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報告 暴露環境の違いがコンクリートの乾燥収縮ひずみに与える影響

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(1)

報告 暴露環境の違いがコンクリートの乾燥収縮ひずみに与える影響

片平 博1・古賀裕久2

要旨:ひずみ計を埋設したコンクリート供試体を環境の異なる場所に暴露し,ひずみの挙動を測定した。暴 露箇所としては,まず,日照と降雨を受ける環境とこれらを受けない環境を比較し,日照と降雨を受ける環 境のほうが乾燥収縮ひずみが小さいことを確認した。また,水面付近や地表面付近のひずみの挙動特性を確 認した。暴露供試体の水セメント比は

65,50,35%であり,水セメント比 50%では収縮低減剤添加の配合も設

定した。暴露中のひずみの挙動は水セメント比の違いによる差は小さく,収縮低減剤添加の配合では,乾燥 中のコンクリート中の湿度の低下傾向が緩慢となり,ひずみの挙動幅が小さくなることを確認した。

キーワード:乾燥収縮ひずみ,暴露環境,日照,降雨,暴露試験

1.はじめに

コンクリート構造物の完成後に見られるひびわれには,

乾燥収縮ひび割れや温度収縮ひび割れ等がある。建築分 野では乾燥収縮ひび割れに関する検討が古くから行われ てきた。これに対して部材断面が厚い土木構造物では,

乾燥よりもセメントの硬化発熱に起因する温度ひび割れ の影響が大きいとして,温度ひび割れの検討が主に行わ れてきた。ところが,

2000

年代に入り,土木構造物で乾 燥収縮によると推定される過大なひび割れが発生し,想 定外のたわみが生じる1)など,乾燥収縮ひび割れに対す る注目度が一気に高まった。このため,例えばコンクリ ート工学会には乾燥収縮ひび割れに対する検討委員会

2)3)が設置され,多くの検討がなされた。

この結果,乾燥収縮ひずみの大きさにはコンクリート に使用する骨材の影響が大きいことが判明し,「JIS A

1129

モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に よる試験が多数行われた。また,乾燥収縮ひび割れを

FEM

解析でシミュレーションする技術も開発されるな ど,乾燥収縮に対する研究は飛躍的に進歩した3)

一方,日射や降雨が乾燥収縮に与える影響に関しては,

浅本ら4)や早坂ら5)による研究等があり,降雨によって 乾燥収縮ひずみが小さくなること等,貴重な報告がなさ

れている。しかし,乾燥収縮の観点から暴露環境を評価 するためには,実証データをさらに蓄積することが必要 と考えられる。そこで本研究では,水セメント比

35~65

%の範囲のコンクリートを屋外暴露し,埋設ひずみ計を コンクリート中に埋設して連続測定することで,日照や 降雨の影響を詳細に計測した。また,収縮低減剤の影響 や,さらに,水辺や土中といった環境要因が乾燥収縮に 与える影響についても計測を行った。

2.実験方法

2.1 コンクリート配合と供試体の作製

コンクリートの配合および使用材料を表-1に示す。

水セメント比は

65,50,35%の3水準とし,水セメント比 50%の配合では,収縮低減剤(低級アルコールタイプ)

を添加した配合も設定した。100リットルの2軸強制練 りミキサを用いてコンクリートを練混ぜ,

100

×

100

×

400mm

の角柱供試体を作製した。供試体は翌日に脱枠し,

材齢

28

日まで水中養生を行い,その後,暴露した。

角柱供試体の内部には,表-2に示すように埋設ひず み計(長さ

60mm

,温度補償タイプ,測温機能付き,写 真-1)を供試体の軸方向中央部に1本,あるいは軸直

交方向に

100mm

間隔で4本配置した。また,一部の供

写真-1 埋設ひずみ計 配合名 Gmax W/C s/a Air

(mm) (%) (%) (%) W C S G Ad1 Ad2 SR AE

W/C65 20 65 47 4.5 172 265 845 988 828 - - 5.3

W/C50 20 50 45 4.5 172 344 779 988 1,075 - - 6.9 W/C35 20 35 42 4.5 172 491 678 972 - 3,192 - 9.8 W/C50収 20 50 45 4.5 172 344 779 988 1,075 - 12,000 103.2

