首 都 圏近 郊 農 村 にお け る老 親 同居 家 族 の生 活 構 造
埼 玉県 大里村 の場 合
西村 洋子 森 幸 雄
1は じめ に
2調 査対 象地 区 の地域 構造 3就 業 構造
(1)就 業 者 の特徴
② 農 家 として の特徴
4三 世代 家 族 を 中心 と した 同居 形 態 (1)家 族 構成 上 の特徴
(2)同 居 生活 の特徴 5財 産相 続
6ま とめ
1は じめ に
今 日の家 族 はTそ の 構成 や居 住 形 態,家 族 関 係,生 活 様 式'生 活 の共 同性, 日常生 活 の あ り方,家 族 意 識 な ど さ ま ざ まな 面 で大 きな変 化 を み せ て い る。 こ う した 家 族 の変 化 に は,家 族 を と りま く社 会 の変 化 が大 き く影 響 して い る と考 え られ る。 社 会 の 変 化 は今 日で は都 市 ・農 村 を問 わ ず み られ るが,大 都 市 圏 の 近 郊 農 村 で の社 会 の 変 化 は特 に興 味深 い もの で あ る。 そ れ は,農 業 生 産 を基 本 とした 伝統 的 生 活 形 態 が,急 激 な産 業 化 や 都 市 化 の進 展 の波 を 多 か れ 少 な か れ,あ る い は遅 かれ 早 か れ か ぶ るか ら,日 本 社 会 全 体 の 変化 を い わ ば 集 約 的 に 反 映 させ て い る とい}る 。 家 族 生 活 につ い て も,伝 統 的 家族 生 活 形 態 と さ ま ざ ま な新 しい 生 活 要 因 との接 触 や 流 入 に よ り,ど の よ うな変 化 を み せ て い るか。
図1大 里村周辺 図
10.20km
一
千葉県
それ を 特 に 三 世 代 同居 家 族 の生 活 形 態 や あ り方 を中 心 に み る こ とは,今 日の 日 本 の家 族 の変 容 をみ て い く うえで もき わ め て示 唆 的 な もの で あ ろ う。
本稿 は,こ うした観 点 か ら行 な った,首 都 圏 周 辺 部 の農 漁 村地 域 め家 族 生 活 調 査 の̲̲̲.で あ る,埼 玉 県 北 部 の農 村,大 里 郡 大 里 村(図1)で の実 地 調 査 に 基 づ くもの で あ る。 こ こでは,こ の調 査 結 果 の うちか ら特 に就 業 形 態,同 居 形 態,相 続 形 態 を 中心 と して,首 都 圏 近 郊 農 村 の老 親 同居 家 族 の生 活構 造 を み て
い きた い。
2調 査対 象地 区の地 域構 造
調 査 対 象 地 区 で あ る大 里 村 は,東 京50キ ロ圏 に位 置 し,し か も交 通 機 関 に め ぐまれ,都 市 化 の影 響 を 受 けや す い地 域 に あ りな が ら,水 田耕 作 を 中 心 と した 純 農 村 的 形 態 を 今 な お か な り濃 厚 に示 して い る地 域 で あ る.
首 都 圏 で は,山 間 部 に か か る地 域 を 除 き,都 心 か ら50キ ロに あた る地 域 は, 概 して 宅 地 化 や 企 業 進 出 に よる 開発 が進 み,他 方 で従 来 か らの住 民 の脱 農 化 が 進 む な ど,伝 統 的 な地 域 社 会 に 大 きな変 化 が み られ る地 域 で あ るQ東 京50キ ロ
圏 で の都 市 化 は,都 心 へ の通 勤 に便 利 な 鉄 道 の周 辺 を 中 心 に,神 奈 川 県 か ら蒔 計 まわ りに進 行 して い る。 た とaば,神 奈 川 県 の茅 ケ 崎市 や 平 塚 市 で はす でjarYt̲
都 市 化 が か な り進 み,埼 玉 県 の熊 谷 市 や 東 松 山 市 で は現 在 都 市 化 が 進 み つ つ あ り,茨 城 県 の 土 浦 市 や 千 葉 県 の成 田市 で は都 市 化 が 始 ま って い る とい う状 態 で あ る。 大 里 村 は,こ の熊 谷 市 と東 松 山 市 に は さ まれ,ど ち らの都 市 に も 自動 車 で10分 ほ どの位 置 に あ り,急 激 な都 市 化 現 象 が み られ て も おか し くは な い。 し か しなが ら,大 里 村 で は,水 田耕 作 を 中 心 と した 純 農 村 的形 態 が か な りよ く保 た れ て い るの で あ る。
この よ うに,都 市 化 現 象 が み られ る地 域 に あ るに もか か わ らず,大 里 村 が 純 農 村 的 形 態 を保 って い る理 由 は,次 の3点 が 考aら れ る。 まず1つ に は,地 形 的 に,荒 川 に沿 って拡 が る比 較 的平 坦 な 低 湿 地 が 大 里 村 の集 落 を と りま き,大 規 模 に水 田耕 作 を 行 な い うる 自然 条 件 にめ ぐまれ て い る。 さ らに,農 作 業 の機 械 化 や 栽 培 技 術 の発 展 に よ り,農 作 業 の省 力化 や合 理 化 が 可 能 とな り,兼 業 で 凸 農 業 を 行 な って も農業 が っ つ け られ る こ と も この地 区 の生 活 基 盤 で あ る農 業 の 維 持 に大 き く寄 与 して い る。2つ に は,行 政 上 の措 置 と して,こ の地 区 が市 街 化 調 整 区 域 に指 定 され て い る こ とで あ る.こ の指 定 に よ り,地 域 外 の人 が この 地 域 に住 宅 な どを建 て る こ とは で きな くな り,工 業 団地 造 成 な どの大 規 模 開 発
