平成25年7月8日 石巻市議会議長 阿 部 欽一郎 殿 会 派 名 明心会 代表者名 髙 橋 栄 一 ㊞ 調 査 報 告 書 調査した概要は次のとおりであります。 記 1 調 査 者 氏 名 髙橋栄一、青山久栄、阿部政昭、首藤博敏 2 調 査 期 間 平成25年7月2日(火)から平成25年7月5日(金)まで 4日間 3 調 査 地 (1)北海道利尻富士町 及び調査内容 離島振興について (2)北海道稚内市 「環境都市・わっかない」について ~次世代エネルギー~ (3)北海道石狩市 観光施策について 4 調 査 目 的 (1)北海道利尻富士町 離島振興について 平成25年4月1日から新たな離島振興法が施行され、所要の改正と共 に有効期限が10年間(平成35年3月31日まで)延長された。今回の 改正では、ソフト事業支援施策の充実が図られ、ガソリン流通コスト対策 や妊婦通院・出産支援、高校生修学支援等が新たに盛り込まれている。 利尻礼文サロベツ国立公園という観光資源を有しながらも、人口の減少
と高齢化とともに観光客入込数の減少などの諸問題を抱えている利尻富 士町の離島振興に関する現状と取組みについて学び、今後の本市における 離島振興への政策提言の参考とすべく視察する。 (2)北海道稚内市 「環境都市・わっかない」について~次世代エネルギー~ 稚内市は、人と地球にやさしいまちを目指し、風力や太陽などの地球に やさしい自然エネルギーを活用した、人と自然が共生する地域社会の実現 に取り組んでいることから、この稚内市の取組みに学び、今後の本市にお ける環境にやさしい風力発電やメガソーラーなど自然エネルギーの活用 への政策提言の参考とすべく視察する。 (3)北海道石狩市 観光施策について 石狩市は札幌市のベッドタウンとして発展してきた。平成17年の1市 2村の合併により美しい自然や豊富な食材を獲得することとなったが、な かなか活かしきれていないという点において観光施策面で石巻市と類似 するとことがあると言える。石狩市では、日帰り観光を柱としながら、地 域の資源(宝)を再発見し磨くことで「魅力があり、観光で地域が潤うま ち」づくりを目指そうとしており、この取組みに学び、今後の本市におけ る観光振興への政策提言の参考とすべく視察する。
5 調 査 概 要 (1) 北海道利尻富士町-離島振興について 利尻富士町議会の長岡俊裕議長から歓迎の挨拶をいただくとともに、東日本大 震災において亡くなられた方々に対する弔意と被災者へのお見舞いを述べられ た。続いて、議長から利尻島の概要について説明を受けた。利尻島は昭和48年 に国定公園から全国で27番目の国立公園となった。利尻島の西側半分が利尻町、 東側半分が利尻富士町となっており、シンボルは利尻山である。北海道の銘菓「白 い恋人」のパッケージデザインは、利尻山である。利尻山の標高は1,721m。 利尻山に積もった雪が解け、地下水となり名水百選の一つである甘露泉として湧 き出て、それが海へ流れ込み、利尻昆布を育て、その利尻昆布を食べてバフンウ ニが育っている。利尻山は、利尻島民が生活する上で欠かせない山となっている などと述べられました。 続いて、工藤伸一議会事務局長より、利尻富士町の概要について説明を受けた。 平成25年6月1日現在の人口は2,822人、世帯数は1,369世帯。高齢 化率は35.1%。平成22年10月1日の国勢調査時は、人口は3,037人、 世帯数は1,353世帯であった。その当時の高齢化率は33.9%であった。 面積は105.66㎢、産業別就業人口については、第一次産業が491人、第 二次が307人、第三次が903人となっており、第三次産業就業人口が最も多 い。議員定数については9人で、すべて無所属となっている。議員報酬について は、北海道全体の144市町村の平均額が173千円に対し、165千円となっ ている。請願については、受理件数1件、採択1件となっている。