使用材料

表-1 コンクリートの配合と使用材料

単位量(kg/m3) 混和剤(g/m3)

W:水道水 C:普通ポルトランドセメント

S:川砂(絶乾密度2.57g/cm3,吸水率1.60%) G:硬質砂岩(絶乾密度2.69g/cm3,吸水率0.50%)

Ad1:AE減水剤(リグニンスルホン酸系) Ad2:高性能AE減水剤(ポリカルボン酸系)

SR:収縮低減剤(低級アルコールのアルキレンオキシド付加物)

AE:AE助剤(変性ロジン酸化合物系陰イオン界面活性剤)

*1

国立研究開発法人土木研究所 先端材料資源研究センター 材料資源研究グループ 総括主任研究員(正会員)

*2

国立研究開発法人土木研究所 先端材料資源研究センター 材料資源研究グループ 上席研究員(正会員)

コンクリート工学年次論文集,Vol.39,No.1,2017

(2)

試体(表-2参照)には,湿度計(φ

17mm

,厚さ

6mm

) を埋設した。この湿度計は電子式高分子湿度センサを内 蔵し,気相の相対湿度を自動計測するものである。埋め 込み方法は,供試体に円錐状の溝を作り,その空間に配 置する方法と,湿度計周囲の空間をできるだけ小さくす る目的から湿度計を不織布で覆ってコンクリート打ち込 み時に埋め込む方法の2とおりとし,実験終了後に供試 体を解体して回収した(写真-2~4)。

2.2 暴露方法

暴露は表-2に示す6とおりの設置環境で行った。ひ ずみ測定用供試体の本数は配合ごとに2本とし,デジタ ル多点ひずみ測定装置により1時間間隔で自動測定した。

暴露期間は

2015

年2月から

10

月である。暴露状況を写 真-5~8に示す。

標準環境とは,恒温恒湿槽内で

20

℃,

60

RH

の一定 条件で暴露したものである。この条件では,ひずみ測定 用供試体の他に質量・湿度の測定用供試体を各配合1本 作製し,質量と内部湿度の測定も行った。

気中(条件A)は,一日を通して日照が当たる屋外に 暴露したものであり,降雨も受ける環境である。これに 対して気中(条件B)は,コンクリートのボックスカル バート(内空断面の高さ:2m,幅:2m,長さ:4m,南北方向に 開口)内に供試体を配置したものであり,日照や降雨の 影響をあまり受けない環境である(ただし,風による雨 の吹き込みはあり)。実構造物では,例えば橋梁の上・

側面(条件A)と下面(条件B)の条件を想定したもの である。

水中(条件A,条件B)および土中(条件A)の条件 とは,例えば「JIS A 5022 再生骨材Mを用いたコンクリ 標準環境 気中(条件A)※ 気中(条件B)※ 水中(条件A)※ 水中(条件B)※ 土中(条件A)※

20℃60%RH 屋外 カルバート内 屋外 カルバート内 屋外

W/C50 W/C65 W/C35 W/C50収

供試体の 概要図

ひずみ測定用 2体

質量・湿度測定用 1体

ひずみ測定用 2体

質量測定用 1本

ひずみ測定用 2体

質量測定用 1本

ひずみ測定用 2体

水深100mm

ひずみ測定用 2体

水深100mm

ひずみ測定用 2体

埋設深さ250mm

※条件A:日照と降雨を受ける , 条件B:日照と降雨を受けない 備考 供試体寸法:100×100×400mm :埋設ひずみ計 :湿度計 表-2 実験ケース

配合名 設置環境

(3)

ート」では,適用箇所として乾燥の影響を受けにくい部 位とされており,これには地下構造物や水路等の水辺の 構造物が想定されている。そこで,地表面付近や水面付 近のひずみの測定を行ったものである。水中の条件では 水槽に水深

100±20mm

の水をため,そこに供試体を立 てて暴露した。土中の条件では,土中に供試体を

250mm

の深さまで埋設して暴露した。

3.実験結果

3.1 標準環境の試験結果

乾燥収縮ひずみの測定結果を図-1に示す。図の縦軸 は収縮を正で示している。この図の中で,

W/C65

の2本 の供試体のうち1本は乾燥材齢

40

日程度で乾燥収縮が 止まっており,他の供試体とは明らかに異なる挙動なの で,これを異常値として棄却し,その他を配合ごとに平 均した結果を図-2に示す。図-3は質量減少率のグラ フであり,図-4は質量減少率と乾燥収縮ひずみの関係 を示したものである。これらの図から,まず,水セメン ト比の違いについて述べる。

