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衣食住からの発見 (資料紹介)

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Academic year: 2022

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衣食住からの発見 (資料紹介)

著者 岸 真由美

権利 Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization (IDE‑JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名 アフリカレポート

発行年 2015

出版者 日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL http://hdl.handle.net/2344/00008037

(2)

資 料 紹 介

74 アフリカレポート 2015 年 No.53

Ⓒ IDE-JETRO 2015

衣食住からの発見

FENICS 100万人のフィールドワーカーシリーズ11

佐藤 靖明・村尾 るみこ 編著 東京 古今書院 2014年 194p.

フィールドワーカーは、日本とは異なる環境や文化の中で、いったい現地の人たちとどのよう な付き合いをし、どう暮らしているのか。本書はそんな疑問に答えてくれる本である。本書では

「衣食住」をテーマとして、フィールドワーク中の日常生活を研究者らが綴っている。取り上げ られている調査地は、アフリカの森林やサバンナ、サヘル地域、南アメリカの熱帯雨林、南太平 洋諸島、南極大陸と多様である。

本書は9章と3つのコラムで構成され、大きく4つのパートに分類されている。各パートでは、

それぞれの調査者が、暮らしをともにすることで信頼関係を作り上げていく経験(Part I)、現地で の暮らしの中で、研究の新たな視点やテーマを見出す経験(Part II)、過酷な自然環境の中での衣 食住(Part III)、フィールドワークの中で調査者が自分と世界とのつながりに気づく経験(Part IV)

について語られている。いずれの体験談も面白いが、ここでは、評者が日本ではまず経験できな いと思った話を「食」に絞って2つ紹介したい。

あるエチオピアの農村では、「どぶろく」のような地酒を主食とする(第2章)。調査者は初め、

地酒が苦手で団子をたくさん食べていたが、大人は地酒で腹を満たすのが当たり前であったため、

子ども扱いされてしまったそうだ。調査者が地酒を主食にすべく必死で訓練するうち、村を訪れ た中国人が、出された地酒を全く飲まなかったことをきっかけに、村人たちも調査者の努力に気 が付き、受け入れてくれるようになった。自分たちの当たり前が他の者にとってはそうではない と気が付くその瞬間と、そこからお互いの信頼関係ができていく様子が興味深かった。

2つ目は、最低気温マイナス25度、ブリザードが吹く南極での調査の体験談である(第5章・

コラム3)。極寒の過酷な環境では、調査の大前提は死なないことであり、入念かつ万全の準備と 装備が必要となる。調査中の住まいはテントであるが、南極ではテントの生地が1 ヶ月もすると 劣化するほどオゾンホールの影響で紫外線が強烈だ。食事は荷物の軽量化を図るため、乾麺やフ リーズドライ食品である。そう聞くと、粗末な食事を想像するが、現在では南極調査用のフリー ズドライ食品「極食」が開発され、魚の塩焼きから海老チリ、ステーキ、刺身までかなり豊富な メニューがあるのに驚いた。本書は各章が異なるフィールドワーカーの体験記なので、興味のあ る章から読んでいくことができる。今、自分が暮らす場所とは違う環境や文化をぜひ疑似体験し ていただきたい。

岸 真由美(きし・まゆみ/アジア経済研究所)

参照

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