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数学教育改革運動ついて(三) : 佐藤良一郎氏の数 学教育論

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(1)

数学教育改革運動ついて(三) : 佐藤良一郎氏の数 学教育論

著者 長崎 栄三

雑誌名 東京学芸大学附属大泉中学校研究集録

巻 19

ページ 21‑43

発行年 1979‑02

出版者 東京学芸大学附属大泉中学校

URL http://hdl.handle.net/10297/7632

(2)

~

i I  

数 学 教 育 改 草 運 動 K ついて(三)

一一一佐藤良一郎氏の数学教育論一一ー

長 崎 栄

巴 は じ め に

回融合主義の目ざしたもの…・・思想的左面から 回 教 科 書

K

みる融合主義

囚入学試験と融合主義 国会・わ

J H

田 は じ め に

数学教育改革運動は,ペリー・ムー7.9ラインらの意を受け,日本では小倉金之助をはじめと し,一方では,長田新・新宮恒次郎らがいた広島高等師範学校が,他方では,東京高等師範学校が,

その実践的左役割をはたしていた。

佐藤良一郎氏は,大正

4

年に東京高等師範学校附属中学校K勤め,昭和

4

年から昭和

27

年まも 東京高等師範学校・東京教育大学

t

h

て,数学・数学教育を担当して

h

た。つま

9

,佐藤氏は,

実際家として,改革迎動の中心1'/:

0

たといえる。また,小倉金之助の『数学教育の根本問題』と並

』堵著『初等数学教育の根本的考察』その他の著設も数多〈著して争

9

,さらに,当時の数学教育 者から高い評価を得て

h

た『改正教授要目』の作成に〈わわった一人でも畠った。

己己では,佐藤氏の数学教育改草運動陀果たした役割を,

r

融合主義」と

0;

立場から考察ナる。

もちろん,他の種々の主援と同様1'/:,融合主義も,その源は,ペリー・ムー7

9

ライYらに毒る。

特1'/:,ムーア『数学の基礎Kついて

J

,Pライン『濁逸=於ナノレ数学教育 j1'/:  ,それが顕著にうか がわれる。融合主義は,数学を教育の対象としてみるとき,その根本と在る思想であるζとを,私 はすで

K

長田新の数学教育論1'/:骨

h

て考察した。つま

9

,融合主義は,数学教育にとって永遠の課 題でも毒る。

佐藤氏は,

r

初等数学教育の根本的考察』をはじめ,

0 (

つかの著書や論文に長いて,融合主義 を解き明かそ

5

と試み,さら1'/:,それを教科書として著そうとした。ととでは,佐藤氏の著書や教 科書から磁合主義の目ざしたものをさぐるとともに,それが,どのように具体化されて

h

ったのか をみる。

(3)

融 合 主 義 の 包 ざ し た も の ・HH ・‑・思想的な面から

融合主義を佐藤氏はどのように考えていたので畠る

5

か。それを,次の

2

K

よって調べてみよ う。

1) 

『初等数学教育の根本的考察

J

(大正

13

年 ) (以下『考察』と略称する。)

『師範大学瞬座・数学教育・数学教育概論・中等学校鰐

J

(昭和

9

, 

10

年 )cr概論』と略 称する。〉との

2

著は,述べようとする核心は同じで岳るが,徴妙左差異も毒る。それは,

たとえば,前著で「融合」としているととるを,後著で「綜合」としているととる

K

端的

K

毒らわ れてhる。

2

箸の毒らわされた時期が約

12

年間は左れて長

t,その問,昭和 6

年に教授要目改正 が畠ったととを思えば当然であると

h

えよう。主$',融合・綜合については,前著が「数学教科の 組織

J

,後若が「教材の組織」という章

K

h

てふれている。つま!J

融合主義とは,数学のカリ

キ晶ラムを作るときに,どのよう左立場で臨むかというととを,さし示すもので畠る。

隊合主義は,数学教育

K

子草

h

て最初から考えられていたのでは左(,数学教育史的にみると分科 主義が先

K

あヲた。そして,その分科主義に対するものとして,融合主義の考えが生まれた。 ζの 掌では,まず,分科主義を考察し,その後f'[,融合主義を考祭しよう。

l  分科主義について

( 1 )

