村田誠 (昭和42年9月12日受理)
Study on the Discharge Percussion Welding
for Miniaturized Elements (Part 1)
MakotoMURATA
Sy皿opsis The discharge percussion welding is available for joining miniaturized components difficult to weld by conventional method. But the defect of this welding method is that the breaking strength of welded work pieces frequently fluctuates largely. In this report, the causes for this fluctication of weld strength areshown. The results are as follows. If the weld runs on the condition below a comparatively low loading voltage and asmall capacity of condensor, the breaking strength fluctuates by incomplete weld occuring from the unstability of sparking ignition gap distance and sparking time duration, which respectively change largely by atomospheric condition, surface condi. tion, and percussive velocity. But, if the weld runs on the condition over a sufficient high loading voltage, and alarge capacity of condensor, the breaking strength reaches to normal and compara. tively stable one. Accordingly, for industrial purpose, a loading voltage as low as possible, and a capacity as small as possible, among the stable welding region must be applied to the discharge percussion welding, because thin rod pieces melt off, or deform by too much heat generated. 1. ま え が き 精密機器および電子機器等の微細部品の加工におい て素材料の多様化,ことに多種の材質と形状の微細性, それに量産体系下での高精度の要求から各種の溶接方 法を利用することが多く,またその選択と配慮は構造 用溶接を主とする重工業的溶接法とは観点を替えて, ワークの微細性,熱伝導率,比抵抗,接触抵抗,融点 等の物理的,電気的性質の大幅に異なるものの溶接に ついて考えねばならない。 本研究はその意味において放電衝撃溶接法について 基本的な検討を行なったものである。この溶接法は現 場的,実験室的に利用されているが系統的な検討はあ まりなされていないようである。 放電衝撃溶接とは,たとえば細線等ワークを陽極側, 接地側の電極として対向させて配置しその両先端を適 当な速度で衝突させる,そのさい静電的,あるいは電 磁的にたくわえられた電気エネルギでワークの対向部 分がある間隙に近づいたとき瞬間的に放電が起こる。 この放電によって細線なり,ワークの対向部端面は加 熱され融解する,同時にその部分は急速に衝突,圧接 されて溶接を完成させる方法である。したがって熱は 瞬間的に狭い対向先端部分にのみ発生するので熱伝導 率に関係なく小エネルギで局部加熱が可能となり局部 の温度は十分上昇する。