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<資料>大阪における今後の同和行政の基本方向について--自治体の同和行政推進大綱策定にむけた考え方

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Academic year: 2021

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(1)大 阪 に お け る今 後 の 同 和 行 政 の基 本 方 向 にっ いて. ω. ②. ③. ω. 自 治 体 の同 和 行 政推 進大 綱 策 定 にむ け た考 え方 ー. はじめ に. 1. 大 阪 に お け る 今 後 の同 和 行 政 の基 本 方 向 に つ い て. 国. 部 落 問 題 を ﹁も っと も 深 刻 にし て重 大 な 社 会 問 題﹂ と位 置 づ け 、 ﹁あ る べか ら ざ る差 別 の長 き 歴 史 の終 止 符 が 一. 日も 速 や か に実 現 さ れ る よう 万 全 の処 置 を ﹂ と 訴 え た国 の ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 が 出 さ れ て、 ま も な く 三〇 年 を 迎 え よ う と し て い る。. 答 申 の精 神 を 受 け 継 ぎ 、 府 政 の中 心 的 課 題 と し て、 府 の同 和 行 政 は展 開 さ れ てき た。 同和 行 政 の進 展 は、 地 区 住. 民 の努 力 や府 民 の協 力 、 社 会 の発 展 にも 支 え ら れ、 部 落 差 別 現 象 の改 善 と 変 化 を導 い た。 し か し、 部 落 差 別 は な お 根 絶 され て いな い。. こ の間 、 国 内 外 の状 況 は め ま ぐ るし く 変 化 し た。 時 代 の変 化 は ﹁人 権 ﹂ が 新 し い社 会 建 設 のキ ー ワー ド と し て、 ま す ま す 重 要 な 意 味 と 役 割 を 担 うも の へと 押 し 上 げ て いる。. 新 たな 時 代 と社 会 の状 況 は、 い よ い よ部 落 問 題 の根 本 的 な解 決 を 実 現 す る 段 階 に至 った こと を 示 し て いる 。 い つにも ま し て同 和 行 政 の責 任 は重 大 であ り 、 一層 の発 展 への期 待 は大 き い。. 一57.

(2) ω. ②. ㈹. 國. 同和行政推進大綱策定 の意義. ポ スト ﹁事 業 法 時 代 ﹂ にお け る 同 和行 政 の指 針. 一九 九 七 年 三 月 に迫 った ﹁地対 財 特 法 ﹂ の期 限 切 れ は、 一九 六九 年 の同 和 対 策 事 業 特 別 措 置 法 の制 定 以来 四半 世. 紀 にわ た る ﹁事 業 法 時 代 ﹂ の終 焉 を意 味 し て い る。 ﹁事 業 法 ﹂ の存 在 を 前 提 と し 、 ﹁事 業 法 ﹂ の内 容 に色 濃 く影 響 さ れ た これ ま で の同 和 行 政 は 、 今 日 重 大 な転 換 点 に位 置 し て いる 。. 新 た な 状 況 は 、 部 落 差 別 の実 態 に立 脚 し部 落 差 別 の撤 廃 を 見据 え た、 自 治 体 にお け る同 和 行 政 の 一層 の発 展 を 求 め て いる 。. 同 和 行 政 推 進 大 綱 は 、 こう し た ポ スト ﹁事 業 法 時 代 ﹂ にお け る大 阪 の同 和 行 政 の指 針 であ る。. 新 た な 状 況 を 踏 ま え 、 部 落 問 題 の解決 を めざ す 同 和 行 政 の内容 創 造. ﹁事 業 法 時 代 ﹂ の同 和 行 政 は 、大 き な成 果 を 残 し てき た 。 し か し、 部 落 差 別 の撤 廃 は未 だ 実 現 し て いな い。 大 き く 変 化 し た 部 落 の実 態 と 差 別 の現 況 は、 こ の間 の取 り 組 み の大 胆 な総 括 を 求 め て い る。. 同 和 行 政 推 進 大 綱 は 、 ﹁事 業 法 ﹂ 期 限 切 れ に対 す るあ れ これ の善 後 策 にと ど ま っては な ら な い。 総 括 を 踏 ま え 、 部 落 問 題 の解 決 を め ざ す 施 策 の内 容 創造 、 そ れが 同 和 行 政 推 進 大綱 であ る。. ﹁ゆと りと ふ れ あ い の人 間 空 聞 ・大 阪 ﹂ 実 現 への挑 戦. 一58一. 第12号 人権 問題研究 資料.

(3) 大 阪 に お け る今 後 の 同和 行 政 の基 本 方 向 にっ いて. 部 落 差 別 の撤 廃 を め ざす 同 和 行 政 の推 進 は 、 ﹁交 流 と 創 造 の時 代 を先 導 す る大 阪 ﹂ ﹁新 し い豊 か さ の時 代 を 先 導 す る大 阪 ﹂ を 基 本 理 念 と す る、 新 し い大 阪 の街 づ く り の重 要 な 一翼 であ る。. 差 別 のな い街 。府 民 が安 心 し て、 豊 か に交 わ る こと の でき る街 。 そ んな 新 し い大 阪 の街 づ く り への挑 戦 に、 同 和 行 政 の果 た す 役 割 は 大 き い。 同 和 行 政 推 進 大 綱 は 、 大 阪府 新 総 合 計 画 実 現 の不 可 欠 な構 成 部 分 であ る。. ︿参 照 ﹀. 一59一. 二 一世 紀 の大 阪 づ く りを す す め るう え で の大 前 提 は、 世 界 平 和 の下 で、 す べ て の人 々が 国 籍 、 性 別 、 世 代 、 地. 域 を 問 わ ず 、 人 間 と し て尊 重 さ れ 、 交 流 し連 帯 感 を も って対 等 の立 場 で参 加 す る こと が でき る社 会 を つく り あ げ. 計 画策 定 の意 義 ・ 一- 一 ﹁計 画 の基 本 理 念 ﹂ よ り ・ 一九 九 一年 九 月 ). る こと 、 そし てす べ て の人 々 の真 摯 な 努力 が正 当 に評 価 さ れ 、 報 わ れ る 公 正 な社 会 を 実 現 す る こ と で あ る。 第 一章. 大 阪 に お け る 同和 行 政 の概 括. コ 九 六 九 年 答 申 ﹂ は、 部 落 差 別 を ﹁前 近 代的 な身 分 遺 制 が ま つわ り つい て いる と は い え ( 中 略 ) 近 代 に な って. 国 の ﹁同対 審 ﹂ 答 申 を受 け、 本 格 的 な 府 の同 和 行 政推 進 の出 発 点 と な った 府 ﹁同 対 審 ﹂ の ﹁一九 六 九 年 答 申 ﹂. 團. ( ﹃大 阪 府 新 総 合 計 画 ﹄. (1).

(4) か ら のわ が 国 の政 治、 経 済 、社 会 の体 制 が生 み出 し た も の﹂ と の認識 の下 に、 同 和 行 政 は ﹁恩 恵 や憐 欄 で はな く 、. 国 や地 方 公共 団体 に課 せ ら れ た当 然 の責 務 であ り使 命 ﹂ ﹁民 主 行 政 実 現 のた め の基 点 ﹂・ と規 定 。. 同 和 行 政 の目標 を 一般 水 準 に甘 ん じ る こと な く 可 能 な 限 り高 水 準 に お く こと や、 市 町 村 にお け る同 和 対 策 事 業 へ. の実 質 八割 補 助 の追 求 、 同 和行 政 推 進 体 制 の整 備 、 各 分 野 にお け る取 り組 み の課 題 と 対 策 な ど 、 府 の同 和 行 政 の 理. ﹁地 対 財 特 法 ﹂ の制 定 (一九 八七 年 ) を 受 け た 一九 八 八年 二月 の答 申 は、 現 行 同 和 対 策 事 業 の見 直 し の方 向 を. 層 の推 進 や 、 そ のた あ の体 制 の強 化 を求 め る と とも に、 個 人 給 付 的事 業 の再 検 討 を 提 起 し た。. ﹁地 対 法 ﹂ の制 定 (一九 八 二年 ) を 踏 ま え て出 さ れ た 一九 八 四年 二月 の答 申 は 、 総 合的 ・計 画 的 同 和 行 政 の 一. のあ り方 を 五次 にわ た り提 言 し 、 そ の後 の同 和 行 政 に反 映 さ れ てき た。. コ 九 六 九 年 答 申 ﹂ 以 後 、 府 ﹁同 対 審 ﹂ は、 国 の動 向 や ﹁法 ﹂ の変 更 な ど 状 況 の変 化 を踏 ま え た 府 の 同 和 行 政. そ の後 の五次 にわ た る府 ﹁同対 審 ﹂ 答 申. 念 と基 本 方 向 を決 定 づ け た。. ② ①. ②. ③. ま た 、 ﹁地 対 財 特 法 ﹂ 五年 延長 に際 し て取 りま と め ら れ た 一九 九 二年 三月 の答 申 では 、 国 に対 す る ﹁同 和 問 題. 府 内 四八 地 区 の悉 皆 調 査 が 一九 九 〇 年 五月 に実 施 され た。. 提 示 し た う え 、 今 後 の同 和 行 政 のあ り方 を 検 討 す る たあ 、 同 和 地 区 実 態 調査 の必 要 性 を 示 し た。 この答 申 を受 け、. ④. 解 決 のた め の基 本 と な る法 的 措 置 ﹂ の要 望 や人 権 行 政 の積 極 的 推 進 、 現 行 同 和対 策 事 業 の改 革 を打 ち出 す な ど 、 新 た な 同 和 行 政 への転 換 を 示 唆 し て いる。. ・1. 第12号 人権問題研究資料.

(5) 大 阪 に お け る今後 の 同和 行 政 の 基 本方 向 にっ い て. ⑤. 個 別 課 題 に つい ても 、 一九 八 一年 五 月 に は ﹁同 和 問 題 に関す る啓 発 事 業 に つい て﹂ と 題 す る答 申 が打 ち出 され 、 人 権 啓 発 行 政 の 一層 の充 実 が う たわ れ た 。. さ ら に、 一九 八 四年 一二月 に は ﹁部 落 地 名 総 鑑差 別事 件 ﹂ やあ と を 断 た ぬ結 婚 差 別 事 件 の教 訓 を 踏 ま え 、 ﹁部. 落差 別 に つな が る 身 元 調査 を な くす る方 策 に つい て﹂ の答 申 が取 りま と あ ら れ た。 こ の答 申 の趣 旨 は、 翌 一九 八. 五 年 三 月 に制 定 さ れ た ﹁大阪 府 部 落 差 別 事 象 に係 る 調査 等 の規 制 等 に関 す る条 例 ﹂ と し て結 実 し て い る。. ま た 、 差 別 の責 任 を部 落 に転 嫁 す るな ど 、 従 来 の同 和行 政 を 大 幅 に後 退 さ せ る内 容 の総 務 庁 地 対 室 に よ る ﹁啓. 発 推 進 指 針 ﹂ (一九 八 三 年 三 月 ) に対 し ては、 府 と し て の批 判 見 解 を 明 ら か にし 、 国 の ﹁同対 審 ﹂ 答 申 や 大 阪 に. お け る 同 和 行 政 の経 過 と実 状 を踏 ま え た府 の部 落 問 題 に関 わ る基 本 認 識 を 堅 持 し た。. 同和対策事業 の積極的 展開 ( 省略). 大 阪 に お け る 同 和 行 政 の先 進 性 ( 省略 ). 同 和対 策 事 業 改 革 への着 手. 現 行 同 和 対 策事 業 の改 革 に 関 わ り、 近 年 、 運 動 体 か ら の提 起 、 府 ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 の指 摘 、 ﹁府 同 促 ﹂ か ら の提 言. 一61一. ⑥. (3) (41 (51.

