筋の機械的応答からみた瞬間冷却剤の効果について
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(2) . 平成3年7月. 2巻 第1号 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第4. ly Ju ,1991. ionl 工C) Vol i i t i do Un i ty of Educat on (Sec s ver Joumalof Hokka ‐1 ‐42 , No. 筋の機械的応答からみた瞬間冷却剤の効果について 金. 谷. 秀. 秋・山. 充o橋. 本. 本. 智香子. 北海道教育大学岩見沢分校体育研究室. ld spray on the fects of Co Cool ing Ef M[eChaniCaI Responses of Human SkeletaI Dαuscle. i Hideaki KANAYA, 山l t suru YAMAMOT0 and Chikako HASHD班OTO l l Laboratory o f Phys i ege, caI Education, lwamizawa Co ion, i ido Univers Hokka ty of Educat 工wami zawa 068. Abstract. l l i i ld spray on the adductor pol ing ef fects of co c s musc e in To de termine the cool ing we re h h humans nduced by cold spray cool n isometric mechanical responses i ,t e c anges i lows ing for 3 min : th ice cool compared wi . The results were as fol 1 ). ing i bi f i ly inh i ter i ion was s ted af Vvhi l ce cool tch tens cant e twi gni , cold spray. ime ofthe twitch was prolonged fectthetwi tch tension. The contraction t id not af ig d cool ing‐ ing, bu th cold spray cool by ice cool t there was no change wi ic i l tedby a second stimulus was not 2) The de停eeofsuammation oftwitch tension e ing methods inf luenced by the two cool .. l i th ion at 40 Hz was very l t t imulat i Tetan t e changed wi c tension induced by s ing wa igni f i ly d ing however fthe rate oftension relaxation ini cant ss ce cool cool , ecreases o , 3 ). ing larger t han wi th cold spray cool . 4) Decreasesin tension developmentinduced by intermittent repetitive stimulation at l ing ively faster wi ing and comparat th ice coo th cool 40 Hz wassomewhat faster wi ‐ , ler ing effects o f co ld spray on deep tissue is smal These resul hatthe cool ts suggest t in. ing f 1 1 than that ofice cool or 3 1. 緒. 言. スポーツ人口が急増する一方において, スポーツによる外傷や障害に対する適切かつ効果的な応 109 ( ).
(3) . 110. 金 谷 秀 秋・山 本. 充・橋 本 智香子. 急処置 の普及も重要性を増して いる 一般的には アイスマ ッサージやアイス パックによる冷却が . , , 初期的療法 として用いられている この効果は患部の血流を低 下させることにより 炎症 腫張 . , , , ) さらに末梢神 経線維の興奮性を低下させ 一 時的に痔痛を緩和させるとされている7 出血を抑制し2 ) , , . しかしこの療 法には比較的時間を要することから 軽度の捻挫や打撲な どで 受傷後もプレーを継 , , 続する場合 には適用しがたい. その一方で最近, 低温液化ガス を患部 に噴射させ 短時間で冷 却効果を発揮するという瞬間冷却 , 剤がスポーツ現場で使用されてきている しかしながら この瞬間冷却剤の深部組織 に対する冷却 . , 効果に関する医学的データ は明示されて はおらず 効果の程度 によっ ては二次的障害の可能性も否 , 定できないよう に思われる. そこで本研究 では, 瞬間冷却剤 の冷却効果を明らか にするために 筋の機械的応答に対する影響 , の程度を, 氷による 冷却の場合と比較観察することから検討した .. 実. 験. 方. 法. 1. 被 験 者 本実験においては, 年齢20-23歳の健康な男子学生5名を被験者とした . なお, 予備的実験 では, 成人男女数名によっ た .. 