- 理科 19 - 第2学年E組 理科学習指導案 指 導 者 上田 航平 展開場所 2年E組教室 1 単元名 2章 いろいろな化学変化 スチールウールの燃焼 2 単元について (1)単元観 本単元は,化学変化における物質の変化やその量的な関係を理解させるとともに,これらの事象 を,原子・分子のモデルで説明できるミクロな視点や考え方の基礎を養うことがねらいである。 これまで生徒は,小学校での「物の状態の変化」「水溶液の性質」「物のとけ方」や中学校1年 での「物質のすがた」の学習の中で,物質はその性質を示す小さな粒子からなっていることや,水 溶液や状態変化は粒子を使ったモデルで表すことができること等を学習している。これらをふまえ て,本単元では,物質そのものが変わる化学変化の初歩的な概念を学びとらせるとともに,物質の つくりやその構成粒子,化学変化に伴う物質を構成している粒子の種類や数の変化について学習す る。化学変化についての観察,実験を通して,化合,分解などにおける物質の変化やその量的な関 係について理解させるとともに,これらの事物・現象を原子や分子のモデルと関連付けてみる見方 や考え方を養いたい。 (2)児童生徒の実態 本学級は男子20名,女子16名,計36名で構成されている。 これまでに行った「酸化銀の熱分解」「炭酸水素ナトリウムの熱分解」「水の電気分解」「鉄と 硫黄の化合」の全4回の実験の授業で,学習の振り返り自己評価を行い,その結果を整理した。 振り返り評価項目1の結果からわかるように,理科の実験に興味や関心をもっている生徒がとて も多い。本学級の生徒を対象に,昨年度行った平成27年度千葉県標準学力検査でも,関心・意欲・ 態度の正答率が70.5%であり,特に男子は全県の値に比べて1.2%上回っていた。机に座って授業を 受けているときよりも,観察や実験などで実際に触れたり,やってみたりしている時の方が,表情 0% 20% 40% 60% 80% 100% 4.今日の授業や実験の内容が理解できたか。 3.見通しを持って、実験に取り組めたか。 2.予想の理由を自分で考えることができたか。 1.実験に興味を持ち、進んで参加できたか。 実験の振り返り自己評価 ◎ ○ △ ×
- 理科 20 - も豊かで,興味が高まっている。 一方で,振り返り評価項目2や3の結果からは,既習事項や生活の経験を踏まえて予想の理由を 考えたり,目的意識をもって実験を行ったりすることが苦手な生徒が多いことがわかる。平成27 年度千葉県標準学力検査でも,科学的な思考・表現,観察・実験の技能の観点が全県に比べ約8% も下回っていた。大半の生徒が1つ1つの観察や実験の要点をつかめておらず,「楽しかった」で 終わってしまっているようである。 したがって,本学級の実態として,実験で起こる現象や操作への興味や関心は高いが,根拠をも って予想を立てたり,実験結果に対して「なぜそうなったか」を考察したり,見通しをもって実験 を行ったりすることに課題があると考えられる。 (3)指導観 原子や分子の概念は,目では見えないミクロの世界の概念であり,生徒にとって,化学反応に伴 って原子の結びつきが変わり,原子の種類や数が変化していくことをイメージするのは難しい。一 方で,手元でモデルや模型等の形を変えたり,並べ替えたりすることに興味を持って取り組める生 徒は多い。 そこで,実験結果に対して「なぜそうなったか」を考察する際に,マグネット式の原子モデルを 使用して,物質の成り立ちや化学変化について考えを深めさせていく。化学変化が起こるというこ とは原子の結びつき方が変化することであることを理解させ,いろいろな化学変化の実験を通して, 事物・現象を原子や分子のモデルと関連付けて考えさせ,実験結果に対して原子のモデル等を使っ て考察することに重点をおき指導していきたい。 本校の研究主題「一人一人のよさを認め合える生徒の育成~わかる授業の実践と人権教育の充実 ~」に関して,個別学習だけでなく,グループ学習を授業内で取り入れていく。考察する際には, 個人で考えるだけでなく,グループで意見を出し合いながら,モデルを操作したりする活動を積極 的に取り入れていく。生徒の中には,発展的な考え方や多面的に発想できる生徒もいるため,考え を伝える場面を設けることで,他の生徒の発想を豊かにし,より効果的な話し合いができるように 指導していきたい。そのような話し合いの中で,化学変化の前後の質量の変化にも,原子や分子が 関与していることに気づかせていきたい。 また,実験や観察を行う際の安全面についても十分に留意していきたい。