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地域のために、地域とともに―「うらほろスタイル」から学ぶ地域教育開発専攻地域教育分野の「地域創造型教師」養成の取り組み―

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(1)Title. 地域のために、地域とともに―「うらほろスタイル」から学ぶ地域教育 開発専攻地域教育分野の「地域創造型教師」養成の取り組み―. Author(s). 宮前, 耕史; 本間, 悠資; 住吉, 泰斉; 立野, 里奈; 長澤, 愛理. Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第47号: 1-9. Issue Date. 2015-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7913. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集 -北海道教育大学釧路校研究紀要-第47号(平成27年度) Kushiro Ronshu, - Journal of Hokkaido University of Education at Kushiro - No.47(2015):1-10. 地域のために、地域とともに ―「うらほろスタイル」から学ぶ地域教育開発専攻地域教育分野の 「地域創造型教師」養成の取り組み― 宮前 耕史・本間 悠資・住吉 泰斉・立野 里奈・長澤 愛理 北海道教育大学釧路校地域教育開発専攻地域教育分野. For the Community, With the Community -The Challenge of Department of Community Education for Training Community Creation Teachers MIYAMAE Yasufumi, HOMMA Yusuke, SUMIYOSHI Taisei, TATSUNO Rina, NAGASAWA Airi Department of Community Education, Hokkaido University of Education, Kushiro Campus. 要旨 北海道教育大学釧路校地域教育開発専攻(平成27年度より地域・環境教育専攻)地域教育分野では、「うらほろスタイ ル推進地域協議会」 (北海道十勝郡浦幌町)と連携し、体験学習の機会を数多く設けることにより、これからの地域社会、 とりわけ農山漁村における学校と地域の関係のあり方や、教師・学校の役割を「学校の外」―地域の側から問い直してい く新たな「地域に根ざした教師」像―「地域創造型教師」の養成に向けた授業改善に取り組んでいる。一方、浦幌町では、 同協議会を中心に「うらほろスタイルふるさとづくり計画」を推進、毎年、同計画の成果や進捗状況を、町民および関係 者と共有するため、冬季に「うらほろフォーラム」を開催している。地域教育分野では、「うらほろフォーラム」におい て学生たちが「うらほろスタイル」からの学びの成果を発表する機会をいただいている。今年度(平成26年度)にあって も「うらほろフォーラム2015」 (平成27年3月8日(日)開催)において、浦幌小学校で教育実習を受け入れていただいた 学生4名が、学生代表として2年間にわたる学びの成果を発表させていただいた。本稿は、当日の口頭発表を文字化したも のである。. はじめに. 北海道教育大学釧路校地域教育開発専攻地域教育分野 (平成27年度より地域・環境教育専攻)では、分野所属教 宮前耕史. 員4名(北澤一利・平岡亮・諫山邦子・宮前耕史)全員の 協同により、「うらほろスタイル推進地域協議会」と連携. 北海道十勝郡浦幌町では、町内小・中学校の教員と保護. し、体験学習の機会を数多く設けて地域教育に関する理論. 者、町・町教委、町内各種団体や企業・NPO、地域住民. と実践とを学生自身が統合することにより、これからの地. が結び付き、 「うらほろスタイル推進地域協議会」を組織. 域社会、とりわけ農山漁村における学校と地域の関係のあ. して、 「子どもを軸」に「学校を舞台」に、地域の持続可. り方や、教師・学校の役割を「学校の外」―地域社会の側. 能性の実現を目指して「うらほろスタイルふるさとづくり. 問い直していく「地域創造型」教師養成に向けた授業改善. (1). 計画」 (以下「うらほろスタイル」 )を展開している. 。. に取り組んでいる(2)。. 同計画は、学校・地域住民の「協働」に基づく「地域とと. 一方、浦幌町では、「うらほろスタイルふるさとづくり. もにある学校づくり」の先進事例として関係者による全国. 計画」の成果や進捗状況を町民および関係者と共有するた. 的な注目を集めている〔学校運営の改善の在り方等に関す. めに、毎年冬季に「うらほろフォーラム」を開催しており、. る調査研究協力者会議2013〕 〔コミュニティ・スクールの. ここで学生たちが「うらほろスタイル」からの学びの成果. 推進等に関する調査研究協力者会議2015〕 。. を発表する機会をいただいている(3)。今年度(平成26年度). -1-.