も規 制 され,こ の地 域 へ の外 蔀 か らの 変化 要 因流 入 が お さ え られ る。 また,農 地 の売 買 も難 し くな り,農 地 を売 りは らって 他 所 へ 行 くこ と も容 易 で は な い 。
3つ に は,隣 接 す る熊 谷 市 や 東 松 山市 な ど近 くに就 業 の場 が 得 られ る こ と であ る。 熊 谷 市 や 東 松 山市 セこは,自 動 車 や 機 械 の部 品 な どの工 場 が か な り進 出 し, 多 くの就 業 の場 が 生 まれ て い る。 この た め,農 業 の省 力化 に よ り生 まれ た 時 間
で こ うした 工 場 な どに就 業 し,現 金 収 入 を 得 る こ とが で き る よ うに な った 。 ま た,農 業 以 外 の 産 業 で働 こ うと した とき で も,こ の地 域 に居 住 した ま ま で就 業 す る こ とが で き る よ うに な り,人 口流 出 を お し と どめ るた め,伝 統 的 な農 業 中 心 の地 域 社 会 の保 持 に 役 立 っ て い る とみ られ る。
さて,住 民 の移 動 や 構 成 を み て も,こ の地 域 が 比 較 的安 定 して い る こ とを 示 して い る。 国 勢 調 査 に よ る と(表1),人 口は昭 和30年 か ら 昭 和45年 に か け て 減 少 しつ づ けて い る。 そ の後,昭 和50年 ・昭和55年 と人 口は微 増 して い る が 昭 和30年 の 水 準 に まで い た?て い な い。 しか しな が ら,大 里 村 の 普 通 世 帯 数 を み る と,昭 和30年 か ら,横 ば い あ る い は微 増 とな って い て,一 度 も減 少 を 示 して い な い ∫ この点 か ら,大 里 村 で は,全 体 と して 人 口が 減 少 して い る ときで も,二 地 域 内 で の世 界 分 離 お よび 世 帯 の規 模 が 少 さ くな って い くだ け で世 帯 の数 は
表1国 勢調 査 に よる 人 ロ ・世 帯数 の 変化(大 里村)
\ \ 人 男 口 女 普通蹄 数1諜 歎 貨り世 帯
1955(昭 和30)年7,565 3,636 3,928 1,244 {6.07)
1960(昭 和35)年7,222 3,512 3,710 1,244 {5.36)
1965(昭 和40)年6,896 3,342 3,554 1,287 (5.36)
1970(昭 和45)年 6,78213,3・5 3,467 1,361 (4.96)
1975(昭 和50)年6,790 3,340 3,450 1,458 (4.65)
1980(昭 和55)年7,000 3,479 3,521 ].,535 (4.50)
減 少 せ ず,世 帯 ぐるみ で の 転 出 が あ ま りな か った こ とを示 して い る。 また,そ の後,人 口の増 加 が あ って も,そ れ ほ ど急 激 な も の で は な く,住 宅 地 化 な どに よる人 口の大 量 流 入 に よ る もの で は な く,む し ろ,人 口の 自然 増 に よ る もの と み る こ とが で き よ う。 また,こ の地 域 の流 動 性 が な く比 較 的 安定 して い る こ と は,各 世 帯 の全 般 的 な 来 住 時 期 の古 さに も あ らわ れ て い る。 今 回 の調 査 結 果 に よ る と,戦 後 にな って居 住 しは じめ た 家 族 はわ ず か&5%に す ぎず,明 治 時 代 に はす で に居 住 して い た家 が84.1%を 占 め て い る。 さ らに,調 査 地 区 の男 女 別 年 齢 層 を み る と(表2),年 齢 層 や 性 別 に よる極 端 な増 減 ρ な い,安 定 的 なつ りが ね 型 の 人 口構 成 で あ る。 こ うした 点 か らも・ 大 里 村 は,相 対 的 に 安 定 した 地 域 社 会 で あ り,伝 統 的 な 生 活 形 態 を残 しや す い地 域 で あ る こ とが わ か る。
3就 業構 造
1)就 業 者 の特 徴
こ こで は,個 人 を 対 象 と した 就 業 の特 徴 をそ の形 態 や 産 業 別 構 成,就 業地, 通 勤 時 間 な どか らみ て い きた い。 な お,就 業 者 の産 業 別 構 成 につ い て は,後 述
の よ うな理 由 か ら,こ こで は主 業 と副 業 との 区別 を試 み て い る。