2. 筋の機械的応答の記録 被験筋は, 皮下表層を走行 し, 母指の内転のみに作用する母指内転筋 (m adduc l ) と i to ci rpol s ‐ し, その等尺性収縮 による張力 の測定には 右母指の中手指節間関節と指節間関節の中間位に幅約 , lcmの ス テ ン レス 性 リ ン グ を 固 定 さ せ 直 径 05 mm 長 さ 6c mのスチールワイ ヤーを介して等尺性 , ,. トランスジュ ーサ(TB‐ 6 54T, 日本光電工業製)に接続させた装置 を用いた 発生張力 は一旦張力 . 用アンプ (EF冊6 01G, 日本光電工業製) を介して電磁オシログラフ (RMV-550A 共和電業製) , に記録された. また得られた張力曲線 は, 微分ユニ ッ ト(ED-601G 日本光電工業製) により 微 , , 分波形として同時 に記録された. 3. 電 気 刺 激 電気刺激は, 電気刺激装 置(SEM‐ 3201 02j , 日本光電工業製)からアイ ソレータ(SS‐1 , 日本光 電工業製) を介し, 直径1ommの銀-塩化銀電極により 手首部の尺骨 神経に経皮的に与えられた , . 刺激波形には短形波を用い刺激強度200V, 持続時間05ms ec の最大上刺激によっ た. ‐. 4. 皮膚温の測定 今回, 冷却による筋温 の変化については, 筋上の皮膚温を測定することから 間接的に観察する , 方法によっ た. すなわち, 断熱カバー で外気を遮断させた温度ピックアッ プを皮膚表面に付着させ , サーミスタ温度 計(NMGn l ‐ 219 , 芝浦電子製)を介して, 一連 の実験中における皮膚温 を電磁オシ ログラフ上に記録した. 5. 冷 却 方 法 現在, スポーツの場で使用されている瞬間冷却剤には冷却のみを目的とするものと 消炎鎮痛剤 , 110 ( ).
(4) . 筋の機械的応答からみた瞬間冷却剤の効果について. 111. とし ての有効成分 を含むものの2種類がある‐ ここでは, 氷による冷却効果 と比較するため, 冷却のみの冷却剤を用いた. 瞬間冷却剤 (ニチバ m離れた位置 から3秒間噴射し, 吹き付け ン製)による冷却 は, 手掌の母指内転 筋上の皮膚に約 20c る こ と によ っ た‐. 一方氷による冷却では,氷の小片数個を満たした ビニ ール袋を筋上の皮膚を完全に覆うようにし, 3分間密着さ せる方法によっ た. な お, 氷 に よ る 3分間の冷却 は, 冷却剤による 場合の皮膚温の時間経過にほ ぼ対応すること, ま たいずれの方法においても,冷却後10分で冷却前の皮膚温に回復することも予備実験で確認された‐ 6. 実 験 手 順 被験者 は机座位 で肘関節 がほぼ直角になるように, また母指長軸 とスチールワイ ヤーが直角 とな るように固定台に位置 し, 等尺性収縮 が維持される ように固定された. 10分 筋の機械的応答の観察は, 2つの実験手続によっ た. その1つ は, 冷却前後および回復期 ( 後) における単収縮, ダブルパルスによる単収縮の加 重張力, さらに40Hz の強縮の各様相である 5秒, L5秒間隔で3分間持続的に与 (実験A). もう1つ は, 冷却後直ちに40Hz の強縮刺激を0‐ える疲労テストによっ た (実験B) . なお各被験者とも, 実験Aでは, 冷却剤および氷による冷却それぞれ3回, また実験 Bにおいて は, 対照, 冷却剤, 氷による冷却, それぞれ3回, 計9回実施した. また, 実験Aまたは実験Bの いずれかを1日1回を原則とし, 2回行う場合 は数時間の間 隔をおいた. 以上の実験はすべて18‐8士1‐6Cの室温下 で行われた.. 実 1. 実. 験. 験. 成. 績. A. 本実験に先行 し, 筋に対する 冷却効果をより明確に観察する ために,20分間の氷による冷却実験 がり を数例実施 し, その典型例 を Fi g‐1に示した. 冷却直後, 単収縮張力 は抑制され, その立ち上 縮速度( t ra eof なら びに弛緩は著明に遅延すること, また強縮張力 は20一30%抑制され, 同時に収 i laxat ) およ び弛緩速 度 ( on) の 著 し い 低 下 が 観 察 さ れ た. しか し ion deve lopment rateofre tens. これら収縮性の変化 は, 1時間後に回復 することも認 められた. 以上のように,20分間の氷冷却が筋の機械 的応答に影響を与えるという事実が確認され, それに 基 づいて実施された実験Aにおいて以下の成績が得られた. び ダブルパルス Tabl e lには,冷却剤と氷による冷却終了直後およ び回復期における単収縮なら に による加重収縮の各特性を, 冷却前の測定値の百分率と してそれぞれ示した. 冷却直後, 単収縮張 力とその収 縮時間は, 冷却剤ではほ とんど変化がなかっ たが, 氷冷却の場合には有意な変化が潔 め られた. すなわち, 張力 は10数%抑制され, また収縮時間 は延長し,20分間の氷冷却で示された現 )に対応 した. また, 第2刺激による単収縮張力の増強の程度は, いずれの冷却において i 象(F g‐1 も影響されず, 張力そのものは単収縮張力の変化にほぼ比例 した. また以上の現象は, 皮膚温が回 復した10分後においてもほぼ維持されると同時に,冷却剤で単収縮 張力がやや抑制される傾向も示 さ れ た.. l e 2 に示す. 冷却直後, 強縮張力 は また同時に, 40Hz による強縮について得られた成績を Tab 111 ) (.
