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東アジアの幸福:日中韓と東南アジア4カ国の比較

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(1)

著者 滝本 香菜子

雑誌名 同志社政策科学研究

巻 20

号 1

ページ 207‑222

発行年 2018‑08‑10

権利 同志社大学政策学会

URL http://doi.org/10.14988/pa.2018.0000000200

(2)

概 要

 国の開発や発展の最終的な目的は、人々の幸 せを達成することではないだろうか。先進国や 途上国に関わりなく多くの国において、発展 は

GDP

のみで測られている。欧米で開発され た

GDP

の一指標だけでは、国の発展は捉えき れないのではないだろうか。また、人々の幸福 に影響を与える要因は、文化によって差異があ るのだろうか。アジア地域共通の幸福の要因は あるのだろうか。本稿では、様々な発展段階に ある東アジアの

7

カ国(日本・韓国・中国・マ レーシア・タイ・ベトナム・ミャンマー)を対 象に幸福の要因を分析する。分析には、「躍動 するアジアの価値観に関する調査(アジア・バ ロメーター)」

2003

年度の調査結果を利用した。

推定にあたり、マクロ要因は国別ダミーでコン トロールし、ミクロ要因は幸福に影響を与える 個人の特徴に焦点を当てた。個人の特徴を表す ミクロ指標は、「年齢」「性別」「婚姻状況」「就 労状況」「個人所得」「教育」から構成され、順 序プロビットモデルを用いて推定した。今回の 推定結果からは、先進国の方が途上国に比べ幸 福度が低いことが明らかとなった。加えて、東 アジア地域で最も幸せなのは、途上国に居住 し、上位

50%

以上の所得水準の若い既婚女性 であることが分かった。今後の課題として、東 アジアにとどまらず、より広く中東や南アジア 地域を含めたアジア全体の幸福要因を詳細に分 析し、時系列分析により因果関係を明らかにし、

幸福にもとづく発展を提示したい。

1.問題意識

 GDPで測られる所得が増加すれば、人々 の幸福も上昇するのだろうか。所得が増加し ても人々の幸福は必ずしも上昇しないことが

Easterlin(1974)によって発見されている。各

国の政策に差異はあるが、アジア諸国では国の 発展段階を

GDP

で測り、GDPで表される豊か さの向上を目指している。一方で、幸福のパラ ドクスがアジアでも共通の現象ならば、現在の 経済成長を中心に見据えた開発計画は人々に幸 福をもたらさない。また、場合によっては、環 境破壊等の問題で幸福を妨げる要因となるかも しれない。どの様に国の発展を測れば良いのだ ろうか、これが本研究の着眼点である。

 GDPの目的は、一国の総生産額を測定する ことである。一方で、各国の新聞、雑誌におい ても

GDP

は頻繁に報道され、「1人当たり

GDP

が高い国ほど国民は幸せだと暗にいっている」

(Hubbard and Oʼ Brien 2006 = 2014:293)。つま

GDP

は、幸福度の尺度として現在最も広く 利用されている。しかし、実際に

GDPの増加は、

人々の幸福の増加を表すのであろうか。たとえ ば、渋滞による燃料の消費であっても

GDP

は 増加するが、人々の幸福感は上昇するとは考え 難い。なぜ

GDP

と人々の幸福が結びつかない のかを歴史的背景から確認する。GDPの前身 ともいえる国民所得を測る試みは、イギリス のウィリアム・ペティの

1665

年の研究から始 まった。イギリスの役人であり学者であった彼 は、国の富や所得を計算する重要性に気づき、

イングランドとウェールズの人口、土地、支出、

収入そしてその他の資産推計を作成した(Bos

2008:13-4)。大きな転換期となったのは、ア

ダム・スミスの

1776

年の『国富論』とアルフ

東アジアの幸福:日中韓と東南アジア 4 カ国の比較

滝 本   香 菜 子

(3)

クズネッツが目指した指標とは異なる。アメリ カ商務省のミルトン・ギルバートを中心とする 経済学者によって提唱された「政府の購入物を すべて国民生産に含める」方法すなわち、軍事 費といった政府支出も含めた形で国民所得は 計算されることとなった(Coyle 2014 = 2015:

22)。この計算方法によって、1942

年初めての

GNP

統計(のちの

GDP)が発表された。

 ここで重要な点は、GDP は戦時下で国力を 測ることを目的に開発されてきたことである。

開発の背景を鑑みても、GDPの増加が必ずし も人々の幸福の上昇をもたらさないのは明白で 現実の人々の幸福と乖離しているといわざるを 得ない。実際に主観的幸福の指標が

GDP

より も社会の実情を正確に捉えた例として、2010 年にチュニジアのジャスミン革命に端を発し た「アラブの春」がある。当時、チュニジア の

1

人当たり

GDP

は、2008年

8,891

米ドルか ら

2010

9,489

米ドルで

7%増加していた。一

方で、Gallup社が実施した生活満足度調査で満 足度が高いと回答した割合は、24%から

14%

に 急 落 し て い る(OECD 2013 = 2015:60)。

GDP

だけでは人々の生活や幸福は決して測り きれない。「アラブの春」以降、中東地域はよ り混迷の時代を迎えた。現在も続くテロとの戦 いは、「アラブの春」が発端となり拡大の一途 を辿った。歴史に「もし…」という可能性はな いが、もし「アラブの春」が起こる以前から

GDP

だけを基準とせず、人々の実感に近い幸 福を重視した政策がとられていたならば、現在 の多発するテロの発端を食い止められたかもし れない。

 つぎに、東アジア地域における幸福研究の問 題点についてみていく。グローバル化の進む現 代において、西洋と東洋、欧米地域とアジア地 域の差異は、文化や生活面全てにおいて縮小し ている様にみえる。また、東アジアの内情を鑑 みても様々な国際問題は、似ているようで異な る小さな差が一端を成しているのではないか。

国際問題を分析する上でも、実際に差異は存在 するのか。存在すると仮定するならば、縮小し ているのか拡大しているのかを明らかにする必 要がある。しかし、ひとつの国や地域を対象と した研究はあっても、東アジアの実像を俯瞰的 に分析した研究は少なく明らかではない。欧米 において開発された

GDP

という

1

側面からだ レッド・マーシャルの

1890

年の『経済学原理』

である。アダム・スミスにより労働は、「生産 的労働」と「非生産的労働」に分類され、物質 的な生産を伴う産業と物質的な生産を伴わない サービス業に分けられた。アダム

スミス以降、

国民所得は、「生産的労働」を測る指標として 開発され、サービス業は長い間重視されずにい た。後に、アルフレッド・マーシャルにより労 働は、「富には物質的な富と、個人的あるいは 非物質的な富とがある」と再定義され、非物質 的な富として経済の大部分を占めるサービス業 を重要視し、国民所得にサービス業が含まれる ようになった。(Coyle 2014 = 2015:17)。

 国民所得が、国際比較に耐え得る指標として 利用できるようになったのは、サイモン・クズ ネッツの研究以降である。現在の

GDP

に相当 する指標は、世界大恐慌(1929-33年)と第二 次世界大戦(1939-45年)をきっかけに開発さ れた。1920-30年代のイギリスで、コーリン・

クラークにより

4

半期ベースで国の収支を計算 する方法が開発され、恐慌下での政策に利用さ れた。また、ルーズヴェルト政権の要請を受け たサイモン・クズネッツが、上記コーリン・ク ラークの方法を参考にアメリカ版の国民所得を 把握することに成功し、アメリカ経済が恐慌を 抜け出す一助となった。後に、上記の研究によ りクズネッツはノーベル経済学賞を受賞する。

