日本小児循環器学会雑誌 14巻5号 731頁(1998年)
第16回長野小児循環器談話会
時 所 人 話
日場世
1998年9月19日(土)長野県立こども病院2階会議室 長沼邦明(飯田市立病院小児科)
1.術前検査で大動脈離i断(type A)と診断され手 術にて大動脈狭部閉塞と判明したCoAの1乳児例 波田総合病院小児科
坂井 昭彦,小口 弘子,花岡 康彦 長野県立こども病院循環器科グループ 清水 隆,里見 元義,安河内 聰 森 保彦,原田 順和,竹内 敬昌 滝口 信,井上 秀範
症例は日齢4の女児.日齢3から哺乳力低下,日齢 4に大腿動脈の脈拍減弱を認め心エコーを行い大動脈 縮窄症の診断で転院となった.転院時30mmHgの血圧 の上下肢差を認めた.経時的な心エコーでは左室壁厚 は次第に増加しての求心性肥大を呈し,側副血行路の 発達が著明であった.心血管造影では左鎖骨下動脈が 分岐後大動脈狭部と下行大動脈との交通がなかった.
手術時内腔の閉鎖した大動脈狭部が確認され,大動脈 狭部閉塞と診断した.
2.成人期に移行したチアノーゼ性心疾患で多発性 脳梗塞を呈した1例
信州大学医学部小児科
高山 雅至,牛久保誠一,片桐麻由美 依田 達也,小宮山 淳
中信松本病院小児科 萩本 緑朗 症例は19歳の女性.4歳時に asplenia, SA, single RV, CAVC, PA, MAPCA と診断され,経過観察さ れていた.抗血栓療法としてアスピリンの内服を行っ ていたが,平成10年8月,突然の回転性めまいと複視 を訴え,頭部MRIで多発性脳梗塞と診断された.
3.定期検査中断中にRCCP, ARが顕著となって
いたVSD(1+II+III)の1例 昭和伊南総合病院小児科
滝 芳樹,中山 佳子,松浦 宏樹 長野県立こども病院循環器グループ 里見 元義,安河内 聰 症例は10歳の男児.生後間もなくVSD(心研III)と 診断され定期受診と適宜検査を実施されていた.経過
中大動脈弁右冠尖逸脱(RCCP)を認め, VSD(心研 II)が疑われ,6歳時には極めてわずかな大動脈閉鎖 不全(AR)を認めていた.7歳時の学校心臓病検診の 心電図で「軽い異常があるが心配ない」とされたのを 契機に受診せず,10歳時の同検診で心電図異常を認め,
受診した時には顕著なRCCP, ARを認めており,
AVRを前提とした手術が予定された.本症例を通じ て,CHD管理上のpitfallについて検証した.
4.学校心臓病検診の心電図異常を契機に診断され たベッカー型筋ジストロフィーの1例
昭和伊南総合病院小児科
滝 芳樹,中山 佳子,松浦 宏樹 信濃医療福祉センター 八木 芳雄 症例は12歳の男児.小学校の高学年頃より激しい運 動時に下肢痛を自覚したが,学校生活に支障がなかっ た.中学1年の心臓病検診の心電図で1,II, V5, V6 の異常Q波を認めて受診された.心電図所見と症状か らミオパチーを考慮して検査したところCPK 7,910 1U/1,アルドラーゼ27.7U/1と高値でジストロフィン 遺伝子の欠損,筋生検所見からベッカー型筋ジストロ
フィーと診断された.
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長野県立こども病院循環器科 里見元義
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