(5) . 112. 金 谷 秀 秋・山 本 - cont r o. l i C oo ng. A 人. 充・橋 本 智香子 r eのVe. 人. . 帆. . 0 5s e C . C. F ig ing for 20 貫l in on i ic mechani sometr .1 . Effect of ice cool cal responses m. l ic i l adductor pol tch tens ion s musc e ion at 40 Hz C: c tens . A:twi , B: tetani , ion development and re tens laxat ion imeis one hour. . Recovery t. Tab l e l‐. Ef fect ing Wi fcool so l dspray andiceontwitch and sununant thco ion.ハdeans ive values and sD are given forrelat i f i f ferencesf cance of di rom loo% . Sign ( ) or o%( l upper2 rows ower row) are shown.. Af l i t rcoo e ng :. Af o mi t i e rl nr e cove r od : 1 γ pe. Twi t ‐ i l i Two ‐ t imu l it ch Twi t t i ch Two s mu s t … i l i Two ‐ e n s o n t i : Twi t l it t i ch Twi ch Two s mu s mu e n s o n : i t i i ens t ht t i i t on CT i e n s o n w t i t c e n s o nr a o t i ens i t ht on CT i e n n t s o t w e n s c o nr a o Co l ds pray. l ce. n qean97 SD. 9. p〈. NS. M [ ean87 SD p〈. ( Co l ds ) - ( l ) r a c e p y. 7 0. 001. ” l O l o 1 e anI. 10 0. 94. 98. 9 0. 1 0 3. 9 1. 1 02. 2. 1 0. 9. 11. 7. 17. 17. NS. O.0 5. NS. 0 0I ‐. NS. NS. NS. 1 06. 8 8. 1 0 2. 82. 1 05. 84. 03 1. 6 0‐ 1 00 -6. 14 0‐0I 6. 1 4 NS. 6 0.001 0.0 1. -4. SD. 5. 1. 9. 10. 5. p〈. 0. 02. 0 0I .0. NS. NS. 0. 05. 1 4 0. 0 0I. -2. 7. 5. 1 4. NS. NS. 1 9 NS - -I 13 NS. いずれの場合も抑制されることなく十分に発揮された さらに冷却剤 では 収縮速度ならびに弛緩 . , 速度にもほとん ど影響が認められなかっ たが 氷冷却においては いずれも有意 な低下が示され , , , とくに弛緩速 度の低下は著しく, 冷却剤との間に有意 (P<001 ‐ ) な差が示された. また回復期に おいては, 強縮張力が氷冷却でわずかに抑制される傾向が示され さらに冷却剤では 氷冷却ほど , , ではないが, 収縮速度と弛緩速度がやや低下する成績が得られた .. 2 1 1 ( ).
