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民間企業の研究開発動向に関する実態調査 調査報告書 (概要版)

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(1)

平成20年度

民間企業の研究開発動向に関する実態調査 調査報告書

(概要版)

平成21年3月

社団法人 研究産業協会

この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。

http://ringring-keirin.jp/

JRIA20 動向調査

(2)

はしがき

我が国の経済発展に向けてイノベーション創出の必要性はますます増してい ますが、そのイノベーションの起点となるのが研究開発であり、競争力の源泉と なっています。特に我が国では研究開発の約7割を民間企業が担っており、その 企業の研究開発は、ますます重要となっています。

1990年代以降、民間企業各社は長期の不況と厳しいグローバル競争にさら され、業務の効率化やリストラなどに取組んできましたが、そうした状況下にお いても、民間企業各社は研究開発の手を緩めることなく続け、様々なコストダウ ン施策が各社で展開される中にあっても、研究開発費や研究開発要員については、

日本全体でむしろ増加傾向となっており、しかもこうした傾向は長年に渡って続 けられています。

近年の経済回復は、こうした民間企業の不断の努力によるところが大きいと考 えられますが、今後も我が国経済が持続的に発展するためには、研究開発活動を より活発化し、イノベーションをさらに推進することにより、産業競争力を強化 することが不可欠であります。

本調査は、大手の民間企業約1000社を対象にアンケートによる意識調査を 行うことにより、企業における研究開発に関する実態や課題などを把握すること を目的としたもので、以下の点を中心に調査を行っています。

① 研究開発環境の変化

② 国際競争力

③ 海外の研究開発拠点の設置

④ 新たな知恵・発想・アイディアの創出

⑤ 研究開発戦略・ロードマッピング

⑥ 研究開発におけるコア技術の重要性と連携

⑦ 知的財産戦略

⑧ 研究開発成果の事業化

⑨ 日本国内における外国籍研究者の雇用等

⑩ 研究開発人材

本調査は平成14年度より継続的に実施していますが今回の調査ではアンケ ート実施時期が平成19年9月であり、平成19年末の急激な経済状況の悪化の直 前の調査として意味があると考えております。

調査の実施にあたってご協力をいただきました、企業の経営者ならびに研究 開発責任者の方々に厚く御礼を申し上げます。本調査が研究開発の今後を考え る上で、何らかの参考になれば幸いです。

2009年 3月

社団法人 研究産業協会

(3)

(社)研究産業協会 平成 20 年度報告書

平成 20 年度 民間企業の研究開発動向に関する実態調査概要

調査の目的と進め方 (1)基本的考え方

本調査は、日本の研究開発費の約7割を占める企業の研究開発関連の最近の傾向を把 握し、課題等を抽出することを目的としたものであり、研究開発投資額の多い企業に対 してアンケート調査を行ったものである。主な調査項目は以下の通りである。なお、調 査時期は平成20年9月で、経済状況の急速な悪化が始まる直前であったことを明記し ておく。

(主な調査項目)

① 研究開発環境の変化

② 国際競争力

③ 海外の研究開発拠点の設置

④ 新たな知恵・発想・アイデアの創出

⑤ 研究開発戦略・ロードマッピング

⑥ 研究開発におけるコア技術の重要性と連携

⑦ 知的財産戦略

⑧ 研究開発成果の事業化

⑨ 日本国内における外国籍研究者の雇用等

⑩ 研究開発人材 (2)調査実施スケジュール

本調査は、以下のスケジュールで実施した。

・平成20年 9月 3日:アンケート用紙発送

・平成20年 9月19日:アンケート用紙回収締切

アンケート調査の対象企業

(1)調査対象企業

研究開発を行っている大手企業1,009社を対象として設定した。抽出の考え方は、

研究開発費の多い順から約1,000社抽出した。なお、抽出した企業は平成18年度 経済産業省委託調査「企業の研究開発関連の実態調査事業」で対象となった企業と同一 である。なお、アンケート用紙の発送先は、「研究開発担当役員様」とした。

(2)集計区分 [業種別集計]

アンケート回答が8社以上あった12業種については業種別集計を行った。

[規模別集計]

