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四国におけるマントル地震の震源分布から推定される昭和南海地震の震源領域

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(1)

四国におけるマン下ル地震の震源分布から

  推定ざれる昭和南海地震の震源領域十

         十六 木村\昌三1・=岡野\健之助・2‥‥ ‥‥‥ I

    ‥‥‥‥  C理学部附属高知地震観測所い高知大学名誉教授)   ▽     十

Focal

R6ポono卜曲e

1946

Nankai∧Earthquake

Inferred……f衣)m

十 the願7poce緋er

Distribution

o仁M:antle

Earthquakes十

 十六 犬1 うnニSh皿泳uレSりuthwest

Japan  ニレ ニ

  \     Shozo KlMUHA^ and Kennosuke Okano^     ‥‥‥‥ ‥‥‥‥ '^ Kochi Earth-quafee ObseruatoりレFaculty) of Science,ノProfessor Em.eritus.

KocJii Uaiue:rsiり

Abstract : The focal distribution (jfmantle earthquakes in the west part of Shikoku iSト examined by using well determined hypocenters√ This examination gives the result that傀he thickness of the focal :distribution layer is 5km at most, which is・common to Shikoku and its vicinity. Since this layer寸S considered∧to correspond with the focal region of the寸946 Nankai earthquake, it 1S natural that the focal regionしnearly。coincides with the・aftershock and tsunami generating regions. Such a coincidence in area among those three reぽions was ordinarily observed for other great earthquakes in Japan, butくin the case of this Nankai earthquake the coincidence was not observed because the fo・cal region extended over both o・fし the terrestrial and oceanic areasレOn the basis of these一results we propose an ideaくthat the 1946 Nankai earthquake occurred by releasingしo仁stress energy:accumulated in the aboveレ mentioned thin focal layer of mantle earthquakesレニ   ケ.・.・・.・・ ・.・    .・.:      十

Key word : Distribution thickness of mantle earthquakes, Linear dimension of aftershock  area, Focal region of the 1946 Nankai earthquake. ・ ・..・ ・.      .・.・    .・..・.

 し       §1 . は じめに   ト      ニ  筆者等(木村・岡野, 1994)は先に四国中・西部に発生ずるマンリレ地震(マツトル最上部で発 生する地震)の震源分布はそめ厚さが極めて薄く,中央部でぱたかだか5㎞に過ぎないことを報告 した.ニしかし,西部(高縄半島よjり西側)ではその厚さが10㎞〉く卜らいに求め=られ,∧両地域における 震源分布の厚さの違いは観測点密度の違いによって生じる震源決定精度の差によ=るもの=と推定した.: すなわち震源分布の等質性柴考慮したために,西部の地震についでは震源決定精度の多少低いもの も取り入れたた\めと考えたレ今回は西部地域のマントソレ地震について震源決定精度の低いと思われ るものを除いて震源分布め厚さを再度検討した.また々ン半ル地震の発生域のP波速度を調べ,き らにマントル地震の余震域の広がりが地殻地震のものjの半分程度であるという結果を得で,十これら

(2)

8 0 からノ地震発生層jがヤノンニトルである:こ∧とレを確認七したレレj し√これまでに提出されでい宍る震源断層キデルが1 触れるご.\ト  …………=ニノニ=………万一万j=j・.1万.・ 四国西部,j=特に西南部に §2. くない4.∧そ。れ故西南部における震源分布ごにう/いて 8月に起こづ\だ日向灘地震の直後から西南部の2 の地域におけプる地震Tにういての=より詳しい

の地震は√こトの期間を中心に=してに精度よ・く求

      ㎜ 7 - - ・ . J   。 ’ " -   W F i g . l に 観 測 点 の 配 置 を 示 す ∧ 同 図 中 レ M T L と \ M I 牡 寸 血 ●   −   ・ ・ ・ ・ - ゝ       ●       ■   ■         ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 線を示す. ひ四ぐ乙Z nHsnA>i  OSHK

