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﹃アメリカ連邦政府における情報資源管理政策

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[書評] 岡本哲和著 『アメリカ連邦政府における情 報資源管理政策 : その様態と変容』

その他のタイトル [Book Review] Tetsukazu Okamoto, Information Resources Management Policies in the U.S.

Federal Government

著者 土倉 莞爾

雑誌名 關西大學法學論集

55

2

ページ 480‑520

発行年 2005‑07‑25

URL http://hdl.handle.net/10112/12204

(2)

第三章アメリカ連邦政府における情報管理政策—|1その歴史的展開||'

第一章

立っている︒

︹ 書

岡本哲和著

﹃アメリカ連邦政府における情報資源管理政策

そ の 様 態 と 変 容

西

00

O )

本書は︑レーガン政権からクリントン政権期にかけてのアメリカ連邦政府に焦点を合わせて︑政府の情報資源管理に関わる制度 がどのように構築され︑またどのように変化していったのかという問題を︑政治学的な分析アプローチを用いて明らかにしようと 試みた研究である︒まず︑この著書の構成から見てみたい︒それは以下に挙げるように︑序章と結論を含めて十三の章から成り

平 ︺

︱ ︱

‑ R  

情報政策の概念

情報資源管理

莞爾

(3)

次に︑各章の内容について概観する︒また︑その内容を概観して行く過程において︑著者が新たにもたらした知見︑およびこの 著書の特筆すべき点についても指摘することにしたい︒

第一章﹁情報政策の概念﹂では︑﹁情報﹂および﹁情報政策﹂の概念についての説明が行なわれている︒言うまでもなく﹁情報﹂

という語は広く社会一般において用いられている︒しかし︑それが一体どのようなものであるかについては︑必ずしも了解がある わけではない︒アカデミズムの世界においても︑自然科学だけでなく社会科学︑人文科学においても情報に関わる研究は数多くな されてきているが︑それらにおいても﹁情報﹂の定義づけが明確に行われたうえで議論がなされている例は実はさほど多くない︒

この著書においては︑﹁情報﹂とは何かについて︑情報工学などにおける先行研究を参照した上で︑﹁受け取るもの さらに︑この著書では﹁政府情報﹂および﹁情報政策﹂の概念を取り上げて︑先行研究を参照しつつ︑それらの分類作業を行っ

て議論を行う上での整理作業を行なっている︒この著書において﹁情報﹂︑﹁政府情報﹂︑そして﹁情報政策﹂といった概念は議論 の中心に関わってくるものであり︑主たる分析対象である情報資源管理政策の捉え方にも︑当然密接に関係を持つものである︒こ のような基本的概念の定義づけは︑議論を展開する上でのいわば出発点であり︑土台とも成りうるものである︒しかも︑この著書

らかの影響を与える意味の集合﹂と定義づけている︒

第九章

文書業務削減法

t h e

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1 9 8 0  

情報技術管理改革法

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政府書類業務排除法

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第八章 第七章

一九九五年文書業務削減法の成立

第六章クリントン政権における情報資源管理政策 第五章 第四章

0年文書業務削減法の施行状況ー│レーガン政権ー│

(4)

介も行われている︒具体的には︑

0年代までの時期では︑

第五五巻二号

で示されているように︑﹁政府情報﹂および﹁情報政策﹂の概念自体はきわめて多様であり実際にも様々な意味で使われることが 多い︒あらゆる研究にとって︑用いる基本的概念の明確化を行う作業は必須のものであるが︑政治学や行政学の立場から情報の問 題を扱った研究では︑﹁情報﹂や﹁情報政策﹂といった概念に関して︑必ずしもそのような作業が丹念に行なわれていたわけでは 第二章﹁情報資源管理﹂では︑情報資源管理

i n f o r m a t i o n r e s o u r c e s

  m a n a g e m e n t

の概念についての検討が行なわれる︒前章で も触れられているように︑﹁情報政策﹂の範凶は実はきわめて広い︒その中で︑とくに情報資源管理およびそれに関わる政策を中 心的分析対象に据えることによって︑より明確な議論の展開が可能となっている︒さらに︑情報資源管理が組織にあたえる影響と して︑﹁集権化仮説﹂ならびに﹁分権化仮説﹂の二つが考えられることが既存研究の検討によって紹介される︒それに対して著者 は︑情報資源管理の組織形態に与える影響自体はむしろ中立的なものであり︑むしろ政治的要因こそが情報資源管理の施行形態に 影響を及ぼすとの独自の仮説を提示する︒後に見ていくように︑この著書はその仮説を検証することを中心的な課題として据えて 第三章「アメリカ連邦政府における情報管理政策ー|—その歴史的展開ー—_」では、

代までの時期に焦点を合わせ︑その時期におけるアメリカ連邦政府の情報管理政策の流れが概観される︒この著書の主たる分析対

象は一九八0

年代以降の情報資源管理政策であるが︑いわばその前史が取り上げられていることになる︒時間軸を遡って分析対象 を拡げることは︑情報資源管理政策の全体像を把握する上で︑きわめて効果的である︒また︑この時期における情報資源管理政策 については︑少なくともわが国ではほとんど研究対象として扱われることはなかった︒そこにおいては︑これまではアメリカ行政 学史の分野でもさほど大きく取り扱われることのなかった政府関係の諸報告書にも目配りがなされており︑その内容についての紹

タフト委員会の報告書︑

44

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S .   C .