一般質問者数 は平均で2人、常任委員会は、総務民教産建委員会を9人全員で構成、ほかに広 報広聴委員会が2人となっている。議会運営委員会の定数は5人。本会議の会期 については、3月定例会の開始から9月30日までの202日間となっている。 予算は本会議のみで審議し、決算は決算審査特別委員会に付託する。会議録は事 務局で1部のみ保管し、議員には配付しない。広報紙は年4回発行。事務局職員 は局長1名、主事1名の2名からなる。 引き続き事務局長より利尻富士町の離島振興計画について、説明を受けた。離 島振興計画については、都道府県において作成することとなっており、北海道離 島振興計画の中に利尻島(利尻富士町)地域振興計画が掲載されている。この地 域振興計画が、利尻富士町の離島振興計画ということになる。この離島振興計画 の基本的方針として、「地域差を活かして安心で快適な島づくり」を掲げている。 そして、5つの施策を柱として挙げている。1.豊かな自然と共生し活力ある産 業づくり、2.安全で安心して暮らせる快適な生活環境づくり、3.温もりと思 いやりのある健康とコミュニティづくり、4.明日を担う心豊かな人づくりと文
化を育む町づくり、5.住民参加と協働による活力あふれる地域づくりの以上5 つの柱である。さらに、分野別の対策としては、本土と離島及び離島間並びに離 島内の交通の確保、高度情報通信ネットワーク等の充実、産業の振興、雇用機会 の拡充、職業能力の開発その他の就業の促進、生活環境の整備、医療の確保等、 介護サービスの確保等、高齢者の福祉その他の福祉の増進、教育及び文化の振興、 観光の開発、国内および国外の地域との交流の促進、自然環境の保全及び再生、 再生可能エネルギーの利用その他のエネルギー対策、国土保全施設等の整備その 他の防災対策、離島の振興に寄与する人材の確保及び育成などを掲げている。 説明は以上で、質疑応答に入った。地域差を活かしたまちづくりとあるが、地 域差を活かすとはどういうことかの質問に対して、本土と比べて不利な条件と考 えられるものを逆に活かすという意味で、例えば燃料代が高いという不利な条件 を活かすという意味だが、具体的に何をするのかと問われても即答できないとこ ろがあると回答があった。議長から、燃料代を含め物価が本土と比べて高いが、 そういう格差を感じさせないことが求められている。少しずつではあるが、格差 が縮まってきている。しかしながら、水産業も観光も1年中やれるわけではなく、 10月になると終わり、4月まで仕事が無くなってしまう。難しいことだが、冬 場に何かできる仕事を見つけるということが大きな課題であると、補足があった。 物価が高いということだが、どれくらい違うのかの質問に対し、例えば、フェリ ーで12トン車1台の運賃が5万円くらいする。ガソリン代は、1リットル当た り国から15円の補助があるが、それを差し引いても170円する。漁師も燃料 代が嵩むので沖に出るのを控えるようになってきている。高齢化率も年々高くな っているが、唯一の救いは毎年2、3人くらいの若者が漁師道に参入してきてい る。が、漁師には農業と違って補助金があまりない。3年ぐらいの収入補償が欲 しいところである。町では新しく漁業に参入してきた人には磯船(1隻30万円) と船外機を無償提供しているなどと回答があった。年の半分は仕事ができないと いうことだが、観光産業として成り立っているのかの質問に対して、利尻富士観 光ホテルの例を挙げ、営業は3月から10月までで、あとはホテルを閉めてしま う。暖房費がかかるので、採算を考えた場合そうならざるを得ない。小さな宿で は、引き続き営業するところもあるが、観光客目当てではない。おおむね夏場の 蓄えで冬場を過ごすことになるなどと回答があった。漁師が店を経営したり、加 工販売をしたりする例はないのかの質問に対して、養殖昆布をやっている漁師で は、販売も行っているケースがあるが、ウニでは全量漁協出荷となる。漁師にそ の辺のチャレンジを進めてはいるが二の足を踏んでいるのが現状であると回答 があった。宮城県漁協の場合も同様であるが、「三陸わかめ」のケースは実は漁 師個人が物産展等で頑張ったおかげで、個人がインターネット等を利用して独自 に販売する試みは重要だとの指摘に対し、議長から大いに賛同する旨の考えの表
