社
会系教
科教
育学会
『社会系教科教育学研究』
第16
号 2004
(pp.29-36)
共感的理解をくみこんだ社会科授業開発
一小学校
5年生産業学習厂
酪農」を事例
として
Development
A Case
of Curriculum in Social Studies Including "Empathic
of Industory Unit "Daily Farming"
in
the 5
° Grade
U
n
d
e
r
st
u
n
d
i
n
g
¨
木
谷
静
香
(北
海
道教
育
大
学
大
学院
旭
川校)
I
は
じめに
共感的理解
を主たる
目標に掲げた社会科授
業に
対するこれ
までの批判は
,およそ次の
三つにまと
めることができる。
・社会の
しくみ
などをとらえさせる側面が弱
く,
科学的な社会認識教育と
して不十分である1
。
・価値注入に陥る危険性が大きい2
。
・
匚
共感」とは何かが曖昧である
。そもそも匚
共
感
」はそんな簡単にできるのか。
本論においては
,こうした欠点,すなわち,
「社会認識
」が深ま
り,匚
価値注入」にも陥らず
,
学習対象と
した人物の
言動や仕事上の工夫な
どを
共感的に理解
させる授
業開発を試みた
。
まず
,本論での授業開発にとって,必要となっ
て
くる要素とその
方略について述べる
(
n)
。必
要な要素とその方略とは匚
共感の深ま
り
」匚
社会
認識の深ま
り」匚
価値注入への配慮」の三つであ
る。
次に
,それ
らの要素を組み込んだ授業の全体構
成を提案する
(Ⅲ)
。本論では,小学校
5年生の
産業学習匚
酪農」を教材と
している
。
H
「共感的理解
」
を組み込むための要素
と方略
匚
共感的理解
」を組み
込むための要素やその
方
略は
,匚
共感的理解の社会科」の代表事例
ともい
える以下の四つをと
りあげ,検討
した結
果か
らえ
たものである
。
取
り上げたものは
,中野重人の
「共感的理解
力
育成
」
をめ
ざ
した社会科である
。
第二に
,香川県中学校社会科研究会
(以後,香
中社
)が刊行
した
『未来
をともに拓
く人間
を軸と
した社会科の構築』
(明治図書,2000
年)にみ
ら
-れる匚
共感的理解
力育成」をめ
ざした睹授業実践
及び
論である。
第
三に
,歴
史教育者協議会の
有
力な実践
家であっ
た
安井俊
夫の
匚
共感的理解
」
を取
り入れ
た社会科
論
・
実践
である。
第四に
,藤岡信勝の社会認識教育論である。藤
岡自身がこれ
こそ
自分がめ
ざす社会認識教育の理
想的授
業であるとした佐久間勝彦の
「自由につい
て」という授
業を取
り上げた
。
紙面の
関係で詳
しい検討は省略するが
,共感的
理解
を組み
込ん
だ社会科授
業が
必ず価
値注入にな
っ
た
り社会
認識
を深められ
ているものでは
ないこと
が明らかになった
。また具体的な人物
を取り上げ
る場合には
,その人物の工夫や苦労を個
人的なも
の
,特殊
なもの
ととらえさせるだけではな
く,そ
の個
人が
生きている社会の
しくみ
と結び付けて扱
えば
よいことが明らかになった。
1
。市民的資質の育成一
「共感」
の深ま
り
本論では
,厂
共感が深まる」ということを次の
ように定義
した
。
i
なぜ
共感
したのか
とその根拠
を問
うこと
ii
他者と自分の持った共感
(根拠も含む)の相
違
を理解す
ること
これ
らを心理学などの成果か
ら導き出
した
。
心理学においては
,匚
共感の深ま
り」とは厂
浅
い共感
」から匚
深い共感」になった
,あるいは
匚
真の共感
」になったという変化の
ことをいう3
.
