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理学療法科学 25(2): ,2010 原著 ハンドヘルドダイナモメーターを使用した体幹固定筋力を反映する股関節周囲筋力測定の信頼性 Reliability of Measurement of Maximum Voluntary Isometric Contractions of Hip

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Academic year: 2021

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ハンドヘルドダイナモメーターを使用した体幹固定

筋力を反映する股関節周囲筋力測定の信頼性

Reliability of Measurement of Maximum Voluntary Isometric Contractions of Hip Muscles

with Strength of Trunk Fixation by a Hand-Held Dynamometrer

神谷 晃央

1)

  名越 央樹

2)

  竹井 仁

3)

AKIO KAMIYA, RPT1), HIROKI NAGOYA, RPT2), HITOSHI TAKEI, RPT, PhD3),

1) Department of Physical Therapy, Faculty of Health Sciences, Kinjo University: 1200 Kasama-machi, Hakusan-sity, Ishikawa

924-8511, Japan. TEL +81 76-276-4400

2) St. Luke’s International Hospital

3) Graduate School of Human Health Science, Tokyo Metropolitan University

Rigakuryoho Kagaku 25(2): 193–197, 2010. Submitted Sep. 3, 2009. Accepted Oct. 14, 2009.

ABSTRACT: [Purpose] The purpose of this study was to verify the reliability of measurement of maximum voluntary

isometric contractions of the hip muscles with strength of trunk fixation by a hand-held dynamometry. [Subjects] In this study, 10 healthy subjects (10 men: age range, 19–23 y, 20 lower extremities) participated after giving their informed consent. [Methods] Measures of peak isometric strength were obtained for hip muscles by 2 investigators by using the original anchoring station and fixation by the subjects. To maintain a measurement posture, we instructed to subjects by oral. Intra-class correlation coefficients (ICC) were used to determine reliability. [Results] Intra-rater ICC (1, 1) were 0.76 (hip flexors), 0.92 (hip extensors), 0.90 (hip abductors), 0.96 (hip adductors), 0.81 (hip external rotators), 0.88 (hip internal rotators). Inter-rater ICC (2, 1) were 0.88 (hip flexors), 0.93 (hip extensors), 0.90 (hip abductors), 0.97 (hip adductors), 0.76 (hip external rotators), 0.86 (hip internal rotators). [Conclusion] These results show that this study protocol can be performed clinically with good to excellent reliability.

Key words: hand held dynamometer, muscle strength, intraclass correlation coefficient

要旨:〔目的〕股関節周囲筋力を徒手筋力計(Hand Held Dynamometer;以下HHD)を用いて測定する方法は被験者 の身体をベルト固定する手法や,自身の四肢を用いて固定する手法などがあるが,固定手法や固定力によって筋出 力は変化する。そこでこれら固定方法を用いることなく自身の体幹固定筋力を反映した機能的な股関節周囲筋力測 定法の信頼性を検討した。〔対象〕同意を得た健常男性20 脚とした。〔方法〕HHD の固定に検者が関与しないこと, 自身の四肢を用いない状況にて測定姿勢を保持することという2 点を厳守した場合の股関節屈曲・伸展・外転・内 転・外旋・内旋筋力を測定した。統計処理は検者内・検者間信頼性を級内相関係数にて算出した。〔結果〕級内相 関係数(検者内/ 検者間)は,股関節屈曲0.76/0.88・伸展0.92/0.93・外転0.90/0.90・内転0.96/0.97・外旋0.81/0.76・内 旋0.88/0.86 となった。〔結語〕本法は高い信頼性が示され臨床的に有用な筋力測定手法となりうる。 キーワード:ハンドヘルドダイナモメーター,筋力,級内相関係数 1) 金城大学 医療健康学部理学療法学科:石川県白山市笠間町1200(〒924-8511) TEL 076-276-4400 2) 聖路加国際病院 リハビリテーション科 3) 首都大学東京 人間健康科学研究科 受付日 2009年9月3日  受理日 2009年10月14日