  1

1 0 8

の内容が紹介・吟味されて︑それらの時期における情報管理政策の主た

関法

アメリカ合衆国憲法の制定時から一九六

0

一八五五年の﹁印測法﹂︑クックレル委員会の報告書︑キープ委

(5)

ることによって指摘している︒ 特質が取り上げられる︒ 法の制定に関わる政治過程︑ る目標が文書の物理的コントロールにあったことが見出されている︒

第四章﹁文書業務削減法

t h e P a p e r w o r k e   R d u c t i o n   A c t   o f

  1 9 8 0

﹂においては︑

0年に制定された文書業務削減法に焦点

を合わせて︑その成立のきっかけとなった連邦文書業務委員会の設置へと至る背景と同委員会による報告書の内容︑文書業務削減

0年文書業務削減法の内容︑そして一九八

0年によって確立された連邦政府の情報管理制度の

連邦文書業務委員会の設置およびその報告書の発表については︑政府が課した文書負担に対して︑中小企業を中心とする民間部 門からの不満の声が高まってきたことがその背景にあると指摘される︒それゆえ︑報告書の内容も︑政府が要求する文書の削 減││'すなわち文書の物理的コントロール││によって民間部門の負担を軽減することに主眼が置かれていたとされる︒だが︑こ こで注目すべきは︑議会の側を中心として︑情報の利用可能性の促進が意識されていたことである︒すなわち︑著者は︑情報の物 理的コントロールを重視した価値基準と情報の有効利用を重視する価値基準の双方が︑連邦文書業務委員会の議論とその報告書に おいて現われていたと論じる︒著者はハーバート・サイモン

H e r b e r t S i m o n

の議論を手がかりにして︑前者の基準を﹁効率性

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f f i c i e n c

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﹂︑後者の基準を﹁有効性

e f f e c t i v

e n e s s

﹂と名付けている︒この二つの基準を情報資源管理政策に関わる議論の中に見出

したことは大きな知見である︒なぜならば︑これら二つは後の情報資源管理政策に関わる議論もしくは政治過程においても重要な 争点として現われてきているからである︒たとえば︑文書業務削減法の制定に関わる政治過程においても︑それら二つの価値基準 が争点として現われていることを︑著者は議会の委員会報告書を中心とする一次資料を基にして明らかにしている︒

0年文

書業務削減法自体においても︑効率性の追求とともに有効性の促進が重視されていることを︑著者は各条項の内容を丹念に検討す 次に︑著者は一九八

0年文書業務削減法によって確立されたアメリカ連邦政府における情報管理体制を特徴づける新たな枠組み

を提示している︒そこで著者が提示するのは﹁集権ー分権﹂および﹁集中ー分散﹂の二本の判定軸である︒前者は情報管理におけ

『アメリカ連邦政府における情報資源管理政策ー~その様態と変容ー~」

(6)

定の権限は集権的であると指摘される︒ 管理は﹁分散﹂的に施行されている︒しかし︑

る決定権限に関わる次元の判定軸であり、特定の情報を収集することについての是非の決定、情報を処理する際の基準•企画に関 わる決定︑そして情報の保存年限に関する決定などがその構成要素として含まれる︒後者は情報管理の執行次元に焦点を合わせた ものであり︑情報の収集︑処理︑保存︑そして廃棄といった情報のライフ・サイクルに関わる作業が︑どれだけ多くの主体によっ て担われるのかということを構成要素としている︒著者はこれら二本の判定軸を組み合わせて︑﹁集権ー集中﹂﹁集権ー分散﹂﹁分 権—集中」「分権ー分散」の四つのカテゴリーを提示している。これまでの研究においては、情報管理体制における決定権限の次 元と執行に関わる次元はこれまでしばしば混同されてきた︒この分類枠組みの作成においては︑中央政府と地方政府との関係につ いての議論が参考にされていると思われるが︑決定権限と執行に関わる次元の二つを明確に区別して︑情報管理体制の分析枠組み を構築したことはオリジナルな成果であり︑高く評価できる︒

さて︑上で述べた情報管理体制の分類枠組みに従って︑著者はアメリカ連邦政府の情報管理体制を﹁集権ー分散﹂型と分類する︒

その理由は︑以下のとおりである︒アメリカ連邦政府では︑各政府機関が独自の情報システムなどを所有しており︑その点で情報

0

年文書業務削減法は行政管理予算局︵の情報規制問題局︶に︑各政府機関

による情報収集を審査する権限を与えており︑それによって政府への情報インプットの流れが一元的に規制されている︒さらに︑

行政管理予算局は政府機関の間での情報の共有あるいは共同利用を促す指示を出すことができる︒それゆえ︑情報管理に関わる決

﹁集権ー分権﹂および﹁集中ー分散﹂の分析枠組みを用いてアメリカの情報管理体制の特質を上のように描き出したこと自体︑

オリジナルな試みとして評価されるべきであるが︑それとともに︑この分析枠組みは汎用性が高く︑他の国もしくは地方政府にお ける情報管理体制を分析する際にも有効である︒今後︑情報管理政策についての分析を行う際には︑この分析枠組みを用いて各国 の情報管理体制を比較可能な視点から捉えることができる︒実際︑著者は﹁日本における情報管理政策││'現状と課題﹂︵岡本︑

