システム開発 18-F-7
合成開口レーダによるリモートセンシングの 商用化に向けての
フィージビリティスタディ
報 告 書
平成19年3月
財団法人 機械システム振興協会
委託先:財団法人 資源探査用観測システム・宇宙環境利用研究開発機構
この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。
URL : http://keirin.jp/
序
わが国経済の安定成長への推進にあたり、機械情報産業をめぐる経済的、社 会的諸条件は急速な変化を見せており、社会生活における環境、都市、防災、
住宅、福祉、教育等、直面する問題の解決を図るためには技術開発力の強化に 加えて、多様化、高度化する社会的ニーズに適応する機械情報システムの研究 開発が必要であります。
このような社会情勢の変化に対応するため、財団法人機械システム振興協会 では、日本自転車振興会から機械工業振興資金の交付を受けて、システム技術 開発調査研究事業、システム開発事業、新機械システム普及促進事業を実施し ております。
このうち、システム技術開発調査研究事業及びシステム開発事業については、
当協会に総合システム調査開発委員会(委員長:政策研究院 リサーチフェロー 藤正 巖氏)を設置し、同委員会のご指導のもとに推進しております。
本「合成開口レーダによるリモートセンシングの商用化に向けてのフィージ ビリティスタディ」は、上記事業の一環として、当協会が財団法人資源探査用 観測システム・宇宙環境利用研究開発機構に委託し、実施した成果をまとめた もので、関係諸分野の皆様方のお役に立てれば幸いであります。
平成19年3月
財団法人 機械システム振興協会
はじめに
光学リモートセンシングについては既に商用化衛星(フランスの Spot、米国 GeoEye 社 の Orbview/Ikonos、Digital Globe 社の Quick Bird)が稼動している。合成開口レーダ
(SAR)についても官民連携事業としてではあるが商用を目指す衛星(ドイツの TerraSAR) がまもなく打上げられようとしている。日本でも商用化した SAR 衛星を打上げたい。
光学センサは太陽光の反射強度を感知する(赤外センサは観測対象の温度によって異な る放射強度を感知する)。光学センサは観測対象の反射強度が波長によって異なることを 利用する。
SAR は自分が発信した電波ではあるが、電波の反射強度を感知するところは光学センサ と同じである。しかし SAR は光学センサと違い反射強度以外の反射特性を利用できる特徴 を持っている。自分の発する電波を使うので夜間でも観測でき、電波は波長が長いので雲 を透過することから天候のいかんにかかわらず観測できることは良く知られているが、そ れだけではない。電波は波長によっては対象物の表面だけでなく内部まで入り込んだ上で 反射してくること、偏波によって反射特性が異なること、干渉特性を利用できることなど である。これらのデータを単独で、又は組み合わせて、又は SAR 以外のデータと組み合わ せて使うことにより光学センサにはない応用分野が拓けてくる。
SAR は光学に比べて欠点がないわけではない。波長が長いので分解能が悪いこと、SAR 特有の画像歪があることなどのために視認性が悪いことである。しかし波長を短くするこ とにより分解能は改善できるし、歪についても補正手段が考えられる。これらの欠点は致 命的ではない。
商用化 SAR が成立するかどうかは、技術的には、電波特有の技術を使って取得・処理し た高品質の画像を、いかに多くの応用分野(ニーズ)に適用できるかによって決まる。
本フィージビリティスタディでは商用化から見たニーズと SAR 技術の関係、衛星・航空 機 SAR の商用化利用例、衛星 SAR の動向、世界のリモートセンシング戦略など我が国及び 世界における商用化の取り組みについて調査する。新しいニーズを開拓するための技術
(高品質画像取得手法)についても調査する。商用化を進めるにあたって必要となる小型 化、単機能化、データ圧縮技術について実現性を検討する。さらに航空機搭載の Ku バン ド SAR で実際にデータを取得し、高分解能 SAR の処理画像を提示し、インタフェロメトリ による高度データ抽出例とレーザデータとのデータフュージョン例を示してデータ認識レ ベルが向上することを確認する。
平成 19 年3月
財団法人 資源探査用観測システム・宇宙環境利用研究開発機構
目次
序 はじめに
1.スタディの目的と背景··· 1-1
2.スタディの実施体制··· 2-1
3.昨年度の「調査研究」を中心とした商用化の課題等について ··· 3-1 3.1 調査結果の概要··· 3-1 3.2 課題に対する対応··· 3-4
4.商用化に向けてのフィージビリティスタディ··· 4.1-1 4.1 我が国及び世界における商用化への取り組みの調査··· 4.1-1
4.1.1 商用化から見た観測ニーズと SAR 技術について··· 4.1-1 4.1.1.1 観測ニーズと SAR 技術··· 4.1-1 4.1.1.2 資源・エネルギー分野··· 4.1-5 4.1.1.3 農林業分野··· 4.1-9 4.1.1.4 地図・地理分野··· 4.1-10 4.1.1.5 建設分野··· 4.1-11 4.1.1.6 衛星 SAR による商業利用例··· 4.1-12 4.1.1.7 航空機 SAR による商業利用例··· 4.1-14 4.1.1.8 リモートセンシング産業分析調査例··· 4.1-21 4.1.1.9 世界のリモートセンシング戦略··· 4.1-30 4.1.1.10 高分解能画像··· 4.1-33 4.1.1.11 まとめ··· 4.1-37
4.1.2 現在及び将来の代表的な衛星 SAR ··· 4.1-39 4.1.2.1 PALSAR··· 4.1-41 4.1.2.2 RADARSAT-2··· 4.1-43 4.1.2.3 TerraSAR-X/TanDEM-X··· 4.1-53 4.1.2.4 COSMO‐SkyMed··· 4.1-66 4.1.2.5 GMES/Sentinel-1··· 4.1-74
4.2 高品質画像取得手法の調査··· 4.2-1 4.2.1 高品質画像及びその取得手法の考え方··· 4.2-1 4.2.2 インタフェロメトリ··· 4.2-4 4.2.3 ポラリメトリ··· 4.2-5 4.2.4 ポラリメトリックインタフェロメトリ··· 4.2-9 4.2.5 画像歪補正··· 4.2-11 4.2.6 データフュージョン··· 4.2-14
4.3 SAR 機器の単機能/小型化 ··· 4.3-1 4.3.1 小型化等の必要性··· 4.3-1
4.3.2 一般目的の小型 SAR 衛星··· 4.3-3 4.3.2.1 TerraSAR··· 4.3-3 4.3.2.2 TECSAR··· 4.3-4 4.3.2.3 MAPSAR··· 4.3-5
4.3.3 単機能 SAR 衛星··· 4.3-5 4.3.3.1 RADARSAT コンステレーション ··· 4.3-6 4.3.3.2 送信専用衛星と受信専用衛星··· 4.3-6 4.3.3.3 SAR-Lupe··· 4.3-7 4.3.3.4 EDMC··· 4.3-8 4.3.3.5 SnowSAT··· 4.3-8