まず,農 業 地 区 で あ る調 査 地 区 の就 業 をみ る前 に,比 較 材 料 と じて,全 国 的 に み た 農 業 就 業 者 の特 徴 をみ て み た いQ国 勢 調 査 結 果(1)か らみ て,非 農 林 漁 業 と比 較 した,農 業 就 業 者 の特 徴 は次 の2点 で あ る。1つ に は,高 齢 の就 業 者 が 多 い こ とで あ る。 農 業 就 業 者 で は,他 の産 業 に 従 事 す る もの で は定 年 な どに よ
り就 業 に制 約 が 加 わ りは じめ る55歳 以 上 の就 業 者 が,男 で47.9%,女 で38.6%
表2男 女別年齢構成
男 年 齢 層 女
26(13.1) 0(〕歳)〜9(〕 歳) 31(14.6)
30(15.1)10〜19 30(14.1}
25(1.2.6}20^‑29 29(13.6}
35(・7.6)i3・‑39 28(13.2)
25(12,6)40〜49 21(9.8)
26(13.1)50〜59 25{11.7)
20(10.1)60〜69 24(11.3)
12(6.0)70‑一 一 25(11.7)
199(100.0) 計 213(100.0)
(注)カ ッ コ 内 は 百 分 比
で あ り,農 業 従 事 者 の 中 核 とな っ て い る。 こ の た め,農 業 地 区 で は,全 人 口 に 対 す る 就 業 者 の 割 合 が 全 国 平 均 に 比 べ 高 くな っ て い る 。 特 徴 の2と して は,従 業 上 の 地 位 で 雇 用 者 が 少 な く,自 営 業 主 や 家 族 従 業 員 が 多 い こ と で あ る。 ち な み に,農 業 就 業 者 の 従 業 上 の 地 位 別 割 合 は,家 族 従 業 員 の51.0%が 最 も 高 く,
自営 業 主 の46.3%が つ づ き,雇 用 者 は わ ず か に2.7%と 非 常 に 少 な い 。 男 女 別 で は,自 営 業 主 は 男 で78.0%,家 族 従 業 員 は 女 で82.3%と そ れ ぞ れ 高 くな って い る 。
調 査 人 口 の 就 業 形 態 の 特 徴 は,こ の 農 業 就 業 者 の 特 徴 と よ く似 て い る。15歳 以 上 人 口 に 対 す る全 就 業 者 の 割 合 は,調 査 地 区 で は 全 国 平 均 よ り18.9%も 高 い 81.2%で あ る。 ま た 男 女 別 で は,男 で の就 業 者 は93.8%と 全 国 平 均 よ り14.0%
高 い の に 比 ぺ,女 で の就 業 者 は69.8%0と 全 国 平 均 よ り24.o/も 高 く,特 に 女 で の 就 業 者 の 割 合 が 高 い 。 従 業 上 の 地 位 別 で は,雇 用 者 が48.0%と 最 も高 く,自 営 業 主 と家 族 従 業 員 が と も に26.0%と い う順 で あ る 。 こ れ を 全 国 の 割 合 と比 較 す る と,雇 用 者 で は23.8%も 低 くな っ て い る の に 対 し,自 営 業 主 で は9.1%0, 家 族 従 業 員 で は14.7%も 高 く な っ て お り,調 査 地 区 で は,自 営 業 主 と 家 族 従 業 員 の 割 合 が か な り高 くな っ て い る 。 男 女 別 で は,男 で は 自営 業 主 が44.4%で 雇 用 者 の45.9%と 並 ん で 高 く,女 で は 家 族 従 業 員 の49.0%が 雇 用 の38.2%0を 上 ま わ り,他 の 農 業 地 区 と 同 様 に,自 営 業 主 の 男 で の,家 族 従 業 員 の 女 で の 割 合 が
109
/
蜥ω珊誹卜e冊舜醇蒔甜用∵酬淋翻二冊糠
!/蛾欝卜㊦首欝///
θ ,扉離匿
聖鵡θ申
斗鵡θ申
θ 庫麟槻θ職
滞鵡㊦申 お轡Nω㎝
(一〇90)
Hωω(δo﹄)
ミ.
(ド8・o)
q◎日(δ90)
鳴心
(ドOρO)
HO邸
(HOρo)
㎝①
(δρo)
bδN(HOO.O)
トoO(ドOρo) 賑藩ΦQ︒(自刈)
戯G︒
(も︒②H)
自
(窃G︒﹄)
①
(目り誌)
㎝O
(躯㊤﹄)
心O(刈H﹄)
刈
(︒︒一・︒︒) 醐照淋り
(︒︒・︒︒)
り
(①●o◎)
刈(Φと
一
(ω﹄)
H
(餅b︒)
lo
1
f 選隣淋脅
(N①・O)
ωQ︒
(卜⇔ドQ◎)
HQ◎
(一①る)
り
(b︒PO)
HH
(昏α・︒︒)
N◎︒(卜δメ窃)
ドO
(ド刈.㊤)
㊤
(幽O・㊤)
O(轟O) 塗訓・ウ瓢淋嵩
(刈・卜︒)
O
(9Q◎)
伽
(①畠①)
N
(①﹄)
N
(︒︒・︒︒)
GQ(SQ︒)
偽(S一)
N
(㊤●H) 臨蟄淋腿
(H・刈)
io
蔭
(︒︒.O)
H艀(90)(悼90) 引轡煕淋戸
(O.心)
一
(9︒︒)
一
(ドω)
o
1
1 懲愈・醐鍵O
(ω.︒︒)
勺
(9ω)
bσ(卜︒.①)
躯
(這.㊤)
一
(昏.bQ)
b◎
(卜⇒.O)
ド
(戯・α)
H
(90)
呉 磯 置瑠 臨 メ ・
H
(O●戯)
一
(9︒︒)
H
(H・ω)
lo
ー ヰf凡メ瀞
卜OQQ(PQ︒)
嵩(Fω)
α
(①書α)
刈
(・︒・︒・①)
ω(H胎・㎝)
Q◎(NG︒)
ド
(H腰Q︒)
bの(り﹄)
α(酌90) ︾麟這
・
(9H)
一〇
(N㎝)
卜Q
(卜︒・①)
卜σ
(①・α)
α
(謡・O)
卜﹂(po)
ド
(H・G︒)
H
(戯.α)
(酵)一.
bo.
