枚田
明彦
††††120-GHz-Band SHV-FPU for UHDTV Broadcasting Program Transmission
Jun TSUMOCHI
†a), Satoshi OKABE
†, Fumiyasu SUGINOSHITA
††,
Jun TAKEUCHI
†††, and Akihiko HIRATA
††††あらまし 次世代の放送サービスとして開発が進められている8K スーパーハイビジョンの番組制作に対応 するため,8K に対応した FPU(SHV-FPU)の開発を進めている.従来のハイビジョン放送より大容量のデー タを無線伝送するために,広い周波数帯域幅が利用できる120GHz 帯に着目し,2 対向の無線機で 8K の DG (Dual Green) 信号を非圧縮伝送する 120GHz 帯 SHV-FPU を開発した.120GHz 帯 SHV-FPU を用いた伝送 実験によって伝送特性を明らかにするとともに,8K の番組制作の現場において 120GHz 帯 SHV-FPU で 8K 信 号を安定して伝送できることを実証した. キーワード 8K,FPU,120GHz 帯,偏波多重
1.
ま え が き
次世代の放送サービスとして,8Kスーパーハイビ ジョン(SHV; Super Hi-Vision)の研究開発が進めら れている[1].8Kは現行のハイビジョン放送より高画 質,高臨場感を体感できる放送サービスとして,早期 の実現が期待されている. 8Kの放送サービスを実現するためには,カメラな どの映像機器をはじめ,主に中継番組の制作で利用す る番組素材伝送装置(FPU; Field Pick-up Unit)も8K対応にする必要がある.ハイビジョンの16倍以 上のデータ量からなる8Kの信号を無線伝送するため に,番組素材無線伝送用に割り当てられた116GHzか
†NHK放送技術研究所,東京都
NHK Science & Technology Research Laboratories, 1–10– 11 Kinuta, Setagaya-ku, Tokyo, 157–8510 Japan
††NHKエンジニアリングシステム,東京都
NHK Engineering Systems Inc., 1–10–11 Kinuta, Setagaya-ku, Tokyo, 157–8540 Japan
†††東日本電信電話株式会社,東京都
Nippon Telegram and Telephone East Corporation, 3–19–2 Nishi-shinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo, 163–8019 Japan
††††日本電信電話株式会社 NTT先端集積デバイス研究所,神奈川県
NTT Device Technology Laboratories, NTT Corporation, 3–1 Wakamiya, Morinosato, Atsugi-shi, Kanagawa, 243– 0198 Japan a) E-mail: [email protected] ら134GHzの周波数で18GHzの帯域幅が利用できる 120GHz帯に着目し,8K対応FPU(以下,120GHz 帯SHV-FPU)の実現を目指した. 120GHz帯を使った放送番組素材を無線伝送する装
置としては,初めにASK(Amplitude Shift Keying) 方式の装置が開発され,ハイビジョン放送のスタジ オ間の伝送に用いられるHD-SDI(High-Definition Serial Digital Interface)信号を非圧縮で複数伝送す る実験が行われた[2]. 次に,120GHz帯で8KのDG(Dual Green)信号 (以下,DG信号)[3]を伝送する方式が検討された. 約24Gbpsのデータを三つのグループに分けて,無線 装置を3対向使って伝送できることが実証されてい る[4].しかしながら,1グループの変調信号を伝送す るためにほぼ全てのチャネルの帯域幅を利用するため, 3対向の無線装置は同じチャネルで伝送することが求 められる.したがって,干渉を避けるためには,各々 の無線機の離隔距離を大きくしなければならないとい う課題があった. そこで本論文では,24Gbpsのデータを2グループ に分けて,2対向の無線装置で伝送する120GHz帯 SHV-FPUを提案する.無線装置を2対向にすること で,同じチャネルで偏波多重伝送によって干渉を軽減 でき,従来の離隔距離の課題を解決する.2対向の無
線機でDG信号を伝送するための伝送信号のレート調 整法や誤り訂正符号の伝送方式について検討し,開発 した120GHz帯SHV-FPUの装置を用いた伝送実験 によってDG信号が伝送できることを実証したので, その結果を述べる. 本論文の構成を以下に述べる.初めに,DG信号を 2対向の無線装置で伝送する120GHz帯FPUを概説 する.次に,8本のHD-SDIに関する信号処理を行う ベースバンド信号処理と屋外利用時の気温変動に対し て安定した動作ができる無線機の構成について述べる. そして,DG信号を2対向の無線装置で伝送できる 120GHz帯SHV-FPUを用いた伝送実験によって,伝 送特性を確認する.最後に,120GHz帯SHV-FPUで 8KのDG信号を非圧縮伝送した実例として,さっぽ ろ雪まつりの会場で実施した伝送実験について述べる.