彼は、国民所得計算について以下のように述べ ている。

  

「ほんとうに価値のある国民所得計算とは、

強欲な…軍事費や大部分の広告費、それに 金融や投機に関する出費の大半は現在の金 額から差し引かれるべきであり、また何よ りも、我々の高度な経済に内在するという べき不便を解消するためのコストが差し 引かれなくてはならない…」(Coyle 2014 =

2015:20)

 国民所得に対するクズネッツの見解は、現在 の

GDP

にも当てはまるのではないだろうか。

当時、クズネッツは軍事費、広告費や投機への 出費などを国民所得に含めるべきではないと考 えていた。クズネッツが意図した当初の国民所 得であれば、人々の幸福を捉える指標となりえ たかもしれない。しかし、現在の

GDP

の潮流は、

(4)

在するのかである。個人の特徴を捉える変数 は、研究により幅がある。生活の満足度に影響 を及ぼす項目は、遺伝的特質を除くと

6

つの要 因に集約されるとの研究結果もある(Bok 2010

= 2011:21)。「結婚、社会的関係、仕事、健康

状態の認識、宗教そして政治・行政の質」の

6

項目である。また、OECDの幸福白書における 主要部門は、「所得と資産、住居、仕事と報酬、

健康状態、ワーク・ライフ・バランス、教育と 技能、社会とのつながり、生活の安全、市民参 加とガバナンス、環境の質、主観的幸福」の

11

分野が幸福と関連するとされる。

2. 2 先行研究

 Easterlinは、一国の時系列分析において、所 得の上昇が必ずしも幸福の上昇をもたらさない こと、また、国際比較においても、高所得国の 幸福が必ずしも高いとは言えないことを

1974

年の論文で明らかにした。これらが後に幸福の パラドクスやイースタリン・パラドクスと呼ば れるようになった。この業績により

Easterlin

は、

幸福経済学研究の第一人者となった。上記研 究のデータは、1. AIPO(the American Institute

of Public Opinion)

ア メ リ カ;1946-70年、2.

World Survey III;イギリス、西ドイツ、タイ、

フィリピン等 7ヶ国;1965年、3. カントリル

Ladder

調査

アメリカ、キューバ、ナイジェリア、

ポーランド、日本等

13

ヶ国

; 1959-62

年である。

詳しくは、表

1

を参照されたい。

 Easterlin(1974)によると、人々は、社会規範

消費規範(social norm)や生活水準(standard)

と比較し、自身が幸福かどうかの判断をする傾 けではなく、様々な指標を効果的に用いてアジ

ア地域の幸福を多角的に明らかにすることは、

今後より重要な課題となることが予想される。

先進国や途上国という区別なく国の政策決定に おいて、幸福指標を一つの判断材料として確認 することで、実際の人々の生活により近い感覚 や実感を伴った政策が可能になるのではない か。これらが、東アジア地域の幸福を明らかに する本研究の意義および問題意識である。

2.リサーチクエスチョンと先行研究 2. 1 リサーチクエスチョン

 リサーチクエスチョンの

1

点目は、データ制 約のもとで所得の四分位の枠組みで、東アジア 地域の国際比較における幸福のパラドクスの有 無である。Easterlin(1974)の研究以前、所得 の増加は、幸福度の上昇を伴うと考えられてい た。しかし、上記研究により所得の増加は、必 ずしも幸福の上昇を伴わないことが実証され、

幸福のパラドクスとして知られるようになっ た。のちに、データの曖昧さ等様々な問題が指 摘され、議論は現在も続く。主な論点は、以 下の

3

点である。「1.幸福は、相対的なものか、

絶対的なものか」「2.所得の効果は、逓減的な もので飽和点が存在するのか」「3.データ設計 に付随する問題を解決し、各国比較は可能なの か」である。これらの論点は、先行研究の節に て詳述する。

 2点目は、各国の幸福度の違いを取り除いて も残る、東アジア

7

か国の特有の幸福要因は存

調査名 調査期間 調査対象国

AIPO

(the American Institute of Public Opinion) 1946-70 United States

World Survey 1965 Great Britain, West Germany, Thailand, Philippines, Malaysia, France, Italy

Cantril 1957-63 United States, Cuba, Israel, West Germany, Japan, Yugoslavia, Philippines, Panama, Nigeria, Brazil, Poland, India, Dominican Republic

表 1 幸福調査対象データ Easterlin(1974)

出典:Easterlin(1974)より作成

(5)

disorders)

と社会関係(social relationships)の

6

つの領域に集約されると主張する。また、幸 福研究の重要な課題として、幸福の測定方法を あげている。異なるコンセプトに基づいた異な る調査方法がとられており、この差異によって、

国際比較を行うことが困難となる。また、幸福 のパラドクスに対して、上限値のない

GDP

と 上限値の設定された幸福度、つまり統計データ の性質の違いによるもので、「GDPはどこまで も増加できるようにつくられているが、幸福度

(アンケート調査や日記分析による)の方はど

こかで頭打ちになる」との批判もある(Coyle

2014 = 2015:116)。幸福のパラドクスへの様々

な見解はあるが、GDPのみで人々の実情や幸 福を測ることに疑問を呈した点において、その 重要性は評価される。測定方法に対する議論 は現在も続いているが、「主観的幸福に関する 妥当なデータの収集は可能である」との見解 も示されている(OECD 2011 = 2012: 313)。ま た、主観的幸福は他の経済指標よりも主観的で あるが故に「満足」「幸福」といった概念が理 解しやすく、無回答率が低いという利点もある

(OECD 2011 = 2012:313)。文化的バイアスに

関しても、主観的幸福に関する質問事項は同じ ように理解される事を示す研究もある(OECD

2011 = 2012:314)。

 また、

Di Tella and MacCuloch (2008)

において、

経済に関連する指標と幸福度の分析が行われて いる。経済学の従来のテキストで説明されてき た典型的な個人選好の構成要素に焦点を当て、

幸福との関連を分析している。構成要素は、

「所

得、所得の変動、仕事の労力、平均寿命、余暇、

余暇の質やその予想される時間」等からなる。

1975-97

年の

OECD

諸国における

40

万人のア ンケート調査から、各構成要素の幸福への寄与 を明らかにした。国や年の影響をダミー変数で コントロールした後に得られた結果によると、

最も大きな影響を与える要素は、「所得の増加」

と「平均寿命の延伸」である。

 また、アジアの幸福に関しては、本研究と 同じデータの一部を用いた研究に真鍋(2006)