4.3.4 小型航空機搭載 SAR ··· 4.3-9 4.3.4.1 サンディア MiniSAR ··· 4.3-9 4.3.4.2 オランダの MiniSAR ··· 4.3-12
4.3.5 SAR ハードウェア等の小型化、軽量化 ··· 4.3-14 4.3.5.1 開口面アンテナ··· 4.3-15 4.3.5.2 フェーズドアレーアンテナ··· 4.3-19 4.3.5.3 RF 部品、素子技術 ··· 4.3-23
4.4 SAR 高機能化、高性能化の実現性検討 ··· 4.4-1 4.4.1 データ取得··· 4.4-1 4.4.2 画像化処理··· 4.4-5
4.4.3 インタフェロメトリ··· 4.4-14 4.4.4 データフュージョン··· 4.4-39
4.5 SAR 画像データ圧縮技術の実現性検討 ··· 4.5-1 4.5.1 データ圧縮の必要性··· 4.5-2 4.5.2 想定している SAR 画像データの伝送形態··· 4.5-3 4.5.3 SAR 観測生データの圧縮技術 ··· 4.5-4 4.5.4 オンボード画像処理··· 4.5-18 4.5.5 画像圧縮技術··· 4.5-26
5.計画及び結果の評価··· 5-1
6.スタディの成果(まとめ)··· 6-1
7.スタディの今後の課題及び展開··· 7-1
参考文献 ··· 参考文献-1
1.スタディの目的と背景
合成開口レーダ(SAR)によるリモートセンシングが商用的に成り立つということは、画 像(データ)が売れるということである。フィージビリティスタディ調査においては、どこ へどんなデータが売れるか、すなわち、ニーズを調べることが大切である。また SAR デー タは単なる画像ではない。光学的リモートセンシングにはない、偏波や干渉現象を利用し た、ポラリメトリ、インタフェロメトリ技術があるので、その技術の適用の仕方によって ニーズも拡大するという関係にある。
4.1 節ではニーズと SAR 技術の関連の調査を昨年度に引き続き行うが、範囲を昨年度より 拡大し資源・エネルギーと農林業を追加する。衛星/航空機 SAR による商業利用例、世界の リモートセンシング戦略についても引き続き調査を行う。また昨年度に引き続き、現在及 び将来の代表的 SAR 衛星についてより詳しく、最新の状況を含めて調査する。
SAR は光学リモートセンシングにはない、偏波を利用するポラリメトリと干渉現象を利用 するインタフェロメトリ、及びそれらから派生する技術があり、新たな適用分野を開拓で きる。一方 SAR には特有の画像歪という現象があり、一見しただけでは物体が識別できに くい要素となっている。視認性を向上するためには分解能の向上とともに歪を補正するこ とが重要である。またデータをより有効に利用するために、ほかの手段でとられたデータ と組み合わせて事物や現象の認識精度を向上するデータフュージョンという技術がある。
4.2節ではそれらを高品質画像取得手法と呼び、昨年度に引き続き調査を行った。
SAR 衛星は、観測頻度を向上のため、又はインタフェロメトリを効果的に実施するために、
2機以上の衛星が組みになって飛行する、コンステレーションが盛んになりつつある。そ のためには衛星のコストを下げることが必須で、衛星の単機能化、小型化の方向である。
4.3 節では小型、単機能衛星の例、及び衛星に先駆けて小型化を行っている航空機 SAR の 例について、いかに小型化がなされているかを調べ、その実現性の検討を行う。
ユーザを拡大するためには実際にデータを取得し、SAR の画像がどういうものか、画像処 理によって視認性がどのように向上するかを示すことが必要である。今年度は航空機 Ku バ ンド SAR で実際にデータを取得し、インタフェロメトリで高度情報を抽出し、レーザデー タとデータフュージョンを行ってデータの有効性を示す。
4.4 節にはその結果を示す。
視認性を向上するため分解能を小さくすればするほどデータ量が増加する。データを地 上に伝送できる容量は限られているので、データは圧縮する必要がある。SAR 特有の信号特 性を踏まえてデータ圧縮の実現性を検討する。また画像化した上で画像を圧縮する技術の 実現性を検討する。
4.5 節にその結果を示す。
2.スタディの実施体制
(財)機械システム振興協会内に「総合システム調査開発委員会」を、(財)資源探査用観 測システム・宇宙環境利用研究開発機構内に「合成開口レーダによるリモートセンシング の商用化に向けてのフィージビリティスタディに関する調査研究委員会」を設置し、その 委員会において検討方針・内容などを確認しつつ実施した。なお、研究開発の内、「Ku バ ンド SAR 画像の取得及び解析」については三菱電機(株)に再委託した。
(財)資源探査用観測システム・
宇宙環境利用研究開発機構
総合システム調査開発委員会
(財)機械システム振興協会
三菱電機(株)
再委託
合成開口レーダによるリモートセンシングの 商用化に向けてのフィージビリティスタディ に関する調査研究委員会
委託
総合システム調査開発委員会委員名簿
(順不同・敬称略)
委員長 政策研究院 藤 正 巖 リサーチフェロー
委 員 埼玉大学 太 田 公 廣 地域共同研究センター
教授
委 員 独立行政法人産業技術総合研究所 金 丸 正 剛 エレクトロニクス研究部門
副研究部門長
委 員 独立行政法人産業技術総合研究所 志 村 洋 文 産学官連携部門
コーディネータ
委 員 東北大学 中 島 一 郎 未来科学技術共同研究センター
センター長
委 員 東京工業大学大学院 廣 田 薫 総合理工学研究科
教授
委 員 東京大学大学院 藤 岡 健 彦 工学系研究科
助教授
委 員 東京大学大学院 大 和 裕 幸 新領域創成科学研究科
教授
合成開口レーダによるリモートセンシングの商用化に向けての フィージビリティスタディに関する委員会委員名簿
(アイウエオ順 敬称略)
委員長 株式会社国土情報技術研究所 大 林 成 行 代表取締役社長
委 員 株式会社イメージワン 葛 岡 成 樹
技師長
委 員 財団法人 資源・環境観測解析センター 熊 井 基 技術二部長
委 員 独立行政法人 産業技術総合研究所 佐 藤 功 地質情報研究部門
地質リモートセンシング研究グループ長
委 員 国土交通省 国土地理院 飛 田 幹 男
地理地殻活動研究センター 宇宙測地研究室 主任研究官
委 員 パシフィックコンサルタンツ株式会社 町 田 聡
情報事業本部 情報技術部長
3.昨年度の「調査研究」を中心とした商用化の課題等について
平成 17 年度「合成開口レーダによるリモートセンシングの商用化に関する調査研究」を
(財)機械システム振興協会の委託研究として行った。
3.1 に昨年度の調査結果の概要、3.2 に昨年度まとめた課題を基に今年度の対応について 記載する。
3.1 調査結果の概要
(1)商用化ニーズに対応するための観測システムへの要求と技術課題
商用化ニーズの対象分野は防災、環境、建設、地図・地理、映像産業の5分野とした。こ れらについて昨年度調査における調査内容から必要と思われる対象分野と観測システムへ の要求の対応関係を表 3.1-1 に示した。
表 3.1-1 商用化ニーズの観測システムへの要求
対象分野 観測システムへの要求 観測頻度の向上 防 災