また心理学でいわれ
ている
4匚
共感
」は
,匚
感
情移入」と匚
感情移入十
認知」という言葉で表す
ことができる。
匚
感情移入」は
,相手の気持ちを積極
的に推
し
29−
表 1 授 業 モ デ ル の主 発 問 と 段 階
単元
主発問
第一次
実践的な基盤づくり
①その人物の果たしている役割ってなんだろう
第二次
共感的理解の深まり
②その人物と同じ立場におかれたとして,あなただったらどのように思いますか
③そ の人物 は仕 事に対 してどんな 工夫をしていま すか,ま た仕事に対して どのよ うな気 持ちをもっ ていま すか
④なぜそのような工夫をしなくてはならない のだろうか
⑤工夫をしなくてはならない原因は何か,それを生み出す社会のしく みはどのようになっているのだろう
⑥そ の人物と同じ立場に置かれたとして,あなただったらどのように思い ますか,それはなぜですか
第一 次 のね らい は, 取り上 げ る教材 に対 し て興 味・ 関心 を持 たせ ること とそ の人 物 の仕事 の内容を 理解 させ ること
で ある。興 味・ 関心を 持た せる方 法とし て は, 体験 的な学 習を取 り入 れたい。 単 に体 験し たと いう もので はな く, 単
元全 体 につ なが るよ うな学習 にす る。 本論 で いうな らば, 例え ば乳業工 場 の仕事を 捉え させ る伏線 にもし てい るので
あ る。
第二 次 のねらい は,主 に 匚
共 感的 理解 の深 まり」 を 行う ことで ある。 ま た「 価値 注入 への配 慮」 も取 り上 げ ること
がで きる。 取り上 げ た人 物 に感情移 入す ること, そ の人 物 の存在 する社 会 のし く みについ て学習 す ること, そして 社
会 のしく みを通し て取り上 げ た人物 や他 の人 々 に感情移 入す ること であ る。 ただし 匚社会認 識 の深 まり」 は第一 次,
第二次全 体で行 う。
量 り , 自 分 が 推 量 し た も の を 相 手 の気 持 ち と す る
も ので あ る。 そ の た め, 実 際 の 相 手 の 気 持 ち と ず
れ る こ と も あ る。
厂
感 情 移 入 十認 知 」 は, 相 手 の 気 持 ち を 積 極 的
に 推 し量 る だ け で な く, な ぜ そ の よ う な 気 持 ち に
な っ た の か を 相 手 の立 場 や 状 況 か ら 把 握 す る こ と
も あ わ せ て 行 っ た 結 果, 推 量 し た も ので あ る。
以 上 よ り , 本 論 で の 共 感 の 深 ま り を , 表 工中 の
③ ⑥ に組 み 込 ん だ 。
2。 社 会 認 識 の 育 成 一 「 社 会 認 識 」 の 深 ま り
本 論 で は, 匚社 会 認 識 の 深 ま り 」 と は 何 か を 考
え る と き, 宮 本 光 雄5 の 論 を 参 照 し た 。 す な わ ち,
事 実 認 識 を 出 発 点 と し, 子 ど も た ち を 科 学 的 認 識
へ と 到 達 さ せ る こ と が 社 会 認 識 の深 ま り だ と い う
宮 本 の 論 に し た が っ た。
筆 者 は, 具 体 的 な 個 人 ( 働 く 大 ) を 取 り 上 げ,
そ の人 の 工 夫 ・ 苦 労 を 共 感 的 に 理 解 さ せ る 社 会 科
授 業 の 開 発 を 最 終 的 に は め ざ し て い る。 し た が っ
て , あ る 具 体 的 な 個 人 の 工 夫 ・苦 労 が そ の 個 人 に
特 有 の も ので はな く, 社 会 の し く み や そ の変 化 に
よ って 生 み 出 さ せ ら れて い る も の と捉 え ら れ た と
き に,「 社 会 認 識 の 深 まり 」 が み ら れ た と し た い 。
社 会 の し く み を 客 観 的 に 理 解 し , 社 会 の因 果 関
係 を 説 明 で き る よ う に な る と い う と き, し く み に
は 二 つ の 立 場 が あ る。 一 つ は, 社 会 全 体 を 把 握 す
る こ と が 可 能 だ と い う 前 提 に立 つ も の で あ り, 今
る6 。
社 会 科 教 育 実 践 に 限 定 し て 言 う な ら, 前 者 の立
場 に よ っ て つ く ら れ た授 業 に鈴 木 正 気7 の も の が