がある。上記研究の国際比較部分は、2004年 の第

2

回調査のパネルデータを利用し、1人あ たり

GNP

と幸福度の

2

変数を相関分析してい る。各国の幸福感は、(Very happy:+2

~ Very unhappy:−2)で平均値を算出する方法が取ら

向があり、個人所得といった実際の経済状況を

重視し判断していないとされる。つまり、人々 は隣人(自分の所属する社会全体)と自分の生 活水準を比較し、相対的に自分の幸福を評価 する。このため、一国一時点においては、皆 が比較する一定の社会規範・消費規範(social

norm)や水準(standard)が存在し、所得と幸

福度に相関が見られる。一方、10年前の自分 と今日の自分の生活水準を比較し幸福を評価す ることはなく、時と共に生活水準に対する欲求 は高まる。このため、一国時系列分析において は、所得と幸福度の相関は見られない。加えて、

隣人と自分の生活水準は比較するが、他国に住 む人々の生活水準は遠く比較しない。このため、

国際比較においても、所得と幸福度の相関が見 られないとされる。

 この説明に大きく反論したのが、Veenhoven

(1991)である。Easterlin

の幸福とは他者との 比較により相対的基準で決まるとする見解に対 して、Veenhovenは、相対的な一面もあるが、

幸福とは自身の感情に依拠し絶対的基準で決ま ると反論した。すなわち、自身の感情的な面、

基本的なニーズの充足が、幸福には必要である ため絶対的な基準であると主張した。この根拠 として、Easterlin(1974)の国際比較研究と同 じデータを用いて、所得を対数変換せずに絶対 値で分析し、幸福度と所得との間に緩やかな正 の相関が見られることを発見した。つまり、な んらかの絶対的なニーズは世界共通に存在し、

高所得国ほど幸福度が高いことが示された。特 筆すべきは、所得のプラス効果は徐々に弱まる 点である。ここで、のちに所得の飽和点仮説と も呼ばれる議論が出てくる。

 絶対的なニーズに関連し、幸福研究を行う経 済学者の中では、経済発展の初期においては個 人所得といった経済的状況がより重視されると の見解もある。Diener and Seligman(2004)に よると、経済発展の初期状態では、ベーシック ニーズを満たすことが主要な課題であり、その 際、経済指標はより重要な役割を果たすと指摘 されている。後に、精神的な健康やポジティブ な社会関係といった精神面に関わる要素が重要 視される。上述した

Diener and Seligman (2004)

は、幸福研究を分類すると、社会条件(societal

conditions)、所得(income)、仕事(work)、身

体的健康(physical health)、精神的健康(mental

(6)

できる言葉の方が望ましいとする見解もある

(OECD 2013 = 2015:113)。

 本稿で利用した調査では、幸福度の質問は、

順序による影響が少ない冒頭付近、第

4

問目で 問われる。翻訳バイアスを完全に取り除くこと はできないが、質問票を英語と現地言語で詳細 にチェックするなど努力がなされている。回答 項目の尺度は、安定した回答が得られる言語ラ ベル付きの

5

段階評価である。また分析におい ては、国別ダミーを用いることで、国ごとに予 想される翻訳や文化的な差異を取り除き、7カ 国全体での影響を確認することが可能である。

国別ダミー自体の解釈においては、翻訳や文言 の概念的な違いによる差異であるのか、実際の 価値観による差異であるのかに注意し分析を進 める。

3. 2 データ

 幸福および個人の特徴に関するミクロデータ は、東京大学社会科学研究所付属社会調査

デー タアーカイブ研究センター(SSJDA)より、

「躍

動するアジアの価値観に関する調査(アジア・

バロメーター)」

2003

年度調査結果を利用する。

調査期間は、2003-07年の

5

年間に及び、調査 対象は年度により異なる。表

2

は、年度別に調 査が実施された国および地域の一覧である。ま た、国および地域名は、調査時の表記に依る。

 分析対象は、日本

・韓国 ・

中国

・タイ ・

マレー シア・ベトナム・ミャンマーの

7

カ国である。

本来であれば、アジア全体の地域

10

年以上の データによる分析が望ましいが、データの制約 上、様々な開発段階の経済を含み、調査回数が

3

カ年分と最も多い上記

7

カ国に焦点を当て分 析する。調査対象は、日本

857、韓国 800、中

800、マレーシア 800、タイ 800、ベトナム

807、ミャンマー 800

で合計

5,664

サンプルで

ある。変数ごとに未解答などの欠損値が全体の

8%

あり、それらを除いた

92%

のデータを利用 した。

れている

(真鍋 2006 : 62)。韓国、

シンガポール、

日本を除く第

2

回調査対象国において、所得の 増加に伴い幸福度が上昇することを明らかにし た。上記分析は、2004年度第

2

回調査データ1 に限定されており時系列の変化による分析はな い。加えて、幸福度と所得以外の関係が十分に 明らかになったとはいい難い。

3.方法論 3. 1 幸福の概念

 幸福は様々な言葉で定義される。英語で は、「Happy」、「Happiness」、「Well-Being」、

「Satisfaction」等が主に用いられ、日本語では、

「幸福」、「幸せ」、「満足」等で定義されること

が多い。質問項目の文言や定義だけでも多様で あることに加え、回答項目の文言にも曖昧な 定義がある。たとえば、veryは、個人や集団 により理解が異なるとの指摘もある(Schaeffer

1991)。文言や翻訳のバイアスに加え、質問の

順序による差異など様々な要因が複雑に影響す る。このため、文言や翻訳のバイアスのみを完 全に取り除くことは実際には難しい。また、幸 福は、状態(state)ではなく特性(trait)によ るとの指摘もある。特性によるならば、幸福は 外的な影響を受けないことになる。どの社会に も幸福感に対して、常に変化のないもしくは外 的要因に大きく左右されない一定数の人々がい ると考えられる。そうした人々は、全ての国や 集団に存在すると仮定し、その他の幸福感が変 化する人々に焦点を当て分析する。文言のバ イアスは、仮に「幸福

」、「生活満足度」、「幸

せ」それぞれに複数の回答を得られたとして も、どの言葉が最良といえるのか明らかではな い。たとえば、Happyと

Satisfaction

を比較す ると、Happyの方が概念的に広義で

Satisfaction

の方が狭義であり、Satisfactionの方がより正確 な結果が得られるように思われる。しかし、国 際比較という観点からは、狭義であればあるほ どその言葉に当てはまる概念がない場合に翻訳 が困難になる。よって、広義でも翻訳が容易に

12回調査対象国の詳細は、(表2.アジア・バロメーター 年度別、調査対象一覧)を参照されたい。

(7)

(1)

式 で の

HAPPINESS

i,s,tは、s国 に 住 む、

個人

i

t

年の幸福度を表す。幸福は、多くの 場合、国単位で測られるマクロ要因:MACROs,t

と個人単位で測られるミクロ要因:MICROi,s,t

また、マクロ変数がミクロ変数に及ぼす影響を 表す相互要因:INTWRACTi,s,tで決まると仮定 される。上記モデルでは、国別マクロ変数が利 用されている。本来であれば、上記に従いマク ロ変数を利用すべきではあるが、2003年当時 に軍事政権下にあったミャンマーや中国におけ るジニ係数、加えて、日本以外の多くの国にお ける犯罪発生率等の正確なデータを得ることが できなかった。よって、本研究ではマクロ変数 の影響は、国別ダミーでコントロールし、クロ スセクション分析で個人の特徴と幸福の関係に 焦点を絞り分析する。分析で用いた幸福モデル は以下の(2)式を参照されたい。

 HAPPINESS

i,s,t

a MICRO

i,s,t

h

s

n

i,s,t

(2)

