• 検索結果がありません。

魯迅の文学に見られる「死」について:―『彷徨』期の作品を中心として―

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "魯迅の文学に見られる「死」について:―『彷徨』期の作品を中心として―"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)魯迅の文学に見られる「死」ついて 一一 w彷僅』期の作品を中心として一一. 教科・領域教育学専攻 言語系コース(国語).  M08128C  立 岡 仲 山. 1.研究の目的 魯迅は中国が清朝から中華民国へ移行する革命. 第三節. 「阿Q正伝」に見られる「死」について. 期に活躍した作家である。魯迅は民衆が旧伝統. 第四節. 第一章の結論. 社会の思想の呪縛から開放されるように、小説、. 第二章. 『彷僅』期に見られる「死」.について. 散文、随筆、雑文など多岐にわたって多くの文. 第一節. 「祝福」に見られる「死」について. 章を残した。. 第二節. 「死火」に見られる「死」について.   その中でも『口内臓』『彷僅』といった小説. 第三節. 「孤独者」に見られる「死」について. 集には作中で多くの人物の「死」が描かれてい. 第四節. 「傷逝」に見られる「死」について. る。また詩的散文集『野草』や歴史を題材とし. 第五節. 「銃剣」に見られる「死」について. た小説集『故事新編』など、魯迅が描く虚構世. 第六節. 第二章の結論. 界には多くの「死」が見受けられる。.  本研究では『彷復』が執筆された時期である. 第三章 晩年に見られる「死」について. 『彷僅』期の魯迅の文学に着目し、作中人物の. 終わりに. 「死」によって魯迅は嫌悪した旧社会の負の要 素の抹殺していると仮説を立て、作申で「死」. 3.論文の概要. に至った人物はどのような魯迅に嫌悪される要. 第一章『晒戚』の作品に見られる「死」につ. 素を持っているのかということを論証しようと.    いて. するものである。. 第一節 「孔乙巳」「白光」に見られる「死」に. 2.論文の構成.     ついて.  本論文の構成は以下のとおりである。.  r孔乙巳」の孔乙巳、r白光」の陳主成のr死」. は封建社会の官吏登用試験である科挙の制度に 縛られている人物が描かれている。旧社会の象. はじめに 第一章. 第一節. 第二節. 『納戚』の作品に見られる「死」に. 徴ともいえる、科挙に縛られた人物は魯迅に抹. ついて. 殺される対象であっただろうと考察する。. r孔乙巳」r白光」に見られるr死」に.  第二節 r薬」r明日」に見られるr死」につ. ついて.      いて. r薬」r明目」に見られるr死」につ.  「薬」では、子供が肺病であるり両親が、血. いて. で塗られた饅頭を子供に食べさせれば治癒する という迷信を聞いて、処刑された囚人の血で塗. 一220一.

(2) られた饅頭を食べさせるが治癒することなく死.  第四節 「傷逝」に見られる「死」について. んでしまう。旧社会の民衆の迷信を信じる性質.  当時としては新しい自由恋愛に目覚めた二人. が、魯迅の憎むべき対象であった。そのために. の男女の恋愛の破綻を描いた作品である。生活. 描かれた「死」であったと考察する. が苦しくなったために、愛情がなくなったとい.  「明目」でも同じく子供が病気の母親が中国. う告白を受けた女性の子君は、父親に郷里に連. 医に頼るが、その甲斐なく子供がなくなる。. れ戻されて原因不明の「死」を遂げる。自由恋. ここでのr死」は旧社会の医療にしか頼れない. 愛を掲げる新思想を持った女性の中には魯迅が. 旧態依然とした性質が魯迅の憎むべき対象であ. 嫌悪すべきところがないように思われるが、子. った。そのためr死」によってその性質を抹殺. 君の中にも守旧的な部分があり、最終的に旧伝. していると考察する。. 統社会に再帰した子君は魯迅に抹殺される対象.  第三節 「阿Q正伝」に見られる「死」にっい. であると考察する。.      て.  第五節 「鋳剣」に見られる「死」について.  「阿Q正伝」では阿Qという日雇い農民の「死」.  「銃剣」には復讐講を題材とした歴史小説で. が描かれている。阿Qは中国の民衆のいい加減. ある。「銃剣」では父親の仇を討とうとする眉. な体質を顕現したような人物である。そのため. 間尺とその復讐の報助をする黒い男、復讐の仇. に阿Qは抹殺されなければならなかったと考察. である王のそれぞれの「死」が描かれている。. する。. 王は封建社会の象徴的な人物なので魯迅の抹殺 される対象となるのは理解できるが、眉間尺と. 第二章 『彷僅』期に見られるr死」について. 黒い男はなぜ死ななければならなかったのか。.  第一節 r祝福」に見られる「死」について. それは眉間尺が革命へ優柔不断な性格を内在し. r祝福」には神林嬢という女性の「死」が描か. ていること、そして、黒い男は復讐の同志であ. れている。神林嬢はどのような負の要素があっ. る眉間尺を死へ追いやったことが魯迅に抹殺さ. たのか。それは禅林鰻が旧社会の中を動いてい. れなければなかった要素であると考察する。. ただけだからではないかと考察する。.  第三章 晩年に見られる「死」について.  第二節 r死火」に見られるr死」について.  魯迅の晩年に近い作である『故事新編』の「采. r死火」ではrわたし」とr死火」 が氷の谷. 薇」に見られる「死」について考察する。「采. で出会う。「わたし」は氷の谷からを脱出させ. 薇」は『史記』の「伯夷列伝」を題材とした歴. てもらうが、そのためにr死火」は燃え尽きて. 史小説である。題材になかったr悪ふざけ」の. しまう。r革命家」の象徴と考えられるr死火」. 要素を追加し、魯迅が嫌悪する礼教社会の権化. を「私」は消滅させた。そのために「死」に至. をr死」によって抹殺している。またr悪ふざ. らなければと考察する。. け」の要素が「死」をより暴力性の強いものと.  第三節 「孤独者」に見られる「死」について. していると考察する。.  「孤独者」には魏連受という人物の「死」が.  以上より、魯迅は、一頁して魯迅が嫌悪する. 描かれている。魏連曼には魯迅自身の投影が多. 負の要素をr死」によって抹殺していると考察. く見られる。生活が苦しくなった魏連曼は最終. する。. 的に魯迅が嫌悪するところの軍閥師団長の顧間 の職につく。反革命的な行動をとった魏連曼は. 主任指導教員  鈴 木 敏 雄. 魯迅に抹殺される対象であったと考察する。. 指導教員  鈴木敏雄 一221一.

(3)

参照

関連したドキュメント

れていた事から︑愛知県甲種医学校で使用したと見ら 第二篇骨学︑甲︑﹁頭蓋腔﹂には次の様に記載され

について最高裁として初めての判断を示した。事案の特殊性から射程範囲は狭い、と考えられる。三「運行」に関する学説・判例

これらの先行研究はアイデアスケッチを実施 する際の思考について着目しており,アイデア

関係委員会のお力で次第に盛り上がりを見せ ているが,その時だけのお祭りで終わらせて

大きな要因として働いていることが見えてくるように思われるので 1はじめに 大江健三郎とテクノロジー

作品研究についてであるが、小林の死後の一時期、特に彼が文筆活動の主な拠点としていた雑誌『新

「他の条文における骨折・脱臼の回復についてもこれに準ずる」とある

本文のように推測することの根拠の一つとして、 Eickmann, a.a.O..