Fig.l. Seism如\s皿tionsトf ・白面servation丿コ㎡icroei stationよof KochiトE証ヽthquakeトObservatory University√respectively∠MTLしindioa砲s∇the I\ Tectonic line.  犬 ‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥ ∧四国地方の速度構造は筆者等によこって.詳しく 1991a).つこれによると√地殻内の速度不連続I りレモホ不連続面は南海トうプ付近かヶら中央構 の不連続面の走向が異なうているので,十ぞれら ムを作ること\は面倒であ/り,◇それ程の効果は期 構造やレP波とS波の速度比を用いた.〉/以上のよ 当たってぱ使用する観測点の配置に対す]る震源 ニ=ういjで考察 lにういて プ町グ=ラ

な速度

計算に

を適当に用レ1,

(3)

一 一 四国におけるマントル地震の震源分布から推定される昭和南海地震の震源領域(木村・岡野) 81 S22°E V/H = 2 N.T KUB WMYAOU N22°W 7.8KM/S −0 −10 −20 −30 −40 −50 へ | E 2S

Fig.2. P-wave velocity structure beneath Shikoku drawn on the vertical section of the S22°W-  N22°W direction (after KiMU八八and Ok人NO, 1991)ト \    十

0 1 0 . 0  J  20 ︵1︶^拡aa 3 0 . 0 4 0 . 0   LVM-Model        vp(㎞/s) 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 Vp/Vs  1.65 犬 -1,73 1.75 1.73

Fig.3. P¬wave velocity model (left-hand side) and the ratio of P to S wave velocities  (right-hand side) mainly used for locating hypocenters in this \study (after KiMURA and  OX人NO,1994).       ト

た.地震波の読み取りデータもまたP波,S波め初動の着震時やS−P時間を適宜用いた.用いた

観測点は速度構造の誤差を考慮して震央距離が震源の深さをあまり超えないものを選んだ.

  .・.・ ・.       ・ ..・§3.震源分布 尚  .・・. ・.     ・. ・・・ 四国西部の地震の震央分布をFig.4に,その深さ分布をFig.5に示す∠Fig.4では深さが40kmよ

(4)

82 ︵j︶回aan 5 0 ○ ・ . 0 e。 ・○・ ○ ‥ ‥ ‥ ‥   . ・ = . 0   9 ・ .・ ・ .

F塘淮‥玖聯dしdepth distribution o仁φ:a叫!e……e面怖面峠佃………

上\V:ertical 。sectio・n 6:f th・6 S35°E-N35°W dir・ectionレムj・I〉……ノソレ、。………トj.・:1=゛づy/j

………り・浅い地震だしけを示したが,木村レ・し岡野ダ(1 .ノl."・● "。iJ/JJへI -.`/W・゛J.'W.・-・・.・7 !│'.IJ.・│●・ ・-・ミJ χ͡`゛`″.ニ/・.1. 予灘を走る中央構造線ト(小川ぱか√1992)十に証揉 (日≦40 に平行しし:で伊 ∧j深レざ分布図

(5)

四国におけるマントル地震の震源分布から推定される昭和南海地震の震源領域(木村・岡野)▽83 を見ると分布の厚さが木村・岡野(1994)のものに比べでより薄くなっている.今回の震源決定は 精度がより高いので西部における震源分布の厚さはやはり中央部程度に薄いと考えてよいレそこで 今回もこの震源分布を一枚の平板としでレその傾斜,走向:および厚さを前と同じよしう:に最小二乗法 によって計算すると,それぞれ約9度, E35゜Nおよび5ト6k 「が,>座標原点(観測点WMY)下に おける分布層の中央までの深さとして30.1㎞が得トられた/その結果中央部における震源分布の等深 線(木村・岡野, 1994)と西部での震源分布の等深線が滑らかにっながるようになっ=た‥しかし今\ 回の震源分布の形は中央部に見られるj程フラット竹jはない.これば西部における観測点め数の少な さだけによるものでぱなく,西部地域の分布の複雑性がかかわって:いるとも考えられる.北下が町 の傾斜分布が北の中央構造線あたりで水平になることも複雑性を増すのであノるがレこれは震央分布 (Fig.4)からも分かるように中央構造線より北側の地震くが入ってしいるたダ)でも.ある.また/西部地域ト の傾斜分布が震源分布め走向や傾斜が大きく異なる九州の下に入る梢深発地震帯に接しでいること も関係していてさらに複雑性を増している.       十

