Prehistory of How Ancient Official Documents Came into Existence: Kanji, Calendars, Seals, and Document Styles
NITOAtushi
[論文要旨]
古代公文書 の 成立前史
漢字・暦・印・文書様式 仁藤敦史
はじめに
❶
漢字運用の習熟❷
暦の導入と年号表記❸
印章の押印❹
大宝令以前の文書形式おわりに本稿では、古代の文書を成り立たせている諸要素について考察を加えた。具体的には、漢字運用に対する習熟、暦の導入・普及、印章制度の導入、文書形式の統一などである。いずれも七世紀後半以降に充実化してくることが確認された。大宝令以前の要素を残す「大命符(宣)」「某前白(申)」「辞」「牒」「解」などの文書形式を検討した結論として、文書形式は上申か下達かという大きな違いがあるだけで、公式令に規定された文書形式の違いは大きな意味を有さないことが再確認された。さらに、書状形式の影響や口頭伝達を前提にした内容がみられ、唐代ではなく古 い中国の文書形式が朝鮮半島を経由して大宝令以前から継受されていたことも確認された。奈良期前半における出土木簡や正倉院文書にはこうした公式令の文書形式を逸脱した実例が多く見られる。七世紀には確実に口頭伝達を補完する文書が存在したことが指摘できる。紀年木簡を基準とすれば、天武四年以降の年紀を持つ物が連続して出土するようになるのは、文書行政の習熟において大きな画期となる。【キーワード】暦・印章・文書形式・口頭伝達・書状
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