高等学校卒業者に対する追指導の研究
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(2) 目 次 はじめに 一一……………・一…一。……・……一一・・一 1. 問題および目的 …………一一……・…一……… 3. 研究1 卒業生における進路別自尊感情の変化の分析 目的・方法 …。……一一……一一……… 9 結果・考察 一一…一一一………一・・一一一…… 11. 研究皿 卒業生における内的不適応者の実態と分析 目的・方法 一………一…一…一…一…… 22 結果。考察 …………一…。…一一一一一一一・一一 25. 総合考察 ………………一…一……………… 64. 要約…一……………P・一一一………一…一一…68. 引用文献 一一…。…………一一一…一一…………… 71. おわりに …一一一一……一一一……。一。。…。一■一・一一…。・一一 75. APPENDIX.
(3) はじめに. 近年、高校進学率が著しく上昇し、 r高校義務教育化」論が表わ. れる程高校教育は量的に拡大しつつある。このような情勢の中で見 落してはならないのは学校の内部における教育内容の問題と共に、. 生徒層の質的変化である。ユニバーサル化しつつある高校には、必 然的に以前より多様な階層・能力・価値志向を伴っ捷生徒層の形成 が進行しているのが現状であり、これらの現状を教師は的確に掌握 しte上で、一一一・一・人ひとりの生徒に対して教育活動を推進しなければな. らない時期に直面している。. ところで、進路指導の重要な目的は、 「個々の生徒が自分の将来. やその在り方への関心を深め、自分の能力・適性・興味・価値観・ 性格等の発見と伸長に務め、職業の世界についての理解を進め、進 路の計画・選択をし、卒業後の生活によりょく適応し、社会的・職 業的自己実現を達成していくことに必要な、自己指導の能力や態度 を伸長するように、教師が計画的・継続的に指導・援助する」教育 活動である。 (文部省1982). しかし現実は、進路指ur =受験指導,進路指導=就職斡旋の感が. 強く成績の優劣によって生徒の将来が決定される傾向にある。その 結果として、いくら将来に対する目標を抱いても所詮成績によって. 一1一.
(4) 振り分けられるのだといった、いわゆるrあきらめ」現象が生じ、 他律的に進路をとらえ、十分な模索・探索を行わないままに進路決 定することによって卒業後の適応生活に様々な問題が生ずることが 予想される.これら一連の現象は、人格形成という学校教育の本来 の目的から大きく遊離することを意味するものであろうが、成績に よって進路を決定しなければならない事態に直面している現状も理 解できる。この相反する矛眉を教育現場の教師がどのように克服す るかが重要な課題でもあり、子どもをもつ親の課題でもある。端的 に言えば、主役である生徒に焦点化され距進路指導を実践しなけれ ばらないと言える。. 以上述ぺ彪ことは、教育現場の進路指導を中傷するものではなく、. 現在の高等学校進路指導が直面している問題を客観的・正確に把握 しなければならないことを指摘したものである。高校生活三年間の 教師の献身的な努力にもかかわらず、高校生活に生きがいを感じる ことなく巣立って行く卒業生が現に存在する事実を把握する必要が ある。まだ、高校時代適応してい海生徒でも、卒業後の環境の変化 によって苦悩することが予想される。し炬がって、本研究では、卒 業生のその後の適応過程を中心に追指導の立場をふまえ、卒業生の 内面に即し炬適切な適応指導を行うとともに、高校時代の進路指導 に関わる問題点を調査することを全体的な目的とした。 以上の問題意識から本研究を企画し距。. 一2一.
(5) 問 題. 人は人生周期の途上において、様々な危機的事態に直面するとと もに、人生を左右される重要な意思決定の場面にも直面する。それ. らの中でも進学、就職、結婚の3つは代表的な意思決定の場面であ る。特に青年期中期から青年期後期への移行過程においての進路選 択は、青年自身に課せられ炬重要な問題の一つであろう。. 久世(1987)は、青年期は自己をみつめ、自己を反省し、新しい 自己を形成しようと努力する時期である。こうしだ自己内界の探求 は、自己への関心から出発し、しだいにr価値感S、 r人生観』、 r生き方』へと進展していくのである。この大切な時期にある青年 taちは、将来の人生設計や責任ある社会人・職業人としての素地を 形成する営めに、主体的に模索し、多大の時間を費やさなければな らないと述べている.ま炬下山(1983)は、高校生の進路決定の多 くは、希望という未熟な決定であり真の意味での進路決定ではない。. 不十分な進路決定が多い原因として、受験という外的課題遂行のた めの、内的作業である模索よりも、まず先に決定が求められるとい うことが考えられると述べ、生徒個々の模索(探索)が進路決定に 重要であるとともに、内的作業を十分に行なわないならば、その後 の生活において不適応が生ずることを示唆し拒ものであろう。この ことを端的に示し彪研究を、中西(1974)や柳井(1975)が行なつ. 一3一.
(6) ている。それによれば、大学選択基準と大学生活の満足度について、. 自分の適性や好みに合っている、将来のことを考えて等の項目を重 視し彪生徒は、入学後の大学生活の満足感が高いことを見いだして いる。このように巣に大学に進学するだけでなく進学後も満足のゆ く、快適な学生生活を送る彪めにも、生徒自身の適性、主体性の伴 っ拒進路決定がなされなければならないと述べている。それらの進 路決定に大きく影響関与すると思われる準拠集団として、父親・母. 親、友人、教師がある。淵上(1984a)は、高校生を対象に進学志 望動機がどのような人々(人的影響源)から影響をうけながら形成 されるかについて分析をおこない、教師から影響をうけていると認 知している生徒は進学志望動機として大学の本来的機能をもつ生徒 が多く、母親から影響をうけていると認知している生徒は大学の本 来的機能をもつ生徒が少なく、家族への配慮と規範機能をもつ生徒 が多いことを見いだしている。このことは生徒が目的意識をもって 進学しようとする意思を決定する際に、教師・父親の影響が深く関 連していることを示唆し拒ものである。ま叛、淵上(1984 b)は、. 教師から影響をうけ彪と認知している生徒は、自分の適性や将来の 職業について考慮する生徒が多く、母親に影響をうけ彪と認知して いる生徒は、家庭の経済事情や志望大学の地理的要因を重視する生 徒が多かっ彪こと:を見いだしている。さらに、淵上・狩野(1983). は中学生の高校進学志望動機の分析をおこない教師から影響をうけ. 一4一.
(7) 凝と認知している生徒は知識欲求と自己実現をもつ生徒が多く、母 親から影響をうけ距と認知している生徒は大勢順応の生徒が多く、 両親のことを進学動機形成にあ距って配慮する者も多かっ距.一一方、. 友人から影響をうけ彪と認知している生徒は高校生活のエンジョイ 動機をもつ者が多かっ彪と報告している。これb’ 一一連の研究につい. て淵上(1985)は、教師がもつ受験・大学・社会に関する専門知識 ・技術等の専門勢力は生徒の明確な圏的をもつ進学志望動機形成に 大きな影響を与えると指摘している.生徒の進路決定に大きく影響 関与するもう一つの要因は、学業成績であろう。このことは、江原 (1984)が、高校生を対象におこなつ距学業成績と進路志望動機の. 研究が端的に示している。それによると、高校3年時の学業成績が 高得点の生徒は進学する傾向が強く、反対に低得点であれば就職す る傾向を示すと述べている。ま彪深谷(1983)によれば、学業成績. とrしあわせ」感との問にゆるやかな相関関係が見られ、学業成績 の高い生徒ほど自分を「しあわせ」と思う割合は高くなっていると 述べている。これらの結果から学業成績の高低によって生徒は進路 先の決定をおこなうことが推察される.ま彪、成績重視の傾向は、. 指導・援助の側に大きく影響を与える問題でもある.天野・耳癖・ 田中・刈谷ら(1983)は、普通科(473校)・商業科(369校)・工. 業科(328校)の3学科の高等学校を対象に、進路振り分け過程にお ける就職指導の中心となる学校推薦に焦点をあて、それが、成績原. 一5一.