個々の対象分野から観測システムへの要求を抽出し、さらに、技術課題を導き出すこと は可能ではあるが、全応用対象についてまとめることは困難である。そこで一度、観測シ ステムへの要求項目に集約し、それぞれの要求項目について課題を抽出した。その結果を 表 3.1-2 に示す。
環 境
観測データの高品質化 建 設
システム運用の効率・
安定性・柔軟性の向上 地図・地理
画像処理の改善 映像産業
表 3.1-2 技術課題
観測システムへの要求 開発課題 技術課題
単独衛星による観測頻度向上 回帰日数短縮 観測幅増加 可変オフナディア 軌道変換
観測頻度の向上
複数衛星による観測頻度向上 コンステレーション
バイスタティック、マルチスタティック センサの高機能化 多偏波化(ポラリメトリ)
多周波化
インタフェロメトリ
ポラリメトリック・インタフェロメトリ センサの高性能化 高空間分解能
観測周波数 広観測幅 高 S/N 化 高 S/A 化
衛星バス性能向上 衛星位置決定の高精度化 衛星姿勢決定の高精度化 観測データの高品質化
校正精度向上 内部及び外部校正
データの継続性 センサの継続性と新規性の調和 システム運用の効率・
安定性・柔軟性の向上
開発・運用のコスト低減 衛星・センサの小型軽量化 衛星・センサの低消費電力化 衛星バスの標準化
民生部品の活用
画像処理の改善 画像処理能力の向上 画像処理ソフトウェアの整備 情報抽出、画像解釈の熟練 画像歪補正技術の向上
(2)画像歪み補正手法の検討
最近では分解能 10 センチの SAR センサも開発されており、地形の観測だけでなく、人口 構造物の形状の復元する検討も盛んになってきている。しらはま丸(東京湾フェリー)及 び立体駐車場を SAR 画像でとらえ復元の検討を行った。図 3.1-1 にしらはま丸の例を示す。
入射方位 方位角 80度
光学画像の倒れこみを模擬して 歪補正画像を作成
レイオーバーの欠損については、
周辺のテクスチ ャで穴埋め
甲板面
前方デッキ
反対側面
反対側から見た像の復元 - 向きは反転
前方
図 3.1-1 復元画像
検討内容をまとめると、次のようになる。
1)SAR 画像撮像条件と歪の大きさの関係の整理
・市販の SAR シミュレータを用い、人工構造物(東京湾フェリー)の SAR 画像の再 生を実施した。
・SAR 画像の撮像条件に対応したフォアショートニングによる倒れこみ量について、
スクイント角を有する場合を含め一般化した算出式を導入した。
2)歪補正のための手法の検討/効果
・歪補正のための処理フローについて検討し、その効果について、シミュレーション 画像で確認した。ただし、自動化は難しく、先見的な情報も必要である。
・SAR 画像上の輝点と構造物との対応が明確となることから、構造物上の変化抽出に 有効と考える。
3.2 課題に対する対応
商用化に対する技術的な対応策及び商用化に結びつけるためのコスト的な対応策につい て示した。昨年度まとめた表 3.1-2 で示した開発課題と、ニーズ調査を基に今年度実施内 容と対応させて取り組んでいくべきと考えた課題について述べる。
(1)技術的な対応策
1)観測頻度の向上
SAR 搭載衛星の単機能化、小型化、低価格化による複数衛星運用(コンステレーション運 用)の実現。
複数衛星運用の実現により SAR 画像データは全天候、昼夜間でデータ取得することがで きるため、観測頻度が向上すれば災害状況の公的な利用も進むと考えられる。
2)SAR の高機能化
・SAR の特徴であるインタフェロメトリ(干渉計測)、ポラリメトリ(偏波計測)のよう な高機能化技術と高分解能化技術との組み合わせ確認のための航空機 SAR による実画像 取得と画像処理の実施。
3)SAR の高性能化
・高周波化(Ku バンド、X バンド)による高分解能がもたらす視認性向上。
・超広帯域のディジタルチャープ変調技術の開発による、高分解能化。
4)小型化
国際競争力強化のために衛星の小型化が必要であるが、この実現のために衛星の単機能 化、センサの小型化が重要となる。小型化することにより観測頻度向上等利用者の要求に こたえるための複数衛星運用も可能となる。このためには、以下の開発が必要である。
・フェイズドアレイアンテナを構成する送受信モジュールの MEMS 等最先端技術の適用等 による小型化、高効率化、送信機の高効率化。
・民生品の適用範囲の拡大。
・アンテナにパラボラ等の開口面アンテナを使用し、アンテナ自身の小型化。ただし、ア ンテナビーム方向のコントロールは衛星全体の姿勢制御による。
・展開型薄膜状アンテナの開発によるアンテナの軽量化等。
5)自立化高知能化
衛星、SAR の制御や観測データを処理に使用するコンピュータは、数年で処理速度が倍に、
また大きさが半減となるなど民間市場での進歩にめざましいものがある。このようなコン
ピュータの進歩により、軌道上での衛星・SAR の制御、SAR 画像データのオンボード処理が 進むものと考える。これには以下の開発が重要となる。
・多頻度観測ならびにインタフェロメトリにおける同時観測の必要性から複数の SAR 衛星 とその自立制御。
・衛星の中でデータを蓄積し、地上に伝送する従来のやり方では高分解能、ポラリメトリ 等によるデータ量の大幅な増大には対応できなくなる。また、上記データ量の増大、複数 衛星のデータの処理には、従来の地上でのみ SAR データを画像化するシステムでは、配信 に時間がかかり、タイムリーにユーザにデータを使ってもらい商用化を推進する観点から 大きな障害となる。このため、軌道上衛星で SAR の画像を生成するオンボード処理が重要 となる。
(2)コスト的な対応策
SAR 及び衛星の開発・運用に対するコスト対応策は、機能を絞り込んだ SAR 専用衛星とし、
小型化を図るとともに、複数衛星運用を想定した衛星バスの標準化、SAR アンテナへの開口 面アンテナの採用、高信頼性の高額部品ではなく低価格の民生部品の使用、衛星軌道をド ーンダスク軌道としてアンテナパドルの固定化、電力発生効率の向上による太陽電池パド ルのコスト低減等が考えられる。また、SAR 衛星の小型化、軽量化はロケットの打ち上げコ ストを低減することができる。上記(1)の5)項で示したオンボード処理は、これまで 地上で人手をかけて処理していた作業を軌道上で計算機に行わせることにより画像処理コ ストの低減が図れると考える。また、複数衛星運用の1つの形として、SAR 送信衛星を1つ 軌道上に配置して、他の複数の衛星は受信専用衛星とすることにより、システムとしてコ スト低減につながると考える。
4.商用化に向けてフィージビリティスタディ
SAR は、可視近赤外放射計に比べ利用研究の歴史は浅く、またその画像は直感的理解が 難しいと言われる。しかし、ポラリメトリやインタフェロメトリのような光学センサには ないユニークな機能を有し、また高分解能化、高性能化も進んできているところから、世 界各国でハードや観測方式、ならびに利用について様々な研究や開発が進められており、
今後 SAR の商用化の可能性はきわめて高いと言える。
しかし、真に SAR の商用化を目指すためには、SAR 技術と適用分野ならびにユーザニー ズとの関係、SAR 商用化へ向けた活動などを把握し、またユーザニーズに応えるためのハ ードの実現性の検討や画像の提供などが必要である。