(6) . 113. 筋の機械的応答からみた瞬間冷却剤の効果について ion i ing wi r ・ l ulat セ h cold spray al l Tab ldice on tetanusinduced by st e 2‐ Effects of cool ions are as in Tabl i el at 40 Hz er descript . . 0せ i Af t r : n re cove ry pe od e rlo mi. l i Af t ng : rcoo e Te i t c an i t ens on M 【 o ean lo. Co l dspray. ft i Ra t ens on eo l deve t r l op l en. Rat eof l i t re axa on. Te i t an c [ 1 enS on. Ra i t ens on eoft de▽e l t l l oPme. Ra f t eo l i t re axa on. 99. 9 8. 9 9. 95. 96. 3. 8. 7. SD p〈. NS. oo N [ ean l. 1 ce. NS. NS. NS. 0 5 ‐0. 0.0 5. 95. 87. 97. 91. 87. 3. 5. 6. SD NS. p〈 )( l ) (Co l ds r ay c e p. 0. M 【 ean SD. 2. p〈. NS. 0. 0 01. O .05 4. 0. 05. 11. 2. 0‐ 0I. NS. 0- 001. 6 NS. 0. 00 1. 8. 7. NS. 0‐ 05. なお, 冷却前, 冷却直後および回復期における皮膚温は, 冷却剤の場合, それぞれ31 ‐2±2‐gC,. oC ま た 氷 冷 却 で は 32 0士2 1℃ 19 5±2 C 31 1±3 ぽ Cで あ 18‐8±4‐6Cな ら び に 30‐6士3‐7 ‐ , ‐ ‐ , ‐ , ‐ ,. り, どの時点においても冷却方法による差 は認められなかっ た. 2. 実. 験. B. 120. 100 ~ . ≦8 0 [. 6O 美 。 40. 20. 0. 30. 60. 90. 120. 150. 180. Tirr le, SeC r h 口t i ive t ion changes induced by inter tent repet Fig‐ 2 i son of tetani c tens . Compar. 1 1 d spray(◎)and i imu. i t ce (①} ro s(○) ご at on at 40 Hz, cont , co ial values finit i ve subjects‐ expressed as % o , values are for f 113 ( ). Changes.
(7) . 114. 金 谷 秀 秋・山 本. 充・橋 本 智香子. 1 80 1 .. [. o 妄6. 0. ,30. 60. 90. 120. 150. 180. Time,seC Fi th con g.3‐ Comparison ofthe rate oftension development l t d spray rol s(○), co , wi (◎) andi ce(①) andintherate oftension relaxation,controls(□),cold spray (圏) and i ial values values are f ce(町) i ‐ Changes expressed as % of init ve , sub jects .. 40HZ を0.5秒,1‐ 5秒間隔の間欠的連 続刺激を3分間与 えた際の張力の時間経過をFi g‐2に, ま た収縮速度と弛緩速度のそれは F i 3に初期値 の百分率でそれぞれ示した g‐ . 対照において, 発生張力 は2分位ま でほぼ直線的な低下を示し その後 麦比較的緩徐 に低下し, 3 , 分後に初期張力の約40%であっ た. しかしながら この3分値 は個人差 ( 2 8 一53%) が大きいこと , も示された. 一方, 冷却剤および氷 による冷却後の疲労曲線は 対照とほぼ同じ時間経過が示され , たが,後半張力低下がやや加速される傾向が認められ 冷却剤の3分値 は約36% また氷冷却で32% , , で あ っ た. ま た 収 縮 速 度 は, Duchateasamd Ha 5 )の報告と同様に 張力が抑制されているに i t nau , もかかわらず, 初期に-旦増強さ れ, その後は張力の時間経過と並行して低下した この時間経過 . は, 冷却により後半低下がやや促進される傾向が示された さらに弛緩速度 において は 初期に増 . , 強されることなくほぼ指数関数的な低下を示し その経過に対する冷却効果は 張力 収縮速度の , , , 場合と同様, 低下がやや促進され, 氷冷却でその傾向が強く 強縮の弛緩速度が氷 冷却により有意 , に低下した実験A の事実 (Tab l e2) と符号する成績であっ た. なお, 実験中の平均皮 膚温は, 対照で3 0‐8±2ぜC, 冷披剤では23.1士3.9℃, また氷冷却で20 ‐. oCで あ た 9±2‐8 っ .. 114 ( ).