(8) 理に基づいて行なわれている現状を明らかにし、その規定要因の分 析をおこなっている。それによると、生徒の就職希望が求人数より. も多かった場合、成績を基準にしぼる学校が約8割もあり、さらに 求人数内であっても成績に問題があれば推薦しない学校が半分ある など、学校推薦の方法と基準の中で成績が重視されていることを報 告している。このことは、生徒の興味や適性が十分野考慮されない で、学業成績という一元化され拒価値感によって進路決定がおこな われることに対して警鐘を促し距ものと思われる。しかし、生徒自 身に起因すると思われる問題も多々あるものと推察される.川上( 1980)は、東京都内の高校生1367名を対象に進路意識の実態を調査. し分析を行なっている。それによれば、進路意識の不確定な者が4 割にも達し、さらにその背景となる環墳的要因や、心理的要因を分 析し炬結果、進路意識の不確定性は、生徒の所属する学校やクラス の諸属性とは関連がなく、生徒の心理的変数、特に自己意識の拡散 (本当の自分がわからない、一番やり卜いことは何かがわからない). と強く関連していた。このように進路意識の背景には、自己意識の 形成の問題が存在することに注意しなければならないと報告してい る.このことは、希墾職業との関連を明確化する彪めの自己理解の 不足、あるいは、自己の進路に対して近視眼的な視野しかもち得な いことに起因するとし彪、竹内(1977)の結果と合致するものであ り、教師の生徒理解と生徒の自己理解は不可欠の条件である。しか. 一6一.
(9) し、教師の生徒理解は、生徒の外面的側面をとらえる傾向があり、. 真の意味での生徒理解に結びつかないことが起こりうることもある と思われる。久世(1986)は、中学生と高校生の学校生活への適応 について分析を行なっている.それによれば、学校生活に適応して いるタイプの生徒は、彼らの内面生活では自尊感情が高く、自己充 実感に富んでおり、有能感が強いと想定できよう。これに対して学 校生活にうまく適応できないタイプの生徒は自尊感情も低く、充実 感に乏しく、有能感の意識も低いことが想定されるとしている。こ のように生徒の自尊感情が学校生活の適応に大きく影響することは、. 卒業後の適応生活にも影響することが十分予想される。その要因と して、高校時代の生徒は、自己の内面を他者に打ち明けない傾向が 強い時期であり内面的側面への援助が非常に困難な時期でもあると 思われる。ま彪、中尾(1976)は、個人の自己評価が職業選択行動 に強い影響を与えることに着目し、大学生を対象に、自己評価質問 紙と被験者逮の職業セットを知る短めの職業選択調査表を用いて分 析を行なっている。それによると、職業分野の選択に関しては、自 己評価の高い人は低い人よりも一:卜して同O分野の職業を選択する. が、自己評価の低い人は一貫性に乏しく職業選択を困惑して決定す る傾向があると鞭概している。ま拒藤原・遠藤ら(1974)は、自尊 感情の低い人は、自尊感情の高い人よりも不安度が強いことを見い だしている。. 一7一.
(10) 以上の研究桔果から、現在の高校教育の進路指導は学業成縫を重 視して、進路決定を行う傾向が強く、生徒側においても同様のこと が君える.これらの結果として、卒業後の適応生活において様々な 問題が生じるものと思われ、引き続き卒業生に対して、適応への援 助の過程を通して追指導を行なわなければならないと考える。. 追指導の研究は希少ではあるが、三竹(1983)と両方(1983)が ある。これらの研究は実態調査に主眼が置かれ、援助を通しての側 面が欠けている。. よって本研究は、追指導として高等学校卒業生の新環境への適応 を援助することに主眼を置き、内的適応の変化を自尊感情で把握す ることによって、より効果的な追指導が行なえるもののと考え企画 した。なお、本研究においては、次に示すような仮説をもって検討 することとし彪◎. 仮説1 就職群が浪人群・進学群に比べて、卒業後1∼3ケ月後 自尊感情得点が低下するであろう.. 仮説2 自尊感情得点が卒業前と比べて、著しく低下した者は不 適応の徴候として捉えられるであろう.. 一8一.
(11) 研 究 1. 目 的. 高校生活の最大の危機的場面である受験期(1月)から卒業後( 5月)の個人の内的適応の過程を縦断的にとらえ、自尊感情の変容 過程を進路別に比較検討することを目的とした.. 方 法. ①被調査者:H県下のM高等学校を昭和61年度卒業し彪生徒のう ち、180名。 {内訳:就職群女子43名、浪人群(予備校生). 男子58名、進学群(短大・大学進学者)男子41名・女子38 名}が本調査に参加した。. 昭和61年1月における自尊感情測定尺度の調査から、以下の基 準で 3群を設けて本研究の分析対象とした。. a,自尊感情水準の分類基準. H群:個人の自尊感情測定尺度得点が平均+ 1/2S.D以上 M群:個人の自尊感情測定尺度得点が平均±. 1!2S.0以内. L群:個人の自尊感情測定尺度得点が平均一. 112S.D以下. 一9一.
(12) ②調査期日および手続き:第1回目は、昭和62年1月28日に実 施し炬。自尊感情測定尺度記入に関する冊子が担任から生徒に配. 布され、調査者が記入に関する教示を与え距.第2回目の調査は卒 業後5月に郵送法で実施し萢. (回収率100%). ③質問紙:Self−Esteem(SE−1形式):Janis,1.L.&Field, P.B.作成の尺度をもとに、遠藤らによって作成された自尊感情測. 定尺度を使用した.この尺度は他者からの評価(8項目)、自己. の価値感(3項目)、社会的場面の不安(7項目)、劣等感(4. 項目)の4因子と、構成概念上必要な1項目を加え彪23項目で 構成されており、自己に対する肯定的・否定的態度を診断するこ とができる. (APPENDIX 1参照). 一le一.
(13) 結 果. 自尊感情測定尺度を構成する5領域および合計得点の平均値と標. 準偏差を群・水準・調査時期ごとに整理したものが、Table 1で ある.この表の卒業前(1月)から卒業後(5月)までのデータに 基づいて、各領域および合計得点について、3(群)X3(水準). X2(時期)の分散分析を行なつ炬精果Table 2に整理し距よう な結果を得距。. 自尊感情測定尺度合計得点においては、水準(H.M. L)、調 査時期の主効果が有意であっ瘡。水準に関する多重比較(以後分析 も含めて、すべてT ukey法によっ彪)の結果、就職群・浪人群・進 学易いずれの群においても、H群、 M群、 L群の順に得点が高かっ ta (H>M:q=13・32 P〈.05 H)L:q=25.14 , P〈.05 df=17!).. 調査時期に関しては、就職群・浪人群・進学嫌いずれにおいても卒. 業前(1月)から卒業後(5月)にかけて得点が減少することがわ かっ炬(1月>5月:q=3.10,P《.05)。. r他者からの評価』の領域では、水準,調査時期の要因に主効果 が有意であっ拒。水準に関する多重比較の結果、H群、 M群、 L群. の順に得点が高かっ叛(H>M:q=8.63,P<.05 H>L:q =18 .78,P<.05 df=171)。 また調査時期に関しては、1月から5月. にかけて得点が減少することがわかっ距(1月》5月:q=8.ll,. 一11一.
