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Rehabilitation for cancer patients in inpatient hospices / palliative care units and achievement of a good death : analyses of combined date from nationwide surveys among bereaved family members(ホスピス・緩和ケア病棟でのがんのリハビリテーション診療と終末期患者のグッドデスの達成との関連:全国遺族調査の統合解析)

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Academic year: 2021

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Nagoya City University Academic Repository

学 位 の 種 類 博士 (医学) 報 告 番 号 甲第1780号 学 位 記 番 号 第1259号 氏 名 長谷川 貴昭 授 与 年 月 日 令和 2 年 9 月 25 日 学位論文の題名

Rehabilitation for cancer patients in inpatient hospices /

palliative care units and achievement of a good death: analyses of combined date from nationwide surveys among bereaved family

members.

(ホスピス・緩和ケア病棟でのがんのリハビリテーション診療と終末期患 者のグッドデスの達成との関連:全国遺族調査の統合解析)

Journal of Pain and Symptom Management (in press)

論文審査担当者 主査: 植木 美乃

(2)

論 文 内 容 の 要 旨

【研究の目的】

がんのリハビリテーション診療(以下、がんリハ)はがん患者の周術期から緩和ケアが中 心になる全ての時期で実施されている。ホスピス・緩和ケア病棟において、がんリハは患者 の終末期療養の生活の質(Quality Of Death and Dying; QODD)を向上するために有効な方 法と考えられている一方、その効果検証についてはほとんど研究が行われていない。本研究 は、本邦のホスピス・緩和ケア病棟でのがんリハの実施と、終末期がん患者のQODD の概念 である「望ましい死(グッドデス)」の達成との関連を検討することを目的とした。

【研究の方法】

本研究は、がん患者の緩和ケアの質を評価するために継続的に実施されている全国遺族調 査「J-HOPE 研究(Japan Hospice and Palliative Care Evaluation study)」の付帯研究とし て実施された。一連の「J-HOPE 研究」は、日本ホスピス緩和ケア協会会員施設の一般病院、 ホスピス・緩和ケア病棟、診療所(在宅ケア施設)などで死亡したがん患者の遺族を対象に 行われている大規模全国横断的調査であり、主研究では遺族からみた患者が受けた緩和ケア の質の評価および遺族の悲嘆や抑うつの実態について調査されている。本研究は、2014 年に 行われた第3 回調査(J-HOPE3 研究)および 2018 年に行われた第 4 回調査(J-HOPE4 研究) の付帯研究として、ホスピス・緩和ケア病棟で死亡したがん患者の遺族を対象として実施さ れ、全体の対象者のうち事務局から無作為に抽出された遺族に本研究の質問票を郵送し回答 を得た。 QODD は遺族の回答により調査され、10 項目 7 段階からなるリッカート尺度で構成され、 信頼性と妥当性の検証されているGood Death Inventory(GDI)短縮版コア 10 項目で測定した。 後方視的な遺族回答によるがんリハの実施の有無で群分け(実施群/非実施群)し、調査時期 (J-HOPE3 研究または J-HOPE 4 研究)、患者の背景因子(性別、年齢、がんの原発巣、ホス ピス・緩和ケア病棟入棟直前の日常生活動作)、遺族の背景因子(性別、年齢、本人との関係、 教育歴)を調整したうえで傾向スコアマッチング法を用いて、GDI 短縮版コア 10 項目に各群 間に統計学的な有意差があるかを比較検討した。 【本研究の結果】 1,965 人のホスピス・緩和ケア病棟で死亡した患者の遺族に本研究の質問票が郵送され、 1,380 人の遺族から返送があり、有効回答は 1,008 人(51.2%)であった。うち、285 人(28,2%) の遺族が、患者はホスピス・緩和ケア病棟でがんリハを受療していたと回答した。傾向スコ ア法を用いて、がんリハの実施群と非実施群で比較した結果、GDI 短縮版コア 10 項目の合計 点では群間差を認めなかった(平均 47.45 [標準誤差 0.48] 対 46.77 [0.59]、p 値 = 0.370)。 探索的解析において、GDI 短縮版コア 10 項目の構成概念の各領域を検討したところ、がんリ ハ実施群においては非実施群と比較して「希望や楽しみをもって過ごすこと」(4.50 [0.10] 対 4.05 [0.11]、p 値=0.003、効果量=0.31)、「医師や看護師を信頼できること」(5.67 [0.07] 対 5.43 [0.09]、p 値=0.035、効果量=0.22)、「ひととして大切にされること」(6.08 [0.06] 対 5.90 [0.07]、 p 値=0.049、効果量=0.19)の 3 領域において、有意にスコアが良好であった。 【結論】 ホスピス・緩和ケア病棟でのがんリハの実施はグッドデスの達成、特に「希望や楽しみを もって過ごすこと」と関連する可能性が示唆された。緩和ケアが主体となる時期のがんリハ がQODD の向上に貢献するかはさらなる研究が必要である。