しかもその瞬間に衝撃的に圧 接するので電気的接触抵抗の小さい材料・熱伝導率の 高い材料,高融点の材料,また,接合部を広くかつ, 長時間加熱してはならない小部品でも溶接が可能とな り,それに溶接上種々の問題をもつ異種金属間の溶接 が可能である。 本報告ではこの溶接方法の基礎となる溶接条件,溶 接強度,溶接範囲(限界)などを問題とし,基礎的なPo∼、 er 100V 50 9−←一→ 。。,k.pi,。Lヱ且ヱ welding machine 図一1 実験装置回路図 実験をもとに,より安定した溶接への試みとして溶接 雰囲気について考察した。 2.実験結果1(予備実験結果の考察) i はじめに本溶接に適する溶接機の機構の考察と溶接 結果のあらましをは握するために行なった予備実験に ついて述べる。
2.1実験装置
実験装置は図一1の回路図に示すように電源として整 流部とコンデンサ,および溶接装置にわけることがで きる。整流部は真空管式で最高電圧2.5kV電流0.8A の出力のものを用いた。コンデンサは1000MFD,200WVのコンデンサを
直列に用いて耐圧を増し,それを並列にして容量をま すようにし,スイッチにより容量の増減ができるよう になっている。溶接装置に採用した「ばね式」の方法 を図一2に示す。溶接しようとするワークを陽極側のレ バー①と接地側のベットに固定し,レバーはばね②に よってベット側に引きつけられており,コンデンサに 充電が完了するまで電磁石③で上に引きあげられ,ワ ークの先端は対向している。充電が完了すると電磁石 のスイッチを切り,ばねの力でワークは圧接され,そ のあいだに放電が行なわれ溶接される。 2.2 実験結果1 この実験では電圧を600Vに一定し,コンデンサ容 量を250μF,500μF,620μF,700μFに変え試料とし welding piece 図一2 ばね式の溶接器 て,アルミニウム,ニッケル,銅,真鍮およびデュメ ット線の5種類の線材(1・4φ∼1・5φ)をそれぞれ同種 間で溶接し,これら試料の溶接部の引張り強さを測定 した。結果は表一1である。 写真一1∼5は各試料の溶接部の金属組織写真である。 これによればアルミニウムは600V,500μFで完全に 同一組織化している。これと同一条件でニッケルの場 合は巨視的にはわずかに溶接層が認められ,局部的に 拡大したものは組織の結晶が大きくなっている。 銅,デュメット,真鎗は溶接部の融解した部分が変 質し,加熱されない他の部分と異なった一つの層にな っている。 以下おのおのの線材について溶接強さの実験結果を 考察する。 a)アルミニウム線(1.5φ):本実験に用いたアル ミ線は素材引張り強さが7∼8kg/mm2であったので 表一1の値から溶接部の強さはこれと差がない値であ る。ことに容量が大きくなると実験値のぱらつきは少 なくなる。 b)ニッケル線(1・5φ):ニッケル線の素材引張り 強さは42∼52kg/mm2である。今回の溶接部引張り 強さは素材強さの50%程度であるがコンデンサ容量を 増加させると安定してくる傾向が認められる。これら はニッケルが1455°Cという高い融点であるため放電 による溶融が不十分である,圧接力が不十分であるな どの点が考えられる。 c)銅線(1.4φ):銅の素材は20∼25kg/mm2の引 張り強さであるが実験結果によるとコンデンサの容量 が大きくなるとほぼ素材の強さが得られる。容量が小 さい場合は引張り強さのばらつきが大きく不安定とな る。強度の点でほぼ完全な溶接がなされた場合でも金 属組織の上からは問題がある。すなわち,金属組織写 真の観察によると組織が熱影響をうけたところと,う表一1 実験結果1 溶接部の引張り試験による測定値の平均値および平均自乗誤差 kg/mm2 試 料 Al 平均自乗誤差σ 平 均 値 250μF 370μF 500μF 620μF 0.70 7.3十〇.15 1 0.62 7.3一ト0.14 0.61 7.3十〇.14 0.80 6.8十〇.17 690μF 0.61 7.3十〇.14 試 平 料 Ni 平均自乗誤差 均 値 3.8 7.3十〇.79 1.9 24十1.9 2.4 23十2.4 1.1 1.6 26十1.1 26十1.6 試 料 Cu 平均自乗誤差 平 均 値 9.7 15十2.0 6.5 20十1.3