明があった。島の電力の供給はどうなっているのかの質問に対し、北海道電力が 独自に利尻島において水力発電と火力発電により供給している。もちろん光ファ イバー網も整備されている。防災無線網も島内全戸に整備されていると回答があ った。利尻高校には100人くらいの生徒がいると聞いたが、1学年にして30 人くらいの卒業生のうち島に残るのは何人くらいかとの質問に対し、10人くら いしか残らない。島には水産業以外の仕事といえば、役場、漁協くらいであると 回答があった。病院についてはどうかの質問に対して、島内には診療所が二つ、 病院が一つあり、緊急時には警察や自衛隊にドクターヘリの派遣を要請すると回 答があった。その他にも、例えば利尻空港から札幌までの飛行機運賃について、 通常片道23,000円するのを、町が補助金を出して14,300円にしてい ると補足説明があった。観光客入込数について質問したところ、10年前に27 万人あったが、現在は15万人に減っていると回答があった。「北のカナリア」 という映画のロケ地になったことから増えつつある旨の補足説明があった。海上 交通について、ハートランドフェリーが担っているようだが、黒字なのかどうか の質問に対し、少なくとも利尻島と稚内間の運行については黒字だが、観光客入 込数の減少に伴い、船の数と便数をそれぞれ一つずつ減らして対応している旨回 答があった。島民に対しては、道と町で片道400円の補助があるほか、フェリ ーが欠航することもほとんどなく、コンビニあり、新聞も毎日配達されるし、離 島とはいえ余り不便を感じなくなっており、北海道離島振興協議会や離島振興議 会議長会など連携して離島振興に当たっている旨補足説明があった。
(2)北海道稚内市-「環境都市・わっかない」について~次世代エネルギー~ 稚内市議会事務局繁宮真由書記の随行で稚内市次世代エネルギーパークを視 察した。稚内市政策調整部環境エネルギー課長から稚内市の風力発電とメガソー ラーの取組みについて概要説明を受けた。稚内市のまちづくりの取組みとして、 秘境、国境、環境をキーワードにして進めている。秘境では利尻礼文サロベツ国 立公園、利尻富士の景観、手つかずの自然があり、映画でも吉永小百合主演の「北 のカナリア」で利尻礼文を含め稚内市が舞台となっている。国境に関しては、宗 谷岬から最短で43kmの距離にサハリンがあり、稚内市事務所をサハリンに置 いて市職員を常駐させている。また、夏場、サハリンまでの片道5時間半の定期 航路が開設されており、ビジネスや行政の交流が展開されている。北海道の北部 の市町村が一体となって、今年初めてサハリンで物産展を開く計画をしており、 経済交流・国際交流の契機としたい。本日のテーマである環境施策については、 風力発電については、平成7年度にNEDOのフィールドテストに応募し採択さ れたのが最初である。実は、風力発電に取り組む前に、同じくNEDOの太陽光 発電に応募したが、稚内市は太陽光発電には不向きということで却下された経緯 がある。風力発電についての風況調査を平成7~8年度に行い、平成10年10 月に稚内公園に225kWのデンマーク製風車が1基完成した。時期を同じくし て民間企業による風力発電施設の建設が進み、平成10年2月に400kW2基 が完成しているが、市民の間からは、風車が立つことによって景観が損なわれる のではないか、渡り鳥が風車にぶつかるのではないか、それから騒音が心配され るのではないかなど意見が相次いで、あまり市民の賛成が得られなかった。アン ケート調査を実施したところ、風車を立てて欲しくない場所があることが分かり、 市では風力発電のガイドラインを作って、市の考え方を示し、今日に至っている。 