図-2の乾燥収縮ひずみでは,乾燥材齢

300

日におけ る乾燥収縮ひずみは

W/C50

の配合でやや大きいものの,

いずれの配合も

480

580

×

10

-6の範囲となった。これに 対して図-3の質量減少率(水分蒸発量)の値は水セメ

ント比によって大きく異なり,水セメント比が大きいほ ど質量減少率が大きくなった。このため図-4の質量減 少率と乾燥収縮ひずみの関係では,同じ質量減少率であ っても乾燥収縮ひずみは水セメント比によって大きく異 なる傾向を示した。言い換えれば,質量減少率は水セメ ント比によって大きく異なるが,乾燥収縮ひずみの違い は質量減少率の違いほど大きくないと言える。

次に,収縮低減剤の効果について述べる。

図-2における乾燥収縮ひずみでは

W/C50

に比較し

W/C50

収の値は小さくなった。また,図-3の質量減

少率の図でも,

W/C50

に比較して

W/C50

収の値は僅か に小さくなった。図-5,6は,供試体内の湿度の測定 結果である。2つの図で

W/C35

の傾向がやや異なるもの の,概ね同様の傾向であり,湿度計周囲の空隙の大きさ の違いは認められなかった。いずれの図でも,W/C50収 とそれ以外のものを比較すると,

W/C50

収では乾燥材齢

150

日まで相対湿度

100%RH

を保っているのに対して,

その他の配合では乾燥材齢

100

日程度までの間に相対湿 度が低下する傾向が見られた。収縮低減剤による収縮低 減効果のメカニズムには諸説ある6)が,以上のことから,

今回使用した収縮低減剤には,供試体内の水分の逸散を 妨げる効果があり,これも乾燥収縮の低減に寄与してい ると推察される。

図-1 標準環境での乾燥収縮ひずみ(全データ) 図-2 標準環境での乾燥収縮ひずみ(平均値)

図-3 標準環境での質量減少率 図-4 質量変化率と乾燥収縮ひずみの関係

0 100 200 300 400 500 600 700

0 50 100 150 200 250 300 350 ×10-6

経過日数(日)

W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収

↑棄却

0 100 200 300 400 500 600 700

0 50 100 150 200 250 300 350 ×10-6

経過日数(日)

W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 50 100 150 200 250 300 350

経過日数(日)

W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収

0 100 200 300 400 500 600

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 ×10-6

質量減少率(%)

W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収

(4)

3.2 気中(条件B)および気中(条件A)の暴露試験結果 ボックスカルバート内に温度計を設置して測定した暴 露期間中の気温の変動を図-7に示す。暴露期間中の最 低気温は1℃,最高気温は

35℃であった。気温の日変動

が比較的大きい春期において,気温と気中(条件B),

気中(条件A)の供試体の温度履歴を比較した。この結 果を図-8に示す。条件Bの供試体温度は,気温と約2 時間の位相を伴って,ほぼ追従した履歴を示した。これ に対して条件Aの供試体温度は,日中は日照の影響で気 温よりも

10

15

℃程度高くなった。最低温度は気温より も2~5℃程度低くなった。

気中(条件B)と気中(条件A)の供試体の乾燥収縮 ひずみの履歴を図-9および図-10に示す。ひずみの測 定は1時間間隔で行ったが,夏期の条件Aの測定結果で

は,日射によって温度が急激に上昇する時間帯で異常な ひずみ値が測定された。これ以外の測定データでは一日 内のひずみの変化は小さかったため,図-9および図-

10は,午前8時の測定値(1日1データ)のみで作成し た。このグラフのうち,条件Bの

W/C35,条件Aの W/C65

W/C50

収の各1体は,途中から測定値がマイナス側に

大きく移行する挙動を示し,計測器の不調と考えられた。

このため,これらを異常値として棄却し,配合ごとの平 均値を求めた。これを図-11および図-12に示す。なお,

これらの図には日雨量も棒ブラフで示した。

図-11によれば,条件Bの場合,細かな増減はあるも のの,概ね半年程度までの間,除々に乾燥収縮ひずみが 増加する傾向を示した。水セメント比の違いによる差は 小さく,乾燥収縮ひずみの最大値は