I a )

においてこの分析枠組みを日本における中央政府の情報管理体制に当てはめて分析を行ない︑その特質が﹁分権ー̲

関法

(7)

さらに著者は︑﹁なぜ﹂アメリカの連邦政府が﹁集権ー分散﹂型な情報管理体制を有するようになったかについて説明を試みて いる︒この問題に対する取り組みには︑単に現状を記述するだけではなく︑なぜ現状がそのようになっているのかを説明すること が社会科学の大きな使命の︱つであると考える著者の問題意識が反映されている︒

まず︑分散的な体制が維持されてきた理由としては︑主として技術的な要因および実利的な要因の二つが指摘されている︒そし て︑政府活動の大規模化と多様化が進行している現在の状況では︑多くの国において分散型の情報管理体制が採られるのは半ば必 然的であると指摘される︒そこで問題となるのは︑アメリカで行政管理予算局を中心とする集権的な情報管理体制が維持されてき た理由である︒ここで著者は︑情報の重複を排除することの容易さ︑情報管理に関わる規格の統一の容易さ︑情報の共有化の促進 などの集権的体制が備える一般的な利点を挙げるだけでは充分でないと指摘する︒なぜならば︑このような集権的な管理体制は︑

議会︵あるいは再選を目的とする議員︶にとって望ましくないような形で情報収集要求審査が行なわれたり︑逆に緩慢な審査が行 政管理予算局によって実施されたり︑有権者からの不満が高まるような状況をももたらす可能性が高いからである︒実際︑続く第 五章でも指摘されるように︑とりわけレーガンおよびブッシュ

︵四一代︶時代においての行政管理予算局による情報収集要求審査 のあり方には︑議会の側や各種の利益団体から強い批判が浴びせられた︒著者がここで取り上げるのは︑そのような問題にもかか わらず︑議会が行政管理予算局に対して強い権限を付与したのはなぜかという問題である︒

これに対し著者はその要因として︑第一に情報収集要求審査の実施に関わるコストの問題︑第二に議会の側の有権者に対する責 任回避の問題︑そして第三に政治的不確実性の存在の三つを指摘する︒それぞれの要因についての詳しい説明は省略するが︑これ らはいずれも︑合理的選択理論の枠組みから導出されたものである︒合理的選択理論とは﹁何らかの基準において合理的に選択す るアクター間の相互関係として︐社会現象を説明しようとする﹂理論であり︑経済学におけるケネス・アローの諸業績やゲーム理 論などから強い影響を受けている︒現在アメリカなどにおける政治学の分野では︑その導入と発展の度合はめざましいものであり︑

『アメリカ連邦政府における情報資源管理政策ー~その様態と変容ー~』

分散﹂的であるとの指摘を行なっている︒

(8)

より多く拒否されるという事態が生じたことが︑

一次資料を含めた多くの文献を用いて描き出されている︒

0年文書業務削減法によって行政管

多くの優れた研究が生み出されている︒著者も基本的にこの合理的選択理論に依拠した上で︑テリー・モー

T e r r M y o e

やモーリ

ス・フィオリナ

M o r r i s o r F i i n a

などの先行研究を参照しつつ︑再選を第一目的とする議員と管理における集権化を目標とする大 統領の相互作用の帰結として︑情報管理政策における集権化の進行を説明しようと試みている︒さらに具体的に言えば︑その説明 は以下のようになる︒まず︑著者はプリンシパル・エージェント理論を援用して︑議会︵議員︶をプリンシパル︑そして政府を エージェントとして捉える︒プリンシパルである議員にとっては︑自らが情報収集要求審査を行うような法律を制定することが好 い結果をもたらす可能性は高い︒しかし︑それを自ら行うコストはきわめて高く︑また再選を目的とする議員としては︑政府が各 種利益団体などの意向に沿わない審査を行った場合でも︑それを政府の責任として有権者に訴えて支持を獲得することが容易とな る︒それゆえ︑議員としては︑情報収集要求審査の実施を含めた情報管理の権限を行政管理予算局に大きく委譲することが合理的 な行動となるのである︒

以上のような説明自体︑きわめて論理的に組み立てられており︑非常に明確である︒また︑合理的選択理論の枠組みを情報管理 政策の分析に導入したのは当論文が最初であると考えられ︑その点でオリジナリティのきわめて高いものであると評価できる︒

