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全球熱塩循環において南大洋の果たす役割

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

全球熱塩循環において南大洋の果たす役割

平原, 幹俊

九州大学大学院総合理工学府大気海洋環境システム学専攻

https://doi.org/10.15017/26638

出版情報:Kyushu University, 2012, 博士(理学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

  

全球熱塩循環において南大洋の果たす役割

平成 25 年( 2013 年) 1

平原幹俊

(3)
(4)

要旨

海洋の熱塩循環は全球規模の鉛直循環である.北大西洋高緯度と南極大陸周辺高緯度 でのみ海水が冷えて深く沈降し,重い深・底層水(北大西洋深層水 NADWと南極底層水 AABW)ができる.ごく狭い海域で形成されたこの二つの深・底層水が南大洋を介して 世界中の海の深層を浸す.遙か北太平洋まで深層水がじわじわ広がり上層に向かって湧昇 するという.全球規模である以上,熱塩循環では地球の片側の変動が反対側に大きな変動 を及ぼすことは自然な帰結である.

このような熱塩循環には高緯度に熱を運ぶ働きがあり,その南北熱輸送は大気による南 北熱輸送に匹敵する.実際,NADW の形成に伴う海面からの放熱が北大西洋高緯度の大 気を暖めている.そのため,熱塩循環とくに北大西洋におけるNADW の大量形成が現在 の温暖な間氷期気候を維持する上で重要な役割を果たしていると考えられている.しかし ながらNADW 形成と,これに伴う子午面循環(NA-MOC と呼ぶ)が今後衰弱する可能 性が指摘されている.産業革命以降の人為起源温室効果気体の大気中濃度増加に伴う北半 球高緯度の気温上昇とグリーンランド氷床の融解量増加によって,NADW 形成域が昇温・

低塩分化し軽い水になって沈降しにくくなると考えられるためである.一方NA-MOCが 強くなるのではという逆の推測もある.南大洋上を吹く偏西風が次第に強まりつつあるこ とが示唆されており,その風の強化がまわりまわって北半球のNA-MOCを強めるとする 考え(後述)があるからである.

現在気候を維持するこのような熱塩循環の成り立ちと特性を理解し,更には将来予測に 役立てていく上で,南大洋の役割の解明が極めて重要である.南大洋は三大洋をそれらの 南端で結合する.全球熱塩循環において文字通り要の位置を占める海域であり,南極底層 水の起点でもある.

南大洋の役割を理解する上では,南大洋の特徴的な地形,すなわち海底地形に遮られる ことなく東西に一周できる緯度-水深領域(以下回廊域と呼ぶ)の存在が重要であると考 えられる.回廊域においては,東西圧力傾度の東西積分がゼロになることから南北地衡流 量の東西積分もゼロになる(以下回廊効果という).ドレイク海峡の緯度帯(南緯55〜65 度)に回廊域が存在することによって回廊効果が働き,東西積分した南北地衡流は回廊域 よりも深いところに制限される.回廊域がない場合に比べると南向き熱輸送がきわめて小 さいものになる.回廊域の成立が新生代後半の寒冷な気候をもたらした一因とも考えられ ている.

本研究では,海洋大循環模型を用いた数値実験により,回廊域をもつ南大洋が全球熱塩 循環において果たす役割を調べる.回廊効果に焦点を当てるため,現在の回廊状況だけで なく,回廊の有無や変形回廊・海峡を含め系統的に調べていく.まず,海洋大循環が現在 のような基本構造を成すうえで回廊域の存在がいかなる意味を持っているのかを確認す る.次に南大洋上の西風応力の変化が全球の深層循環に変化をもたらす過程を理解する.

その上で近い将来,NADW形成域が昇温・低塩分化する中でNA-MOCが弱まりあるい は強まる可能性について考察する.

(5)

第1章では,研究の背景と目的を述べ,論文の構成を示す.

第2章では,本研究で用いる数値模型と実験手法・設定およびその意味を概説する.長 時間積分の必要な気候模型であるため粗い格子模型を採用する,海水密度は温度・塩分で 決まるが簡単のため独立な要素は温度のみとする,温度に対する海面条件は指定した海面 温度への緩和に限定する,などなどの単純化を施す.その代わり広い範囲の地形設定や風 分布を調べる事を述べる.

第3章では,南大洋に回廊域が存在することによって全球熱塩循環の構造がどのよう に変わるかを調べる.赤道に関して南北対称な地形・海面境界条件の下での熱塩循環は 南北対称となる.これに対して南半球にのみ回廊を設けた場合の熱塩循環には南北非対 称性が現れる.回廊のある南大洋の高緯度で沈み込むAABWは北半球高緯度で沈み込む NADWよりも重くなる.AABWの形成に伴う子午面循環(AA-MOCと呼ぶ)は弱まって 底層の循環となる.回廊の存在によりNA-MOCは強くなりAA-MOCの上に重なる形と なる.現実に近づけた地形・海面境界条件の下でも,回廊域があることによってAA-MOC が相対的に弱く,NA-MOCが強くなる.現在気候の特徴であるこのような南北非対称性 の成因のひとつは,南大洋に回廊域が出現したことであるといえる.回廊域の有無や変形 回廊が熱塩循環にどのような変化をもたらすかを系統的に考察する.

第4章では,南大洋の西風が強くなると北の対極にあるNA-MOCが大きくなる理由を 調べる.回廊域における平均海上風は西風であり表層エクマン輸送は北向きである.これ を補償する南向きの地衡流は回廊効果により海底地形(2000〜3000m)よりも下層に制限 される.海面西風応力が北向きエクマン輸送を通じて駆動する子午面循環では,回廊域の 北側で表層水が沈降し回廊域で深層水が湧昇する.西風応力を加え始めると,回廊域の北 側の水温が高くなり,この温度偏差がケルビン波として北半球東岸にまで伝播する.ただ し北半球高緯度の弱成層域には進入できない.北半球の昇温は指定した緩和型海面境界条 件の下で海面からの放熱を増やし水平温度勾配が増大する.温度風の関係から東西温度勾 配の増大は南北流速の鉛直シアの強化すなわち子午面循環の強化を意味する.NA-MOC の強化は北半球での放熱を増やす.最終的な定常状態では,無風の場合に比べて冷たく なった南大洋以南で海面からの放熱が減り,その分暖かくなった北半球高緯度で海面から の放熱が増えて釣り合う.南大洋の西風応力が強まるとNA-MOCも強まる過程を概略以 上のように理解することができる.