2. 120GHz
帯
SHV-FPU
2. 1 120GHz帯SHV-FPUの要求条件 120GHz帯は放送番組素材の無線伝送に利用でき る周波数であり,同様の目的で使用できるマイクロ 波帯などの他の周波数より広い帯域幅を割り当てら れている.その一方で,120GHz帯の電波は降雨によ る減衰が大きいことから,120GHz帯は短距離での 大容量無線伝送に適している.そのため,120GHz帯 SHV-FPUは,ケーブルの敷設が困難な短距離伝送に 限定する.長距離の伝送が必要な場合は,光ファイバ など8K信号を長距離伝送できる他の手段と組み合わ せることとし[5],光ファイバに接続可能な拠点までを 120GHz帯で無線伝送することで実現する. 120GHz帯SHV-FPUの利用シーンの例として,陸 上競技場や野球場の場内及びその周辺での伝送やビル 間での伝送,交通量の多い道路の横断などでが挙げら れる.このような場所で120GHz帯SHV-FPUによ る無線伝送では,競技場のサイズなどから250m程度 の伝送距離を想定すればよい.ただし,FPUは屋外 で利用することがある.この場合,スポーツ競技が継 続できる程度の降雨による電波の減衰を考慮した伝送 マージンを設定しなければならない.120GHz帯の電 波の降雨減衰に関するITUの勧告によれば,降雨強度 が60mm/hの場合で降雨減衰が23dB/kmとなる[6]. 気象庁による雨の強さと降り方によれば,60mm/hの 雨量は災害の発生を示唆するほどの降雨である.こ の場合,屋外競技の継続は困難である.したがって, 120GHz帯SHV-FPUの伝送マージンは,降雨強度 が60mm/hでの降雨減衰を指標とする. 更に,120GHz帯SHV-FPUは競技場内やビルの屋 上に仮設して無線伝送することから,少ないスペース で設置できることが求められる.そのため,120GHz 帯の無線機の数を1対向で運用する,または2対向以 上の場合は近接設置して運用できる構成であることが 必要である. 2. 2 120GHz帯SHV-FPUの構成 120GHz帯SHV-FPUで伝送する8K信号は,一般 的にDG信号[3]と呼ばれる映像フォーマットの信号 である.DG信号は,ハイビジョン放送用のシリアルデ ジタルインタフェースであるHD-SDI信号16本に8K の画素データをマッピングした構成となっている.す なわち,120GHz帯SHV-FPUは,16本のHD-SDI 信号を伝送する装置であると言い換えることができる. 120GHz帯 で 番 組 素 材 伝 送 用 に 割 り 当 て ら れ て いる周波数は116∼134GHzで,占有周波数帯幅は 17.5GHz以下とすることが無線設備規則で定められ ている.変調方式は,実現可能性の観点から,ASK,BPSK(Binary Phase Shift Keying)またはQPSK
(Quadrature Phase Shift Keying)から選択するこ とになる.表1に,120GHz帯でDG信号を伝送す る方法をまとめた.表1の周波数帯域幅は17.5GHz を1と正規化したときの帯域幅を示している.変調 方式としてQPSKが利用できれば無線機数または周 波数帯域幅の点は有利だが,ASKは無線機を構成す る部品点数を少なくできるため,小型化や消費電力の 点で優れている.ASKの場合,OMT(Orth-Mode Transducer)のような偏波面の異なる信号を合成でき る部品を使って,1対向の無線機で偏波多重伝送するこ とも考えられる.しかし,変調信号の周波数帯域幅が 広く,周波数特性などの面で良好な特性を得ることが 難しいと考え,120GHz帯SHV-FPUはOMTによ る1対向の構成とはしていない.したがって,120GHz 帯SHV-FPUは2対向の無線機で偏波多重伝送する こととし,2対向の無線機を近接設置できるように検 討を進めた. 120GHz 帯 SHV-FPU の 構 成 を 図 1 に 示 す. 表 1 120GHz帯による DG 信号の伝送方法 Table 1 Transmission scheme for 8K signal using
120-GHz-band.
変調方式 ASK BPSK QPSK
無線機の数 2対向 2対向 2対向 1対向
図 1 120GHz帯 SHV-FPU のシステム構成 Fig. 1 Block diagram of 120-GHz-band SHV-FPU.
120GHz帯SHV-FPUは,2対向の120GHz帯無線 機(送信機及び受信機)とベースバンド信号処理部で 構成する.カメラなどの8K制作機器と120GHz帯 FPUを接続するインタフェースは,前述のとおり16 本のHD-SDI信号である.無線機1対向で伝送する信 号がHD-SDI信号8本であることや安価な10Gイー サネットの部品が使用できることから,ベースバンド 信号処理部では,送信側では8本のHD-SDI信号を1 系統のシリアル信号に変換し,受信側ではその逆の操 作を行う.ベースバンド信号処理部と120GHz帯無線 機は光ファイバで接続し,各無線機はHD-SDI信号8 本のデータを伝送する構成とした. ベースバンド信号処理及び120GHz帯無線機の詳細 は,次章以降で詳述する.