Q︒. ト煕㌶渦轡一引離θ皆粍ロ景卵図ー誉嘗6θ頭ゆ詳
歯鼎トO歯欝弗惜労が㊦滝耳6極O恥理伸や卿ー蝉C贈τ
砕講既O澱π弗井θ峰灘瞬(卜☆ーメ)嘩︾︿噂
'
表4農 業 を主業 とするものの産業別副業(家 族上の地位別)
家族上の地位
業
総 数
男
世 竃帯 主 既 婚 の 子
女'
世帯主の妻 嫁
副業あ り(副 業率)
16(16.3}
(100.0}
14(29.2) (100.0)
12(29.3}
(100.0)
2 ..(33.3)(
100.0) 2{4.0) (100.0)
1(2.6) Cloo.o)
x(14.s) (100.0)
建 設 業 9 (56.3)
8 {57.1)
6 {50.0)
2
(100.o)
1
1
(100.0)
製 造 業 4 {25.0}
4
(2816) 4 (33.3)
0
・業売売
卸小
3 {1s.$)
2
(1.4.3}
2 (16.7)
1
(50.0}
1
Cloa.o)
副業な し
82
34
29
4
48
39
6
噌⊥9畠OU
)注(
上段 は実数,下 段 の カ ッコ内 は,量同一 地 位 で の百分 比 副 業率 とは,同 一地 位 で 副業 の あ る割 合(百 分 比) 世 帯主 の妻 に は女 の世 帯 主(2ケ ース)を ふ くむ
そ れ ぞ れ 高 い。
つ ぎに,就 業 者 の産 業 別 構 成 をみ てみ た い。 現 在,農 業 で は兼 業 化 が 進 ん で い るた め,単 純 に 職 業 を 問 うだ け で は,農 業 地 区 の就 業 者 の産 業 別 構 成 を知 る に は不 十 分 で あ ろ う。ーそ こで今 回 の調 査 で は,農 業 と他 の 産 業 との就 業 の 比 重 関 係 を 明 らか にす るた め,就 業 中 の職 業 に つ い て は主 業 と副 業 を 区別 回答 させ た 。(2)実 際 に調 査 結 果 をみ る と,主 業 と副 業 を と もに 回 答 した もの はす べ て 農 業 を どち らか に あ げ て お り,他 の産 業 同 士 の 回答 は な く,い つ れ に して も農 業 の 占 め る比 重 の大 き さが うか が え る。 な お,こ の主 業 ・副 業 の 区 分 は,個 人 を 対 象 と した もの で あ り,農 家 を対 象 と した専 業 ・兼 業 の 区 分 とは視 点 を異 に し
て い る。
さてz就 業 者 の 産 業 別 構 成 を主 業 に つ い て み た もの が表3で あ る.こ れ に よ る と,全 体 と して は,農 業 が41.7%で 最 も多 く,つ づ い て 製 造 業 の26.o/,サ ー ビス 業 の9 .8%,卸 売 ・小 売 業 の7.2%な ど とな って お り,農 業 が 中心 で あ
表5農 業を副業 とする ものの産業別主業(家 族上の地位別)
\ \ 家族上 産 業
の地位
総 計
男
家族上の主な地位
世 帯 主
既婚 の子 未婚の子
女
家族上の主な地位
世帯主 の 妻
嫁
未婚 の子
副 業あ り
建設業
(29.9)i(77.8)41!7
33 (38.8)
24
066.7)
7
×28.0)
7 (77.8)
6
×85.7)
1
(100.0}
製 造業i
18 (29.5}
2
(8.3) S (15.4)
7 {43.S)
1
(s.7}
0
12 (36.4)
to
(76.9)
1
(11.1)
i
(9.1) 6 (21.4)
5
(31.3)
1
(11.1)
卸 売 ・ 小売 業
6
(35.8j
4
(44.4}
3 Cso.o)
1
(50:0)
2
(25.0)
2
(12.5)
運 輸 ・ 通 信業
2
(22.2)
2
{28.5)
1
(50.0)
1
(25.o)
サ ー ビ ス 業
6 (26.1)
6 (40.0}
2
(40.0)
6
1
(33.3)
公 務
2
{s.7)
2
{ZO.o) 2
×100.o)
副 業 な し 、
96 {70.x)
52
(6Z.2)
12
(33.3) 18 (72.0)
52
091.7)
44
(84.6)
9
(56.3}
14
(93.3) 20 tloo.o}
La3
)注(
上 段 は実 数,下 段 は 同一地 位,同 一 産業 で の割合
家 族上 の地 位 は主 な もの だけ で あ り合計 とは一 致 しな い 世 帯 主 の妻 に は女 の世 帯主(2ケ ー ス)を ふ くむ
る。 男 女 差 は あ ま り顕 著 で は な いが,男 で は建 設 業,通 信 ・運 輸 業,サ ー ビス 業,公 務 の割 合 が比 較 的 高 く,女 で は 金融 業 が や や 高 い。 主 業 の産 業 別 構 成 は,世 代 や 家 族 で の 役 割 を 異 にす る家 族 上 の地 位 に よって 異 な って い る。 男 で は,世 帯 主 で の建 設 業,既 婚 の子 で の サ ー ビス業,未 婚 の 子 で の製 造 業 と公 務 の 割 合 が そ れ ぞ れ 高 い。 また女 で は,.世 帯 主 の 妻 で の農 業,嫁(既 婚 の子 の 妻)で の 製 造 業,未 婚 の 子 で の製 造 業,金 融 業,サ ー ビス業 の 割 合 が そ れぞ れ 高 い 。
こ う した違 い は,家 族 上 の地 位 に よ る農 業 従 事 者 の割 合 の違 い と大 きな 関 係 が あ る。 そ こ で農 業 を主 業 とす る もの の割 合 を 家 族 上 の地 位 別 に み る と,世 帯
主 の53.20や そ の 妻 の71.4%で 高 く,既 婚 の 子 の19.4%や そ の 妻 で あ る嫁 の 31.S%0と か な り低 くな り,未 婚 の 子 で は ま っ た くみ られ ず,世 代 が 上 に な る ほ
ど割 合 が 高 い 。
ま たi農 業 を 主 業 とす る も の で 他 の 産 業 を 副 業 とす る も の は(表4),全 体 で は16.3%で あ る が,女 で4.0%で あ る の に 比 べ 男 で は29.2%と 高 い 割 合 で あ る 。 家 族 上 の 地 位 別)'Yみ る と,割 合 か らい え ば,既 婚 の 子 の33.3%が 最 も 高 く,世 帯 主 の29.3%が これ に つ づ く。 し か し,実 数 で み る と,既 婚 の 子 で は2 人 と少 な く,世 帯 主 で は12人 で あ り世 帯 主 で の 副 業 が 多 くな っ て い る.こ の よ
