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仏伝 Tathāgatajanmāvadānamālā の校定研究(第16章 —第19章)

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

仏伝 Tathāgatajanmāvadānamālā の校定研究(第16章

—第19章)

楊, 暁華

https://doi.org/10.15017/1522370

出版情報:Kyushu University, 2015, 博士(文学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

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論文題目 仏 伝Tathaimtaianmavadanamalaの校定研究

(第16章 一 第19章)

論 文 内 容 の 要 旨

~旦

氏 名 場 暁 主 主

本論文は、中世ネパーノレで=作られた党文の「アグァダーナ・マーラー」 (仏教説話集)のジャ ンノレ中のl文献である仏伝Tathagatajanmavadanamala『如来出生アヴァダ}ナ・マーラー』(以 下、略号TJAM)を、 3本の党文写本に基づき、校定研究したものである。

TJAM は、全 37 章から成る浩潮な作品であり、主に anu~tubh 品l(okaとも呼ぶ)の韻律を用い て、兜率天からの下生・誕生から初転法輪までの期間の釈尊の仏伝を語る、発文で綴られた韻

( 

文作品である。

これまでのTJAMの研究には、 37章のうち四つの章(第5・8・10・11章)の不完全なローマ字 転写テクストを半世紀前に発表した黒田親の研究があり、また二つの章(第l章と第8章)の 完全な校定テクストと翻訳を発表した最近の岡野潔の研究がある。しかし作品の大部分がまだ 来校定の状態にある。本論文で筆者は第 16章から第19章までの校定テクストの作成を世界で 初めて行った。そしてその四つの章の内容を解明するために、 TJAMと他の仏伝文献との比較研 究を行った。特に古代インドの仏伝文献である Mahavastu(略号Mvu)、 Lalitavistara(略号Lal)、

Buddhacarita (略号Be)は、その四つの章における TJAMの源泉資料と判明したため、綿密な比較を 行った。

本論文は第一部、第二部と参考文献により構成される。第一部はTJAMの内容に関する研究で ある。第二部はTJAM(第 16章一第19章)のローマ字転写された校定テクストと、 3党文写本 の異読の報告である。第二部の校定テクストは指導教員である岡野潔との共同作業により作成

された。

本論文の第一部は6章より構成される。その第1章「作品内容と研究の概観Jでは、 TJAMの 作品全体を概観し、 37章の章名を列挙して、作品の章立てについて論じた。そしてTJAMの韻 律、枠物語、 TJAMの作成年代、 TJAMの研究史、校定に使用した3写本を説明し、ネパールの

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avadanamala文献の従来の研究をまとめた。

第2章「作品の構想Jでは、 TJAMの第 16章から第19章までの章立てと、インドで成立した 党文仏伝である Mvu、Lal、Beの章立てとを比較して、 TJAMの構想を探った。そしてその四つの 章で語られる出来事の一覧表を作って、各章の内容を示した。この表はTJAM第 16章から第 19 章までの内容の一覧となる。表ではMvu、Lal、Beと同一あるいは同類な記述の有無も示した。

第3章「TJAMとMahavastu」では、 TJAMと仏伝Mvuの比較を行った。 TJAMにおける Mvuを源 泉とする部分を調べて見ると、第16〜19章の範囲では、 Mvuを源泉とする文は特に第 16章に 多く存在することがわかる。その第16章の中にある、シュッド}ダナ王の夢と王子の夢の記事 を分析して、他の仏伝との比較を行い、 TJAMの作者がその箇所では特にMvuの伝承を最も利用 したことを確認した。そしてTJAMの作者がそこで源泉文をどのように利用したかを具体的に考 察した。

第4章「TJAMとLalitavistara」では、 TJAMと仏伝Lalの比較を行った。 TJAMという作品にお いては、 Lalを源泉資料として作られた部分が全体的に最も大きな割合を占めるが、筆者は第 1619章における、源泉がLalである箇所を網羅的に示し、比較を行った。 TJAMの作者は、或 る場合にはLalの記事に基づきながら自分の創作文も織り込み、また或る場合には、 Lalの記事 を土台にしつつもMvuの記事に由る表現を追加し、また或る場合には、 LalとMvuの両者を融合 させた表現をしている。またこの章の最後に、モンゴノレ語訳Lalの研究にも触れて、モンゴ、ル 語訳がチベット語訳Lalの逐語訳であることを確認した上で、特に第14章「夢」をとりあげて テクストを比較し、 『老人との出会い」の所でチベット語訳とモンゴル語訳が一致しない箇所 を指摘した。

第5章「TJAMとBuddhacaritaJでは、 TJAMにおける Beを源泉とする箇所を研究した。 TJAM においてBeを源泉として利用して作った笛所を、 「Beの丸ごとの借用文J、 「Beを改変した 文」、 「Beを模倣した創作文」と三つに分類して、その具体例を挙げて、 TJAMの作者による Beの利用の仕方が決して一様ではないことを示した。またTJAMの作者の使用したBeの写本に ついても考察を行った。この章の最後に、モンゴノレ語訳Beについても調査を行い、それがチベ

ット語訳を踏まえた機械的な逐語訳であることを確認した。

( 

第6章「作者の創作文」では、まず第 16〜19章における作者の「創作文Jを表にまとめた。

本論文でいう「創作文」とは、 TJAMの中の出典不明の箇所であり、そこでは記述が何らかの古 い未知の典拠に間接的に基づいている可能性も否定できないが、しかしTJAMの作者が比較的自 由にインドの古い仏伝の伝統を離れて、自分なりの創作を行っている可能性が高いテクストの 部分を指す。その「創作文jの中から、筆者は王子夫婦の性交、ゴーパーの妊娠、ヤショーダ ラーと他の妻たちの願望の記述、ウダーインの説得文という四つのエピソードを取り上げ、関 連する仏伝と比較して、 TJAM作者の創作について考察した。

参照

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