そのため本章では、「我が国及び世界における商用化への取り組みの調査」、「高品質画像 取得手法の調査」、「SAR 機器の単機能/小型化」、「SAR 高機能化、高性能化の実現性検討」、
「SAR 画像データ圧縮技術の実現性検討」の観点から、SAR の商用化に向けたフィージビリ ティスタディを行う。
4.1 我が国及び世界における商用化への取り組みの調査
我が国では、衛星搭載 SAR として JERS-1/SAR と ALOS/PALSAR の実績があるが、商用利用 を目的としたものではない。しかし、JERS-1/SAR は、特にインタフェロメトリにおける L バンドの意義を初めて明らかにし、SAR 利用の道を大きく拓いた。また、現在稼働中の ALOS/PALSAR はフルポラリメトリ機能を有しており、そのデータから今後様々な新しい知 見が得られるものと考える。一方、先進諸外国でも目的はそれぞれ異なるがいくつかの SAR を打ち上げており、また打ち上げ予定や将来計画が発表されている。このようなことから も世界的に SAR が様々な方面で期待されていることが分かる。
本節では、このような背景のもと、SAR 商用化の取り組みのスタディの第一歩として、「商 用化から見た観測ニーズと SAR 技術について」、「現在及び将来の代表的な衛星 SAR」など について言及する。
4.1.1 商用化から見た観測ニーズと SAR 技術について
当協会発行の平成 17 年度の調査研究報告書[4.1.1.1-1]及び前章において、観測ニーズ と SAR 技術について詳しく述べられているが、復習の意味で観測ニーズと SAR 技術につい て概観したのち、いくつかの代表的な利用分野、衛星と航空機による商業利用例、リモー トセンシング産業分析調査例、世界のリモートセンシング戦略・高分解能画像など新たに 収集した内容について述べる。
4.1.1.1 観測ニーズと SAR 技術
(1)観測ニーズ
「観測ニーズ」であるが、これはひとことで言えば、ユーザの立場からは「欲しい時に 欲しい情報が入手できること」であろう。欲しい情報とは、ユーザにより異なるが、単な る画像だけから対象の実際の物理情報に至るまで様々であり、また、その具体的内容も適
用分野、目的や用途、観測対象などにより異なるため、簡単に述べるのは難しい。しかし 共通的に言えることは、対象の空間的(平面的、立体的)状態とその時間的変化であろう。
次に、SAR の「適用分野」を考える。まず、我が国における社会的ニーズを行政と市場 の観点に分ける。行政の観点からは、国際的には「気候変動枠組み条約(京都議定書)」
[4.1.1.1-2]や「地球観測サミット」[4.1.1.1-3]において、「地球温暖化・炭素循環」、
「気候変動」が共通の課題であり、さらに後者では「大規模自然災害」、「エネルギー資源」
なども主要な課題として取り上げられている。国内では「第3期科学技術基本計画」にお いて「環境と経済の両立」の中で「地球温暖化・エネルギー問題の克服」、「国土と社会の 安全確保」などを目標として掲げ、地球観測を「地球環境監視」、「国土保全」、「災害対策」
に資するものとして位置付けている[4.1.1.1-4]。一方、市場の観点からは、前年度、行 政からのニーズも踏まえ最も早く商用化が期待される適用分野として挙げた「防災」、「建 設」、「環境」、「地図・地理」、「映像産業」の5分野と[4.1.1.1-5]、また次に期待される分 野として挙げた「資源・エネルギー」、「農林業」の2分野も含め、行政的観点と合わせて考 えるのが適切であると考え調査項目に加えた。
これらの分野で SAR に要求される事項として、機能に関しては「視認性」、「形状・構造情 報の取得」、「高さ情報の取得」が、データに関しては、「取得の適時性(タイムリネス)」
とそれに関係のある「多頻度観測」、ならびに「取得の継続性」、「高精度化」、「高品質化」、
「蓄積」などが挙げられよう。これまで述べた事項の関係を図 4.1.1.1-1 に示す。
(2)SAR 技術
これらのニーズに応えるための「SAR 技術」について考える。機能に関しては、視認性 のためには「高分解能化」、形状・構造情報の取得のためには「ポラリメトリ(偏波計測)」、
高さ情報の取得のためには「インタフェロメトリ(干渉計測)」、図では示していないが高 さに応じた形状・構造情報の取得には「ポラリメトリックインタフェロメトリ(偏波干渉計 測)」の各技術が対応し、その実現手段としてそれぞれ「高周波化、広帯域化」、「2偏波送 受信技術」、「フォーメーションフライト」(衛星 SAR におけるシングルパスインタフェロメ トリ実現のため)が考えられる。一方、データに関しては、その実現手段として適時性や 多頻度観測のための「コンステレーション」、継続性のための「継続的打ち上げ」、高精度 化のための「データフュージョン」、高品質化のための「高品質画像取得手法」、蓄積のた めの「アーカイブ」などが考えられる。
図 4.1.1.1-1 合成開口レーダによるリモートセンシングの商用化に係わる事項とその関係
国際的取り決め
適用分野
ユーザ要求
機 能
社会的ニーズ 行政の観点
市場の観点 気候変動枠組条約
(京都議定書)
地球観測サミット(GEOSS:
全球地球観測システム)
科学技術基本計画(第3期)
総合科学技術会議
「我が国における宇宙開 発利用の基本戦略」、
「地球観測の推進戦略」
環 境
データ取得 の継続性
エネルギー・資源 建 設 映像産業 農林業
防 災 地図・地理
テ ゙ ー タ 取 得 の適時性
高分解化 インタフェロメトリ 形状・構造情報
高周波化(広 帯域化)、
スポットライト
フォーメーションフライト 高さ情報
コンステレーション 視認性
データ フュージョン 継続的
打ち上げ
データの 高品質化 環境と経済の両立
国土と社会の安全確保 など
国内政策
データの 高精度化
アーカイブ データの 蓄積
高 品 質 画 像 取得手法 2 偏 波 送 受
信技術
多頻度観測
実現手段
フライト形態
ポラリメトリ上記の内容も含め、SAR における観測方式や機能、観測形態、データ利用形態、フライト 形態を以下のようにまとめる。
a.観測方式
・モノスタティック方式:
衛星1機により、後方散乱波を取得する方式。従来はこの方式による。
・バイスタティック方式:
複数の衛星により、後方散乱波だけでなくその他の方向への散乱波も取得する方式。モ ノスタティック方式によるデータと合わせて、比較的平坦な地域の観測及び対象をより 良く観測するための方式
・スポットライトモード:
アジマス分解能を向上するため、衛星進行中同一シーンにビームを照射し続け観測する 方式
b.観測機能
・ポラリメトリ(偏波計測):
観測対象における送受偏波(水平(H)と垂直(V))の振幅比と位相差から、対象の表 面的形状や体積的構造情報を取得し、作物や森林、人工構造物などの識別や分類の精度 を高めるための観測方式
-2偏波(送受の組み合わせ:HH と VV、HH と HV あるいは VV と HV)
-フルポラリメトリ(全偏波):HH、VV、HV
・インタフェロメトリ(干渉計測(IFSAR)):
異なる2地点において受信した同一対象からの散乱波の位相差から、高さや移動速度を 測定する技術で、クロストラック方式とアロングトラック方式がある。
-クロストラック方式:標高計測のため
‐リピートパス方式(衛星 1 機の場合、同一地域を複数回観測したデータ対を用い る)