(6) ω. が 相 次 い で出 さ れ た 。 こう し た 意 見 を受 け て、 ﹁部 落差 別 の今 日的 な 実 態 を 踏 ま え 、真 に部 落 解 放 に 資 す る 社 会 性. 部 落 の実 態 ・差 別 の現 況. の高 い事 業 への発 展 ﹂ を 目 的 に、 現行 の同 和 対 策 事 業 に関 わ る 本格 的 な改 革 作 業 が個 人 対 象 事 業 を 皮 切 り に 開始 さ れ て い る。. 團. 一62一. 多 様 化 進 む 部 落 の実 態. 国 の ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 が ﹁原 始 社 会 の粗 野 と文 明 社 会 の悲 惨 さ を か ね そ な え た地 区 の実 態 ﹂ と指 摘 し た部 落 の実 態. は大 き く 変 化 し た。 年 齢 別 ・階 層 別 さ ら には地 域 別 に部 落 の実 態 は 多 様 化 し てき てい る。. 実 態 の各 指 標 にお け る低 位 な 平 均 値 が 、文 字 ど お り部 落 全 体 の姿 を 映 し 出 し てい た か つて の状 況 。 こう し た 状 況. にあ って は有 効 であ った ﹁平 均 値 比 較 によ る部 落 外 と の格 差 検 証 ﹂ 方 式 では、 今 日 の多 様 化 し た実 態 に 隠 さ れ た 差. ( 省略). 差 別 事 件 ・被 差 別体 験 の動 向 と 特 徴. き め細 か な実 態 把 握 を 通 じ て、 多 様 性 に隠 さ れ た差 別 の実 態 解 明 の努 力 が 求 め ら れ てい る。. 別 を 見 抜 く こ と は困 難 にな ってき て い る。. (2). 第12号 人権 問題研究資料.

(7) 大 阪 に お け る今 後 の 同和 行 政 の基 本 方 向 にっ い て. ω. 部 落 問 題 に関 す る府 民 の意 識 状 況 ( 省略). 部 落 の生 活 実 態 の概 要. 同和行政 の基本 認識. (省 略 ). 團. 同 和 行 政 の目 的. 同 和 行 政 の目 的 は、 部 落 問 題 の解 決 であ る。 全 ての部 落 出 身 者 が 誇 り を持 ってふ る さ とを 語 る こと の でき る社会 。. 社 会 の全 て の構 成 員 が 差 別 意 識 のく び き か ら解 き 放 され た 社 会 。 人 が人 と し て互 い の尊 厳 を 認 め あ い、 高 め あ う社 会 。 部 落 問 題 の解 決 と は、 こう し た 人 権 確立 社 会 の建 設 のな か にあ る 。. ①. ﹁﹃重 大 な 社 会 悪 ﹄ であ る部 落 差 別 を 解 消 し、 同 和 地 区 住 民 の基 本 的 人 権 が保 障 さ れ た、 差 別 の な い社 会 を実 現. ﹁同 和 問題 の抜 本 的 解 決 を 目標 とす る行 政 ﹂ ( 国 ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 ). それ はま た 、 憲 法 や世 界 人 権 宣 言 の理 念 を現 実 化 す るも の であ る 。. ②. ﹁全 て の国 民 は 、法 の下 に平等 であ って、 人 種 、 信 条 、性 別、 社 会 的 身 分 又 は門 地 によ り 、 政 治 的 、 経 済 的 又. す るた め のも の﹂ ( 府 コ 九九 二年 答 申 ﹂) ③. 一63一. (3) (4).

(8) 第 一四 条 ). ﹁全 て人 間 は、 生 ま れ な が ら自 由 で、 尊 厳 と 権 利 と に つい て平 等 であ る﹂ (世 界 人 権 宣 言. は 社 会的 関係 に お い て、 差 別 さ れな い﹂ (日本 国 憲 法 ④. 部 落 問 題解 決 の行 政 責 任. 第 一条 ). ﹁早 急 な 解 決 こ そ国 の責 務 ﹂ ( 国 ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 ). ② ①. ﹁基 本 的 に は ﹃国 の責 務 であ り 、 同時 に国 民的 課 題 であ る﹄ こと を 認 め る と と も に、 地 方 公 共 団 体 と し て の大. 部 落 問 題 の解 決 のた あ の同 和 行 政 の手法 は、 特 別 対 策 (同 和事 業 ) と 一般 対 策 を 通 じ た施 策 であ る 。 し た が っ. 政 の全 て で はな く 、 あ く ま で そ の構 成 部 分 に 過ぎ な い。. 限 界 か ら 導 か れ た 過 渡 的 措 置 であ る 。 そ れ は今 日、 同 和 行 政 の主 要 な部 分 を構 成 し て いる と は言 え決 し て同 和 行. 特 別 対 策 と し て の同 和 対 策 事業 は、 厳 し い差 別 の実 態 と 早 急 な改 善 の必 要 性 、 お よ び これ に対 す る 一般 対 策 の. は 積 極 的 に推 進 さ れ な け れ ば な ら な い。﹂ ( 国 ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 ). ﹁同 和 行 政 は、 過渡 的 な特 殊 行 政 でも な け れ ば、 行 政 外 の行 政 でも な い。 部 落 差 別 が 現 存 す る か ぎ り こ の行 政. 同 和 行 政 の基 本 的 性 格. 六 九 年 答 申 ﹂). 力 を は か る べき であ る 。﹂ ﹁問 題 の抜 本 的 解 決 のた め に、積 極 的 か つ万 全 の行 政 措 置 を す す あ る こ と ﹂ (府 ﹁一九. 阪 府 は 、 当 然 にそ の責 務 を 分担 す べき であ り、 す す ん でそ の独 自 性 を 発 揮 し て同 和 問 題 解 決 の ため に積 極 的 な努. ②. ㈹ ①. ②. ③. 一64一. 第12号 人権問題研究資料.

(9) 大阪 にお ける今後の同和行政 の基本方向 につ いて. ④. ⑤. ⑥. ω. て、 一般 対 策 の活 用 のた め にも人 権 の視 点 か ら、 一般 対 策 そ のも のの改 革 ・改 善 を お し す す あ る こと が 重 要 で あ る。. 部 落 差 別 は部 落 と 部 落 外 と の関係 に お い て現 象 す るが 、 そ れ を支 え る社 会 の状 況 が 存 在 し て い る こ とを 見逃 し. ては な ら な い。 部 落 問 題 の抜 本的 解決 を あざ す 同 和 行 政 は こう し た社 会状 況 の変 革 を め ざ す も の で あ り、 同 和行 政 を 部 落 対 策 に倭 小 化 さ せ て はな ら な い。. 同和 地 区 住 民 の基 本 的 人 権 の保 障 を め ざ す 同和 行 政 は、 劣 悪 な 住 環境 や貧 困 な ど、 部 落 差 別 の結 果 と し てあ る. 諸 困難 の対 処 療 法 的 な緩 和 策 にと ど ま っては な ら な い。 差 別 の結 果 に対 す る補 償 的 措 置 を出 発 点 に、 地 区住 民 の. 生 活 基 盤 の確 立 と自 立 、 府 民 と の豊 か な 交 わ り の実 現 な ど 、 同 和 行 政 は 人 権確 立を あざす 建設 的行 政 であ り、も っ て人 権 尊 重 を基 調 と し た新 し い大 阪 の街 づ く り に寄 与 す るも の であ る 。. 同和 行 政 の立 脚 点 は部 落 差 別 の具 体 的 な 実態 であ り、 直 接 行 政 を 担 う 地 方 自 治体 の果 たす 役 割 は 大 き い。 同 和. 同和行政 推進 の基本視点と課題. 行 政 は、 自 治体 の自 治 権 行 使 の鏡 であ る。. 囹. 部 落 差 別 の実 態 に立 脚 し た行 政 であ る と の視 点. 部 落 差 別 の存 在 が 同 和 行 政 の出 発 点 であ り、 科 学 的 な 実態 把 握 が同 和 行 政 推 進 の 一切 の前 提 と し て求 め ら れ. 一65一.

(10) る。 ﹁差 別 が 現 存 す るか ぎ り こ の行 政 は 積極 的 に推 進 され な け れ ば な ら な い﹂ ( 国 ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 ). 定 期 的 な実 態 調査 の実 施 ・部 落 の生 活実 態 調査 、 府 民 の人 権 意 識 調 査 の五 年 に 一度 の定 期 的 実 施 実 態 調査 の改善 と 実態 把 握 の工夫. ・多 様 化 し た 部 落 の実 態 や府 民 の意 識 に対 応 し う る調査 内容 の改 善 お よび 階 層 別 調 査 の実 現 ・ク ロス分 析 、 部 落 別 分 析 の重視 ・各 種 相 談 事業 、 対 策 の利 用実 態 な ど 日常 的 な 行 政 施 策 の活 用状 況 へ の注 目 差 別 事 件 の集 約 徹 底 と 被 差 別 体 験 の定 期 的 把 握 調 査 結 果 の活 用 改 善 ・調 査 ← 分 析 ← 課 題 設定 ← 政 策 研 究 のプ ロセ スお よび 体 制 の確 立. 明確な目標と実現 への構想を打ち出した建設的行政 の視点. 部 落 差 別 の結 果 に対 す る補 償 行 政 的 視 点 は 、 同 和行 政 を部 落 外 と の ﹁格 差 是 正 行 政 ﹂ に押 し 留 め てき た 。 同. 和 行 政 は ﹁地 区住 民 の基 本 的 人 権 の保 障 ﹂ を め ざ す も の であ り、 諸 分 野 にお け る人 権 保 障 の明 確 な 目 標 設 定 と 、 そ の実 現 に迫 る構 想 や計 画 の樹 立 が 求 め ら れ る 。. ... ①. ②. ②. ③ ④. 第12号 人権問題研究資料.