第五章﹁一九八

0

年文書業務削減法の施行状況││'レーガン政権ー﹂では︑レーガン政権の下における一九八

0

年文書業務削

減法の施行状況についての記述が行なわれる︒著者によれば︑

および﹁機密措置の強化﹂の二つにあると指摘される︒これら二つが推進される中で︑

理予算局に与えられた情報収集要求審査の権限の行使に関して︑環境や職業安全︑保健衛生といった分野における情報収集要求が さらに著者は︑

関法

レーガン政権における情報管理政策の特徴は︑﹁情報コストの削減﹂

レーガン政権の情報管理政策が︑有効性から効率性へと重点を大きく移していくようになったことを︑回状

A

1 3 0

などの様々な事例を具体的に検討して明らかにしようとしている︒つまり︑著者によって提示された情報管理政策にかか わる効率性と有効性の二つの対立軸の存在が︑実際の例によってうまく説明されている︒それとともに︑以上のような形で情報管

(9)

第五章第五節以下では︑ジョージ・ブッシュ 第五章の第四節では︑レーガン政権時に行なわれた一九八

0

年文書業務削減法の改正に焦点が合わせられる︒文書業務削減法の

改正に関して︑著者はその改正過程をいわゆる

p r o c e s

, t s

r a c i n g

の手法を用いて丹念に記述している︒その作業により︑筆者は改 正を促した要因として︑行政管理予算局

1 1

情報規制問題局による情報収集要求審査の進め方に対して議員が抱いた不満を指摘する︒

次に︑改正後の法内容を検討して︑それが実際にはそれまで実施されていた情報資源管理政策の内容に対し︑大きな変更を迫るも のではないことが明らかにされている︒議員の不満にもかかわらず行政管理予算局

1 1

情報規制問題局の権限がほとんど維持された ことの原因として︑著者は前章において提示された︑情報収集要求審査の実施に関わるコストの問題︑議会の側の有権者に対する 責任回避の問題︑そして政治的不確実性の存在の三つを取り上げて説明を加えている︒これら三つは︑

の内容に影響を及ぼした要因として︑前章においても取り上げられている︒すなわち︑議会からの強い不満にもかかわらず︑改正 内容が大幅なものにならなかったことが︑同一の分析枠組みで説明されているのである︒このように異なったケースを同一の分析 枠組みで説明することは︑その説得性を高めるものであると評価できる︒

︵四一代︶政権下での情報資源管理政策の様態が取り上げられる︒これまで︑プッ

︵四一代︶政権における情報資源管理政策は︑基本的にレーガン政権のそれを踏襲したものであると考えられていた︒さらに︑

その政権が一期限りで終わったことにより︑それについての先行研究も非常に少ない︒本書は主としてレーガンからクリントンに 至るまでの時期の情報資源管理政策を取り上げたものであるため︑ブッシュ政権の情報資源管理政策に触れることは必然であると もいえる︒だが︑すでに述べたように︑それについての先行研究自体の少なさを考えると︑貴重な論考となり得ている︒さらに当 論文においては︑情報資源管理政策におけるレーガンとブッシュとの間の﹁断絶﹂が見いだされている︒従来は︑ブッシュ政権は 基本的にレーガン政権の情報資源管理政策で示された路線を継承し︑有効性に対して効率性を重視する姿勢を示したと考えられて

﹃アメリカ連邦政府における情報資源管理政策!その様態と変容ー│ー﹂

理予算局の外部からの支持の五つを指摘している︒

理政策が施行されるようになった要因として︑執行担当者の権限︑組織の性格︑組織の作業手続き︑政策そのものの性格︑行政管

0

年文書業務削減法

(10)

ブッシュはかなりの程度︑有効性の促進を支持していたと論じられている︒このような情報資源管理政策におけるレーガンとブッ シュとの断絶性を見いだしたことは︑新たな知見であるといえるだろう︒

た行政改革のプランである

t i N a

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や︑全米情報基盤構想

(N

II

)

が取り上げられて︑主として情報政

策に関わるそれらの内容が吟味される︒さらに︑

注目して︑クリントン政権における情報資源管理政策の特徴がどのようなものかを明らかにしようとしている︒その分析結果とし て提示されるのは︑

である︒従来︑

クリントン政権における情報資源管理政策が取り上げられる︒まず︑わが国を含めて多くの国において話題を集め クリントン政権における情報資源管理政策が︑レーガン政権のそれとかなりの連続性を示しているという知見

クリントン政権は先述の全米情報基盤構想を含めて︑積極的に情報の提供を推し進めようとしたと考えられていた︒

つまり︑クリントン政権時の情報資源管理政策は効率性から有効性の追求に大きくウェイトを移したという点で︑

それとは断絶があると考えられていた︒筆者は多くの文献を用いた丹念な検討作業によって︑必ずしもそうではないことを明らか にしている︒これは︑情報政策研究において重要な成果であると考えられる︒

それとともに著者は︑クリントン政権における情報資源管理政策の特徴が︑政府業務に対する情報技術の積極的な活用にあると 主張している︒もちろん︑クリントン政権による情報スーパーハイウェイ構想の推進などはわが国でもよく知られており︑情報技 術の積極的な活用を指摘しただけでは︑それは新たな成果であるとは見なされないとの批判も予想される︒しかし︑著者が強調し ているのはむしろ︑情報技術の活用を打ち出したことがもたらした政治的帰結である︒すなわち︑それにより︑情報資源管理に関 わる政治過程において︑効率性と有効性をめぐる対立がかなりの程度まで解消されたと論じているのである︒その理由として著者 は︑情報技術の導入が︑効率性および有効性の双方を追求することに結びつくためと述べる︒すなわち︑電子的手段の利用は情報