分科主義とは

分科主義とはどのよう左ものか。佐藤氏は,

r

概論

J t c

金いて,次のよう

K

まとめている(ただ し,

r

概論

J

f'[草子

h

ては分科主義では左〈分科的取扱としている〕。

「算術・代数・幾何・三角法のJl

J I

を立て,各を首尾完結したー科として教える仕方」

「各科

K

は互に犯すべからざる領域があ t ,独得の方法があって」

「期するととるの教育的価値は所開思考力の練磨,推定方の銭線で畠る」

やや抽象的では曇るが,分科主義の特徴を明確K言い表している。分科とは,単在る算術・代数・

幾何・三角法の名称の上だけに存するのでは在(, 

r

領域

J r

方法」の上

K

も岳.t,そして,その 目的とするとζるは,

r

思考カ,捨理カ」の養成で晶った。具体的には,

r

考察』に辛子

h

て,当時

の数学教科り現状として次のよう

K

述べて

h

る。

「算術f'[於ける応用問題在方程式で解いたのでは頭脳の訓練が出来左い。むずかし〈ても算術的 方法で解かせねばまら由。算荷的に解〈のがむずかしいからζそ価値が晶るのだ」

「図を用

h

て問題を解けば便利左とともあるが,それでは思考力が鍛練されず推理の方法が覚え られ由」

「幾何学

K

代数を用いたのではま告湿力を鍛練する効果が少まい」

「幾何の問題を三角法の知識を用

h

て解いてはまらぬ」

つま!J

算術と代数・代数と幾何・幾何と三角法等を内容だけでは左(,その方法の面からも分離 しようとしているので岳る。現在でも

s

例えば,小母当支の文章題在方程式を使って解いてよいのか,

(4)

J' 

J

よく竜いのかというととが問題陀まる詩人それは,算術と代数の分科の名残

b

ともいえる。ではま ぜ,それらを分科しなければ左らまいのか。『考察

J

f'C軒

h

ては,

r

分科主義の思想」を「方法上 の分科主義」と認め,その根拠を形式陶冶に見

h

出している。

「形式陶冶的見地からする走らば,同ーの問題を解<f'C二つの道が毒って,一つが他よ

b

も容易 であるならば,その容易在る方は「精神の伸張」を要求するとと少〈従て精神の鍛練が出来ま

h

から価値はまい。己れに反して困難左方の方法は精神の緊張を要求するとと多〈従て精神が鍛練 古れ従て価値が大きいのである。」

佐藤氏は,とのよ,f'C述べているが,佐藤氏がその分科舗の

1

人 と し て あ げ な る 藤 糊 喜 太 郎の言

K

よって,とれらの事情をさら

K 明確 K

して告とう。藤揮は,

r

数学教授法

l

f'C草子いて,次

のようf'C述べている。

「試=初等数学

ι L

上ニユ進yデ学バレタ人ニ間ヒマスガ初等数学エテ学

Y';"

事柄ハドレ

F

ク高等数 学ノ役=立'"カヲ考ヘテ御覧ェナリマセ,長島何=テ習グタ事柄7使フコトハ裁z僅カデセク。其 点カラ考ヘマ

1

ト幾何学ハ非常エ小サ?"テモ普イ,殆ド廃

γ

テモ善イデセ世,併

V

ナガラ幾何 学ハ普通教育ノ範囲内ヨリ省イテハナリマセヌ,世界各国エ於テモ幾何ハ六ク敷イモノ,幾何学 上ヨリ得タル知識ハ後=実用ノアルノガ少ナイモ

/ ! J . '

ト去フコトハ知ヲテ居リマスガ,:Jν =モ 拘ハラズ各国ノ普通教育ノ中ι入

ν

テ7リマセタ。」

「蓋シ其目的ハ推理ノ法ヲ教ユルノデアリマA

~pテ幾何ノ中ニアル事実其物ヲ習フテ居Jレノ主 ナラズ頭ア数学的ニ練ルノデス。普通ノ人ヨリ云フト推浬カヲ鍛練

Y

恩想ア緩密= Aルハ幾何学 ノ重ナル

E

的デアリマス」

とし,さらに,

「代数ア幾何学ノ方ニ使ヒマスト代数上ノ困難ア幾何学ノ中へ遷スコトトナリマA

一方ヨリ去

フト働関西流ノ幾何ハ推理カヲ鍛錬スルノ効能ガ比較的=少ナイデス」

との短か

h

文章の中

K

分科主義の思想をよ〈みるととができる。方法が純粋で晶れば,もちろん,

論理的には巧妙Kま.T,そして,またそのために問題の解法が困難と在るのである。「傍蔚酉流ノ 幾何

J

は,幾何

t

て長いて代数を使っているので否定されてしまうのである。数学の内容をよ

b 簡単

K

子どもたちに理解させようという努力は吾定吉れ,よ

b

困難走場f'C子どもを,骨とうとしている。

もちろん,子どもたち

K

課題意識を持たせるときf'C,ある程度因議走場を設定するととは必要で畠 るが,それが分科主義に;‑;'¥r>ては,数学という立場から一方的にな古れているのである。そして,