(11) 大阪 にお ける今後の同和行政の基本方向 にっ いて. ㈲. ①. ②. 部 落 の住 環 境 の改 善 、 生 活 基盤 の確 立 、 人 材 養 成 、 府 民 の意 識 状 況 の変 革 を め ざ す ﹁部 落 解 放 新 総 合 計 画 ﹂ の 策定. ・周 辺地 域 を も 含 む、 市 の街 づ く り計 画 と 結 合 し た 、 定 住性 ・多 様 性 ・快 適 性 に富 んだ 住 環 境 整 備 計 画 の策 定. ・教 育 、 保 育 、 福 祉 、 雇 用 に関 わ る現 行 基 本 計 画 の改 訂 (課題 と目 標 の明 確 化 、 実 現 への政 策 提 示 ) 。人 権 啓 発 推 進 計 画 の策定 政 策 研 究 活 動 の目 的 意 識的 な 推 進. ・庁 内 担 当 者 や 地 区 代 表 者 は も と よ り、 広 く 英 知 を 結 集 し、 一般 対 策 を も 含 む 部 落 解 放 政 策 プ ロジ ェク ト の確 立. 同 和 行 政 推 進 体 制 の強 化. 一九 六 九 年 答 申 ). は 特 定 の部 局 の請 負 行 政 を 排 除 し た強 力 な統 一的 機構 の下 に事 業 を行 う こ と が 要 求 さ れ る ﹂ (府 ﹁同 対 審 ﹂. ﹁同 和 対 策 は 、 多 部 門 にわ た る複 合 的 か つ総 合 的 事業 であ る か ら、 これ ま で の縦 割 り行 政 や窓 口行 政 あ る い. 縦割り行政 の弊害を排し、地 区住 民を機軸 に据えた総合行政推進 の視点. ①. ・府 ﹁同 対 審 ﹂ の政 策 検 討機 能 の強 化 ・同 和 対 策 室 、 同 和 教 育 企 画 室 の企 画機 能 の強 化. 一67一.

(12) ・全 庁的 連 携 体 制 の充実. 総 合 行 政 と し て の生 活相 談 活動 の充 実. ・市 町村 行 政 と の連携 強 化 ②. 差 別 撤 廃 への地 区 住 民 の自 覚 を 高 あ 、 自立 を促 進 す る視 点. 制 の確 立. 解 放 会 館 を コ ント ロー ルタ ワ ーと し た、 地 区 内 施 設 、 職 員、 相 談 員 、 指 導 員 等 の連 携 機 能 の強 化 お よび 連 携 体. り 組 み を を コーデ ィネ イ ト す る シ ス テム の開 発. 地 区 住 民 の生 活 設 計 に関 わ り、 各 種 施 策 の活 用 や 当事 者 の努 力 課 題 設 定 な ど 、 人 を 基 軸 に各 種 の適 切 有 効 な 取. ④. ③. ㈲. 被 差 別 の立 場 にあ る地 区 住 民 の自 覚 と 自立 な く し て部 落 差 別 の撤 廃 は実 現 し な い。同和行政 はそ の条件整 備 を 担 い これ に寄 与 す るも の でな け れ ば な ら な い。. 差 別 の撤 廃 を あ ざ す、 自 主 的 な地 区住 民 の取 り 組 み と の連 携 は、 自 覚 ・自 立 を 高 め る同 和 行 政 の基 本. 問 題 意 識 と合 致 し て こそ、 課題 解 決 の力 と な り う る。. 課 題 解 決 に ﹁何 が 問題 か﹂ と の行 政 的 認 識 は 、 ﹁何 が 問 題 と し て意識 さ れ てい る か﹂ と の 主 体 た る 地 区 住 民 の. ︻自 覚 ・自 立 を 高 あ る同 和 行 政 の運 営 ︼ ①. ②. ︻自 覚 ・自 立 を高 め る同 和 行 政 推 進 に関 わ る組 織 整 備 の課 題 ︼. ・:. 第12号 人権問題研究資料.

(13) 大阪 における今後 の同和行政 の基本方向 にっ いて. ③. ②. ①. 同 和対 策 事 業 の受 給 者 組 織 お よび 自 発 的 階 層 別組 織 に対 す る協 力 、 支 援. ﹁地 区 協 ﹂ の組 織 整 備 と機 能 発 揮 のため の援 助. 同 和 対 策事 業 執 行 に お け る ﹁同 促 協 ﹂ 方 式 の徹 底 と、 ﹁府 同 促﹂ の機 能 強 化. ︻自 覚 ・自 立 を高 め る 同和 対 策 事 業 改 革 の課 題 ︼. 部落 問 題 解決 に 資 す る も のと な って い る のか 、社 会 性 を 有 し て い る のか 。 今 日 の部 落 の実 態 を 踏 ま え 、 こ の 二 つの視 点 か ら の現 行 同 和対 策 事 業 の積 極 的 改 革 ・目 的 を 達 成 し た 事業 お よ び効 果 の乏 し い事 業 の廃 止 ・ 一般 対 策 の積 極 的 活 用 と 、 そ のた め の同 和 行 政上 の配慮. ・生 活 支 援事 業 を 必 要 と す る 対 象者 の限 定 と 、 真 に生 活支 援 とな り う る事 業 内 容 への改 革. ・教 育 や就 労 対 策 お よ び 人 材 養 成 に 関 わ る事 業 な ど 、自 立 促進 のたあ の奨 励 的 事 業 の充 実 ・地 区 内 啓 発 活 動 の強 化. 地 区 住 民 の人 権 保 障 、 自 立 促 進 、人 材 養 成 に必 要 な 施 策 で、 現 行 の同和 対 策 事 業 や 一般 対 策 に欠 落 し て いる も の に関 わ る新 規 事 業 の創 出 地 区 の実 態 改 善 に有 効 な も の への 一般 対 策 の改 善. 部落外対策強化 の視点. ③. ②. ①. ⑤. ・`.

(14) ㈲. 部 落 問 題 は ﹁部 落 の問 題 ﹂ では な く 、部 落 差 別 を 残 し て い る今 日 の社 会 の在 り よ う が問 われ てい る問 題 であ. ②. ①. 同 和 教 育 ・人 権 教 育 の 一層 の充 実 と、 地 区内 外 の コミ ュニケ ー シ ョンづ く り、 交 流 連 帯 の強 化 促 進. 人 権 啓 発 団 体 の育 成 支 援. 部 落 問 題 を はじ あ 、 人 権 意 識 の高 揚 を は か る府 民 啓 発 活 動 の強 化. る。 部 落 お よ び 地 区 住 民 に焦 点 を 当 てた諸 対 策 と と も に、 部 落 外対 策 の 一層 の強 化 が求 め ら れ てい る. ③. 結 婚 に際 す る身 元 調 査 や 採 用 選 考 にお け る ﹁統 一応 募 用 紙 ﹂ の趣 旨 違 反 な ど、 差 別 を 温 存 、 助 長 す る制 度 や 慣. 在 日韓 国 ・朝 鮮 人 、 障 害 者 、 外 国 人 労働 者 を は じめ 、 全 て の府 民 の基 本 的 人 権 の擁 護 を 目 的 と し た積 極 的 な施. 習 撤 廃 の取 り 組 み. ④. ⑤ 策 の推 進. 府政全般 の実施 ( 総合計画 ・各種基本計画等) に あ た って は部 落 問 題 の解 決 を は じ あ 一切 の差 別撤 廃 、 人 権 尊. 普 遍 的 に人 権 の観 点 が貫 か れ な け れ ば な ら な い. 部 落 差 別 の撤 廃 を め ざ す 同 和 行 政 は、 民 主 行政 ・人 権 行 政 の原 点 であ り、 あ ら ゆ る府 政 の展 開 に あ た っては. 差別撤廃と人権確立を求あた国際的潮流に学 ぶ視点. ①. 重 の観点 の明確な位置づけ. 一70一. 第12号 人権問題研究資料.

(15) 大 阪 にお け る今 後 の 同 和 行 政 の基 本 方 向 につ いて. ω. ②. そ のた め の当事 者 (団体 ) 参 加 、 自 己決 定 権 を 保障 す る行 政 シ ステ ム の確 立 と 施策 の実 施. 差 別 撤 廃 への 四 つの方 策. ・差 別 は差 別 す る人 々 の人 間 性 を も 損 な う. ・差 別 は社 会 の平 穏 と 世 界 の平 和 を脅 かす. ・差 別 は いか な る意 味 にお い ても 合 理化 され な い. ・差 別 撤 廃 は 、 人 権 の基 礎. 差 別 認識 の 四 つの指 標. 力 が求 あ ら れ て いる. 人 種 差 別撤 廃 条 約 を初 あ と す る人 権 関 係 条 約 や、国際的な差 別撤廃 の取 り組 みの教訓を同和行政 に活かす努. 差別撤廃 と人権確立 を求 あた国際的潮流 に学ぶ視点. ①. ②. ・差 別 は許 す べか ら ざ る社 会 悪 と し て法的 に宣 言 し 、 禁 止. ・差 別 の結 果 に よ る劣 悪 な 実 態 に関 し ては、 特 別 の積 極 的 な 施 策 を講 じ る こと に よ って改 善 し、地 区住 民 の自 立 と 解 放 への人 材 養 成 を 促 進. ・差 別 意 識 を 教 育 、 文 化 、 マ スメ デ ィ アな ど を通 じ た積 極 的 な 取 り 組 み に よ って撤 廃 ・共 生 の権 利 承 認 の徹 底 、 お よび 、 地 区 内外 住 民 の積 極 的 な 交 流 連 帯. 一71一.

(16) 国際人権諸条約 の内容 の府政 へ反映. 部落差別行為 による被害者 の救済措 置 の確立. 部 落 差 別 行 為 に よ る被 害 者 の救 済 は、 差 別 撤 廃 を め ざ す 責 任 あ る 同和 行 政 の前 提 条 件 。 差 別 に よ る被 害 者 の. 心 の傷 は癒 えな いが 、 被 害 の拡 大 を く い止 め 、 救 済 に結 び つく有 効 策 の確 立 が求 あ ら れ て いる 部 落 差 別行 為 を 停 止 さ せ う る措 置 の確 立 加 害 者 に対 す る法 的 責 任 の追 及 に関 わ る支 援 就 職 差 別事 件 な ど によ る被 害 回 復 への補 償 措 置. 府民的 課題 として部落問題 の解決をめざす視点. 部 落 問題 の解 決 は全 府 民 的 課 題 であ る。 差 別撤 廃 の取 り組 み に積極 的 な府 民 の参 加 、 協 力 を 促 す 同 和 行 政 の 展 開 が求 め ら れ て い る 部 落 問題 解 決 に関 わ る府 民 合 意 の形 成 と し て、 ﹁部 落 差 別撤 廃 条 例 ﹂ の制 定 市 民 団 体 、 教 育 団 体 、 企 業 、 宗 教 な ど、 各 種 人 権 啓 発 団 体 の育 成 ・支 援 マ ス コミ に対 す る積 極 的 な 働 き か け. 一72一. ③. ㈹. 働. r. ●OO 000. 第12号 人権 問題研 究資料.