(8) . 筋の機械的応答からみた瞬間冷却剤の効果について. 115. 察. 考. 1 2 1 3 1 4 } ま た筋 線 維 のタイ プによ り そ の応 答 3 8 ’ ・ ’ ・ ’ こ れ ま で, 骨 格 筋 の 収 縮 性 は 温 度 に 依 存 す る こ と1 ,. 3 )は ラ ッ ト長指伸筋 (速筋) では, 低温下 1 2 1 3 )さ れ て い る C1ose and Hoh ・ ’ が 異 な る こ と も 報 告3 , . に単収縮張力 が増強し, 強縮張力は抑制されること, それに対してヒラメ 筋 (遅筋) のそれらはあ 1 2 1 3 )は多い ・ ・ まり温度に影響されない ことを報告しており,摘出筋に関して は,彼らを支持する報告8 . 4 }は 低温下にヒト下腿三頭筋の単収縮張力およ び強縮張力 は, いずれも 一 方, Davi esand Youn g , 有意に低下し, 収縮の立ち上がりなら びに弛緩 が著しく延長することを報告している. 本実験にお ) が認められ, 強縮張力 i い て, 20 分 間 の 氷 冷 却 に よ り, Davi es and Young と同様の現象 (F g‐1 のみならず単収縮張力 が抑制されたことは, 摘出筋の場合とは異なる成績 であっ た. このことは, 生体内における単収縮の発生までに, 神経線維での興奮の伝 導, 神経筋接合部における化学 的伝達, さらに筋の興奮伝導などの諸過程 を内在していることから, それらの過程に対する低温の影響が, i 低温下に activestate のdurat on の延長によりもたらされる単収縮張力の増 強を相殺させたものと 解釈される. 以上のことを考慮すると, 実験Aにおいて, 冷却剤による冷却直後, 単収縮張力およびその収縮 時間は冷却前とほとん ど差がなく, 氷冷却では張力の抑制とともに収縮時間の延長が有意に認めら l れた事実 (Tab el) は, 両者の深部組織に対 する冷却効果の程度に差 があることを示唆している. また同時に, 冷却直後の強縮張力 とその収縮速度には冷却方法による 違いはほとんど示されなかっ l たにもかかわらず, 氷冷却で弛緩速度の著明な低下 が認められた事実(Tab el)は, 筋実質に対す t る冷却効果の大きさを反映しているように思われる.筋の収縮過程には多くのs e p が内包されてい るのに対し, 弛緩は細胞内に遊離された Caイオ ンが, ATP のエネルギーにより再 び筋小胞体に取 り込まれることのみによる. すなわち, 弛緩速度 はCaイオンの取り込み速度に依存すること, 言い 換えればATPの分解速度に大きく左右される ことであり, 低温環境は, その化学反応を抑制し, その結果として弛緩速度を延長させたと推察される. また, 回復期において, 氷冷却では冷却直後の現象がほ ぼ持続していること, そして冷却剤の場 合, 単収縮張力がやや抑制され, 強縮の弛緩速度も遅延した成績は, 冷却剤による冷却効果の発現 にはある一定の時間を要することを意味していると思われる が, その詳細 は, 今後精査することに より明らかにされよう. 連続的な刺激により筋の張力 は減少し, いわゆる筋疲労 が起こり, その時間経過は疲労曲線とし 1 0 ) 6 ) iet al rof sky て観察される.また筋疲労は低温下に促 進されることが Grabowsk . や北 ら, さらに Pet 1 2 )な どにより報告され, それは弛緩速度の延長に起因する とされている. 本実験Bにおい i nd andL. て,40Hz の間欠的連続刺激による疲労曲線は, これまでの報告と同様の時間経過であっ たが, 強縮 張力には影響を与えない冷却の条件下に, 後半疲労がやや促進されたことは, これまでの報告に基 づ け ば, いずれの冷却もその効果がある程度発揮されたと思われる. しかし, この促進の程度は氷 1 1 ) l 冷却でも比較的わずかであっ たことは, McMa t s e r et a ‐ の報告から推定した場合, 3分間の氷 冷却ではわずか C前後の筋温の低下であることを考慮すれ ば, 当然の結果として解される. また, 促進の程度 は冷却剤の方がより軽微であっ たことは実験Aの事実と合致し, 冷却剤の深部組織への 冷却効果が極めて弱いこと が示唆される. しかしながら, 今回の被験筋である母指内転筋は, 約8 )の報告, さらに遅筋線維の収縮性は比較的温度に影 0%が遅筋線維であるという Jo土山son et aL9 1 2 1 3 }を考慮すると, 本研究の条件のみで冷却剤の効果の有無 を断言す ’ ’ 響されないという従来の報告3 115 ( ).
