• 検索結果がありません。

当院におけるニボルマブ奏功例3例の検討 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "当院におけるニボルマブ奏功例3例の検討 利用統計を見る"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

山梨 肺 癌 研 究 会 会 誌 31巻 2018

当院 にお け るニ ボルマ ブ奏功例3例

の検 討

都 留市 立病院  呼吸器外科  深澤 敏男 外 科  大原  毅 、 岡本 廣墨 、 川 島 健 司 、 高橋 和徳 峡南 医療セ ン ター  富士川病 院 病理診 断科  山根 徹 キ ー ワー ド:非 小 細 胞 肺 癌 、 ニ ボル マ ブ 、 奏 功 例 、PSO 要 旨:当 院 に お け る ニ ボ ル マ ブ使 用3例 を検 討 した。 症 例1は82歳 男性。 右 肺 腺 癌 に 癌 性 胸 膜 炎 を 合 併 。 化 学 療 法 に て 一 時CRと な る も1年 で 再 燃 し、 化 学 療 法 を4レ ジ メ ン ま で 行 うも 奏 功 せ ず ニ ボ ル マ ブ を使 用 し4コ ー ス 後 にCRと な り、21コ ー ス行 っ た。そ の 後 有 害 事 象 と して 問 質 性 肺 炎 を発 症 し2か 月 中 断 して い る。 症 例2は74歳 男性。 左 上 葉 腺 癌stage3B。 カル ボ プ ラチ ン使 用 後 に副 作 用 に 耐 え られ ず ニ ボ ル マ ブ に変 更 、4コ ー ス に てCRと な り全10コ ー ス施 行 、 そ の 後 間 質 性 肺 炎 と な り4か 月 中 断 して い る。 症 例3 は88歳 男性 左 肺 門 部 の扁 平 上 皮 癌 。 高 齢 の た め化 学 療 法 と してUFT内 服 と した がPD に て ニ ボ ル マ ブ に 変 更 、4コ ー ス でPRと な り、全7コ ー ス 行 い 、現 在 も継 続 中 で あ る。3 例 で は あ るが 、 奏 効 率 は100%で あ っ た 。3例 に 共 通 す る 項 目 と して は 高 齢 男 性 、PSO、 腺 癌 はEGFR(-)、ALK(-)で あ る こ とが あ げ られ る。 これ らの 内 、 特 にPS0に 奏 功 の 要 因 が あ る の で は な い か と 考え た。 は じめ に 初 の 免 疫 チ ェ ック ボ イ ン ト阻 害 剤 と して 発 売 され た ニ ボ ル マ ブ(オ プ ジー ボ) は 、 標 準 化 学 療 法 で あ る ドセ タ キセ ル に 対 し OS、PFS、 奏 効 率 す べ て の 点 で優 位 性 を 示 し1)2)3)、 さ ら にEGFR、ALKな ど の 遺 伝 子 変 異 陰 性 例 な ど に も使 用 され て い る。 た だ 、 問題 は そ の 高 価 な 薬 価 で あ っ た が 、2017年2月 よ り薬 価 が 改 訂 に な り、 高価 な化 学 療 法 と 同等 とな っ た た め 、 当院 で も使 用 を 開始 した。 現 在 、 ニ ボ ル マ ブ の 奏 効 率 は20%ほ ど と言 わ れ て い る4)5)が 、当 院 で は3例 に 使 用 しい ず れ もPR以 上 の 奏 効 を得 られ た た め 、 そ の要 因 につ き 検 討 した 。 レジ メ ン につ い て は肺 癌 レジ メ ン に推 奨 され て い る3mg/kg/2weeksに て 行 っ た 。

症例

症 例1(Fig.1):82歳 男 性 、非 喫 煙 者 、PSO。 右 大量 胸 水 に て 近 医 よ り紹 介 され た。 胸 水 採 取 に て 精 査 した と こ ろ 、class5、 腺 癌 、EGFR(-)、ALK(-)で あ っ た 。 胸 水 排 除後 に右S6cに2x3cmの 腫 瘤 を認 めた 。 p-TlcNxMla、stage4Aと 診 断 した 。 ま ず 右 胸 腔 ド レー ン を 挿 入 し、CDDP  50 mg胸 腔 内 注 入 ×2回(day1,2)を 行 い胸 水 は 消 失 した 。2ndラ イ ン と して 化 学 療 法 CBDCA+PEM+BEV2コ ー ス に てCR と な り計6コ ー ス 施 行 、 メ ンテ ナ ン ス と してPEM+BEVを 行 っ て い た が 、 約1 年 でPDと な り、3rd,4thラ イ ン と して DTx3コ ー ス 、GEM+BEV2コ ー ス を行 うも奏 功 せ ず 、 左 癌 性 胸 膜 炎 も 出 現 した (PD)。5thラ イ ン に て ニ ボ ル マ ブ を使 用 した。2コ ー ス に て 左 胸 水 消 失 、4コ ー ス に て 腫 瘤 消 失 しCRと 判 定 した。 合 計 21コ ー ス 行 い 、CRを 保 っ て い た が44