今現在、74基76,000kWの発電規模を有しており、ほとんどが民間の売 電目的のもので、稚内市の年間の必要電力量の85%を賄える規模となっている。 まだまだ風力発電施設を建設したいという業者があるが、稚内市は人口37,0 00人の町で、漁業、酪農、観光以外になく電力の需要が見込めない上に、北海 道電力の送電設備が脆弱(100kV)であるため、これ以上は増やせない状況 となっている。北海道全体でも受け入れる容量は限界に達している。それでも、 昨年、北海道電力の風力発電の枠を3万kWほど広げていただき、これが完成す れば10万kWを超える発電規模となる。風力発電は不安定だという問題点もあ るが、完成すれば稚内市の電力は100%自然エネルギーで賄われるということ になる。メガソーラーについても、固定価格買取制度が施行され、北海道は土地 が広くて安いということで、ソフトバンクをはじめ事業者が意欲を示しているが、 北海道電力の方で無理だということで、計画が行き詰っているのが現状である。 国の方でも北海道の脆弱な送電設備を補強するため風力発電専用の送電線を2
50億円を投じて建設する計画が進行中で、将来、稚内エリアだけで100万k Wの風力発電が可能になる。泊原発1号機から3号機併せて200万kWの発電 規模であることを考えれば、相当の発電能力と言える。風車は74基のうち57 基が国産(三菱重工業製)で安定しており故障が少ない、一方、デンマーク製の 風車は故障が多くメンテナンスにも時間がかかるという問題がある。稚内公園の デンマーク製風車は故障して1年になるがまだ復旧していない。その他、稚内市 水道部にも風力発電施設を設置しており、揚水ポンプと浄水場の電力をまかなっ ているが、稚内市の水はクリーンなエネルギーで作られている上、固定価格買取 制度のおかげで、事業収支も好転している。メガソーラーの方も、売電収入は4 千万円から1億4千万円に跳ね上がっている。もっとも、メンテナンスに年間3 ~4千万円かかり、更新にも備えておく必要がある。パネル自体はメンテナンス フリーと言われているが、架台や変電設備の耐用年数が短い。稚内メガソーラー 発電所は自治体初の取組みで、5,020kWの発電規模、敷地面積は14ha (東京ドーム3個分)。市は土地のみを無償供与した。太陽光パネルの実証試験 として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物系、 結晶薄膜系の5種類が使われているが、コストの面で多結晶シリコンが最も多く 使用されている。当初、実証プラントを30数億円で市に譲渡したいと持ち掛け られたが、到底受けられないと伝えたところ、無償で譲渡いただけることになっ た。発電した電力は、近くの道立公園と市営球場に供給している。残った電気は 北海道電力に売電しているが、全体の8割程度になっている。併せて、NAS蓄 電池システム(500kw-7.2h1基、1000kw-7.2h1基、事業費7億円) を導入しており、球場のナイターに供給している。稚内市の日照時間は、年間平 均1,500時間で、全国平均1,900時間と比べてるとかなり低いと言える。 ただ、気温が低い方が太陽電池の発電効率が良いということは言われている。面 白いことに、3月、4月に残雪があるが、その反射光のおかげで発電効率が上が っているという結果が出ている。そのため、現在、カキ殻を地面に敷き詰めて反 射光を増大させる試みを行っている。雑草防止にも役立っている。また、北海道 は梅雨がないので、それも幸いしている。元々、ここが実証実験の場所として選 ばれたのは、日本で最も条件が厳しい所ということであったが、それほど悪くは ない結果となっている。