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I. はじめに 理学療法士による股関節周囲の筋力評価は臨床にお いて頻繁に行われている評価である。なかでも大腿骨 頸部骨折後や関節リウマチおよび変形性関節症による 人工股関節置換術後の症例において,股関節周囲の筋 力低下は臨床上多くみられ,術後の理学療法が再開さ れるとほとんどの症例で筋力増強運動が処方される1) そのため,股関節周囲筋力評価の信頼性を高く測定す ることは非常に有益な評価となる。 臨床現場での筋力測定には,徒手筋力検査(Manual Muscle Testing;以下MMT)が主に用いられている。し かしながら,北川ら2)MMT3+以上のグレードでは, 筋力は検者の主観によって判断されており,検査結果 がどの程度筋力低下を意味するかについては判定でき ないため,筋力測定器による客観的な筋力評価を併用 することが望ましいとしている。ハンドヘルドダイナ モメーター(Hand Held Dynamometer;以下 HHD)を用 いた臨床的な研究4-8)は散見されるものの,HHD や等速 運動器等の筋力測定器が利用されるリハビリテーショ ン現場は少ない8)との報告もあり,客観的な筋力測定 を行った臨床データを報告することが望まれている。 HHD の再現性の検討に関する加藤・山崎らの報告9-14) では,センサー部分の徒手による固定とベルトによる固 定では,筋力が大きい場合には再現性が大きく異なると 報告し,再現性を高めるためにはベルトでセンサー部分 を固定する必要があることを明らかにしている。この手 法を用いた股関節周囲筋力測定の再現性を検討した先 行研究12-14)によると,股関節の全方向の運動において, それぞれ高い再現性が得られている。 しかし,上記の先行研究9-14)では上肢の支持による 体幹の固定を用いて測定している点において,上肢の 固定力によって結果が変化する可能性がある。また検 者がHHD を保持する点において,測定方法を正しく理 解できていない検者では再現性を低下させる要因とな る。 また,日常生活動作や歩行をする際,上肢や体幹の 支持(例:手すりや杖)がなければ安全に行えない症 例においては,支持がある状態での筋力測定よりも支 持がない状態での筋力測定の方が,より機能的な筋力 測定ができると考えている。つまり上肢による把持が ない(例:手すりやベッド縁を持たない),体幹の支持 がない(例:体幹をベルトで固定しない),さらに反対 側下肢による固定がない(例:反対側下肢をベッドに 押し付けて固定しない)状態にて,筋力測定を行う方 が日常生活動作や歩行能力に高く相関する筋力が測定 できると考えている。また,HHD の固定に検者が関与 しないことによって検者による押しつける力が加わら ないため,高い信頼性にて筋力測定を行える可能性が ある。 そこで今回,姿勢保持という機能を反映させた股関 節周囲筋力の機能的筋力測定として,上肢や体幹や下 肢による支持や固定をできるだけ排除し,またHHD の 固定には一切検者が関わらない測定法にて股関節屈曲・ 伸展・外転・内転・外旋・内旋の筋力を測定した。その 時 の 検 者 内 お よ び 検 者 間 信 頼 性 を 級 内 相 関 係 数 (Intraclass Correlation Coefficient;以下 ICC)を用いて検