HAPPINESS:幸福度、MICRO:個別幸福要因、

h

s

:国別ダミー、 n

i,s,t

:誤差項]

(2)式では、HAPPINESS

i ,s,tは、被説明変数 として

s

国に住む、個人

i

t

年度の幸福度を 表す。本研究の分析において、調査対象国とし て

s

=日本・韓国・中国・マレーシア・タイ・

3. 3 分析モデル

 幸福分析は、現在大きく分けて

2

つの方法が ある。1点目は、データ主導の方法である。デー タ主導型は、因子分析を説明変数に組み込み回 帰させる構造方程式モデル、共分散構造やパス 解析等が用いられている。また、幸福の複合指 標作成においては、データ主導型モデルでは主 成分分析が、最もよく用いられる(Bourguignon

and Chakravarty 2003)。

 2点目は、「幸福の決定要因に関する主観的 情報を収集すること」に主眼を置き、主観的 幸福の決定要因を推定する方法である(Van

Zanden et al. 2014 = 2016:305)。端的に言えば、

幸福はどのようにして決まるのかを明らかにす るのが、後者の幸福モデルである。つぎに、実 際に本稿で利用する幸福モデルの概略をみてい く。本稿では、Di Tella and MacCuloch(2008)

の幸福モデルを参考とする。

  HAPPINESS

i,s,t

a MACRO

s,t

b MICRO

i,s,t+   

d INTWRACT

i,s,t

h

s

m

t

n

i,s,t

(1)

HAPPINESS

幸福度、MACRO

国別幸福要因、

MICRO

個別幸福要因、INTWRACT

相互要因、

h

s

国別ダミー、

m

t

年次ダミー、

n

i,s,t

誤差項]

調査年度 2003 2004 2005 2006 2007

調査対象

(国と地域)

China Brunei Afghanistan China Cambodia

India Cambodia Bangladesh Hong Kong Indonesia

Japan China Bhutan Japan Laos

Malaysia Indonesia India Korea Malaysia

Myanmar Japan Kazakhstan Singapore Myanmar

South Korea Laos Kyrgyzstan Taiwan Philippines

Sri Lanka Malaysia Maldives Vietnam Thailand

Thailand Myanmar Mongolia

Uzbekistan Philippines Nepal

Vietnam Singapore Pakistan

South Korea Sri Lanka Thailand Tajikistan Vietnam Turkmenistan 注)背景色の濃さは、調査回数の多さを表す。 Uzbekistan

表 2 アジア・バロメーター 年度別 調査対象一覧

出典:アジア・バロメーターのデータより作成

(8)

4. 1 幸福

 幸福に関する質問は、

「Q4. All things considered, would you say that you are happy these days?」の項

目で問われる

。回答は、「1:Very happy, 2:Pretty happy, 3:Neither happy nor unhappy, 4:Not too happy, 5:Very unhappy」の 5

段階で評価される。

回答にラベリングされた数字は、多くの幸福調査 とは反対で数字が大きくなるほど幸福度が低くな る点に留意されたい。このため、分析では数字 が大きくなるほど幸福度が高くなるように変換し た。変換後の

Happiness

変数は、

「5 : Very happy, 4 : Pretty happy, 3:Neither happy nor unhappy, 2:Not too happy, 1:Very unhappy」

5

段階評価であ る。幸福は、国によってその定義や感じ方に違い があることは明らかであり、単純に国ごとに比較 することは難しい。しかし、そうしたバイアスを 考慮しても国ごとに幸福度が異なることは、様々 な研究によって明らかである。北米とアジアの比 較研究によると、幸福は、北米地域では自己の 努力により達成する個人的な特質とされる、対し てアジア地域では他人との関係性がその中心的 な役割を果たすとされる(Uchida, Norasakkunkit

and Kitayama 2004)。幸福度との相関は、アジア

が集団主義に重きをおく一方で、欧米では個人 主義に重きをおく場合が多いことも明らかとなっ ている(Diener and Diener 2009)。

 表

3

によると、全体の平均値は

3.72

ポイン トで標準偏差は

0.86

となっている。各国別 の幸福を分析するために世界幸福度調査の結 果を確認する。初回の

World Happiness Report

(Helliwell, Layard and Sachs 2012:30-2)報告と

アジア・バロメーター調査(2003)では

9

年の 差があるが、その順位は一致するのかまたは差 があるのかを確認する。以下は(アジア・バ ロメーター平均値)と[幸福度ランキング順 位]である。アジア・バロメーターの平均値で は、幸福度の高い順番は、マレーシア・ベトナ ム(3.86)>ミャンマー(3.78)>中国・タイ

(3.73)

>日本(3.61)>韓国(3.49)となる。

一方、世界幸福度調査では上位から、日本

[44

位]>マレーシア

[51

位]

>タイ [52

位]

>韓

[56

位]

>ベトナム [65

位]

>ミャンマー [74

] >中国 [112

] となる。世界幸福度調査の

順位とアジア・バロメーターの順位は一致しな い。特に中国は、世界幸福度調査では非常に低 ベトナム・ミャンマーの

7

カ国、調査対象年度

として

t

2003

年となる。

a MICRO

i,s,tは、説 明変数として「性別」、

「婚姻状況」、 「教育」、 「就

労状況」、「所得」や「年齢」など、アンケート 調査から明らかとなった個人の特徴を表す。マ クロ変数の影響は、上記

7

カ国の国別ダミー:

h

sを用いてコントロールする。

3. 4 推定方法

 幸福モデルの推定方法は、現在も議論が分か れている。主なアンケート調査では、「全体とし てみて、あなたは現在、幸せですか、あるいは 不幸ですか」といった質問がされる。質問への 回答として、1(最も不幸と感じる)から

5(最

も幸福と感じる)という様に、各数字に幸福度 を当てはめ尺度とし、回答を得る方法がとられ ている。回答は、尺度

1

が最も幸福度が低く、

数字が大きくなるにつれ幸福度が高くなること が多い。幸福の回答尺度は、世界価値観調査が 最も細かく

(1 ~ 10)

10

段階、ユーロバロメー ターは(1

~ 4)の 4

段階、また総合的社会調 査

(GSS)

では

(1 ~ 3)

3

段階等で評価される。

推定方法は、順序プロビットもしくは順序ロジッ トモデルを用いることが多い。一方で、最小二 乗法による推定でも多くの場合、近似すること が明らかになっており、係数の解釈において利 点を持つ、最小二乗法での推定も利用されてい る(Ferrer-i-Carbonell and Frijters 2004)。本稿に おいては各評価の数字自体に基数的意味はな く、その順番のみに意味をなす順序尺度と考え、

推定方法は、順序プロビットモデルを利用する。

加えて、モデルの正確性を頑強にするため、順 序ロジットモデルによる推定結果も確認する。

4.変数分析

 幸福に影響を与える変数は、分析後の地域間 比較を可能にするため、多くの指標を

Di Tella

and MacCuloch(2008)の定義に従った。本稿

では、データの制約上、アジア・バロメーター 調査から得られた個人の特徴を捉えたミクロ データを変数化した。変数の記述統計が以下の 表

3

から表

5

である。

(9)