続いて、㈱ユーラスエナジー宗谷が事業実施主体となって建設した宗谷岬ウィ ンドファームを視察した。宗谷岬ウィンドファームは、平成17年11月に完成 したが、1,000kWの風車が57基設置あり、すべて三菱重工業㈱製で、総 事業費はおよそ120億円(うち40億円が国からの補助金)。年間発電量は、 稚内市の全消費電力の約7割を賄える。一般家庭約48,000世帯分の消費電 力に相当する。発電した電力は北海道電力の変電設備を通じてすべて売電してい る。平成38年までの売買契約を締結している。二酸化炭素の排出量については、 火力、原子力の平均排出量から換算して年間56,000tの削減に寄与してい る。宗谷岬ウィンドファームの風車は、宗谷岬から南の方に2kmの付近に、東 西4.3km、南北に3kmのエリアに57基が配置されている。風車で発電さ れた電気は、風車内の変圧器で22kVに昇圧され、ファームの真ん中あたりに すべての風車の発電した電気を集め(それぞれの風車から自社変電所までの地下 埋設送電線の総延長は19km)、自社変電所で22kVから100kVに昇圧 し、この変電所から自社の地下埋設送電線で21km先の北海道電力の変電所ま で送電している。風車の塔の高さは68m、羽の長さは1枚30mで、一番高い ところで98mになる。風車1基の出力が1,000kWであるが、発電開始風 速が毎秒2.5mで、羽根が付いているナセルという部分に風向風速計が付いて いて、10秒間ごとの風向と風速を計算し、コンピュータで制御している。風速 が毎秒2.5mになった時点で一番風を受ける方向に羽根を向け、ピッチ(角度) も最適に風を受けるよう調整して発電し始める。定格風速(最大出力の1000 kWの発電ができる風速)が毎秒12.5mとなっている。風が強くなりすぎる と、風車に負荷がかかりすぎるので、毎秒25m(発電停止風速)になると、風 の方向に垂直に羽を向け風車は停止する。稚内は風の強いところで、特に、冬季 はコンスタントに西風が吹く。夏場は風が弱いが、稚内は日本でも有数の風力発 電に適したところと言える。風車用地は必要最小限の面積を、牧場と国有林から 借地で対応している。風車の耐用年数は設計上20年とされているが、メンテナ ンス次第で30年近く使用できるようである。メンテナンスは1年に3回行うが、 風車の耐用年数はメンテナンス次第である。また、風の乱流が風車の寿命を縮め るので、風車建設に当たっては、事業着手前の風況調査が重要である。今後の事 業展開として、石巻風力発電事業を計画しており、発電所名は(仮称)ユーラス 石巻ウィンドファームとし、定格出力2,000~2,500kWの風力発電機 を8基、総出力16,000~20,000kWを想定している。風車の概要は、 羽根の長さが40~47m、塔の高さが75~80m、風車の一番高いところで 120~130mくらいになる。発電した電気は、固定価格買取制度によりすべ て東北電力㈱に販売する計画である。事業期間は20年間を予定(期間延長の可 能性あり)。風車設置場所は、石巻市北境字蒜沢の山中を予定。
(3)北海道石狩市-観光施策について 石狩市議会事務局松本博事務局次長から、歓迎のあいさつの後、石狩市の概要 説明を受けた。石狩市の気候は、冬は日本海からの風が強く、降雪量は一冬60 0cm、常に雪が120cmほど積もっている状態が続く。降雪10cmで除雪 車が出動し、例年除雪費として6億円かかっている。石狩市の人口が約6万人な ので、一人当たり除雪に1万円負担していることになる。市の産業としては、1 次産業の農業と漁業のまちだったが、昭和40年代から札幌市のベッドタウンと して宅地造成が始まり、人口が急激に増加してきた。昭和40年代に国策として 石狩湾新港が整備され、北海道、小樽市と石狩市で管理組合を作って港の整備を 行ってきた。平成8年9月に町から市に昇格し、北海道内で14番目の市となっ た。また、平成17年10月に1市2村が合併したが、人口は5千人ほど増え、 面積は117㎢から721㎢へと約6倍に増加した。議員数については、在任特 例を利用し、平成19年の改選期まで48名で議会運営を行った。現在の議員定 数は22名である。議会改革については、議員定数削減のほか、代表質問の廃止、 1問1党方式の導入、議会報告会の開催などに取り組んでいる。 