W/C65,50, 35

のケー スで概ね

350~400×10

-6の範囲であった。W/C50収はそ れよりもやや小さく,最大で

300×10

-6程度であった。

図-12に示した条件Aの場合,日照の影響で乾燥収縮 ひずみが増加するものの,降雨があると急激に減少する ために,データの増減が激しいグラフとなった。水セメ ント比の違いによる差は比較的小さく,乾燥収縮ひずみ の最大値は

W/C65,50,35

のケースで概ね

300

350

×

10

-6 程度,W/C50収では

200×10

-6程度であった。

このように,乾燥収縮ひずみは条件Aよりも条件Bの 条件のほうが大きくなる結果となった。このことは,例 図-5 コンクリート中の湿度(円錐状の空間) 図-6 コンクリート中の湿度(不織布)

0 20 40 60 80 100

0 50 100 150 200 250 300 350

コンクリート内の相対湿度(%RH)

経過日数(日)

W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収

0 20 40 60 80 100

0 50 100 150 200 250 300 350

コンクリート内の相対湿度(%RH)

経過日数(日)

W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収

図-7 気温(条件B)の測定結果(写真-5のボックスカルバート内)

0 5 10 15 20 25 30 35 40

2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 8/14 9/13

気温(℃)

月/日

図-8 気温と供試体温度の比較

0 5 10 15 20 25 30 35 40

3/30 3/31 4/1 4/2

月/日

気温(条件B)

条件B 供試体 条件A 供試体

(5)

えば,中央ヒンジを有する橋梁などで,ヒンジ部が設計

で想定したたわみ量よりも大きく沈下する事例が報告さ れている。この事象に対してはいくつかの要因が指摘さ れ,原因究明が進められているところであるが7),日照 と降雨を受ける橋梁上面よりも,それらを受けにくい橋 梁下面のほうが乾燥収縮ひずみが大きくなるとするなら ば,これも沈下方向のたわみが大きくなる要因の一つに なり得るものと思われる。

図-13および図-14は供試体の質量減少率と乾燥収 縮ひずみの関係を示したものである。これらの図には図

-4の標準環境の結果も比較用に線分で示した。図-13 の条件Bの測定結果は標準環境の試験結果と比較的良く 一致した。図-14の条件Aの結果は,質量減少率に対す る乾燥収縮ひずみの値が標準環境の結果に比較してやや 小さくなった。この理由としては,日射や降雨によって 条件Aの供試体表面付近の水分状態は急激に変化するも のの,ひずみ計を埋設している供試体の中心部の水分状 態は急激には変化しないためと考えられる。

3.3 水中および土中の暴露試験結果

乾燥収縮ひずみが比較的大きかった8月中旬に注目し て,水中および土中の供試体の最大乾燥収縮ひずみの高 さ方向の分布を整理した。この結果を図-15~17に示す。

水面付近の乾燥収縮ひずみの分布については,水分の 供給によって水面からある程度の高さまでは乾燥収縮ひ ずみが低減されることを予想した。しかしながら,その ような傾向は水面上

50mm

の位置で僅かに見られるが,

図-9 気中(条件B)のひずみ履歴(全データ) 図-11 気中(条件B)のひずみ履歴(平均)

-200 -100 0 100 200 300 400 500

2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 8/14 9/13 ×10-6

月/日 W/C65

W/C50 W/C35 W/C50収

棄却

0 50 100 150 200 250 300

-100 0 100 200 300 400 500

2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 8/14 9/13

mm

×10-6

月/日 雨量

W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収

図-10 気中(条件A)のひずみ履歴(全データ) 図-12 気中(条件A)のひずみ履歴(平均)

-200 -100 0 100 200 300 400 500

2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 8/14 9/13 ×10-6

月/日 W/C65

W/C50 W/C35 W/C50収

棄却 棄却

0 50 100 150 200 250 300

-100 0 100 200 300 400 500

2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 8/14 9/13

mm

×10-6

月/日 雨量 W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収

図-13 質量減少率と乾燥収縮ひずみの関係 (条件B)

図-14 質量減少率と乾燥収縮ひずみの関係 (条件A) 0

100 200 300 400 500 600

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 ×10-6

質量減少率(%)