あ る 。
筆 者 は, 鈴 木 の よ う に 「 社 会 的 生 産 労 働 」 と い
う 視 点 を と れ ば, 社 会 全 体 の し く み や 因 果 関 係 が
す べ て わ か る よ う に な る と は 考 え て い な い 。 し か
し , 鈴 木 の1 ’
社 会 科 授 業 は 子 ど も た ち の 認 識 を
匚日 常 の 世 界 」8 か ら 「 科 学 の 世 界 」9 に 渡 ら せ る
も の だII と い う 論 は 魅 力 的 で あ り , ま た こ れ か ら
開 発 し よ う と し て い る 授 業 モ デ ル の 社 会 認 識 を 深
め る 部 分 に は有 益 な も の と 考 え る。
厂日 常 の 世 界 か ら科 学 の世 界 へ つ な げ る こ と」
は具 体 的 な 社 会 的 事 物 ( も の ) と そ れ に 内 包 さ れ
て い る 社 会 的 諸 関 係 と の 関 連 づ けで あ る。 こ の こ
と を 児 玉 修 は 厂も の 」 の 厂背 後 に あ る見 え な い も
の」 が 見 え るよ う に な る, と か 「 見 え る も の 」 に
内 在 す る諸 側 面 ( 関 係 ) を 契 機 に し て 「 見 え に く
い 関 係」 を 認 識 で き る よ う に な る こ と だ と 述 べ て
い るlO
。
要 す る に, 本 論 で の社 会 認 識 が 深 ま っ た と は,
次 の二 つ の場 合 と す る。
i あ る 具 体 的 個 人 が 工 夫 や 苦 労 を し な け れ ば な
ら な い よ う な 原 因 や 背 景 等 を 理 解 す る こ と
ii 日 常 的 な 品 物 を 商 品 ・ 製 品 な ど と し て み ら れ
る よ う に な る こ と
以 上 よ り , 本 論 で の社 会 認 識 の 深 ま り を , 表 1
3。価値注入への配慮
価値注入への配慮と
しては
,とりあげる人物を
一人だけではなく,複数にする
ことで行う
Oこれ
までの共感的理解
を重視する社会科実践では
,共
感させる人物
一人だけを取
り上げるということが
行われ
ている
。そのため
,その
人物の見
方
(価値
)
だけをよ
しとして
,子どもたちに学ばせ
て
しまう
ということが往々に
しておきていた
。
これ
を防
ぐには
ロー
ル
プレイ
という具体的な方
略を取
り入れ
ることにする。
Ⅲ
授
業
「酪農家と乳牛」について
1.ね
らい
<知識
・理解
目標>
酪農家は
自分の
くらしをよ
くするために
,経
営
上
,さまざまな工夫をしな
くてはならない。その
一つの大きな原因と
して乳価
を自分
で設定できな
いということがある
。この乳価
を自分の
思い通
り
に設定できないということか
ら
,さま
ざまな酪農
家の経営上の困難や工夫な
どが説明できるように
なる
。
<情意
目標>
酪農
家のや
りが
いや喜び
,つらさや苦
しさを理
解す
る
。そのための視点は
,仕事の効率を上げる
ための工夫や努力を理解することや酪農という仕
事に対する思
いを理解する
ことさらに
牛という生
き物の誕生か
ら死まで世話
をす
る思いを理解する
ことである。
この授業は
,酪農家の
工夫
・苦労を社会の
しく
み
をふま
えた上で共感的に理解
させ
ることを究極
のね
らいと
している。
社会の
しくみ
というと余
りに大きいが
,本単元
では匚
酪農家は牛乳
を商品と
して生産
し
,それ
を
乳
業会社に売っている
。しか
し
(工業製品とは異
なって)生産者である酪農
家はその売値
を決定す
ることはできない」こと,これ
を社会の
しくみ
と
している。
子
どもたちに
この乳価決定の
基本的なあり方を
つかませ
,酪農家が行っている経営上の
さま
ざま
な工夫
・苦労をこの視
点か
ら説明できるようにな
れ
ば
,社会認識が深まった
といえると考えた。そ
こで上記の
ような<知識
・理解
目標
>
を設定
した
。
-酪農家の
工夫や苦労を理解するということは
,
大き
く
二つある。一つは社会の
しくみ
に関わ
って
しなければならない
工夫や
・苦労
(安い乳価か
ら
た
くさんの利益
を得
るための
仕事の効率化や倹
約)
,
もう一つは,酪農という仕事そのもの
に対する心
情である。
子