うな 家 族 上 の 地 位 に よ る 副 業 の 割 合 の 違 い は,農 業 を 副 業 と し他 の 産 業 を 主 業 とす る も の で は,さ ら に は,は っ き り と み る こ とが で き る(表5)。 副 業 と し て 農 業 を あ げ た も の は,全 体 で29.9%,男 女 別 で は,男 で38.S%女 で15.4%で あ り,男 で の 比 率 が 高 くな っ て い る。 家 族 上 の 地 位 別 に み る と,世 帯 主 の43.8
%が 最 も 高.く,っ つ い て 世 帯 主 の 妻 の43.8%,既 婚 の 子(男)で28.0%と な っ て お り,高 い 年 齢 の 多 い 世 代 ほ ど割 合 が 高 くな っ て い る 。 ま た,副 業 と し て 農 業 を あ げ る も の が 未 婚 の 子(男)で も&3%み られ,農 業 従 事 者 の 世 代 交 代 の 芽 ば え と し て 注 目 さ れ る。
農 業 と主 業 あ る い は 副 業 と な る 産 業 と の 組 み 合 わ せ は,か な りか ぎ られ て い る 。 農 業 を 主 業 とす る も の の 副 業 とそ の 割 合 は(表4),建 設 業 の56.3%,製 造 業 の25.o/,卸 売 ・小 売 業 の18.8%と な って お り,特 に 建 設 業 と の 組 み 合 せ の 多 さが 注 目 さ れ る 。 ま た 副 業 と して 農 業 を あ げ る 割 合 が 高 い 産 業 は,建 設 業 で は77.8%と ひ じ ょ うに 高 く,つ づ い て 卸 売 ・小 売 業 の29.5%,サ ー ビ ス 業 の 26.1%と な っ て お り,こ こ で も建 設 業 と農 業 と の 組 み 合 せ が 高 い 割 合 で あ らわ れ て い る。
次 に 就 業 地 を み る と(表6),地 区 内 の58.7%が 多 く,つ い で 隣 接 市 町 の27.2 aと な っ て お り,村 内 他 地 区 や 隣 接 市 町 を 越 え た 県 内 や 県 外 は 非 常 に 少 な い 。 さ らに 家 族 上 の 地 位 別 に み る と,世 帯 主 や 妻 で 地 区 内 の 就 業 が 多 い の に 比 べ, 既 婚 の 子 や 未 婚 の 子 で は 地 区 内 の 就 業 は 少 な く,隣 接 市 町 で の 就 業 が 多 く な っ
て お り,家 族 上 の 地 位 に よ り就 業 地 の 拡 が りに か な りの 違 い が あ る 。 これ は, 先 に み た よ うに 家 族 上 の地 位 に よ っ て 就 業 す る 産 業 の 違 い が あ る た め と思 わ れ
る 。 ま た,就 業 地 は あ ま り拡 が っ て い な い た め 通 勤 時 間 も短 か く,自 宅 外 就 業 者 の15分 以 内 が51.4%,15分 〜30分 が32.4%で あ り,30分 以 上 は16.2%に す ぎ
な い 。 交 通 手 段 も 自 宅 外 就 業 者 の うち マ イ カ ー が65.3%0,徒 歩 が16.3%で,公 共 交 通 機 関 で あ る バ ス(5.7%)や 電 車(0.7%)の 利 用 者 は 少 な い 。
表6主 業の就業地(家 族上の地位別)
家族 上の地位
総 計
男
家族上の主な地位
世 帯 主 既 婚 の 子 未 婚 の 子
女
家族上の主な地位
世帯主の妻 嫁
未 婚 の 子
地 区 内 X38 (58.7)
72 (54.1)
57 (74.0)
9
(29.0) 5 (20.1)
66
(64.7)
48
{85.7)
12
(54.5}
2
(10。0)
村 内
5
(2.X) 2 (1.5)
2
(6.5)
3
(2.9).
2 {9.1}
1 (5.0)
隣接市町 64 {27.2)
38
Czg.s)
14
{18.2)
ユ2
(38.7}
12
×50.o)
26 (25.5)
S (14.3)
6 (27.3)
x2 (so.o)
県 内
23
(9.9) 17 (12.8)
6 C7.s)
7
(22.6)
4
{16.7) 6 (5.9)
2
(9.1)
4
(20.o)
県 外
5 (2.1}
4
(3.0)
1
(3.2) 3 (12.5)
1
(xo)
1 (5.0)
計 235 {xoo.o)
133 Cloo.o)
77 (100.o}
3X X100.o)
24 (100.0)
102 Cloo.o)
56 (100.0)
22
(goo.o) 20 (100.0)
129﹂4
注(
上 段 は実 数,下 段 はn地 位 で の百 分比
家族 上 の地 位 は主 な ものだ け で あ り合計 とは一 致 しない 世 帯 主 の妻 には女 の世 帯主(4ケ ー ス)を ふ くむ
R市 町 とは9熊 谷市,東 松 山市,吹 上 町,吉 見 町 を指 して い る
以上 の よ うな就 業 の特 徴 を ま とめ る と次 の よ うに な る。 まず,こ の地 区 の就 業 は農 業 を 中心 と して い る こ とで あ る。農 業 が主 とな って い る高 い 年 齢 の世 代 で の就 業 者 が 多 く,全 体 と して の就 業 者 の割 合 が高 く,就 業 形 態 と して 自営 や 家 族 従 業 員 が 多 い の も このた め と思 わ れ る。 また,農 業 と他 の産 業 と の兼 業 も
か な りみ られ るが,全 体 と して は農 業 を 副 業 とす るほ うが 多 い。 こ の兼 業 の割 合 は家 族 上 の地 位 別 でか な りの違 い がみ られ,特 に 世 帯 主 と妻 で 高 い 。 農 業 と 兼 業 と な る産 業 は,全 体 と して は就 業 者 の割合 の低 い 建 設 業 で高 い の が特 徴 で あ り,卸 売 ・小 売 業 や 製 造 業 な どが多 い。就 業 地 は地 区 内や 隣 接 市 町 が ほ とん ど で あ り,そ の範 囲 は か な り狭 い。