(3)

論文審査の結果の要旨

【背景】がんのリハビリテーション診療(以下、がんリハ)は周術期から緩和ケアが中心になる全て の時期で実施されている。ホスピス・緩和ケア病棟でのがんリハは終末期療養の生活の質(Quality Of Death and Dying; QODD)の向上に有効と考えられている一方、ほとんど研究が行われていない。 【目的】ホスピス・緩和ケア病棟でのがんリハの実施と、終末期がん患者の QODD の概念である「望 ましい死(グッドデス)」の達成との関連を検討することを目的とした。 【方法】緩和ケアの質を評価するために継続的に実施されている全国遺族調査の付帯研究として実施 された。日本ホスピス緩和ケア協会会員施設の病院、診療所などで死亡したがん患者の遺族を対象に 行われている調査である。本研究は、第 3 回調査(2014 年)および第 4 回調査(2018 年)のホスピス・ 緩和ケア病棟で死亡したがん患者の遺族を対象として実施され、事務局から無作為に抽出された遺族 に質問票を郵送し回答を得た。QODD は 10 項目 7 段階からなるリッカート尺度で構成され、信頼性と 妥当性の検証されているGood Death Inventory(GDI)短縮版コア 10 項目で測定した。遺族回答による がんリハの実施の有無で群分け(実施群/非実施群)し、調査時期(2014 年、2018 年)、患者の背景因子 (性別、年齢、がんの原発巣、ホスピス・緩和ケア病棟入棟直前の日常生活動作)、遺族の背景因子 (性別、年齢、本人との関係、教育歴)を調整した傾向スコアマッチング法で、GDI 短縮版コア 10 項 目に各群間に統計学的な有意差があるかを比較検討した。 【結果】1,965 人の遺族に質問票が郵送され、1,380 人の遺族から返送、有効回答は 1,008 人(51.2%) であった。285 人(28,2%)の遺族が、がんリハを受療していたと回答した。傾向スコア法を用いて、 がんリハの実施群と非実施群で比較した結果、GDI 短縮版コア10 項目の合計点で群間差を認めなか った。探索的解析で、GDI 短縮版コア10 項目の構成概念の各領域を検討したところ、がんリハ実施 群においては非実施群と比較して「希望や楽しみをもって過ごすこと」、「医師や看護師を信頼でき ること」、「ひととして大切にされること」の 3 領域において、有意にスコアが良好であった。 【考察】ホスピス・緩和ケア病棟でのがんリハの実施はグッドデスの達成、特に「希望や楽しみをも って過ごすこと」と関連する可能性が示唆された。緩和ケアが主体の時期のがんリハが QODD の向上 に貢献するかさらなる研究が必要である。 【審査結果】約 20 分間のプレゼンテーションの後に、主査の植木からは具体的な対象施設につい て、施設によるリハビリの差異を検討したか、欠損値の扱い、回収率を高めるための工夫、どういっ たリハビリの内容が希望や楽しみを持って過ごすことに影響したか、など10項目の質問を行った。 また副査の鈴木教授からは、QODD における Death と dying の差異、リハビリによって ADL が低下す るにも関わらず QOL が改善する理由、具体的な傾向スコアの使用方法、回答率が傾向スコアに与える 影響、終末期がん患者を対象としてリハビリの有無で無作為化することの是非、リハビリ実施の有無 を遺族の回答によって判断する妥当性など 8 つの質問がなされた。副査の早野教授からは、QODD の 妥当性、遺族による代理回答の妥当性、セレクションバイアスの与える影響、RCT ではないことの具 体的な問題点、主要評価項目ではなく一部の下位尺度のみ有意になったことの背景などについて11 項目の質問がなされた。全般的には概ね満足のいく回答が得られ、学位論文の主旨を十分理解してい ると判断した。本研究は、ホスピス・緩和ケアにおける終末期がん患者のリハビリテーションの有用 性について検討したはじめての研究であり、同分野の発展につながると考えられた。よって本論文の 著者は博士(医学)の学位を授与するに相応しいと判定した。 論文審査担当者 主査 植木 美乃 副査 鈴木 貞夫 早野 順一郎

参照

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