で経験できる幸福感には限りがあり、今たくさ ん幸福を感じている人は一生のうちで経験でき る幸福感を使い果たしている(大石 2009:7)」

との考え方があり、マイナスに影響しているの かもしれない。加えて、2003年当時のミャン マーは、軍事政権の統治下にあり、人々の生活 は厳しいものであったことが想像される。その 様な背景にもかかわらず、幸福度はマレーシア

ベトナムに次いで高い結果となった。

く、今回の調査の幸福平均値による順位との差 が大きい。世界幸福度調査では、その指標に政 治的腐敗度などが評価されるため、共産主義の 国の幸福度が低く評価されやすいことが今回の 計算結果との違いとなったことが推測される。

加えて、アジア・バロメーターの分析対象の全

7

カ国中では、先進国の韓国と日本の平均幸福 度が下位

1

位と

2

位の低い水準である。特に、

韓国の幸福度は、他国と比較しても差があり低 い水準である。韓国では、「一人の人間が一生

変数 サンプル数 平均 標準偏差 最小値 最大値

Happiness

All 5,655 3.72 0.86 1 5

Japan 857 3.61 0.84 1 5

Korea 799 3.49 0.83 1 5

China 798 3.73 0.90 1 5

Malaysia 795 3.86 0.86 1 5

Thailand 799 3.73 0.78 1 5

Vietnam 807 3.86 0.91 1 5

Myanmar 800 3.78 0.84 1 5

Gender Male 2,772 0.49 0.50 0 1

Female 2,892 0.51 0.50 0 1

Age Age 5,664 37.29 10.88 20 59

Age*Age 5,664 1,509 843 400 3,481

Generation

20-24 828 0.15 0.35 0 1

25-29 812 0.14 0.35 0 1

30-34 855 0.15 0.36 0 1

35-39 797 0.14 0.35 0 1

40-44 767 0.14 0.34 0 1

45-49 622 0.11 0.31 0 1

50-54 557 0.10 0.30 0 1

55-59 426 0.08 0.26 0 1

Marital Status

Single 1,501 0.27 0.44 0 1

Married 3,919 0.69 0.46 0 1

Divorced/Separated 134 0.02 0.15 0 1

Widowed 106 0.02 0.14 0 1

表 3 記述統計(幸福・性別・年齢・世代・婚姻状況)

出典:アジア・バロメーターのデータより作成

(10)

回答尺度は「9:8 - less than 10 millions」とな り、「10:10 millions or more」との金額差は(2

millions;200

万円)となる。この差を当てはめ

「10 : 10 millions or more ; 1000

万円以上」を(10

millions+2 millions;1,200

万円)とし上限額を 仮定する。その後、1,000万円と

1,200

万円の 中間点である

1,100

万円を回答尺度

10

のグルー プの世帯所得とする。質問項目の上限のない世 帯所得よりも上限額を設けることで、今回の変 数として得られる結果は、より所得格差を小さ く計算したことになる。

 つぎに、世帯人数に関する質問項目は、

「Q42_1 : How many members of your family, including yourself, live in your household?」であり 、回答は

数字を直接記入する形式である。表

4

によると、

各国別の世帯人数はミャンマーが最も多く、最 大人数が

19

人で平均人数も

5.4

人家族である。

また、タイ・ベトナム・マレーシアも平均世帯 人数は

4.5

人以上である。一方で、日本

韓国

中国は、3人世帯が多く、特に中国は

3.3

人と 最も少ない。上記の方法で計算した世帯所得を 各世帯人数で割り、最終的に得られた

1

人当た り所得の計算結果が、表

4

1

人当たり所得平 均である。比較のため、2003年の世界銀行の

1

人当たり所得との比率を確認する。両者は、各 国で差があり、中国とミャンマーでその差は最 小の

1.15

倍、タイでその差は最大の

19.64

倍で ある。本来であれば、モデルに従い

1

人当たり 所得の数値を対数化し、変数を作成すべきでは あるが、数字の正確性に疑問が残る。このた め、計算上得られた

1

人当たり所得を上位から 4. 2 所得

 所得は、「Q. F8:What was the total gross annual

income of your household last year?」の項目で問わ

れる。回答は、各国別に現地通貨で選択肢があり、

尺度も国によって異なる。たとえば、中国の回答 尺度は、「1:less than 10,000」から「12:110,001

or more」と順に 10,000

元ずつ増加する。また、

尺度間の差は、中国のように

12

段階すべてにお いて等しい金額の幅で増加する国もあれば、マ レーシアのように回答の数字が大きくなるととも に段階的に金額の幅も増加する国もある。また、

例外として日本の回答における最大尺度として、

「11: no income;

無所得」がある。国別の尺度は、

4

を参照されたい。

 また、アジア・バロメーターの所得は、世帯 所得で質問されるため

1

人当たり所得は直接に はわからない。幸福度は、個人に問われるた め、所得も個人単位で確認する必要がある。こ のため、回答者の世帯所得として、各尺度金額 の中間金額を当てはめ世帯人数で割り、1人当 たり所得とした。加えて、世帯所得尺度の金額 は全ての国で上限値がない。たとえば、日本の 回答尺度では「10:10 millions or more;1,000 万円以上」が、最も世帯所得の高いグループ になる。金額に上限値はないため、1,001万円 も

1

億円も同じカテゴリーになる。変数作成 にあたっては、上限額を仮定し、その中間点 となる金額に当てはめて計算した。上限を決 める際の金額の幅は、1つ前の尺度の幅を利用 した。たとえば、日本では、最大値

1

つ前の

国名 単位 回答尺度

(Q. F8) 世帯所得

平均 1人当たり 所得平均

世帯所得 /GDP per capita

(current LCU)

1人当たり所得 /GDP per capita (current LCU)

世帯人数 最小 最大 平均 標準偏差

日本 yen 1-11 4,593,464 1,342,092 0.88 3.01 1 6 3.8 1.3

韓国 won 1-14 35,063,750 10,202,940 0.48 1.66 1 9 3.8 1.3

中国 yuan 1-12 27,780 9,278 0.38 1.15 1 9 3.3 1.1

マレーシア rm 1-12 28,515 6,570 0.59 2.58 1 18 5.5 2.6

タイ baht 1-14 19,188 4,982 5.10 19.64 1 13 4.6 2.1

ベトナム dong 1-16 25,700,000 6,493,853 0.32 1.27 1 15 4.5 2.1

ミャンマー kyat 1-15 645,031 141,024 0.25 1.15 1 19 5.4 2.6 表 4 所得

出典:アジア・バロメーターおよび世界銀行データより計算、作成

(11)

 表

5

によると、職業分類の回答で最も多い 職 種 は、「11:Manual worker

(including skilled and semi-skilled)」となり、21%

の人々が技能 工として従事している。次に多い職種は、「14

Homemaker」

となり、14%が専業主婦として

働いている。2003年当時も日本や韓国の女性 の就業構造は、年齢で見ると

20

歳代後半から

30

歳代後半にかけて、結婚・出産・子育て等 により一時的に離職し、就業率が落ち込む「M 字カーブ」を描いている。東アジアの女性特有 の就業構造が、専業主婦の割合に影響してい るのかもしれない。3番目に多い職種は、「4:

