• 検索結果がありません。

井手英策『日本財政 転換の指針』 岩波新書 2013 年 グループ発表の総括

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "井手英策『日本財政 転換の指針』 岩波新書 2013 年 グループ発表の総括"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

2020年12月2日 Dグループ 恩田

井手英策『日本財政 転換の指針』 岩波新書 2013 年

グループ発表の総括

1. 1995 年 11 月政府による「財政危機宣言」から人々が財政に奉仕しなければいけない時代が 到来し財政再建の必要性が認識され始めた。

2. 1981 年度予算の法人税増税以来の基幹税の純増税という異例の増税である「消費税増税法案」

が 2012 年 8 月成立した。

3. これほどまでに増税に苦労してきた日本社会において増税を難しくする本質的な条件として

「政府への不服従」と「社会的連帯」が挙げられる。

4. 所得の多寡、性別、年齢とはかかわりのない必要、つまり人間に共通するニーズを政府が引 き取って満たすようになる原理を「ユニバーサリズム」、「普遍主義」という。

5. 消費税の導入や 97 年の増税は所得税、法人税の減税の穴埋めであり、減税のための増税であ った。経済停滞局面では国債発行などの借金をして減税を行った。

6. 日本はサービスの拡充を増税でまかなうという経験をそもそも欠き、人々のニーズを満たし 増税の可能性を高めることではなく、支出総額の抑制に力が注がれた。

7. 増税において租税負担の公平、受益と負担のバランス、人々のニーズを的確に捉まえるため の予算制度改革等、人々から合意を取り付けるための政府や政治家のありとあらゆる努力と しての政策のパッケージ化、包括化が必要。

8. 租税抵抗の原因の一つには財政の支出面における受益の少なさ、もう一つには財政の収入面 における課税の不公平という問題がある。

9. 増税を消費税一辺倒で行うのではなく様々な税のバランスで決定することが、負担の公平か らは重要である。

10. ユニバーサリズムの視点から人間に共通する必要を満たす形での尊厳と信頼の財政を追求し、

善き社会が導き出す結果としての財政再建が必要。

評価・見解

1990 年代に繰り返された景気対策の観点からの所得税減税、国際競争力の強化を名目とした法

人税減税により、バブル崩壊後、貧弱な税制しかもてなくなった日本において消費税の純増税は 当然のことであった。しかし、日本において租税負担率は先進国で最低水準だが中間層の痛税感 は先進国の平均より明らかに高く、政府や社会への不信、所得の減少と受益感の乏しさ、これら が増税を難しくしてきた要因となっていた。そこでユニバーサリズムの視点による受益と負担の バランスがとれた財政が善い社会への道筋となっていく。

善い社会、公正な社会を実現していくためにも人間に共通する生存・生活のニーズを満たし生

活保障とも関わる領域においては租税資金を投入し、年金の受給権や医療・介護の提供をすべて

の人々に保障することで社会の分断を防ぎ、社会の信頼を創造できる。本書で示されていた人間

像や社会観による善き社会が本当の意味での財政再建を導くことで、さらに善き社会が拡大する

といった好循環が生み出されると考えた。

参照

関連したドキュメント

過少申告加算税の金額は、税関から調査通知を受けた日の翌日以

 所得税法9条1項16号は「相続…により取 得するもの」については所得税を課さない旨

個別財務諸表において計上した繰延税金資産又は繰延

 福永 剛己 累進消費税の導入の是非について  田畑 朋史 累進消費税の導入の是非について  藤岡 祐人

[r]

四税関長は公売処分に当って︑製造者ないし輸入業者と同一

それを要約すれば,①所得税は直接税の中心にして,地租・営業税は其の

【消費税】 資産の譲渡等に該当しない (処理なし)。. 【法人税】