土の均一性に就いて(第二報)
土の均一性に就いて(第2報)
1。要 旨
前報告(1)と同一目的で更に試料を変え甲府近辺の
土(前報告は東京駒場の関東ロ・・一ム)に就いてその一
様性を調らべた。なお今回の実験装置はすこしく改良
したので前報告の値と比較する事は出來ない。その結
果新らしく到かった事は
第 1 図
1 外見がよく類似していても偏差は可成り違い逆
に全く異つた土の様でも偏差曲線のよく似ている
場合があり、物理性は偏差曲線による方が信頼が
おける。
2 人工処理を加えない土(つまり生きている土)
程その特性をよく宗めし物理性が顯著にあらわれ
るo
以上の事は全て土の力学的性質に関連がある檬に考え
られその併行的な実験をやりたいと思つている。
箭 内 寛 治
2.実験装置及び実験方法
前報告とすこし異同があるので重複するがくわしく
述べる。実験に用いた装置はes 2図の如きものであ
るo
第 2 図
中央の試料を入れた矩形の容器:(7cm×20cm×6cm)
は電流を流す方向にはta・・一クライト板、これと直交す
る板は眞鍮極板を用いた。この試料に間隔約10 mmに
取つて固定してある2本の銅針(直径約lmm)を5m
mの深さに刺す。この針によつて別けられる左右の試
料と、ガルバノメーターの上部にある2つの抵抗とが
プリツヂになつている。
電源に交流(50サイクル)を用いたのでガルバノメ
ーターの前に亜酸化銅整流器を挿入した。ほかにスラ
イダツ久交流ミリアムメーター、交流ヴオルトメー−
IT 一一を図の如く使用した。
矩形の箱に試料を3段に別け各層10回、重さSOO g
の突棒を約5Cmの高さから落して突固める。これを第一
2図の如く定位し2本の銅針を刺す。この2本の針は
切換えスウイツチにより片方づx電流が流れ極板との
電圧が夫々測定出來る様になつている。まつR・・なる抵
抗を適当なる一定値に入れる。
次いで左の針に電流が流れる様スウイツチを入れガ
ルバノメーターの右の摺動抵抗を零にして電流を流
す。徐々に摺動抵抗を上げてガルバノメーターに一一一ee・
に電流を流し同時にR1(Rlt)なる摺動抵抗を変化せ
しめてガルバノメーターのパラソスをはかり、その時
Kanji Yanai. On the Uniformity of Soil
ce東京大学理工学研究所 第8回講演会で発表
29−一一一一
昭和28年7月
山梨大学工学部研究報告
第 4 号
噛抗をR…R・とすれば容器の右極板と左の針との間
の電圧は
Vl − v x
−R“−
秩F1}f’R2一
叉スウイツチを右の針に切換えてその時の抵抗をR2,
Rl’・とすれば、右極板と右の針との間の電圧ba ’
R1’
Vl’==γx
RIt十R2
而してその電位差Vi−Vl tをこの時の電流で割る
と、左右2本の銅針の間の電気抵抗ρが求まる。斯く
して全表面に渉り約20∼25ケ所の電気抵抗を求めた。
試料は第1図のく
A.甲府市郊外射的場跡
B・勧銀甲府支店寮工事現場
C.貢川河川改修工事現場
D・(B)(C)の混舎試料
以上の様な採取状況であり、なお之等の試料の処理方
法は吹の2種類である。前報告ではこの他、自然乾燥
に從つて実験も行なったのであるが余りにも散らばり
が激げしく、信頼は置難いと感じたから今回は吹の2
ツの処理に就いて実験した。
1.探取後約SO日室内で自然乾燥しこれをボールミ
ルで5分間粉曄を行い、No・28の飾を通過したも
のと残留したものとに夫々別けてこれに蒸溜水を
加え種々含水比を変えて実験を行なった。
2・乾燥炉(100°∼120°C)で約24時間乾燥された