試 料 Dumet
平均自乗誤差 平 均 値 10 24十2.1 4.5 25十〇.91 2.5 1.9 3.0 23十〇.52 22十〇.4 1 20±0.65 [ 4.7 6.4 9.1 25十1.0 18十1.4 18十2.O i 試 料 Bs 平均自乗誤差 平 均 値 9.3 5.6十1.6 1 4.2 5.6十〇.9 5.1 73十1,1 7.3 9.0±1.6 3.5 5.6十〇.73倍率 M60 L__一_と一一
溶接部M400 L____一___」
Al Al 300μF 600V M60 鍵 鵜旙繍灘
Al:Al 500μF 600V M60 写真一1 溶接部の金属組織写真 Ni:Ni 690μF 600V M60 溶接部/
溶接部 Ni:Ni 370μF 600V M400 写真一2溶接部の金属組織写真Cu:Cu
370μF600VM60
溶接部 Dumet Dumet 500AF 600V M60Cu:Cu
500μF600VM400
写真一3溶接部の金属組織写真Bs:Bs
690#F 600VM60
Bs:Bs
690μF 600V M400 写真一5 溶接部の金属組織写真 溶接部 溶接部 〆 Dumet:Dumet500μF600VM400
写真一4 溶接部の金属組織写真灘
辮鰐 L鞭羅囎
灘
灘
けないところでは異なった組織模様でその境界がはっ きり層をなしている。これは急激に加熱され冷却した 場合,素材の組織と異なった形に再結晶するのではな いかと思われる。 d)デュメット線(1.5φ):デュメット線はニッケ ル46%,コバルト0.5%,鉄53.5%の合金を銅で被覆 した膨張係数が鉛ガラスに等しい合金で,真空管のガ ラス封入部品に使用するものである。素材引張り強さ はニッケルと同じ位であるが溶接部の引張り強さは18 ∼25kg/mm2でありしかもばらつきが大きく良い結 果とはいえない。 e)真鍮線(1.5φ):真鎗線素材は40∼50kg/mm2 の引張り強さがある。しかし引張り試験の結果からみ て,この装置では全く溶接の目的を果すことができな かった。これは溶接部の材質が変質し,もろくなって いることが原因でこれについては溶接機構の研究と並 行して材料学的な検討も必要と思われる。 以上の結果から放電衝撃溶接によって銅,アルミニ ウム,ニッケル等の細線に対しては十分溶接の目的が 達し得る可能性を確認した。しかし,溶接強度のぱら つき,また,それと関係があると思われる放電間隙,olunger solenoid coil ⇒==秩o1=エ、つ「自一一 ====== イ==ニ=」三==■ニニニ = = @ 麟 洲二 welding Piece “一一 鼈鼈鼈黶 l Fe一ユ』_、工一一二一1」、 一 一十一一一一 図一3 ソレノイドコイルを 用いた溶接器 圧接力など,ばね式の溶接では実験を行なう上で精度 の点,圧接力等の限界があり,上記の原因を明らかに するのに適当でない。そこで次に述べる実験結果2に おいては,ソレノイドコイルを用いたプランジャーの 移動を利用し,ワークを対向させ移動圧接する機構で 溶接を行なったものである。
◎
・scil1・scope stop plunger start micro switcht⊥
start→SVV−off stOP→sw −on 1.5V 図一4 プランジ速度の測定方法3・実験結果2
3.い実験装置 ソレノイドコイルを用いた溶接装置を図一3に示す。 これによれば電流を調整して圧接力を可変することが できる。また,ワークの運動が直線の移動であること, ワークが圧接される際,衝突の反動で「ばね」の場合 より衝突而でおどるようなことがないなどの利点があ る。 プランジャーは図一3に示すように前部を非磁性材料 の銅,後部を磁性材料の鋼材でつくり,コイルに電流 を流せばその磁束によって磁性体である鋼材がコイル の中心にくるまで移動する漏洩タイプの電磁石である。 したがって電圧を加減することによりプランジャーの 移動速度を加減できる。コイルの励磁電流は直流を用 い,また,ワークの心出しを容易にするためコイル架 台はねじで調整できるようになっている。 