(14) P<.05,). さらに群X調査時期の交互作用が有意であっ捷彪め、. 単純効果検定(山内、1973によっ拒)をおこなつ彪結果、就職群に おいて調査時期の効果がみられ距(F=3.37,df=2!172、 P<.05)。. さらに下位分析の結果、1月から5月にかけて得点が減少すること がわかっ拒(1月>5月:q =7.99,P<.05)。浪人群と進学群に. は時期による変化はみられなかっ拒。Fig.1は自尊感情測定尺度、 他者からの評価項目による群×時期の交互作用を示し拒ものである.. ま拒、群X水準X時期にも二次の交互作用がみられ、単純効果検定 をおこなつ拒結果、就職群、浪人群、進学群ともに、H群>M群> L群の順に得点が高かった。さらに下位分析の結果、就職群のH群. と進学群のM群が1月から5月にかけて得点が減少することがわか った。Fig.2は自尊感情測定尺度r他者からの評価S項目における 群X水準X時期の二次の交互作用を示し距ものである。 r自己の価値感』の領域では、群、水準の主効果が有意であった。 群の主効果について平均対の多重比較をおこなつ急結果、浪人群は 就職群より得点が有意に高く(q =4.03,P<.05)、ま拒、進学群 も就職群より有意に高かっ距(q=3.59,P<.05)。しかし、浪人群. と進学群では得点の差はみられなかっ彪。水準の主効果については、. H群がM群よりも有意に得点が高かっ彪(q =9。41P<.05)。H群 とL群の間には有意な差はみられなかっ彪。. r社会的場面の不安Sの領域では、水準の主効果が有意であった.. 一12一.
(15) 平均対の多重比較の結果、H群、 M群、 L群の順に得点が高かっ彪 (H>M: q=9.41, p〈.05 H>L: q=16.30, P〈.05) .. r劣等感』の領域では、群、水準の主効果が有意であっ彪.群の 主効果については、浪人群が進学群より得点が低かった(浪人群= 12.92<進学群=14.09)。水準の主効果については、H群、 M群、. L群の順に高かっ彪(H群=15.50>M群= 13.96>L群=11.4 4)。さらに、水準×時期に交互作用がみられ、下位分析の結果、F. ig.3に示し叛ようにH群が1月から5月にかけて得点が減少し彪( 1月=16.22>5月=14.78).一方、L群は1月より5月にかけて 得点が高くなった(1月=10.79<5月=12.10)が、M群には変化 はみられなかった。. 一13一.
(16) Table l 群・水M。鯛査時期ごとの自尊感情尺度の各領域平均得点 入. ()内はS.D. H 就. 鮮. 織. M. 群 轟. L. ∴や. 群. H 浪. 人. 群. M. 祥 群. L 群. H 進. 学. 群. M. 群 群. L 扉. FI。他者からの評価. F2.自己の価値感. 数. 1月中 5月. 1月 5月. 17. 30.706 27.294 (3.m} (5.602). 6。000 5.765. 25.824 24.4工2. 16.47! 14.824. く2.?44、く2.860}. (2・975⊃ (4・9二2). く2・226》 (3・8:粉. 18. 5。056 6.000 q.779)q.856,. 22.000 21.444. (3.184》 (4.333). く2.925) (3.818》. 20.500 20.?50. 5.250 5.625. 19.125 19.125. 11.000 12.125. (3.041》 (3.491}. (1.392》{2.058》. く3.982》 ‘4.512}. (1・581) 《3・333). 32.947 30.io5. 7.737 7.526. 3.000 2.263. 85526 80.684. (3.462){2.779♪. 26.316 26.421 (3.643⊃ ‘4.38D. 15。526 i4.368. く3.967) く4.541》. (3・733) ‘2・η6》. (1・124)(O・965). (7.830) く8.609). 2.348 2.000 (LO4?》(0.834》. (3・495)(8・◎53). 8. 19. 23 16. 21. 25 33. 26.556 25.333. F3.社会的場面の不安. 1月 5月. 阿,劣 等 感. 1月 5月. 1月 5月. 2.824 2.529 (LO42)くO.915》. 81.824 ?4.824. 14.778 !4.167. 2.333 2.056. 70.?22 69.000. (2・323) (2・5i打). (0.667》(0.621}. (3・649》 (8.謝). 2.250 2.500 (O.661)(1.聴8). (4・1謁) (9.239). 26,783 25。696. 5.696 6.261. 2L652 20.696. 三2。565 13.783. 【2.235》(2.862♪. 【2・838} (4・515}. (2・102) (2・702). (3.956) (3。6韮4》. 合 計. 1月 5月. (3.967》 (4.10P. 20.i88 21.750. F5.構成概念上必要なもの. tマ.189)q2.458》. 58.125 60.125. 69.044 駆.435. 6.625 7.500. 15。750 17.688. 9。750 11.500. 2.875 2.188. (2.07∼}(1.803》. (3.3C7》 (4・斯}. (2.塩88》 t3.841、. (1・053》(O・磯). く7・78D) く9・’蔦3). 55.188 60.625. 7.905 ?.333. 25.191 24.952. 16。667 15.143. (3.048) し5.598》. (2.689》(3.045). (3.375) (4.498》. (2.254》 く3.413). 2.857 3.048 (1・0:η)(L17り. 84.048 79.476 (4・726)(9.236). 26.84Q 23.640. 6.480 6.280 《2・45b(2・458). 20.4◎G 20.OGO (3.611》 (4・290). 1ら.320 玉4.160 (2.014) (2.908》. 2.520 2.520 (0・806)qo・640). (3・721)(7・塁14》. 2.333 2。273 (0・9蓋0♪(0・7鋤. 57.455 59.000 し6・574》(9・329). 31.429 29.000. (2・949♪ (4・6?2). 三9.939 20.394 ‘3.765) (4.923》. 6.364 6.061. 17.212 17.606. 11.606 12。667. (2.460)(2.498). (3.391) (4.015). 《2・522} (2.636》. 70.560 66。600.
(17) Tabie 2 自尊感情測定尺度の各領域及び合計得点の分散分析結果. ︶ 期. 群︶時 C 路準査 x. ︵︵︵×××X. 進水調BCCB. −一マ. ABCAABA. 他者から 自己の 社会的場面 の評価 価値感 の不安 4,96輯 73.62零穿. 3.24律. 劣等感. 合計. 3.71* 66.92**. 39.20桝. 3.89料. df 2/171. 5.78*. 151.15灘群. 5.46’. 4.82零. 21171 1/171. 4/171. 2.08+ 4.28* 3.04*. 構成概念上 必要な項目. 4.20*. 12.54鱒. 8.37軸. 4.57拳庫 一 P》.10 + P《 ネ Pく.05. ** P〈.Ol. 2!172 2/172 4/172.
(18) (得点). 28 27. 鼠 26. 進学群. 25 就職群 浪人群. 24. 0. 1月 5月 Fi8.1 自尊感情測定尺度他者からの評価得点. 一16一.
(19) (浪人群). 得. (就職騨). (進学群). 33 点. 32. へ.. 31. 30 29. 28 27 26. H群. \囎\…. 25 24. M群. 23 22 2重. 一曙/L群. 20. △/zx L群. 19. oL−L一一一一一k 1月 5月 皇月 5月 1月 5月 時期 FI8.2 自尊感情尺度r他者からの評価』における. 群X水準X時期の交互作用. 一17一.
(20) (得点). 17. 16 15. H群. 14. [トー一一{]M群. 13 L群. 12 11. 10. 1月 5月 Fig・3 自尊感情測定尺度劣等感得点. 一18一.
(21) 考 察. 本研究では、住み馴れ彪学校教育環境から、卒業後の環境移行に おいて、自尊感情にいかなる変化が生けるかを調査し彪。 また、自尊感情を自己に対する評価的感情と定義し考察をし炬.. ’1におけるの 就職群と時期との関係において有意な差がr他者からの評価』に 顕著にみられだ。Fig.1からも明らかなように、浪人群、進学群も やや得点が減少する傾向にあるものの、就職群においては1月(卒 業前)、5月(卒業後)において得点が大幅に減少している。就職 群において得点が減少する要因としては、5月という時期に起因す るものと思われる。5月の時期は、新環墳移行にとって克服すべき 一種の危機的な時期(古川ら 1983)と言われ、職場適応の重要な 別れ道である。この時期は、仕事の内容をどれだけマスタV・iするか. によって職場適応に大きな影響をおよぼすと言われ(神谷1980)、 いわゆる「仕事の内容が理解できる」r仕事の内容が理解できない」 といっ滝葛藤が生ずると思われる。ま彪、対人関係が大きな要因で あると思われる.学校での人間関係とは違っ彪社会生活での厳しい 人間関係に直面しているものと思われ、職場での上司・同僚、顧客 等、の認知を直接に受け入れなければならず、一一時的に自己注視が. 一19一.