(17) 大 阪 に お け る今 後 の 同 和 行 政 の 基 本 方 向 につ いて. ω. ④. 紙). ﹁ 地 対 財 特 法 ﹂ 期 限後 の法 的 整 備 に つい て. ( 別. 分 野 別 課 題 と 目標. 人 権 啓 発 ・差 別撤 廃 の取 り組 みを 府 内 全 域 で網 の目 に推 進 す る リ ーダ ー の育 成. 図. 團. 部 落 問題 解 決 のた め の法 的 整 備 の意 義. ﹁国 の責 務 であ り 、 同 時 に国 民 的 課 題 ﹂ と 規定 さ れ た部 落 問 題 の解 決 は 明確 な社 会 的 意 志 。 重 要 な 社 会 的 規 範. ﹁同 和 行 政 は特 殊 行 政 でも な け れ ば 、 行 政 外 の行政 でも な い﹂。 同和 行 政 の社 会 性 を 高 め る ﹁法 ﹂ の存 在 。. に関 わ る ﹁法 ﹂ の整 備 は、 法 治 国家 に お け る当 然 の表 現 。 ②. 今 後 の同 和 行 政 で重 要 性 を 増 す 差 別意 識 の払 拭 、 人 権 意 識 の高 揚 に 関 わ り、 部 落 差 別 撤 廃 を めざ す ﹁法 ﹂ が 存. 二 つの目 的. 求 め ら れ る ﹁法 ﹂ の内 容. 在 す る こと の持 つ啓 発 効 果. ③. ①. ② ①. ・部 落 問 題 の速 やか な 根 本 的 解 決. 一73一.

(18) ・差 別 な き 民 主 社 会 の実 現 への寄与 三 つの基 本 手 段. 国 に対 す る ﹁法 ﹂ 整 備 要 求 は、 部 落 問 題 解 決 に真 に責 任 あ る態 度. ②. ・環境 改 善 、 福 祉 、 産 業 職業 、教 育 面 の差 別 の実 態 改 善 のた め の同 和対 策事 業 の実 施 ・教 育 、 文 化 、 広 報 活 動 を 通 し た 差 別 観念 の払 拭 と 人 権 意 識 の高 揚. ・部 落 差 別 調 査 や 就 職 差 別 等 の悪 質 な 差 別行 為 に限 定 し た法 的 規 制 の導 入 と 実 効 性 のあ る救 済 機 関 の設 置 三 つの基 本 手 法 ・国 、 自 治 体 の責 務 と 国 民 の協 力 ・定 期 的 な 実 態 調 査 の実 施 と 総 合 計 画 の策 定 ・審 議 会 の設 置. ①. 自 治 体 の国 政 参 加 権 の行 使. 部 落 問 題 解 決 の ため の法 的 整 備 の国 への働 き か け. ②. 府 民 の総 意 の代 弁. 人 種 差 別撤 廃 条 約 の即時 批 准. 国 際 人 権 諸 条 約 の批 准 促進 と国 内 法 の整 備 に つい て の国 への働 き か け. ③. ③. ⑧. ω. 第12号 ①. 一74一. 人権問題研究 資料.

(19) 大 阪 に お け る今 後 の 同 和 行 政 の 基 本 方 向 にっ いて. ㈲. ③. ② I L O 一 = 号 条 約 な ど 、人 権関係諸条約 の批准促進. 国際 人 権 規 約 の完 全 批 准. ① 部 落 差 別 撤 廃 への府 民 合 意 の形 成. 自 治 体 立 法 た る条 例 の制 定 によ る 円滑 な同 和 行 政 の推 進. 部 落 差 別 の撤 廃 を め ざ す 府 の条 例 の制 定. ② 自 治 権 の行 使 、 地 方 分 権 の具 体 化. ﹁大 綱 ﹂ 具体 化 のた め に. ③. 團 ( 省略). 一75一.

(20) はじめ に. ︿引 用 ・参 考 文 献 / 部落 解 放 ・人権 啓 発 の 発展 のた め に ( 提 言) ﹀. 団. 調 査 を 教 訓 と し て先 進 的 な 取 り組. 近 年 発 生 し て い る差 別 事 件 や 意 識 調 査 の結 果 を 見 るか ぎ り 、 ほ ん と う に ﹁これ で い い のか 人 権 啓 発 ﹂ ﹁こ れ で い い のか社 会 同 和 教 育 ﹂ と 考 え ざ るを 得 な い面 が多 々あ る。 た し か に差 別事 件 や意 識. み が 展 開 さ れ て いる と ころ も あ る 。 し か し、 少 なく と も こ の十 年 ぐ ら いに発 生 し た大 阪 府 内 の差 別 事 件 や意 識 調 査 を. 客 観的 に分 析 し 、 そ の背 景 と 今 後 の課 題 を体 系 的 に明 確 にし た よ う なも のは私 たち か ら の提 言 以 外 ほと んど な い。. 近 年 、 差 別 意 識 の克 服 が 各 方 面 で重 視 さ れ てい るが 、 着 実 に推 進 し てい く たあ に は体 系 的 な プ ラ ンの作 成 を 急 が ね ば な ら な い。. 差 別 は 被 差 別 者 だ け でな く 、 結 婚差 別 に見 られ る よう に差 別者 を も 不幸 にす る。 そ の意 味 で人 権 啓 発 はす べ て の入 の人 権 確 立 にと って極 め て重 要 な 問題 であ る。. 以 上 のよ う な 視 点 に立 って、 私 た ち は 大阪 府 、 大 阪 市 を はじ あ 各 地 方 自 治体 に、 部 落 差 別 を は じ め あ ら ゆ る差 別 の. 撤 廃 と 人 権 確 立 を め ざ し た ﹁新 人 権 啓 発 プ ラ ン﹂ の作 成 と それ を ふ ま え た 具体 的 取 り組 みを 求 め て いる。 以 下 は 、 そ のた め の課 題 (要 求 内 容 ) と そ の根 拠 であ る。. 一76一. 第12号 人権問題研究資料.

(21) 大阪にお ける今後 の同和行政の基本方向 にっいて. 図. 大 阪府 に お け る差 別 事 件 ・差 別 意識 の現状. ω 一部 落 差 別 事 件 の現状. 一九 八 五 年 か ら 一九 九 三年 に発 生 ・発 覚 し た 部 落 差 別事 件 は、 大 阪 府 内 にお い て私 た ち が 集 約 し て い るだ け で、 三 千 件 弱 に達 し て いる 。. し か し 、 上 記 の件 数 は あ く ま で発 覚 し、 報 告 ・確 認 さ れ た も のだ け であ る。 水 面 下 の事 件 、 つま り 発 覚 し て い な い. 事 件 は極 め て多 数 に のぼ る と いえ る 。 そ こ で、 発 覚 し た差 別事 件 だ け の傾 向 を 以 下 に指 摘 す る。. [ 落 書 き ・投 書 ・電 話 によ る差 別 ] 差 別 事 件 は、 落 書 き ・投 書 ・電 話 が非 常 に多 く 、 8割 以 上 にな ってい る。. 落 書 き の場 所 は、 人 目 に つき や す い公的 施 設 、 駅 、 公 園 、 道 路 、 大 型小 売 店 な ど が多 く、 電 話 ・投 書 は、 役 所 、 解 放 会 館 、 運 動 団 体 や 同 和 教 育 の研 究 団体 の事 務 所 な ど に対 し て行 わ れ てい る。. 内 容 は、 憎 悪 や 蔑 視 の感 情 に満 ち た攻 撃 的 なも のが 多 く 、 個 人 を 名指 し に し た も の、 同 和事 業 に か ら む ね た み や 反. 発 、 さら に政 治 的 な 意 図 が 感 じ ら れ る も のも あ る。 部 落 だ け では な く 、在 日韓 国 ・朝 鮮 人 、 障 害 者 を攻 撃 の対 象 にし たも のも 多 い。. 計 画 的 でか つ公 然 化 す る傾 向 も み ら れ、 精 神 的 な 暴 力 か ら 肉 体 的 な 暴 力 へと 進 行 す る 危 険性 が あ る 。. 一77.

(22) ・結 婚 差 別 によ って部 落 出 身 者 が 自 殺 す る と いう事 件 が発 生 し て い る。 部 落出 身 者 が結 婚 に反 対 さ れ、 侮 蔑 的 な扱 い. [結婚 差 別]. ・ま た、 行 政 の同 和 対 策 課 に ﹁同 和 地 区 ﹂ か 否 か を 電 話 で確 認 し てく るケ ー スも少 な く な い。. ば自 身 も 差 別 さ れ る立 場 にな る の では な いかと いう 不 安 感 か ら 差 別事 件 が発 生 し て い る。. ・さ ら に ﹁子 供 の出 生 地 と いう こと が ひ っか か る﹂ と いう こと に代 表 さ れ る差 別 意 識 で、 部 落 や そ の周 辺 に居 住 す れ. 格 差 が厳 然 と 存 在 し て いる こと によ って発 生 し て い る事 件 が 多 い。. ﹁同 和 地 区 ・地 区 周 辺 の不 動 産 を 売 却 す る時 は、 他 地 区 と 比 べ て価 格 は 一般的 に安 く取 引 さ れ て い る﹂ と い う 経 済. ・宅 地 建 物 の取 引、 賃 貸 を め ぐ って差 別 事 件 が 続 発 し て いる 。 差 別事 件 当 時 者 であ る 宅 建 業 者 が 語 って い る よ う に. [不動 産 業 界 にか か わ る差 別 ]. ・結 婚 相 談 所 で戸 籍 謄 本 を 提 出 さ せ てい る ケ ー スや 身 元 調査 を奨 励 す る冠 婚 葬 祭 図書 が いま だ市 販 さ れ て いる 。. 非 常 に多 く、 そ の過 程 で、 家 族 に軟 禁 状 態 にさ れ た り、 暴 力 を 受 け た り す るケ ー スも少 な く な い。. ・子 ど も の結 婚 相 手 が部 落 出 身 者 であ る こと を 知 って、 家 族 や親 戚 が 反 対 し 、 結 婚 を あ き ら め さ せ る と い う ケ ー スが. 偵 社 の身 元 調 査 に、 弁 護 士 や行 政 書 士 な ど が 協 力 し てい る ケ ー スも 発 覚 し て いる。. ・家 族 が 身 元 調 査 を す る ケ ー スが 多 く 、 身 元 調 査 に際 し て、 戸 籍 が 重 要 な 情報 源 と し て悪 用 さ れ て い る。 興信 所 ・探. を 受 け る にと ど ま ら ず 、 脅 迫 状 を 送 り つけ ら れ てい る ケ ー スも あ る。. 第12号. ・ま た、 それ を 無 批 判 に受 け 入 れ、 差 別慣 行 を 続 け てき た 業 界 の姿勢 や そ れを 助 長 し てき た 姿 勢 によ って発 生 し て い. 一78一. 人権 問題研 究資料. 卜.