(9) . 116. 金 谷 秀 秋・山 本. 充・橋 本 智香子. るのは適切ではないが, 少なくとも3分間の氷による冷却ほどの効果は認められないことが明らか にさ れ た.. 結. 語. 瞬間冷却剤の冷却効果を明らかにするために, ヒトの母指内転筋を用い 等尺性収縮による機械 , 的応答に対する影響を, 3分間の氷による 冷却と比較検討し, 以下の成績が得られた . 1) 冷却後の単収縮張力 は, 氷冷却で有意 に抑制されたが, 冷却剤ではほとんど影響されなかっ た . さらに, 単収縮の収縮時間は氷 冷却で延長したが, 冷却剤では変化がなかっ た . 2) 第2刺激による単収縮張力の加重の程度は, いずれの冷却によっ ても影響を受けなかっ た . 3) 40Hz による強縮張力 は冷却によりほとんど影響されなかっ たが 弛緩速度において 氷冷却 , , の方が冷却剤より有意な低 下を示した. 4) 40Hz の間欠的連続刺激による 張力の低下は, 冷却によりやや促進され 氷冷却でその程度が , 比較的大きかっ た. 以上の成績から, 瞬間冷却剤の深部組織に対する効果は, 3分間の氷 による冷却より軽微である ことが示唆さ れた.. 文. 献. 1) Berch 1979 l l l musc l uenceof musc etemPeratureon maxima t es ren ー罫h and Power , U.and Ekblom,B. ・lnf , l l musc l outputin human ske ta i 33‐37 ta e e s ol : . Ac . Phys . Scand .107 . 2) C1ark, R. l l 1958 on ionsofthe human f t d i eac i oreanntocol n : , He . Vascularr , R.and Lind , A. , .C1 .Sc .17 165 . 3) C1 1968 luence of temPerature on i ose i t i t some r c cont rac tal ons of rat skeke .F.Y. . lnf , R. and 日oh ,J , l N 2 7 1 1 1 7 9 1 1 t ‐ 8 0 musc es a r e u : . . 4) Da電es 1983 f t of temperature on the cont l i ec t i l rac e Proper t e s and musc ,C.T.M. and Young . Ef e , K‐ , i I io l r cepssuraein humans E i i E i P power oft h i l 5 5 1 9 1 ‐ 9 5 1 rat n v r o n x e r c s e s o : .J ‐ APP y . Phys .:ResP . . . . 5) Duchat 1984 i inge f f eas l i t n ec sof musc io l efat gmein man . Tra : ,J .and Hainaut , K. , .Eur -J . APP1 ‐Phys .53 248‐252 ‐ 6) Grabowski iger 1972 tgau f f i ive s t of rePet t imu l ion at low ec t at , ▽. , Lobs , E.A. and Lut . The e , H.C. , f i l i land mechan t i lact erquenc esuponthee iv i ing l ec r l i ca ty ofs f b P f l ca 222‐239 e musce res s Ar ch : ‐ uger .334 ‐ 9 6 7) Haines 1 7 A f J d l t i l t d せ l P h i h o r e c e n e 5 3 2 2 2 s w e v e o m e n s n t u c o e r a r P s o e y py aPy : . . , . , . y 8) Hi l l 1951 l ion deve l uence oftemPerature on thet i ens oPedin anl tch somet ‐ Theinf r , A.V. c twi , . . Proc Roy 349‐354 : . Soc ‐ B.138 . 9) jo t印son ightman 1 1973 e ton l i i but i gar t i bretypes e ed s r onoff . , M.A. ,Pol , 汎′ ,J , D.and APP . Data on 茸 , D. , inth ix hwman musc i ty‐s l l i r tudy 111‐129 es og : ‐ An autoPsy s .J . Neuro . Sc .18 .. 10) 北 進-, 永井 格, 村上俊吾, 197 1 .. 筋疲労に関する研究‐ 札幌医誌 3 9:14 4-1 5 5 .. 11) MCMas t l 1978 er e i i ld theraPy on of var ous co ‐ ‐ and Waugh , W.C , Lidd . Laboratory evaluat ,S , T.R. , i i A t S M d 6 2 9 1 2 4 modal J t ‐ 9 es m r o s e : p . .. . . 12) Pe t 1981 rof sky nd i t i i ter some t r ccharac t .S .and Li s ,J csoffas . TheinnuenceoftemPeratureonthei ,R. , l l l 3 8 9 ager 1 4 9 ‐ 1 5 4 and s ow musc ein the cat s Arch : . Pf . . 13) Ranatunga K.W.1977 l ture on the charac i i ter t uence of tempera i i s cs of summat t on of i some r . lnf c , , lresponsesof mammal ian ske l mechanca l tal musc l 513‐532 e e : . Exp . Neuro .54 .. 116 ( ).
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