(22) 強くなつ拒凝めT他者からの評価S得点に影響し彪もののと思われ る.. 進路群と浪人群との問に有意な差がみられなかっ距のは、環墳の 相似が大きく影響しているものと考えられる。大学進学者の大部分 は自宅からの通学であり、環境の変化としての危機は少ないものと 思われる。同じく浪人群についても、高校時代の同級生が同一予備 校に入学している関係上、高校の延長といった感が強く、危機が訪. れているとは考えられない。浪人群には帯しろ8月以降に危機が訪 れるものと思われる。. ’ 1 と 己の の 、. r自己の価値感』領域については、就職群が浪人群・進学群と比 べて有意に低くみられ艶.就職者は、職場での人間関係において葛 藤が生じ、一一時的に現実逃避の願望が生じると思われる。このこと によって、学力・家庭の経済的事情で大学進学:を断念せざるを得な. かっ距ことを後悔するとともに、大学進学者と自己の現在置かれて いる境遇を比較することによって自己の価値感が低下したものと思 われる。. 浪人群が進学群よりも劣等感が強いことがわかっ彪。浪人群の劣. 一2e一.
(23) 等感が強い原因は、受験の失敗によるものと推察するのが妥当であ ろう。受験競争に敗れ彪ことによって知的劣等感が生じた結果であ ると思われる。関(1981)は、劣等感と優越感とは表裏一体である とともに、努力しようとする過程において生ずると述べている。こ のことからも、知的劣等感をマイナス要因としてとらえないでプラ ス要因としてとらえることが必要である。なぜならば、次期の大学 入試に向けて努力する過程において劣等感が生じたものと思われる からである。. 星野(1982)は、自尊盛情が低くても安定している人は適切な劣 等感をもつことが多く、自尊感情が低い上に不安定な人は、不当な 劣等感をもつことが多いと述べている。このことからも、劣等感の 正体を正しく見極め、消極的な態度から積極的な態度に変容するこ とが必要であろう。いずれにしても、劣等感が増大すると、正しい 自己評価ができなくなり、浪人生活での適応、および人間形成にと って危機を招くであろうことが考えられる。. 一21一.
(24) 研 究 ll. 目 的 本研究では、面接調査法を用いて卒業後の生活に苦悩する卒業生 の実態を明らかにし、その背後にある要因・連関を自尊感情の視点 から検討しようとするものである。. 方 法 ①被調査者:研究1において調査対象とし旋卒業生のうち、自尊. 感情測定尺度得点が、卒業前(1月)と比較して卒業後(5月)著 しく低下し距者(男子4名,女子7名)。自尊感情測定尺度得点が 極端に高く、まだ極端に低く卒業後の生活に何等かの問題が生じる. と予想される者(男子3名,女子1名)。高校3年時1月の自尊感 情測定尺度得点が低かった者(男子3名,女子2名)。合計20名 を抽出し拒。 表1は面接に参加した卒業生の一覧である。. 一22一.
(25) 進路群. 表1 NO. 特別面接者一覧. 導、. 頃 5月’ヨ1乏均幽70.歪8’”唇き;?5一層噂● ’.’..’. @9屓70.17. (麗・180). 1. 就 職 群 浪 人 群. 2女. 79 59 57 69 46 40. 3女. 62 4 46. 4女. 77 63 77. 5女. 90 49 71. 6女. 107 藍06 109. 7男. 67 45 69 59 54 58 55 54 61 37 36 42. 8男 9男. 10男. 直3男. 60 48 52 92 87 47 86 82 61. 14. 50 46 38. 妻5男. 16女. 53 54 44 49 44 49. 且7女. 74 54 65. 18男. 59 42 76. 19男. 67 57 78. 20女. 55 51 51. 11男 12男. 隔さんと るの{ 」 ぐうるさい」 鴨 ニ会えない 職穫が自分の性格とあわない 「 子.い」「お客さんに 句 われる」「 ってばかりで. 謔黷驕@「 手好みの先、私は地味好み」「生きがいがない 「残 が多く不 1な 」「.地愚なおばさんがいる」「や 驪Cが起こらない 「休みが平日、一人でいるのがつまらん」 「上司がきつく の内容を 切に教えない」「ノルマが課せ 轤黷驕@「お金、お金の生活が鎌い」「現実は厳しい」 「計算ミスが多く自分がいや」「普遍高校は損」「事務能力が 、業高校出身者と比べ劣る」「先章がいないから不安」 「適当に 事 るだ奮」「仕事もできないのに 句をいう課 キがいるが にしない 「職場がいやになればやめればいい に賦じ 賦い」 周 の は できそうだ」 u物価が高く両親に申し訳ない 「びとりぼっちで寂しい」 「頑張ろうと思えば思うほど がは万獅「「合駆だろうかと思えば不安になる」「痛心の人はよく頑張る」. 「自分に本当の実力があるのだろうか」「勉強時間が足りない u試験のことを考えると疲れる 「自5}は怠け者だと思う」 「一生懸命勉強したのになぜ不合格になったのだろう」「数学. ェ伸びない」r勉強、勉強で睡眠不足だ」「テレビがみれない 「碍意な薮再がない」「蒼黒な 恪がいやだ」「友達がいない uどんな大学に進めばいいのかわからない 「自分がみじめ」 「勉強が嫌いなのに予備 にいって 意味がない」「両石とい. 驍フがイヤだ 「音楽関の仕事がしたい 「家を出たい」 「 のために勉 するのはイヤだ」「下校にいっても成績が フびない 「先生に文句をよくいわれる 「自由が欲しい」 ・ が る」 {えていた寧と つた」 u求人が少ない」「重手できるだろうか 「規則が厳しい. 進 学 群. 「コンピュータが苦手」 講義 容が難しい」「論文形式の試 アが難しい」「みんな勉強ができそう」「学科の選択ミスだ」 「取得できると思っていた免許がとれない」「他の学生と丁丁. ェあわない」「友人ができない」「来が不安」「性格がイや 遍学に時間がかかりすぎる」「バイトができない」「大学の Cメージが嫌い」「家から近い大学にいけばよかった」 「 がいない」 遊び」いが強のことが気になる」「自炊 ェつらい 「母親のことが気になる 「皆勉強ができる 自分の に つた へ行け尋よかった」 サークル活動 ェしたいがお金がかかる」「 校時代の友人のことをよく思う 「寮活がイヤ、同塞の人に を使う、プライバシィが保たれ ネい 「派手な人が多くよく遊ぶ」「家に鼎りたい」. 一23一.
(26) ②調査内容 卒業後の生活全般に対する適応に関する問題点を把握するとともに、 自尊感情測定尺度得点項目変動の背景を究明することを中心とし炬。. ま痘、本人の高校在学時の生活・行動の特徴、進路決定時の問題 点、および家庭状況等凝旧担任と進路指導部長との個別面接により 把握し拒。. ③調査期間. 1987年5月から10月 ④調査手続き. 郵送法によって実施し拒自尊感情測定尺度を統計的手法によって 分析した結果をもとに、不適応髪起こしていると予想される卒業生 に対して下輩の方法で調査手続きを行なった。 1.電話面接によって悩みの実態を事前に把握しだ。 2.電話のない者に対しては、手紙を送付した。. 以上の過程をふまえながら、本人の同意のもとに個人面接形式を原 則として行なつ拒。面接時間は、原則として30分∼40分実施しだ。 なお、面接には筆者があ拒っ距。面接場所は本人の希望に任せ、 形式にとらわれ痘面接は極力避け距。. 一24一.
