 . 5 0 f r a c t i l e c u r v e
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ Simple a v e r age c u r v e 0 . 95 f r a c t i l e c u r v e
ヽ 、
ヽヽ ヽ
ー5
I O 律波波高
(m)図 9
ハ ザ ー ド カ ー プ(
福 島 県 柑. 馬港 沖. 水 深 J O m J
也点)゜ 1 5
メー タ変動を考慇する必要・がある。
そ こ で 、 防 災 科 学 技 術 研 究 所( 2 0 1 3 ) が 公 表 す る 確 率 的 地 姦 動 予 測 地 図 に 1 H いられている H 本 海 溝 沿 い の 梅 溝 型 地 店 の 発生 i f i
域から、
j , (
j7 に 示 す 1 1 領 域 を 選 定 し た。 こ れらの断 1 1 ' 1
領 域 を 対 象 に ロ ジ ッ ク ッ リ ー を 構 築 し た( I 又 I 8 ) 。
ロジックッ リー の分岐として 、
(l)M w範 囲、
(2)断)0 のアスペ リ ティ位
ji•'t 、(3) 地店の平均発生 11\J 隔、
(4)
波科のばらつき)文(対数椋準偏差) 、
(5)対 数 椋 準 偏差 の 打 切 り の 5 分岐 を 設 定 し た。 ( l ) 1 ¥ / w 範 囲 は、
断 附 而 梢 か ら 決 定 し た 培 準 と な る
M wから士
0.1の 範
岡で3通り、(2)断 1 1 ' 1 のアスペリ テ ィ位骰については 、 断 料 の 長 さ が 1 50km 以 卜 の 楊 合 に 、断 府 の 中心 と 断
肘の両端付近にアスペリティが位骰する 3通り、 (3) 平 均 発 生! I l l
附については、地姦動の長期評価で決定された平均発 1.1, . 1111 1~~
に、イは頼区H I J
を考慇した3
通り、('1.) 波翡のばらつきJ虻(対数椋準偏差)と (5)対数 椋 準 偏 粒 の 両 端 の 打 切り の 2J J 1 日の 分 岐 に 関 し て は、
An n a k a e t a l . ( 2 0 0 7 )
に示されている分岐を踏桜した。構 築 し た ロ ジ ッ ク ッ リ ー の一分 岐術に、
i ' l t i 皮 の 数 1 1 / (
計切で得られた1
立大波翡とそれらのばらつき疫( 対 数 椋 準 偏 差)が 決 ま る の で、 ; n
符 さ れ た 最 大 波 閥 を 中 央 値として、対数椋準偏差を適用して 、超 過 確 率 分 布 を
描くことで、各メッシュ点において1 8 0 0
本 の ハ ザ ー ド カープが11:̲成 できる
。全断/ f i i 領 域 の 各 ハ ザ ー ド カ ー プ
を利t
狩すると、95%
フラクタル曲線、50%
フラクタル 1 1 1 1 線 、 5%
フ ラ ク タ ル1 1 1 1
線、平.純平均1 1 1 1
線 が 構 築 で きる( 悩
I9
)。ハザードカープとフラジリテイカ
ープから 、 m 布 確
率 と 年 超 過 確 半の 関 係 で 表 さ れ る i
旦! t i
皮 リ ス ク カ ー プぼ
10)を 邸 い た 指 数
IJ.¥J数 で 同焔 分 析 を 行 う
。皿柚し
た 指 数l
関数を利川し、1 1
訊 確 率0 . 0 1
刻 み で 、 指 数l
見数0 . 0 1 0
0 . 0 0 8
6 4 2
0 0 0
00~0 0
0 U)
5 世 定 坦 函
f i 7
〇 鉄筋コンクリート造
+ 鉄 ・ l f 造
ロ れんが造
x木 造
/ ¥ = 0 . 0 0 6 5 , B = l
1.72‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ・ A = 0 . 0 0 6 5 , 1 3 = 6 . 5 7 A = 0 . 0 0 7 1 , B = 3 . 4 7
