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バリスタによる T 形回路の平衡周波数の制御 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)

バリスタによるT形回路の平衡周波数の制御

富塚剛

志村栄一

Balance Frequency Controll of Some T-Type Networks

by Varister

TakeshiTomizuka EiichiShimura

 The balance frepuency of some T−type R−C networks changes with the resistance value. Varisters are used for these resistances. Because the varister resistance changes very widely, the balance frequency of these networks changes very widely.

1緒

言  平衡周波数をもつている普通のブリッジ回路では4 個の端子の中で接地できるのは1端子だけであるのに 対し、T形回路では入力側の1端子と出力側の1端子 が共通に接地できるので、使用し易く、特に周波数が 高い用途にも好都合である。T形回路の中でも素子が RとCだけから成つているものは、Lが入つているも のよりも感度は悪くなるが、周波数が特に低いときや 特に高いときにも使い易いという特長がある。このR とCとから成る回路で平衡周波数を変えるためには、 Cを変化するかRを変化すればよい。Cを変化する方 法の一一部については既に発表してあるが①、これから Rを変化する方法について検討してみようと思う。R を変化する為には普通の可変抵抗器を使用する方法も あるが、こXではバリスタを使い、バリスタの交流抵 抗を直流電流によつて広範囲に変化し、もつて回路の 平衡周波数を広範囲に制御しようとするものであ る(:)。普通の並列T形回路において、特殊構造のバ リスタを使つた研究があるが(3)、本論文は筆者の研究 している変形T形回路に応用することを主にし、併せ て普通の並列T形回路についても検討したものであ る。

2 バリスタの特性

 使用したのは芝浦電子製のSicバリスタの中の2種

類である。直径15mm、厚さ0・5mmの円板素子に端

子をつけたものである。直流の電圧電流特性(E−1) は直流電圧を印加して電圧計と電流計とを使つて測定 した。交流特性(R・−1)、(C・−1)はFig・1.に示 したブリッジを使つて測定した。これはシエリング・

81

 A.C. sourc¢  D,C. SOUγce Fig. 1 &、1、 ぐ’ ウ∼cx ブリッジを逆に使つた形であつて、平衡条件は     Rs=R2Cl/C3…∼……・・一………(1)     Cx=RIC3/R2…・・…・・………・・…(2)  なお、バリスタの素子は非直線特性をもつているか ら、交流電圧はブリッジの平衡点がわかる限りなるべ く小さくして測定している。その結果を示したのが、 Fig.2、 Fig.3である。直流電圧によつて抵抗が著し く変化していることがわかる。抵抗が極めて大きい処 では静電容量の値は測定が困難であるが、測定できる 範囲では直流電圧によつて交流抵抗ははなはだしく変 化するにも関らず、静電容量は全く変化していない。 30 ε 20 lO 0 ε

0,oO3 @ 己 潤Coo2 kド司 n,008    6 @  『 !∼’ 0 o

2 1㌔A}6

8 }o Fig. 2

(2)

昭和35年12月

山梨大学工学部研究報告

第11号

60 ε 佃 20 o  :2

 10

Rx 8   6

陶4

2 0 1 LmA】 Fig. 3 0.003  cエ 0、002

O、00| o この点は本論文のように応用するにははなはだ好都合 である。

3変形T形回路

 変形T形回路として筆者等の研究している回路にバ リスタを使用したときには、その等価回路としてRと Cの並列回路を用いるなf)ぱFig・4のようになる・

Fig,4

T形回路は左右非対称にすることもできるが、そうす ると式がはなはだ複雑になり、しかも利用1酬直があま り無いようであるから、本論文では左右対称のものだ けに限ることにする。またバリスタは電圧を変えても ほ斗司一・特性を示ずものは得られ易いが、非直線特性 を持つている為に一・方が常に他方のll倍であるように 変化したいときに、71の値を任意にとることは困難で ある。たx“nが整数か整数分の1になるようにするに は、同一特性のバリスタを直列や並列に組合わせれば 得られる。そしてnの値が小さい場合だけが実用にな る。Fig.4においてnをつけてあるのはそのような 使い方をすることを意味している。1,mは任意の数 でよい。この場合1、17Z、 nを全部独立して任意に選 ぶことはできない。次の式を満足するようにしなけれ ばならない。したがつて何れか2つを定めると残りの 1つは次の式から定まつてしまう。     8m3n2+16m2n(n+1)+m{10n2+20n+8}     +2(n+2)(n+1)−Zη=0…一…・一…・(3) 平衡周波数の角速度をωoとすれば、