3.
ベースバンド信号処理
ベースバンド信号処理は,8本のHD-SDI信号の多 重化と無線伝送による伝送誤りを訂正するための誤り 訂正符号化,さらに音声信号処理を行う.次節以降で は,それぞれの処理について説明する. 3. 1 HD-SDI信号の多重化 HD-SDI信号の多重化処理の目的は,8本の HD-SDI信号を1本のシリアル信号に変換する多重化と, 光ファイバでシリアル信号を伝送するためのレート調 整の二つである. 一つ目のHD-SDI信号の多重化は,入力信号である 8本のHD-SDI信号を1系統のシリアル信号に変換す る処理であり,その変換方法を図2に示す.HD-SDI 信号は映像1フレームあたり1125本のライン(1ライ ンは2200ワードで構成され,1ワードあたり10ビッ トのデータを有する)に付加情報を含めた画像データ 図 2 HD-SDI信号の多重化処理 Fig. 2 Multiplexing method for HD-SDI signal.が格納されている.8本のHD-SDI信号の多重化処 理では,初めに,各入力信号についてHD-SDI信号 の同期信号をもとに映像フレームの先頭で同期を合 わせた後,各HD-SDI信号のライン単位で多重化処 理を行う.具体的には,図 2のように,HD-SDIm (1≤ m ≤ 8)のラインn(1 ≤ n ≤ 1125)のデー タをLmnと表記した場合,L11, L21, L31,· · ·, L81, L12, L22, · · ·, L82,· · ·, L11125, L21125, · · ·, L81125 の順に1列に並べることで,シリアル信号に変換する. 次に,レート調整の方式について説明する.HD-SDI 信号8本を多重化したシリアル信号は,伝送レートが 1.485Gbps× 8 = 11.88Gbpsと高速なため,光ファ イバで伝送する.そのためには,電気信号から光信号 への変換が必須となるが,10Gイーサネットの伝送 で使用される安価で信頼性の高いE/O変換器として 11.3Gbpsまでの伝送レートに対応した製品が市販さ れている.そこで,HD-SDI信号の水平ブランキング (HANC; Horizontal Ancillary Data)268ワードの うちの136ワードを削減することで,伝送レートを約 7%低減した11.1Gbpsとして伝送する.したがって, 受信側でシリアル信号からHD-SDI信号に復元する ときには,HANCの削減した領域を付加することで HD-SDI信号を再生している. 3. 2 誤り訂正の方式 HD-SDI信号は,標準規格でケーブル接続を前提と して所要ビットエラー率(BER)が10−10以下とす ることが規定されている[7].一般的に無線伝送は有 線伝送に比べて外乱の影響を受けやすくデータの伝 送誤りが発生することから,誤り訂正符号による伝送 特性の改善が必要となる.120GHz帯SHV-FPUで は,誤り訂正符号として訂正能力が高く処理遅延が少 ないブロック符号であるリードソロモン(RS; Reed Solomon)符号を適用する.HD-SDI信号は1ワード
図 3 HD-SDI信号 1 ラインの誤り訂正の対象データ Fig. 3 FEC range for 1-line of HD-SDI signal.
図 4 HANCに埋め込むデータの構成 Fig. 4 HANC data structure.
図 5 誤り訂正パリティの格納方法 Fig. 5 Allocation method for FEC parity.
あたり10ビットの階調をもつことから,10ビットを 単位(シンボル)とするRS(1023,1003)符号を短縮化 したRS(986,966)符号で誤り訂正を行う. 120GHz帯SHV-FPUの誤り訂正符号化では, HD-SDI信号の1ラインを単位として誤り訂正パリティを 生成する.図3は,HD-SDI信号の1ラインのデー タについて誤り訂正符号化の対象となるデータを示す. HD-SDI信号1ラインを構成する2200ワードのうち, HANCを除く1932ワードを誤り訂正符号化の対象 データとし,966ワード単位で分割してRS(986,966) 符号化を行う.誤り訂正符号化によって生成される40 ワード(400ビット)分の誤り訂正パリティは,図4に 示すようにレート調整後のHANCの後部に格納する. ただし,誤り訂正パリティがHD-SDI信号の同期ワー ドと一致することを回避するために,50ワード分の領 域に40ワードの誤り訂正パリティを格納する.具体的 には,図5のように1ワードのうちの9ビットを誤り訂 正パリティ用に割り当て,50ワード× 9ビット= 450 ビットのうちの400ビットに40ワード分の誤り訂正 パリティを格納する.誤り訂正パリティを格納後,網 掛けの部分のデータを反転させてビット反転データ格 納領域に格納することで,同期ワードと一致したワー ドとなることを回避する. このように,HANCに誤り訂正パリティを埋め込 む誤り訂正方式によって,ビットレートを増加させず に誤り訂正符号化ができる. 3. 3 音声信号の伝送 8Kにおける音声信号は,22.2マルチチャネル音響 図 6 ベースバンド信号処理のブロック図 Fig. 6 Block diagram of 11 Gbps signal processing.