       §ノ4.余震分布から見た震源分布の厚さ  ト     ペ

 1984年8月日向灘にM=7.1の地震が起ごったので,高知地震観測所では地震発生直後から約1

年間四国西南部の2点(SKE・,UWJ)で臨時観測を行った. 1984年と1968年の日向灘地震につい

てはOX八NOet

d・.(1985)の詳七い報告がある丿日向灘で訂が7を超える地震が起こると震源域か

ら離れた豊後水道付近でマントル地震の活動が高くなる傾向が見白れるので臨時観測を行ったので

ある.予想の通り,こめ観測期筒め終りに近い1985年5月に,ダ訂=6.:Oという,との地域のマント

ル地震として気象庁の観測開始以降として最大級の地震が愛媛県南部/(高知県宿毛市に近く,以下

宿毛の地震と称する)に起こり,さらにマントル地震としては珍しくかなりの数め余震が観測され

た.このT連の地震の震源分布やメカニズムにづいては木村・.川谷(1985)の報告がある.この余

震群と木震の震源分布令Fig.6に示す.犬  ニレ   し        ………

 一般に余震域の大きさは木震のマグ4,チュT下に比例することが知られている.宇津(1957)は

日本付近に発生する,訂±5.5∼8.5程度の陸域の浅発地震について,余震域の直径(£)と訂の平

均的な関係式として1og£=(頑訂−2を与えでいる.宿毛の地震の訂を6LOとしてこの式から£を

計算すると10kmとなる.\しかしFig.6め余震分布を見る限りその£は4

km程度に過ぎず,その違い

は無視できないレそこで訂が5∼6程度の地震にういで肛とことの関係を調べてみる考,

Table 1のようになる.表から明らかなようにに山陰の地震べNoし2)ニや山崎断層の・地震(No.

3)

のように,震源が地殻内にある地震では計算式と観測値がよく合っているL ところがこれらの地震

に比べで宿毛の地震では観測値が計算値の半分しかないレこの場合,宿毛の地震(No.

6)〉は震/源

がマントル内にあることが原因となってこの差が生七だためと考えられる. \ ‥‥‥  ‥

     ニレ      §5.マントル地震発生層のP波速度ニレ.・  .. ・・ ・..

 マントル地震発生層内の地震波速度にっいては,十地震は沈み込むプレートの最上部を構成する海

洋性地殻の中に発生七ていて,その層内の・P波速度は6.7∼7.0kni/sであり,その下めプ!/一斗本体

の速度は8.2km/s前後という結果が得られている:(たとえばOp人〉et at..1990トHURUKAW八and

ly回o, 1992).しかし木村・岡野(!991a,

1992)による走時解折からはそのような値は得られて

いない. Fig.7は観測点IHRの西部のやや南に発生したいくうかの々ンヘトル地震にっいての合成走

時であるj四国は中央部から南の地域は地殻内の速度不連続面もモホ不連続面も共に傾斜してい]る

ので,見かけ速度を求めるためには南部の観測点の走時を使うのは適当ではない.トそこでなるべく

(6)

84 ︵目一︶mdaa S45°E 1km 3 0 35 ○   ○ ・ ○ . ・ O O   ・ ○   0 . ・ 甘・ ゜(ジ) 町)。 5 S . ・ o ° j l ・ 。 レ ○   ○ ○ ○   ○ Fig.6. Epicente卜=顛dイo肺レdepth  aftershocks near]Sukumoレcity (No.