(27) ⑤結果の処理. 面接に応じたすべての生徒の詳細な面接記録をとった。. また、これにもとづき、個人の行動の社会的解明のために考案され 痘見田(1965)の行動連関図や、生活空間を全体的にとらえ、青年 に関する認録、レポートなどを分析、作図した西平(1967)の手法 を参考に連関図を構成し、事例の検討を行なつ炬.. 結果と分析. (1)且一. 【連関図】 各面接事例の自尊感情変化の特徴と背景を検討するta. めの連関図の作成を行なつ拒.これにより、自尊感情の変化のすU みち、そこに介入する諸要因の連関を了解可能な方法で再構成しよ うと試み彪。この場合、主観的要因が混入することを最小限におさ えるために、作図の規定を定めることと、卒業生の発言を重視する ことに留意し彪.. 一25一.
(28) (2)越 作図には、一一定の原則的な規約を必要とする。ま彪、主観的な解釈 が入りやすいので次のような作図の規定を定めだ.. ア.表示にあ距っては可能なかぎり、客観的な外的条件や行動事 実と、面接で本人が語っ拒心理とに大別する。. イ・面接において本人が中心に訴え彪ことと、その背後にある要 因とのかかわりが理解できるようにする. ウ・用い彪凡例は次の通りである。. a[=コ訴えの中心 b. 面接や記録によって得た環境条件. ・i l面接や鵬によって勲行動事実. d[コ面接で諭れ恥理 e 推測されるパーソナリティ f. 連関. 一26一.
(29) 不景気 求人の減少. 友人は希望どおりの 職業に決定している. 灘. 楽しそうだ 自分がみじめ. (自己嫌 悪). 定休日が平日 友達と会えない 自由がない. 残業が多い 帰宅が遅い. 就職先の限定. 絶対いきたく なかった 仕方なく就職. (不満. 反発). お客の応対 が苦手 苦情が多い. 就職者の増加. コ ユ. −蛇−. 第八希望の 職種 (反発). る 良よけ 不に分. 畷欝. 1職業価値観l lの欠如 l l転職願望 l lわがまま 1 ’ 5. 母. 勉強しなかった あんたの貴任 (不満). 図1 Y子の連関図(職業価値観欠如タイプ). 転職したいが 学校に悪い. 性格的に あわない.
(30) ア.職業価値観欠如のタイプ. Y子(面接NO3)図1 自尊感情測定尺度合計得点 1月62,5月44,9月46 (a)Y子はN電機の販売店員として就職した生徒である。第一希 望は一般事務職を強く希望してい彪が、不況による急激な求人数の 滅少と就職者の増加により、希望通りの職種に就けなかった生徒で ある.第一希望の職業に就けなかっ彪敗北感が、その後の職場適応 に著しい悪影響を及ぼしている。. (b)このような事態の原因をY子は次のように語っている。 r私 は成績が悪く、希望通りの職種に決定するとは思わなかった。しか し、第八希望の職種にまさか決定するとは考えてもみなかっ距」と 述べ、就職までも成績によって決定され彪ことに不満を抱いている。. 一般事務を強く希望した理由として、週休二日制、日曜・祭日は休 みといった労働条件を考慮している。 r定休日が平日で高校時代の. 友達と会えない」の書葉が象徴しているとおり、彼女なりに高校卒 業後の生活を夢見てい癒に違いない。. (C)理想と現実が一瞬のうちに崩壊してしまった悔しさが、店員 としての職業観に大きく影響し、主体的に職業に取り組もうとしな い姿勢がr残業が多く帰宅が遅い」 「性格的に合わない」 rやる気. が起こらない」の断書からも伺える。Y子と類似し彪ケースが(NO. 1)(NO2)である。ともに店員であり、その悩みの共通点として. 一28一.
(31) r職種が自分の性格に合わない」と語っている.店員としての職務 内容から、お客さんとの接触によって職業が成立することからも、 内向的な性格のY子、 (NO 1) (NO2)は一番不得手とする分野で. もあり、悩みの主な原因である。ま彪、販売し彪品物が不良品であ. っ彪場合、直接責任を負わなければならない立場にありr苦情が多 い」の発言からも苦悩する一端がうかがえる。このように、Y子が 主体的に職務に専念しなければならないと思ってもrお客さんの応 対が苦手」な性格で、たえずお客さんの苦情が脳裡にあり、内的に 安定しない状態にあるものと思われる。この結果として、他の職業 に就いている友人を羨望視するようになり、 r友人は楽しそうだ」. それに比べr私はみOめだ」と思い込むようになり、結果的には職 業に生きがいを見いだせない一因になっている。. (d)Y子は面接時において、はっきりとし彪口調で語らないこと からも内向的な性格がうかがえる.ま彪職業に対して非常に悩んで. いることも感じられ、第1回目の面接(5月)において5分間の沈 黙があっ彪。その後r会社を辞めたい」と一言語り、下を向い拒ま まの姿勢をとつ距。筆者はr会社を辞めてどうするの」と尋ねると r和裁の専門学校に行き彪い」と語り、 r私の性格では、一人で仕. 事ができる和裁が一番適している思います」と述べrしかし、こん なに早く会社を辞めると後輩と学校に迷惑がかかるから、もう少し 我慢してみようと考えています」とも語っ彪.このことからも、後. 一29一.
(32) 輩・学校への遠慮が感じられ、辞め距くても辞められない立場ある. ことがうかがえ彪.第2回目の面接(6月)においても、前回(5 月)の面接内容と同様であっ距が、 「友達は皆元気で頑張っていま. すか」の発言が見られ「友逮と会って話しがし彪い」と、やや進展 した結果が得られt“・。筆者は「友達に一度電話をすればいいのにね」. と、述べると彼女はr定休日の夜にでも電話してみます」と答え、. 面接を絡え彪。一週間後に第3回目の面接を行なつ距ところ、彼女 はr友達もそれぞれの分野で苦しくても頑張っているのですね。私 も頑張らなければいけませんね」と語り、生きがいを櫃んだ感じが. うかがえた。しかし、8月に入ると5月当初の面接時と同様のこと を語り、はっきりと「転職したい」と語っ拒。何が原因で転職し滝 いのかは語らなかったが、一言「やはり、休みは日曜日がいいです. ね」と語り、平日休日の矛盾を指摘しだ。8月20日(木)高等学 校を訪ね、進路指導部長にr転職し寒い」とはっきり述べている。. 進路指導部長は、Y子が第八希望の職種に採用が決定した時から気. になってい彪らしく、10月置某企業が一般事務職を募集している. ことを知b、Y子に紹介したところ彼女はr一から出直して頑張り ます」と明るく答えte、と述べている。その後、彼女は採用試験に. 合格し、昭和63年1月半ら勤務することに決定している. (e)Y子の自尊感情低下の原因は、第一に、第八希望の思いもよ らぬ職種に決定し炬ことによる劣等感が原因である。第二に、対人. 一30一.
(33) 関係を苦手とする性格によると思われる。第三に、 r残業が多い」 r食事時間が一定していない」 「定休日が平日」等の労働条件に起. 因していると思われる.これらの要因が職業に生きがいを感じられ なくなつ彪ものと思われる.また、他の友人と比較することによっ て自己を過小評価し、そのことが間接的に彼女自身の自尊感情に影 響し叛ものと思われる.. (f)Y子のように希望通りの職業に就けなかっ彪生徒に対する就 職決定後の指導・援助が十分に行なえるように配慮する必要がある.. また、Y子のように高校の進路指導部の援助で転職できる生徒は、 ごくまれなケースであり大半の卒業生は高校へ相談をしないまま転 職してしまうことが多い。. Y子のように販売店員としての職務の厳しさは、実際にその職業 に就いてみて経験するものであり、職業に対しての厳しさの認識を 高校時代に指導することは非常に難しい反面、また重要な課題でも ある。. 一31一.