はじめにソレノイドコイルを用いた機構の特性を調 べるため,コイル電圧とプランジャーの飛出し速度, 圧接力について測定し両者の関係を取り調べた。 3.2.a プランジャーの速度 図一4に示すブロック線図のon, offのスイッチを 用うる方法でプランジャーがスタートすると電圧が切 れストップ,すなわち,ワークが衝突すると電圧がか かるような回路でスタートから停止までの平均速度を 求める。しかしこれは平均速度であって溶接寸前の速 度ではない。そこで圧接する直前のワークの移動速度 を測定するためにマイクロフラッシュを使用しクセノ ン放電管で3μsの閃光照明で移動するプランジャー を撮影する。この場合,図一5に示す遅延回路を用い運 動途中の接点による入力からある一定の時間遅延して ・SN・・} ・SN・・; ・BL/ 」B 275V 一一P50V mput O.1#1; 400PF 〆!「詔o,、ユ器llP2
ト
\」当゜°tt 図一5 遅延回路図 2、0 叉 至 ヱ1.0 § 庄 , x G】 20 40 60 80 100 120 Solenoid coil voltage(V) 図一6 ソレノイドコイル電圧とプランジ速度の関係閃光させる。この遅延時間はRとCにより決定される のでこれを変化させた時のそれぞれのプランジャーの 位置を示す写真を撮影しその運動解析を行なった。そ の結果が図一6である。 3.2.b 衝撃圧接力の測定 衝撃圧接力は東芝製振動衝撃測定装置を利用して測 定した。これはピックアップ(ジルコンチタン酸鉛 (Pb(Zr−Ti)03)系統の圧電子)に直接ワークの一端 を接触させ,溶接しようとするもう一つのワークを先 端に固定したプランジャーが移動してワークの先端同 士で衝突させる。この際起きる起電力をオシロ写真に 一↑ ㌻、o、9 詫 三5 :i 』;α5kg ll 巴 o ⑪ 10 20 30 40 50 60 70 80 Solenoid co:[ 、⑪]tage{V) 図一8 ソレノイドコイル電圧とプランジの圧 接力との関係 図一7 圧接力の測定装置 盲 8191, 逗20C・−C、 ξ :1・6φ 要15 三 §1・ £ 撮り,標準電圧と比較して実際に溶接する状態でのワ ークの衝突力を測定した。図一8はその結果である。こ れによってソレノイドコィルの電圧とその移動するプ ランジャーの圧接力の関係がわかる。 図一9は,ソレノイドコイル電圧(圧接力)と溶接さ れたワークの引張り強さの関係を示すものである。 溶接条件は電圧800V,コンデンサ容量250μF,試 料は銅線2. Oil対1.6φという条件を一定にし両者の 関係を求めたものである。 これからコイルの電圧を60V以上にすると溶接強度 に対する圧接力の影響がほぼ一定となり,約17±2kg /mm2の溶接強さである。これは素材の強度よりやや 低いが一応安定している強さである。この場合,圧接 力は図一8より0.65kgで平均衝撃圧接応力は約0.33 kg/mm2位であることがわかる。 3.2.c 放電開始間隙,放電面積,と溶接強度に ついて 放電衝撃溶接の場合,放電を開始する間隙が溶接強 度を決定するうえに重要な因子であることは予備的実 験においても推測されていたが,放電開始間隙は電圧, 電流,放電端子(この場合試料の端面)の形状,放電 を行なう雰囲気,気圧,イオン量,温度など,これを 左右する条件が多く,常に一定の間隙で放電を開始す 0 10 20 30 40 50 60 70 80 Solenoid coil voltage 〔V) 図一9 溶接の引張り強さとソレノイドコイル 電圧との関係 ることは非常にむずかしいことと考えられる。したが って本実験はそれがどの程度ばらつくかを具体的に測 定したものである。 放電開始間隙の大きさは放電時に起こる光を光源と して試料の端面を顕微鏡写真により撮影し,その間隙 寸法を測定する。すなわちこれによって放電を開始し た時の溶接材の端面の位置を知ることができる。この 場合,暗視野で撮影すると放電部位がハーレイシ。ン を起こし試料端面の位置を知り得る写真が撮れ難いの で,あらかじめ与えた照明下でカメラのシャッタを開 放にした状態で放電を起こすと現像時間を加減するこ とにより放電間隔をはっきり出すことができる。これ によって放電電圧と放電開始間隙の関係(図一10)お よび引張り破壊荷重の関係(図一11)を知ることがで きる。この結果は放電電圧が高くなると引張り強さも 大きく放電開始間隙も大きくなることを示している。 なお,図一11により判断されることは同一放電電圧で も放電開始間隙の大きい場合の方が破壊強さが大きく 強い溶接が行なわれる。
