【目次】
はじめに Ⅰ章 平成 23 年度社会教育委員会議による調査研究 Ⅱ章 中学生の社会参加を推進する体制づくり Ⅲ章 中学生の社会参加の状況(平成 24 年度) まとめ 参考資料はじめに
―――社会に居場所がない―――平成 22 年 1 月放送 の NHK 総合テレビ「無縁社会」では、多くの人が家庭、 地域、職場等で居場所を失い、自分の存在意義に戸惑い、 何のために生きているのかと追いつめられていく深刻な 状況が映し出された。 無縁 となる人たちが高齢者だけ でなく、すさまじい勢いで低年齢化しているというこの 報告は、人々が多様につながりあえる生涯学習社会の創■実践研究
中学生の社会参加を推進する栃木県壬生町の取組
−学校と公民館・生涯学習センターとの連携に関する調査から考える−
Promoting Social Participation of Junior High School Students,
Hosted by the Local Government in Mibu Town in Tochigi Prefecture
An Investigation of Partnership between Schools and Centers for
Community and Lifelong Learning
吉田 達也
※Tatsuya YOSHIDA
※ 栃木県教育委員会事務局下都賀教育事務所学校支援課 指導主事(前 壬生町教育委員会事務局生涯学習課 主査兼社会教育主事) 出に取組んできた関係者に、たいへん大きな衝撃を与え た。 そうした中、「子どもたちの中でも、特に中学生の姿が、 なかなか地域社会の中に見えない」という、いわゆる「中 学生の地域離れ」を指摘する声も耳にする。中学生を取 り巻く環境は厳しく、不登校の中学生は全国で 9 万人 [1] を超えるという。諸外国と比較して日本の中学生は著し く自己肯定感が低い、という調査結果 [2] もある。学校 や家庭に居場所がなく、自分に価値を見出せずに苦しん でいる中学生が決して少なくない。中学生が「この学校、 この街に育って良かった」と感じられるような地域社会 を実現し、次代を担う存在として大切に育んでいくこと ―――学校や地域社会の中に中学生の 居場所と出番 をつくり出し、青年教育の充実へとつなげていくこと― ――は喫緊の地域課題の一つと言える。東日本大震災以 降、特にソーシャル・キャピタルの構築への関心が高ま る中、地域社会と中学生との間に橋を架けること――― 中学生が地域住民から必要とされたり、地域住民の役に 立ったりする経験ができるよう、その基盤の整備に努め ること―――はとりわけ重要なことだろう。 ―――中学生は勉強や部活動で忙しいのだから、社会 参加は無理だ―――こうした指摘も耳にする。だが、中 学生の社会参加を推進するこの取り組みには、多様な人 生観・価値観をもつ地域住民との交流をとおして、中学 要旨:本稿は、中学生の社会参加を推進する栃木県壬生町における、平成 24 年度の取り組みを報告するもので ある。「中学生の地域離れ」を指摘する声のある今日、延べ 300 名を越える中学生が様々な地域行事で活躍した。 中学生が地域住民と共に運営スタッフの一員として社会参加を目指すこの取り組みは、青年教育の充実に向けた 展開はもちろん、地域住民を巻き込んだまちづくりへと発展する可能性も期待できる。 キーワード:社会教育、中学生、社会参加、地域活動、青年教育、成人教育、学校と地域の連携 ・ 協力37 条件付肯定と合せると、約 9 割の保護者が中学生の社会 参加を肯定的に捉えている(図 4)。 (5) 調査 5:公民館を拠点とした活動意欲 社会参加の拠点と期待される公民館(条例公民館 ・ 自 治会公民館)をどんなイメージで捉えているかを中学生 に問うたところ、「人との交流の場・居場所」としての公 民館像が最も多く 57.0%だった(図 5)。
Ⅱ章 中学生の社会参加を推進する
体制づくり
前述の調査研究を通して、「中学生の地域離れ」という 現状が改めて浮き彫りとなった。一方、9 割近い保護者 が中学生の社会参加を肯定的にとらえていることや、多 くの中学生が公民館を拠点とした社会参加――特に人と の交流や居場所づくり――に関心を寄せていることなど も併せて明らかとなった。 こうした結果を受け、チームでは、将来的には自治会 等の地域団体が自発的に中学生の社会参加を推進してい ける状況を理想としつつも、初期段階である平成 24 年 度から当初 3 年間程度は、社会教育行政主導でその環境 整備に努めていくこととした。 (1) 町主催行事等での活躍機会の創出 チームでは、ロジャー ・ ハート [3] の「参画のはしご」 (表 2)を手がかりに、中学生の社会参加のビジョンを構 想することとした。将来的には、ロジャー ・ ハートが指 摘する 7 段目及び 8 段階目を目指しつつ、1 年目となる 平成 24 年度は、「参加した中学生が、小さな成功体験を 味わえることを重視しよう」と考え、4 段階目及び 5 段 階目を射程に据えることとした。具体的には、下記のア ・ イの形での社会参加を想定し、中学生に参加を促して いくこととした。 ア 壬生町及び町内の地域団体(自治会やサークル) 等が主催し、地域住民が運営スタッフとして携わっ ている既存の地域行事に、中学生も運営スタッフの 一員として加わる。 イ 公民館等の社会教育施設が主催する講座に、中 学生が受講者の一員として参加する。 (2) 地域社会と中学生の間に橋を架けるチーム 中学生の社会参加を円滑かつ効果的に促進するには、 地域行事の主催者と中学生との間に橋を架けるコーディ 㻥㻚㻜㻑 㻝㻝㻚㻝㻑 㻝㻝㻚㻟㻑 㻝㻟㻚㻣㻑 㻝㻡㻚㻤㻑 㻝㻤㻚㻣㻑 㻟㻜㻚㻟㻑 㻟㻟㻚㻤㻑 㻣㻥㻚㻥㻑 ே䛸ே䛸䛾䛴䛺䛜䜚䛜 ᕼⷧ䛻䛺䛳䛶䛔䜛䛛䜙 ୰Ꮫ⏕䛾⾜ື⠊ᅖ䛜 䚷ᗈᇦ䛧䛶䛔䜛䛛䜙 䚷䚷䚷ே䛜య䛸䛺䛳䛶 ⾜䜢㐠Ⴀ䛧䛶䛔䜛䛛䜙 䚷୰Ꮫ⏕䛻⾜䛾 㐃⤡䛜䛣䛺䛔䛛䜙 䚷䚷ᛮᮇ┿䛳ྈ୰䛷䚸 ⮬ᕫ⾲⌧䛜㞴䛧䛔䛛䜙 ⏕ά䝇䝍䜲䝹䛜ከᵝ 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䛧䛶䛔䜛䛛䜙 䚷䚷䚷⾜ෆᐜ䛜୰Ꮫ⏕䛾 㛵ᚰ䛸䛛䛡㞳䜜䛶䛔䜛䛛䜙 䚷Ꮚ䛹䜒⫱ᡂ䛾 ဨ䛷䛺䛟䛺䜛䛛䜙 ୰Ꮫ⏕䛿ຮᙉ䜔㒊άື 䚷䚷䚷䚷䚷➼䛷ᛁ䛧䛔䛛䜙 図 3 中学生になると地域行事へ参加しなくなる原因(保 護者調査 複数回答) 㻜㻚㻢㻑 㻝㻚㻡㻑 㻥㻚㻢㻑 㻢㻠㻚㻡㻑 㻞㻟㻚㻡㻑 䛭䛾 ຮᙉ䜔㒊άື䛾ጉ䛢䛻䛺䜛 䚷䚷䚷䚷䛾䛷ཧຍ䛥䛫䛯䛟䛺䛔 㛫䞉యຊ䛾㠃䛛䜙⪃䛘䜛䛸 䚷䚷䚷ཧຍ䛷䛝䜛≧ἣ䛻䛺䛔 ᮏே䛜䜔䜚䛯䛔䛾䛷䛒䜜䜀 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷ཧຍ䛥䛫䛯䛔 ᶵ䛜䛒䜜䜀䛫䜂✚ᴟⓗ䛻 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷ཧຍ䛥䛫䛯䛔 図 4 我が子が地域行事へ参加することの是非 図 5 公民館で学んだり活動したりするならどのような内 容がいいか(中学生調査 複数回答) 㻝㻚㻞㻑 㻤㻚㻤㻑 㻝㻠㻚㻡㻑 㻝㻡㻚㻞㻑 㻝㻣㻚㻥㻑 㻞㻜㻚㻟㻑 㻞㻝㻚㻡㻑 㻟㻝㻚㻞㻑 㻠㻠㻚㻤㻑 㻡㻣㻚㻜㻑 䛭䛾 Ṕྐ䡡ྂ䡡ᩥ❶䛵䛟䜚䛺䛹 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷ᩍ㣴䜢㧗䜑䜛 䚷䚷䚷⤮⏬䚸䜹䝯䝷䚸᭩㐨䚸Ⲕ㐨䚸 ⳹㐨䚸㑥ᴦ䛺䛹䚸ⱁ⾡䜢ᴦ䛧䜐 䝎䞁䝇䚸䝅䜵䜲䝥䜰䝑䝥䛺䛹 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷㌟య䜢ື䛛䛩 䝞䞁䝗₇ዌ䚸䝂䝇䝨䝹䚸ྜၐ䚸 䚷䚷䚷䚷ྜዌ䛺䛹㡢䜢ᴦ䛧䜐 㨶㔮䜚䚸䜻䝱䞁䝥䛺䛹䚸 䜰䜴䝖䝗䜰䜢ᴦ䛧䜐 䚷䜒䛾䛵䛟䜚䚸ᐇ㦂䡡ほᐹ䛺䛹䚸 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷⛉Ꮫ䜢ᴦ䛧䜐 䚷䚷䛚ⳫᏊ䛵䛟䜚䚸╔䛡䚸 సἲ䛺䛹䚸ᬽ䜙䛧䜢ᴦ䛧䜐 ኟఇ䜏䛾ᐟ㢟䜢䜔䜛䚸ఇ᪥䛻 䚷䚷ຮᙉ䛩䜛䛺䛹䚸Ꮫຊ䛾ྥୖ 䚷䚷䚷㐟䜆䚸ヰ䜢䛩䜛䛺䛹䚸 ே䛸䛾ὶ䛾ሙ䡡ᒃሙᡤ 36 生が思考力・判断力・表現力等いわゆる 生きる力 を 身に付け、次代を担う存在へとたくましく育ってほしい、 という願いが込められている。中学生が地域住民と共に 活動するその過程では、大人同士が新たにつながりあい、 まちを暮らしやすく変えようとする力量の形成にも寄与 する。中学生の活動が、地域住民を巻き込んだまちづく りへと発展する可能性も感じる。実はこの取り組みは、 中学生をターゲットにしつつも、中学生を取り巻く大人 にとって学びの場となり得る成人教育の要素も含んでい る。 平成 23 年 2 月、壬生町教育委員会は、社会教育法第 17 条に基づいて壬生町社会教育委員会議(15 名で構成。 以下、会議)に諮問し、中学生が地域社会で活躍できる まちづくりを推進するべく調査研究を行い、具体的方策 を提言するよう求めた。従来、教育行政関係者は「中学 生を社会教育事業の対象とすることは難しい」というこ とを自明の理とし、議論の俎上に上げることなく、等閑 に付してきた。しかし全 7 回開催された会議では、熱い 議論や調査研究、先進地での情報収集等が行われた。そ の結果は平成 24 年 2 月に答申として壬生町教育委員会 へ提出された。 答申を受け壬生町教育委員会では、平成 24 年 4 月よ り生涯学習課内に社会教育係と公民館係から成るプロ ジェクトチーム(以下、チーム)を編成し、「中学生地域 活動参画推進計画」(以下、計画)をスタートさせた。同 計画は、町及び町内の地域団体等が主催する様々な地域 行事や、公民館等社会教育施設で行われる各種講座等で、 中学生が地域住民と一緒に企画 ・ 運営をして活躍できる よう、その機会を創出しようとするものである。 本稿は、チームが取組んだ平成 24 年度の取り組みを まとめ、そこから浮き彫りとなった成果や課題等をまと めた中間報告である。Ⅰ章 平成 23 年度社会教育委員
会議による調査研究
平成 23 年度の会議では、調査研究部会を設け、社会 参加に向けた実態把握やアンケート調査(表 1)、過去に 実施された各種調査の分析等を実施した。 (1) 調査 1:保護者が抱く「中学生の地域離れ」 9 割以上の保護者が、「中学生になると地域の行事に参 加しなくなる」と感じている(図 1)。教育行政関係者が 抱く「中学生を社会教育事業の対象とすることは難しい」 という意識と重なる結果といえる。 (2) 調査 2:「地域活動への参加」意識の追跡 文部科学省が実施する「全国学力学習状況調査(生活 に関する質問紙調査)」を基に、児童生徒の地域活動参加 意識の変化を追った。平成 19 年度の町内小学校 6 学年 児童の中で、「地域行事にとてもよく参加している」と回 答した子の割合は 36.6%だが、中学 3 学年に進級した平 成 22 年度には 12.7%となり、2 割以上減少している実 態がわかった ( 図 2)。先述の調査 1 で、9 割の保護者が 抱いている「中学生の地域離れ」を裏付ける結果データ といえる。 (3) 調査 3:「中学生の地域離れ」の原因 保護者に「中学生の地域離れ」の原因をきいたところ、 「勉強や部活動による多忙な生活」を挙げる声が最も多く、 79.9%だった(図 3)。中学生の社会参加を進める上で、 勉強や部活動による多忙感にどう向き合うかは、重要な 課題のひとつといえる。 (4) 調査 4:社会参加に対する保護者の意識 我が子の社会参加を積極的に肯定する保護者は、全体 の 23.5%だった。「本人がやりたいのであれば」というᑐ㇟
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表 1 調査対象者及び回収率 㻟㻥㻚㻤㻑 㻞㻚㻝㻑 㻠㻚㻡㻑 㻡㻟㻚㻢㻑 䜎䛳䛯䛟䛭䛖ᛮ䜟䛺䛔 䛹䛱䜙䛛䛸䛔䛘䜀 䚷䚷䛭䛖ᛮ䜟䛺䛔 䛹䛱䜙䛛䛸䛔䛘䜀 䚷䚷䚷䚷䚷䛭䛖ᛮ䛖 䛸䛶䜒䛭䛖ᛮ䛖 図 1 中学生の姿が地域の中に見えないという指摘につい て(保護者調査) 㻝㻞㻚㻣㻑 㻟㻢㻚㻢㻑 䚷䚷ᖹᡂ㻞㻞ᖺᗘ䛾 ୰Ꮫᰯ㻟Ꮫᖺ⏕ᚐ 䚷䚷ᖹᡂ㻝㻥ᖺᗘ䛾 ᑠᏛᰯ㻢Ꮫᖺඣ❺ 図 2 地域活動参加意識の追跡調査条件付肯定と合せると、約 9 割の保護者が中学生の社会 参加を肯定的に捉えている(図 4)。 (5) 調査 5:公民館を拠点とした活動意欲 社会参加の拠点と期待される公民館(条例公民館 ・ 自 治会公民館)をどんなイメージで捉えているかを中学生 に問うたところ、「人との交流の場・居場所」としての公 民館像が最も多く 57.0%だった(図 5)。
Ⅱ章 中学生の社会参加を推進する
体制づくり