Table∧1レC・alculated ・andしobserved

NOレ ……Location………

↓しNWパli Kyoto pref 2 C of Tottori pref十 ユソS\o卜Hyogo pref 4 San Salvador・ 5\C〉6fKyoto preト 6\ Syφf Ehi血む栄削 7∧Iyonadaト   ∧ Year M 1968 1983  1984 ニ1986 1987 1985 犬1991 5.6 玖2 ︷ り 7 ︵ u り O n 乙 L Q L O -^ C O L O Depth 0 0 0 1 2 1 λ 仕 1 1   C S l 1 -I T ︱ I C O -^ り小さ・い, これは,選んだ観測点の組み合せ宍によ⑤帽 =6.0)……and……its

合成したと

y7ゾ8km/sよ

漣続面め傾

(7)

四国におけるマントル地震の震源分布から推定される昭和南海地震 (木村・岡野)  85

       コ

︵Q︶﹃﹄\︵︰[︱回−aH

Epicentral Distance (k皿)

Fig.7. Epicenters of mantle earthquakes in the rりgion some ten kilometers west of IHR station  (upper) and their reduced composite travel times \(10wer)レニ    \      \

斜の影響はまぬがれるものの,中央構造線まで続い:ている=云水面の北下り傾斜め影響が入るために

小さくなるのであって,木村・岡野(1994)と同じく√構造め影響を補正するとP。波速度の値とし

て7.8k]ii/sが得られる.この走時解析から海洋地殻に対して2般的に考えられているP彼速度の値

を得ることは困難である.したがって四国では,マダトルの上に4∼5㎞の厚さを持つ海洋地殻が

存在するという考え√すなわぢフィリピン海プレートがそめ上に海洋地殻を乗せて四国の下に沈み

込んでいるという考えは支持できないト      犬 : 二      十   犬

 ニニ    犬      §6.考察  \   し・ … …

 四国西部におけるマントル地震の震源分布の厚さは5知を超えずに中央部と同程度に薄ノいことが

明らかになった.それ故四国および周辺地域もまたこれとそれ程違わない厚さを持っているものと

してこの薄い震源分布を次のように考えてみたト四国め南の南海トラフからブイリピノン海プレニド

が沈み込むと考えるプレート論の立場に立って,このマントル地震の発生層が沈み込む海洋性地殻

に相当するならば,厚さが4∼5kmという点からは調和がよいレ=しかし筆者等が調べたところでは

この地震発生層のP波速度は7.8km/sであって,どのようレに走時解析をしても海洋性地殻の速度

(8)

   . ・      ・       ・     .│・  ・・・ ・.  ・.・ .・ .・:.. ・.r ・.・ ・.・・.・    .    ・ 86 ………\………:………:高匁]大学学術研究報告∧第43巻入ノ::(1り94年=)〈ソケ11万万j :白T然科学ト\ノ:〉……<………/>………:\………     ■  ■      m   ■ ■  ■ ■ (宍卜6・.6ク帚7km/s)を得]る:こ/と\はで:.きな\い二したがレらて=二ヶの地震発生.・層レぱダは画]ヤ………シ……:.ト・・・=ノレ.そ・:の・・・.も

のめ最上部と考えざるを得ない.こそケれ故プ:ジレト

伴うて発生す=ると]しす考えを進めるの/が妥当で、あご(j の考えを支持する.\……=‥‥‥ ‥‥ ‥‥‥‥:………:= 次に§4ソにおいて,………宿毛付近でこ発生した々ヅ下 て小さいこ.とを示した.\Mが∇6の地震で余震域(・ 算される値の半分以下であノる. Table 1に示したゾ 布め最長の長さ)∧の計算値と観測値を見ると,j…………地丿 地震の=/エ=○観測値は計算値に比べて極端に小くさいソ.ノノ