システムが採用されている[8].HD-SDI信号に音声を 多重する方法はSMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)299M [9]で規定されてお り,4チャネルの音声信号で一つのグループを構成し, グループ単位でHD-SDI信号のHANCに格納する. 22.2マルチチャネル音響システムは24本の音声信号 で構成されていることから,6グループのデータを伝 送しなければならない.図4に示すように,レート調 整後のHD-SDI信号のHANCにおいても1グループ の音声信号を格納できる.そこで,6グループ分の音 声データは,レート調整後の複数のHD-SDI信号に割 り当てて伝送する. 3. 2で述べた誤り訂正符号方式は,HANCを誤 り訂正対象データから除いているため,音声信号は RS(986,966)符号での誤り訂正はできない.しかし, SMPTE299MによればHD-SDI信号に格納する音声 信号のグループには音声信号用に誤り訂正符号を付加 することが規定されているため,音声信号の誤り訂正 はその範囲で行うこととする. 3. 4 ベースバンド信号処理装置 ベースバンド信号処理の手順について述べる.図6 に送信側と受信側の各ベースバンド信号処理のブロッ ク図を示す.このブロック図に基づいて,3. 1から3. 3 で述べたベースバンド信号処理の機能をFPGA(Field Programmable Gate Array)ボードに実装したベー スバンド信号処理装置(図7)を開発した.そして,送 信側と受信側のベースバンド信号処理装置を光ファイ
図 7 ベースバンド信号処理装置 Fig. 7 11 Gbps signal processing unit.
図 8 誤り訂正符号による誤り訂正の効果 Fig. 8 Effect of error correction by FEC.
バと光アッテネータで接続した実験によって,伝送特 性を確認した.実験では,送信側のベースバンド信号 処理装置でPRBS(Pseudo-Random Bit Sequence)
23信号をHD-SDI信号の映像信号の格納領域である デジタルアクティブラインに格納し,受信側のベース バンド信号処理装置で誤り訂正前と誤り訂正後のBER を計測した.送信側と受信側のベースバンド信号処理 装置を光ファイバと光可変アッテネータで接続し,受 信側のベースバンド信号処理装置の入力レベルを調整 しながら,BERを測定した(図8).図8の結果より, HD-SDI信号の規定値であるBER = 10−10を擬似エ ラーフリーの基準とした場合,誤り訂正前のBERが 1× 10−4以下であれば,RS(986,966)の誤り訂正に よって擬似エラーフリーにできることがわかった.
4. 120GHz
帯無線装置
120GHz帯無線装置は送受信機とアンテナで構成さ れている.それぞれの詳細について次節以降で説明 する. 4. 1 120GHz帯無線機 120GHz帯送受信機の構成を図9に示す.120GHz 帯送信機には,主要部品として8逓倍回路を内蔵し たASK変調器と電力増幅器,受信機には低雑音増幅 器を内蔵したASK復調モジュールを使用した[10].8 図 9 120GHz帯無線機のブロックダイアグラム Fig. 9 Block diagram of 120-GHz-band transceiver.逓倍回路に15.625GHzの基準信号を入力して,キャ リア信号を生成する.また,ベースバンド信号処理部 とのインタフェースとして,送信機には光・電気信号 変換器(O/E変換器),受信機には電気・光信号変換 器(E/O変換器)を使用した.更に,送信機には電 力増幅器の後段にRF(Radio Frequency)信号を帯 域制限するための帯域濾波器(BPF)を挿入した.そ のため,BPFの損失を含めてRF信号の送信電力が 10mWとなるように送信機を調整している. FPUは季節を問わず屋外で使用することが想定さ れることから,気温が低温時から高温時まで安定して 動作することが求められる.そこで,送信機に温度補 償機能[11]を搭載し,気温の変化に対する動作の安定 化を図った.温度補償機能は,環境温度の変化に伴い 送信モジュールが非線形動作することによって生じる BER特性の変動を抑制する機能である.図9の送信 モジュールに温度センサを取り付け,温度センサの情 報に基づいてマイコンで送信モジュールに供給する電 源電圧を制御する.各温度に対する送信モジュールの 電源電圧は,事前の測定によってBERが最適となる 動作電圧を取得し,その電圧値をマイコンに保存して おくことで電圧の制御を行う. 製作した送受信機(図10)の緒元を表2に示す.変 調方式がASKであることや120GHz帯は波長が短い ために,主要部品の多くが小型なモジュールで構成さ れている.そのため,送受信機を片手でもち運び可能 なサイズ・重量で無線機を製作することができた. 製作した送受信機を用いてBERを測定した.測定 系統は,3.で述べたベースバンド信号処理装置と図10
の送受信機を用い,送受信機間は導波管とRFアッテ ネータで接続した.RFアッテネータの減衰量を変化 させて受信電力を調整しながらBERを測定した.こ こで,環境温度の違いによるBER特性を評価するた めに,送受信機とRFアッテネータを含む導波管部品 を恒温槽内に設置し,0∼40◦Cの範囲で温度条件を変 えながら測定を実施した. 図 11には,横軸の受信電力に対する各温度での 誤り訂正前のBER特性を示す.温度の上昇による BER特性の劣化は避けられないが,10−4以下の伝送 誤りは誤り訂正によって擬似エラーフリーのBERを 10−10以下に訂正できることに着目すると,0∼40◦C でBER = 10−4となる受信電力は−45∼−44dBmで その差は1dBと小さく,温度変化に対して安定した動 作ができることを確認できた. これまでの議論により,120GHz帯SHV-FPUの うちのアンテナを除く装置については,受信電力が −44dBm以上であれば無線伝送ができることがわかっ た.受信機の熱雑音電力が−61.5dBmであることか ら,所要CN比は17.5dBである.包絡線検波による 図 10 120GHz帯無線機(左)送信機(右)受信機 Fig. 10 120-GHz-band transmitter (left) and receiver
(right).