*シングルパス方式(衛星の場合は2機のフォーメーションフライトによる)
*ディファレンシャルインタフェロメトリ(差分干渉計測):時期の異なる2つのイン タフェロメトリ情報の位相変化から地殻変動、地盤変化、構造物の変形など微小 な変化の面的な観測を行う手法
*PSInSAR(Permanent (or Persistent) Scatterer InSAR):
同一地域の多数の観測シーンから同じ固定点を多数見つけ、それをもとに大気の 影響を取り除きディファレンシャルインタフェロメトリにより微小な高度変化を 検出する手法
-アロングトラック方式:
海流や陸上の移動体検知やその速度測定(MTI)のため c.データ利用形態
・CCD(Coherence Change Detection):同じ場所における2時期の位相変化から平面の 微小な時間的変化の検出を行う手法
・ポラリメトリックインタフェロメトリ:
ポラリメトリとインタフェロメトリを組み合わせ、高さ方向の構造情報を抽出する技 術。用途は樹高計測、作物の分類など
d.フライト形態
・フォーメーション:複数の衛星を連携させ、シングルパスインタフェロメトリやバイ スタティック観測を行うためのフライト形態
・コンステレーション:多数の衛星を配置して観測頻度を高めるフライト形態
以上より、SAR には通常の光学センサ(放射計)にはない様々な機能があり、またさらな る技術的発展の可能性があり多様な用途が考えられるところから、光学センサと合わせる ことにより商用化の実現性はきわめて高いと言える。
4.1.1.2 資源・エネルギー分野
最近の資源探査活動は自然環境の厳しい地域、特に、光学センサではデータが取得しに くい熱帯雨林、モンスーン帯における地質構造解析(地形の起伏抽出による地勢区分、地 形図、岩相区分、地質走向/傾斜方向の解析、数値標高データなど)、植生地域下に隠れて いる道路、水系等の抽出、アクセス路の評価を行うためにもマイクロ波センサによるデータ が必須となり、事前に的確かつ必要な情報を入手できれば探鉱活動の効率化が図れる。
図 4.1.1.2-1 は、資源探査活動、主に石油探査を例として、探鉱・開発・生産・撤収のそ れぞれの段階におけるデータ利用について述べる。近い将来には高分解能合成開口レーダ が実現し、インタフェロメトリにより作成される高精度3次元地表表層モデルと光学セン サ画像とのデータフュージョンを行うことにより、探査活動を概査から精査の段階までリ モートセンシングデータの有効活用が図られると思われる。
図4.1.1.2-1 資源探査におけるリモートセンシングの役割 概査
精査
埋蔵量評価 予備調査
事業化
撤収
・予備調査及び構造調査
・詳細地質構造調査
・試掘
・開発・生産計画の立案
・事業化 第2段階
第3段階
第4段階 第1段階
探鉱
開発・生産
リモートセンシングデータの活用リモートセンシングデータの活用
対象鉱区選定
鉱区取得
・生産基地の撤収
・鉱区内環境復帰など
地質構造図縮尺1/500,000~1/250,000の作成 地質図縮尺1/100,00~1/50,000の作成
地形図縮尺1/50,000の作成
(1)探鉱段階 1)地質構造調査
a. 広域地質構造把握による有望地域選定
鉱区を取得するため、石油・ガスの胚胎が期待される堆積盆地全体の地質構造を把握す る必要がある。大きな褶曲構造や断層、また堆積盆地の広がり、地表状態(湿地か乾燥地 か、植生の発達状況、道路の発達状況等)を解析するために 50~25 万分の1程度の地質構 造図を作成する。
b. 鉱区内地質構造・岩相把握、変質帯抽出
選定された鉱区とその周辺について、10~5万分の1程度の地質図を作成する。鉱区内 に発達する岩相(砂岩、泥岩、石灰岩等の区別)及び褶曲、断層の発達状況を解析し、既 存の地質データも含めた総合的な解釈を行い、石油根源岩、石油貯留岩、石油トラップの 発達状況、及び石油生成の可能性について検討し、有望構造、または重点探査地域を選定す る。また、基本図としての地形図(5万分の1程度)が作成される。
岩相把握のためには、光学センサでは可視近赤外域から熱赤外域までのスペクトル情報 から求める。また、立体視・インタフェロメトリを基に、地形図作成、地層の傾斜方向・
断層など地質構造が把握できる。鉱区内で有望とされた地域での石油探査ついては油ガス 徴、金属資源探査については探査の指針となる変質帯抽出を行い、ポテンシャルを評価で きる。
c. 鉱区内詳細地質構造把握
地質調査の効率化を図るために、立体視・インタフェロメトリを基に鉱区内の地質構造、
岩相、地層の走向/傾斜の測定として層厚、高度差を数メートルの精度で求め、詳細地質 構造を把握し、精密地図の作成を行う。
2)地質調査、地震探鉱、試掘等におけるロジスティクス(写真地図)的利用 a. 地震探鉱測線計画策定または試掘計画基本図作成(地表状況把握)
地震探鉱や試掘サイト準備では地表条件がそのコストに大きな影響を及ぼす。立体視・
インタフェロメトリを基に、植生の発達状況(森林か潅木地かなど)、湿地の有無、地表面 の水分含有量、河川の発達状況、集落、耕作地、また、起伏差の大小等に関する情報を事 前に入手すれば、有効な対応策がとれる。
b. 地質調査ルート、地震探鉱・試掘における補給路決定
調査に必要な露頭の抽出、露頭までの効率的なアクセスルートの選定、さらには地震探 鉱では、効率的なベースキャンプ配置計画とその設営場所の決定、試掘では試掘現場への 補給路の確保等で最新情報を入手し、調査ルートを選定し、地質調査を短時間で効率よく 実施することができる。
c. 地震探鉱、試掘サイトに関するモニタリングや補償対策
近年、環境保護の立場から、地震探鉱や試掘実施後には原状復帰を義務づけられている場 合もあり、田んぼのあぜ道、樹木の詳細分布状況把握する。また、埋没遺跡についても事前 に可能な限り調査しておく必要がある。耕作地や植林地で実施する場合、土地所有者からそ の補償を求められる場合が多く、補償額決定のために補償対象となる宅地、耕作地の建造物 等の識別、面積、予想収量算定のために精密地形図を予め作成できる。
3)試掘全体計画策定及びモニタリング a. 流氷監視
高緯度における海上掘削では、掘削リグと流氷の衝突を避けるため、頻繁(最低一日1 回)に流氷の動向をモニタする必要がある。これには昼夜もしくは天候にかかわらず確実 に情報を入手する必要がある。
b.サイト準備
試掘を行うには、全体の配置計画(リグの設置場所、居住施設、倉庫、火薬類保管場所、
ヘリポート、掘削用泥水水源、廃水管理等)を適切に策定する必要がある。
地表状況の詳細な把握、補給路の監視、排水監視、サイトの水分含有量推定、掘削泥水の 排水中に油が混ざっているかどうかの監視、また、特に荒天時の補給路の監視(がけ崩れ、
冠水等)が必要である。
(2) 開発段階
開発段階における生産基地建設、パイプライン敷設、積み出し基地建設における調査活 動に対しリモートセンシングデータは次のとおり利用される。
a. 生産基地建設地選定、パイプライン敷設計画策定
鉱区内に発見された油田の生産を効率的に行うための最適生産基地建設位置の選定、及 び油田所在地が遠隔地になるほどパイプライン敷設計画策定が重要である。また、最寄り の生産基地もしくは積み出し港まで最も建設費の安いルートを選択する必要もある。これ らの把握のため、地形図作成、地表区分、集落、耕作地等の識別、地表状況解析を行う必要が ある。