佐藤氏は,分科主義の白来を次の

2

つの点にまとめている。「数学各教科のと

b

入れられた時代の 遠い」と,そして,それらが「教科としてと

b

入れられた事情が,形式陶冶によるもの」としてい る。分科主謝土,数学と教育学,心理学等の歴史の産物であ.T,必然的

K

通らねばなら左

h

道で喜った。

( 2 )

分科主義の破錠

しかし,

1  9

世紀から

20

世紀へかけての数学・教育学・心理学等の進歩とともに,分科主義へ の批判は強〈まって〈る。そして,それ点また,ベロー・ムー7・

pライ

Yらの意図したととの1つで あった。佐藤氏は,すでに『考察

J

f'C;‑;.いて,分科主義

K

反対する理由

c

1

点在,

r

方法上の純

粋さ

J

から生じるものと生徒の発達段階の関係から述べて

h

る。つま.T,生徒仕方法の純粋さ

K

(5)

よって生ずるととるの「一種の美

J

を鑑賞した!J,方法の「論理的意義と価値

J

を理解できるのか どうかというととである。そして,第

2

点は,教材の「訟張」ゃ「草新」が阻まれてしまうという ととろにある。方法だけが問題左らば,内容はどうでもよいととKまるから。当時の,教育思潮と しての C心理化J~社会化」 の立場からの批判で晶!J,また,近代数学の発展による数学教育への新 内容の導入の必要性という荷からの批判でもあj),形式陶冶説反対と密接

K

つ左がっていた。もち ろん,

r

考察』が著された時期防,まだ,日本

D

数学教育改草運動は,その端緒についたばか

b

で 畠った。そのため,とれらの理念的ま己とが即座

K

受け入れられたかどうかは疑わしい。

しかし,それから

1 0

年余

b

経過した『概論』の時期に在ると,それがよ

b

具体性を帯びて〈る。

佐藤氏は『概詩

J

I1:告いて,分科主義

K

対する反対の理由を

7

つにまとめている。

中等教育を受ける生徒数の増加によ t , 

「或部の生徒の能力には耐え左い」

「生徒が目的とするととるの教育K適当しまく在。て来た」

推理力・思考力を鍛錬するためにひたすらむずかしい問題をやるというととでは,生徒の多様性に とたえられま〈在ってきたというととである。そして,グラフ・函数思想

K

代表されるよう1'1:,

「近時の生活坤

Z

数学の形式ではま〈て,数学の与える技布,方法,原理を要求するように在って 来た」

また,教育の一段思潮の変化

K

よ!J , 

「生徒各自の生活(経験の発展といョてもよIt>)のために数学を学習させるのが,数学教育の任

務 」

と主]J,さら11:,

「近代の批判的反省的傾向」

「数学的能力

K

関する心理学的研究の進んで来たζと」

とれらについては,長田新の形式陶冶説のととるで〈わし〈ふれた。そして,教授要自の改正によ

t  , 

「数学科の教授時数の波少したとと及び数学の課程の以前と変ったとと」

を畠げて

h

る。

ζの反対論の中11:,数学教育改草運動の目ざしたものの典型をみる思いがする。分科主義批判は,

教育の「心理化j

r

社会化j

r

生活化j,

r

函鋭思想

J

の涜養等の改草選動の目標全体にかかわると とで畠j),それは,単在る

1

つの改革霊説ゆ目標で畠ったのではま(,他の目標と有機的に結合していた。

融合から綜合へ

( l J

融合主義

K

h

佐藤氏は,

r

考察

J K

:Il‑It>て,

i

融合主義

J

という言菜を使っていたが,

r

概論

1

1'1::1;'いては,

「綜含的取扱

J

とい

5

言葉を使っている。そのととは,まさに

f

考察』が思想的左呼びかけの香で 畠ったのに対して,

r

概論』が実践的左脅で畠ったという対照だけではなく,融合主義のたどった

4

(6)