どもたちは
,しなければ経営が成
り立だない
工夫や苦労を理解
させるだけでは
なく,酪農家が
酪農
を選んで行
っている理由や酪農へのや
りが
い
や喜びといった視
点か
らも理解できるようになれ
ば
,共感的に理解
しているといえると考
えた。そ
こで上記の
ような<情意
目標>
を設定
した
。
2。単元構成
授
業モデル
は大き
く二つの段階にわかれる
。
第
一次は,厂
実践的な基盤づくり」であ
り,と
りあげた教材について触れ合
うことと記述的知識
を獲得すると
い
う段階である。
第2次は
,と
りあげた人物に感情移入す
ること,
その
人物の存在する社会の
しくみ
について学習す
ること
,そ
して社会の
しくみ
を通
してとりあげた
人物や他の
人々に感情移入す
ることである
。
本時は
,3時間扱いである
(8
・ 9 ・10
/10
)そ
のなか
で
,
「社会認識の深ま
り」
「共感の深ま
り」
「価値注入への配慮」
,この三点が行われ
る段階で
ある。
ロー
ル
プレイによって
,単元全体の
「価値注入
への
配慮」を行
う。
「社会認識の深ま
り
」は
,人物の主観的動機等
の理解
と社
会の
しくみ
,それ
ぞれの
立場
での主張
,
これ
らすべてを整理
し
,
「なぜそのような意見
を
言わ
な
くては
いけなかったのか
」その原
因に
つい
て説明することで行
う。
「共感の深ま
り
」は
,与えられた人物や取
り上
げた人物の気持ちをわかろうと
「感情移入
」をさ
せ
,さらに
「なぜ
その
ような気持ちになったのか」
を考
えることに
よって行う。
以上を考慮
しなが
ら
,本時
を首尾よ
く行
うため
に
,いくつかの条件を設け,工夫を試みた11
。
i ロ
ー
ル
プレイは
,役割に応
じた登場人物の意
見
を子ども自らが調べ
,考
えるもの
であるが
,
ここでは教師が
プレイのための状況設定をし,
31−
表 2 「 酪 農 」 を 教 材 の 授 業 モ デ ル へ の 組 み 込 み( 単 元 の 指 導 計 画 )
時
次
ねらい表1との髓
児童の活動・主な発問
1
牡
<関心 一
<思考・判断> 聯Lがバターへどのように変化するのか、予想できる。
態度〉 バターづくりを通して、牛乳や酪農への興味・関心を持つ。
<知識・ 慟y>
バターが聯Lからできていることがわかるo
< 観察・ 資料・表現〉バターの作り方を資料から読み取ることができる。
①
「バターをつくってみよう」
2
< 関 心・ 態 度 〉牛 乳や 牧 場 への 興 味 一関心 を 持つ。 < 思 考・ 判断> 自 分た ち に とっ て飲 む た め の牛 乳か ら 製 品と し ての 牛 乳で あ る とい う 見方 が でき るo < 知識 ・ 廁y> 孚し製 品 の 生 産の しく み を堋 阮 、牛 乳 が 商品 とな る まで の 過 程が わ かる , < 観 察・ 資料 ・ 表 現 〉牛 乳 の自 給 率か ら外 国 と の食 糧 の 関係 を資 料 か ら読 み 取る こ と がで き る。 ・自分たちにとつて飲むため の牛乳から製品としての牛 乳 へと意識をむける。3
|
ラl
< 関 心・ 態 度> 働 く人 々 の 労働 の つ ら さ等 が わか る。 < 思 考・ 判断 〉そ れぞ れ の 働く 人 々の 仕 事へ の 姿勢 に 対し て 、 自分 な りの も の の見 方 がで き る。 < 知識・ 嚠 午> 酪農 家、 牛 バ 廛 品 を製 造 す る人 々 の仕 事 は 、い ろい ろ あ り 、そ れ は収 入 を 増や す た めだ けに 行 わ れてい るの で はな く 、消 費 者 の願 い に反 応 して い るこ と が わか るo < 観 察・ 資 料・ 表 現> 資 料を 読 み 取っ て 、 働く 人 々 の姿 を イメ ー ジで き る。 「工場づL 製品をつく る人々 はどのようなことに気をつけ ているでしょう」「牛ってどん な動物なのか、 調べてみよう」 「酪農家 の仕 事ってどんなこ とかおるのだろう」「消費者の 願いってなんだろう」 4 ● 5生白
行
<関心・態度>酪農家 の工夫等に対して共感的に廁 伴 る0 <思考・ 判断> 子牛の命について考え、子牛を売るとい う酪農家 の行為について、自分な りのものの見方ができるO <知識・ 堋 早>酪農家や孚し製品の製造工場、 スーパーで働く人々の工夫について廁 伴 るO <観察・資料・ 表現> 働く人々のどのようなことに行為に対して、どのような気持ちを 持ったのか、表現できる。②