ものを自然冷却し、1と同様ミルで粉砕、N豆28
の筋を通過したものと残留したものとに区別して
蒸溜水を加え実瞼を行なつた。
3.実験結果及び考察
AB・C・Dの夫々についてσ万と含水比との曲線を
出した。但し
ρ:20∼25ケ所の電気抵抗
戸一㌔ (Nは噛)
5−
Y旦当旦
S
(40 〔%〕
30
20
10
0
0
[A】
20
40
第 3 図
60wCo/o〕
第3図から判かる事は人工的に未処理の土程同一含
水比に対し散らばりが大きい。力学的な性質は未処理
の土程好ましい値を示あすので炉乾燥処理の土よりも
曲線は同一含水比で下に來る筈であるが、この問題は
寧ろ同一曲線についての一様化に対する傾向を論ずる
べきで未処理の生きている土程最適含水比に近づくに
從って一様化する傾向がつよい事をみるべきであろ
う。乾燥処理別にみると飾を通過した土云わばよく粒
度の揃つている土程一様性がっよく、而もそれは自然
乾燥の土において著しく明らかである。炉乾燥処理の
土で含水比40%を過ぎると偏差の百分率が上昇してい
るのは、微規的に考えて水の中に土粒子が浮かんでお
りnその浮かび方の状態とか土粒子の数で左右されて
いるのではないだろうか。当然自然乾燥の土でも含水
比が増加して行けばこの傾向が現らわれると考えられ
第4図を見るとそれが一一層ハッキリする。
30−一一一一
土φ均一性に就いて(第二報)
30
20
10
つ
喜
3
(%〕
{。
{△
(B〕
ロ自然乾燥臨通過
e 筋残留
ロ姓乾燥飾通過
“ 爵残留
0 20 40 60
w [o/o〕
第 4 図
吹いで第3図と第4図を比較してみよう。Aは山麓
よりの採取でありBは堆積によつて出來たものと考え
ト
ちれるが、両老共に褐色の粘結性ある外見上殆んど差
異のないものであつた。而も実験結果は図にMNbbす如
くでBは自然乾燥処理を炉乾燥処理も差のない事がわ
かり從って殆んど生長のない土で、明らかに堆積によ
って生成されたものでA地点採取の土とは本質的に蓮
う事が観取される。この事実は前報告の関東ロ・・ム
(東大理工研の土)において炉乾燥処理と自然乾燥処
理の開きが更に大きい事からみてもよくわかる通りで
ある。叉第4図から気がっく事は偏差が含水比のすく
ない所でも余り大きな値を示めさない事で、川砂の堆
積と壌土との違いを非常によく区別している。
吹ぎに第5図のCを見るとこれは河川改修をしてい
た高水敷から探取したもので、こまかい砂に少量の腐
植土を含んだものである。Bによる結果から推察しこ
の試料も乾燥処理の区別は行なわず自然乾燥のものだ
けについて実験した。Bに比らべると一層低くい値を
示めし又これは筋別けの区別の差異は全くみられず、
『完全なる河砂の集合である事がわかる。然しこの試料
は含水比60%に至るも…一実際川砂で含水比60%は水
が表面に浸出する状態である一心持ち上昇している
だけで実験可能な範囲では蓬にハツキリした上向きに
はならなかつた。
30
20
1
10
0
0 20 ・40 60
tll(r〔%]
第 5 図
叉第5図のDはB試料とC試料の同重量混合させた
試料結果にっいて呈あって、何れも筋通過したもので
あるが異種の砂である爲含水比小なる所ではB,C軍
独のものより散らばりが大きく含水比大なる所では
B,Cの何れよりも散らばりが小さくなつているのは
妥当であると思うo
終りに当りこの実験について引続き種々御指導下さ
った東京大学最上武雄教授に厚く御杭申上げます。
文 献
1 最 上・箭 内:土の均一性にっいて
土木学会誌第36巻1号
2最 上:粒子の力学
東大理工研報告 第3巻第5,6号
一一一
R1…一