討したので報告する。 II. 対象と方法 1. 対象 インフォームドコンセントの得られた整形外科疾患 の既往のない健常成人男性10 名であり,測定は左右の 股関節20 関節分を対象とした。平均年齢は22 歳(19–23 歳),平均身長173.2 ± 4.0 cm,平均体重 67.6 ± 5.4 kg で あった。なお,本研究は首都大学東京研究安全倫理委 員会の承認(承認番号07022)の下で実施した。 2. 方法 検者A は臨床経験7 年の理学療法士男性で,検者B は 理学療法養成校の4 年生男性であった。検者A・B は測 定に際して,測定方法を均一にするためランドマーク の取り方やセンサー取り付けの位置を統一し,十分に 練習を行った。検者A は被験者に対して筋力測定を1 日 以上空けて2 回測定した。さらに,検者 B は 1 回の測定 を検者A の測定と同日に行い,被験者が疲労を感じた 場合においては主観的に回復するまで十分な休息を与 えた。なお,検者A・B の測定順序はランダムとした。 HHD には徒手筋力測定器 μTas MT-1(アニマ社製)を 用い,筋力値は最大随意収縮を5 秒間持続させた時の 最大筋力を代表値とした。各測定は2 施行し,2 回の平 均を測定値とした。股関節屈曲・伸展・外転・内転時 のHHD の固定位置は,大腿長の 1/3 遠位に中心部が来 るようにした。また,股関節外旋・内旋においては,下 腿長の1/3 遠位に中心部が来るように配置した。以下に 各筋力測定の詳細を記述する。 股関節屈曲では治療台の上に厚さ3 cm の木材(長さ 90 cm ×幅 60 cm,臀部の痛み防止のため厚さ 0.5 cm の スポンジを貼り付けたもの,重さ約6 kg)を配置し,非

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伸縮性のベルトを左右それぞれ取り付け,ベルトと大 腿部の間にHHD をマジックテープで固定した。測定姿 勢は座位にて骨盤中間位とし,両腕を組み,股関節・ 膝関節は屈曲90 度とした。視診にてすぐにわかる 5 度 程度の体幹の伸展及び側屈の代償が生じた場合には測 定を中止した。また反対側膝の屈曲による固定(ハム ストリングスの作用によるもの)は視診および同筋の 触察により排除した。 股関節伸展では,治療台の上に厚さ3 cm の木材(股 関節屈曲と同じもの)を配置し,その木材に非伸縮性 のベルトを取り付けてHHDをマジックテープにて固定 した。測定姿勢は腹臥位とし,両手は体の横に力を入 れないように置き,膝屈曲90 度にて股関節伸展を行っ た。なお,頭部は安楽な位置とした。体幹回旋の代償 および反対側下肢の屈曲を視診と触診にて排除した。 事前の練習時には反対側大腿部に検者の手を置き,反 対側の股関節屈曲による固定が起きていないことを確 認した。 股関節外転は,木材を加工してボックスを作成し, 一方を壁と接触させ,反対側にHHD をマジックテープ にて固定した。治療台上にて姿勢は背臥位として両手 を組み,股関節外転・内転・外旋・内旋は0 度とした。 体幹側屈や反対側股関節外転の代償を排除し,練習の 段階で反対側股関節に伸展の力が入らないことを手に よる触察で確認した。 股関節内転は,木材をコの字型に加工したボックス (縦25 cm ×奥25 cm ×横38 cm,重さ2 kg)を作成し,一 方を壁と接触させ,反対側にHHD をマジックテープに て固定した。測定姿勢は股関節外転時と同じとした。 体幹側屈や反対側股関節内転の代償を排除し,練習の 段階で反対側股関節に伸展の力が入らないことを確認 した。 股関節外旋は,木材をコの字型に加工した同じボッ クス(股関節内転と同じもの)を2 台重ねて使用し,一 方を壁と接触させ,反対側にHHD をマジックテープに て固定した。測定姿勢は座位で骨盤中間位とし,両腕 を組み,股関節・膝関節は屈曲90 度,外転・内転0 度と した。視診で明らかにわかる5 度程度の体幹の側屈の 代償が出ない姿勢で測定した。 股関節内旋は,股関節外旋と同様にHHD を固定し, 測定中は体幹の側屈の代償を排除した。上記測定は, 被験者に十分理解させ,練習させた上で測定を行い, 姿勢を崩した場合には再度測定を行った。 各測定中は,対象となる主動作筋に力を入れるよう に意識を集中させるとともに,上述の測定姿勢を乱さ ないように指示を与えた。 解析は,検者A が行った2 回の測定においてICC(1,1) および(1,2)を算出し,検者内信頼性を検討した。ま た,検者A と検者 B が行った 2 回の測定において ICC (2,1)および(2,2)を算出し,検者間信頼性を検討し た。ICC は単一測定と2 回測定した場合の値をそれぞれ 算出した。これは単一測定で十分高い信頼性が得られ るものか,2 回測定を行った場合の方が明らかに高い信 頼性が得られるため2 回測定したほうが良いかどうか を判断するために測定した。さらに,検者A が行った1 回目と2 回目の測定間における相関係数と,検者A と検 者Bが行った測定間における相関係数も合せて算出し, 検討した。これら統計処理にはSPSS15.0J を使用した。 III. 結 果 ICC および95%信頼区間を表1 に示す。検者内信頼性 を示すICC(1,1)については,股関節屈曲0.76・股関節 伸展0.92・股関節外転 0.90・股関節内転 0.96・股関節外 旋0.81・股関節内旋の0.88 であった。検者間信頼性を示 すICC(2,1)については,股関節屈曲0.88,股関節伸展 0.93,股関節外転0.90,股関節内転0.97,股関節外旋0.76, 股関節内旋0.86 であった。 表1 股関節周囲筋力測定のICCおよび95%信頼区間 検者内信頼性 検者間信頼性