25%ずつ四分位し、各ダミー変数を作成し、最

も所得の低い「1st(Lowest)」

を基準とした。こ

れにより所得の金額にかかわらず、回答者の国 別の相対的な所得水準を確認することができる。

4. 3 就労状況

 就労状況は、「Q. F6: What is your occupation?」

の項目で問われている。回答は、表

5

18

種 類から選択する。推定では、職種別のダミーを 作成し、「1:Self-employed in agriculture, forestry

or fisheries」を基準とした。

変数 平均 標準偏差 最小値 最大値 幸福度平均値

Occupation

1 Self-employed in agriculture, forestry or

fisheries 0.02 0.14 0 1 3.89

2 Business owner in mining or manufacturing industry of an organization with up to 30

employees 0.02 0.15 0 1 3.66

3 Business owner of a retail organization with

up to 30 employees 0.04 0.21 0 1 3.78

4 Vendor or street trader 0.10 0.30 0 1 3.61

5 B u s i n e s s o w n e r o r m a n a g e r o f a n

organization with over 30 employees 0.01 0.08 0 1 3.53

6 Self-employed professional (self-employed

doctors, lawyers, writers, etc.) 0.02 0.13 0 1 3.68

7

Senior manager (company director, no lower in rank than a manager of a company section in a company with 300 or more employees, or a manager of a department in a company with less than 300 employees)

0.02 0.13 0 1 3.79

8 Employed professional or specialist (hospital

doctors, employed lawyers, engineers, etc.) 0.03 0.18 0 1 3.85

9 Clerical worker 0.13 0.34 0 1 3.75

10 Sales 0.07 0.25 0 1 3.75

11 Manual worker (including skilled and semi-

skilled) 0.21 0.41 0 1 3.66

12 Driver 0.02 0.15 0 1 3.66

13 Other worker 0.04 0.19 0 1 3.72

14 Homemaker 0.14 0.35 0 1 3.81

15 Student 0.05 0.22 0 1 3.79

16 Retired 0.02 0.15 0 1 3.74

17 Unemployed 0.04 0.20 0 1 3.63

18 Unemployed other 0.01 0.10 0 1 3.73

表 5 記述統計(就労状況)

出典:アジア・バロメーターより、計算作成

(12)

年齢は

2

乗し、変数の

Age2

を作成した。年齢 効果は、回答年齢を

2

乗することで加齢と共に 変数はより大きくなり、その効果をより明確に することができる。また、「Q. F2s」は世代効 果を明らかにするため、世代ごとにダミー変数 を作成し、最も若い「20-24」歳ダミーを基準 とした。推定では、説明力が高い年齢変数であっ た

Age2

を採用した。

5.推定結果

 分析は、順序プロビットモデルおよび順序ロ ジットモデルで行った。両者の推定結果は、近 似し、結果の頑強性が確認された。分析の順序 は、はじめに全ての変数を用いて推定し、その 後、有意水準の低いものから順に削除した。最 終的に得られた結果が、表

6

の最終推定結果で ある。全ての変数を用いた推定結果は、有意水 準

10%

を満たさない変数が多く、煩雑となっ たため付録

1

にて記載した。

5. 1 女性は男性より幸福なのか

 女性の幸福度が、男性よりも高いことは様々 な研究で指摘されてきた。幸福度の要因は、男 性の幸福度に対しては、失業といった雇用状況 や所得など物質的活動の影響が大きいとされ る。また、女性の幸福度に対しては、子供や自 由時間の過ごし方など社会的活動の影響が大き いとされる(大竹・白石・筒井 2010:23-5)。

仮に、女性の幸福度が高い理由とされる自由な 時間での活動といった社会的側面が果たす役割 が大きいとするならば、社会的側面への制限が 大きいアジアの女性の幸福度は、欧米の女性同 様に男性よりも高いのだろうか。たとえば、女 性にとって家事労働は楽しみと負担の両者にな り得る。一方で、両者に共通する時間的な負担 は、社会活動への制限のひとつになり得るので はないだろうか。日本では、調査年度

2003

年 に最も近い家事労働に関するデータとして、総 務省統計局の

2001

年発表『平成

13

年社会生活 基本調査』がある。上記によると、週全体の家 事時間(総数)は、女性が

162

分、男性が

14

分と男女間で大きく差が開き

10

倍以上である。

このように東アジアの女性は家事労働の負担が

Vendor or street trader」で、露店や屋台の店員と

して

10%

の人々が働いている。その他の職業 は、医師や弁護士といった専門職の自営業者、

上位管理職者、専門職の被雇用者、事務員、販 売員、運転手、失業者、学生や引退した人な どで全て

10%

以下の割合で分散している。特 筆すべきは、失業者が約

4%

2003

年の世界

平均

6.5%(世界銀行)と比較して低い割合と

なっている点である。2003年の国別失業率は、

世界銀行によると日本(5.3%)>中国(4.3%)

>韓国

マレーシア(3.6%)>ベトナム(2.3%)

>タイ

(1.5%)

>ミャンマー

(0.8%)

の順で高い。

ミャンマーやタイの失業率は、2015年でも

1%

以下と非常に低い水準を維持している。

4. 4 性別・婚姻状況・年齢

 性別は、

「Q. F1」

で問われ、回答は

「1 : Male, 2 : Female」である。推定では、性別のダミー変数

を作成し、男性ダミーを基準とした。表

3

によ ると男女比は、男性

49%、女性 51%

とほぼ半 数ずつの割合となっている。男女比率の世界平 均は、男性

105:女性 100

であるため、回答者 に多少の偏りがある。

 婚姻状況は、「Q. F5:What is your marital

status ?」の項目で問われ、回答は「1:Single, 2:Married, 3:Divorced/Separated, 4:Widowed」

である。推定では、回答別にダミー変数を作成 し、独身者ダミーを基準とした。表

3

によると、

独身

27%、既婚 69%、離婚または離別 2%、死

2%

で、既婚者の割合が最も高く、7割近く の人が結婚している。

 年齢は、2つの形式で質問されている。1つ 目は、「Q. F2:What is your age?」で問われ、回 答は直接数字を記入する。2つ目は、「Q. F2s:

Age(band)」

で問われ、20歳以上

59

歳までを

5

歳ごとの世代に区切り該当する番号を回答す る。表

3

によると、調査対象者は

20

歳から

59

歳、

平均年齢は

37.29

歳である。2003年の各国の平 均寿命は世界銀行によると、日本

82

歳、韓国

77

歳、中国

73

歳、マレーシア

73

歳、タイ

71

歳、

ベトナム

74

歳、ミャンマー

63

歳である。各国 の

59

歳以上の人々の幸福は含まれず、調査対 象者から約

20

歳以上の世代で対象外の人々が いることになる。このため、年齢の解釈に注意 する必要がある。具体的には「Q. F2」の回答

(13)

課題としたい。

5. 2 既婚者は最も幸福なのか

 結婚と幸福の関係に関しては、多くの研究にお いて既婚者の幸福度が高いとされる。因果の方 向については、幸福であるため結婚するのか、結 婚したから幸福になったのか議論が続いている が、幸福な人ほど結婚し、そのメリットも大きい との指摘もある