最終第5章では研究成果を総括する.系統的な地形・風設定に応じて南大洋および全球 の熱塩循環,とくに NA-MOCがどう変わるかをまとめる.NADW形成域が昇温・低塩 化する中で南大洋を吹く偏西風の強化でNA-MOCが強まる可能性についても考察する.

最後に本研究で扱わなかった課題を整理し今後取り組むべき研究の方向性を示す.

(6)

目 次

1章 序論 背景 目的 論文の構成 1

1.1 全球熱塩循環と気候系 . . . . 1

1.2 南大洋における深層循環の特徴 . . . . 2

1.3 南大洋の風とNA-MOCの相関. . . . 3

1.4 海面密度に関わる境界条件 . . . . 3

1.5 本論文の目的と基本方針 . . . . 4

1.6 本論文の構成 . . . . 5

2章 数値模型と実験の概要 7 2.1 方程式系 . . . . 7

2.1.1 運動方程式 . . . . 7

2.1.2 ポテンシャル密度方程式 . . . . 8

2.2 海底地形・解像度 . . . . 9

2.3 初期値と海面境界条件 . . . . 11

2.4 実験の概要 . . . . 14

2.4.1 回廊効果が循環構造に与える影響を見る実験 . . . . 14

2.4.2 南大洋の西風応力が循環構造へ与える影響を見る実験 . . . . 15

3章 回廊効果が深層循環に与える影響 17 3.1 単一海盆・南北対称参照密度・風なし . . . . 17

3.1.1 回廊なし(R1-Tsym-W0) . . . . 17

3.1.2 回廊あり(R1C-Tsym-W0) . . . . 30

3.2 単一海盆・南北非対称参照密度・風なし . . . . 44

3.2.1 回廊なし(R1-Tatl-W0). . . . 44

3.2.2 回廊あり(R1C-Tatl-W0) . . . . 54

3.2.3 回廊緯度に壁のある場合(R1W-Tatl-W0) . . . . 65

3.2.4 回廊に海閾のない場合(R1D-Tatl-W0) . . . . 72

3.3 東西二海盆・風なし . . . . 82

3.3.1 回廊なし(R2-W0) . . . . 82

3.3.2 回廊あり(R2C-W0). . . . 94

3.3.3 回廊効果なし(R2CB-W0) . . . . 112

3.4 この章のまとめ . . . . 127

(7)

4章 南大洋の風と深層循環 131

4.1 単一海盆 . . . . 131

4.1.1 風応力W2を与えた場合(R1C-Tatl-W2) . . . . 131

4.1.2 単一海盆の風応力 W2に対する応答の時間発展 . . . . 142

4.1.3 風応力 W1, W3 を与えた場合(R1C-Tatl-W1, R1C-Tatl-W3). . . 154

4.1.4 回廊のない場合の風応力W2の影響(R1-Tatl-W2) . . . . 160

4.1.5 北半球に風応力を与えた場合(R1C-Tatl-W4) . . . . 170

4.1.6 北半球だけに風応力を与えた場合(R1C-Tatl-W5) . . . . 176

4.1.7 風応力(R1C-Tatl-W2-F0)と浮度フラックス(R1C-Tatl-W0-F2) 単独の効果 . . . . 182

4.2 東西二海盆 . . . . 187

4.2.1 風応力W2を与えた場合(R2C-W2) . . . . 187

4.2.2 東西二海盆の風応力 W2 に対する応答の時間発展 . . . . 202

4.2.3 回廊効果のない場合の風応力の影響(R2CB-W2) . . . . 217

4.3 この章のまとめ . . . . 232

5章 本研究の総括と今後の課題 243 5.1 総括 . . . . 243

5.2 今後の課題 . . . . 248

謝辞 251

引用文献 253

(8)

1 章 序論 背景 目的 論文の構成

1.1 全球熱塩循環と気候系

海洋の熱塩循環は海水の密度差によって駆動される全球規模の鉛直循環である.海洋の 熱塩循環による南北熱輸送は大気による低緯度から高緯度への熱輸送に匹敵する大きさ を持ち,現在の気候を維持する上で重要な役割を果たす.この熱塩循環は,沈降域が南極 大陸周辺と北大西洋高緯度の一部海域に限定される一方,太平洋やインド洋の熱帯を含む 広い範囲で湧昇するという非対称性を示す.南大洋は大西洋・インド洋・太平洋の深層循 環をそれらの南端で結びつける要の位置を占める.

地中海を含む大西洋では蒸発量が降水量と河川水流入を上回り,ラブラドル海やグリー ンランド東方沖に運ばれる高塩分水は,大気による冷却を受けて比較的高温な北大西洋 深層水(NADW; North Atlantic Deep Water)として沈降する.NADW の沈み込みと 南大洋を含む全球での湧昇によって駆動される大西洋上部の深層子午面循環(NA-MOC;

North Atlantic Meridional Overturning Circulation)における上層で北向き,下層で南向 きの流れが南北両半球にまたがって北向きに熱を輸送する.大西洋上層の北向きの流れが 大量の熱を北大西洋高緯度に輸送し NADW 形成に伴って放熱することから,NA-MOC は現在の温暖な間氷期気候を維持する上で重要な役割を果たしていると考えられている.

また,NA-MOCは数十年の時間規模で北大西洋の海面水温とともに変動しヨーロッパの 気候に影響することが指摘されている(Delworth and Mann 2000; Latif et al. 2004).産 業革命以降の人為起源温室効果気体の大気中濃度増加に伴う北半球高緯度の気温上昇と グリーンランド氷床の融解量増加によって,NADW 形成域が昇温・低塩化し NA-MOC が衰弱する可能性がある(Rahmstorf 1999 など).気候系の変動メカニズムを理解し将 来予測を行う上で,NA-MOC の強さが決まるメカニズムを理解する必要がある.

南極底層水(AABW;Antarctic Bottom Water)は主にウェッデル海において形成され る(Gill 1973 など).AABW の形成過程は海洋-海氷系から大気への大量の放熱を伴い,

気候系の維持・変動に寄与していると考えられている.Orsi et al. (2002)などによると,

周極深層水(CDW; Circumpolar Deep Water)と低温な冬季表層水および高塩な南極大 陸陸棚水の混合によって作られるAABWは NADW よりも低塩ながら低温で高密度であ る.AABW は大西洋において底層を北上し,鉛直拡散により浮度を得て湧昇する.この 子午面循環(AA-MOC; Antarctic Meridional Overturning Circulation)はNA-MOC の 下部に存在する.一方,インド洋・太平洋ではNADW と AABWの両者を起源とする南 大洋の水が底層を北上し,鉛直混合により浮度を得て湧昇し,再び深・底層水形成域にむ かう熱塩循環がある.南大洋では後述するように地形的条件と偏西風によって深層水が大 規模に湧昇する.