の収集やその処理にかかる諸コストを大きく低下させる可能性があるため︑効率性の推進に結びつく︒ いた︒だが︑この章においては︑

関法

一九九二年の回状

A‑130

改正案などのこれまでほとんど注目されてこなかった資料に着目して︑

レーガン政権時に制定された回状

A‑130

の一九九三年における改正内容などに

一方で︑電子的手段を用い

レーガン政権の

(11)

であり︑重要な貢献であると考えられる︒それとともに︑ 一九九五年文書業務削減法については︑政府による情報提供の拡大が盛り込まれるなど︑ ことはこれまでなかったことであり︑新しい見解であると評価できる︒

た情報収集は多くの人びとが大量の情報を獲得することを容易にすると考えられるため︑有効性の追求にもつながる︒それゆえ︑

政府が情報技術の活用を前面に打ち出しているならば︑効率性と有効性のどちらを支持する勢力からも一定の支持が得られる可能 性が高くなるのである︒クリントン政権の情報管理政策について︑このような観点から以前の共和党政権との断絶性が強調された

一九九五年における文書業務削減法の改正に焦点が合わせられる︒そこでは まず︑同法の成立へと至る政治過程について︑それに関わった議員や政府関係者︑そして各種利益団体などの動きが克明に描き出

一九八六年文書業務削減法との違いが細かく検討されている︒

強調されたものと一般的に見なされている︒そして︑その成果は主としてクリントン政権に帰せられることが多かった︒それに対 して著者は︑﹁有効性の追求がとりわけ強調されるようになったことについては︑クリントン政権の影響力を過大に評価してはな らない﹂と主張する︒その理由として著者は︑有効性を促進すること自体については︑クリントン政権の誕生以前に︑すでに議会 および政府︑そして一部の公共利益団体の間である程度の合意が形成されていたことをあげている^︶これは︑既存の研究のみでは なく︑提出はされたが成立はしなかった過去の諸法案の内容および審議過程をも丹念に検討することによって明らかにされた知見

一九九五年文書業務削減法においても︑行政管理予算局による情報収集 要求審査の範囲が拡大されており︑それが議会の意向でもあったことが示されている︒

第八章および第九章では︑それぞれ情報技術管理改革法および政府書類業務排除法が取り上げられる︒この二つの法律に関して は︑その存在と重要性についてはわが国においてもある程度は認識されてはいるものの︑その内容は各種メディアなどで断片的に しか紹介されてこなかった︒欧米においても︑これら二つの法律について政治学・行政学のアプローチを用いて分析した例はおそ らくなかったと思われる︒その点においてもこの著書の貢献は大きいと考えられる︒

﹃アメリカ連邦政府における情報資源管理政策

1

その様態と変容

I

される︒次に︑

一九九五年文書業務削減法の内容が取り上げられて︑

第七章﹁一九九五年文書業務削減法の成立﹂では︑

一九八六年の同法以上に有効性の追求が

(12)

O )

まず︑情報技術管理改革法については︑その立法過程が明らかにされた上で︑その内容が検討される︒これまでの情報技術管理 改革法についての紹介においては︑同法が電子政府の推進を目指すうえで重要な位置を占めること︑そして同法によって各政府機 関に情報統括責任者が設置されるようになったことぐらいしか言及されてこなかった︒それに対してこの著書で明らかにされてい るのは︑同法の重要性が実は︑連邦政府の情報管理制度をいっそう集権化させたことにあったということである︒具体的には︑同 法によって共通役務庁は情報技術管理に関わる多くの権限を剥奪され︑行政管理予算局にその権限が与えられることになっている︒

そして︑議会の意向がこのような集権化をもたらした大きな要因であることを探り出し︑さらに議会がそのような行動をとった理 由が合理的選択理論の枠組みで説明可能であることが明らかにされている︒

次に︑政府書類業務排除法についても︑その制定経過がまず明らかにされて︑同法を成立させることを議会が重要な課題である と認識していたことが示される︒さらに︑同法の内容が詳しく検討される︒従来︑政府書類業務排除法の主な意義は︑国民が政府 に提出する書類を電子化することによってコストを削減することにあると捉えられていた︒それに対して著者は︑同法を政府の権 限に対する議会による対抗策として捉え直したうえで︑その重要性を主張している︒すなわち議会の側は︑政府の情報収集要求負 担を軽減して有権者の不満を低め︑再選のための支持につなげたいと考えている︒そのために議会が採りうる方法としては︑政

1 1

行政管理予算局の権限を現在以上に拡大して議会の望むような審査が行なわれることを期待すること︑新たに法律を作成して 審査基準をより客観的なものにすること︑あるいは行政管理予算局の審査権限を剥奪して︑議会自らが代わって審査を行うことの 三つが考えられるとされる︒しかし︑著者は合理的選択理論に基づいて︑

