商業科「情報処理」学習指導案
1 単元名
「情報処理」2章2節 ビジネス情報の検索と収集
2 単元設定の理由
○単元観
Society5.0の時代を控え、5G等の高速通信技術を活用した新たなビジネスモデルの展開が急速
に進む中、ビジネス社会において、AI等の情報技術が代替することのできない、他者と協働し最
適解を導き出していく力がより一層求められている。また、このような背景を受けて、商業科の
目標として「ビジネスに関する課題を発見し、職業人に求められている倫理観を踏まえ合理的に
解決する力を養う。」と示されている。さらに、科目「情報処理」においても、ビジネスの場面
を想定し、企業活動を改善する力の向上を目指して自ら学び、企業において情報を適切に扱うこ
とに主体的かつ協働的に取り組む態度を養い、他者と積極的にコミュニケーションを図り課題を
解決する力が求められている。本単元では、ビジネス情報の検索と収集について学習する中で、
様々な情報の取捨選択をしながらビジネスに関する課題を発見し、解決する力を育成することを
ねらいとしている。
○生徒観
本学級は、普通科情報系〇年生〇名で構成されている。本年度7月に実態調査をしたところ、
情報の収集、分析に関する質問に対して、〇%の生徒は必要な情報を自分で収集していると答え
ているが、情報を分析する時、どのようにまとめたらよいか考えて収集していると答えた生徒は
〇%であり、適切に情報を収集し分析することに課題があることがわかった。このことから見通
しをもって情報を収集し分析することを考えさせる必要があると考える。次に、課題の解決策に
関する質問に対して、〇%の生徒が他者に対して自分の意見をわかりやすく伝えることができて
いると回答しているが、他者に対して自分の考えを伝える時、根拠をもって話すことができてい
ると回答した生徒は〇%であり、課題の解決策を考えるとき自分の考えについて根拠を基に整理
できていないことがわかった。このことから、根拠を基に解決策を考察する学習活動を仕組む必
要があると考える。
○指導観
科目「情報処理」の本単元におけるねらいを達成するために、3つの学習活動が効果的である
と考える。1つは、必要なデータを見通しをもって収集・分析する活動、2つは、収集・分析し
たデータから課題を発見し解決策を考える活動、3つは、その解決策を根拠を基に提案する活動
である。具体的には、それぞれの活動において、タブレット上でデジタルノートを活用しながら
解決策を導き出すことを目指す。このデジタルノートとは、3種類で構成し、デジタルノート①
では、学堂の課題を発見するために必要な情報を収集・分析し、食堂の現状を把握させる。デジ
タルノート②では、収集・分析した内容から見えてきた課題の解決策をグループ活動により考え
させる。デジタルノート③では、課題の解決策となる内容を根拠となる分析データを基に整理し
提案させる。このデジタルノートを活用することで、必要な情報を基に課題の解決策を考える生
徒を育てたい。
※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修」における主題研究に基づき作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:令和2年度:各研修報告書」と併せてご覧ください。3 単元の目標
ソフトウェアの活用を取り扱い、ビジネスに関する情報の処理と分析を行うための基礎的な知
識と技術を基盤として、ビジネスに関する情報の集計と分析に対する要求などに基づいた適切な
情報提供と効果的な活用をねらいとしている。
4 単元の評価規準
ア 関心・意欲・態度 イ 思考・判断・表現
ウ 技能
エ 知識・理解
①売上データを基に販
売状況を把握しようと
している。
②ビジネスに携わる者
として当事者意識をも
って取組もうとしてい
る。
③分析した結果を基
に、販売に関する視点
から課題を探究しよう
としている。
①目的に応じたデータ
を収集、整理、分析す