‑‑‑‑‑ A = 0 . 0 0 7 3 , B = 2 . 4 7
Y = A*e 、 、 : p ( ‑ B * X )
0 . 0 0 0
0 . 0 0 . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8
um 確率(入 ぅ
図 1 0 各 建 物 構 造 物 の リ ス ク カ ー プ 1 . 0
下 方 の 而 桔 を 秘 分 し て 求 め た 結 呆 も 示 し て お り 、 こ の 結 呆 が、 i ' l t i 皮リスクの期待値であり 、リ ス ク の 定 址化 の結果である
。W : i 皮リスクは、 i i t 波 ハ ザ ー ド 評価 の情報や津波フラ ジリティ評価の i ' i ' i 報を伽 l 々に捉えていたのでは止しく J l l [ / f J 名できず、これらの f i ' i 報を組み合わせて考えること で 初 め て 理/ f J 名できる この手法は、国内外を l l i l わず別 地域にも)心川 1 1 ] 能 であり 、 i i t 波ハザー ド の大 き さ が 相 辿する別地、 1 位に 1 i : 地 す る 建 物 が i 呆 イ
fする津波リスクを 定械的に評価して、 比 •I攻 ・ 検討することが 11]能 である
。3 . お わ り に
上 木 学 会 減 災 ア セ ス メ ン ト小委 員 会 で は 、リ スク l ' i ' i
報の提供ゃ
—I:地利川 の規制
・話 祁 、 避 難 に 役 立 つ 施 設 整備 や 避 難 の た め の ソ フ ト 施 策 笠 の 効 呆 も 合 わ せ て 分 析していくための)
j法 論 の 開 発 を 進 め 、 こ れ ら に 関 す る学 術 研 究 ・ 技 術 開 発や 即 ! i l l J i の 祁人 ( 災 ' l
』i ‑ 1 J l i アセ スメントによる
1‑.地利川誘導な ど)を 学 際 的
・分 野 横 断的に検討している
。本稿では、 現 在の 洵;梓防災 ・ 減 災 対 策 決 定 プ ロセスの課題を柩則するとともに、 1 ' < 川 便益分析に基づく 1り1ivJJJ Jt~
鱈a , ・ : り の設定)
j法 などをはじ めとした 、現在 の 政 策 決 定 と は 異 な る プ ロ セ ス の 政 策 祁 入 に つ い て も 検 討 し 、 提 案 さ れ た 新 た な プ ロ セ ス を 紹介した
。さらに、 i ! ' ; i 皮の規校と ' I : 起 頻 炭 と の 関 係 の 定 批 化 手 法 ( 津 波 ハ ザ ー ド モ デ ル) につ い て の 蚊先端 研究の把握と その利 J I J 1 1 f 能性の検, l ‑ l について詳しく紹 介した。
参考 文 献
国 土 交 通 省 ( 2 0 l l ) :
束I I 本 大 誤 災 か ら の i ‑ l t i 皮被災 d i 街 地 復 卯 手 法 検 , i " J 』 ¥ , J 1 f の と り ま と め に つ い て . h t t p : // www.ml i t . g o . j p / l o s h i / t o s h i ‑h u k kou ‑
a r k a i b u . h t m l .
「 I 本 J J ; ( f ) J 学 会 ( 2 0 1 2 ) : J J ; ( { ‑ ) ) 発 氾 所 に対する w 波
を起 J k l とした ( i { I ¥ 率 論 的 リ ス ク 評 価 に 関 す る 実 施 ), し 洲 : 201 1 . 1 3 9 p
平 I l l 野 治 ほ か 1 9 名 ( 2 0 1 4 ) : 1 1 本 令 国 を 対 象 と し た 津波ハザード評価の収り糾み , 1 1 本地球惑),!.科学辿 合)ゞ会 2 0 1 4 年)<会. HDS28 ‑ 0 ' 1 .
福 谷 陽