(3) 宮 前 耕 史・本 間 悠 資・住 吉 泰 斉・立 野 里 奈・長 澤 愛 理. 【図1-1】 「地域のために、地域とともに」. 【図1-2】「うらほろスタイル」の取り組みの全体像. の場合にあっても、浦幌小学校で教育実習を受け入れてい. 1-1.「うらほろスタイル」の取り組みの全体像. ただいた学生4名が、 浦幌町教育文化会館で開催された「う らほろフォーラム2015」 (平成27年3月8日(日) )において. 【図1-2】は、「うらほろスタイル」の3つの取り組みの全. 発表を行う機会をいただいた(4)。. 体像を簡単にまとめさせていただいてみたものです。. 当日は、担当教員(宮前)が「うらほろスタイル」の特. 「うらほろスタイル」というのは、浦幌町の「まちづく. 徴や、教員養成の立場から「うらほろスタイル」に注目す. り計画」にも位置付けられた「まちづくり」「地域づくり. る理由、取り組みの全体像について説明を行なった上で、. 計画」であるわけですが、その「うらほろスタイル」によ. 学生4名が「うらほろスタイル」からの学びの成果につい. る「地域づくり」の最大の特徴は、子どもたちが町に残ら. て発表を行った。本稿は、これを文字化したものである。. ないのは仕事がないからではない、子どもたちに「将来も 町に住み続けたい」というような、「地域に対する愛着・. 「うらほろスタイル」から学ぶ地域教育開発専攻地域教育. 誇り」がもてていないからだ。このような発想に基づいて、. 分野の「地域創造型教師」養成の取り組み. 「子どもを軸」に、 「真ん中」において、子どもたちに「地 域に対する愛着・誇り」を育んでいくことを目的として― 宮前耕史. こうした発想自体、まちづくり・地域づくりの取り組みと して大変めずらしいものと思いますが、学校の先生、地域 の方々、行政と、多種多様な立場の方々の連携・協力・協. はじめに. 働により推進されるということ。 みなさま、あらためまして、こんにちは。北海道教育大. そして、「地域のために、地域とともに」という言葉、. 学釧路校地域教育開発専攻地域教育分野の宮前と申しま. これは、浦幌中学校の前の校長先生、高橋校長先生のお言. す。浦幌町のみなさまには、いつもおじゃまさせていただ. 葉ですが、髙橋校長先生は、何のための「地域学習」なの. き、大変お世話になっております。この場をお借りして、. か、あるいは「学校・地域連携」なのかということについ. 改めて御礼申し上げます。. て、それは「地域と地域の発展のためなんだ、学校は、将. 本日は、 「うらほろスタイル」から学ぶ私たちの取り組. 来の地域の担い手を育てなければだめなんだ、そのために. みについて、お話させていただく時間をいただきました。. こそ、学校・教師は「地域とともに」、「地域で」「地域を」. まず私の方から、われわれが教員養成という立場から、な. 学ぶんだと、そのようにおっしゃっているわけです〔高橋. ぜ「うらほろスタイル」に注目し、そこから何を学ぼうと. 2008〕。先生方も「地域のために、地域とともに」、そうし. し、そのためにどのような取り組みをさせていただいてい. た当事者意識をもって参画される「学校発」の取り組みで. るのか、全体像をお話をさせていただきます。その上で、. あるということです。. 実際に学ばせていただいている学生、今年度浦幌小学校で. まさに、「地域とともにある学校(づくり)」「学校を協. 教育実習をさせていただいた3年生ということになります. 働の場・核」とする「地域づくり」の先進事例であるとい. が、取り組みの具体的内容と、そこからどのような学びを. うことができるわけですが、もう一つ重要なことは、互. させていただいたのか、お話しさせていただきます(【図. いが互いの学びから学ぶ「学び合い」というものが、浦幌. 1-1】 ) 。. 町では町レベルで成立しているということだと考えていま す。「子どもを軸」に、真ん中に置いた、先生方と地域の方々. -2-.