表 2 120GHz帯無線機の緒元
Table 2 Parameters of 120-GHz-band transceiver.
中心周波数 125 GHz 周波数帯域幅 17 GHz 変調方式 ASK 送信出力 10 mW 雑音指数 10 dB ベースバンド信号インタフェース 光ファイバ RF信号インタフェース WR-8導波管 偏波 垂直または水平 きょう体サイズ 10cm× 10cm × 27cm (幅× 高さ × 奥行き) 重量 2.2 kg(送信機) 1.7 kg(受信機) ASKのBER特性において,0と1のデータが等確 率で発生する場合におけるBER = 10−4となるSNR
(Signal to Noise Ratio)は12.3dBである[12].製作 した装置とは約5dBの差があるものの,120GHz帯 の電波を使用する無線機の装置化によって生ずる固定 劣化やBPFによる帯域制限の影響を考慮すれば,妥 当な差といえる. 4. 2 ア ン テ ナ 2. 1で,120GHz帯SHV-FPUの要求条件が降雨 強度60mm/hで250mの伝送ができることを目標と した.伝送距離の長距離化のためには,送信電力の 増力またはアンテナ利得を大きくする必要があるが, 120GHz帯の増幅器での高出力化が現時点では難しい ことを考慮すると,長距離伝送のためにはアンテナ利 得を大きくしなければならない. 図12に,開口面アンテナにおけるアンテナ径とア ンテナ利得,伝送距離の関係を示す.アンテナ利得G 図 11 120GHz帯無線機とベースバンド信号処理装置に よる BER 特性
Fig. 11 BER characteristics for 120-GHz-band trans-ceiver and 11 Gbps processing unit.
図 12 アンテナ径とアンテナ利得,伝送距離の関係 Fig. 12 Relationship between antenna diameter to
図 13 アンテナの放射パターン Fig. 13 Antenna radiation patterns.
は,アンテナ径D,波長λとアンテナ効率ηより, G = η πD λ 2 (1) から算出した[13].ここではη = 0.4で計算している. また,伝送距離は23dB/kmに相当する降雨減衰も考 慮し,更にアンテナへの給電損失として送信側と受 信側にそれぞれ2dBを見込んだ場合において,伝送 マージンが0となる伝送距離を示している.この条件 において250m以上伝送するためには,アンテナ径を 15cm以上にすれば良いことがわかる.アンテナ径が 大きいほど伝送距離は長くなるが,可搬性や2対向の 無線機の近接設置の点で不利になるため,120GHz帯 SHV-FPUのアンテナとしては20cm径の市販品のカ セグレンアンテナを利用することとした(図10). 120GHz帯SHV-FPUで使用する4式のアンテナ について,ニアフィールド測定装置を用いてアンテナ 利得の測定を行った.基準アンテナとして標準ゲイン ホーンアンテナ(アンテナ利得24dBi)との比較法で アンテナ利得を測定した結果,いずれのアンテナに ついても約44dBiの利得が得られることを確認した. また,4式のうちの一つのアンテナについて,同様に ニアフィールド測定によって得られた遠方界の放射パ ターンを図13に示す.この放射パターンは,最大放 射電力となる点を含むE面及びH面のカットパター ンで,最大放射電力を0dBとした相対値を示してい る.開口面アンテナの半値角θ (rad)は, θ ≈ 1.1 λD (2) で近似できることが知られており[14],計算値で求め られる半値角0.76◦に対して,測定値で0.8◦とほぼ 図 14 120GHz帯無線機の伝送モデル Fig. 14 Propergation model of 120-GHz-band
transceiver.