至α20 嵩 皆0.15 三 ・巨O.10 § 菖・・5 30 20 .塁 二 : 三 10呈 § 』 500 600 700 800 900 1000 Discharge voltage (V) 図一〇 放電電圧と放電開始間隙および試料破 壊荷重の関係 0.25 0.20 至 ㍉15 童 ミ。1。 ’; §、05 6 10 20 30 Breaking lood (Tensile) (kg) 図一11 破壊荷重と放電開始間隙の関係 100 § ξ : 』 .き50 § 這 : § 亘 2 1000V Sc.V.35V 250AF R=5kΩ Cu−Cu 2.0=1.6φ 1/
ノ/°
0 500 600 700 800 900 1000 Discharge voltage (V) 図一12 放電電圧と溶接割合の関係 溶接面積について 放電電圧によって放電面積は変化する。したがって 溶接面積も変化するものと考えられる。そのため実験 0.25 0.20 嵩 旦α15 三 …α10 童 菖α05 0.00 Sc.V.35V 250μF Cu−Cu 2.0:1.6φ//
〔}.5 1,0 1.5 Welding area(mm2) 図一13 溶接面積と放電開始間隙の関係 ・←1.O mm−一一一一
250μF 700V Cu:Cu ←1.0 mm→ 250μF 1100V Cu:Cu 写真一6放電開始間隙測定写真例 30 毛20 き 喜 § さ10苔 ← 500 600 700 800 900 1000 Discharge voltage (V> 図一14 放電電圧と引張り強さの関係表一2 実験結果2
∵\引臓荷郵g
試料断面積と溶接 面積の割合 % 単位面積当りの引張り強さ kg/mm2 500 4.0 8.6 9.0 4.0 2.0戸均値
5.52 22.8 35.7 22.2 19.9 13.5 、 平均値 22.82;ill∴
溺
放電開始間隙 0.067 平均値と0.068平均誤差
0.080 0.080 0.098 −FO.011 0.086 600 × 、1:9! ’1:9/ 8.30 ×6:㌦。
ll:8 j × 、;:;3/ 21:16 12.63:;i㌦
1:劃一
700 16.5 11:1 ・・.・/ 14.0] 14.2 40.O/ ill:1,[ i;:: 42.0 i8:l ll・ii/ 16.94 800 24.0 ’ 22.0 19.0 24.0 22.25 57.5 50.3 42.5 60.0 52.6 i;:8/ 24.5 ;1:9/ :1:1「,2.。 :1:: i;:l ll:l/ 900 21、05 0.131 0.108 ×0.096 0.118 0.175 0.125 十〇.027 1000 :1:1}3… il:i/ il:1 22.97 0.143 0.145 0.163 0.142蕊/一
、99:1}99・・ 1::1}・5・6・1:;ll}端2
コンデンサ容量250μF 試料Cu:Cu 1. 7φ同径 圧接力 0.21kg/mm2 室温 18°C 気圧 967.1mbr 試料を工具顕微鏡で測定し,試料断面積に対し何%の 溶接面積ができているか,引張り破壊強度を測定した 試料断面から知り得る。これによると直径1・6φの銅 線材の断面積,100%が溶接面となるためにはコンデンサ容量250μF,放電電圧1000V以上のエネルギ