このように南大洋の循環は全球熱塩循環を構成する重要な部分を成す.その維持・変動

(9)

機構を理解することは気候系全体の維持・変動機構の理解,さらに将来予測のために必要 不可欠である.

1.2 南大洋における深層循環の特徴

南極半島の北端とホーン岬の間(ドレイク海峡)の緯度帯(南緯約5565度)には海 底地形に遮られることなく東西に一周できる緯度-水深領域(以下回廊域)がある.ここ では以下のように正味の南北地衡流量がゼロになる.南北地衡流速をvgとして,

ρf vg = ∂P

∂x. これを東西に一周積分すると

f

L

0

ρvgdx =

L

0

∂P

∂xdx

= [P]L0

= 0,

ここで ρ は密度,f はコリオリパラメータ,P は圧力,L は東西一周の距離である.つ まり,赤道を除いて回廊域では,正味の南北地衡流量がゼロになる.

L

0

ρvgdx= 0.

以下ではこの制約を「回廊効果」ということにする.

この地衡流への拘束により上層で低緯度から高緯度に向かう子午面循環は回廊域におい て遮断される.回廊効果は南北地衡流量の東西積分にかかる制約であるが,f が緯度の関 数であることによって働く β効果が擾乱の東西方向の波数をゼロに近づけようとするた めに,回廊域内では東西方向の一様性が保たれ,局所的にも南北流速が小さくなる傾向が ある.南極大陸周辺の海洋は低緯度からの熱供給を担う循環を制限されるためより冷たく なる.現在の寒冷な南極大陸の気候や巨大な氷床を維持する上でこの回廊効果は重要な役 割を持つと考えられる.さらに回廊域における南北熱交換の制限により,南大洋において は深層まで南北密度勾配が大きくなるため強大な西向きの流れが生じる.この南極周極流

(ACC;Antarctic Circumpolar Current)は,大西洋・インド洋・太平洋各海盆の深層熱 塩循環と接続している.

回廊効果のため,東西積分した表層南北エクマン輸送の大部分は海底地形(20003000m)

よりも下層の南北地衡流によって補償されざるを得ない.現在気候において,回廊域の 北端にあたるホーン岬の緯度の平均海上風は西風であり,表層エクマン輸送は北向きとな る.エクマン輸送による発散が湧昇で補償されるとすると,回廊域北端緯度より南におけ る深層からの湧昇量は北端緯度の北向きエクマン輸送量に一致するはずである.こうして ホーン岬以南の高緯度域に強制される大規模な湧昇によって深層水が大量に表層へ運ばれ 大気と物質を交換する.また,全球深層循環の一角をなす南大洋における湧昇は偏西風に 強く相関して変動することになる.したがって南大洋における大気-海洋間の物質交換も 海面の西風応力と相関して変動する可能性があると考えられる.

(10)

1.3 南大洋の風と NA-MOC の相関

近年の全球的温暖化や気候系の数十年規模変動に関する研究から南大洋上を吹く偏西風 の緯度・強さの変化または変動が示唆される(Cai et al. 2003, Visbeck 2009 など). こ れは,南半球環状モード(Southern Annualar Mode; SAM)の長期変動と見ることがで きる.このような南大洋上の風の数十年規模の変化が, 上述した回廊効果により全球の熱 塩循環,とりわけ NA-MOCの変化をもたらす可能性がある.

南大洋上海面風応力の変化に対する海洋の応答については多くの先行研究がある(Oke and England 2004 など).Toggweiler and Samuels (1995) は,海洋大循環モデルを用い た数値実験において南大洋の西風応力の増加が北大西洋高緯度で沈み込む NA-MOC を 強化することを見出し,「ドレイク海峡効果」と名づけた.彼らは,ドレイク海峡効果を 力学的に説明することを提案した.すなわち,南米南端(ホーン岬)の緯度帯における 西風応力に対応する北向きエクマン輸送が回廊域よりも深いところに南下流を生じさせ, NADWの南大洋への流出量をとおして北大西洋高緯度におけるNADW形成量を制御す るというものである.南大洋の西風応力とNA-MOCの相関を力学的に説明する試みとし

て Nof (2000) は熱的外力のない場合にMOC流量が単純に西風応力で決まることをしめ

した.なお,本論文においては, 南大洋の西風応力とNA-MOCの強さが相関するという 広い意味で「ドレイク海峡効果」という言葉を用いる.

Rahmstorf and England (1997) はNA-MOCの強さを決めるものは熱塩的外力であり Toggweiler and Samuels (1995) において風の効果が支配的に見えるのは, 海面で水温・

塩分を一定値に緩和する外力の与え方が原因であると指摘した.Tsujino and Suginohara

(1999)は回廊域のない閉じた矩形海盆を用いた数値実験によって,一方の半球に風応力を

与えることにより, もう一方の半球の極側で沈み込む子午面循環が強まることを見出した.

この場合,風によって駆動された一方の半球の低気圧性循環における海面加熱の増加と,も う一方の半球における海面放熱の増加とがつりあう.Hasumi and Suginohara (1999) は 現実的な地形の海洋モデル実験によって, 南大洋の風応力が変わったときに北大西洋にお ける放熱の増加と南大洋における加熱の増加がつりあうことをしめした.

このように回廊効果によって,南大洋の東西風応力の変化は全球熱塩循環に大きな影響 を及ぼす可能性がある.熱塩的外力がNA-MOCの強さを決めるのであれば,北半球高緯 度の気温上昇やグリーンランド氷床の融解量増加は NADW 形成域の海水密度を低下さ

せるため NA-MOCを弱くすると考えられる.一方,ドレイク海峡効果によれば南半球に

おける風の強化・南偏はNA-MOCを強くすることになる.近い将来のNA-MOCの変化 傾向を議論するためには,南大洋の西風応力とNA-MOCの関係について正しく理解して おく必要がある.

1.4 海面密度に関わる境界条件

Toggweiler and Samuels (1995)は海面水温・塩分を気候値に緩和する方法をとった.海 面密度は水温と塩分の関数であるから,この方法は海面密度を気候値に緩和することと同 じである.現実の海面密度は海面熱フラックス・淡水フラックスで変わる.顕熱・潜熱・

長波放射などの熱フラックスは海面水温を気候値に近づける性質を持つが,短波放射は海

(11)

面水温による直接的影響を受けない.また,淡水フラックスは海面塩分に依存しない.し たがって,海面密度の気候値への緩和という境界条件は熱フラックスの性質の一部を強調 するものとなる.