ICC(1,1) ICC(1,2) ICC(2,1) ICC(2,2) 股関節屈曲 0.76(0.50–0.90) 0.87(0.66–0.95) 0.88(0.73–0.95) 0.94(0.84–0.98) 股関節伸展 0.92(0.81–0.97) 0.96(0.90–0.98) 0.93(0.84–0.97) 0.97(0.91–0.99) 股関節外転 0.90(0.77–0.96) 0.95(0.87–0.98) 0.90(0.76–0.96) 0.95(0.87–0.98) 股関節内転 0.96(0.91–0.99) 0.98(0.95–0.99) 0.97(0.92–0.99) 0.98(0.96–0.99) 股関節外旋 0.81(0.59–0.92) 0.90(0.74–0.96) 0.76(0.49–0.90) 0.87(0.65–0.95) 股関節内旋 0.87(0.70–0.94) 0.93(0.82–0.97) 0.86(0.69–0.94) 0.93(0.81–0.97)

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また,検者内における1 回目と2 回目の筋力値の相関 係数は,股関節屈曲0.77,股関節伸展0.92,股関節外転 0.91,股関節内転0.97,股関節外旋0.82,股関節内旋0.88 であった。検者間における筋力値の相関係数は,股関 節屈曲0.89,股関節伸展 0.93,股関節外転 0.93,股関節 内転0.97,股関節外旋0.75,股関節内旋0.88 であった。 IV. 考 察 先行研究12-14)において上肢等で固定を行った状態で の股関節周囲筋力をハンドヘルドダイナモメーターで 測定したICC では股関節屈曲0.98,伸展0.97,外転0.89, 内転0.98,外旋 0.97,内旋 0.99 であった。また,我々の 研究と近い症例数(男性10 名・女性 5 名)で行われた Scott らの研究15)では,ベッドにセッティングできる固 定装置を用いてHHD による信頼性を検討したところ, 検者内におけるICCの信頼区間は,検者Aにおいて0.59– 0.89,検者 B において 0.79–0.89(各筋群合せた平均の ICC)であり,一方,検者間におけるICC の信頼区間は 股関節屈曲0.84–0.92,外転 0.69–0.88,伸展 0.56–0.80 で あったと報告している。これらの先行研究と比較して 本測定方法のICC は高い値も低い値もある。しかし,今 回の測定手法は体幹固定筋力を反映した股関節周囲筋 力の測定値を行った時の結果であり,先行研究と単純 に比較することはできない。そこで,ICC の評価基準と して,0.6 以上は可,0.7 以上は良,0.8 以上は優16)とい う報告から判断すると,今回の測定においては,股関 節屈曲の検者内信頼性と,股関節外旋の検者間信頼性 では良,その他は優と判定される。 良と判断される股関節の屈曲ではベルトの動揺がセ ンサーの揺れにつながった可能性がある。センサーが 動かないように固定用の板をセンサー後方にとりつけ た方がより信頼性が高まった可能性がある。