(4) 地域のために、地域とともに. 【図1-3】取り組みの全体像. 【図1-4】浦幌町で活躍する卒業生. との「学び合い」 、これを通じて、町が集団的に発達して. での講義をお願いしております。校長先生からは、浦幌の. いく。私はそのようなイメージをもっています(5)。. 小・中学校での9年間を一貫した取り組みや、そうした取. 私たちといたしましては、このような、先生方と、地域. り組みを行っていく際に求められる教師の資質や能力と. のみなさまとの「学び合い」 、そこに学生たちも入れてい. いったことを中心に、お話をうかがっています。こうした. ただくことで、若い「外」からの力と発想で、一方ではま. 取り組みを中心に、理論と実践の統合を目指しています。. た何がしかの貢献もさせていただきながら、 「地域のため. 3年生の1学期には、 「子どもの想い実現ワークショップ」. に地域とともに」 、学び、考え続ける教師へと学生たちに. への参加やお手伝いが中心となります。【子どもの立場】. はなってもらいたい。そのように考え、浦幌町におじゃま. の次に、【地域の大人】の立場で「うらほろスタイル」に 参加・体験させていただこうという趣旨です。「浦幌新聞」. (6). させていただいております. 。. の執筆や、今年度は高室座長さんの方からお話しもありま した、学園祭での「ウラペチーノ」の販売といったことが. 1-2.取り組みの全体像. ありました。 【図1-3】は、 「うらほろスタイル」から学ぶ、私たちの. そして3年生になりますと、夏、8月から9月にかけ、教. 取り組みの全体像です。 分野への所属が2年生となるため、. 育大では教育実習が行なわれます。昨年度(平成25年度). 取り組みもこれ以降ということになります。地域における. から浦幌小学校での教育実習をお願いし、昨年度は2名、. 教師・学校の役割を、 「学校の中」だけでなく、 「学校の外」、. 今年度(平成26年度)は何と4名という実習生を受け入れ. 地域社会の側からもとらえ直していきたいということで、. ていただきました。ここでいよいよ、【教師として】 「学校. 地域のみなさまとも直接触れ合いながら、子ども・地域の. の中」から「うらほろスタイル」に参加・体験させていた. 大人・先生方と、 さまざまな立場から「うらほろスタイル」. だくということになるわけです。小学校での「民泊体験」. に参加・体験させていただけるよう、工夫させていただい. とも時期が重なり、自分たちが【子どもの立場】で体験し. ています。. た「民泊体験」を、今度は【教師として】 「学校の中」から、. まず、2年生の1学期には、 「うらほろスタイル」の取り. 子どもたちを「送り出す」という形で関わっていくという. 組みを通じて、浦幌町の子どもたちが実際どのようなこと. 機会も設けていただいています。. を感じ、考え、学ぶのか、まずは【子どもの立場】で「う. 希望者全員を受け入れていただくというわけにもいきま. らほろスタイル」を体験してみようということで、「浦幌. せんので、浦幌小学校の笹川先生にお願いし、大学で授業. バスツアー」と「民泊体験」を中心に取り組ませていただ. づくりに関する講義をいただいています。笹川先生には、. いています。取り組みの前後には、 「うらほろスタイル」. 地域教材をどう見つけ、授業にどう生かして行くか、その. 関係者をお招きしての感想交流会といったことも行なって. ために教師にはどういった視点や努力が必要か、といった. います。ここでは、協議会の会長さん等をお招きしての講. ことをお話しいただいています。. 演会やワークショップ、感想交流会も行なっています。. この他にも、年2回の通学合宿のお手伝いもさせていた. 2年生の2学期には、中学校の「町おこし企画案発表会」. だいています。子どもたちと直に触れ合うとともに、地域. の参観と、 「うらほろスタイル教育推進会議」の座長さん、. のみなさまの学校・教師に対する期待を肌で感じる機会と. 浦幌小学校の校長先生、昨年までは中村校長先生、今年は. なっているようです。. 水野校長先生にお願いさせていただいておりますが、大学. こうした中から、4年生になると、各自課題を見付けて. -3-.