るための適切な手段や
手順を考えている。
②分析結果を基に課題
を明確にしている。
③販売に関する視点で
解決策を考えている。
④根拠を基にして導き
出した解決策を表現し
ている。
①データを収集・整理
できる。
②必要に応じてデータ
を分析できる。
③Webサイトから必要
なデータを検索し整理
している。
①複数のデータを収
集、整理するための適
切な手段や手順を理解
している。
②収集したデータの意
味を理解している。
③根拠となるデータの
重要性を理解してい
る。
5 単元の指導と評価の計画
次
配当
時間
〇学習内容 ・学習活動
関 思 技 知
評価規準
評価方法
一 1 ○本校食堂の販売状況について考える。 (グループ) ・食堂からの要望を伝え聴く。 ・食堂の過去2年分の売上データから、本年度の売上 を予想する。 ○販売に関する視点で食堂関係者に対するインタビュ ー内容を考える。 (グループ) ・昨年度の販売に関するデータから、視覚的に販売状 況を把握する。 ・販売に関する4つの視点(商品・価格・流通・販売 促進)から、食堂の抱える問題や解決したいと考え ている情報を整理する。 ① ① デジタルノートの記述 1 〇従業員に対して実際にインタビューを実施する。 (グループ) ② 様相観察 1 ○食堂の従業員からのインタビュー内容を整理する。 (グループ) ○全数調査(食堂利用可能者(生徒・教職員)対象) で実施するアンケート項目を考える。(グループ) ・インタビューや売上データから分析した結果を基 に、全数調査のためのアンケート項目を販売に関す る4つの視点で分類する。 ・収集した情報を効率的に集計するためのシートを作 成する。 ① デジタルノートの記述 1 ○全数調査の情報を収集、整理する。(グループ) ① ② デジタルノートの記述 1 ○収集した全数調査のアンケート結果を分析する。 (グループ) ・課題を明確にするため、アンケート結果を分析す る。 ・既習知識であるグラフの作成手法を用いて、作成し たグラフを比較する。 ・SWOT 分析のモデルを提示し、食堂の強み・弱み・機 会・脅威の4つの項目で分析する。 ② デジタルノートの記述 二 1 ○販売に関する課題を洗い出す。(個人→グループ) ・食堂利用者のアンケート結果や SWOT 分析の結果を基 に、販売に関する4つの視点で考える ③ ② デジタルノートの記述・個人で考えた課題を4つの視点で検討し、課題を共 有し新たな気づきを付加・修正する。 1 ○チームコンセプトとキャッチフレーズを考える。 (グループ) ・実際の企業のチームコンセプトやキャッチフレーズ を基に、伝えたいことを明確にする。 ③ デジタルノートの記述 1 ○具体的な販売計画を考える。 (個人→グループ) ・他校の食堂の事例を基に、販売に関する視点で課題 の解決策を考える。 ③ デジタルノートの記述 三 1 ○チームの販売計画の提案内容を整理する。 (グループ) ・チームコンセプト、提案内容、分析データを整理 し、主張・根拠・理由を明確にした提案の準備を行 う。 ③ デジタルノートの記述 様相観察 1 ○チームの販売計画を提案する。(グループ→個人) ・チームコンセプト、提案内容、分析データを整理し た内容を基に、主張・根拠・理由を明確にした提案 を行う。 ・他班の提案を販売に関する4つの視点と関連させな がら聴き、共通点や相違点を見出しながら、自分の 考えに付加・修正する。 ④ デジタルノートの記述 様相観察
6 本時(第一次 1・2・3・4・5時間目)
(1) 本時の指導目標
・売上データを基に販売状況を把握しようとしている。 【関心・意欲・態度】
・ビジネスに携わる者として当事者意識をもって取組もうとしている。 【関心・意欲・態度】
・目的に応じたデータを収集、整理、分析するための適切な手段や手順を考えている。
【思考・判断・表現】
・分析結果を基に課題を明確にしている。 【思考・判断・表現】
・販売に関する視点で解決策を考えている。 【思考・判断・表現】