研究開発費が大きな企業においては、上記1,009社の全体集計とは異なる傾向が 出る可能性も考えられたため、平成16~17年度に行った調査(H16年度は国から の受託、H17年度は研究産業協会による独自調査)と同一の企業のみを抽出し、集計 を行った。

(4)

表1 業種ごとの対象企業数(依頼ベース)

業 種 全体1,009 社の業種別企業 数 研究開発費上位 327社の業種 別企業数

電気機器 230 86

輸送用機器 75 33

化学 152 40

医薬品 50 23

機械 121 32

精密機器 32 10

その他製品 35

食料品 64 16

繊維製品 22

情報・通信 40

電気・ガス 16 10

パルプ・紙 11

石油・石炭製品

ゴム製品 16

ガラス・土石製品 27

鉄鋼 15

非鉄金属 23

金属製品 29

建設 42

その他業種

合 計 1,009 327

ア ン ケ ー ト 回 答 企 業 数 は 2 3 5 社 、 回 答 率 は 2 3 . 3 % 、 回 答 企 業 の 業 種 別 分 布 は 右 図 お よ び 下 表 の と お りである。

業種分布

37 22

32 11

24 9

7

14 11 2

9 2

4 4

8 3

9 6

16 0

5

0 5 10 15 20 25 30 35 40

電気機器 輸送用機器 化学 医薬品 機械 精密機器 その他製品 食料品 繊維製品 情報・通信 電気・ガス パルプ・紙 石油・石炭 ゴム製品 ガラス・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 建設 陸運 その他業種

回答数(社)

N = 2 3 5

(5)

図1 回答企業の業種別分布(回答総数 235社)

[全体]・[研究開発費上位社]業種別回答社数 *網掛けは、業種別集計を行った業種

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

電気 機器

輸送用 機器

化学 医薬

機械 精密 機器

その他 製品

食料

繊維 製品

情報・

通信

[全体]235 社 37 社 22 社 32 社 11 社 24 社 9 社 7 社 14 社 11 社 2 社

[上位 327 社]

105 社 20 社 10 社 14 社 8 社 8 社 3 社 1 社 5 社 4 社 4 社

11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 電気・

ガス

パルプ

・紙

石油・

石炭

ゴム 製品

ガラス・

土石製品

鉄鋼 非鉄 金属

金属 製品

建設 陸運 その他 業種 9 社 2 社 4 社 4 社 8 社 3 社 9 社 6 社 16 社 0 社 5 社 6 社 2 社 1 社 2 社 5 社 1 社 6 社 0 社 4 社 0 社 3 社 アンケート調査の項目

アンケート調査の項目を以下に示す。

1.研究開発環境の変化 1.1 研究開発費 1.2 研究開発要員

1.3 研究開発の進め方の変化

1.4 研究開発および人材に関して懸念される課題 2.国際競争力

2.1 日本企業が強い点・弱い点 2.2 国際競争力の強化に必要なこと 3.海外の研究開発拠点の設置

4.新たな知恵・発想・アイデアの創出 5.研究開発戦略・ロードマッピング 5.1 市場分析・マーケティング 5.2 ロードマッピングの作成 5.3 テーマの評価・選定

5.4 テーマ化・予算化の阻害要因

6.研究開発におけるコア技術の重要性と連携 6.1 コア技術の重要性

6.2 研究開発における連携戦略 6.3 産学連携

7.知的財産戦略

8.研究開発成果の事業化

9.日本国内における外国籍研究者の雇用等 10.研究開発人材

10.1 能力面 10.2 人材育成

10.3 研究開発者の流動性 10.4 モチベーション

(6)

調査結果のまとめ

研究開発活動に積極的な我が国企業(主として製造業)を対象として、企業の研究開発 活動の実態に関するアンケート調査を実施した。本調査結果をまとめると次のようになる。

(1)研究開発環境の変化

・日本全体の研究開発費については、総務省統計局による「科学技術研究報告」において 1990年代の初めに企業における研究開発費が減少したことがあるものの、その後は 上昇を続けている。今回の調査においても、今年度の研究開発費が「前年度に比べて増 加している」と答えた企業は40%を越え「前年度に比べて減少している」と答えた企 業は12%を上回った。5年後の研究開発費について、調査時点(平成20年9月)で