2)農 家 と して の特 徴
っ つ い て,農 業 につ い て,実 際 の営 農 単 位 で あ る農 家 を対 象 と して み てみ よ う。
全 国 的 に み て,農 家 は減 少 傾 向 に あ り,昭 和35年 に61万 戸 あ った 農 家 が昭 和 55年 に は47万 戸 に な って い る。 しか も農 家 の兼 業 化 傾 向 もす す み,昭 和35年 に は専 業X21万 戸,兼 業 農 家40万 戸 で あ った の に比 べ,昭 和55年 に は専 業 農 家 6万 戸,兼 業 農 家40万 戸 とな り,こ の兼 業 農 家 の4分 の3が 農 業 を従 とす る第 2種 兼 業 農 家 とな って い る。 この兼 業 化 傾 向 に併 い,農 家 人 口に対 し実 際 に農 業 に従 事 す る人 口 の割 合 は,昭 和45年 の42.3%か ら昭和55年 に は32.6%0へ と減 少 して い る。{3)し か も,実 際 に農 業 を行 な うの は世 帯主 や 老 親 で あ り,世 帯 主 は 他 産 業 で就 業 す る とい う 「三 チ ャ ソ農 業 」 や,農 業 を 行 な うのは妻 ば か りと い う 「一 チ ャ ン農 業 」 へ の変化 もみ られ,農 家 に お け る農 業 の地 位 の低 下 が み
られ る。
都 市 化 の影 響 の著 しい埼 玉 県 で は,こ うした農 家 の兼 業 化 傾 向 は特 に 大 き く 現 れ て い る。 専 業 農 家 は全 農 家12万 戸 の うち1割 にす ぎず,第1種 兼 業 農 家 は 農 家 の2割 で,農 家 の7割 が第2種 兼 業 農 家 で あ る。 また 実 際 に農 業 に従 事 す
る人 口は農 家人 口の30.8%で あ り,特 に 男 で は24.7%に す ぎな い。(4)さ らに 埼・
玉 県 の農 家 を考}る う}で 重 要 な の は,都 市 化 の進 行 に よ る農 家 を と りま く地 域 状 況 の変 化 で あ る。 農 業 地 帯 で あ った 地 域 に,都 市 部 へ の通 勤 者 の住 宅 が外 部 か ら 「蚕食 」 しは じめ,つ い に は農 家 や農 地 のほ うが新 来 の都 市 通勤 者 住 宅 地 の なか に点 在 す る よ うに な っ て し ま うとい う変 化 で あ る。 こ のた め,農 家 が 農 業 を続 け て い くこ と は難 し くな り,農 地 を切 り売 りした り,農 地 で あ った 土 地 に 借 家 を 建 て地 主 とな っ て生 活 す る な ど,農 家 が農業 で は な く土 地 投 機 に依 存 す る こ と も顕 著 とな って い る。
こ うした 農 家 お よび農 家 を と りま く状 況 の変 化 の なか で調 査 地 区 で は む しろ 農 地 と と もに農 業 が きわ め て 良 好 に保 れ て い る。
この地 区 で農 業 を行 な って い る家族 は91.S%も あ り,農 業 を ま った く行 な っ て い な い 家族 は8.2%に す ぎ な い。 こ の うち,農 地 は所 有 して い る が,農 業 は 行 な って い ない もの は3.5%0あ り,逆 に農 地 は所 有 し ない が 農 地 を 借 りて農 業 を行 な って い た もの が1例 み られ た 。 所 有 農 地 と経 営 農 地 の広 さを み た もの が 表7で あ る。 これ に よる と94.1%の 家族 が農 地 を所 有 し,そ の うち,0.5ha以 上 所 有 して い る農 家 が78.S%,1.Oha以 上所 有 し て い る 農 家 が52.5%で あ
り,か な り広 い農 地 を 所 有 して い る。 また 経 営 面 積 は,0.5ha以 上 の 農 家 が
表7所 有農地 と経 営農地 の面積 農 地 面 積
(ha) 所 有 農 家
(戸) 経 営 農 家
(戸)
な し
5 (5.9)
7 (s.2)
0.3 未 満
5
(5.9)
0.3^一 一 4.5
X2 {14.1)
(5.9),(14.1)5112
0.5〜
o.7
9
(14.1)
S
(9.4}
o.7‑一 一 1.0
1.0〜
1.5
Y2127 (14.1}十(31.8)
20120 (23.5)(23.5)
1.5〜
3.0
Y2
(14.1}
8 (9.4)
測 その他
3
(3.5)
0
4
(4.7}1(1.2)
計 85 (xoo.o)
85
(goo.o)
(注)1.上 段 は実数,下 段 の カ ッ コ内 は百 分比
2.そ の他 はす べ て借 りてい る ≒い う回答 で あ った
77.9%,1.Oha以 上 の農 家 が41.6%み られ る。これ は,埼 玉 県 で0.5ha以 上 経 営 の農 家 が65.9%,1.Oha以 上 経 営 の農 家 が30.5%で あ り,北=海 道 を 除 く全
国 で0.5ha以 上 経 営 の農 家 が58.9%,1.Oha以 上 経 営 の 農 家 が29.8%で あ る の に比 べ,(5)か な り広 くな っ て い る。 なお,所 有 農 地 と経 営 農 地 の面 積 の大 き さ の 問 に違 い が あ った ものが27.1%で あ った が,所 有 面 積 よ り経 営 面 積 が狭 い もの が20.0%,所 有 面 積 よ りも経 営 面 積 が 広 い もの が7.1%で あ り,多 少 の 貸 地 や 休 耕 地 が あ る こ とが うかが え る。