前述の調査研究を通して、「中学生の地域離れ」という 現状が改めて浮き彫りとなった。一方、9 割近い保護者 が中学生の社会参加を肯定的にとらえていることや、多 くの中学生が公民館を拠点とした社会参加――特に人と の交流や居場所づくり――に関心を寄せていることなど も併せて明らかとなった。 こうした結果を受け、チームでは、将来的には自治会 等の地域団体が自発的に中学生の社会参加を推進してい ける状況を理想としつつも、初期段階である平成 24 年 度から当初 3 年間程度は、社会教育行政主導でその環境 整備に努めていくこととした。 (1) 町主催行事等での活躍機会の創出 チームでは、ロジャー ・ ハート [3] の「参画のはしご」 (表 2)を手がかりに、中学生の社会参加のビジョンを構 想することとした。将来的には、ロジャー ・ ハートが指 摘する 7 段目及び 8 段階目を目指しつつ、1 年目となる 平成 24 年度は、「参加した中学生が、小さな成功体験を 味わえることを重視しよう」と考え、4 段階目及び 5 段 階目を射程に据えることとした。具体的には、下記のア ・ イの形での社会参加を想定し、中学生に参加を促して いくこととした。 ア 壬生町及び町内の地域団体(自治会やサークル) 等が主催し、地域住民が運営スタッフとして携わっ ている既存の地域行事に、中学生も運営スタッフの 一員として加わる。 イ 公民館等の社会教育施設が主催する講座に、中 学生が受講者の一員として参加する。 (2) 地域社会と中学生の間に橋を架けるチーム 中学生の社会参加を円滑かつ効果的に促進するには、 地域行事の主催者と中学生との間に橋を架けるコーディ 㻥㻚㻜㻑 㻝㻝㻚㻝㻑 㻝㻝㻚㻟㻑 㻝㻟㻚㻣㻑 㻝㻡㻚㻤㻑 㻝㻤㻚㻣㻑 㻟㻜㻚㻟㻑 㻟㻟㻚㻤㻑 㻣㻥㻚㻥㻑 ே䛸ே䛸䛾䛴䛺䛜䜚䛜 ᕼⷧ䛻䛺䛳䛶䛔䜛䛛䜙 ୰Ꮫ⏕䛾⾜ື⠊ᅖ䛜 䚷ᗈᇦ䛧䛶䛔䜛䛛䜙 䚷䚷䚷ே䛜య䛸䛺䛳䛶 ⾜䜢㐠Ⴀ䛧䛶䛔䜛䛛䜙 䚷୰Ꮫ⏕䛻⾜䛾 㐃⤡䛜䛣䛺䛔䛛䜙 䚷䚷ᛮᮇ┿䛳ྈ୰䛷䚸 ⮬ᕫ⾲⌧䛜㞴䛧䛔䛛䜙 ⏕ά䝇䝍䜲䝹䛜ከᵝ 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䛧䛶䛔䜛䛛䜙 䚷䚷䚷⾜ෆᐜ䛜୰Ꮫ⏕䛾 㛵ᚰ䛸䛛䛡㞳䜜䛶䛔䜛䛛䜙 䚷Ꮚ䛹䜒⫱ᡂ䛾 ဨ䛷䛺䛟䛺䜛䛛䜙 ୰Ꮫ⏕䛿ຮᙉ䜔㒊άື 䚷䚷䚷䚷䚷➼䛷ᛁ䛧䛔䛛䜙 図 3 中学生になると地域行事へ参加しなくなる原因(保 護者調査 複数回答) 㻜㻚㻢㻑 㻝㻚㻡㻑 㻥㻚㻢㻑 㻢㻠㻚㻡㻑 㻞㻟㻚㻡㻑 䛭䛾 ຮᙉ䜔㒊άື䛾ጉ䛢䛻䛺䜛 䚷䚷䚷䚷䛾䛷ཧຍ䛥䛫䛯䛟䛺䛔 㛫䞉యຊ䛾㠃䛛䜙⪃䛘䜛䛸 䚷䚷䚷ཧຍ䛷䛝䜛≧ἣ䛻䛺䛔 ᮏே䛜䜔䜚䛯䛔䛾䛷䛒䜜䜀 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷ཧຍ䛥䛫䛯䛔 ᶵ䛜䛒䜜䜀䛫䜂✚ᴟⓗ䛻 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷ཧຍ䛥䛫䛯䛔 図 4 我が子が地域行事へ参加することの是非 図 5 公民館で学んだり活動したりするならどのような内 容がいいか(中学生調査 複数回答) 㻝㻚㻞㻑 㻤㻚㻤㻑 㻝㻠㻚㻡㻑 㻝㻡㻚㻞㻑 㻝㻣㻚㻥㻑 㻞㻜㻚㻟㻑 㻞㻝㻚㻡㻑 㻟㻝㻚㻞㻑 㻠㻠㻚㻤㻑 㻡㻣㻚㻜㻑 䛭䛾 Ṕྐ䡡ྂ䡡ᩥ❶䛵䛟䜚䛺䛹 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷ᩍ㣴䜢㧗䜑䜛 䚷䚷䚷⤮⏬䚸䜹䝯䝷䚸᭩㐨䚸Ⲕ㐨䚸 ⳹㐨䚸㑥ᴦ䛺䛹䚸ⱁ⾡䜢ᴦ䛧䜐 䝎䞁䝇䚸䝅䜵䜲䝥䜰䝑䝥䛺䛹 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷㌟య䜢ື䛛䛩 䝞䞁䝗₇ዌ䚸䝂䝇䝨䝹䚸ྜၐ䚸 䚷䚷䚷䚷ྜዌ䛺䛹㡢䜢ᴦ䛧䜐 㨶㔮䜚䚸䜻䝱䞁䝥䛺䛹䚸 䜰䜴䝖䝗䜰䜢ᴦ䛧䜐 䚷䜒䛾䛵䛟䜚䚸ᐇ㦂䡡ほᐹ䛺䛹䚸 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷⛉Ꮫ䜢ᴦ䛧䜐 䚷䚷䛚ⳫᏊ䛵䛟䜚䚸╔䛡䚸 సἲ䛺䛹䚸ᬽ䜙䛧䜢ᴦ䛧䜐 ኟఇ䜏䛾ᐟ㢟䜢䜔䜛䚸ఇ᪥䛻 䚷䚷ຮᙉ䛩䜛䛺䛹䚸Ꮫຊ䛾ྥୖ 䚷䚷䚷㐟䜆䚸ヰ䜢䛩䜛䛺䛹䚸 ே䛸䛾ὶ䛾ሙ䡡ᒃሙᡤ 生が思考力・判断力・表現力等いわゆる 生きる力 を 身に付け、次代を担う存在へとたくましく育ってほしい、 という願いが込められている。中学生が地域住民と共に 活動するその過程では、大人同士が新たにつながりあい、 まちを暮らしやすく変えようとする力量の形成にも寄与 する。中学生の活動が、地域住民を巻き込んだまちづく りへと発展する可能性も感じる。実はこの取り組みは、 中学生をターゲットにしつつも、中学生を取り巻く大人 にとって学びの場となり得る成人教育の要素も含んでい る。 平成 23 年 2 月、壬生町教育委員会は、社会教育法第 17 条に基づいて壬生町社会教育委員会議(15 名で構成。 以下、会議)に諮問し、中学生が地域社会で活躍できる まちづくりを推進するべく調査研究を行い、具体的方策 を提言するよう求めた。従来、教育行政関係者は「中学 生を社会教育事業の対象とすることは難しい」というこ とを自明の理とし、議論の俎上に上げることなく、等閑 に付してきた。しかし全 7 回開催された会議では、熱い 議論や調査研究、先進地での情報収集等が行われた。そ の結果は平成 24 年 2 月に答申として壬生町教育委員会 へ提出された。 答申を受け壬生町教育委員会では、平成 24 年 4 月よ り生涯学習課内に社会教育係と公民館係から成るプロ ジェクトチーム(以下、チーム)を編成し、「中学生地域 活動参画推進計画」(以下、計画)をスタートさせた。同 計画は、町及び町内の地域団体等が主催する様々な地域 行事や、公民館等社会教育施設で行われる各種講座等で、 中学生が地域住民と一緒に企画 ・ 運営をして活躍できる よう、その機会を創出しようとするものである。 本稿は、チームが取組んだ平成 24 年度の取り組みを まとめ、そこから浮き彫りとなった成果や課題等をまと めた中間報告である。Ⅰ章 平成 23 年度社会教育委員
会議による調査研究