、"

a 、

b

. '  

経過が,まさし〈毒らわれて

h

る。「融合」が「綜合」へ,

r

主 制 が

I

取 扱jへとかわったので島る。

『考察

J

f'C

h

て,佐藤氏は,融合主義

K

h

て相当詳し〈述べている。分科主義を排し,融合 主義を求める根拠を説明するには,数学教育の目的まで戻らねばまら左

h

。数学を「今日の文化生 活K飲くべからざる科学のーっ」と考えた佐藤氏は,数学教育の目的は,数学を「現代文化K関与 するための道具として考える

J

f'C岳ると主張し,従って,数学の「基〈根本の思想を一般に了解せ しめて数学の如何在るものであるかの概観を与へ

J

, 

i

自然及社会が吾人f'C課するととるの問題を 解〈仕方を教へ」るものとした。佐藤氏の数学教育の目的

K

h

ての詳しい考察は,他日

K

譲ると するが, ζれらの目的が,例えば,小倉金之助の「科学的精神」と脈を通ずるもので毒るととは,

言を待たま

h

。このように数学教育の目的を考えれば,融合主義に至るのは当然であった。つま]J,

「数学は内容l亡於ても,方法に於ても可変的のもの」であ]J, 

i

時代の趨勢,科学の進歩と相伴は ねばまらぬ

J

のであるから,新しい内容がはい

b

込むのを阻む分科主義は否定されるしかまかった。

し;かし, ζとまでは,理想的左ζととしていえるが,実際に教材を組織化しょ

5

とすると別問題 Kまる。佐藤氏は,ムー 7 ・pライYらも融合主義の実際的主道を明確Kは畠げてまいとしつつも 融合すると

h

うとと

K

ついて,

3

つの方法を畠げている。第

1

は,

「在来の分ち方に依る各分科から教材をと

b

とれを適当に按排して丁度寄木細工でもするよう

K

して一つの系統を作る」

2

は,

「在来の分科は認めてあ、いて各科の間でもっと互に方法を融通し合うとと」

第 3

は,

「在来の数学各分科にはかかわらず,或る方針の下

K

新しい初等数学という体系をたてるとと」

2

の方法は,例えば,算術で文字を用いた]J,幾何学にお、

h

て代数や三角法を用いた

b

するとと をきし,第

3

は,例えば,

i

函数思想の酒餐」というととで新体系を打ち立てた]J,問題の模型的 まものを並べるととKよ

b

体系を作るとととしている。

理想的

t

ていえば,第

3

の考え方をと

b

たいが,しかし,そうは簡単にできまいととは明らかだ。

佐藤氏は,との

3

つのどの道をとるかは未解決だとしつつも,

1

つの方向を示唆して

h

る。それは しいていえば,第

2

と第

3

の問の道である。

「数学各分科の方法を思考経済の見地から選択し,一つの対象を考察すると1A

5

目的の下

K

統合 するまらば縦令算術・代数・続何・三角法等の名目は存置しても所翻分科主義の立場で考えると

きのよ

5

ま意味は最早持たま〈在る」

そして,在来の各分科の数学的方法だけで左<,解析幾何学・射影続何学・微積分学等も採

b

入れ るととを主張する。ととでい

5 i

思考の経済」というのは,

i

最も有効

J i

最も捷径

J i

最も容易

j

左思考をさし,それは,もちろん「生徒の個性や素養の程度による」も

C

で岳る。しかし,学校教 育の或期間K争いては,

i

劉可学の最初の部分f'Cある誇定理,作図法に関する事哀

J n

数の計算,

代数的表示,代数式の計算,方程式の解法j等は,各部面をそれぞれ

1

ヨの系統を立てて教育する ととを認めている。それは,

「新しい意味に於ける初等数学の内容の中には,在来の算術や代数や或は幾何・三角法等に於て 研究された対象が含まれて

h

るし,その方法の中にも矢張

b

それ等

C

学科の方法が含吉れ力向る」

(7)

からで岳る。そして,それらは独立に考究せざるを得ま

h

し叉考究された方がよいときもあるとし ている。しかし,それは,あ〈までも便宜上のととで畠j},以前の分科主義とは異まるとしている。

「最初の聞は対象も格異左

b

方法も異在るの放を以て彼此分立してそれぞれの途を歩み後

K

は交 互に緊密に影響し乍ら恰も一つの交響楽でも奏するが如〈進む

J

と。 ζの『考察

J

I1)中

t

亡すでに,融合主義の限界を見るととができる。教育学者で畠った長田新は

「生の数学

J

として佐藤氏の

V > ?