Rahmstorf and England (1997) は,海面水温の参照値が大気中の熱輸送を反映して変 化するものとし,固定した淡水フラックスを与える実験を行った.彼らの実験では西風応 力の強化による回廊域北端の北向きエクマン輸送量の増加に対して NA-MOC の強化は その3分の1であった.この結果は海面密度を気候値に緩和する海面境界条件がドレイク 海峡効果にとって重要な前提であることを示唆する.

海面密度を参照値に緩和する方法は部分的にせよ現実を反映するものであるから,ドレ イク海峡効果が現実にみられる可能性は十分にある.しかし,NADW 形成域で熱塩的外

力が NA-MOCを弱める方向に変化することが想定される場合でも,回廊域の西風が強ま

るならばドレイク海峡効果によってNA-MOCは強まるといえるだろうか.このように相 反する事態が考えられる状況で近い将来の NA-MOC の変化について議論するためには,

気候値緩和型の境界条件の下でドレイク海峡効果が現れる理由を明確にしなければなら ない.

1.5 本論文の目的と基本方針

本研究の目的は全球熱塩循環において南大洋の果たす役割を理解することである.海洋 大循環が現在のような基本構造を成すうえで回廊域の存在がいかなる意味を持っているの か.今後南大洋の西風が強化するとして,ドレイク海峡効果により NA-MOC が強まる と考えてよいのか.南大洋の海面風応力の変化によってもたらされる北大西洋・北太平洋 における深層循環の変化がどこまで力学的応答として説明できるのか,熱的外力の変化が 本質的であるならばどのような過程を経て南大洋の風と熱塩循環が関係づけられるのか,

を明らかにする.

本論文では以下の二つを主な目標とする.

そもそも回廊域が存在することによって熱塩循環の構造がどのような影響を受ける のかを確認する.回廊域の無い閉じた海盆と回廊域のある海盆で同じ海面境界条件 の下で定常状態を作り比較する.現在気候を維持する上でドレイク海峡の存在が果 たす役割を知る.

回廊がある場合を主な対象として,南大洋上の西風応力が全球の深層循環に変化を もたらす過程を理解する.回廊域における表層北向きエクマン輸送量が NA-MOC の強さを決めるという解釈が正しいのか否かを明らかにし,近い将来の NA-MOC の変化について考察する.

本研究では以上の目的を達成するため,単純化した海洋模型を用いた数値実験を行い,

回廊の有無・風の有無による熱塩循環の変化を調べる.回廊の有無・風の有無それぞれで 定常状態を得るために数千年の積分を行う必要があるので,低解像度(格子間隔100 km 程度)の海盆とする.したがって中規模渦は再現しない.複雑な海底地形や海水の密度が 水温・塩分・圧力の関数であることなど,海洋の循環構造に影響する様々な要因が混在す

(12)

る状況では,回廊効果・ドレイク海峡効果の本質を理解するのが困難である.そこで海盆 は矩形とし,密度のみをトレーサとする方程式系を用いる.海面境界条件としては,あら かじめ設定した数種類の参照密度への緩和とする.

1.6 本論文の構成

第1章(この章)では,研究の背景と目的,および論文の構成の概略を述べる.

第2章では数値模型の設定と実験の概要について記述する.模型の領域は南緯60度〜

北緯60度とし,東西幅60度の単一海盆模型と,単海盆を東西に並べてその間の南緯35 度〜北端を陸地で区切った東西二海盆模型を基本的に用いる.上述のように,定常状態を 得るための数千年の積分を可能とするため比較的簡素な設定とする.予報変数は東西・南 北流速とポテンシャル密度である.

第3章では回廊効果が深層循環の基本構造に与える影響について調べる..まず閉じた 地形において定常状態を作り,その基本構造を見る.次に南緯55度〜45度に海峡を開け 東西に周期接続した地形において同じ海面境界条件で定常状態を作り,その密度場・循環 を閉じた地形の場合と比較する.

第4章では海峡がある場合の定常状態を初期値として南大洋に西風応力を与えることに よって密度場・深層循環が遷移する過程を調べる.西風応力と全球深層循環,特にNA-MOC を関係づけるものを明らかにする.

最終第5章では,研究成果をあらためて総括し,今後取り組むべき研究の方向性を示す.

(13)
(14)

2 章 数値模型と実験の概要

2.1 方程式系

密度 ρ= 1000 +σ [kg m3] とする.ここで用いる仮想地形の海洋モデルは σ , 東西・

南北流速(u, v)を予報変数として持つプリミティブ方程式で構成される.鉛直方向での静

水圧平衡を仮定する.つまり,圧力をP として 0 =−∂P

∂z −ρg. (2.1)

地球半径をr,緯度をϕとすると、経度λ, 緯度ϕ方向の尺度因子はそれぞれ hλ =rcosϕ, hϕ=r となる.このとき dx=hλ =rcosϕdλ,dy=hϕ=rdϕとする.

2.1.1 運動方程式

運動方程式は以下のとおりである.

∂u

∂t −f v =1 ρ0

∂P

∂x − A(u) + uvtanϕ

r +V(u), (2.2)

∂v

∂t +f u= 1 ρ0

∂P

∂y − A(v)−u2tanϕ

r +V(v). (2.3)

ここでf はコリオリパラメータである.

右辺第1項の圧力勾配項は密度の水平勾配を積み下げることによって得る.

右辺第2項は移流項であり,水平流速αについて A(α) = (uα)

∂x + ∂(vα)

∂y −vαtanϕ

r + ∂(wα)

∂z . (2.4)

水平運動量の移流には中央差分スキームを用いて運動エネルギーを保存させる. また一般 化されたArakawaスキーム(Ishizaki and Motoi, 1999)を用いることにより非発散の場 合にエンストロフィに準ずる量(∂v/∂x)2, (∂u/∂y)2の保存が成り立つ.

式(2.2), (2.3)の右辺第3項は球面座標上の計量による項である.

第4項は渦粘性項である.水平流速αについて V(α) =

∂x (

νH∂α

∂x )

+

∂y (

νH∂α

∂y )

+

∂z (

νV ∂α

∂z )

. (2.5)

ここで水平・鉛直渦粘性係数νH, νV は, それぞれ以下の定数とする.