平成 23 年度の会議では、調査研究部会を設け、社会 参加に向けた実態把握やアンケート調査(表 1)、過去に 実施された各種調査の分析等を実施した。 (1) 調査 1:保護者が抱く「中学生の地域離れ」 9 割以上の保護者が、「中学生になると地域の行事に参 加しなくなる」と感じている(図 1)。教育行政関係者が 抱く「中学生を社会教育事業の対象とすることは難しい」 という意識と重なる結果といえる。 (2) 調査 2:「地域活動への参加」意識の追跡 文部科学省が実施する「全国学力学習状況調査(生活 に関する質問紙調査)」を基に、児童生徒の地域活動参加 意識の変化を追った。平成 19 年度の町内小学校 6 学年 児童の中で、「地域行事にとてもよく参加している」と回 答した子の割合は 36.6%だが、中学 3 学年に進級した平 成 22 年度には 12.7%となり、2 割以上減少している実 態がわかった ( 図 2)。先述の調査 1 で、9 割の保護者が 抱いている「中学生の地域離れ」を裏付ける結果データ といえる。 (3) 調査 3:「中学生の地域離れ」の原因 保護者に「中学生の地域離れ」の原因をきいたところ、 「勉強や部活動による多忙な生活」を挙げる声が最も多く、 79.9%だった(図 3)。中学生の社会参加を進める上で、 勉強や部活動による多忙感にどう向き合うかは、重要な 課題のひとつといえる。 (4) 調査 4:社会参加に対する保護者の意識 我が子の社会参加を積極的に肯定する保護者は、全体 の 23.5%だった。「本人がやりたいのであれば」というᑐ㇟
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表 1 調査対象者及び回収率 㻟㻥㻚㻤㻑 㻞㻚㻝㻑 㻠㻚㻡㻑 㻡㻟㻚㻢㻑 䜎䛳䛯䛟䛭䛖ᛮ䜟䛺䛔 䛹䛱䜙䛛䛸䛔䛘䜀 䚷䚷䛭䛖ᛮ䜟䛺䛔 䛹䛱䜙䛛䛸䛔䛘䜀 䚷䚷䚷䚷䚷䛭䛖ᛮ䛖 䛸䛶䜒䛭䛖ᛮ䛖 図 1 中学生の姿が地域の中に見えないという指摘につい て(保護者調査) 㻝㻞㻚㻣㻑 㻟㻢㻚㻢㻑 䚷䚷ᖹᡂ㻞㻞ᖺᗘ䛾 ୰Ꮫᰯ㻟Ꮫᖺ⏕ᚐ 䚷䚷ᖹᡂ㻝㻥ᖺᗘ䛾 ᑠᏛᰯ㻢Ꮫᖺඣ❺ 図 2 地域活動参加意識の追跡調査39
12 ⾜ྡ ദ⪅ ᪥ ୰Ꮫ⏕ᩘ ᮾ᪥ᮏ㟈⅏⿕⅏⪅ᨭ㺟㺊㺶㺡㺆㺎ὶ ⏕⏫ᩥ༠࣭⏕⏫ +㸦ᅵ㸧㹼 1+.බ㛤㘓ࠕ྿ዌᴦࡢࡦࡧࡁࠖ 1+.Ᏹ㒔ᐑᨺ㏦ᒁ࣭⏕⏫ +㸦᪥㸧 ࡳࡪࡗᏊࢻ࢟ࢻ࢟ࢧ࣐࣮࢟ࣕࣥࣉ ⏫Ꮚࡶ⫱ᡂ㐃⤡༠㆟ +㸦㔠㸧㹼 ࠕ࣏ࢣࢵࢺࠖኟ⚍ࡾ Ꮚ⫱࡚ᨭࢢ࣮ࣝࣉࠕ࣏ࢣࢵࢺࠖ +㸦㔠㸧 ⏕ࡩࡿࡉࡲࡘࡾ>ᶍᨃᗑ@ ⏕⏫ほග༠࣭⏕⏫ +㸦ᅵ㸧 ⏕ࡩࡿࡉࡲࡘࡾ>᪩ᮅΎᤲ@ ⏕⏫ほග༠࣭⏕⏫ +㸦᪥㸧 ⏕⏫ᗣࡩࡃࡋࡲࡘࡾ ᗣࡩࡃࡋࡲࡘࡾᐇ⾜ጤဨ +㸦᪥㸧 ࡺ࠺ࡀ࠾࣐ࣛࢯࣥ ࡺ࠺ࡀ࠾࣐ࣛࢯࣥᐇ⾜ጤဨ +㸦᪥㸧 ⏕⏫ᡂேᘧ ⏕⏫࣭⏕⏫ᩍ⫱ጤဨ +㸦᪥㸧 ࢝ࣝࢱࡾ ⏫Ꮚࡶ⫱ᡂ㐃⤡༠㆟ +㸦ᅵ㸧 ඵᆏ⚍ࠊ⮳ᐆඵᆏ⚍ࠊ࠸ࡎࡳ⏫⮬ኟ⚍ࡾࠊ࠸ࡎࡳࡢࡘ࠸ࠊᇛෆබẸ㤋ΎᤲࠊࡦࡤࡾࣨୣᅋᆅΎᤲࠊ ᇛᮾ⫱ᡂࣛࢪ࢜య᧯ࠊ࠶ࡅࡰࡢ⣡ᾴ⚍ࠊ⮬ዊసᴗࠊ࠸ࡎࡳ⫱ᡂࣛࢪ࢜య᧯ ࡳࡪࣂࣥࢻࣇ࢙ࢫࠊ ⹒Ꮫ㏻ࡾ⚍ࡾࠊᑡᖺ㐨ᩍᐊ⾜ࢫࢱࢵࣇࠊ࠾ࡶࡕࡷࡩࢀ࠶࠸ࡲࡘࡾࠊࠕ୰࣭㧗⏕࣎ࣛࣥࢸࢧ࣐࣮ࢫࢡ࣮ࣝࠖࠊ ╬ᆅ༊ࢥ࣑ࣗࢽࢸኟ⚍ࡾࠊ╬ᆅ༊ࢥ࣑ࣗࢽࢸࢫ࣏࣮ࢶࣞࢡ࢚࣮ࣜࢩࣙࣥࠊᏳሯᆅ༊ࢥ࣑ࣗࢽࢸኟ⚍ࡾࠊ ⏕⏫⥲ྜ⏘ᴗࡲࡘࡾࠊ㹈㸿ࡋࡶࡘࡅࡩࢀ࠶࠸ࡲࡘࡾࠊ☬᰿⚄♫ᮡ⚍࣭⚍ࠊ╬ࡗᏊࡢ᳃Ύᤲ࣎ࣛࣥࢸά ືࠊᏳሯᆅ༊ู₇ⱁࠊ╬ᆅ༊ࢥ࣑ࣗࢽࢸࠕ㐟Ꮫሿࡲࡘࡾࠖᰣᮌࡢ⎔ቃ⨾┴Ẹ㐠ືࠊබẸ㤋࡛ࡢ୰Ꮫᰯ⨾ ⾡ᒎࠊ ୰Ꮫᰯྜྠ⨾⾡㺃࣮ࢺ㺃ᕤⱁ㒊ᒎࠊࡋࡶࡘࡅⲮΎᤲࠊᏱ㒔ᐑᕷẸⱁ⾡⚍ࢫࢱࢵࣇࠊబ⸨ࡦࢁࡇ࣐࣡ࣥࣥ ࣛࣈࠊᰣᮌⶶࡢ⾤ᫎ⏬⚍ࠊ࣐࣎ࣥࣝࢩ࢙ ேᒎ12
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図 6 地域活動参加記録カード(ポケットサイズ、二つ折り) 表 3 チームがコーディネートした地域行事 表 4 チームはコーディネートしていないが中学生が運営スタッフとして活躍した地域行事 ※ ( ) 内は人数 表 5 公民館講座への中学生の参加 38 ネーターをしっかり機能させることが不可欠である。こ のコーディネート機能は、チームが担い、中学生の社会 参加が一過性のムーブメントで終わらないよう、町内の 基盤整備を行うこととした。 しかし、町内で行われる全ての地域行事をチームが把 握し、それに関与していくことは、チームの能力をはる かに超える。チームがコーディネートするのは、下記の ア ・ イの場合に限定することとした。 ア 壬生町及町教育委員会が主催する行事 イ 地域団体が主催する行事のうち、社会教育係及 び公民館係がその事務局を担当する行事 なお、チームの役割は、主に次のとおりである。 ア 地域団体へ趣旨説明及び協力依頼 イ 中学生へ配付する募集チラシの作成 ウ 中学校へ募集チラシ配付依頼 エ 地域団体及び中学校との連絡 ・ 調整 オ 中学生及びその家庭との連絡 ・ 調整 カ 活動当日の中学生及び地域団体からの相談 キ ボランティア活動保険加入手続き ク 啓発リーフレットの発行 ケ 中学生の活躍を讃える表彰状の作成 等 (3) 中学校の協力による運営スタッフ募集 道徳の中学校学習指導要領解説には、指導上の配慮事 項として「社会参画への意欲や態度を身に付けること」 と明文化されている。中学生が地域社会の一員としての 自覚を深め、社会形成に主体的に参画しようとする意欲 や態度を育む教育実践は、学校教育においても模索され ている。 一方で、調査研究結果からも明らかなように「中学生 は勉強や部活動で忙しく、社会参加は難しい」という意 識が根強く、中学生の社会参加を推進する上で、勉強 ・ 部活動とのバランスをどう考えるかということは、チー ムにとって大きな課題だった。 チームでは各中学校長と協議を重ね、下記の方針を基 本として中学生に社会参加を促すこととした。 ア 地域活動への参加は、社会教育行政及び学校か らの強制ではなく、中学生本人の「やってみたい」 という意志に基づくこと。 イ 参加には、保護者の同意を得ること。 ウ 部活動の一環として、部単位で地域活動に参加 することは可能であること。 エ 中学校は、教職員の負担軽減を図る観点から次 の事項において協力すること。 ・運営スタッフ募集チラシの配付 ・参加申込書のとりまとめ ・啓発リーフレットの配付 町内全ての中学生に、地域活動へ参加できる門戸を開 きつつも、 参加する/しない の選択は、中学生に委ね る―― 勉強をがんばりたい中学生 や 部活動で活躍し たい中学生 には社会参加を強制 せず、 運営スタッフとして地域社会で活躍してみたい と願い参加申込書を提出した中学生に対してその機会を 提供する――というスタイルを採ることとした。 (4) 地域住民及び教職員への事前の説明 中学生による活動は、全て上手くいくとは限らない。 つまずいたり失敗したり、時にはトラブルになったりす ることも予想される。そうした中学生を企画運営のパー トナーとすること――信じて任せること――は、大人に とって大変勇気がいることである。 しかし、若い時に積んだ経験は忘れがたく、人生のよ いトレーニングになる。中学生が社会参加の過程で様々 な トライアル・アンド・エラー を経験することは、 自分を知り自分をコントロールする術を身に付けていく 上で大きな財産となるだろう。 運営スタッフとして中学生と一緒に活動する地域住民 には、事前説明の場を設け、本取り組みの趣旨を説明し、 納得してもらった。「失敗してもいいんだよ」「おもいき りやってごらん」と失敗に寛容な姿勢や、「最後まで君に 任せたよ」と信じてまかせる姿勢で接してほしいこと― ―壬生町の次代の担い手として皆さんの手で温かく育て てほしいこと――を伝えた。 また、チーム員が各中学校を訪ね、教職員に本取組の 趣旨を説明すると共に、中学生の社会参加への意欲が高 まるよう、その後方支援をお願いした。 (5) 啓発リーフレットによる広報 ・ 周知 中学生が活動しやすい雰囲気づくりは、コーディネー ト機能を担うチームに託された重要な役割のひとつであ る。チームでは、より多くの地域住民に本取り組みの趣 表 2 ロジャー ・ ハート 「参画のはしご」 ẁ㝵 ෆ ᐜ 㸶 Ꮚࡶᑟࡢάືேࡶᕳࡁ㎸ࡴ 㸵 Ꮚࡶᑟࡢάື 㸴 ேᑟ࡛ពᛮỴᐃᏊࡶࡶཧ⏬ 㸳 ேᑟ࡛Ꮚࡶࡢពぢᥦ౪࠶ࡿཧ⏬ 㸲 ࠼ࡽࢀࡓᙺࢆㄆ㆑ࡋࡓୖ࡛ࡢཧ⏬ 㸱 ᙧᘧⓗཧ⏬ 㸰 ࠾㣭ࡾཧ⏬ 㸯 ᧯ࡾཧ⏬㸦ḭࡁཧ⏬㸧12
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図 6 地域活動参加記録カード(ポケットサイズ、二つ折り) 表 3 チームがコーディネートした地域行事 表 4 チームはコーディネートしていないが中学生が運営スタッフとして活躍した地域行事 ※ ( ) 内は人数 表 5 公民館講座への中学生の参加 ネーターをしっかり機能させることが不可欠である。こ のコーディネート機能は、チームが担い、中学生の社会 参加が一過性のムーブメントで終わらないよう、町内の 基盤整備を行うこととした。 しかし、町内で行われる全ての地域行事をチームが把 握し、それに関与していくことは、チームの能力をはる かに超える。チームがコーディネートするのは、下記の ア ・ イの場合に限定することとした。 ア 壬生町及町教育委員会が主催する行事 イ 地域団体が主催する行事のうち、社会教育係及 び公民館係がその事務局を担当する行事 なお、チームの役割は、主に次のとおりである。 ア 地域団体へ趣旨説明及び協力依頼 イ 中学生へ配付する募集チラシの作成 ウ 中学校へ募集チラシ配付依頼 エ 地域団体及び中学校との連絡 ・ 調整 オ 中学生及びその家庭との連絡 ・ 調整 カ 活動当日の中学生及び地域団体からの相談 キ ボランティア活動保険加入手続き ク 啓発リーフレットの発行 ケ 中学生の活躍を讃える表彰状の作成 等 (3) 中学校の協力による運営スタッフ募集 道徳の中学校学習指導要領解説には、指導上の配慮事 項として「社会参画への意欲や態度を身に付けること」 と明文化されている。中学生が地域社会の一員としての 自覚を深め、社会形成に主体的に参画しようとする意欲 や態度を育む教育実践は、学校教育においても模索され ている。 一方で、調査研究結果からも明らかなように「中学生 は勉強や部活動で忙しく、社会参加は難しい」という意 識が根強く、中学生の社会参加を推進する上で、勉強 ・ 部活動とのバランスをどう考えるかということは、チー ムにとって大きな課題だった。 チームでは各中学校長と協議を重ね、下記の方針を基 本として中学生に社会参加を促すこととした。 ア 地域活動への参加は、社会教育行政及び学校か らの強制ではなく、中学生本人の「やってみたい」 という意志に基づくこと。 イ 参加には、保護者の同意を得ること。 ウ 部活動の一環として、部単位で地域活動に参加 することは可能であること。 エ 中学校は、教職員の負担軽減を図る観点から次 の事項において協力すること。 ・運営スタッフ募集チラシの配付 ・参加申込書のとりまとめ ・啓発リーフレットの配付 町内全ての中学生に、地域活動へ参加できる門戸を開 きつつも、 参加する/しない の選択は、中学生に委ね る―― 勉強をがんばりたい中学生 や 部活動で活躍し たい中学生 には社会参加を強制 せず、 運営スタッフとして地域社会で活躍してみたい と願い参加申込書を提出した中学生に対してその機会を 提供する――というスタイルを採ることとした。 (4) 地域住民及び教職員への事前の説明 中学生による活動は、全て上手くいくとは限らない。 つまずいたり失敗したり、時にはトラブルになったりす ることも予想される。そうした中学生を企画運営のパー トナーとすること――信じて任せること――は、大人に とって大変勇気がいることである。 しかし、若い時に積んだ経験は忘れがたく、人生のよ いトレーニングになる。中学生が社会参加の過程で様々 な トライアル・アンド・エラー を経験することは、 自分を知り自分をコントロールする術を身に付けていく 上で大きな財産となるだろう。 運営スタッフとして中学生と一緒に活動する地域住民 には、事前説明の場を設け、本取り組みの趣旨を説明し、 納得してもらった。「失敗してもいいんだよ」「おもいき りやってごらん」と失敗に寛容な姿勢や、「最後まで君に 任せたよ」と信じてまかせる姿勢で接してほしいこと― ―壬生町の次代の担い手として皆さんの手で温かく育て てほしいこと――を伝えた。 また、チーム員が各中学校を訪ね、教職員に本取組の 趣旨を説明すると共に、中学生の社会参加への意欲が高 まるよう、その後方支援をお願いした。 (5) 啓発リーフレットによる広報 ・ 周知 中学生が活動しやすい雰囲気づくりは、コーディネー ト機能を担うチームに託された重要な役割のひとつであ る。