(大竹・白石・筒井 2010:27-8)。

 表

6

の最終推定結果によると、独身者ダミー が基準となっており、既婚者ダミーは、独身者 と比較した既婚者の幸福度を表す。既婚者ダ ミーの推計値は、有意水準

1%でプラスの影響

が確認された。離婚または別居ダミーは、有意 大きく、幸福になんらかの影響があるのではな

いだろうか。

 表

6

の最終推定結果によると、有意水準

1%

以下で女性ダミーの推計値はプラスの影響が確 認された。欧米と比較して、男女差が物質・社 会の両側面で大きいと考えられる東アジアでも 女性が男性より幸福であり従来の研究と整合的 である。このため、従来女性の幸福への影響が 大きいと考えられてきた社会的活動だけではな く、女性の社会進出に伴う他の要因の影響も考 えられるのかもしれない。しかし、今回の分析 から東アジア地域の女性は、欧米の同時期の女 性と比較し幸福であるのか、また両者の差はど の程度あるのかはわからない。また、各国ごと に男女差はあるのか等より詳細な分析を今後の

(1)順序プロビットモデル (2)順序ロジットモデル

係数 標準偏差 係数 標準偏差

女性 Female 0.077*** 0.030 0.144*** 0.052

年齢 Age2 0.000*** 0.000 0.000*** 0.000

婚姻状況

Widowed -0.190* 0.114 -0.309 0.201

Divorced/ Separated -0.214** 0.102 -0.435** 0.183

Married 0.246*** 0.039 0.440*** 0.069

職業

4 Vendor or street trader -0.183*** 0.054 -0.316*** 0.094

11 Manual worker (including skilled and semi-

skilled) -0.138*** 0.037 -0.256*** 0.065

国別

d_MYANMAR 0.210*** 0.055 0.362*** 0.096

d_VIETNAM 0.327*** 0.055 0.444*** 0.098

d_THAILAND 0.194*** 0.059 0.349*** 0.102

d_MALAYSIA 0.317*** 0.057 0.594*** 0.099

d_CHINA 0.129** 0.055 0.235** 0.095

d_KOREA -0.180*** 0.057 -0.356*** 0.098

1人当たり所得 3rd 0.081** 0.036 0.129** 0.062

4th (Highest) 0.132** 0.037 0.221** 0.065

表 6 最終推定結果

Note:[1]***、**、*は有意水準1%、5%、10%をそれぞれ表す。

[2]順序プロビットモデル;Number of obs. = 5,429, LR chi2 (15) = 241.62, Prob. > chi2 = 0.0000 and Pseudo R2 = 0.0180.

[3]順序ロジットモデル;Number of obs. = 5,429, LR chi2 (15) = 245.09, Prob. > chi2 = 0.0000 and Pseudo R2 = 0.0182.

(14)

厳しい国においては、失業はネガティブな状態 として捉えられ、人々の規範意識からマイナス の影響になるかも知れない。失業以外でも新古 典派モデルから考えると、余暇や消費は正の効 用となり、労働は人々にとって負の効用をもた らすことになる。

 表

6

によると、「11

: Manual worker(including skilled and semi-skilled)」と「4:Vendor or street

trader」の両ダミー変数は、有意水準 1%

以下

でマイナスの影響が確認された。失業状態を 含め、その他の職種のダミー変数は、有意水準

10%

を満たさなかった。技能工(熟練・半熟練 を含む)は、全体の

21%

で最も従事する人が 多い職種である(表

5)。労働は、確かに新古

典派経済学のモデルからもマイナスの影響があ るといえる。加えて、技能工は、職種の中でも 時間および仕事内容に自由裁量が最も少ないこ とが予想される。労働時間の選択など自由の少 ない点がマイナスの一因とも考えられる。露店 や屋台の店員は、収入面において不安定な職種 である。たとえば、アジアの国々では常設で道 路上に様々な屋台が並び、多くの人々が昼食等 で利用している。また屋台を持たず飲食物等を 売り歩く店主も多い。こうした場合、日々の売 り上げが生活の糧に直接影響するため、他の職 種に比べ収入や労働時間すべてにおいて不安定 な要素が多い。不安定な要素は、一部のリスク 選好型の人以外にとってストレスと成り得るた め、幸福に対するマイナスの一因と考えられる。

5. 5 所得は幸福に影響するのか

 幸福のパラドクスや所得の飽和点仮説は、東 アジアの国々でも確認できるのであろうか。本 研究の所得効果は、変数分析の章で詳述したよ うにデータの制約上、四分位にしたダミー変数 の影響のみを分析した。表

6

の推定結果による と、上位

25%

ダミーと上位

50%

ダミーが、有 意水準

5%

でプラスに影響していることが分 かった。つまり、所得が高い上位

2

つのグルー プは他のグループと比較し、幸福度が高いとい える。注意すべき点として、推定結果による因 果方向の断定はできないことがあげられる。所 得が高いため幸福度が高くなったまたは、幸福 度が高いため人々の所得が増加した、両方向の 可能性が考えられる。しかし、少なくとも所得 水準

5%

でマイナスの影響となり、パートナー

と死別のダミーも有意水準

10%

でマイナスの 影響である。東アジアにおいても結婚は、従来 の研究同様人々の幸福に寄与し、別れは形態に 関係なくマイナスに影響することがわかった。

また、現代は社会規範が多様になりつつある。

パートナーと共に生活する上でも、結婚として 法的な契約を結ぶ場合と法的な契約を結ばない 場合、また、その中間的な位置として、フラン スのパックス制度のように事実婚を法的に保護 する国もある。こうした多様な社会制度や規範 は、アジアの国々にも広がりつつあるのではな いだろうか。法的契約による結婚のみの効果で はなく、事実婚のように実際にパートナーがい る場合といない場合や男女別の影響などより詳 細な分析が今後必要である。

5. 3 歳をかさねることは幸福か

 幸福度の世代による違いは、加齢とともに

40

代を底とし、U字型を描くとされる(大竹・

白石・筒井 2010 : 24-5)。U字型の幸福度は、

若年期は高く、中年期になり一度低下した後に 高齢期に再び向上する。このような世代効果は、

場所や時代を問わず有効なのかは明らかにされ ていない。

 表

6

の最終推定結果によると、年齢による影 響は有意水準

1%

でマイナスの影響が確認され た。年齢を重ねるほどに幸福度は下がるといえ る。東アジアの国々においても中年期に比べ若 年期の幸福度が高いことが明らかとなった。一 方で、今回の調査対象年齢は、20-59歳の現役 世代に限定され、高齢期の幸福度はわからない 点に留意されたい。

5. 4 幸福な職業はあるのか

 幸福度は、雇用形態や職業による影響も考え られる。たとえば、失業状態は相反する影響が 予想される。新古典派経済学の視点からの失業 は、自分の考える賃金水準に見合った職を探す ための自発的な状態と考えられる。つまり、自 発的に失業を選択しているため失業状態にある 人の幸福度は、同一の所得水準であれば他の労 働者に比べ同じまたは高いことになる(大竹・

白石・筒井

2010:106)。一方で、社会規範の

(15)

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Helliwell, J., Layard, R., & Sachs, J. (2012) World Happiness Report.

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Ⅰ 入門編』日本経済新聞出版社。)

OECD (2011) How's Life?: Measuring well-being, OECD Publishing.