「減少の見通しである」と回答した企業は全体で3%であった。少なくとも調査時点で はほとんどの企業が研究開発費の減少は予定していなかった。

・概ね研究開発費の76%程度は短期的な研究開発に、24%程度が中長期的な研究開発に 向けられている。この比率は医薬品以外の業種で同様である。医薬品のみで中長期的な 比率が6割を超えている。5年前との比較においては、「中長期的な研究開発費の比率 が増加している」と回答した企業数と「短期的な研究開発費の比率が増加している」と 回答した企業数はほぼ同程度であった。5年後の見通しについては、医薬品以外のすべ ての業種では中長期的な研究開発を増やす見通しの企業の方が多い。研究の内容につい ては5年前に比べて、全体として基礎研究が減り、応用研究や開発へのシフトが見られ たが、5年後の見通しについては、全体として基礎研究や応用研究の比率を高め、開発 の比率を下げたいとする傾向が出ている。ただし基礎研究の中身の「開発寄り」、期間 の「短期化」といった傾向がある。

・研究開発費の売上高に占める割合は、平均で1%前後~6%前後の業種がほとんどであ るが、業種によるちがいは大きい。医薬品業界は、全体の中で群を抜いて比率が高い。

・「事業戦略と連携の強化」、「研究開発のスピードアップの要請」、「選択と集中のよりいっ そうの重視」の3つである。

・研究開発に関して懸念される課題については、「中長期的に育成すべき固有技術の研究が 衰退」、「将来の新商品創出が困難」が多く、短期ではない将来向けの技術開発への懸念 が大きいことが表れている。

・人材に関して懸念される課題として多かったのは、「技術をマネジメントできる人材の不 足」、「創造的人材の不足」、「技術を俯瞰できる目利き人材の不足」、「戦略を立案できる 人材の不足」である。研究開発要員の増加傾向は続いており、5年後も増加させる見通 しと回答した企業数は60%を越えた。

(2)国際競争力

・日本企業の強い点について「強い」という回答が多かったのは、「生産・製造技術力」、

「製品化技術力」、「トップのリーダーシップ」。日本企業の弱い点という回答が多かっ た項目は、事業前略。マネジメント、商品企画力、新規事業、海外の情報収集、外部資 源の活用。研究開発費が多い企業については、その以外の企業に比べ、研究開発力、研 究開発人材の質に関して、「強い」と考えている比率が高くなっている。

・国際競争力の強化に必要なこととしては、「グローバル人材の育成」、「戦略立案のできる 人材の育成」、「市場分析・マーケティングの強化」。

・海外拠点は米国、ヨーロッパ、中国、アジアに設けており今後も強化の予定。欧米には 技術情報を期待し中米国、中国、アジアには現地ニーズの把握を期待。中国、アジアに はコストも期待。欧米では費用対効果が課題。中国では人材・ノウハウの流出が課題。

(3)新たな知恵・発想・アイデアの創出に関する考察

・新たな知恵・発想・アイデアが「問題なく創出されている」と答えた企業は約7%と少 なく、新たな知恵・発想・アイデアの創出が課題と考えている。

新たな知恵・発想・アイデアを生むための工夫・制度としては、提案制度の活用、社内 交流の促進が主であるが、これと並んで水面下で研究することを認めている企業が多い。

・新たな知恵・発想・アイデアを生む際の阻害要因は「既存業務が多忙で余裕がない」と

(7)

回答した企業が最も多く、60%近くにも達する。

(4)研究開発戦略

・市場分析・マーケティングについては、全体的には、医薬品(10年先)を除き5年程 度先くらいまでを見通すとの回答が多い。ロードマッピングによりさらにその先の見通 しを想定している。

・テーマ評価・選定時に重視している項目は60%以上の企業が、「売上への貢献」、「事業 の将来性」、「事業における緊急性」、「利益率」、「自社技術の優位性」、「競合他社の動向」、