W/C65 (点線)

W/C50 (実線)

W/C35 (太線)

W/C50収 (赤線)

※図中の線は標準環境の結果(図-4)

0 100 200 300 400 500 600

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 ×10-6

質量減少率(%)

W/C65 (点線)

W/C50 (実線)

W/C35 (太線)

W/C50収 (赤線)

※図中の線は標準環境の結果(図-4)

(6)

それより上部では概ね一定値となった。配合の違いとし ては,収縮低減剤を添加した

W/C50

収の値が小さくなっ たが,水セメント比の違いの影響はほとんど見られなか った。条件B(図-15)と条件A(図-16)を比較する と,条件Bの乾燥収縮率のほうが大きくなった。水面か ら下では乾燥収縮ひずみは認められなかった。

実際の構造物は,今回試験した供試体よりも規模が大 きく,外気に接する比表面積が小さいことから,必ずし も同じ条件とは限らないが,安全側の考えとしては,水

面から上部の気中部の表面部分は,ほぼ均等に乾燥収縮 すると考えるのが妥当であろう。

土中の乾燥収縮ひずみの分布(図-17)については,

地表面の位置では,それより上部の

1/2

程度の乾燥収縮 率となり,地表から

10cm

程度より深い範囲では乾燥の 影響を受けない結果となった。水セメント比の影響はほ とんど見られなかった。

4.まとめ

ひずみ計を埋設したコンクリート供試体を環境の異な る場所に暴露し,ひずみの挙動を測定した。この結果,

以下の傾向を確認した。

(1)

日照と降雨を受ける環境と,これらを受けない環境 を比較した結果,日照と降雨を受けない環境のほう が乾燥収縮ひずみが大きくなった。

(2)

水面付近や地表面付近のひずみの挙動特性を測定し た結果,水面や地表面の直上部は概ね一定の乾燥収 縮ひずみであった。また,水面の直下,地表面から

10cm

以深では乾燥収縮ひずみは確認されなかった。

(3)

コンクリートの水セメント比の違いによる屋外暴露 中の乾燥収縮ひずみの差は小さかった。

(4)

収縮低減剤添加の配合では,乾燥期間中のコンクリ ート内の湿度の低下傾向が緩慢となり,乾燥収縮ひ ずみが小さくなった。

参考文献

1)

土木学会:垂井高架橋の損傷に関する調査特別委員 会最終報告書,2008.3

2)

コンクリート工学協会:コンクリートの収縮問題検 討委員会報告書,2010.3

3)

コンクリート工学会:コンクリートの収縮特性評価 およびひび割れへの影響に関する調査研究委員会報 告書,

2012.8

4)

浅本晋吾,大塚歩,三浦千佳子,桑原勇太:実環境 下におけるコンクリートの収縮,収縮ひび割れ挙動 に関する検討,コンクリート工学論文集,

Vol.21

No.2,pp.35-43,2010.5

5)

早坂駿太郎,千々和伸浩,岩波光保:セメント硬化 体の時間依存変形に及ぼす気象作用の影響評価,コ ンクリート工学年次論文集,

Vol.36

No.1

pp.436-441

2014.7

6)

栗原諒,丸山一平:収縮低減剤の添加濃度と収縮ひ ずみの関係に関する実験的検討,セメント・コンク リート論文集,

Vol. 69, No.1, pp. 118-123

2015 7)

渡辺泰充:時間依存性挙動予測における研究と実際

のずれ,橋梁と基礎,2008年

12

月号,pp.32-35,

2008.12

図-15 水中(条件B)の最大乾燥収縮ひずみ

図-16 水中(条件A)の最大乾燥収縮ひずみ

図-17 土中(条件A)の最大乾燥収縮ひずみ -100

0 100 200 300

-250 0 250 500

高さ(mm)

乾燥収縮ひずみ(×10-6) W/C65

W/C50 W/C35 W/C50収

(W.L)

-100 0 100 200 300

-250 0 250 500

高さ(mm)

乾燥収縮ひずみ(×10-6) W/C65

W/C50 W/C35 W/C50収

(W.L)

-200 -100 0 100

-250 0 250 500

高さ(mm)

乾燥収縮ひずみ(×10-6) W/C65 W/C50 W/C35 W/C50収 (G.L)

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