82

      n     ω・2=Rr・cr百{3ク’n2n十4m(n十1)干万’再}       ‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… (4) これら(3)、(4)式は見たx”けでは関係がわかりに くいので、1、〃τ、nに具体的な値を与えた例を示そ う。  今沈=0とすればバリスタは静電容量がなくなり、 純抵抗となる。そのときは、 n=1のとき 1=12 ω02=1/3R2C2 n=2のとき 1・=12 t・02 ・1/2R2C2

}一一⑤

}一一⑥

これらは文献(1)に示したものと一致している。  もしバリスタの静電容量がCに比べてかなり小さ く、ノn=O.01であるとすれば、

    鷲㌧}一一…(7)

    冨㌢ /

       一・・・… 一・・一・・・・・・・… (8)     。。・−1/2.。6R・C・J 故にこれらは(5)、(6)とほとんど等しいので、7n の影響は少ないことを示している。  もし〃n=O.1のときは

    屠鑑き/….……….………(9)

    。。・一、/3.83R司

    慰∵一一・(・・)

この程度までならば1があまり大きくならないから使 い易い。m=1.0にすると1が約100になるので好ま しくない。  この回路はバリスタに直流電流を流す為の電源を置 く位置によつてFig.5、 Fig.6、 Fig.7の3種にな る。Fig.5は直流電源がi接地側にあるので種々の誘 導を防ぐのにはよいが、もし入力側と出力側の抵抗が

cト

ρ尻CR mcc

尺mC      R 轣@    mCε6  0。 ρc, Fig. 5

ξ

(3)

バリスタによるT形回路の平衡周波数の制御 Fig. 6

RmCR

。一.一一一一M−一一一一一

         Fig. 7 大きいときにそれらを通じて直流電流を流すことは不 利であるから、どうしても変圧器結合にしなければな らない。ところがバリスタで平衡周波数を制御すると Fig.8に示すように周波数範囲が非常に広くなるの で変圧器も非常に広帯域のものにしなければならない ので注意を要する。F三9.6は直流電源を完全に絶縁 し、しやへいしてその外側を接地すれば電源の大地に 対する静電容量はICと並列になるので、その分だけ 調整すればよい。Fig.7は上と同様の方法を講ずれ ば入力側か出力側の大地アドミタンスが増加するが平 衡条件には関係しない。感度が多少悪くなつてもよい ならばFig.7を採用するのがよい・  またFig.6、 Fig.7ではCoなるバイパスコンデ ンサでバリスタを2個並列に接続して使つてある。こ れは直流の制御電流は全バリスタを直列に流れ、総べ ’0,000  f。 t,OOO tc p s} too i8。, o,1

  1

Fig.    ’ 〔mA〕 8 lo δ3 てのバリスタに同一電流が流れるようにし、交流に対 してはバリスタが並列に動作するようにする為であ る。またこのように並列にして使用すると、並列にな つている2個のバリスタを流れる直流電流は一方が交 流電流と同一方向ならば他方が反対方向になるので、 バリスタの非直線性も減少する利点がある。  前記のバリスタを使い、C=O.0548 PtF, 1=12.0、 Co =4μFとして実験した一例を示したのがFig.8で ある。平衡周波数が広範囲に変化していることがわか る。  Fig.4においてコンデンサとバリスタを置換すると Fig.9になる。この回路の平衡条件は1、 M・nの間 に次の条件が成立するようにしなければならない。 Fig. 9 別nζ   8tn 3 n 2十8〃m 2 n(1十2)十2m(12十2力z十42十2n十4)   +2(1+2)(1+1)−ln=0…・…………・…・…(11) 平衡周波数の角速度は  ω・2−一百扉“+..,。口2)+2(z工丁ア}”<12) 具体的な例をあげるならば、もしm=0としバリスタ が純抵抗だけであるとすれば、 1 =1のとき η=12 ω02=3/C2R2 Z弍2のとき n= 12 ω02=2/C2R2 /  ・■■・一・・・・・・・・・・・・・・・… (13)