といった項目について「かなり重視している」と回答している。研究者の資質について は熱意・意欲を「研究開発者の過去の実績」と「過去の蓄積」より重視。

・テーマ評価・選定の際には「ツールは使用していない」との回答が43%と最も多かっ た。ツールを使用している企業の中では、「自社独自のツールを開発し使用している」

が最も多い。評価の中身(費用対効果の考え方や、効果の大きさなど)は自社に即した ものを指向している。

・テーマ化・予算化の阻害要因は「研究開発者の人員数の不足」、「市場のニーズ・トレン ドを想定することの難しさ」をあげた企業が多い。

・知的財産戦略は全体的には「困っていない」と多くの企業が回答した項目が多く、「かな り困っている」の率の低いものが多いが、その中で、「かなり困っている」という回答 が比較的多いのが、「収益に大きく貢献できる特許権の不足」「事業戦略への反映の不十 分さ」であるが、収益や戦略への反映など、目に見えるような成果を出すことの難しさ と、それに対する問題意識が感じられる。

(5)研究開発における連携

・研究開発におけるコア技術の比重については、どの業種においても「高まっている」が 過半数を超えている。また「低下している」という回答がほとんどないことから、コア 技術の重要性が強く認識されている。研究開発費が多い企業において、さらにコア技術 に対する認識が高くなっている。

・研究開発全体の中でアウトソーシングの占める割合は、7割程度は自社単独、連携先は グループ企業、異業種、国内大学が多い。ただし業種の違いがあり特に医薬品では自社 単独は5割にとどまる。5年前との比較では自社単独での開発は減少傾向であり、今後 の見通でも連携の増加を予定している。その理由は、「自社にない技術の補充」(約75%) と「スピードアップ」(約66%)、「新しい知恵・発想が欲しい」(約60%)。

・産学連携の中身としては、「企業側ニーズの委託」が8割を占める。産学連携に期待する ものとして、国内大学には研究能力、基礎研究、スピードアップを期待している。一方、

海外大学には国内大学に比べ研究能力に一段と大きく期待している。国内大学には知財、

スピード、事業化意識に問題を感じている。海外大学の問題はパートナー探しがしにく いこと、スピードや事業化意識については国内大学に比べ問題は少ないと考えている。

国内大学の優れている点は費用、知財交渉の容易性、契約の柔軟性、海外大学が優れて いるのは事業化意識、スピード、設備の充実度である。

・研究開発における外部連携の増減について、コア技術の重要性の変化、中長期的研究の 増減とのクロス集計を試みると、コア技術を重要と考える企業は国内大学と連携を進め ている、中長期の研究を増加させている企業は国内大学との連携、国プロの活用を図る こと、を志向している(マネジメント委員会 太田委員(東京大学産学連携本部 教授)

による)。

・コア技術の重要性の変化と外部連携の増減とのクロス集計

コア技術の重要性が高まっている、従来と同じ、低下している、と答えたそれぞれの 回答グループに対して、

a.自社単独、b.グループ内企業との連携、c.同業他社との連携、d.異業種の他企業と の連携、e.国内の大学との連携、f.海外の大学との連携、g.公的機関(旧国研など)

との連携、h.国プロ、のそれぞれについて、増えている、変わらない、減っていると 答えたそれぞれの回答グループとの相関についてカイ自乗検定を行ったところ、集団

(8)

コア技術の重要性の増減と 国内大学との連携の増減のクロス集計

0 10 20 30 40 50 60 70

1.高まった 2.従来と同じ 3.低下した コア技術の重要性

度数

1.増えている 2.変わらない 3.減っている 国内大学との連携

間に比率の差がある(確率が有意 水準5%より小さい)と認められ たのは、

e. 国 内 の 大 学 と の 連 携 の 増 減 に 対 し て の 回 答 グ ル ー プ で あ っ た

(図に比較結果の一例を示す)。

このことからコア技術の重要性 が高まったと回答した集団ではそ うでない集団に比べて国内大学と の連携を増加させている可能性が 高い。

・中長期的な研究開発の比率の増減 と 外 部 連 携 の 増 減 と の ク ロ ス 集 計

中長期的な研究開発(5-10年程度)と、短期的な研究開発(1-4年程度)の 費用の比は5年前と比べて、中長期的な研究開発費の比率が増えている、短期的な研 究開発費の比率が増えている、比率にほとんど変わりはない、と答えたそれぞれの回 答グループに対して、

a.自社単独、b.グループ内企業との連携、c.同業他社との連携、d.異業種の他企業と の連携、e.国内の大学との連携、f.海外の大学との連携、g.公的機関(旧国研など)