b. 積み出し港選定調査
水深、周辺河川からの土砂の供給状況、マングローブなど植生発達状況など広範囲な環境 調査に利用要望がある。
c. 生産基地サイト調査
生産基地建設にあたっては生産基地のリグ、周囲の樹木などのスケール等の植生状況の 把握、周辺環境への影響等のサイト調査を行う。
d. 積み出し港サイト調査
海岸の水深調査、環境調査を行い、選定された場所での詳細水深図作成、また、季節によ る土砂等の供給状況調査、環境保護対策のための基礎データ(植生区分など)を収集するた めに利用要望がある。
積み出し港サイト調査には、水生植物の分布状況や濁度などの調査、海(湖)岸線の把 握並びに水生植物の把握から詳細な水深を測る必要がある。
(3) 生産段階
1)生産に関連するモニタリング a. 油生産に伴う地盤沈下モニタリング
油田の生産が進むに連れて油田付近の地盤沈下が発生する場合があり、生産開始ととも に適当な間隔で地盤沈下(年間数㎝から数 10 ㎝程度)の有無をチェックする。
b. 生産基地、パイプライン監視(油漏れ監視)
生産が開始すると、点在する生産施設の監視やパイプラインの監視を行う必要がある。
特に荒天時直後の迅速な確認や、地域によっては意図的破壊への早期対応のために利用す る要望がある。
パイプラインを埋設している場合や、湿地帯での漏れた油の抽出・パイプライン破損箇 所の特定、漏れた油の流出範囲抽出、パイプラインの敷設による環境への影響(植生の変 化など)のモニタリングが必要である。
(4)撤収段階
生産が終了した後の取得鉱区内の植生、地盤沈下状況などのモニタリング情報を基に鉱
区の保有者に対する現状復帰を完了したことを示す必要がある。
なお、鉱物資源の探査方法と高分解能 Ku バンド SAR の役割について表 4.1.1.2-1 に示す。
表4.1.1.2-1 鉱物資源の探査手法とKuバンドSARの役割
(金属資源レポートVol.28 No.2通巻307号、1998年7月発行を基にKuバンドSARの役割を追加)
・鉱山開発決定以 降のロジステック サポート
・縮尺1/2500程度 の高精度DSMの提供
KuバンドSARの役割
・プレFS調査。この段階で鉱山開発の実施・中止の見通し をつける。
・鉱石選鉱テスト
・インフラ調査
・経済評価 ST6
・鉱量の把握
・ボーリング探査 ST5
・縮尺1/1,000~1/5000程度(トレンチ調査・地化学調査)
・ST3段階より精度の高い探査
・鉱床発見の探査
・地質精査
・物理探査
・ボーリング探査 ST4
・縮尺1/10,000~1/50,000程度
・100~300m間隔
・地質環境によって手法を決定
・地質調査の補助的調査
・地質調査
・地化学探査
・物理探査
・トレンチ・ピット調査 ST3
・縮尺1/50,000程度の写真使用。
・縮尺1/100,000~1/200,000程度
・サンプル採取1~2個程度/km2程度
・磁気、EM、放射能等
・航空写真解析
・広域地質調査
・広域地化学探査
・空中物理探査
(ST2)
・ランドサットとJERS-1等の画像、縮尺1/200,000程度の解 析図作成
・衛星画像解析結果の地上チェック
・次のST2段階の調査対象地域の選定
・衛星画像解析
・グランドとルース
・既存資料の収集と編集・解析 ST1
補足説明 探査方法
探査 ステージ
・鉱山開発決定以 降のロジステック サポート
・縮尺1/2500程度 の高精度DSMの提供
KuバンドSARの役割
・プレFS調査。この段階で鉱山開発の実施・中止の見通し をつける。
・鉱石選鉱テスト
・インフラ調査
・経済評価 ST6
・鉱量の把握
・ボーリング探査 ST5
・縮尺1/1,000~1/5000程度(トレンチ調査・地化学調査)
・ST3段階より精度の高い探査
・鉱床発見の探査
・地質精査
・物理探査
・ボーリング探査 ST4
・縮尺1/10,000~1/50,000程度
・100~300m間隔
・地質環境によって手法を決定
・地質調査の補助的調査
・地質調査
・地化学探査
・物理探査
・トレンチ・ピット調査 ST3
・縮尺1/50,000程度の写真使用。
・縮尺1/100,000~1/200,000程度
・サンプル採取1~2個程度/km2程度
・磁気、EM、放射能等
・航空写真解析
・広域地質調査
・広域地化学探査
・空中物理探査
(ST2)
・ランドサットとJERS-1等の画像、縮尺1/200,000程度の解 析図作成
・衛星画像解析結果の地上チェック
・次のST2段階の調査対象地域の選定
・衛星画像解析
・グランドとルース
・既存資料の収集と編集・解析 ST1
補足説明 探査方法
探査 ステージ
4.1.1.3 農林業分野
(1)林業分野
地球規模の環境変化や地球温暖化に影響を及ぼす変化を監視するためにリモートセンシ ングデータの役割は大きい。特に、広域性・同時性・繰り返し観測への要求を満足できるの は、リモートセンシングデータの他にはない。
温室効果ガス吸収源の客観的なモニタリングとして、自国のみならず京都議定書締結国 における目標達成度評価にリモートセンシングデータを利用する必要性、期待が大きい。
京都議定書よると我が国では 2008 年~2012 年に温室効果ガスを 1990 年を基準に6%削減 する目標が定められ、排出量の算出に関しては温室効果ガスの発生源からの排出及び吸収 源による除去は、透明で検証可能な方法で報告する義務を負っている。
2008 年以降においては、温室効果ガスの削減の対象として人工林から天然林について拡 大されることから、従来にまして高い精度調査と管理が求められる。
温室効果ガスの吸収源としては、主に森林による吸収量が排出量の計算の対象となる。
京都議定書に見られるように、植林活動によって炭素吸収源を増大させること、あるいは 熱帯雨林等の森林伐採を減少させることによって吸収源を持続させることが、地球温暖化 対策として温暖化ガスの排出削減と同様の効果を有するので、森林のバイオマス計測は重 要な分野である。森林環境の監視データとしては、樹齢の推定、土地利用変化抽出なども必 要である。さらに、光学センサでは観測の不十分な熱帯雨林地方の観測に併用するため、
光学センサと同程度の高空間分解能レーダデータが必要となる。特に、共同実施国、クリー ン開発制度対象国は熱帯雨林地方や寒冷地方に位置する場合が多いため、その利用要求は 高い。表面散乱を主とする Ku バンド SAR による地表表層モデル(Digital Surface Model:
DEM)と既存の DEM、例えば、国土地理院、北海道地図(株)発行の 10m メッシュ DEM との差 分を取ることによりバイオマスの計測は可能となる。また、樹種判定ができればバイオマ スの計測はより精度を増すことになる。既に、冬期における Ku バンド SAR 航空機実験から 針葉樹と広葉樹の区別は可能なことが判明しており、季節ごとにデータを取得することが できれば正確なバイオマスの把握が可能となると思われる。
また、周辺諸国を含む酸性雨による森林被害モニタリング、伐採のモニタリングなど地球 環境保全に伴うプロジェクトにおいてリモートセンシングデータが利用される。上記の各 項目については、限定期間に広範囲(日本及び共同実施国など)で、かつ同時期、定期的で 観測しなければならない。天候による観測データの欠損を十分に補完する必要がある。