チームでは、より多くの地域住民に本取り組みの趣 表 2 ロジャー ・ ハート 「参画のはしご」 ẁ㝵 ෆ ᐜ 㸶 Ꮚࡶᑟࡢάືேࡶᕳࡁ㎸ࡴ 㸵 Ꮚࡶᑟࡢάື 㸴 ேᑟ࡛ពᛮỴᐃᏊࡶࡶཧ⏬ 㸳 ேᑟ࡛Ꮚࡶࡢពぢᥦ౪࠶ࡿཧ⏬ 㸲 ࠼ࡽࢀࡓᙺࢆㄆ㆑ࡋࡓୖ࡛ࡢཧ⏬ 㸱 ᙧᘧⓗཧ⏬ 㸰 ࠾㣭ࡾཧ⏬ 㸯 ᧯ࡾཧ⏬㸦ḭࡁཧ⏬㸧41 めて知りました。」(中2女子) ・「ふるさとまつりの後にこんなにゴミが落ちているな んて知らなかった。これまでゴミを拾ってくれる人 がいたことも知らなかった。ゴミ拾いをした後は気 分がよかった。人のため、まちのために、こういう ことをするのって、いいなっ、と思った。」(中3男子) ・「(地域の大人の人たちの中には)あいさつを返してく れる人もいれば返してくれない人もいた。あいさつ を返してくれると嬉しい気持ちになった。私はこれ からあいさつのできる大人になりたい。」(中2女子) 参加した中学生は、地域活動を通して新たな人とのつ ながりや成長の機会を得た。これまで何気なく見過ごし てきた日常の風景の中に、地域住民の熱い思いや隠れた ボランティア活動がたくさんあったことを知った。地域 活動に励む大人たちの後ろ姿は、中学生にとって「私も ああいう大人になりたい」「私もまちのために貢献できる 人になりたい」というロールモデルと映ったようだ。そ の一方で、「あいさつをしても返してくれない大人の存在」 にも気づくなど、中学生の社会参加は、地域の大人の意 識のあり方や行動が大きく問われる取り組みとなってい る。 エ 中学生への温かな眼差しに関すること ・「中学生の生き生きした姿にふれ、私たち大人もイキ イキとした。」(60 代男性) ・「若い中学生がいるだけで店全体が明るくなった。大 人がいつも以上に楽しそうで、みんなはりきってい た。」(50 代女性) ・「これまで 今時の中学生は ・・・ と思っていたが、(今 回一緒に活動した中学生は)自分の考えをはっきり と言えて一生懸命に活動する素晴らしい中学生だっ た。」(70 代男性) これまでの地域行事は、高年齢化した地域住民が中心 となって企画運営するものが多かった。そこに若い中学 生のエネルギーが加わったことで、これまでにない活気 が沸き、多くの地域住民は協働のまちづくりに新たな息 吹を感じ取っていた。「馬には乗ってみよ、人には添うて みよ」という故事のとおり、実際に中学生に接してみて 初めてわかる良さがある。中学生の活躍は、壬生町をこ よなく愛し、壬生町をもっとよりよい街にしたいと活動 する地域住民にとって、街の未来を託す大きな希望となっ ていた。
まとめ
以下、「本実践を通して得られた成果」「明確になった こと」「今後の展望」を箇条書きで記し、平成 24 年度の 取組の成果と改題を俯瞰することとする。 (1) 実践によって得られた成果 ア 中学生が地域住民とのかかわりあいを通して郷 土愛や自己肯定感、自己有用感を高めたこと。 イ 中学生をまちづくりの若い担い手としてとらえ ようとする新たな視点が、地域住民の中に生じたこ と。 ウ 高年齢化しつつある地域団体の中に中学生とい う若い力が加わったことにより、地域行事が大いに 活性化され、多くの地域住民が協働のまちづくりに 新たな息吹を感じ取ったこと。 エ 教職員が、地域行事の中にある「学校教育とは 異なる教育原理や教育効果」を確認したこと。それ によって、学校と地域の連携・協力に対してする教 職員の理解と協力が更に深まったこと。 オ 役場庁舎内に行政領域を越境した新たな連携・ 協力体制が誕生したこと。職員同士の新たなつなが りあいも生まれたこと。 特に、上述の成果オは、当初想定していなかった成果 のひとつである。例えば、平成 24 年 10 月 28 日(日) に開催した「壬生町健康ふくしまつり」を舞台として、チー ムが中学生の活躍機会創出に取り組んだ際には、壬生町 役場民生部健康福祉課健康増進係と壬生町教育委員会事 務局生涯学習課社会教育係、壬生町社会福祉協議会、壬 生町社会福祉協議会に登録する各種ボランティア団体の 連携 ・ 協力体制を構築した。互いに役割分担を確認し合 いながら、「イベントの成功」と「中学生の活躍」という 2 つの目的を同時達成すべく、共に汗を流した。これま でも庁舎内連携の重要性は指摘され認識されてはいたも のの、行政領域を越境したゆるやかなつながりは、なか なか存在し得なかった。今回誕生したこの組織同士のつ ながり合いは、「中学生の社会参加の推進」という御旗に よって可能となったことである。イベント終了と同時に 組織同士のつながりは一旦解消したものの、職員個人レ ベルでの交流は以降も継続し、機会あるごとに情報交換 し合ってよりよいまちづくりに寄与していこうとする温 かな雰囲気が庁舎内に醸成されていった。無縁社会や環 境問題など、高度・複雑化した様々な地域課題への対応 が求められる今日、中学生の社会参加を御旗とした 行 政領域を越境する協働体制を構築する試み は、今後も たいへん大きな意義をもつものと考えられる。 40 旨や中学生のがんばりを正しく知ってもらうことを目的 に、活動毎に啓発リーフレットを作成し、町内自治会回 覧で地域住民の方に読んでいただいたり、中学校保護者 等へ配付したりして、町内への一層の浸透を目指した。 (6) 活躍を讃える表彰制度 中学生の努力と活躍を讃え、達成感や満足感を高める ことを目的に、町教育委員会による表彰制度を導入した。 この取組は、中学生のボランティア活動を推進している 神奈川県真鶴町教委の取組を参考とした。表彰状は、卒 業式間際の 3 月上旬に、全校生徒が集う集会等の場で中 学校長から授与してもらうこととした。表彰状の作成は、 町内の全中学生に年度初めに配付した地域活動記録カー ドの記載に基づいて行った(図 6)。地域行事の主催者に は、中学生からカードが提示された際には、激励の言葉 と一緒に活動を認める押印してほしい旨を予め伝えてお いた。Ⅲ章 中学生の社会参加の状況
(平成 24 年度)