J

/…__…..…(、4) ∫ これらの結果は文献(1)に一致している。  7〃が0.Ol程度では平衡条件にはあまり影響がない が、tが1のときはn7が0.097、また1が2のときは mが0.125以上になると(11)式の条件が成立しなく なつてしまう。したがつて利用できるのはinがこれよ り小さい範囲であるから、Fig.4よりも狭いことが わかる。  またこの回踏は抵抗を変化する為の直流電流の流し 方は次の並列T形と同様にしなければならないので不 利な点が多い。

(4)

昭和35年12月

山梨大学工学部研究報告

第11号

4並列T形回路

 普通の並列T形回路の抵抗素子として特別構造のバ リスタを使つて平衡周波数を変化した研究がある(3)。 これはバリスタを4端子にし、交流抵抗を変化しよう とする交流用の2端子に対して、これと直角方向から かなり離れた処に直流用の2端子を置き、後者に比較 的高い直流電圧を印加して交流端子の抵抗を変化しよ うとしたものである。直流端子を離した理由は交流端 子と直流端子との間の抵抗を極めて大きくし、直流の 制御回路の抵抗が交流回路のインピーダンスにほとん ど影響を及ぼさないようにする為である。したがつて 直流端子間の抵抗もはなはだしく大きくなるので、直 流の制御電圧も高くしなければならない。なおこの論 文ではバリスタの静電容量については考慮していな い。実験結果は平衡周波数が広範囲に変化している。  筆者等は普通の2端子バリスタを使つたものについ て計算してみた。バリスタの並列静電容量を考えて等 価回路を示したのがFig.10である。前と同様に1、 m、nを使つて示してあるが、これら3者の間には次 尺 ぼ 間c

mC

c  斥

@ 万

mn乙    c

Fig. 10 の関係が成立するように定数を選ばなければならな い。     8m3n2十16m2n十4m(n十2)     十4−ln=0    「 ・一・・・・・・・・・・・・・・・・・・… (15) 平衡周波数の角速度をωoとすれば     …−R・C・(3㌫、沈+2)………(・6)  もしm=Oならば、バリスタの部分は純抵抗とな り、平衡条件は     :二:2/R,C,1 )……一・………(・7) これは普通の並列T型回路の平衡条件である。mが0 に近いならば平衡条件はm=0のときにほ黛等しい が、mが少し大きくなるとその影響が大きくなる。実 用になるのはm=O.1程度までx“あろう。  この回路のバリスタに直流電流を流して抵抗を制御 する為にはFig.11のようにしなければならない。そ うするとFig.5と同様に入力側にも出力側にも広帯 域の変圧器を使用しなければならないので不便であ る。

5結

言 Fig. 11 P.c−一

 以上の結果からみて直流電流でバリスタの交流抵抗 を広範囲に変化することによりT形回路の平衡周波数 が広く変化することがわかつた。この回路を可変の低 周波発振器や可変の単一周波数増巾器に応用すれば広 範囲のものを作ることができる。しかしバリスタの並 列静電容量はきまつており、また実用限界はm=O.1 程度までX“あるから、これらのことから実用になる周 波数の限界が大体定まつてしまう。なおバリスタの抵 抗の温度係数についてはまだ詳しい実験をしていない ので、正確なことはいえないがその影響はあまり目立 たなかつた。製作所の型録によればこの温度係数は 10−3程度とあるから、使用目的によつてはあまり心配 しないでよい場合があるであろう。 文 献 (1) 寓   塚:電気四学会連合大会 昭和33年       5月 (2) 富塚、志村:  〃  〃    昭和35年       7月 (3) 田中、岡田、小島;通信学会全国大会       目召禾日34ftF.

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