3

の立場を提唱して

h

た。

I

真理性の教養」を勃とした数学教 育で畠る。そして,佐藤氏もまた,第3の立場IC立った数学教育を提唱したかったで畠ろう。もち ろん,その核心とまるものが何で島れ,分科主義の否定の帰結は当然そのよう

K

在るからだ。しか し,理想としての「融合主義」を現実化しょ

5

とすると,非常

K

大きま困難

K

突き当たる。その間 の事情

K

h

て,佐藤氏自身は畠宮

b

ふれて

h

まいが,新宮恒次郎は,教師の態度,教科書の作成,

数学の各分科の体系

θ

強さ,の面から述べているととについては,前

K

ふれた。

G

割綜合的取扱へ

その結呆,

1

除年たった『概論

H

亡争

h

ては,融合主義が具体性を帯びるとともに,

r

綜合的取 扱

J

とまって

h

た。

I

綜合的取扱」とは何か。

「従来事事績と時ばれ代数と呼ばれ或は幾何と呼ばれ三角法と呼ばれて

h

たととるのものをそれ等 を超越した立場で取扱うとと, ~pち単一左数学C面或は部面として取扱うとと」

「一つの問題を解〈のに解答吉へ得られれば方法の如何は問わ左h。期するととるは要するK数 学的

K

考察する能を与えるととが出来ればよい。」

そして,分科的取扱と綜合的取扱の相違の要点在,

I

形態よ

b

も,取扱の精神に喜る

J

としている。

ζとに融合主義の困難さが端的

t

亡事らわれている。融合主義は,各数学教育者但人々々の精神忙か かってしまっているので岳る。

そして,綜合的取扱の固さすとこるとして,

「生徒をして常Kその有するととろの数学的知識,数学的技能を自由に使用せしめ,とれに依っ て,自ら生徒の脳連に彼自身のそして生き生きと働〈数学体系が構成されるようt亡し,教授の能 率を高めようとする

J

としている。さらに具体的

K

次のよ ?IC述べている。

「数学と称する武器を,否日常起とる諸問題の解決に数学的の武器を有効IC用いるととの出来る ようにと

h

うととを主限とし,との目的の為

v t

論理的訓練を重んずる

J

「数学を学び易〈し興味畠るものとし・・…生徒の内面

K

間〈根ざしめる」

「数学の学習を出来るだけ経済的

K

しようとする」

「他科θ学習Kよ

D

便利重宝左武器を提供する

J

「新教材の導入を容易くする」

とれらが分科主義に対する批判から出て〈るととは今さらいう宮でもまいで畠るう。しかし,とれ らむととをみても,綜合的取扱とh うものが明確Kつかめ在h面が畠るのは,

r

考察』から10年以

上も経た『概論

H

亡骨

h

でさえも,佐藤氏がいみじ〈も言っているように,

: 1

長きも十年を出で在

h

(8)

h

実際的経験では,十分ま経験とは

h

えまII>

J r

寄人は思想的にとの取扱の是非を論じよ!i0 

J

と。 そして,結局は次のよう走ととるK落ち着く。

「綜合的取扱を以て算術・

f t

数・幾何・三角法の諸材料を打って一丸とし,何れの部分を切断し ても断面としてζれ等の諸方面が含まれるよう在そう1I>!i数学的体系を立てて教へるζとで畠る とするのは,勿論違

h

では左いが,そ

5

ナる事だけが綜合的取扱で島ると考えるのは誤

b

である」

とし綜合的取扱の行き過ぎをいましめている。そして,さらに実際的左ものとして,綜合的と分科 的の中聞を提唱する。

「互に最も緊密ま関係を有する算術と代数を綜合して一つの体系を在すよう

K

教え,幾何と三角 法とを綜合して一つの体系を形成するように教える」

案を,当時のよう左過渡期の時代としては,一般

K

最も実行し易

h

案で畠るとし

τ h

る。

新しい初等数学の体系を作ると1I>!i理想的主融合主義では左<,&富合

1

的取扱とし,それ

K

よって,

畠る程度の分科を認めつつ,その取扱い方を,先11:述べたよう左11><つかの点に目を向けて行在っ てい〈と1I>!i乙とで岳る。と己Kは,

r

考察

J

I1:長けるようま意気込みが消えてしまっている。そ れを後退とするのはたやすいが,それでもま:Io',分科主義11:<らべれば格段の進歩をしていると 言わざるを得まh。そして,現在白日本の数学教育の原裂をとと K見るととができる。してみると,