(1) 延べ約 300 名の中学生が参加した地域活動 平成 25 年 2 月に中学生が各自保管していた「地域活 動への参加記録カード」を回収し、集計したところ、延 べ約 300 名の中学生が多様な地域活動に励んだことがわ かった(表 3、表 4、表 5)。チームがコーディネートし ていない地域行事にも、多くの中学生が参加していたこ とが確認され、本取り組みが町内に浸透している様子が 確認された。 (2) 事後のふりかえりからみえてくること チームでは、活動直後に中学生及び主催者へふりかえ り用紙を渡し、印象に残ったことや伝えたいことをその 場で記入してもらった。主なもののみを紹介する。 ア 自己肯定感や自己有用感に関すること ・来場者の方が「がんばってね」「おつかれさま」と声 をかけてくれた。ものすごく達成感があった。自信 がつき、やってよかったと思った。(中3女子) ・ボランティアは大変なだけかと思っていたけど、終 わった後には達成感があった。やって良かったと思っ た。人の役に立つと言うことは思っていたより楽し いことだとわかった。(中2女子) ・「地域の多くの人から ありがとう と言われた。た くさん褒めてくれた。うれしかった。」(中1男子) 「とても助かったよ」「来年も一緒にやろうね」「一生懸 命できたね」「また来てね」「君のおかげだよ」「さすが中 学生!」「中学生がいると、たのもしい!」等、地域住民 からの温かな励ましや感謝の声に、中学生は大いに勇気 づけられた。地域住民からの激励は、中学生の自己肯定 感や自己有用感を高める上でたいへん効果的だったとい える。 自己肯定感や自己有用感は、中学生本人の努力で身に 付けられる性質のものではない。自分の存在を承認して くれる他者とのかかわりあいによって感じ取る性質のも のである。中学生の社会参加の推進は、人との出会いを 通して「社会に必要とされる喜び」「社会の一員としての かけがえのない自分」を感じる上で、よい契機となって いる、といえる。 イ 社会参加意欲の更なる高まりに関すること ・「被災者の役に立つ活動をしたいとずっと思っていた。 今回それが達成できてうれしい。」(中3女子) ・「人の役に立ちたいと思って参加した。人の役に立て て良かった。来年も参加したい。」(中1男子) 上述の中 3 女子は、壬生町文化協会が主催した東日本 大震災被災者支援チャリティ交流会(会場:壬生町立中 央公民館)で運営スタッフとして活躍した中学生である。 彼女はこの日、町内の青年有志で構成するボランティア 団体(=夢壬隊)の方々と一緒に活動し、その収益金を 宮城県多賀城市へ寄付することに大きく貢献した。後ほ ど彼女に詳しく話を聴いたところ、震災直後から被災地 支援に大きな関心を抱いていたとのことだった。しかし 「まだ中学生なのに、被災地に行って活動するなんて危な い。」と家族から止められ、行動を起こせなかったことに もどかしさを感じていたという。今回、壬生町内に居な がらにして被災者支援活動ができたことに、家族と共に 達成感を味わうことができた。彼女と一緒に活動した大 人の多くは、彼女の志にたいへん共鳴を受けていた。「志 ある若者に、活躍の機会を作り出すことは大人の役目だ ろう」とか、「 中学生だから無理 というのは大人側の 先入観(=偏見)だったのではないか。」「どういう活動 なら中学生と地域住民が一緒にできそうか、一緒に模索 したり一緒に伴走したりすることが、まちづくりの上で も大切だろう。」という話が、交流会終了後に行われた反 省会の席上、至る所で繰り広げられていた。地域社会で の中学生の活躍には、地域行事を成人教育の場へと高め ていく 触媒としての働き があるといえる。 ウ ロールモデルの獲得に関すること ・「(清掃ボランティアという)地域の人々の支えのおか げで、毎年楽しいお祭りが開催されていたことを初めて知りました。」(中2女子) ・「ふるさとまつりの後にこんなにゴミが落ちているな んて知らなかった。これまでゴミを拾ってくれる人 がいたことも知らなかった。ゴミ拾いをした後は気 分がよかった。人のため、まちのために、こういう ことをするのって、いいなっ、と思った。」(中3男子) ・「(地域の大人の人たちの中には)あいさつを返してく れる人もいれば返してくれない人もいた。あいさつ を返してくれると嬉しい気持ちになった。私はこれ からあいさつのできる大人になりたい。」(中2女子) 参加した中学生は、地域活動を通して新たな人とのつ ながりや成長の機会を得た。これまで何気なく見過ごし てきた日常の風景の中に、地域住民の熱い思いや隠れた ボランティア活動がたくさんあったことを知った。地域 活動に励む大人たちの後ろ姿は、中学生にとって「私も ああいう大人になりたい」「私もまちのために貢献できる 人になりたい」というロールモデルと映ったようだ。そ の一方で、「あいさつをしても返してくれない大人の存在」 にも気づくなど、中学生の社会参加は、地域の大人の意 識のあり方や行動が大きく問われる取り組みとなってい る。 エ 中学生への温かな眼差しに関すること ・「中学生の生き生きした姿にふれ、私たち大人もイキ イキとした。」(60 代男性) ・「若い中学生がいるだけで店全体が明るくなった。大 人がいつも以上に楽しそうで、みんなはりきってい た。」(50 代女性) ・「これまで 今時の中学生は ・・・ と思っていたが、(今 回一緒に活動した中学生は)自分の考えをはっきり と言えて一生懸命に活動する素晴らしい中学生だっ た。」(70 代男性) これまでの地域行事は、高年齢化した地域住民が中心 となって企画運営するものが多かった。そこに若い中学 生のエネルギーが加わったことで、これまでにない活気 が沸き、多くの地域住民は協働のまちづくりに新たな息 吹を感じ取っていた。「馬には乗ってみよ、人には添うて みよ」という故事のとおり、実際に中学生に接してみて 初めてわかる良さがある。中学生の活躍は、壬生町をこ よなく愛し、壬生町をもっとよりよい街にしたいと活動 する地域住民にとって、街の未来を託す大きな希望となっ ていた。
まとめ