表 3 交差偏波の放射パターンの最大値 Table 3 Maximum value of XPD on the radiation
pattern. アンテナ番号 1 2 3 4 XPDの最大値 24.2 dB 21.5 dB 26.1 dB 24.5 dB 想定どおりの特性が得られていることが分かった. 次 に ,偏 波 多 重 に よ る 干 渉 に つ い て 検 討 す る . 120GHz帯SHV-FPUは2対 向 の 無 線 機 を 同 一 周 波数帯で互いに直交する直線偏波を利用することから, その伝送モデルは図14のように表現できる.この場 合,受信信号は,希望する偏波面のRF信号(希望信 号)に直交する偏波面のRF信号(干渉信号)が合成 された信号となる. 送信機の送信電力が同一であることや,半値角0.8◦ のアンテナで250m先に電波を放射した場合のビー ム幅が1.75mとなることから,2式の送信機及び受 信機を近接設置していれば,一方の送信機から放射し た電波が双方の受信機に到達する.半値角が小さい ためにアンテナの指向性によって干渉源となる送信機 から放射される電力も若干小さくはなるが,ワース トケースとなる干渉電力の大きさは,干渉源の送信
EIRP(Equivalent isotropically radiated power)に アンテナの交差偏波識別度(XPD; Cross Polarization Discrimination)を乗じた電力となる.そこで,アン テナの放射パターンの測定と同様に,ニアフィールド 測定装置を用いて4式のアンテナの測定から,遠方界 におけるXPDの最大値を調べた(表3).このXPD は,主偏波側の最大放射電力を0dBとした相対値を 示している.XPDの測定値はアンテナによって個体 差があるが,以降はXPDの最悪値である21.5dBを 基準に議論を進める. XPD = 21.5dBを基準としたときの,干渉を含めた 信号対雑音電力比(以下,CNI比と表記する)は図15 のようになる.CNI比は,キャリア電力に対する熱雑 音と干渉電力の和で算出した.受信電力が低いうちは 干渉電力が熱雑音より小さくほとんど影響を与えない
図 15 干渉を考慮した信号対雑音電力比 Fig. 15 SNR considering Interfarence.
表 4 120GHz帯無線機による 250m 伝送の回線計算 Table 4 Link budget for 120-GHz-band transceiver.
送信周波数 125 GHz 周波数帯域幅 17 GHz 送信電力 10 mW 送信アンテナ利得 44 dBi 送信給電損失 2 dB 伝送距離 250 m 自由空間損失 122.3 dB 降雨減衰 5.8 dB 受信アンテナ利得 44 dBi 受信給電損失 2 dB 受信電力 −34.1 dBm 雑音指数 10 dB 雑音電力 −61.5 dBm 所要 CN 比 17.5 dB 伝送マージン 9.9 dB が,受信電力が−40dBmを超えると干渉電力が熱雑 音よりも大きくなり,受信電力を高くしてもCNI比は 21.5dBで飽和する.ただし,XPDをワーストケース で考えた場合においても所要CN比の17.5dBを確保 できるため,誤り訂正を使用すれば干渉の影響を受け ながらも無線伝送ができると考えられる. 表4は,2. 1で述べた120GHz帯SHV-FPUの利 用条件に基づいて,本章で検討を進めた120GHz帯無 線装置の特性を反映させた回線設計である.降雨強度 60mm/hの減衰を受けたとしても,伝送マージンを約 10dB確保することができる.ミリ波では,アンテナ のレドームに雨滴が流れたり,付着した場合に,アン テナの利得が数dB程度低下することが知られている. しかし,約10dBのマージンがあるため,60mm/h の強雨時においても,伝送上の問題は生じないもの と考える.以上の検討により,120GHz帯SHV-FPU で8K信号を安定して無線伝送できる見とおしが得ら れた. 表 5 伝送距離 1.25km の回線計算 Table 5 Link budget for 1.25 km transmission.
伝送距離 1.25 km 自由空間損失 136.3 dB 受信電力 −42.3 dBm 雑音電力 −61.5 dBm CN比 19.2 dB CI比 21.5 dB CNI比 17.2 dB 所要 CN 比 17.5 dB
5.
