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鋼管杭の設計における杭頭部のモデル化についての一考察

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Academic year: 2021

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(1)

鋼管杭の設計における杭頭部のモデル化についての一考察

(株)復建エンジニヤリング ○永井 紘作 日本大学生産工 澤野 利章

1.目的

鉄道構造物において回転圧入鋼管杭を設計する際,フーチン グと杭部材の接合部となる杭頭部のモデル化は,仮想

RC

部材 とする方法

1)

,中詰めコンクリートを考慮したコンクリート充 填鋼管(以下,CFT)部材とする方法,コンクリートを考慮 しない中空鋼管部材とする方法等が挙げられる.しかし,そ れらのモデル化に非線形性を考慮した設計法については,規 準等

1)

で明確にされていないのが現状である.

ここでは,鋼管杭基礎を有する橋脚の杭頭接合部について,

非線形特性の異なるモデルを3パターン設定し,設計法の比 較検討を行う.

2.対象構造物

本検討には,図-1に示すような壁式

RC

橋脚を用いた.

当該地域の地盤の固有周期は

1.170(sec)〔G4

地盤〕であ 図-1 検討対象構造物 り,表層地盤が

33m程度であるので,本橋脚の基礎形式は杭基礎(エコパイルφ1200)を採用した.

検討に際し,鋼管杭頭部を①仮想RC部材,②CFT部材,③鋼管部材としてモデル化をした場合について,それぞ れ非線形特性を設定し,鉄道構造物等設計標準

1)

に準じ非線形スペクトル法による静的非線形解析を実施し、耐震 性能の評価を行った.

3.解析モデル

解析モデルは,軸線を各部材の図心とした骨組みモデルで,非線形 特性として橋脚躯体はテトラリニアモデル,杭頭部以外の杭本体はバ イリニアモデルを用い,軸力変動を考慮した.杭頭部のモデル化の方 法を以下に示す.

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05

回転角θ(rad)

曲げモーメントM(kN・m)

総研モデル 仮想RC CFT 鋼管

①Case-1:仮想

RC

部材としてモデル化を行う場合(トリリニア型)

接合部断面を,管径を直径とした

RC

断面とみなし,部材の非 線形性を曲げモーメントと部材角の関係でモデル化する.断面算定 においては,アンカー鉄筋を主鉄筋とし,鋼管は帯鉄筋として考慮 した.また,コンクリート強度は鋼管による拘束効果を考慮した.

②Case-2:CFT 部材としてモデル化を行う場合(トリリニア型)

接合部断面を

CFT

部材としてモデル化する.この場合も

Case

-1と同様に拘束効果を考慮したコンクリート強度を使用する.

③Case-3:鋼部材としてモデル化を行う場合(バイリニア型)

図-2 非線形特性(モデル比較)

中詰めコンクリートは部材の剛性には見込まずに,部材の非線形 特性としてはすべて鋼管のみで考慮する.

キーワード : 鋼管杭,杭頭,仮想

RC,鋼管,CFT

連絡先 〒160-0017 東京都中央区日本橋堀留 1-11-12 TK 堀留ビル F8(株)復建エンジニヤリング TEL03-5652-8563

(2)

上記3タイプに加え,杭頭部に回転バネを考慮し,中詰めコンクリート部は剛体として変形する,㈶鉄道総合技 術研究所によるモデル

2)3)

(以下,総研モデル)を入れた,計4タイプについて比較を行った.なお,解析は杭先行 降伏型となる線路直角方向について実施した.

4.解析モデルの違いによる耐震性能の比較

図-3~5は,それぞれのモデル化を用いた場合の構造物天端における荷重変位曲線を示す.

I) Case -1(モデル化:仮想

RC

部材)

・引抜き側の杭頭部より降伏し,降伏震度は 0.353,構造物天端の変位量は 263mm となる.

・等価固有周期は 1.730(sec)であり,所要降伏震度スペクトルより算出される最大応答時の変位は 376mm となる.

II) Case-2(モデル化:CFT 部材)

・引抜き側の杭頭部より降伏し,降伏震度は 0.354,構造物天端の変位量は 266mm となる.

・等価固有周期は 1.734(sec)であり,所要降伏震度スペクトルより算出される最大応答時の変位量は 378mm となる.

III) Case-3(モデル化:鋼部材)

・押込み側の杭頭部より降伏し,降伏震度は 0.335,構造物天端の変位量は 238mm となる.

・等価固有周期は 1.686(sec)であり,所要降伏震度スペクトルより算出される最大応答時の変位量は 374mm となる.

これらの結果より,Case-1,2はほぼ同様な損傷推移を示し,引抜き側の杭頭部付近より降伏し,最大応答時 の変位量も同程度があることがわかる.またどのモデル化を用いた場合の荷重変位曲線についても総研モデルと近 似した推移を示している.このことより,耐震設計上の観点ではモデル化の違いにおいての影響は微小であると思 われるため,鋼管杭頭部に材端ばねを考慮したモデル化を用いた場合についても簡易的に照査することが出来ると 考えられる.

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

0 100 200 300 400 500

δ(mm)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

0 100 200 300 400 500

δ(mm)

kh

CFT 総研モデル

case-2 降伏震度 0.354

case-2 降伏変位 266 case-2 最大変位 378 case-2 最大震度 0.484

case-2 降伏点

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

0 100 200 300 400 500

δ(mm)

kh

鋼管 総研モデル

case-3 降伏点

case-3 降伏変位 238 case-3 降伏震度 0.335 case-3 最大震度 0.499

case-3 最大変位 374

仮想RC

kh

総研モデル

case-1 降伏震度 0.353 case-1 最大震度 0.469

case-1 降伏点

case-1 降伏変位 263 case-1 最大変位 376

図-5 荷重変位曲線(Case-3) 図-4 荷重変位曲線

(Case

2)

図-3 荷重変位曲線(Case-1) 5.おわりに

・鋼管杭頭部のモデル化の違いによる,構造物の損傷過程への影響は,ほとんどみられなかった.

・鋼管杭頭部を仮想

RC

部材とするモデル化と,CFT 部材とするモデル化を用いた解析結果は,降伏変位,降伏震 度共にほぼ同等な値となった.

・鋼管杭頭部を,材端ばねを考慮した非線形モデルとした場合においても,総研モデルとほぼ近似した結果を得るこ とが出来た.

・今後の展開として,杭頭接合部を仮想

RC

部材としてモデル化を行った場合の,接合部のアンカー鉄筋量と鋼管の 板厚についての関連性等について,検討を進めていきたいと考える.

参考文献

1)運輸省鉄道局監修 鉄道総合技術研究所編 鉄道構造物等設計標準・同解説 耐震設計,丸善,1999. 2)江口聡,谷口望,神 田政幸,平田尚:鋼管杭とフーチングの接合部に関する研究(その2:モデル化手法)土木学会第58回年次学術講演概要集,2003.

3)勅使川原:鋼管杭とフーチングの接合部に関する研究(その3:感度分析) ,土木学会第58回年次学術講演概要集,2003

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