(34) 容れ 内ら のえ. 事覚い 仕がな. 商業高校出身者 は仕事ができる (羨望). 計算間違い のミスが多. 計算がはやく テキパキと仕 事を処理. 先輩がいて 仕事を教え てもらえる. 親戚に迷惑. 先輩がいない 相談相手がい. ボーナス時の ノルマが大変. 両親に迷惑’. ない (ライバル意識). い. (不安). (自信喪失) ・qのN−. 新規のお客さん がとれない. はやく仕事を マスターした. 自分だけが一番 劣っている. い. お客さんの応対 に戸惑うことが よくある. (劣等感) (願望). (焦燥). (精神的疲労感). お札を数えるの が報い. 上司は仕事の内容 を丁寧に教えてく れない (不溝). 残業が多い 精神的に疲れる 会社を休みたく なることがある. 信用第一一. お客きんへの愛情 とサービス 迅速、正確を要求 きれる職場環境. 図2 M子の連関図(竃信喪失のタイプ). お金、お金の毒日 で東調な生活.
(35) イ.自信喪失のタイプ. M子(面接NO5)図2 自尊感情測定尺度合計得点 1月90,5月49,9月71 (a)M子は第一希望で某銀行に就職し炬生徒である。入社後2週 間の研修が終了すれば一人前として職場の第一纏で働かなければな らない。この時期は新入社員にとって現実の厳しさを直接に体験す ることによって一時的に不安定な精神状態に陥ることが多く、職場 適応の第一の克服すべき重要な分岐点でもある。. (b)銀行の職務内容を高校時に予備知識として理解していも現実 の場に直面した時には、計り知れないギャップを感じるものである.. M子の「お札を数えるのが遅い」「 Pt算間違いのミスが多いjから も伺え、苦悩と困惑によって一時的に自信を失っていることが察知 できる.. (c)職場に適応するための不可欠な第一の要因として、相談相手 の人がいるかである.M子の「先輩がいない、相談相手がいない」 の訴えからも孤独な状態に置かれていることが伺える.第二の要因 として、仕事を覚えることによって生きがいを掴み、そして職場に 適応することである。彼女の場合、この二つの重要な要因が欠けて いることから一時的に生きがいを失い、まだ商業高校出身の同期生 と比較することによって自己嫌悪に陥っているのである.そのこと. がr商業高校出身者は先輩がいて仕事の内容を丁寧に教えてもらえ. 一33一.
(36) る」からも伺える.. (d)M子との第1回目の面接は5月に行なった。彼女はr銀行と いう職業は普通科高校出身者には不利な条件が多い」と述べ、 r商. 業高校出身者は計算が速くテキパキと仕事を処理している」と普通 科出身のハンディーを指摘しta。彼女は商業開校出身の同期生と良 きライバルであり、負け窪くない意識が「はやく仕事をマスターし たい」からも伺え、仕事に対する情熱として感じられ海.しかし、. 彼女にも切実な悩みがある。4月中終わりの時期に計算間違いを犯 し、上司に厳しく注意されたことが、自信喪失と劣等感を抱く原因 になっている。迅速・正確を要求される職場環境の厳しさの一端が. 面接において伺えた。6月の第2回目の面接において筆者は「6月 になればボーナスのノルマが課せられるのではないですか」と尋ね. ると、彼女はr200万円のノルマが課せられ、勤務後親戚を毎日訪問 しています」と語り、ま拒rボーナスの度に親戚を訪問するわけに もいかず、先のことを考えると不安になる」と答え拒。. 7月に第3回目の面接を行なつだところ、以前と比べ非常に明るく 自信に満ちた口調で「先生やっと仕事に慣れてきまし距」と語り「 以前叱られ彪上司によく頑張っ炬ね、と言われ彪ことによって自信. ができまし距」と明るく詔っ距。その後、8月と9月に面接を行な い、面接を重ねる度に成長していく彼女のたくましさを感じ炬。. (e)5月の時期における自尊感情低下の第一の原因は計算間違い. 一34一.
(37) による自信喪失によるものと思われる。第二の原因としては同期生 を意識することによって自己卑下薮感じ彪ことによるものと思われ る。第三の原因としては、迅速・正確・信用第一、お客さんの応対 等の職場環墳に起因しているものと思われる。しかし彼女は一時的 に自尊感情が低下し彪のであって、重要な他者(上司)に認められ taことによって著しく自尊感情が回復することからも、もともと内 的に安定しやすいタイプであると推察される.. (f)M子との4回の面接を通して感じ彪ことは、どんなに苦しく ても一度も銀行を辞めたいとは語らなかっ彪ことである。第一希望 の職種に就職でき炬ことが間接的に彼女の内面を支えているものと 思える。ま拒、仕事に対する情熱と謙虚な姿勢が良い影響を与えて いることも事実であろう。. 本面接を通じ普通科高校の就職者に対する指導の在り方を今一度. 考え直す必要があることを痛切に感Uられ叛.なぜならば、就職後 の職場において役立つ指導を高校在学時に殆ど行なわれていない。. 受験指導も必要であるが、現に就職後、苦悩している卒業生が存在 している事実遊素直に受け止め、今後の就職希望者に対しての指導 に生かす必要がある。. 一35一.
(38) 高校時代 クラスの 雰囲気が 悪かった. 推薦で進路 が早く決ま. 東京での予備校 生活. 物価が高く両親に 申し訳ない. 一. 高校時代の友人 と離れて勉強に 打ち込むtaめ. 高校時代と同じ生 活はしたくない. つta者がう るさい. の孚. 勉強しない 友達に影響. 食事を作る のが大変だ. 親の苦労. ヘじめて ゥった 孤独だ. 雰囲気に左右さ れやすい性格. 東京の生活に なかなかなじ めない. 必ず来春大学 に入りたい. 遊びたくても 遊べない. された. 元出身者が. シを占める. (被害者意識). 半が有名. w志望. (葛藤). (強い願望). 英語が苦手 成績が伸び ない. e年間頑張れる. 地元の予備校. だろうか. ナもよかった. (不安). (自信喪失). 図3 T男の連関図(自己防衛のタイプ). (後悔).
(39) ウ.自己防衛のタイプ. T男(面接NO 7)図3. 自尊感情測定尺度合計得点 1月67,5月45,9月69 (a)彼は高校時代、国公立大学受験を自評して努力してい彪が不 運にも失敗してしまつte。その際、 r推薦で早く大学を決め彪級友. に授業を妨害されだ」と受験の失敗を級友の責任にし、思うように 勉強ができなかっだクラスの雰囲気に対しても強い不満を抱いてい る。しかし、 r雰囲気に左右され、合格し剛者と同じ気持ちになっ て遊んでい彪自分にも不満がある」と述べている。 (b)東京での浪人生活を決意し距のは、 r雰囲気に左右されやす. い性格」の訴えのように、高校時代の友人と遮断の状態を作ること によって、何事にも左右されない、強い仮の自己を確立しようとす る感情のあらわれでもあり、また二度と同じ失敗をしたくない決意 のあらわれと推察することができる。. (c)東京で一人下宿生活をするのは想像以上に厳しいものがある。. 「孤独だ」の言葉がすべてを物語っているように思える。食事を作 りながら母親のことを考えるようになり、一時的にセンチメンタル な感情に陥り、望郷の念が強くなる。 r地元の予慌校でもよかっだ」. の訴えからも、東京の予備校に通うことに疑問と後悔を抱いている。 (d)友人からの逃避の身構えと、友達を作ろうとしないことが、 東京での生活に馴染めない要因に拍車をかけている。. 一37一.