本来の意味での敵合主義を追求するという大きな課題が現在11::!'草されているといえよ

5

回 教 科 書 に み る 融 合 主 義

当時,佐藤氏は,前章に草子

h

て考察したようま「融合主義

J r

綜合的取扱」を突現ナベ〈教科香 を著している。その問の事情について,後11:次のよう陀述べてい与。

「昭和

6

年数学教授要目改正があってから以後の教科舎は,当然,その前の教科書と趣を異にし た。 EE・‑そして,或編者は「総合数学」或編者は「算術

. f

J

~衡や三角法」と針T って,教 科書を編集した。私も,自分の考えを実現するつも

D

で,前述のよ

5

ま趣旨で教科書を編怨して 公にした。

J

i i i i

氏は,

2

種類の教科書を著している。

新制中学校用基本数学(上・中・下) 昭和

7

9

月 (改訂版昭和

13 & F   3 )

6 )

増課数学(上・下〕 昭和8年

10

月 新制統合数学算街・代数篇(上・中・下) 昭和

9

9

幾何・三角法篇(上・下〕 昭和

9

9

基本・増謀数学は,教授要自の改正のすぐ毒とに出古れて骨

T

,特1

' 1 :

,基本数学(上

H

亡事、いては 教材が総合的

K

配列されて

h

る。ととるで,1:.の

2

種類の教科書について,佐藤氏はどのよう

K

考 えてhたのか,やは

t

,後K次のように述べている。

「そ己で,私は,新要自に準拠してできるだけ総合的まものを作ってみようと思って

h

ろいろ苦 心してみましたが,結局,算街・代数を一本化

L

幾何・三角法を一本化して, ζの両者の連絡

7 )  

を密

K

するというよ

b

外在いととを経験しました。

J

との

2

種類の違いを「序」の上からみて会

< 0

(表

1) 

(左b,今後,基本数学の考察は,昭和1

3

年の改訂版をもとにして話をすすめる。〉基本数学の序は,融合主義だけでま<,当時の改主主運動 全体がしのばれて興味深い。統合数学の序

K

は,算術・代数篤と幾何・三角法篇が分けられた総邑が はっき

b

でて

h

る。己の教科書が「算術・代数を一本化し,幾何・三角法を一本化してとの両者の

‑27‑

(9)

連絡を密『亡する」もので畠る。

J

本字,-、居和七.益刊行事_~,草寺闘 'Þ 帯校周総本舞金帆ユ 改訂ヲ加,、タヨ巳ノテコ教材ノ排3拘1j.畠多少;"'"覧ダ7,.内 容~多少ノ湖町,a ダア'"ケ v ~-"己,中根枚ュ於 7"' 1l.本科 目 ト シ タ ノ 歓 ぶ 罪 科 ノ 救 科 砕 ト ジ ア ノ 本 島 品 川 鑓 , ‑ナ イ

網 実 上 作 品 留1Jvタ

iU

活ヲ場グ"'.. ヨ";逸9グア"'.

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生 徒J心環的硲逢;P.'i段晶!!令サセ,r;.ピ易'JL 奥吠ア'"毛ノιン 冒 . ,努メタ

Il

l

書ま与晶

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序J(改訂 基本数学(中学校用)(上)) 

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(新制統合数学 主主街・代数篇(上)) 

(10)

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目 次

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第 ー 鱒 9 '

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様正登の算術,玉喜海利喜太郎の代語Y.,菊池大 混 の 誠 い あ げ た 。

次1'1:,基本数学の会体像をつかむため1'1:,

冗長では毒るが,上・中・下の目次を次にあ げて長<0  (表

2 , 3 , 4)

表‑2

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目次

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(改訂基本数学{上)) 

‑29

(11)

目 次

一 一

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1

第 ー 篇

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第 ー 冒

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第 回 調

1 2 9

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第 固 繍

第 ‑ . * i ! ;  

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目次J(改訂基本数学{中)) 

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4

(12)

目 次

一一一

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「省、ご認可官, ''iO' ~付 (箭f百乙:;('1 <刊

第 五 摘 l  第 玄 鴛

分 数 万 都 式

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第 三 部

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第 一 摘

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第 三 . 守』え..

