KDP結晶の育成について
古屋直臣
溝田孝夫
On the Growth of KDP Crystal
NaoomiFURUYA TakaoMIZOTA
Synopsis
For a long time, We had studied the growth of a water soluble piezoelectric crystal such as Rochelle salt, new mixed crystal(C4H206Mg Na K),EDT(ethylene diamine tartrate), and DKT(dikalium tartrate). Recently, KDP(kalium dihydrogen phosphate)crystal is used for the modulator of Laser or the photoelectric high speed shutter by Kerr effect of the crystal. In these case, it may be necessary large so much as get up the purpose. We have studied for the properties of KDP solution, and then the growth of single crystals. We have learned that the PH of KDP solution is 4. O and the solut’ion of 5.5∼5.8 PH is the best to grow the crystal. It must grow to a or b axis of the crystal at the same rate, because of the construction of KDP crystal, but in the experimental results, it grew to different dimension by the con− vection of solution in the mother liquid, with the growing ratio is 2:1 for the vertical face to horizontal face of crystal in which the seed is situated on bottom plate, on the other hand, with the ratio is 1.3:1for the same faces of crystal in which the seed is suspended in bath by the niron thread. We considered the reason on which it is due to the convection effect of liquid with situation of the seed. Through the experiments, we did know that the growing rate of KDP 『rystal is so much slσw than the Rochelle salt, new mixed crystal etc. 、It is said that a KbP crystal growth is difficult as rnuch as DKT crystal.’1緒
言 Kalium dihydrogen phosphate(KDP,KH2PO4) 結晶はTetragonal scalenohedral classに属し、 Rochelle塩、 EDT, DKT等と同様に強誘電体であ る。この結晶に電界を加えれば屈折率楕円体が回転し 同時に軸長が変化して単軸が双軸となる。それゆえ、 このKerr効果を利用した圧電板シヤッタによる高速 度カメラとしての応用、或はレ’一ザ・’一・の光変調器とし ての応用等、種々の電気光学的利用の道が開かれてき た。 KDP単結晶の育成法については、すでに発表(1)・(2) されているが、筆者等は前述の目的に適合するような、 とくに、圧電板シヤッタとしてはZ−cut板の一辺の 長さが20mm以上あることが必要であるので、これら の寸法をもつような結晶をなるべく短期間にえるため の効果的育成法について研究を行なったので、これら について報告する次第である。2 種子結晶育成の理論