また,股 関節外旋においては内旋と比較してHHD固定分部と壁 との距離が長くなるため,センサーの位置が偏ると稀 に固定されたセンサーが傾くことが原因の一つと考え た。しかし,全般的には優れたICC であり,高い検者内 ならびに検者間信頼性が得られた。ICC(1,2)の方が (1,1)よりも明らかに高い数値となるために,筋力測定 においては2 回測定の平均値を用いることで信頼性が 高まることも示唆された。 今回の測定の要点としては体幹の固定筋力を股関節 筋力測定に反映させた点である。筋力測定を行う際に, 上肢でベッド縁に掴まる方法と,両手を組む方法と比 較すると,前者の方が筋力値は有意に増加17)するとい う報告がある。また,等速運動器によっても体幹ベル トを使用する場合と,しない場合では筋力値が異なる と報告されており,体幹ベルトを使用すると有意に筋 力値が増加することが報告18)されている。つまり固定 を行うことで対象となる筋力は発揮しやすくなるので ある。しかし,いくら対象筋の筋力が十分であっても 周囲のベルトや上肢等による固定がなければ力は発揮 できない。三秋ら19)は背筋群の筋力は股関節屈曲筋群 との相関があると報告しており,筋による姿勢保持力 が他の筋の筋力に影響する例を示した。今回の手法で は,手による支持や足による支持は一切行っていない ため,過去の測定手法と異なり,体幹固定筋力を反映 した股関節周囲筋力の測定を行える可能性がある点で 有用と考えている。 本測定法の利便性について,今回作成した自作の評 価機器は木材を加工して作成しており,材料費は1 万 円程度でDIY 店にて購入可能である。使用する工具は ノコギリとカンナや木工用ボンドなどの一般的な工具 で行える。また,今回用いたハンドヘルドダイナモメー ターは既製品であるため一定の精度が保証された筋力 測定器としてすぐに利用することができ,また最近で はハンドヘルドダイナモメーターの廉価版の製品があ るため以前よりも手に入りやすくなっている。ベッド と壁さえあれば測定は可能であり,車を使用すれば持 ち運びは比較的楽に行え,数名集まれば電車での持ち 運びも可能である。測定時間については,徒手による ハンドヘルドダイナモメーター使用時よりは多少時間 はかかるものの,等速性運動機器による筋力測定より は遥かに簡便に短時間で行え,固定者の固定力を気に せずに一定の信頼性を得た測定が行える。これらの理 由から,地域住民高齢者を対象とした機能的な股関節 周囲の筋力測定が行えるなどの応用も可能である。 今回の測定の注意点や限界としては,背臥位で測定 する股関節外転・内転の測定においては,身体とベッ ドとの間に摩擦が発生している。そのため,摩擦係数 が低い素材では身体が動いてしまうため,測定結果が 低値を示す可能性がある。よって,測定中に体が滑ら ないベッドにて行う必要があり,滑りやすいベッドの 場合は薄いスポンジを敷くなどの工夫が必要である。 また,今回の測定には固定をあえて行っていないため, 高い股関節筋力を有していても,姿勢保持のための体 幹や大腿部の固定筋力が弱ければ,測定値は低い値に 止まり,本来有している股関節筋力を評価できないこ とである。これについては,体幹も含めたベルト等に よる固定を用いた筋力評価法によって測定された筋力