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統 的 関 係 第 四 寧 文 字 方 税 式 17. 

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第 三 篇

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第 = 篇

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27. dl叡 " 問(2) 1115 

第 四 諦 昌 , " " 九tV句 119 : 

i J :  

多 角 野 ト 附 29. 母"抗 .m ヒデス~"

第一.

JI‑̲多角形

v‑ 1!!0147,"d多向."作凶 1

表‑4

r

目次

J

(改訂基本数学{下)) 

(13)

とれからわかる己とは,怖と的の一部が甲・乙

K

わかれているととである。それ

K

ついて,仲) の第一篤・第一章

1 r

研究方針

J

I'1:金いて,

「数学7其=ョタ理解

γ

,叉其=ヨP利用出来ルヤ世ニ1ルタメ品ハ,号νト秩序:lE'" .?学プ必 要ガアル。ソコデ,今後瞥.?,一方デハ代数式及ピ図表ノ運用法及ピ方程式ノ取飯方7,第一部 ニ於クノレヨリモモy ト深ク秩序正γ p研究'>',他方デハ図形ニ関スル事項7,系統的=研究スル ロトトスル。……箇ヨリ,コノ区別ハ研究ノ便宜上カラ;;<.Wノデ

T ,

テ,必要ガナタナレバコレ ア撤去;;<.)レデアロク。」

と。

今後の考察のため1'1:,基本数学の総合的取扱の実際例を次の

2

つに分類した。

1.算術と代数,代数と幾何等の方法上の総合。

2 .  

菌数思想(と<1'1:グラフ〕をもと

K

した総合。

左骨,内容についての詳しい説明を

f

数学教育各論

n)  r (

以下『各論』と略す〉よ

b

援用する。との 本の序文で佐藤氏がいっているよう1'1:,とれは,

r

初等数学教育の根本的考察』の各論といえるも ので事る。

1 .  

算術と代数・代数と幾何等の方法上の総合

算術と代数の総合は,算術の内容K文字を使

5

己と『亡畠らわれる。それは,仁βの「分数

c

計算」

「比

J r

歩合算」等K見いだせる。

r

歩合算」の例を樟の算術と比較しまがら畠げて長<0 (表5)

ζ ζでは,文字を使っているだけでま<,線分図も使。ている己とが注目

K

値する。つまj},算 術と代数を総合しているだけで左<,図(幾何)との総合もはかっている。左骨,文字も,公式的 だけでま< ,方程式的院も使用している。ま幸子,

r

各蛤

J

I'1:

h

て,次のよう

K

述べている。

「計算ノ

i

法則,計算ノ仕方=ツイテノ考究ハ,文字7用イテ代数的=取扱9 夕方ガ理解V易イ部 分ガ多イシ,殊=計算ヲ実際問題=応用シヨ世ト1ルトキ,ソノ問題ノ分析=ハ方程式ノカヲ借

ザル方ガ使刺デ7ノレ。

J

代数と幾何の総合は, (上)(中)(下)を通してみるととができる。(中)1'1:長いては,分科的

K

取扱

h

つつも,総合をはかっている。(上)1'1:長いては,

. r

恒等式

J

, (中)1'1:骨いては,

r 乗

法公式

Jr

面積

K

関する定理

J(  r

証明

J) 

, (下)に長いては,

r

ピタゴラスの定理」がそれに 畠たる。とれら1'1:共通しているととは,

r

面積

J

h

うととで畠る。

r

長方形の面積」は,縦を

a

, 検を

b

とすると,

rabJ

I'1:在るというととが出発点にまる。代数と幾何の総合といっても,幾何 の中に数量化されるものが含まれていま

h

とでき左かった。ととでは,藤津の代数

K

長ける乗絵公 式と菊池大麓1'1:;l;‑ける面積が総合されている例を示す。〈表

6,  7 ) 

(14)

~

2侃 館者I!II

穆 ・ . ' "

第 七 穏

歩 合 算 及 其 路 用

第 一 章 歩 合 算

il>  ,s‑ J):  10;;:  ノー チ一割.ー王子、一庖 ... ,云フ而 シ テ 歩 合a問スρ計 算 テ 沙 合

r r .