溶液の表面に微細な結晶が析出するには、溶液の過 飽和度とその表面に接する大気中の蒸気圧の状態に関 係じ、溶液の温度降下と液面からの溶媒の蒸発に伴って飽和度は上昇し、溶液になんらかの刺激が与えられ Σば結晶が析出するような不安定の状態におかれてい るとき、溶液表面の局所的飽和度の相違、液面の振動 等によって、微視的物体を核として結晶が析出するも のと考えられる。 容器の底部に落下した結晶は、そこで結晶の周辺に 向って三次元的に成長して行く。この場合の育成速度 は、溶液の過飽和度、運動粘性率等によって影響を受 けるのであるが、結晶自体の本質的要素によって結晶 の周辺への育成速度はことなるのである。 微細な結晶の析出後は、一応の平衡状態におかれた 結晶、溶液および大気圧との間にGibbs(1878)の結 晶の表面自由エネノレギーの理論と、これをさらに発展 させたWulff(1901)の理論にしたがって育成される ものと考えられる。これらについては、すでに述べら れており(3)、結晶を形成する多面体のそれぞれの面の の育成速度は、その面の単位面積当りの自由エネノレギ ーに比例するものと考えられる。したがって、相異な る面の育成速度はその面を構成する格子点密度に関係 し、格子点密度の最大の面は最小の表面自由エネルギ ーをもつ面であるから、その面の垂直方向の育成速度 は最低であることになる。 しかしながら、実際の場合は、結晶面の育成速度は 格子点密度だけできまらず、種子結晶と溶液の相関々 係として、静的であるか、動的であるかによってこと なり、また、静置法による場合でも、結晶軸の静置方 向によって、結晶と溶液の界面における溶液の対流作 用による準過飽和層の厚みがことなるので、かなりの 相違が認められる。また、溶液のPHコントu・一ノレに よってcrystal habitを改めることができる。 KDP(KH2PO4)結晶は正方晶系に属し、 結晶構 0−__ o」一 。 K 国 ’P(㎏ _.c___H 一一Z 一一 Fig.1 Construction of Tetragonal KDP crystal. 造が図1に示すごとく、a, b軸方向に全く対称で、 PO4基がC面上に正方格子をなして配列されている(4)。 e e a=b=7.43Aで等しく、 c・=6.97Aで、 a, b軸方向 の格子間隔より僅かに短かい。この層は5回目毎に同 じ位置にくるように、ぐるぐる廻って配置されている。 カリウムは図のように正方形の中心に位置し、水素は
2個づx各PO4基に結合され、各PO・は上下に2個
つつのPO4によって四面体的に囲まれているものと考 えられている。それゆえ、前述の理論から、結晶構造 からみた育成速度は、a, b両軸方向に等しくなけれ ばならない。しかるに、静置法によって種子結晶から 単結晶を育成する場合に、必ずしもa,b両軸方向の 育成速度は等しくないことが実験結果から確かめられ た.3 単結晶育成速度の理論的解析
種子結晶から単結晶を育成する場合に、一般に行な われている温度降下法によって結晶を育成する場合に 温度降下の大小によって、結晶の育成速度を調整する ことができる。育成母液の温度がT(°C)に一定に保 たれたとき、ある過飽和濃度の溶液内で、結晶が成長 するにしたがって母液の濃度が減少する割合を求める と、この過飽和濃度低下の速度は、結晶の表面積Sお よび溶液の過飽和度に比例するものと考えられる。こ れらの比例定数k(T)は温度の関数であって、また、 溶液の物理的性質、すなわち、粘性係数、密度などに よってもことなるし、さらに、結晶と溶液の相対速度 によってもことなる。 いま、Ct:tなるときの溶液の濃度, CT:温度T(C°) における飽和溶液の濃度とすれば、母液が一定温度の もとにおいて、ゐ(T)はr定とみなすことができるので 一暖一k(・)s(c・−CT) ・一(・) また、ρ:結晶の密度,Vc:結晶の体積, Vd:種子結晶 の体積,Vs:溶液の体積とすれば、ρ畷一一畷 一(2)
およびρ(V, −Vd)=Vs(Co−C¢) ……(3) 上式で、Co:t==oにおける溶液の濃度、すなわち、 初期過飽和濃度 1 (3)式より 脇±(σ・一α)+71_κノ・・C・ ρ tO K’_▽・・σ・+γd ρ S◎◎Vc2/3であるから ・・…@<4) 一暖一え…’(κ一撃y!3(e,二C・)……(5)結晶育成の過程においては、Co>Ctであるから、 K’−v・・Ct>o,κ_wα_x・と制ナば ρ ρ (6)式を解いて整理すれば k(T)’t