その層を挟む上下部分が延性を持っていて

からないからであると考えられる/しか七√さ〉ら仁ノ皿サlのじ ことが必要であろう・. さ七宿毛の地震の余震域の工が計算値の半分でレあ本仁者レ雨=……,゜ ネルギーを蓄えしる領域iが地殻内I=に比べ七一桁近{小首 内地震では板状であヅて,そノの;厚=さはノ£の0.2う Egjに見ら/れるようにより等方状に近いのでそ4 地震のほぼ半分ぐらいど見積られ乱.ごの見積/りノ =い大きさである丿入こ=れはマツトル地震の発生層の= 串によりし大きなよくネルギごを蓄え得るためと考え え得る歪が大きい・こと√そして弾性定数の大ぎい ざうぱな計算柴してみ/るト\こめ場合岩石に蓄/え得 考えるこ\とにするト ………〉∧ス]……:……万]…… I i・:・J..=1.j、.・・111  弾性体に蓄え石れる体積歪土ネルギーはw=a/汗く①+2万 2μ}/ρド几に√地殻に対す、る値.としで丿戸玖O叫氷上疾+9灘 上部マントル=に対する値土して八八=フゾ8km/s,:ρ.jユ十・3.・,3^ ぞれの層にづいての△(λ=二+2\μ)/が求ま:り:.,・………万Iまた・トy・ らの弾性定数から計算される√\地殻とマントルφ両 2ことこい‥う〉ことになり√前述のマン,ト・ル地震 るごとノと調和ずる.このこjとがマレンヶトル地雇 る一づの根拠である.レトZこ=だ,マン\ドル地震にう:4= =さくらに多くTのマ・ントル地震にっい;七T検討するこ

域では訂が5.5以上のマン=ニト)レ地震が観測され

例とノして伊予灘め地震(No.

7)を挙げでおごう.

値に比べで前記の宿毛近くの地震程ではない力か

震分布域がそれだノけ小さ=ぐ,そφためiこ余震分肴 ので余震分布が大きく見積石れるこjとが考えらレわ \と〉は疑いがない.……ブ般に耳=が:5前後の地殻内地2 斗こ示すように観測値の方が大きトい場合が多いめて 震域は観測値の方が小さこいこjとが分か石トな・お佃 示す観測点MJYの南東約20㎞)\に起こらだサマヅ がかな\り長く=続いたl.ニそ.・.の活動域は南西から北茸

のものと同様にたいへん薄いことが推定灘れてい]

に生じ乙現象に 亡薄い・ごと.ぽこ に比べす目立つ ら計 jlいでの……,£・(:こ・・・にj=懲・・に 値ぱは律等七いが√宿毛の F厚吝がすト=yk皿々あフ……つて,

が広

出す

と比ぺるヶとエ )広がソり\は地殻 の\地震め方jは 体積憾地殻内 そケの差:は無視でぎな ら=j七:tSす,:万同じ容積 はぞの層向岩石に蓄 すい:.jJ:=そこ:でまた大 吐定数にういてのみ く あ 名 ] l … … … j I ・ こ ・ . . = . ご . で 。 y , = 1 = ・ { ・ ( , λ 十 プノをこそ……して最 プを入れるとそれ そしてこれ ぱぽぼ∧1: であ あレる\と考え ぴLj‥I……最近゜こ=の地

伴った

値が計算

l地震jは余 き]き方が大きい いこ ン=jト)レ地震の余 (Fig.!………lこ

いレ執ト群発的活動

マントル地震

(9)