これらのいずれを選択することも合理的な行動ではないと論じる︒このような状況の中で︑同法が規定する電子的手段による文書 の提出は︑再選を第一動機とする議員にとって最適の選択肢であったことが示されている︒説明は説得的であり︑このような視点 から政府書類業務排除法が検討されたことはこれまでになかったといえる︒

著書の内容については上に概観したとおりである︒次に︑この著書の評価すべき点をあげたい︒

関法

コストと政治的不確実性の存在により︑議会にとっては

(13)

九八

0

年文書業務削減法を中心として︵上︶

一九九二年︱二月︑第四二巻第六号︑

第一は︑そこで取り上げられているテーマの新しさとその有意性である︒今日では︑社会の様々な領域において︑情報の重要性 は増大しつつある︒経済の分野においては︑モノではなく情報の生産とその流通が大きなウェイトを占めるようになっている︒政 府活動の分野でも︑従来のようにモノやカネを給付するだけではなく︑情報を生産してそれを流通させていくことが政府の重要な 任務の︱つであると見なされるようになってきている︒このような状況において︑政府が情報との関わりは多くの人々の関心をひ いている︒とくに︑世界最大の情報収集者であるといわれるアメリカ連邦政府において︑どのような形で情報管理政策が実施され ているかは︑多くの研究領域において高い関心が持たれている問題である︒たとえば︑行政法学や図書館学などの分野においては︑

この問題を取り扱った研究が比較的多く行われてきた︒それに対して政治学および行政学の領域においては︑政府もしくは政治と 情報との関わり自体は長い間重要な研究課題であると認識されてはいたものの︑政府による情報管理政策の様態を本格的に扱った 研究はこれまでほとんど存在していなかった︒もちろん︑政治学および行政学の立場から政府の情報管理についての分析を試みた 例は皆無であるというわけではない︒しかしながら︑それらの多くは︑情報提供や行政手続き︑文書管理などの問題に関わる個別 の法令や特定の目的のためにつくられた情報システムなどに焦点を合わせてその運用実態などを紹介し︑もっぱら規範的な関心か らそれに対してアドホックな説明を加えたものであった︒それに対し︑この著書は情報に関わる政府の施策の土台となる制度に注 目して︑それに対して正面から取り組んだうえで政治学の分析枠組みで分析を加えたという点で比類のない研究となっている︒

第二は︑この著書は単著として三百頁を超える分量となっているものの︑そこにおいては情報管理体制の集権化と分権化をめぐ るダイナミクスに焦点を合わせた記述と集権化をもたらした原因についての説明が一貫して行なわれており︑内容の点で高い統一 性を示していることである。この著書の一章から五章は著者が以前発表した「アメリカ連邦政府における情報資源管理政策~一

西

一九九三年二月)を基にしているが、その内容にもかなり加筆•修正が加えられており、残りの部分はすべて書き下ろしの形を とっていることが︑内容に一貫性と統一性をあたえていると考えられる︒

﹃アメリカ連邦政府における情報資源管理政策ー│その様態と変容

I

(14)

第三は︑情報資源管理政策においては﹁効率性

f i e f c i e n

c y

﹂および﹁有効性

e f f e c t i v e n e s s

﹂の二つの価値が重要であり︑実際の 情報管理政策の様態はこの二つの価値を両端に置く直線上の任意の点として位置付けられること︑そして情報管理政策をめぐる政 治過程においては︑二つの価値をめぐる対立がしばしば現われることが明らかにされていることである︒効率性と有効性の対立軸 は︑情報管理政策を分析するための一般的な枠組みになりえていると評価できる︒

第四は、この著書において、「集権—分権」「集中ー分散」の二本の判定軸を導入した情報管理体制の分類枠組みが提示されてい ることである︒すでに述べたように︑この分類枠組みはきわめて一般性が高く︑今後他の研究においても用いられることが予想さ 第五は︑この著書は議会の委員会報告書や公聴会記録︑また様々な政府機関によって報告された報告書や覚え書などの資料を精

一九九五年文書業務削減法︑情報技術管理改革法︑政府文書業務排除法について︑法案提出 の経過や議会での審議過程の様態︑さらに各法案に対する行政府および各種利益団体の動きを明確に描き出していることである︒

いうまでもなく︑これまで先行研究がほとんどなかったテーマを取り上げて実証分析を行う場合には︑

作業であるが︑多量の一次資料を読み込んだ上でそれに基づいた議論を展開している点は高く評価できる︒それに加えてこの著書

は︑その重要性にもかかわらずこれまでとくにわが国においてはほとんどその存在が知られることのなかった情報政策関連の政府 文書の内容とその重要性を広く研究者に認識させることになるという点で︑きわめて意義があると考えられる︒