③
「大変な仕事なのになぜ酪農 を続けるのでしょう」「牛が好 きなのに、生まれたばかりの 子牛を肉牛として売ってし ま すのはなぜか、酪農家はどん な気持ちなんだろう」6
∩
モ
ル
説
< 思 考・ 判 断 〉工 棠製 品 と 比較 し て 、牛 乳な どの農 梟 生 産物 は 、生 産 者に よ っ て価 格 を決 める こ とが で きな い とい う見方 が で き る。 く 知 識・ 圉 鞐 癡L の価 格 決定 の しく み が わか り 、価 格 は生 産 者 によ っ て決 め るこ と がで き な い とい う こ とが わ かる , < 観 察・ 資 料・ 表 現> 提 示 され た 資 料を 正 しく 読 み 取る こ と がで き る,④
⑤
「酪農家が一生懸命働いても も うからない のはなぜでし ょ う」 7ぺ
<関心・ 態度>それぞれがどのような立場にたっているのか調べたい事柄を持つ。<思考・ 判断> 調べ方を工夫して課題に取り組むことができるo 澗 題を設定して、それぞ れ の立場を調べよう」 8 9 10写
万
<関心・ 態度>牛乳・ 乎喫 品に関する価格のしくみ問題に関係するであろ うと思われる人 物を、その立訃? 観点に応じて、登場させ、 謳 峠 ることによって問額 賍 の複雑さを主 体的に体験させ、お互い の立場を潮 賍 る技能や思いや る心を育てるo <思考・ 判断> 立場の人によって さまざまな考え方があるという見方ができる。 <知識・ 潮7>「 それぞれの登場人物がなぜそのような意見をいわなければならなかったの か」「立場分析」を、 主観的動機等の潮 汐 社会のしくみから説明させることによって、お互 いの立場を潮 袢 る, <観察 帚 料・ 表現〉 役になりきって話し合いができるo⑥
「あなたがその人物と同じ立 場だったらどのように思いま すか。 なぜそう思います瓲」登場 人 物 の発 言 シ ートを つ くり , そ れ にし た が っ
て 前 時 の 活 動 も生 か し 話 し 合 い を さ せ る 。
ii 酪 農家 の主 観 的 動 機 等 の 理 解 , 乳 価 決 定 の じ
構 成 の 最 終 場 面 ) で 行 う。 人 物 の 理 解 の た め に,
十 分 な学 習 準 備 を す る た め で あ る。 そ し て , 授
業 の総 ま と め に な る よ う な 登 場 人 物 を 紹 介 し そ
登場人物は
,酪農家,集乳す
る人,スー
パー
で
牛乳
を販売す
るス
ーパーの店員,乳業会社で乳製
品の製造に関わる人
,消費者である。同
じ職業だ
けれ
ども
,考え方や思
いの違
う人物の設定に
し,
それ
ぞれ
の立場か
ら話
し合
いが行えるようにする
。
と
りあげた登場人物の
どれか
一つの立場に立
つ
という事が行えな
くてもよい
‘。と
りあげた登場人
資料
1
ワー
ク
シー
ト例
ワー
ク
シー
ト6
(名前
)
・酪
農
家、
乳
業会
社の
部
長
、
消費
者の
主
張
に刔
する
感想
を
一言
で
感想
を書
こう
。
それ
は、
色
で表
す
とどん
な色
か
なO
大
きさは
どの
くら
いか
な
。
・話
し合
い
を通
して
、
酪農
家
、乳
業会
社
の部
長
、消
費
者の
、
ど
の主
張
に賛
成か
。
それ
はな
ぜか
。
それ
は、
色
で表
す
とどん
な色
か
な。
大
きさは
どの
くら
いか
な
。
・今日の
授
業の
感想
を書含
ま
しょうO
物に感情移入
していこうとする態度が必要なので
ある
。また
,なぜその
ような気持ちになったのか
,
その説明ができるということをね
らいと
して行
う
か
らである
。
lii
子どもたちに
,共感の深ま
りが起
こっている
か否か
を明らかにするために
,ワークシー
トを
用意
した
(資料
2)
。
この
ワ
ークシー
トは
,次のように使用す
る。
子どもが
,酪農家
・乳業会社
・消費者の
主張
を
聞
き
,自分が特にその
人物に
ついて感
じた感想
を,
言葉で表現させる。さらに
,その感情に色と形を
つけさせる
。
感情というもの
を
,目で見える形と
して表す
こ
とは
,どのようにとらえているのか
,どの
ように
変化
したのか
を
,子ども自身も教師も把握す
るた
めの工夫である
。
3
。
ロー
ル
プ
レイへ
の