(2)

-36-週 目 にgrade3の 間 質1生肺 炎 を発 症 し中 断 、2か 月 休 薬 して い る。 症 例2(Fig.2):74歳 男 性 、 喫 煙 者 、 統 合 失 調 症 、PSO。 精 神 科 入 院 中 に 胸 部 異 常 陰 影 を 指 摘 され 、 紹 介 受 診 した 。 左S3 の3×4cmの 腫 瘍 、 肺 門 縦 隔 リ ンパ 節 腫 脹 あ り、PET-CTに て 同 部 位 に集 積 を認 め た 。 統 合 失 調 症 の た め 十 分 な 細 胞 学 的 ・組 織 学 的 検 査 が 出 来 ず 、全 身 麻 酔 下 に 腫 瘍 切 除 を 行 っ た と ころ 、 p-T2aN3MO stage3B 腺 癌 、 EGFR(-),ALK(-)で あ っ た。初 回化 学 療 法 と して 試 験 的 にCBDCAを 使 用 した が 、 嘔 気 の た め継 続 困 難 と判 断 し、2コ ー ス 目 と して ニ ボ ル マ ブ を 使 用 した 。4コ ー ス後 にCT上 リ ンパ 節 月動 長は 消 失 しCR と診 断 、 全10コ ー ス 施 行 した。22週 目 に 肺 炎 を合 併 す るgrade3の 間 質 性肺 炎 を合 併 した た め 中 止 、 ス テ ロイ ド使 用 に て 改 善 した もの の 現 在 ま で に4か 月 休 薬 して い る。 症 例3(Fig.3):88歳 男 性 。 既 往 歴 は 、6 年 前 、 食 道MALTリ ン パ 腫 、 現 在 糖 尿 病 治 療 中。 通 院 中 に左 肺 門 部 の 腫 瘤 影 を 指 摘 され た 。CT上 左S4か ら肺 門 部 に浸 潤 す る径8cmの 腫 瘤 で 、p-T2cN2MO stage3A、 気 管 支 鏡 下 に 扁 平 上 皮 癌 と診 断 した 。 高齢 につ き 手 術 は左 肺 全 摘 を要 す る た め適 応 外 、 ま た 強 力 な 化 学 療 法 は 困 難 と判 断 し1コ ー ス 目の 化 学 療 法 と し て ユ ー エ フ テ ィ 内 服 と した が 、3週 間 で PDと な っ た 。2ndラ イ ン と して ニ ボ ル マ ブ を 施 行 、4コ ー ス に て 縮 小 率75%、 PRと な っ た 。 こ の 時 発 生 した気 胸 は経 過 観 察 に て 改 善 した。 考 察 3例 の 肺 癌 患 者 に ニ ボ ル マ ブ を使 用 し、3 例 と もPR以 上 の 効 果 を得 た(Table.1)。 n=3と 少 数 、追 跡 期 間 も12週 ∼48週 で 、 有 意 差 は 語 れ な い が 、 奏 効 率100%で あ っ た。 た だ 、 有 害 事 象 と して の 問質 性 肺 炎 の 発 生 も3例 中2例 、発 生 率67%で あ っ た。 ニ ボ ル マ ブ 使 用 例 の奏 功 の 要 因 を 検 討 した 。3例 の 共 通 点 は 、 高 齢 男 性 、 PSO、 腺 癌 はEGFR(-)、ALK(-)、2nd line 以 降 な ど で あ っ た。 これ らの 中 に 奏 功 の 要 因 とな る 要 素 が あ る 可 能1生が あ る と考 え る。 断 定 的 な こ とは 言 え な い もの の 、 患 者 さん 本 来 のT細 胞 を 活 性 化 す る免 疫 療 法 で あ る た め6)、PSOで 、全 身 状 態 の 良 好 な状 態 が よ り奏 効 す る 条 件 と して 有 利 な の で は な い か と思 わ れ た 。 間 質 性 肺 炎 に つ い て は そ れ ぞ れ10コ ー ス 、21コ ー ス 後 の長 期 使 用 例 に 発 生 して い る 。 CheckMate-057試 験2)で は18か 月 目の 奏 効 率 は19%、 生 存 率 は39%と の こ と で あ っ た 。 長 期 の 奏 効 を 維 持 し、QOL を維 持 す る た め に は 、 ニ ボ ル マ ブ 奏 功 例 に 対 し副 作 用 、 特 に 問 質 性 肺 炎 の 発 生 に 留 意 、 コ ン トロー ル し治 療 を継 続 す る こ とが 必 要 と考 え た。 ま た 発 生 予 防 の た め 奏 効 後 の 継 続 回 数 、 イ ン タ ー バ ル 、 休 薬 な ど の 必 要 性 に つ い て の検 討 も必 要 と考 え る。 結論 非小 細胞肺 癌 に対す る免疫 チェ ックポイ ン ト治療 に際 し、奏功 のた めにPSOは 重要 な因子 で はない か と思 われ た。奏 功 例 に対 しては間質性 肺 炎の発 生に注意 し、 発生 した場合 は一 時休薬 す る も、制御 で きれ ば治療 を継 続 す る ことが必 要で あ る と思 われ た。 引 用 文 献