(23) 大 阪 に お け る今 後 の 同和 行 政 の基 本 方 向 に つ い て. る差 別事 件 が多 発 し てい る。. [ 就 職 差 別]. ・興 信 所 に依 頼 し て、 身 元 調 査 を し て い る企業 が あ り、 統 一応 募 用 紙 に違 反 し てい る企 業 、 面 接 に際 し て差 別 に つな. が る質 問 を し て い る企 業 が 依 然 と し てあ る 。 と く に、 ﹁企業 内 同 和 問 題 研 修 推 進 員 ﹂ を 設 置 し て い る 企 業 で も 発 覚. し てお り、 推 進 員 制 度 の形 骸 化 が みら れ る。 こう し た中 で、 中 小 企 業 によ る就 職 差 別事 件 が近 年 多 発 し て いる 。. [ 教 育 現 場 に お け る 差 別]. ・小 学 校 か ら大 学 ま で発 生 し て お り、 子 ど も 間 の発 言 や落 書 き が 多 く 、 子 ど も 間 の発言 は、 口論 や面白 半分 で ﹁え た ・. 非 人 ﹂ と 発 言 す る ケ ー スが多 い。 発 言 の対 象 と な ってい る の は、 必 ず し も 部 落 出 身 の子 ど も と は 限 ら ず 、 相 手 を 蔑 視 す る言 葉 と し て 一般 的 に使 わ れ て い る。. ・落 書 き は、 校 門 や校 舎 、 学 用品 な ど に賎 称 語 を書 いたも の、 個 人 を 名 指 し にし た も の、 部 落 だ け でな く 障 害 児 や 在. 日韓 国 ・朝 鮮 人 を攻 撃 し た も のも多 い。 特 に、 大 学 で の落 書 き は、 政 治 的 な 意 図 を 感 じ る も のが 少 な く な い。. ・教 員 や保 護 者 に よ る差 別 発 言 も 多 く、 教 員 自 身 が部 落 や同 和 教 育 推 進 校 に対 す る 偏 見 を も って いる ケ ー スが あ る。. ・学 校 が発 行 す る ﹃就 職 の手 引 ﹄ に身 元調 査 を 無 批 判的 に受 け入 れ て い る ケ ー スが あ る 。. ・保 護 者 が 子 ども に偏 見 を う え つけ た り、 部 落 の子 ど も と の交 際 を 否 定 す る ケ ー スが 多 い。. 一79一.

(24) ・運 輸業 界 で部 落 に対 す る偏 見 にも と つ く 差 別 事 件 が 多 く、 特 に、 タ ク シ ー乗務 員 が客 と の会 話 で差別 発言 をす るケ ー. [ 企 業 ・職 場 にお け る 差 別 ]. ・公務 員 と し て働 い てい る部 落 出 身 者 が 、 発 言 や 落書 き、 投 書 で差 別 を 受 け る ケ ー スが 少 な く な く 、 民 間 企 業 や病 院. ・啓 発 推 進 団 体 の役 員 によ る 差 別事 件 が起 こ って い る。. 事 件 が 起 こ って いる 。. ・民 間 住 宅 の入 居 で、 部 落 出身 を 理由 に拒 否 さ れ る事 件 や部 落 出 身 だ と知 って、 そ の人 を 組 織 か ら 排 除 し よ う とす る. 差 別事 件 が 起 こ って いる 。. ・部 落 と 同 じ 町 名 にな る こと や学 校 が部 落 内 に移 転 す る こと を め ぐ る事 件 や屠 場 ・斎 場 の移 転 ・建 設 問 題 を め ぐ って. [ 地 域 社 会 で の差 別 ]. ・企業 の役員 や 労 働 組合 の幹 部 に よ る差 別 事 件 が 起 こ って いる。. 耐 え か ね て部 落 出 身 者 が告 発 し て い る場 合 も 少 な く な い。. でも、 部 落 出 身 者 が職 場 の人 間 関 係 で差 別 発 言 を 受 け る ケ ー スが多 い。 特 に、 長 期 間 にわ た って差 別行 為 が行 われ 、. 入 居拒 否 す る事 件 が起 こ って い る。. ・警 備 会社 の職 員 に よ る差 別 事 件 も 目 立 って い る。 テナ ント ビ ルを 扱 う 業 者 が ﹁同 和 に関 係 す る団 体 では な いか ﹂ と. スや車 同士 のト ラブ ル で相 手 を 威 圧 す るた め に、 部 落 解 放 同 盟 員 を 詐 称 す る事 件 も 起 こ って い る。. 第12号. ・行 政 の窓 口な ど で、 行 政 に対 す る 不満 が差 別 発 言 と な って現 れ る ケ ー スや同 和 対 策 事 業 に対 す る ﹁ね た み﹂ 意 識 に. :1. 人権 問題 研究資料.

(25) 大 阪 に お け る今 後 の 同 和 行 政 の 基 本 方 向 に つ いて. も と つ く 差 別 発言 が多 い。. ・ト ラブ ルが あ って、 相 手 を 罵 倒 す る言 葉 と し て賎 称 語 が使 われ る ケ ー スが 多 く、 特 に、 交 通事 故 を あ ぐ る ト ラブ ル で、 差 別 発 言 が行 われ る ケ ー スが目 立 つ。 ・酒 の席 や泥 酔 状 態 、 ま た ノイ ローゼ 状 態 で の差 別発 言 が少 な く な い。 ・ 一部 の政 党 が部 落 に対 す る偏 見 や ﹁ねた み ﹂ 意 識 を 煽 る宣 伝 を 行 って いる。. [ 行 政 ・公 務 員 によ る差 別 ]. ・国 家 公務 員 、 地 方 公務 員 によ る差 別 事 件 が 多 く 、議 員 が同 和 行 政 と の関 連 で、 差 別 発 言 す る ケ ー ス も 少 な く な い 。 ・法 務 局 が差 別 し た加 害 者 側 を擁 護 す る ケ ー スも 存 在 し てい る。. [ 宗 教 者 に よ る差 別] ・教 団 の幹 部 や住 職 に よ る差 別 事 件 が多 く、 信 者 の中 に結 婚 差 別 な ど が起 こ って い る。. ・教 団 の教 師 を 養 成 す る学 校 や 住 職 養成 機 関 で、 講 師 や 学 生 に よ る差 別 事 件 が起 こ って い る。. [マ ス コ ミ ・出 版 関 係 の 差 別 ]. ・出 版 物 で ﹁特 殊 部 落 ﹂ と い う 言 葉 が 比 喩 と し て使 わ れ る 事 件 は 依 然 と し て 多 く 、 ﹁士 農 工商 ○ ○ ﹂ と い う表 現 で比 喩 す る と い う ケ ー スが 目 立 っ て い る 。. 一81一.

(26) ・古 地 図 の中 に蔑 称 が そ のま ま掲 載 さ れ る ケ ー スが依 然 と し てあ り 、賎 称 語 が 不 用意 に使 用 さ れ る ケ ー スも少 な く な. ・週 刊 誌 が 部 落 に対 す る偏 見 に満 ち た 記事 を 掲 載 す る事 件 が 起 こ って いる。. ・教 育 用 の参考 書 の中 にも 差 別 的 な 記載 が あ る。. 意 識 調査 結 果 の概 要. これ ま で、 地 方 自 治 体 によ って意 識 調査 の実 施 に関 し て大 き な 格 差 が あ る が、 も っと も よ く や ら れ て いる と ころ で. 特 に、 項 目 によ る啓 発 効 果 の格 差 を 指 摘 でき る。 たと えば 、 同 和 地 区 の起 源 に つい て のよ う な単 な る 知 識 に関 す る項. 3 回 前後 であ る 。 それ ら 三 回 にわ た る 調査 結 果 を 総 合 的 に分 析 す ると 、 いく つか の傾 向 を指 摘 でき る が 、 そ の中 でも. ②. ・部 落 差 別 を 助 長 す る ゲ ー ム ソ フト が ア メリ カ で作 ら れ 、 日本 で市 販 さ れ た 。. ・パ ッケ ット 通 信 で、 部 落 地 名総 鑑 や差 別 文 書 を 送 信 す る事 件 が 起 こ って いる。. [ 新 た な 形態 の差 別]. ・外 国人 の執 筆 し た 出 版 物 の中 にも 差 別的 な 記述 があ る。. 図的 に差 別 用 語 を 使 用 す る ﹁落 語 会﹂ が開 か れ ると いう 状 況 が 生 じ てき て いる。. ・ ﹁放 送禁 止 用 語 ﹂ ﹁禁 句 集 ﹂ に対 す る反 発 も あ り 、 一部 に ﹁差 別 す る自 由 ﹂ を 主 張 す る出 版 物 が 発 刊 さ れ た り 、 意. い。. 第12号. 目 に つい ては 、 調 査 の実 施 毎 に正 し い知識 を持 つ人 が増 加 す る の であ る が 、 態 度 や 部 落差 別 を な く す 方 法 な ど の項 目. 一82一. 人権 問題研究資料.

(27) 大阪 にお ける今後 の同和行政 の基本方 向について. では ほ と んど 変 化 が な いか 、 マイ ナ ス にな って いる場 合 す ら 見 ら れ る。.  り. 大 阪 市 民 の意 識 調査 結 果 にお い て は、 部 落. なり. り乙. 04. 差 別 を な く す 方 法 に つい て、 ﹁そ っと し てお け ば 自 然 に差 別 は な く な る﹂ が、 九 〇 年 調査 で a %、 八 五 年 調 査 で a %.   ロ リ と な って い る。 ま た 、 ﹁同和 地 区 の人 々が 分 散 し て住 む ﹂ が 九 〇 年 調査 で4 %、 八 五年 調 査 で q % と な ってお り、 ﹁寝 己 ー ⊥. た 子 を 起 こす な ﹂ 式 の考 え 方 や ﹁部 落 分 散 論 ﹂ と い った 誤 った考 え方 が 増 加 し て い る。 こ のよ う に、 数 回 にわ た って. 同 和 教 育 の方 法 は、 映 画 ・ビ デ オを 見 せ ると いう のが 多 い。. 学 校 に比 べ て高 校 が低 く 、 大 学 は さら に低 く な って いる。. 二〇 歳 代 の人 の場 合 、 八 割 近 く が 学 校 で同 和 教 育 を受 け てい る。 学 校 別 に み ると 、 一般 的 な 傾 向 と し て、 小 ・中. [学校 教 育 ]. 以 下 、 項 目 別 に結 果 を 紹 介 す る。. お こな わ れ て い る調 査 結 果 を 総 合 的 に分 析 す る 必 要 も指 摘 し てお き た い。. ①. ②. 同和 教 育 の感 想 で、 ﹁逆 効 果 にな った ﹂ と いう 回答 は、 ﹁変 に意 識 す る よ う にな った﹂ ﹁そ の人 た ち は 特 別 な 人 な. ん だ と思 ってし ま った﹂ と いう内 容 であ り、 事 例 と し て ﹁被 差 別部 落 が暗 いも のと いう イ メ ージを 植 え つけら れ た﹂. ﹁同 和 地 区 の人 と 関 わ りを 持 ったら 苦 労 す る と いう内 容 で、 差 別 し ろと 言 って いる よ う に 思 え た﹂ ﹁中 学 で、 面 白 半 分 に受 け 取 って、 差 別 的 な 遊 び や言 葉 が は や った ﹂ な ど が あ った。. [ 啓 発活 動 ]. 一83一.