(5) 宮 前 耕 史・本 間 悠 資・住 吉 泰 斉・立 野 里 奈・長 澤 愛 理. 【図1-5】2年生によるポスター発表. 【図2-1】「うらほろスタイル」からの学びを通して 考えたこと. 進路決定、卒業論文の作成ということになりますが、今年 度は2名の学生が、 「うらほろスタイル」からの学びをもと. 「うらほろスタイル」からの学びを通して考えたこと. に、卒業論文を作成しました。 本間悠資・住吉泰斉・立野里奈・長澤愛里 1-3.現段階での取り組みの成果 はじめに 進路としては、やはり教員養成課程ですので教員志望の 学生が圧倒的多数を占めますが、実は「学校の外」、地域. みなさまこんにちは。北海道教育大学釧路校・地域教育. の立場から子どもや教育をめぐる取組に関わって行きたい. 開発専攻・地域教育分野3年生の本間悠資・住吉泰斉・立. と、役場や団体職員、民間への就職を希望する学生も少な. 野里奈・長澤愛里です。よろしくお願いします。私たちは. くありません。. 今年度、平成26年の8月20日~ 9月24日にかけての5週間、. そうした中から、仕事として「うらほろスタイル」に関. 浦幌小学校で教育実習をさせていただきました。教育実習. わって、学校と地域のつなぎ役として貢献していきたい. からの学びも含め、2年生の時から現在までの2年間、私た. という学生も出てきています。今、うらほろ地域おこし. ちが「うらほろスタイル」から学ばせていただいたことに. 協力隊の一員としてお世話になっている森さんです(【図. ついてお話をさせていただきます。大まかな流れです。私. 1-4】 ) 。森さんは、去年の釧路校の卒業生で、 「うらほろス. たちが学んできた内容を、①民泊体験、②中村校長先生の. タイル」から学ぶ、われわれの取り組みの第1期生です。取. 講義から、③教育実習、④笹川先生の講義から、⑤私たち. り組みの中からそのような志をもった学生が育ってきてく. の取り組みと、大きく5つに分けてお話しさせていただき. れていることは、本当にありがたく、われわれ教員にとっ. ます(【図2-1】)。. ても、そして学生にとっても大変心強い存在です。 以上が私からのお話しということになります。この後、. 2-1.民泊体験. 学生、3年生の方からお話をさせていただきますが、2年生 の学びの成果についても、1階ロビーで「ポスター発表」. まず、「民泊体験」からの学びについてお話させていた. という形で掲示させていただいています。われわれの分野. だきます(【図2-2】)。この「民泊体験」では、私たち大学. には、4つの研究室がありますが、 「うらほろスタイル」か. 生が子どもの立場から参加させていただきました。そして. らの学びを、今後、それぞれの研究室の特徴や興味関心も. これが、私たちが「うらほろスタイル」について学ばせて. 踏まえて、どう生かして行くか、というテーマでまとめて. いただいた最初の機会でもありました。写真は、受け入れ. います( 【図1-5】 ) 。お時間がありましたら、ご覧いただけ. 先の方々と一緒に撮っていただいたものと、体験中の私た. ましたら幸いです。どうもありがとうございました。. ちの写真です。 実際に体験してみて、本当にさまざまな思いが芽生えま した。それをおおまかにまとめると、「第1次産業の魅力 と大変さがわかった」「食や命について考え直すきっかけ になった」「受け入れ先の方々の温かさに触れることがで きた」ということになると思います。そして、そうした取. -4-.