第六は︑この著書においては︑明確な仮説を立てて︑それを立証するという構成がとられていることである︒通常︑政治分析に おいて仮説の構築と検証を行なう場合には︑分析対象として一定程度のケース数を確保したうえで︑統計手法を用いた分析が行わ れることが多い︒著者も︑日本の自治体における情報システムや政策の波及過程︑あるいは政治家もしくは候補者のウェブサイト などを扱った研究において︑そのような手続きをとった分析を行なっている︒例えば︑﹁政府情報システムの民間委託一我が国に おける地方自治体のケース﹂︵岡本︑

1 9 9 8

‑ b

)

000

年衆院総選挙における候補者ホームページの分析﹂︵岡本︑二

0

1 )  

0年文書業務削減法︑

関法

一次資料の利用は不可欠な

(15)

第七は︑さきに述べた仮説の検証にあたって︑

がそうである︒この著書で扱っている情報管理政策関連の法案に対していわゆる

l a r g

N

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データを用いた統計分析を行なうとすれ ば︑連邦議会の本会議および委員会での議員による各法案への投票記録︵すなわち賛成票を投じたかそれとも反対したか︶を従属 変数として扱って︑各議員の選好や個人的属性などを独立変数とした統計分析を実施するというリサーチ・デザインが考えられる︒

しかし︑この著書が主たる分析対象とする一九八

0

年文書業務削減法案︑

政府文書業務排除法案はいずれもほとんど全会一致で可決︑成立している︒このようなケースでは従属変数自体の分散が

0となる

一般の統計分析を施すことはできない︒しかし︑著者はむしろこの点に注目して︑情報管理政策に関わる議員の選好はほと んど一致していると考えて︑議会は全体として行政府に対して情報管理に関する権限を委譲していると見なす︒これは︑今までに はなかった視点であるといえる︒そして次に︑それではなぜ議会は行政府に大きく権限を委譲したのかということを︑この著書に おいて説明すべき中心的な問題として取り上げているのである︒

著者がこの著書でとった手法は︑大きく分けていわゆる事例分析に当てはまると考えられる︒だが著者の行なった事例分析は︑

単に事実の流れを記述することにとどまるものではない︒そこにおいては︑﹁情報管理における行政府の権限が拡大したのは︑議 会がその権限を能動的に委譲した結果である﹂との明確な仮説が設定され︑それを検証するために様々な事実やデータが検討され ている︒このように︑この著書では数理や統計などの分析手法は明示的に用いられていないものの︑その研究姿勢と手統きはきわ めて科学的なものであると高く評価できる︒

先述の合理的選択理論の枠組みである︒合理的選択論アプローチとは︑各アクターは合理的に行動する︑すなわち自己の利益を最 大化するように振る舞うとの単純な前提を置いて︑さまざまな行動を演繹的に説明しようとする試みである︒この著書では︑議員 の最大の関心が再選にあるとの合理的選択論に基づいた前提を置いて︑議員

1 1

議会の側が行政管理予算局による情報収集審査に問

題を認めつつも︑再選動機︑

一定の分析枠組みが用いられていることである︒著者が主として依拠するのは︑

モニタリング・コストの存在︑そして政治的不確実性といった要因によって︑議員

1 1

議会側があえて

『アメリカ連邦政府における情報資源管理政策ー—_その様態と変容ー|'』

一九九五年文書業務削減法案︑情報技術管理改革法案︑

(16)

究においても︑重要なものであると考えられる︒

政府に対して情報管理に関わる大きな権限を委譲することになったとの説明が明確に行なわれている︒しかも︑その枠組みは一九

0

年文書業務削減法の制定という単一の事例のみに適用されているのではなく︑

すべてを︱つの明解な切り口で説明しえていることは高い評価に値する︒

九九五年文書業務削減法︑情報技術管理改革法︑そして政府書類業務排除法の制定といった複数の事例にも適用されている︒これ

らの情報資源管理制度の構築政策に関わる重要な複数の事例に対し︑それぞれアドホックな説明が加えられるのではなく︑それら もちろん︑議員や大統領といった政治的アクターの行動が︑すべてこのような合理的選択論の枠組みによって説明されるわけで

はない︒議員に関して言えば︑再選動機だけではなく︑自らが望ましいと考える政策の実現やイデオロギーなどの要因もまた︑そ の行動に影響を及ぼしているとの見解が既存の研究で提示されている︒だが︑そのことは︑この著書で用いられている合理的選択 理論の有効性をそこなうものではない︒そもそも社会現象はきわめて複雑なものであり︑それに影響を与える要因をすべて列挙す ることは不可能である︒すなわち︑合理的選択理論であろうと︑政治の非合理性に目を向けた記述分析であろうと︑政治に関わる 現象を︱つのアプローチですべて説明し尽くすことはできない︒重要なことは︑それぞれの分析アプローチを用いることによって︑

分析対象がどれだけ説明されているか︑また︑どのような新しい知見がもたらされたのかということである︒この点において︑こ の著書における合理的選択理論の応用は︑連邦政府における情報管理体制が議員の意向によって構築されたという新たな知見を示 すことに成功している︒情報管理というきわめて専門的かつ技術的なイシューにおいても︑政治的要因が強い影響を及ぼしている ということは︑きわめて意義のある発見である︒この知見は︑科学政策や技術政策などの専門性の高い分野における政策形成の研 さて︑ここで︑著者のこの著書以外に書かれた諸論文にも言及しておきたい︒