・データを収集・整理し、必要に応じてデータを分析できる。 【技能】
・複数のデータを収集、整理するための適切な手段や手順を理解している。 【知識・理解】
・収集したデータの意味を理解している。 【知識・理解】
(2) 本時の手立て
・昨年度の売上データや販売に関する4つの視点をデジタルノート①に提示することにより、
商業の既習知識を活かして、多様な分析方法の中から取捨選択し分析させる。
(3) 教材
・教師…デジタルノート、パソコン、電子黒板、タブレット
・生徒…デジタルノート、パソコン、電子黒板、タブレット
(4) 学習の展開
第一次の1時間目
学習内容・学習活動 時間 配当 学習 形態 指導上の留意点 評価基準(評価方法) 導 入 ○本校食堂の販売状況 について考える。 15分 一斉 グル ープ 一斉 個人 グル ープ ○ビジネスに携わる当事者とする ために、身近な事象をビジネス と結び付ける場を設定する。 ・食堂からの要望を伝える。 ・食堂の過去2年分の売上データ を提示し、本年度の売上の予想 を立てるように促す。 ①売上データを基に販売 状況を把握しようとし ている。 【関心・意欲・態度】 展 〇表やグラフを見て気 付いたことをまとめ る。 30分 個人 グル ープ 〇自他の考えを比較する場を設定 する。 ・個人で考えさせた後、グループ で共有させることで、同じデー タを見ても捉える視点や考え方 が違うことに気付かせる。 ①目的に応じたデータを 収集、整理、分析する ための適切な手段や手 順を考えている。 【思考・判断・表現】開 ○販売に関する視点で 食堂の従業員に対す るインタビュー内容 を考える。 グル ープ ○必要な情報を収集し分析するこ との重要性に気付かせるため に、販売に関する視点で考える 場を設定する。 ・昨年度の販売データを提供し分 析を行わせることで、視覚的な 販売状況の把握を促す。 ま と め 〇まとめたインタビュ ー内容を実施するこ とを確認 5分 グル ープ 一斉 〇次時の活動内容を明確にさせる ために、デジタルノートのイン タビュー内容を確認させる。
第一次の2時間目
学習内容・学習活動 時間 配当 学習 形態 指導上の留意点 評価基準(評価方法) 導 入 ○食堂の従業員へのイ ンタビュー内容を確 認する。 5分 グル ープ 〇従業員への効果的なインタビュ ーに向けて、インタビュー内容 の確認を行わせる。 展 開 〇食堂の従業員に対し てインタビューを実 施する。 ○食堂の従業員からの インタビュー内容を 振り返る。 40分 グル ープ 〇従業員へインタビューをするた めの場を設定する。 ・各グループに効果的な情報収集 をするように促す。 ○インタビュー内容を振り返る場 を設定する。 ・タブレットの共有機能を用い、 インタビュー内容をグループで 共有させる。 ②ビジネスに携わる者と して当事者意識をもっ て取組もうとしてい る。 【関心・意欲・態度】 ま と め 〇情報収集の必要性を 確認 5分 一斉 〇次時の活動内容を明確にさせる ために、次のデジタルノートを 確認させる。第一次の3時間目
学習内容・学習活動 時間 配当 学習 形態 指導上の留意点 評価基準(評価方法) 導 入 〇撮影したインタビュ ー動画を見る。 10分 グル ープ 〇インタビュー動画を視聴させ て、食堂側が変えたいと感じて いることを確認する。 展 開 ○食堂の従業員からの インタビュー内容を 整理する。 ○食堂利用者(生徒・ 教職員)に実施する アンケート項目を考 える。 35分 グル ープ ・販売に関する4つの視点(商 品・価格・流通・販売促進)を 提示し、食堂の抱える問題や解 決したいと考えている情報を整 理するように促す。 ・全数調査のためのアンケート項 目を販売に関する4つの視点で 分類するように促す。 ①複数のデータを収集、 整理するための適切な 手段や手順を理解して いる。 【知識・理解】 ま と め 〇アンケート項目を振 り返る。 5分 グル ープ 一斉 〇集計するアンケート項目が見通 しをもって作成されているか確 認させる。第一次の4時間目