伝 送 実 験
製作した120GHz帯SHV-FPUの伝送特性を評価 するために,晴天時の長距離伝送実験による性能評価 実験と実際の中継番組の制作を想定した低温下での伝 送実験を行った. 5. 1 1.25km伝送実験による伝送特性の評価 製作した120GHz帯SHV-FPUについて,伝送可 能な距離の確認と干渉が伝送特性に与える影響の二つ の観点で評価するための伝送実験を行った.伝送可能 な距離を確認するために,表4の降雨減衰の5.8dB と伝送マージン9.9dBを合わせた15.7dBのマージン が小さくなるように実験の条件を設定した.送信点を NTT砧局,受信点をNHK放送技術研究所として伝 送距離1.25kmとすることで,表4の自由空間伝搬損 失を14dB増加させてマージンを小さくした. また,干渉による伝送特性の影響を調査するために, 送信機間距離及び受信機間距離をともに0.5mと近接 させて配置した.伝送距離が1.25km,アンテナの半 値角が0.8◦であることから,2式の受信機はともに干 渉源となる無線機のメインローブ内に存在する.その ため,2式の送信機から同時に電波を放射した場合は 干渉を無視できない状況となる.その一方で,1式の 送信機のみから電波を放射した場合は,水平偏波また は垂直偏波のいずれかのみで伝送できるため,干渉の 影響がない条件で実験ができる. この実験における回線計算を表5に示す.送信周波 数や周波数帯域幅,送信電力など表4と同一の一部の パラメータについては記載を省略している. 初めに,伝送可能な距離に関する性能を明らかにす るために,干渉がない条件でBERを計測した.表6 の干渉なしの列に,水平偏波または垂直偏波のいずれ か一方のみで伝送したときのBERを示す.BERの 値は水平偏波,垂直偏波でほぼ等しくなり,偏波の違 いによる伝送特性の差異はないといえる.120GHz帯垂直偏波 4× 10 1× 10
図 16 1.25km伝送実験での BER
Fig. 16 BER characteristics on tranmission experiment of 1.25 km. で−40dBm以下の受信電力を直接計測することが困 難なため,図11のBERから受信電力を推定すると −44dBmとなる.この受信電力は表5の回線計算よ り1.7dB低いものの,BERから受信電力を推定した ことによる誤差を含んでいることを考慮すれば,おお むね回線設計に合致した受信電力といえる.これらの 結果から,受信電力の推定値が若干低いものの,誤り 訂正で伝送できる限界に近い受信条件となっており, 想定した距離を無線伝送できる性能が得られていると いえる. 次に,干渉による伝送特性への影響を評価する. 図16は,実験中のある期間における水平偏波,垂直 偏波の誤り訂正前のBERの時間推移を示している. 図16は,送信機2式ともに電波発射した場合(図中 の(1)の期間),水平偏波の送信機のみ電波発射した場 合(図中の(2)の期間),垂直偏波のみ電波発射した場 合(図中の(3)の期間)のBERを計測した結果であ る.あわせて,表6の干渉ありの列に(1)の期間にお けるBERを記載した.ここで,図16において,(2) の期間の垂直偏波のBERと(3)の期間の水平偏波の BERは,送信機が停波中のため計測を行っていない. 干渉がない場合はBERが10−5台であったのに対 し,干渉がある場合のBERは10−4とおよそ1桁悪 くなる.図11より,表 6のBERの差は受信電力が 1dB減少したことと等価であり,干渉のないCN比と 図 17 さっぽろ雪まつりでの 8K 信号の伝送系統 Fig. 17 8K signal transmission for the 66th Sapporo
Snow Festival. 干渉を考慮したCNI比の間には1dBの差がある.実 験より推定された受信電力−44dBmより,CN比と CNI比の差が1dBとなるXPDは25.1dBであると 推定される.回線計算で用いたXPDの21.5dBより 小さいものの,回線計算においてXPDの最悪値から 干渉の影響をおおむね見積もることは妥当であると考 える. ここまでの干渉の影響を考慮した実験の結果により, 測定したアンテナのXPDをもとに想定した回線計算 とおおむね一致するといえる. 5. 2 中継番組の制作を想定した伝送実験 8Kの番組制作を想定した120GHz帯SHV-FPUの 活用と寒冷地での伝送特性の評価を目的とした伝送 実験を2015年2月に実施した.第66回さっぽろ雪 まつり(2015年2月5日-11日)に合わせてNHK 札幌放送局で開催した8Kのパブリックビューイン グ(PV)において,8K信号の伝送系統に120GHz帯 SHV-FPUを組み込んで伝送実験を行った.PVでの 8K信号の伝送系統を図17に示す.PVは,8K-SHV カメラで撮影した雪まつりの大通り会場(2丁目会場) の映像をNHK札幌放送局でライブ上映した. 120GHz帯SHV-FPUでの無線伝送は,ケーブル の敷設が困難な大通り会場からさっぽろテレビ塔の間 の160mの距離で実施した.伝送実験における晴天時 と60mm/hを想定した雨天時の回線計算を表7に示
表 7 さっぽろ雪まつりの伝送における回線計算 Table 7 Link budget for the 66th Sapporo Snow
Festival. 晴天時 雨天時 伝送距離 160 m 自由空間損失 118.5 dB 降雨減衰 0 dB 3.8 dB 受信電力 −24.5 dBm −28.3 dBm 雑音電力 −61.5 dBm CN比 37 dB 33.2 dB CI比 21.5 dB CNI比 21.4 dB 21.2 dB 図 18 受信点での気温と受信電力の時刻変動 Fig. 18 Time behaviour for a air temperture and
received power at received point.