(= 2012、OECD編著、来田誠一郎・徳永優子・西村美由起・

矢倉美登里訳『OECD幸福度白書 : より良い暮らし指標 : 生活 向上と社会進歩の国際比較』明石書店。)

OECD (2013) OECD Guidelines on Measuring Subjective Well-being, OECD Publishing, Paris.(= 2015、高橋しのぶ訳『主観的幸福 を測る』明石書店。)

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Uchida, Y., Norasakkunkit, V., and Kitayama, S. (2004) Cultural Constructions of Happiness: Theory and Empirical Evidence, Journal of Happiness Studies, 5, 223-39.

Van Zanden, J. L., Baten, J., D'ecole, M. M., Rijpma, A., Smith, C., and Timmer, M. (2014) How Was Life?: Global Well-Being since 1820, OECD Publishing, Paris.(= 2016、OECD開発センター編著、

の飽和点は、四分位での分析では確認できな かった。また、所得の低いグループにおいて は、幸福度への影響が確認されなかった。この ため、幸福のパラドクスについても確認できな い。ただし、本研究の所得効果は四分位でその 影響も詳細には分析できていない。より詳細な 所得データを確認することなしに、幸福のパラ ドクスの有無を断定することは難しいため、今 後の課題のひとつとしたい。

おわりに 最も幸福な人は誰か

 おわりに、第

2

章で提示した

2

点のリサー チクエスチョンへの解答を試みる。1点目は、

データ制約のもとで所得の四分位の枠組みで、

東アジア地域の国際比較における幸福のパラド クスの有無である。推定結果から、所得の下 位

25%

および

50%

の人と幸福度の相関はなく、

上位

25%

および

50%

の人の幸福度と相関が確 認された。つまり、東アジア地域においては所 得が高いことは幸福にプラスに影響するため、

所得の飽和点および幸福のパラドクスは確認さ れなかった。今回の分析の限界として、所得の 四分位のみの効果しか確認できなかったことが あげられる。より詳細な所得と幸福度の相関を 確認すれば、そのプラスの影響の逓減が確認さ れるかもしれず、所得の飽和点の存在が明らか となるかもしれない。

 2点目は、各国の幸福度の違いを取り除いて も残る、東アジア7か国の特有の幸福要因は存 在するのかである。推定結果から、男性よりも 女性の幸福度が高く、独身の人よりも既婚者の 幸福度が高く、59歳までの現役世代においては 若い世代ほど幸福度が高いことが明らかとなっ た。また、「11:Manual worker(including skilled

and semi-skilled)」

お よ び「4:Vendor or street

trader」として働く人は、他の職業に比べ幸福

度は低い。国別の幸福度は、様々なバイアスが 考えられるが、韓国のみが日本よりも幸福度が 低く、その他は日本よりも幸福度が高い。今回 の推定結果からは、先進国の方が途上国に比べ 幸福度が低いといえる。まとめると、東アジア 地域で最も幸せなのは、途上国に居住し、上位

50%

以上の所得水準の若い既婚女性といえる。

(16)

徳永優子訳『幸福の世界経済史―1820年以降、私たちの暮ら しと社会はどのような進歩を遂げてきたのか』明石書店。)

Veenhoven, R. (1991) Is Happiness Relative? Social Indicators Research 24(1), 1-34.

3.データ出典

 下記出典は、規定の書式により掲載。

 Inoguchi, Takashi, AsiaBarometer Survey Data. 2005. AsiaBarometer Project available at: http://www.asiabarometer.org/, [Download 23/07/2013]. AsiaBarometer is a registered trademark of Takashi Inoguchi, Former President of the University of Niigata Prefecture, Japan, and Director of the AsiaBarometer Project.

(17)

(1)順序プロビットモデル (2)順序ロジットモデル

幸福 係数 標準偏差 係数 標準偏差

男性 Male -0.085 0.033 -0.162 0.058

年齢2 (Age)^2 0.000 0.000 0.000 0.000

教育

University/graduate school 0.093 0.124 0.175 0.222

Professional school/technical school 0.098 0.127 0.209 0.228

High-school-level vocational-technical school -0.025 0.133 0.006 0.238

High school 0.025 0.118 0.051 0.211

Elementary school/junior high schools/middleschool 0.017 0.116 0.028 0.209

No formal education 0.000 (omitted) 0.000 (omitted)

婚姻状況

Widowed -0.151 0.115 -0.234 0.203

Divorced/ Separated -0.170 0.103 -0.348 0.185

Married 0.295 0.042 0.537 0.074

Single 0.000 (omitted) 0.000 (omitted)

1人当たり所得

4th (Highest) 0.129 0.043 0.214 0.075

3rd 0.084 0.040 0.134 0.070

2nd 0.031 0.042 0.054 0.074

1st (Lowest) 0.000 (omitted) 0.000 (omitted)

職業

18 Unemployed other -0.148 0.190 -0.286 0.330

17 Unemployed -0.147 0.127 -0.233 0.224

16 Retired -0.124 0.143 -0.227 0.252

15 Student 0.088 0.131 0.210 0.230

14 Homemaker -0.155 0.114 -0.269 0.200

13 Other worker -0.227 0.130 -0.375 0.230

12 Driver -0.245 0.143 -0.410 0.256

11 Manual worker (including skilled and semi-skilled) -0.231 0.109 -0.394 0.193

10 Sales -0.110 0.121 -0.150 0.214

9 Clerical worker -0.068 0.114 -0.083 0.201

8 Employed professional or specialist (hospital

doctors, employed lawyers, engineers, etc.) -0.155 0.136 -0.273 0.238 7 Senior manager (company director, no lower in rank

than a manager of a company section in a company with 300 or more employees, or a manager of a department in a company with less than 300 employees)

-0.064 0.154 -0.093 0.271

6 Self-employed professional (self-employed doctors,

lawyers, writers, etc.) -0.152 0.153 -0.246 0.267

5 Business owner or manager of an organization with

over 30 employees -0.394 0.216 -0.733 0.364

4 Vendor or street trader -0.285 0.116 -0.471 0.204

3 Business owner of a retail organization with up to 30

employees -0.097 0.127 -0.171 0.223

2 Business owner in mining or manufacturing industry

of an organization with up to 30 employees -0.110 0.148 -0.160 0.258 1 Self-employed in agriculture, forestry or fisheries 0.000 (omitted) 0.000 (omitted)

国別

d_MYANMAR 0.244 0.064 0.449 0.111

d_VIETNAM 0.353 0.062 0.505 0.110

d_THAILAND 0.196 0.063 0.365 0.108

d_MALAYSIA 0.369 0.063 0.706 0.110

d_CHINA 0.158 0.061 0.298 0.106

d_KOREA -0.172 0.061 -0.333 0.105

d_JAPAN 0.000 (omitted) 0.000 (omitted)

付録 1 推定結果

Note:[1]順序プロビットモデル;Number of obs. = 5,423, LR chi2 (36) = 266.01, Prob. > chi2 = 0.0000 and Pseudo R2 = 0.0198.

[2]順序ロジットモデル;Number of obs. = 5,423, LR chi2 (36) = 273.62, Prob. > chi2 = 0.0000 and Pseudo R2 = 0.0204.

表 1 幸福調査対象データ Easterlin(1974)
表 2 アジア・バロメーター 年度別 調査対象一覧

参照

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