四国におけるマントル地震の震源分布から推定される昭和南海地震の震源領域(木村・岡野) 87  四国地方に現在発生しているマントル地震の震源分布が明らかになづためで√ここで南海地震に ついて考えてみる.南海地震の発生に伴ってその余震がマントルと地殻の両域に発生したのである が,現在起こ・つているマントル地震の震源分布層が上述のように薄いという/ことからレ南海地震に 伴ってマントル内に発生する余震もまたこの薄い層内に震源を持づて分布するであろうことが推定 される丁とごろで南海地震は大陸(プレート)と海洋(プレート)との境界面めすべりレピよっで発 生すると考えられている.したがって,上述のケンドル地震の発生層域全体が震源領域となり,本 震の壊れ始めの震源はその層に沿った位置,特に地殻内地震とマントうレ地震・とがl 2kmの緩衝体 を挟んで接する深さ範囲(木村・岡野, 1992)にあると考えられるので,∧昭和の南海地震の場合, 岡野(1988)ニがP波の初動ベクトルを使って求めた震央(潮ノ岬めやや南)の位置が正しいとす:る と,震源の深さは木村・岡野(1991b)が推定した15kmから20kmが妥当な値であ・る. ……J  次に,一般に大地震の場合余震域と津波の波源域とはほぼ重なる場合が多いが,ト昭和の南海地震 の余震域は四国の東i中部の陸域に及んでいてべたとえば宇津, 1957;竹内ほか, 1987),津波の 波源域(羽鳥,1974)と一致しないことはこの地震の持つ特徴であるとされてきたレ七かし,四国:めレ 島が存在しなくてそこが海であったと考えれば,波源域は現在め四国の陸域をも取り=込むであろ]う から余震域と一致する可能性がある訳で例外とはならなくなる.・・. ・・.・ ・・・ ・.・.・・.    ・・.・〉  さてこの昭和南海地震にはプレートテクトニ=クス論の立場に立った断層モデルがいくつか出さくれ ているが,ぞれらのモデルを作った根拠のデータが最近の観測結果に合わないので,それらにづい て記す.モデルは主として地震波,余震レ測地そして津波のデT夕に基づいて作られている/まず  ・       /   ■    ■     ■       ■         ■余震であるが,余震の多くは紀伊水道を中心にした地域に観測され,四国西部・には殆ど発生して・い ないとされていノる.;しかし当時は戦後の混乱期であったために,四国西部の観測点が殆ど休止状態 (竹内ほか, 1987卜にあ/つたので西部地域の震源が決;められなか・つたからであると考えられる. Fig.8は戦争め影響をそれ程受けない1940∼1942年と南海地震を中にはさんだ19:45∼1947年の各3 年間における, JMAによっで得られた震央分布(綴織∧・吉井のFDコンパイル”micro SEIS”∧に よる)である.図から分かるように,)前の期間では四国の西部から豊後水道にかけての地域は現在 と同じように地震活動が高いのだが,後の期間,南海地震発生の直前から活動か極端に低くなって 131E 1940-1942 137E 36N 32N 1945-1947 36N 32N 131E 137E

Fig.8。トEpicenter distributions ・of earthquakes observed by・・JMA in ・Shikoku ・and 尚itsvicinity.  These figures show tねatthe capability of focal determination in the west part of Shikoku w瓦s

(10)