教
師の
援
助
単
元
全体
を通
しても
,これ
ま
での
共
感的
理解
を
扱
った授
業の
欠
点
を改善す
るため
に
も
,小
単
元の
ロ
ー
ル
プ
レイの
活
動は
,大
きな意
味
か
おる
。
ロ
ー
ル
プレイ
活
動は
,子
どもた
ちの
積
極
的
な発
言
をす
る姿
勢も
必
要
で
あるが
,教
師の
ス
トー
リー
づ
く
りも必
要
で
ある
。
そ
こで
,本
時の
ロー
ル
プ
レイのポ
イ
ン
トを整理
した
。
(次
頁表展
開
H⑧匚
子
どもの
活
動
)参
照
)
資
料
1
孚L
価
決
定の
し
くみ
(一部
抜粋
)
骼農
家が
牛か
ら絞
った絞
りた
ての
牛乳
を匚
生乳
」と言
い
ま
したね
。
匚
生乳
」は匚
飲
用
牛乳
向け
」と
匚
乳
製
品
向け」
に分
け
られ
ます
。分
け
られ
ても
,も
とも
と
同
じ牛乳
で
どち
らも
同
じ手間
と時
間
をか
け
て絞
られ
た
牛乳
に
変わ
りは
あ
りま
せん
。
匚
飲
用
牛乳
向け
」牛乳の価
格は
市
場に
よ
って決ま
られ
ます
。
これ
は骼
農
家が
出荷
す
る牛乳の
6割
の
量
に値
して
います
。
「 ̄
乳
製
品
向け
」
牛乳の
価
格は
,政
府に
よ
って決め
られ
ます
。政府
は
,乳
業会社の
意
見
をも
とに価
格
を決め
ているの
で
,乳
業会社の
得
にな
り,骼
農家
に不
利に
なる
よ
うに価
格が
決め
られ
る
こ
ともあ
ります
この
。ただ
こ
とか
し,
ら次の
あま
2つの
りにも価
こ
とがわ
格
が
下が
か
りま
る
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と
,政府が
。
骼
農
家に
お金
を援
助す
る
こ
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,酪農
家が
生乳の
値
段
を決
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ことは
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な
い
とい
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飲
用
牛乳
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け」に
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け
の
量
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製
品
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これ
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量
と決め
る
ことも
で
きませ
ん
。
も
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1つは
,酪農
家が
出荷す
る
牛乳の
6割の
量で
ある
「 ̄
飲
用
牛乳
向け
」牛乳の
価格
が低
い
とい
う
ことです
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が
低
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援助
な
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な
い
こ
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か
りま
した
。
33
表 3 小 単 元 ( 第8 ・9 ・10 時 ) 厂
牛 乳 で 得を す る に は 」
指導過
程
子どもの学習活動
誹Uiの発問・指示
導入
①酪農家は牛乳を売る値段を決められないんだ
乳業会社で働く人々は自分たちがもうける二とばかりを考
えているのかな
①前時までの復習をしましようo
牛乳の値段の決定のしくみについてですよ。
次の表の3つがポイント です糺
・酪農家に生乳の隹段は決められない⇔乳業会袒 こ辨 証 決まる
.