机の上を整理し,ぬれ ぞうきんを用意させたり,安全メガネを着用させたりする。実験中は班員で協力して行うことや話 を聴くときの姿勢等,日頃から授業規律を保つように心がけていきたい。 3 単元の目標 ・化合,酸化と還元に関する事象に進んで関わり,科学的に探究するとともに,日常生活における さまざまな事象と関連付けて考えようとする。 (自然事象への関心・意欲・態度) ・いろいろな化学変化を原子,分子のモデルと関連づけて思考し,表現できる。 (科学的な思考・表現) ・実験の基本操作を習得するとともに,結果の記録や整理を正しく行うことができる。 (観察・実験の技能) ・化合,酸化と還元における物質の変化やその量的な関係について,基本的な概念を理解でき, また原子,分子のモデルを使って説明することができる。 (自然事象についての知識・理解)
- 理科 21 - 4 指導計画(10時間) 時配 学習内容と学習活動 評価規準(方法) 1 物質が結びつく化学変化―化合 鉄と硫黄の混合物の加熱 実験・結果の整理 ・鉄と硫黄の混合物を加熱するとどうなる か調べる。 物質を化合して,反応前後の物質の性質のちがいを比 較する実験の基本操作を習得するとともに,結果の記 録や整理などのしかたを身につけている。 (観察・実験の技能)【行動観察,レポート】 2 鉄と硫黄の化合 考察・まとめ ・2種類の物質を化合させる実験を行い, 反応前とは異なる物質が生成することを 見いだす。 加熱前後の変化や物質の性質の変化から別の物質が 生成していることについて,自らの考えを導いたりま とめたりして,表現している。 (科学的な思考・表現)【ペーパーテスト,レポート】 化合によって反応前とは異なる物質が生成すること について,基本的な概念や原理・法則を理解し,知識 を身につけている。(自然事象についての知識・理解) 【ペーパーテスト,レポート】 3 化学反応式 ・原子や物質は記号で表されることを知る。 原子や物質を書き表す便利な方法に関心をもち,いろ いろな物質を記号で表してみようとする。 (自然事象への関心・意欲・態度)【行動観察,ワークシート】 化学反応式から,分子を構成する原子の種類と数を考 察することについて,自らの考えを導いたりまとめた りして,表現している。 (科学的な思考・表現) 【ペーパーテスト,ワークシート】 4 化学反応式 ・化学反応式をつくる。 化学反応式は物質の組成や分子を表していることを 理解し,原子の記号や化学式を正しく書くことなどに ついて基本的な概念を理解し,知識を身につけてい る。 (自然事象についての知識・理解)【小テスト,ワークシート】 5 酸素と結びつく化学変化―酸化 スチールウールの加熱 実験・結果の整理 ・空気中で金属を加熱するとどうなるか調べる。 実験の基本操作を習得し,結果の記録や整理のしかた を身につけている。 (観察・実験の技能)【行動観察,ワークシート】 学習課題 スチールウール(鉄)を空気中で加熱するとどうなるだろうか。 学習課題 鉄と硫黄を混ぜて加熱すると、どんな変化が起こるだろうか。 学習課題 鉄と硫黄を混ぜて加熱すると、どんな物質ができるだろうか。 学習課題 化学変化はどのように表せるだろうか。 学習課題 化学反応式の作り方を学び、つくれるようになろう。
- 理科 22 - 本時 6/10 スチールウールの加熱 考察・まとめ ・スチールウールを空気中で加熱すると, 酸素が化合してその分,質量は大きくな ることを見いだす。 実験結果を原子や分子のモデルと関連付けて,考察す ることができる。 (科学的な思考・表現) 【ホワイトボード・ワークシート】 「反応後の酸化鉄はなぜ重くなったのか」と疑問を持 ち,自分の意見を持った上で,話し合い活動に積極的 に参加し,疑問を解決しようとする。 (自然事象への関心・意欲・態度)【行動観察,ワークシート】 7 有機物の燃焼 実験・結果の整理 考察・まとめ ・有機物が燃えたときに二酸化炭素や水, 灰などができることを見いだす。 物質が燃えるときの物質の変化に関心をもち,酸化に 関するさまざまな事象を探究しようとするとともに, 日常生活とのかかわりで見ようとする。 (自然事象への関心・意欲・態度)【行動観察,ワークシート】 実験の基本操作を習得するとともに,結果の記録や整 理のしかたを身につけている。 (観察・実験の技能)【行動観察,ワークシート】 8 穏やかな酸化 ・酸化反応の進む速度には,物質によって ちがいがあることを見いだす。 酸化反応の進む速度には,物質によってちがいがある ことを理解し,身のまわりの酸化物についての知識を 身につけている。 (自然事象についての知識・理解)【小テスト,ワークシート】 酸化の反応には,激しい反応と穏やかな反応があるこ とについて自らあの考えを導いたり,まとめたりし て,表現している。 (科学的な思考・表現)【ワークシート】 9 酸素をうばう化学変化―還元 酸化銅の還元 実験・結果の整理 ・酸化銅から金属の銅をとり出せるか調べる。 酸化物から酸素を引き離して金属を得る実験の基本 操作を習得するとともに,結果の記録や整理などのし かたを身につけている。 (観察・実験の技能)【行動観察,ワークシート】 10 酸化銅の還元 考察・まとめ ・還元が酸素の関係する反応であることを 見いだす。 酸化物から金属をとり出すことに関心をもち,金属を とり出す方法について探究しようとするとともに,日 常生活とのかかわりで見ようとする。 (自然事象への関心・意欲・態度)【行動観察,ワークシート】 学習課題 スチールウール(鉄)を空気中で加熱すると、なぜ質量は大きくなるのだろうか。 学習課題 有機物はどのような成分からできているのだろうか。 学習課題 熱や光を出さない酸化もあるのだろうか。 学習課題 酸化銅から銅を取り出せるだろうか。 学習課題 酸素をうばう化学変化もあるのだろうか。
- 理科 23 - 還元が酸素の関係する反応であることについて原 子・分子のモデルと関連づけ,自らの考えを導いたり まとめたりして,表現している。 (科学的な思考・表現)【ワークシート】 還元について基本的な概念や原理・法則を理解し, 知識を身につけている。 (自然事象についての知識・理解)【小テスト,ワークシート】 5 本時の指導 (1)目標 ・実験結果を原子や分子のモデルと関連付けて,考察することができる。(科学的な思考・表現) ・「反応後の酸化鉄はなぜ重くなったのか」と疑問を持ち,自分の意見を持った上で,話し合い活 動に積極的に参加し,疑問を解決しようとする。 (自然事象への関心・意欲・態度)
- 理科 24 - (2)展開 時程 学習内容と学習活動 指導・支援 ○評価 資料 10 2 13 12 13 1 前時の実験結果を確認する。 ・前時のスチールウールと生成した酸化鉄を 見る。 ・「スチールウールを加熱するとどうなった か」という発問に対して挙手をして発言す る。 赤くなって燃えた。 手触りがボロボロともろくなった。 生成物は黒くなった。 ・質量を比べ,質量が大きくなったことを確 認する。 ・「質量はどうなったか。」という発問に対 して挙手をして発言する。 質量は大きくなった。 2 本時の学習課題を把握する。 3 考察する。 ・まずは個人で3分間,なぜ重くなったのか 考える。 ・次に班になり,なぜ重くなったのか話し合 う。班の意見をホワイトボードにまとめ る。 スチールウールに焦げがついたから。 O原子がくっついた分だけ,質量が大きくなった。 2Fe+O2→2FeO 4 発表する。 ・ホワイトボードに書いたことを示しなが ら,班で考えたことを発表する。 ・発表している人の話を聴く。 5 まとめをする。 ・化学反応式をつくる。 ・酸素原子が化合した分だけ,質量が大きく なったことを理解する。 ・ワークシートにまとめを書く。 ・前時の実験結果をそのまま保存してお き提示する。前時の実験を思い出させ る。 ・できる限り自分の言葉で発言させる。 ・反応前後の物質を上皿てんびんに乗 せ,質量を比較し,「反応後の酸化鉄 はなぜ重くなったのか」疑問を持たせ る。 ・学習課題について,自分なりの考えを もたせ,学習の見通しがもてるように する。 ・難しそうな生徒には「空気を送り込ん だ」という言葉を強調するなどして助 言する。 ・一人一人に考えをもたせ,話し合いで 深めさせる。 ○原子のモデル等を使って質量の増加を考察して いる。(思考・表現)【ホワイトボード】 ○話し合いや発表等を積極的に行い,よ りよい考えをもとうとしている。 (関心・意欲・態度)【行動観察】 ・原子や分子のモデルと関連付けて考え させ,酸素原子の分の質量が大きくな ったことを理解させる。 スチール ウール 酸化鉄 上皿て んびん 電子て んびん ワーク シート ワーク シート ホワイト ボード 原子の モデル ワーク シート 原子の モデル 学習課題 スチールウール(鉄)を空気中で加熱すると、なぜ質量は大きくなるのだろうか。 空気中の酸素原子がスチールウールと結びついた分だけ、質量が大きくなった。
- 理科 25 - (3)板書計画 〔結果〕 質量の比較 加熱前のスチールウールよりも,質量が大きくなった。