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第 一

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商鹿晶於タ安本金λ千>!:百回'1<'荷事足,密主 初企 9- m /lo'"1 元金, -zt 三分..,.., yt 云 7 i!~'企関何花十

"品資本金ニ奇麗ァ..司脇田制金三十回テ得."・",#(: I I  1"司r 尉金J 安本金品事暗ス~Jt.歩合ト去ア滞 '11蝿l:.",m... ,ν

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渉合号曾也君髭,叫品

3

干象者,.・

4

、"',守緯.JjJbズ..持

a . . m

'1>}s::z.""τPス"'.十玲,司ノ寸.‑'1;1],云J十分,-.一分 t :i:'--~ド十分ノー,一足,云'r!

l'十5子ノー館s宅品忽t:z:.,.

紋 ι戒企...-~子子安 ....~f.t~首 3子ノー=曾'-llI t 去,_"

千分"'̲.::.宮,νぺ.,,̲二割三発P去̲.・首会J二十三=曾 P' H云ヲ字,

定義

質量~.::::於テ甲量ァ,乙:Ll:人と=封ス ルJ色テ草;合

E

u十分ノー.宵牙ノー.千分

1.J  ::ìi:企λ千七百四 .1-1'1三分'・苔5レ十三a智~故品約

E a

企テ求lo1"'::'向 島

ω 7

τ =

百周チ0

13,. j花 ~vパ官 .J;lチ1131悶,.f!t"'‑v

第 二 省お,.'i!t定償,,‑回二十銭晶君,.!t依九十反ヲー .!事 $(;;1 品倉~.

..  ‑回二十銭J宅,荷九十段t"f'9Yテ1

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".120‑!I0=鈎 J;lチ三十銭ダ ð" ~I~v 可 tT'"今民主寸筏“元企ュl1 .?鎚宮J 品信局哨 'll スI"'~120錠 & 何.Q;o;'V

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節三 ß'i" fl}訟~'ffsl!f金三宮田胃,宇田守".咽 fli'...-~

表‑5

r

歩 合 算j( 樟 正 室 : 普 通 算 術 教 科 書 ( 下 ) ( 

P 104 ‑ P 105 )  J 

保 コ

t

. 岡 .

,まま.,念純

い唱】元ノ定侃ヲa凶. . ν d

.図>:02=5鼠

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故 = :1'...5+0.2=25 答 25圏

‑ 1

  [ O O l 日 Z J

44 合計高義 1

Hl高

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合併商問'~rid'"~a),.!! 引荷停'lUIhi'X,ddø) ヲジ ν ゾ ....a-,

. >略 2a;<.,"~.:l' ν ゾ ν'" ノ守?品書ク"'.

a+B

8・2直‑B

元高ト歩合ダヲ.フタキν.A'B""lILダア"'..

グア"'.

G=M{I+I,)  S=M(l‑b) 

~-‘hも司、 M司位

、-~,・"一-'~-­

‑(l.1y }(.f 

【注目例,、Allx(l刊)ヲ品G'I)lrJ‑,.d)ト書'.

図E 阪 銀32悶ノ毛, 7 25多 J穏 盆 . , 

. 寅 ' "

ト,!進国トナ,.'. 又1雪国5歩貌:;,9" 

J

を,.>,穐回事 ナ,.,借地

2. Z慣J二割引""Jl?:r‑32翻ノ品物J定C誌の込

" .  

11M]

四 . . 周 ト 呉 川

I  時.l‑O.2}司32 I  1  及 品 0=321‑021=40 往 40::n

回3.ヌ伎, 2釘5分ユ脅P剥盆ヲl'テ民ノタ0'

5 0

倒トナ,.品物'.11促,、如何花>.

住 40淘

45

田 利 息 草 ノ 公 式

元金(MotcJ.去同署J11 (1iuol:叫,潤隼{rin叫,期間{I;,Xa.,j,,:,;  ν......

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, R.r. kト 路.e?....~

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又元籾{t‑

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(Gann'goJ.n) 

, 

Gト 震 書 記 ス レ バ

‑5 r

歩 合 算

j

(改訂 基本数学(上)

(P 9 3  ‑P  9 4  )  J 

参照

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