続いて、企画経済部商工労働観光課の加藤純主査から石狩市の観光施策につい て説明があった。石狩の町は石狩川を遡上する鮭が獲れるまちとして江戸時代か ら栄えてきた。現在、石狩鍋という郷土料理があるが、それも元々は地元でとれ る鮭を使って漁師が賄料理として食べていたもの。地元には鮭を活かしたイベン トとして、昭和31年から石狩鮭まつりが開催されている。今年第50回の記念 の年となっている。夏場は、石狩浜ほか4か所の海水浴場が海水浴客で賑わう。 海水浴客の年間入込数は20万人程となっており、小樽市の海水浴場と道内1位 を争っている。石狩市は、夏は海水浴客、秋は鮭まつりというこが観光の柱とな っていた。近年、レジャーの多様化から海水浴客の減少がみられ、従来型の観光 から脱却しようという動きが出てきている。平成17年の合併を機に、今までな かった水産物や農産物が石狩市の食資源に加わったこともあり、これらを活かし 新たな観光施策を展開しようということになってきた。具体的には6つの重点的 プロジェクトがあるが、中でも「石狩鍋復活プロジェクト」に最も力を注いでい る。江戸時代から漁師の賄料理として食されてきた石狩鍋ではあるが、この料理 を出す店が年々減ってきており、平成19年3月の石狩市観光振興計画策定時で 市内には石狩鍋を出す店が2店舗しかなくなってしまった。これについては石狩 川の鮭の不漁が大きく影響していると見られているが、地引網漁がすたれたこと による観光客の減少も原因として考えられている(現在は、定置網漁)。そこで、 石狩市に来れば石狩鍋をもっと食べられるように店を増やそうということにな った。お寿司屋さんや居酒屋にお願いをして、市内の飲食店の集まりとして「秋 味の会」を結成し、石狩鍋の普及に尽力していただいている。その取り組みの一
つとして、札幌雪まつりで、自衛隊員が雪像を作るが、「秋味の会」が主体とな って、従事する自衛隊員に石狩鍋を提供するということをしている。その他にも 市内の小中学生に郷土料理を広めるということで、石狩鍋の作り方を教え、実際 に食べていただくことをしている。現在では、13店舗で石狩鍋が提供できるよ うになっている。当然、色々と課題もある。地元の人が石狩鍋を食べる習慣があ まりないとか、北海道では秋に鮭を食べるのは当たり前すぎて有難味を感じない とか、地元に根付かないところがある。実際、道内の人間よりも道外(特に首都 圏)の人間の方が石狩鍋に対する関心がずっと高い。石狩鍋の提供期間について は、鮭漁は9月から10月までの1か月半程度であるが、鮭を冷凍保存し、年中 石狩鍋を提供することは可能であるものの、通年提供ということも一つの課題と なっている。春には、希少なサクラマスを鮭の代わりに使う店もあるが、鮭漁の 時期にしか提供しない店もある。去年からの企画として、ツアーバスと提携して ホテル宿泊者に鮭の水揚げ見学コースを組み入れた中で、朝食としてチャンチャ ン焼きと石狩鍋をセットで提供するという取組みを行っている(使う野菜はいず れも水分が少ないキャベツ)。昨年は農水省の補助事業を活用して無料で実施し たが、今年は料金を取って行っている。石狩鍋普及に関して、今年、50回記念 の鮭まつりということもあって、鮭太郎と鮭子をゆるキャラとして、鍋食え号で 9月末まで道内を回ってPRする。9月の28日(土)、29日(日)(鮭の収 穫量が減っているため、1週間遅らせた)の二日間にわたって開催される第50 回鮭まつりでは、主なイベントとして、朝とれた鮭の直売、抽選による鮭のつか み取り、石狩鍋の提供などが行われる。石狩鍋のほかには鮭節(産卵後の鮭が向 いている)もあるが、「いしかり丼」や「いしかりバーガー」は1市2村(旧厚 田村・旧浜益村)の合併により豊富となった食材を使った新たな名物として開発 され、PRに力を入れている。食材のほかにも、「いしかり浜サンドパーク」が 今年3回目ということで開催されており、プロのアーティストによる巨大砂像作 品が展示されている。