牢』声{字砺
(5)式は∫高一÷虎ω・・+・・・………(6) の形の積分が可能である。こxにK=鴨(Co−CT)+γd ρ ゾーT一 }2/3+{讐G)+叫ノ3{Vs(Co−Ctρ)+V・}1!3+{Vs(Cテστ)+ザ3 〔{Vs(c㌃二CT)+「Lアd}1/3−一{Vs(一㌣一 t)一トVd}1,!’3〕2 十{V・(C・−CT)ザtan−1 2{Vs(Co一α ρ)+v・}1/3 +{ぽ宍)+v・}1/3 ρ となる。 KDP溶液について、 Vs=1000cm3, Vd=1×10−3 cm3, T=40°Cにおける飽和濃度Cr=0.34g/cm3,密 度ρ=2.338として、種々の過飽和溶液濃度Ctと飽和 濃度CTの差、すなわち、過飽和度△C‘の時間的変化を 求めて図に示したものが図2である。 図の縦軸には過飽和度△C,をとり、与えられた過飽 1.0 (△(栖) o.5経乱時向 (七)
〆7{Vs(Co−C㌘一b)+吋/3 Fig.2 Relation between time and solubility of KDP solution.縫過時間
(七) Fig.3 Variation of decrement speed of T solubility for KDP solution. ・・・…@(7) 和溶液の初期濃度Co=0.429/cm3に対する△Ctを1と し、横軸には時間をとり、△C,が0.5になったときを 単位にとり、t=−1としてある。 次にd△C,/dtとCtの関係から、△Ct/dtが最大と なる条件を求めると、C, =3/5 Co=0.6σoである。 d△C,/dtとCtの関係式において、あるC,の値、した がって△Ctに対応する図2のtの関係から、過飽和度 減少速度の時間的変化を求め図3に示してある。図か らCt =O.6C,に相当する時間は、 t ・=O.88にあり、こ のときd△C,/dtが最大値となる。それゆえ、過飽和 度△Ctが半減値となる直前付近で、この速度が最高速 度になるので、溶液の濃度が半減期に達するころ温度 を下げてやれば、最高速度に保ったま\結晶育成をほ X“一一定の状態にすることができる。4 溶液の特性
母液内で種子結晶から順次大なる単結晶を育成する 場合には、まず、その溶液の温度と溶解度の関係を知 っておく必要がある。図4はKDP溶液の温度に対す る溶解度と過溶解度の曲線である。これをロッシエノレ塩、DKT, EDTおよびロッシエル塩と潟利塩の合
ぎ { 蓼6°㍗
議別
溶解友 」一←湿津角随 如 別 、 O−, 20 40 60 80藩謙鑑皮 ’(t)
Fig.4 Solubility and super solubility cttrves of KDP solution.60
Table 1. Solubility and temperature gradient of solubility for several]kind of salt. 轍温度(・c)| 溶 解 度 諸 量
lKDpl・・シエ・・塩DKTIEDTI合成塩
20 30 溶解度(gr.salt/H20100g) 22.51・1・・114…1139・・
112.0溶鞭温度願(・…al・/℃)1・…1
・・78[・・2gl・・771
2.0 溶 解 度(〃)1・…
144.0 17…1 146・・ 146.8 溶解度温度傾度( 〃 ) ・・55P
・・861・・24「・・771
3.9 成塩の溶解度と比較すると表1のとおりである。 この表から知られることは、KDPの溶解度は非常 に低く、ロヅシエノレ塩の1/5、DKTの1/6程度にす ぎず、かつまた、温度に対する溶解度の変化、すなわ ち溶解度の温度に対する傾きが小であり、ロッシエノレ 塩の1/8,DKTの1/4にすぎない。 したがって、温度降下法によってKDP結晶を育成 する場合には、ロッシェノレ塩、DKT, EDTまたは 合成塩等の結晶育成の場合と比較して、同一一の降下温 度に対する結晶の析出量が少なく、それだけ、結晶の 育成は困難であるといえる。 また、図4からKDP溶液の過飽和領域巾を求めた ものが表2である。 Table 2. Width of super solubility zone. 