(40) 親元から予備校に通学していても孤独に感1)られる浪人生活におい. て友達を作ることを拒否する態度は、自己形成にとって好ましくな い結果が生ずる要因にもなりかねない。. r地元出身者が大半粒占める」からも、仲間集団に溶け込めなく感 じる一因であるかもUれないが、その反面、友達を作りたい願望と も受け取られる。. (e)浪人生には、1年間の浪人生活で大学に合格し卜い強い願望 と、入試に失敢するのではないかという不安とが複雑に交錯し合っ. た生活を送っている。このことは、彼のr1年間頑張れるだろうか」 「必ず大学に入りたい」からも伺える。. 彼との面接は5回行ない、遠方の距め全て電話面接によって実施し. た。5月から7月にそれぞれ月1回面接を行なつ彪が、上馬のごと く友達を作ろうしない態度と勉強に対する不安の発言内容が多かっ te.しかし、8月の面接において、彼は「菟達が一人制きましだ」 と以前よりも明るく語っだ。友達ができtaことによって東京の生活 に慣れ彪ことが、一週間の夏休みに帰省していないことからも伺え る。. 9月の面接において、彼はr夏休み頑張っ彪成果が、模擬試験の成 績に表われ拒」と答えr来年は必ず大学に合格します」と自信彪つ ぶりに語った.. 一38一.
(41) (f)高校三年間の進路指導の結果として、浪人の誕生は避けられ ない現実となっている.浪人しなければ一流大学に合格できないと いう社会的な風潮は、当分変わりようのない問題でもある。. N男のように有名大学に固軌するあまり、友達も作らず孤独な生 活を送る浪人生を多々見かける.本面接を通して、友人関係の確立 と、自己の性格にあっ彪生活習慣を見いだす努力が必要であると感 じた。なぜならば、浪人生活も生き方を学ぶ一つの機会であるし、. 人間的な成長がなければ、学力の向上も期待できないと考えるから である。. 一39一.
(42) 私立大3校 国公立1校. 受験大学すべて 不合格. 地元の予備校 に進む. 格い 合て ずじ 必信 はと 校る 一すた. =: 同級生が多く 予備校とは思 えない雰囲気. 睡眠時間は5時間 Uかない. 成績が伸びない 特に数学 (劣等感). (ショック). 高校時代は勉強 と部活動に頑張. 理科系の大学に 進学しなければ 浪人した意味が. 勉強、勉強の毎日 精神的に疲れる. ない. 高校時代1年. の担任に国語 ができるから 文系にしては どうかと言われ てから数学がで きなくなった (教師への不満). った ムO・. 親しかった友人 は大学へいった. コンピュータの プログラマーに なりたい. 新たに友達を つくるのに時 間がかかる. (孤独). 自分はなぜこんな 生活をしなければ ならないのだ. 好きなテレビ も見れない. 露濃つた1 (逃避). (反発). 図4 N男の連関図(数学コンプレックスのタイプ). 中学から決めて いた.
(43) エ.数学コンブレ・ソクスのタイプ. N男(面接NOIO)図4 自尊感情測定尺度合計得点 1月37,5月36,9月42 (a)taつた一言が人和救い、また、人を傷つける典型的なケy…ス. である.高校1年号進路面接において、担任教師からr文系にして はどうか」と言われteことが、彼の海底生活とその後の生活に影響 している事実を概観するとき、教育現場の一員として大きなショッ クを覚え拒.彼には、将来の進路を夢見てい拒経締があり、それを 壊されたという怒りが教師に対する不満・不信になっているようで ある。. (b)特定の教科(数学)に固執するのは、彼なりの重要な意味が ある. r理科系の大学に進学しなければ浪人した意味がない」が端. 的に示している。つまり、この言動は、彼の将来の夢でもあるrコ ンピュータプログラマーになりたい」と言うことと深く結びついて いるのである.. 理科系大学の受験に不可欠な数学の成績が伸びなく、彼は、極度 の数学コンプレックスに陥っている. r数学ができなくなつ距のは、 一年時の担任による」と驕り、受験に失敗したのも教師の責任とし、 浪人後も不満を抱いている.. (c) しかし、高校時代の担任の問題もあろうが、彼は、自己の 能力と性格にも問題があることを認識していない。いつまでも被害. 一41一.
(44) 者意識を持続すると自分の得意とする科目にしか力をいれず、苦手 な科目(数学)には手をつけない学習になり、高校時の受験と同じ 結果になりかねない。 r友達遊作るのに時間がかかる」からも、新 拒に対人関係を形成するのが苦手なタイプでもある。また、雪叩な 状態にいることが、 r親しかっ彪友人は大学へ行っ炬」からも伺え る。. (d)彼との面接は6準行なつだ。その中でも特に8月に苦悩して いる状況が伺える数多くの発言が述べられた。高校時代の友人で大. 学生のH君が夏休みに帰省していて、大学生活の様子を楽しく語っ taらしく、それ以後やる気を無くしr自分はなぜこんな生活をしな ければならないのだ」と反発するようになつだ。また彼は「先生、. 僕も大学に合格していれば今頃アルバイトをして、そのお金で旅行. でもしているのにね」と寂しく語った.このように8月は浪人生に とって克服すべき第一一の関門である。夏休みこそ勝負の月だと思っ. ていても暑くて能率が上がらなかったり、大学に進学している者と の比較によって自己嫌悪に陥り勉強のリズムが乱れ、その結果、焦 燥感と倦怠感に悩むようになる。気分転換をしょうと思っても両親 の視線が気になる。 「好きなテレビも見れない」からも伺える。. 彼は夏休みを利用して苦手な数学を重点に勉強している。そのこ とが、 r睡眠時間は5時間」からも伺える。しかし、いぜん数学に 対するコンプレックスがあり、能率が上がっていないようである。. 一42一.
(45) 9月に入ると夏休み中の無理な勉強方法によって一時的に体調を 崩すことがある。彼も、 r下痢に悩み体重も5 Kg減った」と体調の. 不備を訴えている。筆者は気分転換の必要があると考え「浪人して いる友達と話し合って気分転換をしてみてはどうか」と答えると、 彼は、 rもうすぐ模擬試験があるので話すことはできない」と答え. 叛。1年という時間の制限は、炬えず彼の脳裡に浮かんで気分転換 の余裕すら与えない◎. (e)彼は極端に自尊感情が低く傷つきやすいタイフ。である。面 接中においても積極的な発言は殆ど見られず、筆者を気遣った控え めな態度が多く見られ彪。このことからも極力対人との接触を避け ることによって内的安定を計ろうとすることが推察できる。. (f)N男のように受験に必要な特定の教科の成績が伸びなくて苦 悩する浪人生を多々見かける。彼が数学コンブレ・ンクスを克服する. には、勇気を出して予備校の数学担当の教師に相談に行くことであ る.一人で悩むことも場合によっては必要であるかもしれないが、. 悩んでみても解決できないこともある。また、浪人仲間に数学の勉 強を教えてもらうことも必要である。浪人生活を通して積極的な人 間に変容することを期待し耀い。. 一43一.
(46) 授業の進度が速く ついていけない. 落ちこほ1れは 無視される. 6月に予備校を 自主退学 自宅浪人. 世間体を気に する母親. (思い こみ). 家から外へ出し てくれない. 基礎問題が とけない. ムや. 勉強が嫌いなのに 予備校へ行っても 意味がない (なげやりな. 予備校中退して 音楽関係の仕事 がしたい. 音楽関係の仕事 の内容はロック バンドのグルー プを結成するこ. 大学へ行っても 遊ぶだけだ 友達に会えない 予備校の方がいい 家から離れて 生活がしたい. とです. 態度). 自分の力を ためしたい. 勉強すればお父さん みたいに眼が悪くな る。働い漁方がよい. 長男だから大学ぐらい でないといけない (両極端. な両親). ほ ロ. 1家庭からの逃避l l自立への願望 1 」鶴一顧一〇鱒葡・葡一●一一一一の. (虚栄心). (無関心). 図5 K男の連関図(現実逃避のタイプ). てが 出と をこ 家だ にし. 母. 中歩る 夜散あ. 父. イライラして気が 狂いそうだ.