(6) 地域のために、地域とともに. 【図2-2】民泊体験. 【図2-3】中村校長先生の講義から①. り組みを浦幌では毎年小学生が学校の授業として行ってい るということに、あらためて驚きました。体験を通しての 学びには、教科書を通してだけでは学べないものがあるこ とを実感しました。 2-2.中村校長先生の講義から 次に、中村校長先生の講義を聴いて考えたことについて お話しさせていただきます。今年度(平成26年度)は、浦 幌小学校の現在の校長先生である水野校長先生に大学にお こしいただいたとのことですが、私たちは、前の校長先生 である中村校長先生の講義をうかがいました。中村校長先 生の講義では、 「うらほろスタイル」の取り組みが、実際 に学校現場でどのように行われているか、お話しをうかが. 【図2-4】中村校長先生の講義から②. いました。講義を聴いて、私たちは3つのことを考えまし 2-3.教育実習. た(【図2-3】 【図2-4】 ) 。 一つ目は、学校での学び、地域での学びは互いの学びを 深め合う効果があるということです。例えば、社会科の郷. 私たち4名は、5週間の教育実習を浦幌小学校で受け入れ. 土学習で、浦幌博物館で石臼体験をしたり、子どもたちが. ていただきました。実習中には、5年生が民泊体験を行い. ただ教科書や副読本で学習するよりも、郷土に対して興味. ました。ここでは、私たちも体験させていただいた民泊体. を持って学習できるようになっていると考えました。興味. 験を、今度は「子どもの立場」からではなく、 「教師の立場」. を持って学習できるようになれば、その分、子どもたちの. で、子どもたちを送り出すという形で体験させていただき. 深い学びにつながると考えました。. ました。実際に体験を終えた子どもたちから、「楽しかっ. 二つ目は、このような相乗効果を得るためには、地域と. た!」「漁師はかっこいい」「ご飯を残さず食べようと思っ. の連携が必要であるということです。学校での学びと地域. た」「帰りたくなかった」などたくさんの感想があり、民. での学びを結びつけるには、まずは教師の地域と関わって. 泊体験が子どもたちにとってもとても印象深いものであっ. いこうとする気持ちが大切だと考えます。子どもたちを深. たことが伝わってきました(【図2-5】)。. い学びへと導くために、教師も地域の方から学んでいくこ. こうした体験から、私たちは、体験学習をより充実した. とが重要であると考えました。. ものにするためには、事前学習が重要であること、体験す. 三つ目は、根気強さが重要であるということです。実際. るだけでなく、体験からの学びを共有することも重要であ. の活動にいたるまでには、年間教育活動の中でのバラン. ること、これらについてより良い方法を探究していくこと. ス、調整や連携先との相談といった、さまざまな過程があ. が大切であること、そのためにも、地域の方々との信頼関. ります。それらをクリアしていく根気強さが大切だと考え. 係を築くことが重要であるといったことを学ぶことができ. ました。. たと思います(【図2-6】)。. -5-.