飽和温度(・C)・・1・・4・1・・1・・1・・ 過飽纈醐醐pC)1・3・・1・2・・[12・・11・・1ii・・/1・・ [過SUfll・Sfi域=(・)…7・・|…1・・5111・・1 この表から、KDP溶液の過飽和領域温度巾は溶液 温度の上昇とともに僅かに減少し、一方、過飽和領域 溶解量は溶液温度の上昇とともに大巾に増加し、溶液 温度が20℃の場合に比べて、60°Cにおいては76%も 増加する。それゆえ、溶液の温度が高い状態で結晶を 育成した方が、低い場合よりも傍晶ができにく\結 晶を育成しやすいことがわかる。 次に、KDP溶液の比重と温度の関係を図に示した ものが図5である。図の左端を結ぶ直線は飽和溶液の 比重を示し、同一濃度の溶液は温度の上昇とともに僅 かつつ減少している。この曲線群を用い、未知濃度の溶 液の比重を測って、その溶液の濃度を知ることができ、 母液作製の際便利である。KDP20gr.を100gr.の水に 溶解した溶液のPHは4.0であって、この溶液を母液と して結晶を育成すると針状結晶に成長し、実用上具合 が悪い。そこでPH値を大にするために苛性カリを加え てPHコントロールを行なえば、図6に示すごとくなる。 図において、同一一・ PHの溶液では飽和溶液となる温 度が高いほど過飽和領域巾が広くなり、また、同一濃 度の溶液においては、苛性カリの添加量が増すほど PH値は大になり、同時に過飽和領域巾が広くなるの で、KDPの溶液濃度が大なるほど、また、 PH値が 大なるほど、傍晶はできにくい。 t.52 湊 qt・24w
i.t6 LO8 f・000 60 8‘ 20 40 ラ悟∀凍鑑度 (%) Fig.5 Relation between specific gravity and temperature’ of KDP solution. in so 温20 度 (t) lo+→勘謀液の滅60七
樋函藩誠の瑚〔40乞 →一一P㎞誇液の遥痩20七 @ ●1/
/
40
糾ラ媒の?㍍
56 ふO Fig.6 1nfluence/of PH affected to region of super solubility of KDP solution.結晶面角が正常で、実用上最も好ましいPH値は
5.5∼5.8であることが、実験結果から確かめられた。5 結晶育成の結果および検討
KDP結晶は図7に示すごとく、 C軸方向に4個の
三角面をもつ正方晶系の結晶で、a, b軸方向は図1a
C
↑ b Fig.7 KDP crystal form. のごとく、全く対称であるから、結晶育成理論におい て述べてあるように、結晶育成時の母液の影響を無視 すれば、a, b両軸方向の育成速度は同一でなければ ならない。しかし、実際の場合には、結晶を静置法で 育成する際に、その結晶軸の静置方向の如何によって 各軸方向の育成速度に、かなりの相違が認められる。 その相違は、主としてPHコントローノレによるcrystal habitの修正によるためか、或は同一の溶液において は溶液の対流による影響に起因するものと考えられ る。 本実験においては、KDP溶液に苛性カリを加えて PH値を5.8に一定に保ったので、 PHの影響はないも のと考え、結晶軸の静置方向を種々変えて溶液の対流 による影響を主眼として、結晶の各軸方向の育成速度 の観測を行なった。 5.1.a, b両軸方向垂直(母液槽底部に静置) 2個の種子結晶のa,b各軸方向をそれぞれ垂直に 保ち、同一母液槽の底部に静置して成長させた。育成 期間が28日、58日、65日の各場合についての結晶記録 が表3である。 Table 3. Growing of KDP crystals.(a or b axis vertical position) 結晶番号 1 2 3 4種子頸軸|育成鵬(日)
a b 28 〃 a b 58 〃 降下温度(°C) 4.2 〃 5.4 〃編輯(・)噂瞥劃r蜘水平車由/垂直軸
9.65 9.94 45.6 48.1 0.9 1.9 1.7 3.6 1.85 0.85 3.45 1.65 3.1 3.3 4.3 4.5 2.06 2.24 2.03 2.18 5 a 65 3.121・・i1・・1・.24.・