νH = 104 m2s1, (2.6)

νV = 103 m2s1. (2.7)

(15)

側面では粘着境界条件(u=v = 0)を与える.

海底摩擦力(τbx, τby)は Weatherly (1972) にしたがって計算する.海底直上格子の水平 流速を(ub, vb)として

( τbx τby

)

=−ρ0Cb|(ub, vb)|

∆z (

cosθ0 sinθ0 sinθ0 cosθ0

) ( ub vb

)

. (2.8)

ここで,無次元定数:Cb = 1.225×103,∆z は鉛直格子間隔,北(南)半球でθ0 =π/18

(θ0 =−π/18)である.

eλ,eϕ,erx, y, z方向の単位ベクトルとして, 以下の演算子を定義する.

=eλ

∂x +eϕ

∂y +er

∂z.

鉛直上向き流速wは非圧縮性流体の連続の式∇ ·v=∇ ·(u, v, w) = 0により診断的に求 める.

2.1.2 ポテンシャル密度方程式

ポテンシャル密度の時間発展は以下のように記述される.

∂σ

∂t =v· ∇σ+

∂x (

κH∂σ

∂x )

+

∂y (

κH∂σ

∂y )

+

∂z (

κV ∂σ

∂z )

+Ccnv+Fsfc. (2.9) 右辺第1項の移流の計算にはQUICK(Leonard 1979)を用いる.

右辺第2–4項の水平・鉛直渦拡散係数はそれぞれ

κH = 103 m2s1, (2.10)

κV = 0.3×104 m2s1, (2.11) とする.

式(2.9)の右辺第5項は不安定成層に対する完全対流調節の寄与を表す. 各タイムステッ

プにおいて成層の不安定な部分が生じた場合,瞬間的に鉛直に混合し不安定を解消する.

右辺第6項は海面における参照ポテンシャル密度への緩和項である. 側面境界・海底を 横切って出入りするフラックスはない.

(16)

2.2 海底地形・解像度

図2.1に数値海洋モデルの地形をしめす. 南緯60度から北緯60度までの矩形海盆を南 緯55度〜45度の海峡で東西に周期接続する. 東西周期接続海峡はドレイク海峡を模して おり, その深さは2875 m, その他の部分の海底の深さは5125 mである. 東西幅60度の単 一海盆と, その2倍の東西幅をもつもの(東西二海盆)のふたつの地形を用いる.東西二 海盆は南緯35度から領域北端まで南北にのびる陸地で東西に分けられる. 東西二海盆を 構成する西海盆は大西洋を, 東海盆はインド洋・太平洋を模したものである.

また回廊効果が深層循環に与える影響を見るために,単一海盆・東西二海盆それぞれで 海峡を閉じたもの,東西二海盆で海峡の緯度帯に島を置いたものも用いる.さらに,単一 海盆で回廊の水深を5125 mとする地形や,領域の南限を南緯45度とした地形も用いる.

図 2.1: 左:単一海盆,中:側面図,右:東西二海盆の海底地形

(17)

水平格子間隔は緯度方向・経度方向とも1度, 鉛直格子は最上層の層厚が50 m, 最下層 が250 mで全24層である(表2.1).

表 2.1: 鉛直方向の解像度.各層格子の層厚,水深,および格子下面の水深.

第k層 層厚 [m] 格子の水深 [m] 下部境界の水深 [m]

1 50 25 50

2 50 75 100

3 75 137.5 175

4 100 225 275

5 150 350 425

6 200 525 625

7 250 750 875

8 250 1000 1125

9 250 1250 1375

10 250 1500 1625

11 250 1750 1875

12 250 2000 2125

13 250 2250 2375

14 250 2500 2625

15 250 2750 2875

16 250 3000 3125

17 250 3250 3375

18 250 3500 3625

19 250 3750 3875

20 250 4000 4125

21 250 4250 4375

22 250 4500 4625

23 250 4750 4875

24 250 5000 5125

(18)

2.3 初期値と海面境界条件

ポテンシャル密度の初期状態は水平には一様で,鉛直には最上層のσ = 24.0から下層に 向かって単調に増加する(図2.2左). また流速の初期値はゼロ(完全静止状態)とする.

海面における加熱・冷却を表すために,海洋モデル最上層のポテンシャル密度σ =ρ−1000

(単位 kg m3)は参照密度σに緩和させる.参照密度は以下のような緯度の関数である.

σ = 24 +Rd24 2

[

1cos (πϕ

60 )]

. (2.12)

ここで緯度ϕの単位は度,Rdは領域北端または南端における参照ポテンシャル密度である.

南北両半球においてRd = 27.9とする境界条件をTsymとする(図2.2右の細実線,下 目盛).南半球でRd = 28,北半球でRd= 27.9とするものをTatl(図2.2右の太実線,下 目盛),南半球でRd = 28,北半球でRd = 27.0とするものをTpacとする.Tatlは大西 洋,Tpacは太平洋における海面密度を想定したものである.海面参照密度への緩和率は (20 days)1 とする. なお,図2.2右の上目盛は浮度 b = 27.7)g/ρ0 [m s2]である

(浮度の定義と使い方については第3章で再度説明する).

図2.2: (左)水平一様成層.縦軸:水深[m],横軸:ポテンシャル密度.(右)海面参照密度.

縦軸:緯度,横軸:下目盛はポテンシャル密度σ,上目盛は浮度b=27.7)g/ρ0[m s2].

細い実線(Tsym)は南北半球ともRd= 27.9,太い実線(Tatl)は北半球でRd = 27.9・

南半球でRd= 28.0.

(19)

海面風応力τは東西成分τx のみを持つ. 風応力は緯度ϕの関数とし,南大洋において 全部で4通り(W0, W1, W2,およびW3)のτx分布を定義する(図2.3).

τx = 12Rs[1 + cos (π(ϕ−ϕ0)/15)] (ϕ0 15≤ϕ≤ϕ0+ 15) (2.13)

= 0 (ϕ≤ϕ015 or ϕ≥ϕ0+ 15), (2.14)

ここでτxは緯度ϕ0度で最大値Rs [Pa]となる. 全く風応力のない場合をW0,回廊域の北 端緯度(南緯45度)で応力が最大となる場合をW1, W2とする. 最大値はW1, W2でそ れぞれ 0.05 [Pa], 0.1 [Pa] である. 回廊北端緯度での応力がW1と同じで, 最大値が南緯 37.5度で 0.1 Paとなる場合をW3と名づける.なお,現実には南半球における東西平均し た西風応力の最大はドレイク海峡北端よりも低緯度に位置するので(たとえば Hellerman and Rosenstein, 1983), W0W3 の中ではW3が最も実際の南大洋の風応力分布に近い.