「飲用牛乳向け」→大量に出荷、 価格が低く、援助なし
・
「孚L
製品向け」 →援助ありだが乳業会社が得をするような価格
展 開
I
②今日は、この牛乳の値段について考えてもらいますo
今日の課題はこれです八 黒板にはる)
あなたがその人物と同じ立場だったらどのように思いますか,なぜそう思いますか,
剛 膿 家・ 乳業会社の部長・消費者・その他に分かれる。
④場面設定を読みます。
⑤酪農家「牛谷さん」
(男・25 歳匚
消費者「虎山さん」
(男・23 歳)
酪農家「兎田さん」
(女・42 歳)
消費者「鳥峰さん八 女・40 歳)
部長「蛇森さん」 (男・韶歳)
の順番で自己紹介をするO
⑥えっ??
この人に賛成だなo 赤で大きく塗ろうかな0
あんまりよくわからないな。青で小さく塗ろうかな。
③今日皆さんは、 酪農家(4人)・乳業会社の部長(2 人)・消費者(2 人) になってもらいます。 私は司会者をやります。 今 日は、 酪農家 なら酪農家 に なりきってもらいますo な んとなくこ れがや りたいという人はいますか。 ④場面設定を00 さん読んでくだ さい。 今日の問題は、 牛乳の恠段をもっ と安くした らいい んじやない か、いや 安く しなくてもいいんじ やないか とい う問題です よo ただし、さっ き復習し た乳 価決定のしく みをも う一 度思い 出し てください。 ⑤それぞれ の人にプリントを配りま すから、そ れを見て、その人になりきっ たつもりで、 自己紹介をしてくだ さいo 恥ず かし からないでやっ てください 扠 ⑥ワー クシ ートを 見てく ださいo い ま自分がなっ た人物の気持ちに対して、 自分はどのように思うのか、 一言で表して、 色と大きさで表現してみまし よう0展 開
H
⑦プリント を黙読する,
隣の人と話し合いをするO
自分の意見をまとめるために、メモを書く0
⑧部長「ハサップという高い機械によって牛乳の安全隍を守
っているo そのためにも、値段を下げることはできない」
虎山・鳥峰「ハサップは完璧ではない」
牛谷・兎田「高い機械を入れても、生産者の信頼をなくすな
んておかしい」
部長「醯農家に援助してやっているではないか」
牛谷「援助を切って乳価を上げて欲しいo 私たちは乳価を決
められないのだから」
兎田「ブランド牛乳を出すからいい」
虎山「牛乳が高くなるのは困る」
部長「牛乳の価値感覚が安くなると逆に売れなくなる」
牛谷・ 兎田「牛乳の価値には私たちの努力の価値も入ってい
るんですよj
部長「努力はみんな同じだo 夏と冬、売り上げが違うための
やりくりは大変なんだ│
⑦さらに登場人物の意見シート を見ながら主張してもらいます( 資料参照),
それぞれの資料を読んで、 相談したり、自分で考えた意見をっけ加えたり、
アドリブをしたりしてもいいですよ。
−5 分−
⑧では、はじめますo
部長さんは、 酪農家からすると乳価を上げろと言われていますが、それに
対して、 今のままでいいとする説明ができますかo(できない場合は、資料6
の0を読んでみてください)
(特に下線部を話し合いのキーワードとしたい)
牛谷・ 兎田「季節によって収入 が違うのは大変です」 虎山・鳥 峰「私たちは安全でおい しい牛乳が飲 みたい」 ⑨立場を 加えて、ロールプレイ をし てみよ う。 ⑨それぞれ の立場を体験し、別 の立場から再び検討 して みまし ようo