学習内容・学習活動 時間 配当 学習 形態 指導上の留意点 評価基準(評価方法) 導 入 〇収集したアンケート 用紙を確認する。 5分 一斉 〇全数調査で回収したアンケート 用紙を確認させる。 展 開 ○全数調査の情報を収 集、整理する。 40分 グル ープ 一斉 ○情報の集計を効率的に行うため に、形式を考えさせる場を設定 する。 ・既習知識である表の作成手法を 用い、見やすく入力しやすい表 を考察するように促す。 ・過去に作成した図やグラフを想 起させ、作り方や伝える意図に ついて確認するよう促す。 ①データを収集、整理で きる。【技能】 ②収集したデータの意味 を理解している。 【知識・理解】ま と め 〇次の時間に整理した データをどのように 分析するか考える。 5分 グル ープ ○次時の活動内容を明確にさせる ため、デジタルノートの内容を 確認させる。
第一次の5時間目
学習内容・学習活動 時間 配当 学習 形態 指導上の留意点 評価基準(評価方法) 導 入 〇アンケートから作成 したデータを確認 し、どのような方向 性で分析するか考察 する。 5分 グル ープ ○作成した表やグラフを、デジタ ルノート②で振り返らせる。 展 開 ○収集した全数調査の アンケート結果を分 析する。 40分 グル ープ ○課題を明確にするために、アン ケート結果を分析する場を設定 する。 ・既習知識であるグラフの作成手 法を用いて、作成したグラフを 比較するように促す。 ・SWOT 分析のモデルを提示し、食 堂の強み・弱み・機会・脅威の 4つの項目で分析するように促 す。 ②必要に応じてデータを 分析できる。 【技能】 ま と め 〇次時の目的を確認す る。 5分 一斉 〇次時は集計した結果から、課題 を明確にすることを伝え、課題 意識を持たせる。6 本時(第二次 1・2・3時間目)
(1) 本時の指導目標
・分析した結果を基に、販売に関する視点から課題を探究しようとしている。
【関心・意欲・態度】
・分析結果を基に課題を明確にしている。 【思考・判断・表現】
・販売に関する視点で解決策を考えている。 【思考・判断・表現】
・Webサイトから必要なデータを検索し整理している。 【技能】
(2) 本時の手立て
インタビューやアンケートから見えた課題や解決策を検討する際に、個人の意見の書き込み
や、他者と意見を迅速に送受信し、瞬時に比較・検討することができるデジタルノート②を活用
する。確保した時間を使いデジタルノート②の内容を基に個人の振り返りを行わせる。
(3) 教材
・教師…デジタルノート、パソコン、電子黒板、タブレット
・生徒…デジタルノート、パソコン、電子黒板、タブレット
(4) 学習の展開
第二次の1時間目
学習内容・学習活動 時間 配当 学習 形態 指導上の留意点 評価基準(評価方法) 導 入 〇前時に作成した分析 結果を確認する。 5分 グル ープ 〇前時に作成した分析結果を確認さ せ、課題の発見につなげる。 展 開 ○販売に関する課題を 洗い出す。 40分 個人 グル ープ 〇食堂の販売に関する課題を明確に するために、販売に関する視点で 考える場を設定する。 ・食堂利用者のアンケート結果や SWOT 分析の結果を基に、販売に関 する4つの視点で考えるように促 す。 ・グループにおいて、個人で考えた 課題を出し合い、4つの視点で検 討するように促す。 ・グループで課題を共有するととも に、新たな気付きを付加・修正す るように促す。 ③分析した結果を基に、 販売に関する視点から 課題を探究しようとし ている。 【関心・意欲・態度】 ②分析結果を基に課題を 明確にしている。 【思考・判断・表現】ま と め 〇次時に行う、チーム コンセプトやキャッ チフレーズについて 意識する。 5分 グル ープ 一斉 〇チームコンセプトやキャッチフレ ーズに対して意識させるために、 企業のフレーズについて触れてお く。