また,W2 の赤道に関して対称な西風応力を北半球に与える実験(W4, W5)を第4章で 行う.W4は南北半球で対称な風応力,W5は北半球にだけW4と同じ風応力を与えるも のである.

低緯度と北半球では風応力を与えない. このため北半球には直接的な風成循環が存在せ ず, 同じ海面参照密度のもとで駆動される北半球の循環が, 南大洋の風の変化に対してど のように応答するのかを調べる上で都合が良い. NA-MOCの強さが回廊北端緯度での北 向きエクマン輸送で単純に決まるのであれば,海面参照密度が同じ場合, W1 と W3 では

NA-MOCの大きさが同じになることが期待される.

(20)

図 2.3: 海面風応力τxの緯度分布. 回廊北端緯度(南緯45度)におけるτxの値は 0 Pa

(W0: 無印実線), 0.05 Pa(W1: ●; W3: □), 0.1 Pa(W2: ○)である.

(21)

2.4 実験の概要

2.4.1 回廊効果が循環構造に与える影響を見る実験

単一海盆・南北対称境界条件

R1-Tsym-W0: 海峡のない単一海盆(R1)の海洋を南北対称の海面参照密度への緩和 により駆動し(Tsym),定常状態を得る.風応力は与えない(W0).こうして作られた 南北対称な基本場・循環を観察し,力学的平衡について記述する.

R1C-Tsym-W0: 南緯55度〜45度で東西周期接続する海峡を持つ単一海盆(R1C)で

R1-Tsym-W0 と同じ海面境界条件下で定常状態を作る.回廊効果により基本場・循環構

造がどのように変わるかを見る.海峡以南の上層が以北と熱的に隔離されることによって 閉じた単一海盆におけるよりも冷たくなることが予想される.

単一海盆・南北非対称境界条件

R1-Tatl-W0: 一方の半球の参照密度が0.1だけ大きいもので差し替えて(Tatl),定常 状態を作りR1-Tsym-W0 と比較する.現実の気候系においても南極大陸とその周辺の気 温は非常に低い.これに近いTatlを用いることにより,海峡以南の海水が R1-Tsym-W0 よりもさらに冷たくなり,AA-MOCが強まることが予想される.南北非対称の海面浮度 フラックスにより上層と底層に二組の子午面循環が現れることが予想される.

R1C-Tatl-W0: 海峡のある単一海盆(R1C)でR1-Tatl-W0 と同じ海面境界条件下で 定常状態を作る.西風応力は与えない.

R1W-Tatl-W0: 単一海盆の領域を南緯45度までとし(R1W),R1-Tatl-W0 と同じ 海面境界条件下で定常状態を作る.回廊効果よりも厳しい物理的な壁が存在するときの循 環構造を確認する.

R1D-Tatl-W0: 回廊の水深を海盆全体と同じにした単一海盆(R1D)でR1-Tatl-W0 と同じ海面境界条件下で定常状態を作る.回廊効果が全層に及ぶことにより,海峡緯度の 以南が以北と厳しく隔離されることが考えられる.

東西二海盆

R2-W0: 海峡のない東西二海盆(R2)のうち西海盆で Tatl,東海盆で Tpac の海面参 照密度に緩和する.風応力は与えない(W0).こうして作られる基本場・循環を観察し,

東西海盆の違いを説明する.

R2C-W0: 南緯55度〜45度で東西周期接続する海峡を持つ東西二海盆(R2C)でR2- W0と同じ海面境界条件下で定常状態を作る.回廊効果により基本場・循環構造がどのよ うに変わるかを見る.この場合も海峡以南の上層が以北と熱的に隔離されることによって 閉じた場合よりも冷たくなること,またAA-MOC の強化が予想される.

R2CB-W0: R2C と同様の海峡を持つが,東西海盆の間の南緯57度〜43度に壁を作 り東西流を遮る.東西に一周できる領域をなくし,回廊効果がない場合の基本場・循環構 造を確認する.

(22)

2.4.2 南大洋の西風応力が循環構造へ与える影響を見る実験

海峡のある単一海盆

R1C-Tatl-W2: R1C-Tatl-W0 で得られた定常状態を初期値として,西風応力(W2) を与えたとき,基本場・循環構造がどのように変化するかを見る.回廊効果により,海峡 北端緯度における東西積算北向きエクマン輸送は主に海峡の水深より下の南向き地衡流 量によって補償される.このような深層にいたる子午面循環の強制が海洋に与える影響を 詳細に見る.

R1C-Tatl-W1, R1C-Tatl-W3: R1C-Tatl-W0 で得られた定常状態を初期値として,

風応力 W1, W3を与える実験を行い,R1C-Tatl-W0,R1C-Tatl-W2との比較を行う.

R1C-Tatl-W4, R1C-Tatl-W5: R1C-Tatl-W0 で得られた定常状態を初期値として,

風応力 W4, W5を与える実験を行う.回廊のない北半球の循環場の西風応力に対する応

答を見る.

R1C-Tatl-W0-F2: R1C-Tatl-W0 で得られた定常状態を初期値として,風応力は与え ないまま海面浮度フラックスをR1C-Tatl-W2の定常状態のものに置き換えた実験を行う.

R1C-Tatl-W2-F0: R1C-Tatl-W0で得られた定常状態を初期値として,風応力W2を 与えるが,海面浮度フラックスは R1C-Tatl-W0と同じにした実験を行う.

海峡のない単一海盆

R1-Tatl-W2: R1-Tatl-W0 で得られた定常状態を初期値として,西風応力(W2)を 与えたときの基本場・循環構造の変化を見る.

海峡のある東西二海盆

R2C-W2, R2C-W3: 海峡のある東西二海盆実験(W0)の定常状態を初期値として,

西風応力を与えたとき(W2, W3),基本場・循環構造がどのように変化するかを見る.回 廊効果による地衡流への制約のもとで東西風応力による表層の南北エクマン輸送が深層 子午面循環に与える影響を見る.また,風応力に対して東海盆と西海盆のそれぞれの基本 場・循環構造が同様に応答するかどうかを確認する.

R2CB-W2: R2CB-W0の定常状態を初期値として,西風応力を与えたとき(W2),基 本場・循環構造がどのように変化するかを見る.回廊効果をなくした場合の西風応力に対 する東・西海盆それぞれの応答を確認する.