す.送信周波数や周波数帯域幅,送信電力など表4と 同一である一部のパラメータについては記載を省略し ている.短距離の無線伝送のため,降雨減衰を考慮し ても伝送マージンは十分に大きく,安定した無線伝送 が期待できる状況であった. 図18に晴天時(2月11日)での垂直偏波と水平偏 波の受信電力と受信点で測定した気温の時間変動を示 す.水平偏波の受信電力は約−25dBmとほぼ回線計 算どおりの受信電力であるのに対し,垂直偏波の受信 電力は約−27dBmと2dB低い.この理由は,送信機 側に組んだ鉄製の足場の中段に無線機を設置したこと や,アンテナの向きの若干のずれから生じた電波伝搬 の差によるものと推測される.受信電力の安定性の点 に着目すると,測定期間での気温変動は8◦Cであるの に対して,受信電力の変動は1dBの範囲に収まってお り,気温の変化に対する特性は安定しているといえる. 図19は,雨天時(2月8日)の受信電力の時間変 動である.この日は,正午前から降雨が観測され,以 降は測定終了時刻まで断続的に雨が降る状況であった. この降雨によって,受信電力は晴天時に比べ垂直偏波・ 水平偏波ともに約4dB低下した.断続的な降雨にも 図 19 降雨による受信電力の時刻変動 Fig. 19 Time behaviour for a received power under
rainfall condition. かかわらず,正午前の降雨で約4dB低下した後に受信 電力が低下したままである理由は,雨滴が無線機やア ンテナを保護するカバーに付着したことで,電波が減 衰したためと考えられる.8K信号の伝送については, 受信マージンの範囲内のため影響はなかった. また,実験期間中にはたびたび視界が遮られるほど の降雪もあったが,いずれの状況においても受信電力 の変動は見られなかった.これは,札幌で降る雪の含 水率が小さいために,120GHz帯の電波伝搬には影響 を与えなかったものと推測される. 実験の結果,さっぽろ雪まつりが開催された全期 間において,上映した映像・音声の乱れはなく,晴天 時,雨天時,降雪時のいずれにおいても120GHz帯 SHV-FPUでの無線伝送による伝送エラーは発生しな かった.
6.
む す び
8Kスーパーハイビジョンの放送サービスの実現に 向け,番組制作で利用する番組素材無線伝送装置であ る120GHz帯SHV-FPUを開発した.8本のHD-SDI 信号の多重化や音声信号の伝送に対応したベースバン ド信号処理装置と120GHz帯無線機を開発し,その 性能評価の結果から,設計どおりの伝送特性が得られ ることがわかった.また,120GHz帯無線機を近接さ せて設置した場合において,干渉の影響を受けながら も250mの伝送ができることを実験によって実証した. 更に,さっぽろ雪まつりのパブリックビューイングで 8K信号の伝送を実施し,温度補償機能によって安定 した無線伝送ができることを確認した.一連の実験か ら120GHz帯SHV-FPUを番組制作の現場において, 安定して伝送できることを実証した.Motion Imaging J., vol.121, no.4, pp.63–68, May-June 2012. [2] 門 勇一,久々津直哉,枚田明彦,小杉敏彦,高橋宏行,竹内 淳,岡部 聡,居相直彦,遠藤洋介,池田哲臣,杉之下 文康,正源和義,池川英彦,西川 寛,中山稔啓,稲田 智徳,“放送現場における 120GHz 帯ミリ波無線システ ムの応用,” MWE2008 Microwave Workshop Digest, pp.463–468, Nov. 2008.
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(平成 28 年 2 月 16 日受付,7 月 14 日公開) 送技術研究所にて,ミリ波イメージング技 術,ミリ波無線伝送システムの研究に従事. 岡部 聡 (正員) 1994年,大阪電気通信大学工学部通信 工学科卒業.同年,日本放送協会入局.大 阪放送局を経て,1998 年より,放送技術 研究所にて UHF 帯・マイクロ波帯・ミリ 波帯ディジタル FPU の研究に従事.現在, 同研究所伝送システム研究部副部長. 杉之下文康 (正員) 1984年,慶應義塾大学大学院工学研究 科修士課程修了.同年,日本放送協会入局. 静岡放送局を経て,1987 年より,放送技 術研究所にて,マイクロ波ミリ波回路,素 材伝送技術の研究に従事.現在,NHK エ ンジニアリングシステム特許部長. 竹内 淳 (正員) 2008年,東京工業大学大学院総合理工 学研究科物理電子システム創造専攻修士課 程修了.同年,日本電信電話株式会社入社. マイクロシステムインテグレーション研究 所(現,先端集積デバイス研究所)にて, 120GHz帯ミリ波無線装置に関する研究に 従事.現在,東日本電信電話株式会社に勤務. 枚田 明彦 (正員:シニア会員) 1994年,東京大学理学系大学院化学専 攻修士課程修了.同年,日本電信電話株式 会社入社.2007 年,東京大学工学系大学 院にて博士(工学)取得.マイクロシステ ムインテグレーション研究所(現,先端集 積デバイス研究所)にて,120GHz 帯ミリ 波技術に関する研究に従事.