仁70 上の表からわかるように、種子結晶のa軸を垂直に 保った場合には、b軸方向の主面、すなわち、結晶の 垂直面の育成速度が、a軸方向の主面(結晶の水平面) の育成速度より約1.7∼2倍大である。また、種子結 タ晶のb軸を垂直に保って育成した場合には、これとは 全く反対に、a軸主面がb軸主面よりも育成速度が約 2.2倍大である。したがって、種子結晶のa,bいつ れの軸方向を垂直に保って育成しても、結晶主面の育 成速度の比は垂直面が水平面より1.7∼2.2倍大である ことがわかる。 育成中の結晶の垂直面においては、溶液の対流が結 晶界面に平行して流動しているので、この場合、準過 飽和層の厚み1は次式のごとくなる。1−f(∴)
・・………・ i8) また、レ,=⊥ ・……・…・(9) σ こXに、り:溶液の運動粘性率、V:溶液の移動速度、 a:結晶表面積、μ:溶液の粘性係数、σ:溶液の密度 同一溶液の同一濃度のものにあっては、1が小なる ほど結晶の育成速度は大であり、等しい大きさの種子62
から結晶が育成される場合には、1の大小はVによっ てきまる。結晶面における溶液の移動速度が大なるほ ど1は小となり、その面の育成速度は大である。 一方、結晶の上部水平面においては、溶液の対流方 向は結晶界面に垂直であるので(8)式は成立せず、次 式のごとく1’は溶液の移動速度の自乗に比例するもの と考えられる。 1’・−f(妙2.レ α) …一…(・・) それゆえ、溶液の対流によって生じた流動速度の自 乗に比例して、この結晶面に接触する準過飽和領域は 広がり、それだけ水平面の結晶育成速度は低下するの である。 表3のうち、結晶番号2,3および5の結晶が写真 1,2,3である。 結晶番号3,4の育成全期間を通じて、毎日一定時 刻にa,b, c三軸方向の結晶育成長を観測し、これ を図に示したものが図8および図9である。図8はa 軸方向を垂直に、図9はb軸方向を垂直に保って育成 したものである。これから、三軸方向の育成速度を求 めて図示したものが図10と図11である。育成速度の時伽旬 40
a30
α軸垂直
cp
粢 ● 酵亀長20 タo α 1°辯u゜経過赦刊
(ロ)50@ 60
ピロ Flg.8 Progress of KDP crystal growing. 働劔b軸垂直
c鎖ロ
勿 シ晶ず3磁長⑳b紗
10゜ 冨べ経㎡゜日ピ(e) 5° 6°
Fig,9 Progress of KDP crystal growing. 間的変化を示すこれらの曲線は、第3項で述べた結晶 育成速度の理論曲線と定性的にほ}・L“ 一致していること がわかる。KDP結晶の育成の場合には、最大育成速 度が育成開始後17∼19日目にありその値は最も育成速 度が大なるc軸方向において、165A/sec.で非常にお (柘 20 結α軸垂置
晶 15 が 冨 皮1°° お目 ゜遣 ● . ・ ゐ ▲▲‘・ 汐0 4,栖“ ▲ ● ▲ σ 1 400 20 30逅ャ絵蓮、・数
(日) 馳 60 Fig.10 Growing speed of KDP crysta1. Fig.11 Growing speed of IくDP crystal. そい。 いま、従来研究してきたuッシェノレ塩、EDT, DKTおよび合成塩結晶の静置法による育成の場合の 最大育成速度、育成開始後最大速度に達するまでの期 間、結晶体格、結晶重量等を比較して表4に示す。 Table 4. Comparison of growth of water soluble crytals. 結晶の種類KD P
・ク ロツシェル塩 ・クEDT
〃 〃DKT
〃 種子垂直軸 a b b Ca
外(一上向)C
育 成 条1件 育成期 間(日) 58 〃 30 45 86 65 86:「り5
降下温度 (°C) 5.4 〃 2.3 3.1 3.1 5.8 3.1 o(蒸発法) o( 〃 ) 結晶重 量(9) 45.6 48.1 155 220 58.0 11.0 61.0 20.3 15.9 最大育成速度(A/sec) a車由lb車由l c車由 80 143 700 425 323 114 550 103 130 141 78 480 1650 870 352 1140 134 177 167 178 |450 225 213 57 220 75 58 育成開始後、最大速 度までの期間(日)a車相b軸1c軸
17 19 6.5 6 1.5 4 2.5 ;O.5 12.5 18 17 6.3 6 5.5 4 2.2 10 10.5 18 19 5.3 5.6 1.5 5 2 11 9.5 結晶寸法(cm)。軸lb紬。軸