1)Brahmer J, Reckamp KL,Baas P,

et al. Nivolumab versus Docetaxel in

Advanced Squamous-Cell

NonSmall-Cell Lung Cancer.N Engl

(3)

山 梨 肺 癌 研 究 会 会 誌 31巻 2018

J Med 2015;373: 123-135.

2)Borghaei H, Paz-Ares L, Horn L, et

al. Nivolumab versus Docetaxel in

Advanced Nonsquamous

NonSmall-Cell Lung Cancer. N Engl J

Med 2015; 373 1627-1639. 3)井 上 彰 肺 癌 の 化 学 療 法 の 進 歩 と 予 後 の 改 善. 日 内 会 誌 2016;105: 997-1003. 4)清 家 正 博.肺 癌 に 対 す る 免 疫Check Point阻 害 剤 の 有 効 性. 日本 医科 大 学 医 学 会 雑 誌 2017;13 145-149. 5)市 来 嘉 伸 、 岩 浪 崇 嗣 、 柿 添 圭 成 、 他. 進 行 ・再 発 非 小 細 胞 肺 癌 に 対 す るNivolumab投 与 症 例 の 検 討.産 業 医 科 大 学 雑 誌 2017; 39: 291-297. 6)厚 生 労 働 省.最 適 使 用 推 進 ガ イ ドラ イ ン ニ ボル マ ブ(遺 伝 子 組 換 え)∼ 非 小 細胞肺 癌 ∼.2017.2:1-15. 1、 初 診 時 2,CDDP注 入 後 、胸 水 消 失 、 右S6に 腫 瘍3,CBDCA+PEM+BEV6コ ー ス 後CR 44thレ ジ メ ン 後 、局 所 再 発、左 胸 水PD5、 ニ ボ ル マ ブ4コ ー ス後 、腫 瘍 ・胸 水 消 失CR 6、 ニ ボル マ ブ21コ ー ス 後 、 問質 性 肺 炎 、 Fig.1症 例1

(4)
(5)

-38-山 梨 肺 癌 研 究 会 会 誌 31巻 2018

症 例1

症例2

症例3

年齢性別

82男 74男 88男

喫煙

組織型

adenocacinoma adenocacinoma Squamous  cell carcinoma EGFR 一 一

未検

ALK 一 一

未検

PD-L1

未検

未検

未検

前 治療 ①CDDP胸 腔 内注 入 ② CBDCA+PEM+BEVx6 ③DTx+BEVx3 ④ GEM+BEVx2 5thlineで 施 行 ① CBDCAx1 2nd  lineで 施 行 ① UFTx3W 2nd  lineで 施 行 奏功 CR CR PR 副作 用 間 質 性 肺 炎 Grade3(CTCAEv4.0) 間 質 性 肺 炎 Grade2(CTCAEv4.0) な し Table.1   3例 の ま と め

参照

関連したドキュメント

Arriba Soft Corp., ΐΐ F.Supp... Google

[r]

[r]

日本においては,付随的審査制という大きな枠組みは,審査のタイミング

特許権は,権利発生要件として行政庁(特許庁)の審査が必要不可欠であ

最後に,本稿の構成であるが,本稿では具体的な懲戒処分が表現の自由を

二院の存在理由を問うときは,あらためてその理由について多様性があるこ

ヘーゲル「法の哲学」 における刑罰理論の基礎