(47) オ.現実逃避のタイプ. K男(面接NO13)図5 自尊感情測定尺度合帯得点 1月92,5月87,9月47 (a)彼は、高校三年の5月頃から音楽関係の専門学校を受験する ことを決意してい距のであるが、10月の進路決定時期になってから 母親の強い反対によって仕方なく大学を受験して失敗した生徒であ る。彼は、もともと勉強が好きなタイプではなく、ロックバンドに 生きがいを感じて高校三年間を過ごし彪生徒である。. 彼自身が主体的に決め叛進路を、母親に妨害されだことに対して 不満を抱いている。予備校入学も彼自身が主体的に決めたのではな く、母親の独断で決定し炬ことから、浪人生活に悪影響をおよぼし 6月に退学をする結果になってしまつ拒。 (b)予備校に入学しても高校時の基礎学力が身に付いていない距 め、 「授業の進度が速くついていけない」 r基礎問題が解けない」. などの不満が多く、その結果「勉強が嫌いなのに予備校に行っても 意味がない』などの、なげやりな態度が見られるようになる。. 彼の脳裡には、依然音楽への夢が消えず、そのことが予備校生活 に馴染めない要因になっているものと思われる。. (c)5月に入ると予備校への欠席も目立ちはOめ、再三予備校か ら注意を受け、その都度母親と口論している。5月中耳頃から予備 校に通学しなくなり、その結果6月の始めに自主退学している。. 一45一.
(48) (d)彼との第1回目の面接は6月7日に、彼の自宅で行なつ距。 筆者の「宅浪はどうですか」の質問に対して、 r予備校へ通学する よりはいいです」と答え彪。しかし、 r母親が家から出してくれず、 勉強にうるさい」と不満を述べ彪。. 予備校を中退して間もない時期のためか、やや不満を抱きながら. も勉強している様子であっ炬。しかし、第2回目の面接(6月28 日)においては、1回目の面接時と異なり、顔面蒼白で落ち着きが 見られず、一言rイライラして気が狂いそうだ」と語り、精神的に 不安定の状態に陥っていることが伺えた。筆者は、彼が家から一歩 も出ずに生活していることから、気分転換の意味で母親の許可を得 て近くの公園で面接を行なった。その時彼は、 r友達に会えないの. で予備校を辞めない方がよかっ彪」と語り、退学し彪ことに対して 後悔していることが伺え、宅浪生活の虚しさを語った。. 第3回目の面接は7月12日に行なつ拒.宅浪生活に疲れ彪様子 がはっきり感じられ、彼は、 「大阪へ行って音楽関係の仕事がした. い」と語っ拒。このことは、 「家から離れて生活がし彪い」の言葉. が象徴しているように、家庭(母親)からの逃避の表われでもあり r自分の力を拒めしたい』からも、自立への願望と推察できる。. 第4回自の面接は8月23日に行なった。彼は父親に大阪へ行っ て仕事がしたい意志を伝えたが、父親は「長男は地元で就職するの が当り前だ」と賛成してくれなかったらしい.父親はもともと大学. 一46一.
(49) 進学には反対で、 r勉強すればお父さんみ彪いに眼が悪くなる」か らも伺える。このように、両極端の両親の考え方について、彼は、. r僕の気持ちを全く理解してくれない」と、両親に対しての不満凝 語っ彪.. 第5回目の面接は9月13日に行なつ拒。以前の面接では積極的 に語っ距彼だが、今回の面接においては控え目な態度が王立っ炬。 一言、 r両親と話しても無意味だから話しをしないことにし拒」と. 語っ海。筆者は第3回目(9月)に調査し彪彼の自尊感情測定尺度 の得点が47点と大幅に減少していることが気にかかり、 r何か両親 とトラブルでもあったのですか」と尋ねると、彼は父に、 rお前は. 本当に音楽の才能があると思っているのか」と言われ、それ以後考 え込むようになつだと語り、 「最近、父親の意見が正しいと思える. ようになつta」と、自己を冷静に見つめるようになつtaことが伺え 拒。. しかし、彼は9月の下旬にとうとう家出をしてしまつ海。筆者は 彼の母親に連絡をし、彼の下宿先の住所の確認をしたところ、母親 はr大阪にいることは確かですけど住所はわかりません」と語っだ。. 9月28日の夜に彼から電話があり、 「住所は言えませんが、大阪 の友達の下宿にいます.どうしても音楽関係の仕事がし距くて家を. 飛び出しましたsとはっきりしだ口調で語り「先生にはお世話にな りまし彪。仕事頑張ります」と明るく語っ距。筆者のrお母さんが. 一47一.
(50) 心配しておられるので連絡しなさい」に、彼はr連絡します」と約 束した。. (e)彼はもともと自尊感情が高く重要な他者からの賞賛を求める タイプである。しかし、父親の真剣なアドバイスによって、彼は自 己に対してきずき、自己注視が高まり、自己を冷静に見つめるよう. になつ距。その結果が、9月の薗尊感情に影響し距ものと推察され る。. (f)彼の母親のように、子どもの性格や資質にあっ距専門科目や 職業選択ということは二の次で、とにかく見栄えのよい大学という ことだけを目的に、子どもに受験を強要するケースが多々見かけら れる。本面接を通して感じたことは、浪人生を持つ親にとって大切 なのは、勉強以外での親子の心の交わりと、暖かく見守る態度であ る.高等学校進路指導の課題として、受験に生徒が失敗し浪人が決 定した時点において、父兄と面談を実施し浪人生への配慮の方法を 指導する必要があると考える。. 一48一.
(51) 大学入試改革の影響. 顔色の白いガリ勉 タイプが多い. コンビz・・一一タを. するとは思わな かった 合格するとは 思わなかった. 別世界に いるみたい. コンピュV・“bタの. ぼくはサッカーを やっていたので顔 が真っ黒. 得意な者が多い. (優越感と劣等感の交錯). ム㌣. 大学イメージ だけで進路選 択したのが悪 かった. 講義内容の レベルが高 く全然わか らない. サッカ・…部に (葛藤). 入る余裕がな い. 4年間で卒業. (反省). できるだろうか がい. 単位を落と しそうだ. 容違式 内と形 験唐文 試高論. もっと大学の 情報を収集す べきだった. 自分のタイプ に合う友人が 少ない. (不安). 図6 A男の連関図(大学イメーージ崩壊のタイプ).
(52) カ.大学イメージ崩壊のタイプ. A男(面接NO15)図6 自尊感情測定尺度合計得点 1月53,5月54,9月44 (a)彼は、県内の某公立大学へ進学し彪生徒である。 r合格する とは思わなかっ炬」の言葉から、彼は、合格の可能性が低いと考え、 その大学について十分な探索を行なわなかったのである。その結果、 大学生活に馴染めなくて苦悩しているのである.. (b)このような事態の原因を、彼は次のように語っている。 r大. 学イメージだけで進路選択したのが悪かった」rもっと大学の情報 を収集すべきだっ彪」と述べ、後悔している様子が伺える.彼のよ うに大学イメージだけで進路決定することによって苦悩する卒業生 が多く見かけられる。 r自分の考えてい彪学科と違っ彪」 (面接NO. 14)・「取得できると思っていた免許がとれない」(面接NO16)・ 「大学のイメージが自分の性格に合わず嫌い」 (面接NO17)などの. ように自己の描いていた大学イメージとは異なり、一時的に不安定 の状態に陥りやすい。. (c)彼は高校時代サッカー部の副主将として活躍し距生徒であり、 大学入学後もサッカーを続けていき彪い希望を持ってい彪。 しかし、彼は勉強に対して不安を抱きサッカV・・部に入部する精神. 的余裕ができていない.そのことが、 r講義内容のレベルが高く全 然わからない」からも推察できる.. 一50一.
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