1.7 3.6 4.8 3.8 2.2 1.5 3.1 1.8 1.9 3.45 1.65 3.6 ]3.2 10.8 5.3 10.6 2.1 2.1合醜1
a 35…1 ,5・[5・・175・1135・1・・55・7i・・13・・1・.・
4.3 4.5 8.0 2.7 1.4 0.9 1.2 1.2 0.87 7.4eeEDTre晶軸、 b(一)は種子から結晶が育成される とき、b軸方向の育成速度が左右非対称で、速度の遅 い方を(一)とする。 この表から知れるように、KDP結晶の育成速度は
DKT結晶の場合、或はEDT結晶のb(一)を上向に
静置して育成した場合と同程度に遅いことがわかる。 これらの結晶の育成速度をそれ以上あげると、最大育 成速度に達する前後において、結晶に「す」が入り不 透明な結晶となる。これをさけるためには育成速度を 極めて低く保たなければならない。EDTの育成速度 はロッシエル塩の1/10程度に低いので、それだけ結 晶の育成は困難であるといえる。 5.2 種子吊り下げ静置 種子結晶をナイロン系で結び、aあるいはb軸方向 を垂直に保って母液槽内に吊り下げ静置させて育成し た。これらの結晶の記録が表5に示してある。 Table 5. Growing of crystal(crystal suspended, a or b axis vertical position) 結晶番号 1 2種子麺剛育成期間(司降下温度(・c)結晶聾(・)1
a b 28 77 4.2 5.4 18.5 15.7 結晶寸法(cm) a車由lb車由lc車由1水平軸/醐軸
.72 .55 1.81 1.13 2.5 3.8 1.05 1.37 種子結晶を吊り下げて育成した場合には、水平軸と 垂直軸の比が1.05と1.37で、母液槽底部に静置して育 成した場合に比べて1に接近しており、対流の影響が ことなっていることを示す。その理由として考えられ ることは、結晶主面中、垂直面に対する対流作用は底 部静置の場合と同一とみられるが、水平面に対する作 用は前者とことなる。すなわち、結晶主面の上下両水 平面のうち、上面に対しては同一と考えられるが、下 面に対しては前者の場合は母液槽の底部におかれたガ ラスに密着しているために対流の影響は考えられない のであるが、後者の場合は下面も対流の影響けるよう になる。結晶面に対する対流の方向は上面を負とすれ ば、下面は正の方向であるので、上面の育成速度低下 の傾向は下面の育成速度促進の傾向で打消されるため と考えられる。 表5の結晶番号1の写真が4、結晶番号2の写真が 5および6である。いつれの場合でも種子結晶を結ん だ吊り糸の結び目附近に傍晶が析出し、これが主晶と ともに成長する。写真の不整形結晶が傍晶である。写 真6は主晶の内部に種子結晶が収容されている状態を 観察するために撮影したものである。KDPのKerr効果を利用した瞬間シャッタ用圧電
板はZ・一一・cutで、一一一一一辺の長さを20mm以上必要とする ので、このような結晶を得るための効果的育成法とし ては、a, b結晶主面の対流の影響を均等に与える方 法として、c軸を垂直に保つて育成することが考えら れるので、目下この方法で結晶を育成中である。6 結 言
KDP単結晶の育成については、まずKDP溶液の
基礎的特性を知り、つぎに結晶育成の一般的方法によ って結晶を育成させた。その結果KDP結晶特有の crystal habitを考慮しつx結晶板の使用目的に適応 した育成法について研究開発を行なった。 本研究は文部省科学試験研究費の補助を受けて行な ったものである。なお、KH2PO4のH2をD2で置換し たKD,PO4結晶の電気光学定数はKH2PO4の2.2倍大 であり、また、Curie点がより常温に近いので、瞬間 シャッタとして用いる場合の印加電圧が2.3KV程度 に低くてすむこと、また、V・一ザー変調器として利用 しやすいこと等の利点があるので、今後はKD2PO, 単結晶の育成について研究を進めて行きたい。参考文献
1.大原、升谷1東北大電通談話会記録、第26巻、第1号昭32,10
2.W.Bantle, Diplomarbeit E.T.H.Zttrich,1942 3.古屋、山梨大学研究報告、第7号、昭31.7 4.高木、数物記事、17 昭18Phot.1 KDP crystal of table 3, No.2 Phot.4 KDP crystal of table 5, No.1