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中学校における学級づくりの過程に関する研究 : 授業内容・方法と生徒同士の人間関係の関連性に焦点をあてた事例の分析と生徒同士の人間関係づくりのための実践方策の案出

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Academic year: 2021

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(1)    中学校における学級づくりの過程に関する研究 一授業内容・方法と生徒同士の人間関係の関連性に焦点をあてた 事例の分析と生徒同士の人間関係づくりのための実践方策の案出一 専 攻 教育実践高度化専攻 コース 心の教育実践コース. 学籍番号 P10039G 氏 名  黒田 一真 1.問題の所在. づけられると述べている。.  佐藤(2006)はr学びの共同体」として、.  このような特徴をふまえ、本研究では、一. 授業の中で小グループによる協同的な学びを. つの学級を対象に、教員の授業内容・方法と. 取り入れ、話し合う授業を通して、学校を「子. 生徒同士の人間関係づくりをとらえることを. どもが学び育ち合う場所としての学校、教師. 目的とした。そして、それらの事例分析に基. が専門家として学び成長し合う場所としての. づき実践方策を案出し、実践を試みた。. 学校、親や市民が学校の教育活動に参加して. 2.中学校における授業内容・方法と生徒が形. 互いに学び合う場所としての学校」というよ. 成する人間関係の実際. うな学校改革を提唱した。「学びの共同体」で. 2−1.事例分析の方法. は、個々人が持っている能力、資源を学級、. (1)観察. グループに持ち寄り、他者との相互作用過程.  週1目の頻度で対象校に行き、対象学級で. を通して、新たな「知」を生成する、学びを. の担任教師、個々の教員の授業内容・方法、. 深め高めていくことを基盤としている。. 生徒同士の人間関係を詳細に記録した。.  いわば、授業と生徒同士の人間関係、相互.  それらの観察記録を基に、個々の教員の授. 作用が根本となっているのではないであろう. 業内容・方法について整理を行い、同時に生. か。本研究において、実習校はこの「学びの. 徒同士の人間関係の変容について事例分析を. 共同体」を実践している学校である。授業と. 打つだ。. (2)面接. 生徒の人間関係の特徴として、山中(2009) は、「教室が学習活動の場であることは言うま.  筆者が、担任教師に2回にわたって半構造. でもない。したがって、教室で児童・生徒が. 化面接を実施した。担任教師への面接項目は、. 関係を形成・維持する過程を日常の学習活動. ①現在の学級の現状について、②担任教師の. と切り離して考えることはできず、両者は密. 学級経営に対する考え方について、③その他 (配属学級での現時点の課題)の3つの内容. 接不可分の関係にあること、しかしながら、. 両者の関連性は、これまであまり考慮されて. について、順に質問した。. いるようには思われない。学級での一目をや. (3)集団討議. や大雑把にとらえれば、(教師からの意図的.  筆者の事例分析を基に、筆者が案出した実. な)課題の提示(および不可測の課題の出現). 践方策について、筆者と大学院教員、学年団. とそれへの反応というパターンの連続である. の教員(4名)の間で、よりよい「学びの共同. ように思われる」といった諸点によって特徴. 体」の構築に向けた授業内容・方法及び生徒. 一80一.

(2) 同士の人間関係づくりに関する議論を行った。.  全員に発表を義務づけることで課題への関. 2−2.結果と考察. 与を高めるとともに、それぞれのグループの.  事例分析に基づき、r学びの共同体」を志向. 生徒に役割を与え、一人ひとりが与えられた. する上で、把握された教員の授業内容・方法. 役割を遂行し、協力することで課題解決へと. と生徒同士の人間関係づくりに関する論点を. 繋げるようにした。. 以下に示す。. 3−2.授業実践の結果と考察. ①グループ編成のあり方.  グループ編成の工夫により、今まで交流し. ②他者理解(顕現化する個人差の理解)のも. ている姿が見受けられなかった生徒同士が交.  たらし方. 流している姿が見受けられた。一方で、他者. ③相互依存的課題設定のあり方. 理解のもたらし方、相互依存的課題について.  ここでの相互依存的課題について、山中. は、日々の積み重ね、さらにはこれから創意. (2010)は「一人ひとりが相互に協力しあわ. 工夫を加えることが必要である。. なければ解決できないような課題、一人ひと. 4.総合的考察. りの行動が全体の課題遂行に反映するような.  生徒の学校生活の8割は授業である。そう. 課題」と述べている。. であるなら、授業を通して学級経営、人間関. 3.生徒同士の人間関係づくりを促進する授業. 係形成を行っているといっても過言ではない。. の構築.  事例分析の結果から得られた論点を基に、. 教科担任制である中学校において、個々の学 級で多くの教員が授業を展開している。その. それらの論点を含めた授業実践の具体を案出. ことをふまえると、学年団の横の繋がり、学. し、実践を試みた。. 校内における縦のつながりを密にすることで、. 3−1.実践の具体. 共通理解、情報共有を生み、生徒理解を深め、. 【グループ編成のあり方について】. やがては学級経営へと繋がると考えられる。.  グループの固定化、さらにメンバーを自由. 5.今後の課題. に選択できる活動において、普段から一緒に.  筆者は、研究を通して対象学級に密接に関. いるメンバーを交流相手として選択してしま. 与したと考えられる。すなわち、学級づくり. うという場面が、多々見受けられた。そこで、. の過程においていくらかの影響を及ぼしてい. 普段交流しない生徒同士を交流させる機会を. ることが考えられる。そうであるなら、筆者. 高めるため、誕生日の日にち順にグループ編. の学級における行為を言語化し、筆者の行為. 成した。. が及ぼし得た可能性について、吟味すること. 【他者理解(顕現化する個人差の理解)のもた. が必要となるであろう。. らし方について】.  中学校における学級づくりの過程に関する.  本研究では「一筆書き」という教科書に記. 緻密な分析は、それほど多くない。今後、同. 載されていない単元を取り扱う。誰もがすぐ. 様の研究について、学校現場との協働により、. には返答できない課題であることを実感させ. 遂行レていくことが求められるであろう。筆. る。それによって、顕現化している能力差(固. 者自身も教育現場に出て、一人の実践家とし. 定化している個人差)を払拭し、対等性をい. て学校教育に貢献していきたい。. くらか回復できるのではないかと考える。.          修学指導教員 新井 肇. 【相互依存的課題設定のあり方について】.           指導教員 山中 一英. 一81一.

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