(28) ①. ②. ①. 啓 発 活 動 への接 触 状 況 を み ると 、 講 演 会 ・研 修 会 な ど の学 習 会 に参 加 経 験 のあ る 人 は 、 か な り 地 域 差 が あ る が 、. き め細 か い学 習 活 動 を 長 く実 施 し て い ると こ ろは 、 一般 的 に参 加 率 が 高 く な って いる 。 2 回 以 上 調 査 し た 自 治 体 の 結 果 を み ると 、 参 加 者 は徐 々 に増 加 し て い る。 参 加 回数 は、 一∼ 二回 の人 が 多 い。. 参 加 の動 機 は あ ま り積 極 的 でな い が、 参 加 し た 印 象 は肯 定 的 な も のが 否 定 的 な も のを 上 回 って いる 。 否 定 的 な 印. 象 の中 で は、 ﹁同 じ 話 の繰 り 返 し が 多 い﹂ と い う感 想 が多 い。 不 参 加 の理由 は ﹁知 らな か った﹂ と ﹁関 心 が な い﹂ が多 い。. マ. 研修 会 に 参 加 し て いる 層 は、 職 業 別 に み ると 公 務 員 の比 率 が特 に高 い。 民 間 企 業 で は、 大 企 業 で管 理 職 層 の比 率. (S D 法 ) の 結 果 を 見 る と 、 プ ラ スイ メ ー ジ と し て ﹁働 き も の﹂ ﹁親 切 な ﹂ が 強 い が 、. (の 人 ) に 対 す る イ メ ー ジ ]. が相 対 的 に高 く な ってい る。 年 齢 別 に は、 中 高 年 齢 層 の比率 が高 い。. [ 部落 部 落 へのイ メ ージ 調 査. イ ナ ス イ メ ー ジ と し て ﹁下 品 な ﹂ ﹁荒 々 し い ﹂ ﹁遅 れ て い る ﹂ ﹁閉 鎖 的 ﹂ ﹁暗 い ﹂ ﹁こ わ い ﹂ が か な り 強 い 。. 啓 発 活 動 に 多 く 接 触 し て い る 人 の 方 が ﹁貧 し い ﹂ ﹁遅 れ て い る ﹂ ﹁劣 った ﹂ と い う イ メ ー ジ が 強 い 。. 部 落 差 別 の起 源 に つい て、 ﹁政 治 起 源 説 ﹂ の比 率 にか な り 地域 差 が あ り、 大 半 が半 数 以 下 であ る。. ②. ①. 部 落 差 別 の存 在 に つい て、 半 数 以 上 の人 が 存在 し て い ると 回 答 し てお り、 結 婚 、 仕 事 、 教 育 問題 の比率 が 相 対 的. [ 部 落 問 題 の知識 ]. ②. .,. 第12号 人権 問題 研究資料.

(29) 大 阪 に お け る今後 の 同 和 行 政 の 基 本方 向 に つ い て. に高 い。. ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 と ﹁特 別 措 置 法 ﹂ に つ い て、 内 容 ま で 知 っ て い る 人 は 少 な い 。 特 に、 若 年 層 で ﹁同 対 審 ﹂ 答 申 を. 同 和 教 育 の必 要 性 を 理 解 し て い る比 率 は か な り地 域 差 が あ る。. ③ 知 って い る人 が 少 な い. ①. 同 和 対 策 事 業 の必 要 視 す る比 率 は か な り の地 域 差 があ る。 ﹁部 落 に だ け特 別 対 策 を す る の はお か し い﹂ ﹁他 の差. [ 部落 問 題 の 理解 ]. ②. 差 別 を ﹁犯 罪﹂ と し て捉 え て いる人 は少 数 であ る が、 大 多 数 の人 は差 別 の不 当 性 を 認 め て い る。. [ 部 落 問 題 への態 度 ]. 別 され た人 び と にも 特 別 対 策 が 必 要 であ る﹂ と いう 回答 が多 い。. ①. ﹁自分 は差 別 し な い﹂ と 回答 し て いる人 は半 数 を 超 え てい る が、 ﹁解決 のた あ に努 力 し た い﹂ と い う 人 は 少 数 で. 差 別 的 言 動 を 見 聞 き し た 人 は か な り いる が、 そ の時 ﹁指摘 し て、 反 省 を 求 あ た﹂ と い う人 は非 常 に少 な い。. ②. ③. 子 ど も と 部 落 の人 の結 婚 に つい て、 ﹁祝 福 す る﹂ と い う人 は少 な いが 、 ﹁子 供 の意 志 を 尊 重 す る﹂ と い う人 が多 く. ある。. ④. な って い る。 自 分 の結 婚 に つい て、 周囲 の反 対 が あ っても ﹁自分 の意 志 を 貫 く﹂ と い う人 は、 ほと ん ど の地 域 で半 数 以 下 であ る。. 一85一.

(30) ①. ②. ①. ②. ③. ま た、 結 婚 に つい て、 六 曜 の ﹁大 安 ﹂、 結 婚 相 手 の ﹁家 柄 ﹂ や ﹁身 元 調 査 ﹂、 式 場 で の ﹁家 名 表 示 ﹂な ど に関 し て、 ﹁当 然 の こと と 思 う﹂、 ﹁自 分 だ け反 対 し ても 仕 方 が な い﹂ と 回答 し て い る人 が 多 い。. [ 学 習意 欲 ]. 部 落 問 題 を 含 む 人 権 問 題 を ﹁ぜ ひ学 び た い﹂ と い う人 は、 数 % と 非常 に少 な い。 し か し、 ﹁でき た ら 学 び た い﹂ と い う人 を 含 め ると 、 三〇 % 以 上 にな る 。. 学 び た い テ ー マは、 属 性 に よ ってか な り 異 な る が、 環境 問 題 、 教 育 問 題 、 福祉 問 題 の比 率 が高 いが、 差 別 問 題 に つい て は相 対 的 に低 い。. [ 自由回答]. 部 落 問題 や人 権 問題 に つい て、 自 由 記 述 で書 か れ た 意 見 を 見 る と、 回答 率 そ のも の は 二〇 数 % 程 度 であ る が、 市 民 の本 音 が出 て いる と いえ る。. 残 念 な が ら、 積 極的 な意 見 よ りも 消 極 的 な 意 見 が 多 い。 積極 的 な意 見 に は ﹁人 間 は平 等 であ る﹂と い った意 見 や、 部 落 問題 を 解 決 す るた め の取 り組 み へ の激 励 のよ う な も のが 多 い。. 消 極 的 な 意 見 には 、 部 落 の側 に差 別 の責 任 を 求 め る考 え 方 、 同 和行 政 に よ って優 遇 さ れ て い る と い う 批 判 、 ﹁騒. ぎ 過 ぎ 、 そ っと し てお いた 方 が よ い﹂ と い う ﹁自 然 解 消 論 ﹂ ( ﹁寝 た 子 を起 こす な﹂) の考 え 方 が 圧 倒 的 に多 い。 そ. の他 、 ﹁部 落 を 分 散 し たら よ い﹂ ﹁差 別 は な い﹂ ﹁結婚 と な れば 考 え る﹂ ﹁差 別 は な く な ら な い﹂ な ど の意 見 が あ る 。. :・. 第12号 人権 問題研究 資料.

(31) 大阪にお ける今 後の同和行政 の基本方向 につ いて. 團. 部落実態 調査か ら見た被差別体験. 大 阪 に お け る部 落 差 別事 件 や市 民 意 識 調 査 結 果 か ら差 別 意 識 の現 状 を 指 摘 し てき た が 、 こう し た 根 強 い差 別 意 識 の. 結 婚 に お け る 差 別 は 、 な お 深 刻 であ る。 確 か に、 部 落外 の人 と の結 婚 は年 々増 え てお り 、 夫 婦 と も 部 落 の生 ま れ. 実 態 と と も に、 差 別 は地 区住 民 の被 差 別 体 験 の中 に端 的 に示 され て い る。. ω OJ. OU. ユ の ム が 2。 % 、 一方 が 部 落 外 の生 ま れ が 2 % と な って い る。. し か し 、 部 落 外 の人 と 結 婚 し た 人 のう ち、 一、 九 九 八 組 (2 閥 %) の人 が結 婚 差 別 を 受 け た と し てお り 、 結 婚 式 へ. の出 席 の拒 否 (八 二 〇 組 )、 結 婚 直 後 の つき あ い の拒 否 (一、 〇 一二組 )、 今 でも つきあ いを拒 否 され てい る ( 六四 一. 組 ) な ど 、 先 の数 字 が 単 純 に結 婚 差 別 の解消 を示 し て い る の では な く、 む し ろ、 差 別 を の り こ え て結 婚 す る人 が解 放 運 動 の広 が り の中 で着 実 に増 え て いる こと を示 し て い る。. 同 時 に、 今 回 の調 査 は、 現 に結 婚 し て いる人 を 対 象 に被 差 別体 験 を集 約 し たも の であ り、 差 別 の結 果 破 談 に な っ. た ケ ー スや 、 結 婚 の条 件 と し て地 区 外 の居住 を余 儀 な く さ れ た ケ ー スな ど が把 握 さ れ てはお らず 、 実 際 の結 婚 差 別 の実 態 は さ ら に深 刻 であ ると いえ る。. 一87一.

(32) 被 差 別 体 験 は、 3 "% の世 帯 が ﹁有 る﹂ と答 え てお り、 部 落 外 か ら 流 入 し てき た 人 も こ の中 に 含 ま れ て お り 、 ﹁こ. ま た、 一番 印 象 に残 って いる 被 差 別体 験 の時 期 を ﹁こ の 5年 以 内 ﹂ と し た人 が 3 M % にも のぼ ってお り、 差 別 を 受. }. と ば ﹂ (" %) や ﹁動 作 。し ぐ さ﹂ (翻 %) に よ るも のが 多 く 、 ﹁身 元調 査 を され た﹂ と す る人 も &の% い る。 4 りム. ②. ㈹. けた ア と き の対 処 と し て、 a% が ﹁誰 にも 相 談 し な か った﹂ と し 、 泣 き 寝 入 り を 余 儀 な く さ れ 、人 権 擁 護 行 政 に相 談 5 し た人 は、 わ ず か 酪% にす ぎ な い。. ::. 運 動 団 体 への相 談 も 鴛% と 低 く 、 私 た ち が毎 年 把 握 し て い る三 〇 〇 件 前後 の部 落差 別事 件 も、 氷 山 の 一角 にす ぎ. 今後 の啓発活動 の基本的視点. 第 三 に、 自 主 的 な学 習 ( 自 己 教 育 ) を支 援 す る条 件 整 備 が 行 わ れ る こと 。. 第 二 に、 学 習要 求 を喚 起 す る たあ の環 境 醸成 が行 われ る こと 。. 第 一に、 す べ て の人 に自 己教 育 力 が 保 障 さ れ る こと。. 成 人 の学 習 が保 障 さ れ る たあ に は、 次 のよ う な枠 組 みが 必 要 であ る 。. 今 後 の啓 発活 動 の基 本 的 視 点. 四. な い こと を 示 し て い る。 早 急 な 人 権 相 談体 制 、 人 権 擁 護 体 制 の充 実 が求 め ら れ て いる 。. (11. 第12号 入権問題研究資料.