(2)農業分野
農業分野はリモートセンシング活用の有効性が期待され、世界各国で様々なデータ利用 が図られている。特に、我が国は食糧輸入国としての食糧安全保障の観点から、輸入先であ る中国、米国、豪州、カナダなどの農地作付状況・生育状況の監視・収量予測が重要である。
農業環境研究所において、多バンド(L バンド、C バンド、X バンド、Ku バンド、Ka バン ド)及びフルポラリメトリを用い、入射角を変え、稲田の後方散乱係数を田植えから稲刈 りまでの長期にわたり、定期的に水稲の葉面積指数 LAI(Leaf Area Index)、バイオマスの 計測を行い、LAI 及びバイオマスと多バンド、多偏波、入射角との相関を求めている。その 結果、LAI については、C バンド HH,HV が最も高い相関を示し、ウエットバイオマスにつ いては、L バンド HH 及び HV に強い相関を示した。また、稲穂の穂重と後方散乱係数の相関 は Ku バンド、Ka バンドが高いことから、Ku バンド及び Ka バンドを活用した収量予測への 適用の可能性を強く示唆されている[4.1.1.3-1]。
光学センサでは、高空間分解能センサが農作物生育モニタリング、収量予測、農地面積 調査、農作物被害調査、林相分布、材積量調査、森林伐採監視などに利用される。
レーダセンサでは、マルチパラメータデータを利用して、農地土壌水分の把握、農作物生 育モニタリング、収量予測、農業環境の保全のためには作物栄養診断が行うことができ、
肥料を必要とする箇所に対してのみ局所的に施肥を行し、窒素酸化物の削減や農薬汚染の 回避など環境に配慮し農業が可能となる。また、土地利用状況、作物判別、作付面積の推定、
土壌の特性の推定などに用いられる。
4.1.1.4 地図・地理分野
国土交通省公共測量作業規定 第 258 条(要旨)、 第 259 条(数値測量の区分)、第 260 条(用語の定義)、第 261 条(運用規準)から、数値地形測量に対する要求精度は、表 4.1.1.4-1 に示すとおりである。
表 4.1.1.4-1 地図情報レベルの精度 地図情報レベル
精度要求(縮尺図)
500 (1/500)
1000 (1/1000)
2500 (1/2500)
5000 (1/5000)
10000 (1/10000) 平面位置 0.25m 以内 0.7m 以内 1.75m 以内 3.50m 以内 7.00m 以内 標高点の標高 0.25m 以内 0.33m 以内 0.66m 以内 1.66m 以内 3.33m 以内
「道路法施行規則4条」及び「高速道路国道法施行令3条」には「1/1000 以上」の縮尺図 を基に台帳を整備することが規定されている。道路建設、ダム建設、水道管やガス管の敷 設等には道路改修工事等が付帯するため「1/1000 以上」の縮尺図の作成が要求される。こ れらの図面は、主として、業務用や工事用図面として作成され一般には流通しない。1/2500 縮尺図及び 1/5000 縮尺図(「地図情報レベル 2500」、「地図情報レベル 5000」)は国土基本 図の1つとして作成され、広く一般に流通している。
地方公共団体が住民サービスの一環として実施する各種地図・台帳の作成・修正として、
特に国内では宅地動向調査や緑の調査などでの利用要望が高い。
国内の地図更新には、光学センサで数 10cm 級のパンクロ立体視が必要であるが、各種台帳 整備や途上国での大縮尺地図作成などの利用では1m パンクロ立体視、マルチで3m が必要 である。観測幅は地図・台帳単位を考慮すると 20 ㎞程度は必要である。
近年においてはレーダ技術の開発スピードは速く、光学センサの補完としてではなくメ インプロダクツとしての光学センサ同様の高空間分解能を有するレーダセンサ画像に対す る要求があるが対応できない状況にあり、Ku バンド SAR の実現はその要求に応えられる有 力な候補である。
なお、カーナビ企業や測量関連企業は、自社の航空測量の基盤情報に、道路の新設、家 屋の建設等変化を抽出し、最新情報を盛り込み済みであることをセールスポイントとして ビジネス展開を行っている。
4.1.1.5 建設分野
建設分野とは、土木、建築、電気、管、鋼構造、舗装及び造園工事を対象としている。
建設分野において大規模工事になればなるほど高精度な 3 次元空間情報が面的に必要とな ると思われるが、自然災害時の被害状況の把握などと比較し事業対象の面積が小さいから かポテンシャルは指摘されているが実際にリモートセンシングデータを活用して事業を行 った事例は少ない。貯水用ダムであるザンビア Lesotho の Katse ダムの貯水効果による変 形の有無については、ERS インタフェロメトリを用いて計測した事例が報告されている
[4.1.1.5-1]。
防災分野においては、災害自体を未然に防ぐための様々な情報収集と災害予知、また災害 が起きた後の災害状況の正確な把握と二次災害の防止などがあり、いずれもリモートセン シングデータの利用要望が高い。特に、土砂災害・火山災害・地震災害などの詳細な被害状
況把握、立体視データを利用した数値標高データ作成による迅速な地図修正、被害面積等の 把握などへの要望が強い。さらに、インタフェロメトリ技術を利用した地表面変動抽出に よる火山、地震、洪水、豪雪などの危険予知、夜間、曇天時での豪雨、洪水災害などの確実な 監視などへの要望も強い。
化学・金属・機械等の大規模産業プラント、発電所等のエネルギー関係施設、石油コンビナ ート・貯油施設等の石油関連施設などにおける大規模災害時に効果的な対応ができるよう な情報の収集・提供が求められる。大規模産業プラントなどにおける爆発・火災等の大規 模災害が発生した場合には、人命救助活動ルート確保等などのために、構造物の破砕、飛 散、消失状況を把握し瓦礫の除去等の迅速な対応に資する情報を提供する必要がある。
石油コンビナートなどから原油等が海上流出するような場合に、効果的なオイルフェン スなどの配置に資する情報の提供が必要である。特に大規模災害に臨機に対応するために は、天候に左右されないレーダデータが求められる。
これら大規模災害では火災発生を伴うことも多く、その場合には上空をヘリコプター等 が飛行することが困難であるため、人工衛星によるリモートセンシング情報が重要である。
とりわけ火災時の黒煙・火炎の影響を受けずに地表面を観測し、情報提供が可能なレーダ センサが有効といえる。
また、建設分野での景観設計や建設計画・土木・都市化調査など、都市環境分野での産廃 物監視など夜間、曇天時においても、高空間分解能を有するレーダセンサによる画像取得・
画像伝送、特に、準リアルタイムによる画像伝送・画像再生に対する要望は強く、分野を 問わず要望がある。なお、航空機搭載 SAR を活用すればこれらの要望は達成できる。
4.1.1.6 衛星 SAR による商業利用例
衛星画像を利用して石油・ガス探査などのサービス事業を行っている英国の NPA(Nigel Press Associates Ltd.)社の例を示す[4.1.1.6-1]。
(1)会社概要
1972 年以来、沿岸海域及び陸域における石油・ガス探査のための衛星画像利用を手掛け ている英国の先導的企業である。各種衛星画像の利用は、探査計画の初期段階で探査経費 の最適化と探査リスクの軽減のために基本的かつ最善の活動として認められている。