(7) 宮 前 耕 史・本 間 悠 資・住 吉 泰 斉・立 野 里 奈・長 澤 愛 理. 【図2-5】教育実習①. 【図2-6】教育実習②. 【図2-7】笹川先生の講義から. 【図2-8】私たちの取り組み. 2-4.笹川先生の講義から. 2-5.私たちの取り組み. 講義の中で、笹川先生がお話しされていた二つのこと. その他の私たちの取り組みについてもご紹介させていた. と、それに対して自分たちが考えたことについてお話した. だきます(【図2-8】)。. いと思います( 【図2-7】 ) 。. 子どもの想い実現ワークショップでは、毎年浦幌中学校. 笹川先生がお話しされていたこと、一つ目には、地域の. の3年生が町の活性化ために考えた「町活性化企画案」を. 良さを見つける感性を養うということです。これに対して. 具体的にどう実現するか、大人が真剣に話し合っていま. 自分たちは、自分たちも、地域の中からそこに存在する子. す。私たちも、ここに参加させていただきました。そし. どもたちの学習に役立ちそうな素材を見つける感性と、ま. て、地域の大人の方々のもつ町に対する熱い思いに触れ、. た、その素材が学習に役立つのではないかと思いつく感性. 私たち大学生にできることは何か、自分たちも中学生のア. と、その両方を養っていく必要があると考えました。. イディアの実現に参加したいと思うようになりました。 「浦. 二つ目は、 地域に対する愛着は、 子どもたちが「楽しい」. 幌新聞」と「ウラペチーノ企画」の取り組みについてご紹. と思う活動の中から自然に育まれるものであるということ. 介させていただきます。. です。自分たちは、子どもたちが「楽しい」と思えるよう. まず、浦幌新聞についてです(【図2-9】)。「浦幌新聞」. な教育活動を考えていくことが重要であると考えました。. を作ったらどうかと発案したのは平成19年の中学生でし た。この新聞では、『広報URAHORO』のページ内で、私 たち大学生が「うらほろスタイル」に参加させていただく 中から学んだこと等をお伝えさせていただいています。 「う らほろスタイル」にただ単に参加させていただくだけでは. -6-.

(8) 地域のために、地域とともに. 【図2-9】 「浦幌新聞」. 【図2-10】「ウラペチーノ」の企画・販売 一つ目には、事前・事後学習を大切にし、子どもたちを より深い学びへといざなっていけるような活動を考えてい きたいということです。 二つ目には、より良い学びの場として地域が持続してい くためにはどうすればよいかということです。そしてその ためにこそ、教師は「地域のために、地域とともに」なけ ればならないということです。そのためには、地域の良さ を見出していくことができる広い視野や、地域の人々と の信頼関係を築いていくことができる力が必要だと考えま す。私たちは、このような教師を目指して努力していきた いと思っています。 このように、今まで多くの学び、気付きができたのは、 浦幌町において様々なことに関わらせていただくことがで きたからだと考えています。この場をお借りして、御礼申. 【図2-11】教師を志す、私たちが目指すもの. し上げます。ありがとうございました。 なく、たとえば「通楽(学)合宿」とありますが、参加を 通しての私たちの学びを浦幌のみなさまとも共有させてい ただくようにしています。この取り組みを通して、学んだ. (1). ことをいろいろな方々と共有していくことの重要さも感じ. 特長等については〔添田・近江・中村・宮前・高木・今泉. ました。. 2013〕〔添田・宮前・平岡・近江・阪野・野村2014〕 〔宮前. 次に、ウラペチーノ企画についてです( 【図2-10】)。こ. 2013〕〔宮前2015〕参照。. れも「浦幌新聞」と同じく中学生の発案によるものです。. (2). 子どもの想い実現ワークショップのみなさまからアドバイ. 体像については本稿の他、〔宮前・添田2012〕〔宮前・添田. スもいただきながら試作を繰り返し、10月末に行われた教. 2015〕参照。. 育大の大学祭で販売させていただきました。中学生の案に. (3). 加えて大学祭オリジナルメニューを考案し、2日間の販売. スタイル推進地域協議会」と連携した取り組みをProblem. 目標150杯もすぐに完売、トータルでなんと270杯を売り上. Based Learning、「課題解決型学習」「アクティブ・ラーニ. げる大盛況となりました。学校祭が終わった後にはワーク. ング」と位置付けている。「うらほろフォーラム」での学. ショップで売り上げのご報告もさせていただきました。. 生による発表は、いわばその出口として重要な意義をもつ. 2-6.教師を志す、私たちが目指すもの. (4). 「うらほろスタイルふるさとづくり計画」の成り立ちや. 「地域創造型教師」の初発のアイディアや取り組みの全. 注6でも述べるように、地域教育分野では「うらほろ. ものと考えている。 従来においても同様の機会をいただいている( 「うら. ほろフォーラム2013」「うらほろフォーラム2014」 ) 。これ 最後に、教師を志す私たちが目指すものとして、2つの. らついては〔宮前・小林・栗本2013〕〔宮前・渡邊・上山. ことを考えました( 【図2-11】 ) 。. 2014〕として文字化している。なお、「うらほろフォーラ. -7-.