(23)

表 2.2: 単一海盆実験

実験名 地形 海面参照浮度(フラックス) 風応力

R1-Tsym-W0 海峡無し 南北対称 無し

R1-Tatl-W0 海峡無し 大西洋型 無し

R1-Tatl-W2 海峡無し 大西洋型 W2

R1C-Tsym-W0 海峡有り 南北対称 無し

R1C-Tatl-W0 海峡有り 大西洋型 無し

R1D-Tatl-W0 深い海峡 大西洋型 無し

R1W-Tatl-W0 海峡北端緯度が壁 大西洋型 無し

R1C-Tatl-W1 海峡有り 大西洋型 W1

R1C-Tatl-W2 海峡有り 大西洋型 W2

R1C-Tatl-W3 海峡有り 大西洋型 W3

R1C-Tatl-W4 海峡有り 大西洋型 W4

R1C-Tatl-W5 海峡有り 大西洋型 W5

R1C-Tatl-W0-F2 海峡有り R1C-Tal-W2 のフラックス 無し

R1C-Tatl-W2-F0 海峡有り R1C-Tal-W0 のフラックス W2

表 2.3: 東西二海盆実験

実験名 地形 風応力

R2-W0 海峡無し 無し

R2C-W0 海峡有り 無し

R2CB-W0 海峡有り 回廊効果無し 無し

R2CB-W2 海峡有り 回廊効果無し W2

R2C-W2 海峡有り W2

R2C-W3 海峡有り W3

(24)

3 章 回廊効果が深層循環に与える影響

3.1 単一海盆・南北対称参照密度・風なし

3.1.1 回廊なし( R1-Tsym-W0

まず浮度b(buoyancy)を次のように定義する.

b =−σ−σbase

ρ0 g, (3.1)

ここでσbase = 27.7とする.浮度は二成分系(水温・塩分)における水温に相当する量で あるから,浮度の大小を温度の高低で言い換えたり,正の浮度フラックスを与えることを 加熱するなどとということがある.

上層(525 m),深層(2750 m),海底(5000 m)における浮度偏差,圧力偏差,海底 水平流速,底層(4500 m)の鉛直流速の分布を図3.1,図3.2にしめす.ここで,たとえ ばある水深の浮度偏差というとき,その水深における浮度の水平平均からの偏差をあらわ す.外力の与え方が南北に対称であるから,全ての分布は赤道に関して対称となる.以下 では北半球について記述する.

上層(525 m)の浮度の正偏差域は北緯40度付近にあって東岸で極大となる(図3.1左 上).浮度の負偏差域は北岸に沿って分布し,西岸で南にのびている.2750 m での浮度 勾配の大きさは上層に比べると一桁以上小さく,極大は上層よりも北に位置する(図3.1 左下).海底の浮度極大は北東の角に,極小は北西の角にある(図3.2左上).海面参照 密度は北端でσ = 27.9であるが,海底で最も重い水はσ = 27.88程度である.

圧力偏差を見ると,上層では浮度の正偏差域より約5度北に高圧帯が見られ,北西の角 を中心に低圧となっている(図3.1右上).これに対して 2750 m では北西の角は高圧部 であり(図3.1右下),海底では上層とは逆に北西の角が高圧部,北東の角付近に低圧部 がある(図3.2右上).

海底における流速場はおおむね等圧線に沿って北端から西岸に向かう流れと西岸を南下 する流れをしめす(図3.2下).

(25)

図 3.1: [R1-Tsym-W0]水深 525 m における(左上)浮度偏差の分布.等値線間隔:

5×104 [m s2].(右上)圧力偏差.等値線間隔:1 [hPa].水深 2750 m における(左下)

浮度偏差の分布.等値線間隔:5×105 [m s2].(右下)圧力偏差.等値線間隔:1 [hPa].

(26)

図 3.2: [R1-Tsym-W0]海底(5000 m)における(左上)浮度偏差の分布.等値線間 隔:5×105 [m s2].(右上)圧力偏差.等値線間隔:1 [hPa].(下)海底水平流速の分布 [cm s1];カラー:水深 4500 mの鉛直流速(上向き正; [cm s1]).

(27)

ここで海盆北東部の沈み込み域周辺の圧力分布と循環構造について詳細に見ておく.ま ず東経5060度,北緯3060度の水平面(図3.3)を見る.表層(225 m)の浮度は基本 的に北端で低く,低緯度で高い.750 m では北緯48度付近に高浮度域が見える.このよ うな相対的な高浮度域が 2000 m では北緯56度付近に,底層(4500 m)ではさらに北に 見える.それぞれの面で東岸に浮度の極大がある.表層(225 m)で北緯40度付近に圧 力極大があり,北端に向かって大きな水平圧力勾配がある.750 mでは高浮度域の北の北 緯54度付近に高圧域があって,その北の東岸北緯57度付近に集中した沈降流が見える.

また,東岸の北緯40度付近には低圧域がある.2000 m面においても高圧域は高浮度域の 北にあり,沈降流は北東角近くに集中している.底層では東岸の北緯57度付近は低圧部 である.

次に東岸の南北断面(図3.4)を見る.北端付近で圧力の水平平均からの偏差は表層で 低圧,深層の大部分で高圧,底層で低圧の三層構造をなし,南北圧力勾配は底層をのぞ いて負(南高北低)であり,北向きの流れとなっている.下層の低圧偏差とその上の高圧 偏差との境界は低緯度で浅く,高緯度で深くなっている.その境界は北端域を除いて浮度 躍層に対応し,ここで南北圧力勾配・南向きの流速が大きい.浮度躍層に沿う南向き流速 の極大は北緯36度付近で最大となる.鉛直流速はこの南向き流速極大より上層で下向き,

下層で上向きである.また,北緯4045度の1000m以深は対流によって鉛直方向に一様 化している.北緯4045度の1000 m付近に移流計算の誤差によって低浮度値が生じ,そ の下方で対流混合が起こる.このため,現実的な力学の産物ではないが,北緯40度以南 の下向き鉛直流・底層の北向き流で局所的な子午面循環が作られる.

図3.5は東経50度–60度の北緯38度,42度,50度,60度付近の東西断面上の北向き 流速,浮度,東向き流速と上向き流速である.北端では上層で北向き・東向き,下層で南 向き・西向きの流れとなり,北東角に集中した沈降流がある.北緯50度以南では浮度躍 層に沿って強い南向き・西向きの流れがあり,躍層における浮度の鉛直勾配も南向き流速 も東岸で最大となっている.浮度躍層よりも上層の流れは東向きである.東岸の鉛直流 は図3.4で見たように浮度躍層の上では下向き,浮度躍層の下では基本的に上向きである が,北緯40度–45度の局所的子午面循環に対応して北緯38度では下向きである.