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値を合わせて測定する等の工夫が必要である。また, 今後は筋電図を含めて実際に何筋が活動しているのか, さらに測定結果はどのような機能と相関するかという 妥当性についても検証していく必要がある。 引用文献 1) 松渕貴之,矢島幸昌:人工膝関節置換術前後の筋力推移.理 学療法学,2005, 32: 67. 2) 北川了三,山崎祐司,平木幸治・他:膝伸展筋力の徒手筋力 検査値と等尺性膝伸展筋力値の関連.高知県理学療法,2004, 11: 2-8. 3) 畑山 聡,加藤宗規,小山理惠子・他:等尺性膝伸展,股関 節外転筋力と高齢者の歩行能力との関係─ハンドヘルドダ イナモメーターを用いた検討─.理学療法学,2004, 31: 476. 4) 薩摩 博,福田寛二,寺田勝彦・他:人工股関節置換術にお ける股関節外転筋・内転筋力とトレンデレンブルグ徴候との 関係.リハビリテーション医学,1999, 36(4): 234-236. 5) Akio K: Hip abductor and adductor activity during

Duchenne-Trendelenburg gait in persons with osteoarthritic hip. Journal of the Tsuruma Health Science Society Kanazawa University, 2007,

31(1): 9-19.

6) Pua YH, Wrigley TV, Cowan SM, et al.: Intrarater test-retest reli-ability of hip range of motion and hip muscle strength measure-ments in persons with hip osteoarthritis. Arch Phys Med Rehabil, 2008, 89: 1146-1154.

7) Wang CY, Olson SL, Protas EJ, et al.: Test-retest strength reliabil-ity: Hand-held dynamometry in community dwelling elderly fall-ers. Arch Phys Med Rehabil, 2002, 83: 811-815.

8) 山崎裕司:機器による筋力測定.総合リハビリテーション, 2007, 35(7): 724-725. 9) 西上智彦,中尾聡志,榎 勇人・他:ハンドヘルドダイナモ メーターを用いた足関節底屈筋力の経日的再現性─筋力水 準の高い対象者への手法─.高知県理学療法,2006, 13: 39-42. 10) 平澤有里,長谷川輝美,松下和彦・他:健常者の等尺性膝伸 展筋力.PTジャーナル,2004, 38(4): 330-332. 11) 加藤宗規,山崎裕司:ハンドヘルドダイナモメーターによる 等尺性足底屈,背屈筋力の測定─固定用ベルトの使用が再現 性に与える影響─.理学療法進歩と展望,2006, 20: 56-60. 12) 加藤宗規,山崎裕司:ハンドヘルドダイナモメーターによる 等尺性股内転,内旋,外旋筋力の測定-固定用ベルトの使用 が再現性に与える影響.高知リハビリテーション学院紀要, 2005, 7: 11-17. 13) 加藤宗規,山崎裕司,中島活弥・他:ハンドヘルドダイナモ メーターによる等尺性股屈曲.伸展筋力の測定─固定用ベル トの使用が再現性に与える影響─.高知リハビリテーション 学院紀要,2004, 6: 7-13. 14) 加藤宗規,山崎裕司:ハンドヘルドダイナモメーターによる 等尺性股外転筋力の測定.理学療法学,2002, 29: 343. 15) Scott DA, Bond EQ, Sisto SA, et al.: The intra- and interrater

reli-ability of hip muscle strength assessments using a handheld versus a portable dynamometer anchoring station. Arch Phys Med Reha-bil, 2004, 85: 598-603. 16) 桑原洋一,斎藤俊弘,稲垣義明:検者内および検者間の Reliability(再現性,信頼性)の検討.呼吸と循環,1993, 41: 945-951. 17) 原田憲二,加藤宗規,中島活弥・他:ハンドヘルドダイナモ メーターによる等尺性膝伸展筋力の測定─座位姿勢が測定 値に及ぼす影響─.理学療法学,2003, 30: 363. 18) 村谷俊幸,茅野慎一:立位における等速性股関節筋力測定法 の固定法の違いによる信頼性および筋力の比較検討.日本私 立医科大学理学療法学会,2006, 24: 91-94. 19) 三秋泰一,岩佐太一:脊柱の安定性が股関節屈筋力に及ぼす 影響.石川県理学療法学雑誌,2007, 7(1) : 15-17.

参照

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