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渡邊, 厚介

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

CuInS2系蛍光ナノ粒子の光学特性制御とナノ粒子開 発の高速化に関する研究

渡邊, 厚介

https://doi.org/10.15017/1441281

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

氏 名:渡邊 厚介

論文題名:CuInS2系蛍光ナノ粒子の光学特性制御とナノ粒子開発の高速化に関する研究

区 分:甲

論 文 内 容 の 要 旨

半導体ナノ粒子は粒径や組成によって光学特性の制御が可能であるため、生体分子用蛍光標識

(蛍光タグ)や

LED

用の光変換材、太陽電池等への応用が進んでおり、従来の蛍光ナノ粒子で ある

CdSe

系に代わる材料が求められている。CuInS2

(CIS)は CdSe

と同様に同一材料で可視域 から近赤外域での蛍光発光が期待されているものの、報告されている

CIS

ナノ粒子のほとんどの 蛍光特性は欠陥由来によるものであり、発光波長の制御が極めて困難である。そこで本研究では、

CIS

ナノ粒子の蛍光波長制御のために他の材料との固溶化を図った。通常固溶化させるためには 出発原料に固溶させたい元素を導入するが、この手法では粒径制御が困難である。粒径が異なる と表面状態の均一化が困難となり、各応用に向けて分散性や機能化の弊害となる。そこで、合成 した

CIS

ナノ粒子に他の金属イオンを添加し、イオン交換により粒径変化を抑制させながら他の 材料との固溶化を行った。

一方、実用化のためには輝度(量子収率)の向上も重要である。高量子収率の

CIS

ナノ粒子を 得るためのファクターや条件などは明らかになっていない。CISナノ粒子に限らず、新規材料開 発では原料系や合成条件に関する知見が少なく、最適条件探索に時間と労力を要する。そこで、

最適合成ルートを迅速かつ系統的に探索するツールとして、合成条件の実行と光学特性の分析を 自動的に行えるコンビナトリアル合成装置の開発を行った。その際、化学反応とキネティクスの 両方を制御しやすく、なおかつ精密・迅速な合成条件の制御が可能な反応器であるマイクロリア クターを連結させた。本装置が構築および

CIS

ナノ粒子への適用により、

CIS

ナノ粒子の高輝度 化の達成を狙った。

以上を踏まえ、第

1

章では、本研究の背景および本研究の目的を示した。

2

章では、粒径を変えずに

CIS

ナノ粒子の蛍光波長制御を行うため、合成した

CIS

ナノ粒 子に金属イオン添加を行い、それに伴う特性変化について調査した。選択した金属イオンは

Zn

2+

Cd

2+、Ag+であり、イオン交換による固溶化を図った。その結果、粒径を変えずに

CIS

ナノ粒子 の特性を変えることが可能となった。添加する金属イオン種により

CIS

ナノ粒子に与える影響は 異なることが確認され、特に

Zn

2+添加の場合、CIS

ZnS

との固溶化によって

525 nm(緑色)

から

650 nm(赤色)まで蛍光波長制御が可能となった。

(3)

3

章では、高量子収率の

CIS

ナノ粒子の合成を迅速に得るため、マイクロリアクターを用い たナノ粒子合成用コンビナトリアルシステムの開発と、多次元パラメータから得られた結果の可 視化について示した。本システムの検証のためモデルナノ粒子として一般的な蛍光ナノ粒子であ

CdSe

を選択し、計

3404

条件の

CdSe

ナノ粒子の合成と測定を

1

条件あたり

7.5

分で行える システムを構築し、合成から解析まで約

1

か月で行えるシステムの開発を行った。この膨大な数 のデータを解析する手法として、様々なマッピングから反応系の限界や大まかな特性の傾向を確 認、重み付け評価法を用いて需要に合った合成条件の選択が可能となり、ニューラルネットワー ク予測による最適条件の提示が可能となった。

4

章では、高量子収率の

CIS

ナノ粒子を得るために、第

3

章で開発したコンビナトリアルシ ステムを用いて合成を行った。高量子収率を得るためには反応温度、反応時間、溶媒比(トリオ クチルホスフィン)/(オレイルアミン)が重要なファクターであることが確認され、条件探索の スクリーニングを行った結果、最大量子収率

40 %を得た。さらに第 2

章で述べた

Zn

2+添加を行 い、蛍光波長

570 ~ 735 nm

での蛍光波長制御が可能となり、最大量子収率

77 %を得た。

5

章では、本研究で得られた主な結論について総括した。

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