以下、「本実践を通して得られた成果」「明確になった こと」「今後の展望」を箇条書きで記し、平成 24 年度の 取組の成果と改題を俯瞰することとする。 (1) 実践によって得られた成果 ア 中学生が地域住民とのかかわりあいを通して郷 土愛や自己肯定感、自己有用感を高めたこと。 イ 中学生をまちづくりの若い担い手としてとらえ ようとする新たな視点が、地域住民の中に生じたこ と。 ウ 高年齢化しつつある地域団体の中に中学生とい う若い力が加わったことにより、地域行事が大いに 活性化され、多くの地域住民が協働のまちづくりに 新たな息吹を感じ取ったこと。 エ 教職員が、地域行事の中にある「学校教育とは 異なる教育原理や教育効果」を確認したこと。それ によって、学校と地域の連携・協力に対してする教 職員の理解と協力が更に深まったこと。 オ 役場庁舎内に行政領域を越境した新たな連携・ 協力体制が誕生したこと。職員同士の新たなつなが りあいも生まれたこと。 特に、上述の成果オは、当初想定していなかった成果 のひとつである。例えば、平成 24 年 10 月 28 日(日) に開催した「壬生町健康ふくしまつり」を舞台として、チー ムが中学生の活躍機会創出に取り組んだ際には、壬生町 役場民生部健康福祉課健康増進係と壬生町教育委員会事 務局生涯学習課社会教育係、壬生町社会福祉協議会、壬 生町社会福祉協議会に登録する各種ボランティア団体の 連携 ・ 協力体制を構築した。互いに役割分担を確認し合 いながら、「イベントの成功」と「中学生の活躍」という 2 つの目的を同時達成すべく、共に汗を流した。これま でも庁舎内連携の重要性は指摘され認識されてはいたも のの、行政領域を越境したゆるやかなつながりは、なか なか存在し得なかった。今回誕生したこの組織同士のつ ながり合いは、「中学生の社会参加の推進」という御旗に よって可能となったことである。イベント終了と同時に 組織同士のつながりは一旦解消したものの、職員個人レ ベルでの交流は以降も継続し、機会あるごとに情報交換 し合ってよりよいまちづくりに寄与していこうとする温 かな雰囲気が庁舎内に醸成されていった。無縁社会や環 境問題など、高度・複雑化した様々な地域課題への対応 が求められる今日、中学生の社会参加を御旗とした 行 政領域を越境する協働体制を構築する試み は、今後も たいへん大きな意義をもつものと考えられる。 旨や中学生のがんばりを正しく知ってもらうことを目的 に、活動毎に啓発リーフレットを作成し、町内自治会回 覧で地域住民の方に読んでいただいたり、中学校保護者 等へ配付したりして、町内への一層の浸透を目指した。 (6) 活躍を讃える表彰制度 中学生の努力と活躍を讃え、達成感や満足感を高める ことを目的に、町教育委員会による表彰制度を導入した。 この取組は、中学生のボランティア活動を推進している 神奈川県真鶴町教委の取組を参考とした。表彰状は、卒 業式間際の 3 月上旬に、全校生徒が集う集会等の場で中 学校長から授与してもらうこととした。表彰状の作成は、 町内の全中学生に年度初めに配付した地域活動記録カー ドの記載に基づいて行った(図 6)。地域行事の主催者に は、中学生からカードが提示された際には、激励の言葉 と一緒に活動を認める押印してほしい旨を予め伝えてお いた。Ⅲ章 中学生の社会参加の状況
(平成 24 年度)
(1) 延べ約 300 名の中学生が参加した地域活動 平成 25 年 2 月に中学生が各自保管していた「地域活 動への参加記録カード」を回収し、集計したところ、延 べ約 300 名の中学生が多様な地域活動に励んだことがわ かった(表 3、表 4、表 5)。チームがコーディネートし ていない地域行事にも、多くの中学生が参加していたこ とが確認され、本取り組みが町内に浸透している様子が 確認された。 (2) 事後のふりかえりからみえてくること チームでは、活動直後に中学生及び主催者へふりかえ り用紙を渡し、印象に残ったことや伝えたいことをその 場で記入してもらった。主なもののみを紹介する。 ア 自己肯定感や自己有用感に関すること ・来場者の方が「がんばってね」「おつかれさま」と声 をかけてくれた。ものすごく達成感があった。自信 がつき、やってよかったと思った。(中3女子) ・ボランティアは大変なだけかと思っていたけど、終 わった後には達成感があった。やって良かったと思っ た。人の役に立つと言うことは思っていたより楽し いことだとわかった。(中2女子) ・「地域の多くの人から ありがとう と言われた。た くさん褒めてくれた。うれしかった。」(中1男子) 「とても助かったよ」「来年も一緒にやろうね」「一生懸 命できたね」「また来てね」「君のおかげだよ」「さすが中 学生!」「中学生がいると、たのもしい!」等、地域住民 からの温かな励ましや感謝の声に、中学生は大いに勇気 づけられた。地域住民からの激励は、中学生の自己肯定 感や自己有用感を高める上でたいへん効果的だったとい える。 自己肯定感や自己有用感は、中学生本人の努力で身に 付けられる性質のものではない。自分の存在を承認して くれる他者とのかかわりあいによって感じ取る性質のも のである。中学生の社会参加の推進は、人との出会いを 通して「社会に必要とされる喜び」「社会の一員としての かけがえのない自分」を感じる上で、よい契機となって いる、といえる。 イ 社会参加意欲の更なる高まりに関すること ・「被災者の役に立つ活動をしたいとずっと思っていた。 今回それが達成できてうれしい。」(中3女子) ・「人の役に立ちたいと思って参加した。人の役に立て て良かった。来年も参加したい。」(中1男子) 上述の中 3 女子は、壬生町文化協会が主催した東日本 大震災被災者支援チャリティ交流会(会場:壬生町立中 央公民館)で運営スタッフとして活躍した中学生である。 彼女はこの日、町内の青年有志で構成するボランティア 団体(=夢壬隊)の方々と一緒に活動し、その収益金を 宮城県多賀城市へ寄付することに大きく貢献した。後ほ ど彼女に詳しく話を聴いたところ、震災直後から被災地 支援に大きな関心を抱いていたとのことだった。しかし 「まだ中学生なのに、被災地に行って活動するなんて危な い。」と家族から止められ、行動を起こせなかったことに もどかしさを感じていたという。今回、壬生町内に居な がらにして被災者支援活動ができたことに、家族と共に 達成感を味わうことができた。彼女と一緒に活動した大 人の多くは、彼女の志にたいへん共鳴を受けていた。「志 ある若者に、活躍の機会を作り出すことは大人の役目だ ろう」とか、「 中学生だから無理 というのは大人側の 先入観(=偏見)だったのではないか。」「どういう活動 なら中学生と地域住民が一緒にできそうか、一緒に模索 したり一緒に伴走したりすることが、まちづくりの上で も大切だろう。」という話が、交流会終了後に行われた反 省会の席上、至る所で繰り広げられていた。地域社会で の中学生の活躍には、地域行事を成人教育の場へと高め ていく 触媒としての働き があるといえる。 ウ ロールモデルの獲得に関すること ・「(清掃ボランティアという)地域の人々の支えのおか げで、毎年楽しいお祭りが開催されていたことを初43