88▽へ………万:ト………高知大学学術研究報告∧第脂巻……=…………(皿叫白ザ……∧自丿然科学\:…………>レ=.………万………:………∧万∧\ いjる.ゲこのこくとは四国西部における余震の極端、な]低活動が観測j=の不備忙ノよTる=こ白とを示]しでいるとい ぇる・..……それ故四国西部に余震が殆くどなかうた本ソケのレは震源を決=めトるj=j=デ÷……夕.万=カj.i:一得.・ら・・・れな一一ノ であ:る/と考えてよかろう.・\しかも四国西部ぼも卜と卦とy地殻地震の活動が極端仁低い地域であレか\し 懲あ:る/と考えてよかろう.・∧しかも四国西部は:も= たか子で余震は四国東部から紀伊半島西部にか 在の観測結果から判断するレ限り四国西部では東 たとは思われな1い/犬=I………=……:\:= ………∧:=………l………  .次に測地デ.−.夕・にづ.いて\で・あ宍る.が,..三角測量に ているという結果が得レられでい\て,ニごの変動がプ 映していると解釈されて\いる・.エjし・.力・ゝ==し・ながら=Okん 応力場にあるので地表におけ尚る水平変動は当然東 国北部のやや深い所にお廿る\地殻応力の測定\ト(申しメ いるンプ方プレトト内地震とレしで二般;に考え:=ら らiニプレT-・ト=運動に,起因する変動が地表フ 1もまた≫般的な北西方向とは調和しないンも/う☆うム4 の効果であノる.ノその一つは地震が殆ど起こ√らず であり√二他は,……地震め殆ど発生=しない地表に近 り士だ歪め変化を伝えにぐいであレろう=か/ら地下 できないのである/測地デ午夕に見1られる地表 なく,\局所的な==ものである可能性かおるのでは 下水の汲み上げ牡ようトな地表付近で起=こる局所 れているレこれにづいでは,寺田(1935)の√ いるとは限らなjいしという考えに筆者等はよトり‥ 犬津波にづいては,二津波は海域で発生ずる慨で

執南海地震の場合は震源域が海洋とこ陸の両域に]

    ●   I ¶ - = W ・ ・ ・ - ・ ¶ - ■ ■ ■   ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ■ ■ ㎜     ■   ■       ■ ■         ■   ■ ■ た が \ つ て い る と 考 え 右 ぺ ぎ で あ る ご と は 既 に 述 べ す こ .

て断層心ゲデルを作ることは適当でない、

十結論と\してレ南海地震の震源領域はマツ下ル

がりは四国全休に:わた肌▽北は中央構造線ま

部地殻と,<地震が殆ど起こらないマントルに接

ルギ÷が蓄積吝れにく二く√七たがってこめ薄い

べきであろう/そしてそのずネルギニは大陸と

れば最近の観測とのよい調和が見られ乙万のであj めであレろ.う.現 がそれ程低かっ tφ水平変動:をし ぺの=沈み込みを反

は東西圧縮の

八\事実四 南北でソあyるこか レあづて√に万れ y=乙塑性体 すjいノる下部地殻 ■  ■−  ■■■ Sり詞jはゆ万っ‥く 本現れる:ごとは理解 のでは あ=レう……で,1地 万れる爽こ妻が知ら 頂変動を示して 但然で宍はjある ま\だ両域にま ら〕だ波源域に;基づい 卜万5臨の層であノら=レで, 尚観測の精度が向上するにづれて√1970年代に丑 等:についての考え方に観測事実=と:の無視懲きなy 源域仁対する一つ四解釈であるレこのような考え 十との研究を行うに当たjつて,……四国西部でレは東算 学防災研究所地震予知研究セ\シダタ÷徳島観測所ダ 所員の方々レに対して厚……く御礼申]し七げます。十十。 1デで/あぐらヤで,\その広 ム下部がぞれぞレれ下 ・●.●■■■■・・■■ 一 ∼iごため:に歪エネ ;くれ基と考える ソらノれる上と考え ゾカ=≒ズ乱]地盤変動 i/ン1ニ  ー`-、こ・/A1 1、い辰笛たL:……ご・・の.論文は震 l

(11)

から推定される昭和南海地震の震源領域(木村・岡野) a9

文  献

Harlow, D.H., White, R.A., Rymer, M.J. and Alvarez, S.:The San Salvador earthquake of

  丿0 October 1986 巍nd its histrical context. Bull,Seism,Soc.Amし83,1143-1154 (1993)ご  \

羽鳥徳太郎:東海・南海道沖における大津波の波源一1944年東南海, 1946年南海道津波波源の再検討と宝永・

ダ安政大津波の規模と波源域の推定−.地震2, 27, 10-24 (1974).  .・・.・・..    .・

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参照

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