関法

一九八六年における文書業務削減法の改正︑

(17)

Sという名称で呼ばれており︑

ついての検討を行ない︑問題点を明らかにしようとする︒著者によれば︑日本の情報管理体制は︑﹁集権ー分権﹂および﹁集中ー 分散﹂の二本の判定軸を導入するならば︑﹁分権ー分散型﹂に分類されうると言う︒この型の情報管理体制は︑複数の政府機関に おける情報の重複︑標準化の困難︑情報の共有化における困難などの問題を生じさせる可能性が高い︒政府自身もこの問題につい

0年代以降は主として行政改革の一環としてその解決が試みられてきた︒

基本計画﹂にしたがって推進されてきた霞が関

W A

Nや一元的データベースの設置︑

具体的措置として挙げられる︒これらの一連の改善策を検討してみれば︑著者によれば︑そこには情報技術の導入が情報管理上の 問題を解決するとの﹁技術決定論的思考﹂の影響が認められる︒しかし︑技術決定論には︑手段としての情報化を目的自体へと転 化させてしまいかねない問題点が含まれている︒著者は︑情報管理の改善においてまず重要なのは制度及び政治的リーダーシップ

であることを強調する

ia

著者によれば︑情報管理制度の改善のためには︑技術決定論的思考からの脱却が必要であると言う︒その一方で︑分権型の体制 には修正が加えられねばならない︒そのためには︑官僚制が有する情報の秘匿傾向を打破するための権限や︑それを担保するため

Ia

そこで︑著者は﹁情報管理局﹂とでもいうべきものを設けることを提唱する︒そして︑わが国においても︑各政府機関は一年ご とに情報収集予算を策定した上で次年度の目標額を情報収集の目的の詳細とともに﹁情報管理局﹂に提出し査定を受けるようにす

べきである

Ia

また︑行政内部における情報の有効利用を促すためには︑ の制裁手段を持つ組織の存在が必要になってくる︵岡本︑

a︶において︑わが国の中央政府における情報管理政策に

クリアリング

ると著者は主張する︒アメリカにおいては︑行政情報クリアリングシステムは

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0

年に制定された文書業務削減法に基づいてその整備が図られてきたという︒クリアリング

﹃アメリカ連邦政府における情報資源管理政策

1

̲

︵行政情報所在案内︶システムの整備がとくに必要であ

‑ ) ︒

著者は﹁日本における情報管理政策︱現状と課題﹂︵岡本︑

ワンストップ・サービスなどは︑そのための

一九九四年の﹁行政情報化推進

(18)

﹁アメリカ連邦政府の

C I O

たことは興味深い

̲b

︑三六︶としている︒

三つがあげられている︵岡本︑

'b

第五五巻二号

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次に著者の「政府情報システムの民間委託|—ー我が国における地方自治体のケース」(岡本、

̲b

一九九七年十二月三日に出された

システムの点検においては︑国民からのアクセスが可能かどうか︑充分な情報がそこで提供されているか︑そして使い勝手が容易

一九六七年十二月二七日に自治事務次官通達﹁地方公共団体における機構の改善と定員の管理について﹂が各都道府 県知事に宛てて発せられた︒その中でいくつかの事務については積極的に民間への委託を考慮するように要請がなされた︵岡本︑

一九八五年一月二二日付の各都道府県知事宛自治事務次官通知﹁地方公共団体における行政改革推進 の方針︵地方行革大網︶について﹂では︑地方自治体は行政運営の効率化や住民サービス向上のために︑自らが行なっている事業 のうちで民間委託により実施することが適当なものについては︑積極的に民間委託を行なうように勧告がなされた

一六︶︒それでは︑公的組織における情報システムの民間委託についてはどうであるか︒

行政改革会議の最終報告で民間委託の推進が強調され︑情報処理に関わる業務が積極的な委託化が必要とされる事務事業としてあ

一九九七年七月に自治大臣官房情報政策室が発表した﹁地方公共団体における行政情報化の推進に関する指針﹂に おいては︑地方の情報通信基盤整備のための必要な事項として︑地方情報化計画の策定︑技術進歩への対応︑広域的な推進体制の

Ib

わが国における地方自治体についてデータ分析を中心として︑情報システムの民間委託の問題について考察した著者は︑地方自 治体は︑自治大臣宣房情報政策室による﹃電子計算機の利用状況調査﹄

の結果に現われたイメージ以上に︑情報システムの民間委 託を積極的に導入している︑と言う︒また︑民間委託の選択に影響をあたえるものとして一般に指摘されている諸要因の多くは︑

情報システムの委託に対してはさほど大きな影響を及ぼしていないことが明らかになった︑と主張し︑取引費用の重要性が導かれ

( C h i e f   I n f o r m a t i o n   O f f i c e r

││ーその地位・現状・問題点ー﹂︵岡本︑二

)  

0

0

I a )

かどうかといった基準が用いられるべきである︵岡本︑

一 九

I b

)

という論 という論文を取り上

参照

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