との連携、h.国プロ、のそれぞれについて、増えている、変わらない、減っていると 答えたそれぞれの回答グループとの相関についてカイ自乗検定を行ったところ、集団 間に比率の差がある(確率が有意水準5%より小さい)と認められたのは、e.国内の 大学との連携の増減に対しての回答グループ、および、h.国プロの増減に対する回答 グループであった。このことから、中長期的な研究を増やすと回答した集団において 国内大学との連携の比率、国プロの比率を増やした可能性がある。

(6)研究開発成果の事業化

・事業化成功確率研究開発全体で事業化に結びつくものの割合は約5割であると回答して いる。業種によって違いがあり、化学、医薬品、食料品の製造業では3割台となってい る。事業化できない原因・事業化の阻害要因は、市場トレンド、ユーザーニーズの想定 の困難さ、事業化ビジョンやノウハウなどビジネスとしての進め方についての困難さ、

を挙げる企業が多い。それに比べ技術力、要員の不足の割合は小さい。事業化されなか った研究開発成果は「そのまま中断することが多い」との回答が約2/3、1/3は将 来に向けて何らかの形で研究が継続されることが多いと答えている。

(7)研究開発人材

・研究開発者の能力については、能力要素ごとの人材の不足感について事業戦略の立案、

目利き、幅広い視野、新たな知恵に対応できる人材が要求されている。

・若手研究開発者の能力(入社3年未満の若手研究者)については、情報収集力、語学力、

プレゼンテーション能力が上がっていると回答する企業が多い。一方、これら以外の能 力(基礎学力、応用能力、視野の広さなど)については低下していると回答する企業が 多い。

・研究開発者の能力の年齢限界については多くの業界ではいずれも年齢的な限界があると する回答があった。特に医薬品では半数を超える企業が年齢の限界を指摘している。平 均的な年齢的な限界は40歳代と考えられている。

・人材育成については5年前と比較してほとんどの業種で人材育成にかける費用・時間を 増加させた企業数が減少させた企業数を上回る。育成に要する時間、指導する人材、ノ ウハウの不足が人材育成の課題であると考える企業が多い。また、対象となる技術の変

(9)

化速度、高度化が課題と考えられている。研究開発人材には専門性・スキルの研修以上 にニーズとのマッチングの場、チャレンジの場、多様な経験が必要と考える企業が多い。

・人材の流動性に関しては、「変わらない」との回答がどの項目についても一番高い割合を 示してはいるが、どの項目についても「高まっている」が「低くなっている」を大きく 上回っており、全体的には人材の流動性は高まっているといえる。

・外国籍研究者の雇用について半数近くの企業が優秀な人材の確保のため雇用している。

雇用できない理由は人材確保のルートがないこと。コミュニケーションの難しさ、定着 性のなさがそれに続く。外国人雇用のメリットを大いにあると回答する企業は少ない。

大きな問題は文化・風習の違いであり、定着性、意思疎通も問題であるが、企業側には キャリアパス設定の難しさがある。

・研究開発者のモチベーション維持には9割近い企業が仕事の達成感の必要性を上げてい る。知的好奇心、将来性、テーマの内容がそれに続いており、研究開発者にとって研究 内容の設定が重要である。

・回答企業の約8割は成果主義を導入している。成果主義とモチベーションの関係につい ては、全体としては「変わらない」の比率が多い。「上がった」と回答した企業数は「下 がった」と回答した企業数を上回った。成果主義の導入などの人事制度の変更と昇進・

昇格の関係については、全体の69%は「変わらない」と回答した。31%は「厳しく なった」と回答した。いずれの業種でも「厳しくなった」と回答した企業数は「ゆるく なった」と回答した企業数を大きく上回った。

・「頑張っても報われない人が増えていると思う」と回答する企業数は全体では約3割ある。

業種ごとに大きくことなり医薬品、繊維製品では1割に満たない一方、ガラス・土石製 品、建設、精密機器では4割以上ある。

参照

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