(33) 大 阪 に お け る今 後 の 同 和 行 政 の 基 本 方 向 にっ い て. 啓 発 活 動 は、 人 権 と い う普 遍的 な 価 値 に基 づ く 、 主 と し て第 2と 第 3 の枠 組 み にか か わ る活 動 であ る と考 え ら れ 、. 部 落 問 題 への関 心を 飛 躍的 に高 め る と と も に、 学 習 への動 機 づ け を 重視 す る。. 以 下 の基 本 的 な視 点 を 提 起 す る。. ①. 部 落 問 題 への関 心 は残 念 な が ら まだ 低 く 、 それ を 飛 躍的 に高 あ るた め の強 力 な 取 り組 み が必 要 であ る。 そ のた め. に、 日本 の政 治 ・経 済 ・文 化 、 そ し て世 論 の形 成 し て いる人 々が 果 た す 役 割 は大 き く、 本 格 的 な 取 り組 み を期 待 し. た い。 環 境 問題 や エイ ズ 問題 に み ら れ る よう に、 部 落 問題 に関 す る大 々的 な キ ャ ン ペ ー ンが企 画 さ れ る必要 があ る。. 部 落 問 題 学 習 は、 自 ら学 習 し た い と思 って参 加 し て いる人 ば か り で はな い。意 識 調査 の結 果 や成 人 の学 習 の原 則. か ら ﹁自 発 的 な学 習 ﹂ が も っと も効 果 を 上 げ る こと は 明 か であ る。 そし て、 ﹁自 発 的 な 学 習 ﹂ を 促 進 す る こと が 、. ﹁啓 発 ﹂ と いう 言 葉 の本 来 的 な 意 味 でも あ る。 そ こ で、 学 習 への動機 づ け と し て ﹁感 情 ﹂ ﹁共 感 ﹂ ﹁自 ら の課 題 で あ る こと に気 づ く﹂、 そし て ﹁自 己 の存 在 感 ﹂ を 重 視 し た い。. 一、 ま ず、 ﹁部 落 差 別 の現 実 に学 ぶ﹂ 際 に、 差 別 を受 け てい る当 事 者 か ら 学 ぶ と い う視 点 を 重 視 し た い。. 生 いた ち や被 差 別体 験 、 部 落 解放 運動 への参 加 と 自 己 変革 の体 験 に学 ぶ中 か ら 、 相 手 の立 場 を 理 解 し 、 差 別 へ. の憤 り と人 間解 放 を め ざ す 運 動 への共 感 が生 ま れ てく る 。 ま た、 部 落 問 題 学 習 の中 心 に水 平社 宣 言 の思 想 を 位 置. づ け る。 そ のよ う な 学 習 であ れ ば、 ﹁か わ い そう﹂ ﹁気 の毒 な﹂ と い った同 情 や ﹁暗 い﹂ と 言 う よ う な イ メ ージ を. 与 え る こと は な い。 む し ろ、 た く ま し い生 き 方 や人 間 の尊厳 の思想 に よ って励 ま さ れ 、 勇 気 づ け ら れ る こと にな る。. 一89一.

(34) ま た 、 部 落 (の人 ) と の心 理的 な 距 離 を つく って いる マイ ナ スイ メ ージ を 克 服 す る た め に、 歴 史 的 な 事 実 と 現. 実 を さ ま ざ ま な側 面 か ら学 ぶ。 水 平 社 宣 言 にみ ら れ る人 間解 放 の崇 高 な 思 想 、 世 界 と 日本 の人 権 運 動 にお い て部. 落 解 放 運動 が 果 た し てい る役 割 、 部 落 の伝 統 的 な 産業 や技 術 、 伝 承 文 化 や創 造 的 な 文 化 活 動 な ど を 旦ハ 体 的 に紹 介. す る。 さ ら に、 一歩 進 め て、 文 化 活 動 な ど に 一緒 に参加 す る。 こ の よう にし て、 ﹁共 感 ﹂ の部 分 を 拡 大 し 、 心 理 的 な 距離 を縮 め て いく こと が必 要 であ る。. 二、 次 に、 ﹁自 ら の課 題 であ る こと に気 づ く﹂ ため に、 部 落 出 身 者 でな い立場 か ら、 部 落 問題 と の出 合 、 な ぜ 部 落. 問題 に取 り組 む よ う にな った のか 、 部 落 問 題 を 通 し て何 が み え てき た のか 、 自 分 自 身 の何 が 変 わ ってき た のか 、 自 ら の体 験 を 語 っても ら う ことを 重 視 し た い。. 特 に、 差 別事 件 を起 こし た人 が、 差 別 し た 原 因 や 自分 の差 別 性 に気 づ く よう にな った 過 程 を体 験的 に話す事 は、. そ れ を 聞 く人 々 に素 直 に自 分 を 見 つめ る機 会 を 作 る 。 そ し て、 ﹁差 別 が差 別 し てい る人 の人 間 性 を も 損 な う ﹂ こ と に気 づ く は ず であ る。. ま た、 部 落 出 身 者 と恋 愛 ・結 婚 し た 体 験 、 反対 し てい た家 族 の自 己 変 革 の体 験 な ど 、 結 婚 差 別 と の闘 い は容 易. では な いが、 そ の中 か ら学 んだ 人 間 的 な 生 き 方 や喜 び が参 加 者 に伝 わ るよ う な 学 習 を す れ ば 、 差 別 と 闘 って生 き る こと の大切 さ を知 っても ら う こと にな る。. そ し て、 参 加者 が自 ら の生 活 体 験 を 振 り 返 り 、 部 落 に対 す る偏 見 が つく ら れ てき た 過 程 の分 析 、 自 分 と差 別 と. の関 係 にお け る加害 性 と被 害 性 の分 析 な ど を 通 し て、自 己変 革 の契 機 を つか あ る よう な 話 合 い学 習 へと 展 開 さ せ. 一90一. 第12号 人権問題研究資料.

(35) 大 阪 に お け る今 後 の 同和 行 政 の基 本 方 向 につ い て. ②. ③. る。 そ のた め に は 、 参 加者 が心 を 開 い て話 合 いが でき る よ う な学 習 方 法 が 必 要 であ る 。. さ ら に、 学 習 会 の中 で、 ﹁自 己 の存 在 感﹂ が満 た さ れ、 ﹁ヤ ル気 ﹂ が出 る よう に配 慮 す る必 要 が あ る。. 部 落 問 題 ・人 権 問 題、 啓 発 の方 法 論 を体 系 的 に学 習 でき る機 会 を つく り、 啓 発 担 当 者 や 推 進 リ ーダ ーな ど の養 成 を重視する。. 部 落 問 題 学 習 に動 機 づ け ら れ た人 が、 部 落 問 題 ・人 権 問 題 の認識 を深 あ る たあ に、 体 系 的 に学 ぶ こと が でき る機 会 や条 件 整 備 を 図 る必 要 が あ る 。. 従 来 、 方 法 論 の学 習 が 軽 視 さ れ て いた が、 啓 発 を 具 体 的 に推 進 す る には、 方 法 論 が重 要 であ り、 そ れ を実 戦 的 に 学 ぶ機 会 が 必 要 であ る。. そ し て、 啓 発 担 当 者 や推 進 リ ーダ ーが 核 と な り、 啓 発 基 本 方 針 、 年 次計 画、 学 習 プ ログ ラ ムや教材 な どを作 成 し、 効 果 測定 を し な が ら目 的 意 識 的 に学 習 を 推 進 す る 必要 が あ る。. さ ま ざ ま な 興 味 や 関 心、 学 習 要求 、 生 活 要 求 と 部 落 問 題学 習を 結 び つけ る 視 点 を 重 視 す る 。. 人 には そ れ ぞ れ 関心 あ る領 域 と無 関 心 な 領 域 が あ る。 部 落 問 題 に無 関 心 な 人 が 多 いが 、 そ れ を 関 心 あ る領 域 に移. 行 さ す た め には 、 さ ま ざ ま な 回路 が つく ら れ る必 要 が あ る。 そ の 一つが 、 関 心 あ る領 域 と 部 落 問 題 と の接 点 を 見 い だ す こと であ る。. 次 に、 成 人 は 社 会的 役 割 を遂 行 す る こと に関 連 し て興 味 や 関心 を も ち 、 学 習 要 求 が 生 ま れ てく る。 例 え ば 、 同 じ. 一91一.

(36) ④. ⑤. ②. 企 業 の中 でも 、 経 営 者 は経 営 と のか か わ り で、 営 業 担 当 者 は 営業 と のか か わ り で、 ま た、 同 じ 個 人 であ っても 、 家. 庭 に帰 れ ば 子 育 てと のか か わ り で、 異 な った学 習 要 求 を 持 つよ う に な る。 と こ ろが 、 部 落 問 題 学 習 に 一般 論 はあ る. が 、 各 論 が 少 な い。 それ ぞ れ の社 会的 役割 と の関 連 で、 部 落 問 題 を学 べ る プ ログ ラ ムと 教 材 が 必 要 であ る。. 一人 ひと り の自 覚 と 実 践 を 求 め る と と も に、 人 権 が 尊 重 さ れ る 社 会 に変 革 す るた め の集 団 的 活 動 を 重 視 す る。. 差 別 的 な 言 動 を ﹁聞 き 流 し て い る﹂ 人 が 多 いと いう意 識 調 査 結 果 か ら も分 か る よ う に、 学 習 と 実 践 と が あ ま り結 び つい て いな い。. 職 場 で研 修 を 受 け た 人 が 、 家 族 と 部 落 問 題 に つい て話 し 合 った り 、地 域 の啓 発団 体 が部 落 解 放 基 本 法 制 定 の署 名. 運 動 を す るな ど 、 他 の人 に働 き か け る取 り 組 み が大 切 であ る。 ま た 、 そ のよ う な実 践 的 な目 標 を も って学 習 が計 画 さ れ る必 要 が あ る。. 国 際 化 の視 点 や最 も 進 ん だ人 権 水 準 を 反 映 し た内 容 を重 視 す る 。. 差 別 の基 準 や人 権 の概 念 は固 定 的 な も の では な く、 時 代 と と も に、 民 衆 のた た か い と と も に 発 展 し て いる。 つまり、. 科 学 技 術 の進 歩 に よ る人 権 状 況 の変 化 や異 文 化 を 踏 ま え た人 権 状 況 、 人 権 水 準 を 視 野 に いれ た も の にす る 必 要 が あ る。 新 た な状 況 を も 展望 に い れ た教 育 内 容 が 求 め ら れ て いる。. 学習効果を高めるため に. 一92一. 第12号 人権問題研究資料.