を必要とすることがわかる(図一12参照)。図一12のデ ータから放電開始間隙と溶接面積との関係は図一13の ごとくであり,溶接部の有効溶接面積の単位面積あた りの引張り強さは図一14に示すようにばらつきはある が,ほぼ一定とみてよく,その平均値は18kg/mm2 である。 放電電圧が高く1000Vの場合にはばらつきが少な く,ほとんど全断面が溶接され安定してくることがわ かる。実際溶接面積が全断面に拡がるように放電をお こせば,強度を十分出すことができる。したがってで きるだけ大きい間隙から放電を開始すれば放電が全断 面に拡がる可能性のあることを示している。このこと から同じ放電電圧をかけても放電開始間隙がせまいと 溶接強度が十分に出ない。本実験における250μF, 1000V以上の条件であれば表一2に示すごとく十分であ るが,アルミニウム,銅のような低融点の材料の場合 は放電衝撃によって溶接部が融解飛散し形状が破壊さ表一3 表一4
放電間隙臥・m)惨電位位繊
0.001 0.003 0.005 0.008 0.01 0.03 0.05 252 166 134 109 102 67.0 57.0放電電圧kV
O.25 0.50 0.67 0.87 1.02 2.1 2.9放電電圧(V)
500 600 700 800 900 1000放電間隙(mm)
0.080−←0,011 0.088十〇.014 0.081一ト0,014 0.125十〇.027 0.142十〇.016 0.204−←0.012 れて寸法精度がおさえにいくこと,また熱影響をうけ る部分が大きくなる恐れがあり,コンデンサの耐圧も 要求されてくるので,なるべく低い放電電圧で安定し た強度の溶接を行なうことが実際的に必要となってく る。 4. 静的放電開始間隙と動的放電開始間隙について 本実験における試料の直径は非接地側に2.0φ,接 地側に1.6φの2種の直径の試料を用い端面は軸に直 角に切断し,ヤスリ仕上げのあとペーパ150#∼320# で仕上げたものを用いる。直径の差は試料を対向させ た場合の心出しを容易にし,初期条件をできるだけ一 定にするためである。両者の端面が対向した場合空気 中での放電開始間隙は今までの測定から500V∼1000 Vの放電電圧で0.1∼0.3mm程度であるため,直径 との割合,形状から考え,両者間での放電は平行電極 間の放電に近似しているものと考えてよい。しかし前 述の放電条件のほかに断面の表面あらさ,輪郭,清浄 度,などの条件も加わり微妙な点で理論値と実験値で は相当の差がでる。 理論的に空気中における平等電界の火花放電の電位傾度Xsと放電間隙長1との間には次の関係が成立
することが知られている。 X…=・23・・45δ(HO□3≧ .v S’1一)kV/・m ただしδは補正係数で相対空気密度であるから δ=0・38C愛 P・測定時の気圧〔mmHg〕 273+t t:気温〔。C〕 である室温を20°C,気圧740mmHgとして計算すると
次表のごとくである。 本実験における溶接時の放電開始間隙はコンデンサ 容量250μF,銅線2.0φ対1.6φ,室温15°Cで行な った実験で表一4に示すごとくである。 静的で放電間隙を測定するために実験に使用したプ O.30 コンテンガ谷1,i250μF 空気中 TTL 室温23℃ttl {鷲癬取順
蓉 Cu Cu 2.Oφ :1.6φ 盲0.20一 三 嵩 旦 .EO.10 書 § 芸 0 図一15 念 亘 三e・s ・… 19’ fla ∩ 500 600 700 800 900 1000 Discharge voltege (V) マイクロメータヘッドを使用した静的 放電開始間隙の測定 Statical discharge initialing gap /1/E・periment・alve ,、/。/・/ Th・・re・ical va1・e∠レ。ノ
0 500 1000V Discharge voltege 図一16 放電間隙の理論値と実験値および静的測 定値の比較 ランジャーシャフトの一端を絶縁してマイクロメータ ヘッドと密着させ,静的に試料端面を接近させると, ある間隙で放電を起こす。この時のマイクロメータの 読みで放電間隙を測定したものが図一15に示すデータ である。マイクロメータを手動で操作するため誤差は 大きくなるが何回かの平均で測定した。これで静的放 電開始間隙と,放電電圧との関係を知り得る。この実 験条件はコンデンサ容量250μF,気圧981mbr,温 度23∼27°C,試料は銅線2.0φ対1.6φで一回の放 電ごとに試料を取替えて行なった実験である。1,5一