農 業 の実 質 的 な経 営 者 は,世 帯 主 お よび そ の妻 とで あ る。 農 家 の94.9%で は 世 帯 主 夫 婦 が 主 と して農 業 を行 な っ て い る と回 答 して お りi他 の家族 員 が主 と な って い る の はわ ず か5.1%に す ぎ ない 。 さ らに詳 し くみ てい くと,世 帯主 が 農 業 を 全 部 ひ と りで や る のが33.3%,世 帯 主 が 大部 分 が28.2%,世 帯 主 が半 分 程 度 とい うの が21.8%な ど と な っ てお り,83.3%の 農 家 で は世 帯 主 が 中心 とな っ て農 業 を 行 な っ て い る。 世 帯 主 が ま った く農 業 を 行 な って い ない の はわ ず か 7.7%に す ぎ ない 。 これ に比 べ て子 ど もの世 代 で は農 業]'YYI̲従事 す る割 合 は低 い 。 既 婚 の子 な い し子 夫 婦 で農 業 を行 な っ て い る のは農 家 の21.8%に す ぎず,未 婚
の子 で は2.6%が 一 部 手 つ だ い を して い るに す ぎ な い。
しか しな が ら,未 婚 の子 や 既 婚 の子 夫 婦 の世 代 の農 業 へ の参 加 の少 な さや 農 業 以 外 の産 業 へ の就 業 の 多 さが,そ の ま ま次 の世 代 にお け る調 査 地 区 で の農 業 の衰 退 を 意 味 す る も ので は ない 。 現 在 主 と して農 業 を行 な っ て い る世 帯 主 に し て も,他 の産 業 に主 業 や 副 業 と して就 業 して い る も のが 多 く,ま た の ちに み る
よ うに か な り高 齢 で あ る。 こ うした 世 帯 主 が農 業 を 主 と して行 な}る の は,稲 の栽 培 方 法 の変 化 や 農 作 業 の機 械 化 な どで 以 前 に比 べ 農 業 の省 力 化 や 合 理 化 が 可 能 と な った か らで あ る。 このた め,次 の世 代 に な っ て も農 業 を行 な うこ とは そ れ ほ ど大 き な負 担 とは な らな い と思 わ れ る。 また,こ の地 区 は水 田)'Y向い で
お り,農 地 の所 有 面 積 もか な り広 く農 業 をつ づ け る基 盤 が と と の って い る。 さ らに,若 い世 代 の就 業地 もあ ま り遠 くで は な く,充 分 に兼 業 と して農 業 を 行 な い 得 る と思わ れ る。 そ の う},の ち に み る よ うに,こ の地 区 で は 「家 の あ とを 継 ぐ」 とい う意 識 が 広 くみ られ,こ れ に は農 業 を つ づ け る こ と も含 まれ て い る
の で あ る。
この よ うに,調 査 地 区 で は,周 囲 に比 べ め ぐまれ た 条 件 のな か で農 業 が 行 な 撫 そ の巾 ら馳 帯圭 お よびそ の妻 であ る.現 在 賭 し世 代 で農 業 を行 な う
もの が少 な い が,こ れ は そ の ま ま この地 域 で の農 業 の衰 退 を意 味 す る もの で は な く,今 の よ うな就 業 上,地 勢 上,あ るい は 行 政 上 の諸 条件 が 維 持 され れ ば, 自然 的 ・慣 習 的 に世 代 交 代 が行 なわ れ,農 業 が維 持 され る可 能 性 も高 い。
4三 世代 家族 を中 心 と した 同居形 態
1)家 族 構 成 上 の 特 徴
こ の地 区 の家 族 構 成 上 の特 徴 と して まず あ げ られ る の は,三 世 代 同居 の家 族 が か な りみ られ る とい うこ とで あ る。 全 国 の家 族 の同 居 世 代 別 割 合 を 国 勢 調 査 結 果 か ら試 算 してみ る と,一 世 代 家族 が32.4%,二 世 代 家 族 が49.5%,三 世 代 家 族 が14.5%と な る。 これ に 比 べ て調 査 地 区 で は,三 世 代 家族 が50.6%0で 最 も 多 く,四 世 代 家 族 も4.7%に み られ るが,二 世 代 家 族 は38.8%,̲̲̲.世 代 家族 は 5.9%で あ り,'三 世 代 家 族 の割 合 が か な り高 い 。 家 際 α家族 員 の組 み 合 せ を み る と,世 帯 主 夫 婦 と未 婚 の子 とい う二 世 代 家族 が29.4%で 最 も多 く,つ づ い て 世 帯 主 夫 婦 と子 夫 婦 と孫 とい う三 世 代 家族 が24.7%,世 帯 主 夫 婦 と未 婚 の子 と 母 とい う三 世 代 家 族 が15.3%a,世 帯 主 夫 婦 のみ の一 世 代 家 族 が4.7‑,世 帯 主 夫 婦 と子 夫 婦 と孫 そ して 未 婚 の子 とい う三 世 代 家 族 が3.5%で あ る。 この うち, 世 帯 主夫 婦 と未 婚 の子 とい う二 世 代 家 族 の未 婚 の子 に は30歳 代 の男 子 が か な り あ り,二 世 代 家 族 も潜 在 的 三 世 代 家族 とみ る こ とが で き よ う。 な お,世 帯 主 夫 婦 のみ の家 族 は,結 婚 し他 出 して い る子 ど もを持 つ 比 較 的 高 齢 の夫 婦 ば か り
で,ま だ 子 ど もを持 た な い若 夫 婦 とい うもの は な か った 。
また,こ の地 区 に三 世 代 家族 が 多 い た め,家 族 構 成 員 数 も多 くな って い る。
全 大 里 村 の一 世 帯 あ た りの平 均 人 員 は4.50人 で,全 国 平 均 の3.22人 に 比 べ1.28 人 も多 い が(国 勢 調 査),調 査 地 区 の平 均 家 族 員 数 は さ らに 多 い4.85人 で あ る 。
こ の地 区 で は5人 家 族 が最 も多 く30.6%を 占め,つ い で4人 家族 の16.8%,6 人 家族 と7人 家 族 の と もに14.7%で あ り,全 国 で4人 家族 が26.6%,3人 家族
が19.o/0,2人 家 族 が17.6%の 順 に な っ て い る の に 比 べ て,多 人 数 の 家 族 が 多 い こ と を 示 し て い る。
次 に,家 族 員 を 家 族 上 の地 位 そ し て 年 齢 に 分 け た も の が 表8で あ る 。 これ か ら2つ の特 徴 を み つ け る こ とが で き る 。1つ に は,世 帯 主 の 年 齢 の 高 さ で あ る 。 世 帯 主 の年 齢 は50歳 代 の32、5%を 最 高 に,60歳 代 の25。0%40歳 代 のZI.3