砂像を作るには、砂は細かすぎず荒すぎずが良いとのこと。 海水浴場の集客増に期待が持たれている。その他に、ニシンが一時期獲れなくな ったが、最近回復して獲れるようになってきた。ハタハタも漁期は短いが収獲さ れる。果樹も旧村の産物としてサクランボが以前から収穫されている。以上の通 り、石狩市の観光は、日帰り観光が主で、宿泊先は札幌市がほとんどとなってい る。もちろん石狩市内には宿泊施設がほとんどない。それは小樽市についても同 様で、札幌市が近すぎるため宿泊は札幌市内ということになる。 続いて、石狩市民図書館を視察した。同図書館寺尾主査から図書館の概要につ いて現場を見学しながら説明を受けた。同図書館は市政施行記念事業として平成 12年にオープンした。本図書館建設に当たっては、こだわりがあって、それは 図書館の中にまちを作るというコンセプトで、すなわち図書館の中で色々なこと
ができるようにし、1日中でも過ごすことができるような図書館にしたいという ことで、野菜や加工品等の地場産品の直売スペースを併設した食事もできる喫茶 コーナーに、ゆったりとした閲覧スペースで飲食も自由にできる、さらに野外ス テージなども備えている。本図書館の他にはない大きな特徴として、貸出冊数の 制限を設けていないということで、本を借りたい人は何冊でも借りることができ る。また、石狩市民以外の方も借りることができる。平成24年度の蔵書点数は 266千冊、入館者数は279千人。
お話のたまご~小さい声で部屋全体に響き渡る構造になっている。
ゆっくりと過ごせる開放的なスペース
6 所感及び本市への政策提言等について (1)北海道利尻富士町 離島振興について 離島における本土との地域格差という問題について改めて認識させら れた。ガソリン代一つとっても船舶による輸送費の掛かり増しがあり、補 助金を差し引いてもリッター当たり170円とかなり割高になっている。 その他の物価についても同様であり、離島での生活は、本市の網地島、田 代島のような小さな島では特に大変だということが実感されたところで ある。離島振興に当たっては、島民に本土との生活の格差を感じさせない ことが重要であり、そうすることによって島への移住や定住を促進するこ とが可能となると考えられる。また、漁業への新規参入を促す施策も大切 であり、船外機付き磯船の無償提供や3年程度の所得補償など市として独 自に打ち出しても良いかもしれない。 (2)北海道稚内市 「環境都市・わっかない」について~次世代エネルギー~ 稚内市は、日本でも有数の風力に恵まれた地域であるということで、将 来的には市内すべての消費電力の100%を風力発電で賄えるとのこと であるが、火力発電や原子力発電に頼らなくても自然エネルギーだけで必 要とする電力のすべてを賄えるということは大変素晴らしいことであり、 石巻市としても風力や太陽光だけでなく波力発電を含め、自然の持つクリ ーンなエネルギーの活用にもっと目を向けるべきだと感じた。なお、風力 発電については、導入するにあたって、市民から様々な意見が出され、賛 成する意見が少なかったということだったが、本市でも、稚内市において 事業を展開している企業が風力発電に取り組もうとする計画があり、景観 問題や騒音問題など若干懸念されるところがあり、住民とのトラブルのな いよう進めていただきたい。 (3)北海道石狩市 観光施策について 石狩市は、平成17年の1市2村の合併により美しい自然や豊富な食材 を獲得することとなったが、それらを中々活かしきれていないという点や、 日帰り観光が主であるという点において、観光施策面で石巻市と類似する 問題を抱えていると感じた。石狩市では、鮭という食材を柱として観光戦 略を展開しようとしているが、本市としても地域の資源(宝)を再発見し 磨くことで何か目玉となるもの作ることが大切ではないかと感じた。
7 調 査 経 費
明心会 637,780 円
8 添 付 書 類 別添のとおり