(9) 宮 前 耕 史・本 間 悠 資・住 吉 泰 斉・立 野 里 奈・長 澤 愛 理. ム2015」当日の全体プログラムについては【別表】参照。. ・宮前耕史・添田祥史2015「『地域創造型』教師養成に向. (5). けたプログラム改善―『うらほろスタイル推進地域協議. 今泉発言。. 会』と連携した釧路校地域教育開発専攻地域教育分野の. (6). 取り組み」北海道教育大学『北海道教育大学紀要(教育. と連携した取り組みを、いわゆる「課題解決型学習」「ア. 科学編)』第65巻第2号、pp.95-102. 〔添田・近江・中村・宮前・高木・今泉2013〕における 地域教育分野では「うらほろスタイル推進地域協議会」. クティブ・ラーニング」と位置付けている。 「地域創造型. ・宮前耕史・渡邊希美・上山紗耶2014「『うらほろスタイル』. 教師」像を学生たちとも共有し、そうしたビジョンを実現. から学ぶ『地域に根ざした教師』像」北海道教育大学釧. するためのProblem Based Learningと位置付けることも. 路校研究紀要『釧路論集』第46号、pp.9-16. 可能である。 【附記】 【参考文献】 本稿は、文部科学省科学研究費助成金(基盤研究(C) ) ・学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議. 「地域再生における教師の役割と実践の成立条件―『地域. 2013『子どもの豊かな学びを創造し、地域の絆をつなぐ. 創造型教師』の養成に向けて」(課題番号25380998) (研究. ~地域とともにある学校づくりの推進方策~』. 代表者・宮前耕史)による研究成果の一部である。. ・コミュニティ・スクールの推進等に関する調査研究協力 者会議2015『コミュニティ・スクールを核とした地域と ともにある学校づくりの一層の推進に向けて~全ての学 校が地域とともにある学校へと発展し、子供を中心に据 えて人々が参画・協働する社会を目指して~』 ・添田祥史・近江正隆・中村吉昭・宮前耕史・高木秀人・ 今泉博2013「地域教育のこれからと教師・学校の役割」 北海道教育大学釧路校ESD推進センター『ESD・環境教 育研究』第15巻第1号、pp.1-33 ・添田祥史・宮前耕史・平岡俊一・近江正隆・阪野真人・ 野村卓2014「シンポジウム報告『北海道の自然・教育・ まちづくり』 」北海道教育大学釧路校研究紀要『釧路論 集』第46号、pp.17-44 ・高橋康伸2009「地域の伝統や文化をテーマにした実践」 佐藤真編『中学校新学習指導要領の展開―総合的な学習 編』明治図書 ・宮前耕史2013「 『うらほろスタイルふるさとづくり計画』 の成り立ちとその現代的意義―『地域に根ざした学校』 論・ 『地域に根ざした教育』論の立場から」北海道教育 大学学校・地域教育研究支援センターへき地教育研究支 援部門『へき地教育研究』第67号、pp.31-54 ・宮前耕史2015「現代『地域教育計画』としての『うらほ ろスタイルふるさとづくり計画』 」北海道教育大学学校・ 地域教育研究支援センターへき地教育研究支援部門『へ き地教育研究』第69号、pp.61-72 ・宮前耕史・小林可奈・栗本由佳2013「 『うらほろスタイル』 から学ぶ地域教育開発専攻・地域教育分野の『地域創造 型教師』養成の取り組み」北海道教育大学釧路校研究紀 要『釧路論集』第45号、pp.1-8 ・宮前耕史・添田祥史2012「地域に根ざした教師養成のた めのプログラム開発―『地域参加型マインド』から『地 域創造型マインド』へ―」北海道教育大学釧路校研究紀 要『釧路論集』第44号、pp.19-26. -8-.

(10) 地域のために、地域とともに. -9-.

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