%70歳 以 上 の12.5%,と つ づ い て い るb世 帯 主 の年 齢 が 高 い た め,家 族 上 の 地 位 で 父 に あ た る も の は わ ず か2人 で,母 の20人 に 比 べ て か な り少 な くな っ て い る 。 こ の よ うに 年 齢 の 高 い 世 帯 主 が 多 い 理 由 に つ い て は,の ち に 世 代 の 継 続 を み る と き に 考}て み た い 。 特 徴 の2つ に は,未 婚 の 子 で30歳 代 の 男 が 多 い こ と で あ る。30歳 代 全 体 と し て み れ ば,男 が 女'/7yl̲比べ て か な り多 い が,未 婚 の 子 で み る と 男11人 に 対 し て 女1人 と な っ て お り男 女 差 が 特 に 大 き い 。 これ は,農 村 に お け る 「嫁 き き ん 」 と 呼 ば れ る 現 象 と 関 係 が あ る と 思 わ れ る 。 農 村 に 住 み 農 業 の 後 継 者 と な る 男 性 の配 偶 者 の な り手 が な い こ と は よ くい わ れ る 。 し か し,こ の 問 題 は 過 疎 地 の よ うな と こ ろ ば か りで な く,大 里 村 の よ うに 大 都 市 圏 に あ る農 業 地 域 で も 「近 く の 町 と合 併 で も し て 町 や 市 に な れ ば,少 し は 嫁 の 来
表8家 族上の地位別年齢層
嘘
年齢層響1男
のの居婚同既子帯世主
父 同居 の
未婚 の
子 孫 女 母 妻 嫁 騨 孫 そ の他
0(歳)〜9(歳)26 一̲一]19‑一 一]p?3
ユ・ 一 ・9[3・ ■‑1■ ・6・413・H‑■ ・9・ ・1一
20x‑3025‑1618 29‑11121161一
3・^‑39351‑6}・8}・ ・ ト28■9・81・1一
40^‑49 25■ ・7181‑■2・ ■ ・81 ‑2i・1,
50^‑59 26ト26… 一 25■251一 ト ー
60〜69 20/…20 一124132・i‑■ 一
70〜 ・2121・ ・1■ ■‑i25・715「 一 一 ト ト
計 19928032 33213207932471323
(注)妻 に は女 の世 帯 主(5ケ ー ス)も ふ くむ
手 が増 え るか も… …」 とい う意 見 が で るほ どで,嫁 き ぎん が重 要 な問 題 とな っ て い る。
2)同 居 生 活 の特 徴
老 親 と子 夫 婦 と の同 居 形 態 に つ い て,現 在 で は単 純 に 同居 と別 居 とい うよ う に 二 分 して考}る こ とは で きな くな っ てい る。 た とえ ば,別 居 で は あ っ て も毎
日の よ うにた が い に接 触 で きる よ うな近 くで居 住 す る 「近 居 型 別 居 」 の指 摘 や,(6)同 居 で は あ って も単 に敷 地 が 同 じとい うだ け で ま った く生 活 を異 に し て い た場 合 もあ る。 こ の よ うに,同 居 に つ い て,形 態 の多様 化 や 生 活 の共 同 性 の 多様 化 な どの変 化 が生 じてい る。 こ の意 味 か ら,調 査 地 区 の よ うに純 農 村 的 形 態 を残 し,地 域 社 会 の伝 統 がか な りよ く保 持 され て い る と思 わ れ る地 域 で,同 居 生 活 を み て い くこ とは 意 義 深 い で あ ろ う。
こ こで は,特 に 同居 の形 態,同 居 の理 由,将 来 の 同居 志 向 な ど と りあげ,三 世 代 家 族 の同居 生 活 を み て い きた い 。
調 査 地 区 の家族 の うち,現 在,親 と同居 して い る の は25.9%で あ るが,現 在 は親 と同居 してい な い が,過 去 に は親 と同居 して い た 家 族 が68.2%で あ り,親
との 同居 を経 験 して い る も の は全体 の94.1%に 達 し,親 と の同居 経 験 の な い も の はわ ず か5.9%に す ぎな い 。 また,同 様 に,現 在 子 夫 婦 と同居 して い る 家 族 は38.8%で あ るが,現 在 は子 夫 婦 と同居 して い な い家 族 で も 「将 来 子 ど もが成 長 し,結 婚 した ら同居 した い 」 とす る もの が81.3%0も あ り,他 の 回答 は す べ て が 「子 ど も の意 志 に まか せ る」 とす る もの で,「 子 ど も夫 婦 と同居 した くない 」
とい う回 答 は ま った くみ られ なか った 。 こ うした 同居 につ い て の回 答 か ら,三 世 代 同居 とい う家 族 形 態 は この地 区 で は塚 族 の一 般 的 形 態 と して,過 去 か らつ
づ い て きた も ので あ り,将 来 もっ づ け た い と して い る。
こ のた め,同 居 とい う生 活 形 態 は特 別 な理 由 に よ る もの で は な くな り,結 婚 当初 か ら当然 の こ と と して 同 居 して い る場 合 が 多 い。 親 と現 在 同居 して い る家 族 で,同 居 を とい い だ した の が,「親 のほ うか ら」 が15.0%,「 世 帯 主 夫 婦 か ら」
'
が5.o/と は っ き りしてい るの は少 な く,大 部 分 の80.0%は 「どち らと も な く」
とは っ き りして い な い。 この た め,同 居 の理 由が 明 らか な も のは も,「 親 の 面 倒 をみ るた め」 が25.0%,「 自分 た ちが親 か らの援 助 を必 要 と した 」 が5.0%と 少 な く,「 家 のあ とを つ ぐた め」 が80.0%0と 漠 然 と した 回 答 が 多 い 。また,同 居
の時 期 も 「結 婚 当 初 か ら」 が ほ とん どで,「 結 婚 後 しば ら く してか ら同居 した」
の はわ ず か1ケ ー ス で あ る。 親 と の同居 は親 の死 まで 続 くの が一 般 的 で,過 去 に 親 と同居 の経 験 が あ る家 族 の94.2%が 「親 の死 亡 に よ り同居 をや め た 」 と答