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標準化よもやま話:国際標準化スキルの育成は難しい

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Academic year: 2021

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(1)O C. MN LU. 標準化よもやま話. a. I. B. J. 24 (最終回). 国際標準化スキルの育成は難しい. 7 木戸彰夫. 日本アイ・ビー・エム(株).  振り返って見れば,このリレー形式の連載も 2 年続. ば国連が世界の子供たちを集めて行っている模擬国連会. いたことになる.情報処理学会および情報規格調査会の. 議のようなものを国際標準化組織でも行い,今後国際標. Web で過去の記事を読み返してみると,実に興味深い. 準化に携わる可能性のある後進の指導のために役立てら. 多種多用な経験談が語られてきたことが分かる.それら. れればいいのだが,なかなかそういった機会がないのが. は貴重な経験から導き出された知見であり,ぜひ今後国. 実情である.. 際標準化にかかわる後進に伝授したい知識やスキルであ.  会議技術のほかに筆者が伝承が難しいと認識している. るのだが,恥ずかしい話筆者自身いまだに後進の育成は. スキルに,不要な標準を作らないスキルというものがあ. 上手くいっていない.今回は筆者が普段感じている後進. る.驚かれる方も多いかもしれないが,筆者の 20 年の. の育成の難しさについて語ってみたい.. 標準化の経験の中で標準を作るというポジティブな活動.  標準化に限らず,よく「国際会議は言葉の壁があるか. はたぶん 20%程度であり,残りは不要な標準を作らな. ら大変だ」という声を耳にする.しかし面白いことに,. いための技術者としては楽しくない努力に費やされてき. そう言う人にかぎって TOEIC などの英語の試験の点が高. た.標準化は相互運用性を確保するために必須ではある. いことが多い.言葉の壁って,そんなに英語がお上手な. が,目的を同じくする数多くの標準ができてしまうと当. らば,と発音・文法ともにいっこうに進歩しない筆者は. 初の目的を果たすことができない.結局標準がないのと. 思うのだが,ご本人はいたって真剣である.たぶんこう. 同じことになってしまう.また早過ぎる,もしくは不. いう方は英語が苦手なのではなく,国際会議が苦手なの. 必要な標準化は技術の進歩を止めるという危険性を持. だと思われる.国際会議の技術を教えてくれる良い教科. つ.標準化を行う際には曖昧性の排除を行うのと同程度. 書や教室があるといいのだが,残念ながら日本ではそう. に,強い自制心を持って決め過ぎてはいないか不必要な. いった教育はあまり行われてはいないようである.発言. 標準を作ってはいないかと常に自問し,標準が規定する. の求め方,発言の仕方,動議の提出の仕方,動議の採択. 範囲を必要不可欠なものだけに限定する必要があるのだ. の仕方,相手の発言に対する明確化の求め方,ブレーク. が,この作業は技術的にすばらしいものを標準として世. の取り方など欧米流の会議の基本的なお作法は学校教育. に出したいという欲求との戦いになる.すばらしい技術. の中で一度くらいそういうものがあるということは聞い. を世に出したいということは技術者の根源的な欲求であ. た記憶はあるが,どうしてそういうお作法があるのかと. るので,標準を作る仕事をさせながら標準を作らない努. いう理由を教わった,もしくは実際にそういった作法を. 力を強いることは,後進の標準化への情熱を奪いかねな. 使ってみたという記憶は筆者にはない.. い.こういった自分を律するスキルは,ある程度経験を.  となると,日本からの参加者にとって欧米流の会議の. 積んだ技術者であれば自然と身につけるものではあるが,. 技術を学ぶ機会は国際会議への参加という OJT を通し. それを待たなければならないとすると,標準化は若い技. てのこととなる.会議の上手な参加者の発言を聞いてい. 術者が入っていきづらい老成した技術者の仕事になって. ると,質問をしたり,ブレークを入れたりしながら魔法. しまう.国際標準化にかかわる技術者の若返りのために. のように会議の流れをコントロールしていくのだが,そ. もぜひとも解決したい課題である. (平成 19 年 12 月 21 日受付). の魔法のからくりを教えることはかなり難しい.まず教 わる側 1 人に対して教える側は 2 人が必要となる.1 人 が実際に会議に参加し会議技術を使用して見せ,もう 1 人がどういう意図でその技術を使ったのかをその場で 解説しなければいけないからである.また実際の会議は 駆け引きの中で行われているので,たとえ日本語で解説 を行っても相手側に聞かれてしまう危険がある.できれ. 木戸彰夫(正会員)| [email protected] 1989 年より情報規格調査会にて,プログラム言語とその環境,およ び文字符号関連の国際規格制定作業に参画.2006 年規格理事に就任. 日本工業標準調査会標準部会情報技術専門委員会委員.. 情報処理 Vol.49 No.3 Mar. 2008. 325.

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