新規開拓や胚胎盆地の探査に加えて、Landsat、TM/ETM、ERS、Envisat、Radarsat、SPOT5、
ASTER、Ikonos、QuickBird、OrbImage を含む入手可能な全ての衛星と DEM データを用いて、
3次元可視化、地震探鉱計画、地盤沈下マッピング、胚胎地域のモデリングのようなより 新しい利用も積極的に推進している。また、ESA の GMES(Global Monitoring for Environment and Security、4.1.2.5 参照)[4.1.1.6-2]における 10 のサービスのうちの1つである「地 盤変位観測サービス」(“Terrafirma”)[4.1.1.6-3,4]においても、主要な役割を担ってい る。
(2)事業内容 1)石油・ガス探査
石油・ガス探査のために、「3次元可視化と GIS」、「地震データの統合」、「ライセンス 評価」、「地域解釈」、「広域沿岸域における油滲出」、「集積滲出油の解釈」、「基地マッピ ングと地震探鉱計画」、「環境サービス」、「インフラマッピング」等の事業を行っている。
・広域沿岸域における油滲出(図 4.1.1.6-1 参照)
・沿岸陸域解析
・3次元可視化
・地震探鉱計画
・環境サービス
図 4.1.1.6-1 沿岸海域における滲出油観測データベース(赤は現在、黄色は計画) 2)地盤安定度解析(InSAR)[4.1.1.6-5]
インタフェロメトリ SAR(InSAR)による以下の活動を行っている。
・地盤沈下、探鉱、地滑り、地震活動、火山変形、侵蝕、土木関連及び構造物などの観 測
・Terrafirma:
GMES における欧州の地盤変位による災害情報サービス。安全の促進と経済的損失の 提言のために重要[4.1.1.6-4]
・地盤沈下モニタリング(通常の InSAR と PSInSAR(PSI)による)
・地震モニタリング(通常の InSAR と PSInSAR(PSI))
・土木関連及び構造物モニタリング(コーナリフレクタを用いた InSAR による)
3)環境観測と技術
複数の衛星データを用いて、石油・ガスの探査・開発のための環境変化のモニタリング、
技術プランニングやモニタリング利用のためのプロダクツの作成など
・環境モニタリング:
環境調査、変化の検出、陸域被覆マッピング、オイルスリックの検出
・再生可能な天然資源:水資源、森林、農業、風力発電
・技術応用:
地理・地質技術、水文マッピング、パイプラインのルート設定
・災害対応:2004 年の東南アジアの津波 4)画像と標高データ
・衛星画像:
光学及び SAR 画像(ピクセルサイズ、シーンサイズ、バンド数)
・標高データ:
DEM と DTM、ビルの高さデータ(光学)、3次元可視化(石油・金属探査のための可視 化(ASTER、SPOT による DEM の作成)、飛行移動画像と3次元鳥瞰図)
4.1.1.7 航空機 SAR による商業利用例
航 空 機 SAR に よ る 商 業 利 用 例 と し て 、 Intermap Technologies 社 と EarthData International 社について述べる。
(1)Intermap 社の場合 [4.1.1.7-1,2]
1)概要
当社は、レーダにより取得したデータを基に地形標高画像の提供をビジネスとする世界 の先導的企業の1つである。1996 年に、米国 DOD の DARPA の予算により ERIM と JPL が開発 した航空機インタフェロメトリック SAR(“IFSAR”と呼ばれる。X バンド、Learjet36 に搭 載)を譲り受け設立された。
主要な事業は航空機搭載シングルパス・インタフェロメトリック SAR によるデータの取 得で、それを基に高精度 DSM、DEM、オルソ幾何補正地図(ORI)の作成・販売を行っている。
当初、地図作成ビジネスは個別ユーザを対象としたため、コストが掛かり過ぎうまくい かなかった。この状況を打開するため、地図事業として新しいビジネスモデルを作成した。
それは、個別契約サービスビジネスを展開する一方、“NEXTMap@”という国レベルの迅速 な地理データ収集と価値の高い地形データセットを提供する事業への方針転換である。そ れに関連し図ったことは、市場要求である「より高分解能・より高精度・より低コストの標 高プロダクツ」へのアップグレード化、センサ技術と処理ツールの改良によるデータの高品 質化や高精度化、低コストで高性能なプロダクツの提供である。
これまで、世界の最大マッピングプロジェクトを請け負っており、85 カ国以上で実施し、
そのうち6カ国では日本の面積の約 10 倍以上をカバーしている。なお、当社については昨 年度の調査で詳しく述べているので、詳細はそちらを参照されたい[4.1.1.7‐1]。
2)航空機 SAR の概要
“STAR-3i”、“STAR-4”、“TopoSAR(P バンド、ただし X バンドも可能)”による3機体勢 である。それらの航空機を図 4.1.1.7-1 に示す。また、STAR‐3i と TopoSAR の X バンド SAR
の主要なパラメータを表 4.1.1.7-1 に、P バンドも含む TopoSAR の主要なパラメータを表 4.1.1.7-2 示す。
図 4.1.1.7-1 航空機 SAR“STAR-3i”、“STAR-4”、“TopoSAR
表 4.1.1.7-1 STAR-3i と TopoSAR による IFSAR システムの主要パラメータ
表 4.1.1.7-2 STAR-3i と P バンドも含む TopoSAR の主要なパラメータ Typical Parameters STAR-3i Topo SAR
Aero Commander Lear Jet
6.5‐9.5 700
3.5‐6.5 450 Platform
Altitude(km) Speed(km/hr) Frequency Band
Centre Wavelength(cm) Image Resolution(m) Polarization
Swath Width(km) IFSAR Mode DEM Spacing(m)
X 3 1.25
HH 5,10 Single_Pass
5
X 3 0.5‐2
HH 2,4,7 Single 1,2.5,5
P 74
2 HH,VV,HV/VH
4 Repeat-Pass
2.5
3)STAR-3i の機能、性能等
・垂直精度:18~40 インチ(46~102 cm)rms、水平精度:約6フィート(1.8 m)
・レーザによる IMU と DGPS(ジェット機の精密な位置決定のため)のオンボード化
・DEM:垂直精度 50 cm(rmse)、オルソ画像のピクセル分解能:1.25~2.5 m
・トポグラフィックマップの作成:10,000 分の1
・IFSAR データプロセッサは半自動化
・DEM やオルソ画像の作成は準リアルタイム
・従来の光学に比べ、時間と労力の大幅な低減 4)プロダクツの内容、特徴
以下の3種の異なるプロダクツから成る(表 4.1.1.7-3 参照)。
・DSM (Digital Surface Model)
・DTM (Digital Terrain Model)
・ORI (Ortho-Rectified Radar Image)