(37) 大 阪 に お け る今 後 の 同和 行 政 の 基 本 方 向 に つ い て. 次 に、 部 落 問題 の意 識 の特 徴 や成 人 の学 習 の原 則 を ふ ま え て、 学 習効 果 を 高 め る た あ の方 法 上 の視 点 に つい て提 起. ⑧. ⑦. ⑥. ⑤. ④. ③. ②. 自 ら 表 現 し た り 、 実践 す る こと ( 文 化 ・演 劇 活動 の重 視 ) を 促 進 す る。. 学 習 の企 画 ・運 営 への参 加 を 促 進 す る。. 被 差 別部 落 の伝 承文 化 や芸 能 を はじ め 、 文 化 ・芸 術 作 品 を 教 材 化 す る。. 身 近 な素 材 を教 材 化 す る。. 視 聴 覚 教 材 や啓 発 冊 子 を 活 用 す る。. 体 験 型 の学 習 を 多 く す る。. 同 学 習 を 推 進 す る。. 小 集 団 を 重 視 す る。. ﹁仲 間 づ く り ﹂ の視点 を持 つ。. ⑨. 講 演 ・伝 達 型 、 体 験 ・話 し合 い型 、 独 学 型 の学 習 を組 み合 わ せ る。. 基 本的課題 ( 要 求白 書 ). 全般的な課題. 團. ⑩. ①. す る。. ω. [す べ て に か かわ る 課 題]. 一93一.

(38) 啓 発 関 係 諸 組 織 の組 織 化 大 学 団 体 の研 修 の強 化 学 会 への働 き か け の強 化 各 界 各 層 レ ベ ル の意 識 調 査 の実 施. 人 権 ・文 化 の情 報 発 信 基 地 と し て の大阪 人 権 歴 史 資 料 館 (リ バ テ ィ大 阪 ) の機能強化と積極的活用 エセ同 和 に対 す る取 り 組 み の強 化 米 国 に み る患 者 の人 権 宣 言 のよ う な あ ら ゆ る分 野 で の人 権宣 言 の制 定 (財 ) アジ ア ・太 平 洋 人権 情 報 セ ンタ ー の充 実 と さ らな る発 展 世 界 人 権 宣 言 大 阪 連 絡 会 議 お よ び 地域 連絡 会 議 の充 実 ・発 展. ⑥. ⑤. ④. ③. ②. ①. 社 会 教 育 施 設 、 文 化 施 設 で の部 落 問 題 の取 り 組 み の強 化 ( 人 権 施 設 ネ ット ワー ク化 と 人 権 担 当 者 の 設 置 お よ び. ね た み意 識 の克 服. 地 区 内 施 設 の人 権 啓 発 の視 点 に立 った 活 用 ( 人 権 情 報 発 信 機 能 、交 流 促 進 機 能 の充 実 ). 意 識 調 査 の実 施 と 、 これ ま で実 施 さ れ た 数 回 に わ た る市 民 意 識 調 査 結 果 の分 析. 同 和 対 策 部 局 の縮 小 、 廃 止 を と も な わ な い国際 ・人 権 担 当 部 局 の設 置 ・充 実. ﹁新 人 権 啓 発 プ ラ ン﹂ の策 定 と そ の実 現 のた め の人的 ・財 政 的 措 置 の充 実 ・強 化. [行 政 要 求 課 題 ]. ● ●oOo●000 そ の組 織 化 ). .,. 第12号 人権問題研究資料.

(39) 大 阪 にお け る今 後 の 同 和 行 政 の 基 本 方 向 につ いて. 点 字 や 音 声 等 によ る 広報 等 の実 現. 差 別 事 件 の集 約 ・分析 と そ の対 策 と し て の防 止 と被 害 者 救 済 の確 立 (相 談 ・ 救 済 体 制 の確 立 ). 差 別事 件 の白 書 化. 同 和対 策 事 業 に対 す る 理解 の徹 底 国際 人 権 法 の積 極 的 紹介 国 際 人 権 大 学 の実 現 (国際 人 権 大 学 院 大 学 の実 現 ) 生 涯 学 習 人 権 セ ンタ ー の設立 リ カ レ ン ト人 権 学 習 の充実 と体 制 整 備 指 導 者 顕 彰 制 度 の創 設 各 種 の啓 発 資 材 の集 中 管 理 と 提供 国 際 人 権 諸 条 約 の早 期 批 准 と 具 体 化 放 送 大 学 に同 和 問 題 論 、 人 権 論 の開講. 結 婚 差 別 撤 廃 にむ け た 課 題. 解放大学講座 の充実. [ 運 動課題] ①. ②. [ す べ て に か かわ る 課 題]. 一95一. ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑬ ⑫ ⑭ ⑮ ⑯ ⑱ ⑰.

(40) ①. 冠婚葬祭図書 の内容点検 と対応. [ 行政 要求 課題] 戸籍謄抄本 1にかかわる職務特権 の悪用規制、 管 理 の徹 底 、 公 務 員 の自 覚 住民票交付請求書 の開示請求権 の確立 ﹁ 部落差別調査等規制等﹂条例 の啓発強化 結婚相談所 の実態把握 と対応. プ ライバ シー保護条例 の制定. 学校 教 育 と か か わ る 課 題. 子 ど も の権 利条 約 を ふ ま え たす べ て の子 ど も の人 権 を 守 る取 り 組 み. ㈲. ①. 大 学 に お け る 同 和教 育 の充 実 ( 教員養成). [ す べ て にか か わ る 課 題 ]. ②. ③. ②. ①. 小 、 中 、 高 、 大 に お け る同 和 教 育 の体 系 化. 学校 の公的 書 類 の見直 し. 教 員 の研修 、 保 護者 の学 習 のあ り方 の見 直 し 、 充実. 部 落 問題 学 習 のあ り方 の根 本 的 見 直 し. [ 行政要求課題]. ④. 一96一. o●000. 第12号 入権問題研究資料.

(41) 大阪 にお ける今後の同和行政の基本方 向 について. 学校教育 におけ る人権、平和、国際 理解教育等 の充実 企業 にかかわる課題. ⑤ 翰. 経済団体 の研修 の強化と連絡組織 の創設 および各団体 における担当者 の設置. [ すべてにかかわる課題] ①. 企 業 -業 界 にお け る啓 発 のあ り 方 の検 討 お よび 強 化 ・ 充実 中 小 零 細 事 業 所 に対 す る研 修 の強 化 ﹁不 動産 取 引 き に 関 す る人 権 条 例 ﹂ (仮 称) の制 定 企 業 の ト ップを はじ あ 、 あ ら ゆ る職 種 の研修 ( 関連会社も含めた研修強化) 就 職 差 別 を 禁 止 し た目 ○= 一号条 約 の批 准 と 国 内 法 整 備. パ ン フ レ ットな ど の総 点 検 ). 企 業 内 同 和 問 題 研 修 推 進 員 制 度 の実 質 化 (企 同連 の充 実 ・強 化 ). 社員意識 調査 の実施. [ そ の他 の課題] ①. 企業体質 の見直 し ( 企業 の長期計画、 規 定 、 制 度 、. 啓 発団体にかかわる課題. ②. ㈲. [ す べ て にか か わ る 課 題]. 一97. [ 行政 要求 課題]. ●00 Oo●.

(42) ①. 身 元 調 査 お こと わ り 運 動 の強 化 ︽短 期 的 二 般 的 課 題 ︾. ②. ①. 現 在 の人 権 擁 護委 員 制 度 の不 十 分 さ の克 服 と 、 よ り 一層 の啓 発強 化 を は か る ため 、 人 権 モ ニタ ー制 度 ( 仮称). P T A な ど各 種 社 会 教 育 団 体 の取 り組 み強 化 と 体 制 整 備. 周 辺 地 域 啓 発 のあ り方 を研 究 し、 啓 発 計 画 の確 立. [ 行 政 要求 課 題]. ③. ⑥. ⑤. ④. 高 齢 者 大 学 等 、 高 齢 者 に視 点 を お い た啓 発 の強 化. 人 権 リ ー ダ ー バ ンク の設置. 啓 発 推 進 団体 の役 員 ・リ ー ダ ー の学 習 の強 化 (自 己 学 習 助 成制 度 の創 設). 啓 発 指 導 者 養 成 等 を行 う機 能 の整 備 ・強 化. や人 権 啓 発 指 導 員 制 度 (仮称 ) の府 レベ ル で の確 立. ⑦. ㈲ 行政機 関にかかわる課題. ③. ②. ①. 行政 の公的書類や出版物を人権 の視点 での点検、改正. 行政 の担当者 の専門的な教育訓練 ( 解放大学 への積極的参加と国際人権大学 の設置). 首長、議員 に対す る研修 の重視. 公務 員 の意識 の実態を把握し、研修 のあり方 の根本的 見直 し ( 職員人権啓発基本方針 の策定). [ 行政 要求 課題]. ④. 一98一. 第12号 人権問題研究資料.

(43) 大 阪 に お け る今 後 の 同 和 行 政 の基 本 方 向 につ いて. ⑤ 大阪府人権賞 の設置. 府 が指導的立場 にあるす べての関連諸組織 の職員研修 の具体的計画 の策定. 宗 教 界 にか か わ る 課 題. ⑥. ω. ① 宗 教 者 の地 域 レベ ル で の組 織 化. ﹁女 人 禁 制 ﹂ な ど あ ら ゆ る差 別 を撤 廃 す る方 策 の確 立. [ す べ て に か か わ る 課 題]. ② [ そ の他 の課 題 ]. 宗 教 界 に お け る学 習 の徹 底 と そ の ため の体 制 整 備 (リ ーダ ー養 成 な ど ) 教 団 の発 行 す る出 版 物 な ど を人 権 の視 点 で の点 検 、改 正. ① ②. 教 理 ・教 義 を 含 め た 宗 教 文 化 の差 別 性 の克 服 お よ び 教 団 の差 別性 の克 服. マ ス コミ にか か わ る 課 題. ③. ㈹. マ ス コミ ・文 化 ・芸 術 に携 わ る人 々 への働 き か け の強 化. る体 制 整 備. マス コミ ・出 版 関 係 者 に ﹁差 別 と 表 現﹂ に つい て の正 し い認 識 と 、部 落 問 題 に対 す る積 極 的 な 取 り 組 み を 広 め. [す べ て に か か わ る 課 題] ①. ②. ・・.

(44) ③. 供. マス メデ ィ ア の有 効 な機 能 を 生 か し 、人 権 に か か わ る正 し い社 会意 識 の醸 成 を図 る た め、 マ ス コミ へ の情 報 提. ① 部落問題 の諸外国 への正 しい理解 の促進. 人権擁護 の観点 に立 った電波法 の改正. [ 行政要求課題]. ② 国際人権交流事業 の推進. 各 界にかかわる課題. ③. 働 [ す べてにかかわる課題]. ②. 政党 関係者 への働きかけ の強化. 医療 関係者 への取り組 み強化 ( 福祉、保健関係等も含む). 司法 関係者 への正 しい理解 を促す働きかけ の強化 ( 警察関係等も含む). ③. そ の他各 界 への研修 ・啓発 の充実 に向けた働きかけ の強化. ①. ④. ②. ①. 府農協中央会等 に同和対策推 進委員会 の設置. 農協 に対す る啓発強化 ( 農協同推連 の充実 ・強化). 在 阪 の国 の出先機関職員 の研修強化 と組織化. [ 行政要求課題]. ③. ‐ioo‐. 第12号 人権問題研究資料.

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