(28)

図 3.3: [R1-Tsym-W0]東経50–60度,北緯30–60度における,左から浮度(×103 m s2),鉛直流速(等値線間隔:1.0 × 102 cm s1;陰影は下向き),圧力偏差(カラー;

hPa;等値線間隔:0.5 hPa)である.上から 225 m,750 m,2000m,4500mの水平分布.

(29)

図 3.4: [R1-Tsym-W0]東岸北緯25–60度における(上)圧力の水平平均からの偏差

(カラー; hPa)と浮度(等値線間隔は実線:1×103,破線:1×104,点線:1×105 m s2).

(下)北向き流速(カラー;cm s1)と鉛直上向き流速(等値線間隔:5.0 ×103 cm s1; 実線は正,点線は負の値).

(30)

図 3.5: [R1-Tsym-W0]東岸付近の東西断面図.左の列は南北流速(カラー;cm s1) と浮度(等値線間隔:1.0 ×10−3 m s−2).右の列は東西流速(カラー;cm s−1)と鉛直 流速(等値線間隔:2.0 × 103 cm s1).浮度と鉛直流速(水平流速)は上から北緯60 度(59.5度),北緯50度(49.5度),北緯42度(41.5度),北緯38度(37.5度)の断面 上の値である.

(31)

表層(75 m)の密度は海面参照密度にほぼ対応するが,西岸では低緯度から高緯度に向 かう流れによる周囲よりも軽い領域が見られる(図3.6左上).東西平均密度の分布(図 3.6右上)から,ごく限られた高緯度域で作られる高密度の水が深層の大部分を占めるこ とがわかる.

図3.6下段に子午面流線関数をしめす.この実験では閉じた海盆を使っており海峡はな いが,海峡のある単一海盆実験との比較用に南部を拡大してある.MOCは南北対称であ り,最大値は 10.4 Svである(Sv106 m3 s1).

次に浮度フラックスの収支の観点から深層循環を観察する.海面での浮度フラックス

(下向き正)を図3.7左上にしめす.西岸で低緯度から高緯度に向かう流れに伴って海面の b−bが大きくなることによる放熱域が見られる.図3.7右上は海面での浮度フラックス を東西平均しcosϕをかけたものである.低緯度での加熱と高緯度での放熱がつりあって いる.σを縦軸にとって子午面流線関数をかくと図3.7下段のようになる.海峡のある実 験との比較のため南部を拡大してある.このσ-ϕ座標上での流線関数の最大値は約9 Sv となる.

子午面浮度輸送関数Ψbを次のように定義する.

Ψb(y, z) =

L 0

dx

z

D

(

vb−κH∂b

∂y )

dz. (3.2)

ここで()内の第1項は移流による北向き浮度フラックス,第2項は水平拡散による北向 き浮度フラックスである.図3.8上段は水平移流と水平渦拡散をあわせた浮度輸送関数,

下段は水平拡散フラックスだけでかいた浮度輸送関数をあらわす.ここで後者は水平拡散 フラックスによる水平浮度輸送量を与えるが,鉛直拡散による浮度輸送量を与えるもので はないことに注意.また,鉛直浮度輸送は鉛直移流・鉛直拡散に加えて対流調節によるも ので構成されるが,ここでしめす子午面浮度輸送関数から対流調節の寄与分についての情 報を取り出すことはできない.図3.9は縦軸をσ として子午面浮度輸送関数をかいたもの である.これらの図から南北浮度輸送への寄与は,移流によるものが拡散よりも卓越して いることがわかる.

北向き浮度輸送量 NBT: NBT =

L

0

dx

0

D

(

vb−κH∂b

∂y )

dz =Ψb(y,0) (3.3) を図3.10上にしめす(単位:[m s2· Sv]).同図下はNBT の南北勾配d(NBT)/dy であ る(単位:[m s2· m2 s1]).定常状態においてd(NBT)/dy は,東西平均海面浮度フラッ クス×cosϕ(図3.7右上)に赤道における海盆の東西幅 6453 km をかけたものと等しい.

(32)

図 3.6: [R1-Tsym-W0](左上)表層(75 m)の密度分布.等値線間隔:実線 0.2 [kg m3],破線 0.01 [kg m3].(右上)東西平均密度.等値線間隔:実線 0.2 [kg m3],破線 0.01 [kg m3].(下段)子午面流線関数.正(負)の部分は(反)時計回りの循環に対応す る.海峡設定域付近を拡大している.等値線間隔:1 [Sv].

(33)

図 3.7: [R1-Tsym-W0](左上)海面参照密度への緩和による浮度フラックス.等値線 間隔: 0.5×108 [m2 s3].(右上)東西平均浮度フラックス×cosϕ.(下段)σ-ϕ座標上 の子午面流線関数.海峡設定域付近を拡大している.等値線間隔:1 [Sv].

(34)

図 3.8: [R1-Tsym-W0]子午面浮度輸送関数.等値線間隔: 5×103 [m s2·Sv].点 線は 1×103 [m s2·Sv].(上)水平移流と水平拡散の合計による.(下)水平拡散のみに よる子午面浮度輸送関数.

(35)

図3.9:[R1-Tsym-W0]σ-ϕ座標上にかいた子午面浮度輸送関数.等値線間隔:5×103 [m s2·Sv].点線は1×103 [m s2·Sv].(上)水平移流と水平渦拡散による浮度輸送の合 計.(下)水平渦拡散のみによる浮度輸送関数.

(36)

図 3.10: [R1-Tsym-W0](上)北向き浮度輸送(NBT)[m s2·Sv].細い実線(破線)

は水平移流(渦拡散)によるもの,太い実線は両者の和である.(下)NBTの南北勾配.

縦軸の単位はm s2·m2s1

(37)

3.1.2 回廊あり( R1C-Tsym-W0

南半球で東西に接続する海峡がある海盆(R1C)に前節と同じ南北対称の海面参照密度

(Tsym)を与える場合の定常状態を調べ,循環構造がどのように変わるかを見る.

上層(525 m)の浮度分布を閉じた海盆の場合と比べると,北半球では良く似ているが,

南半球では回廊域の東西勾配が小さいことがわかる(図3.11左上).また南半球の西岸付 近では,閉じた海盆で見られたような大きな東西浮度勾配が見られない.

水深 2750 m でも南半球の東西浮度勾配は小さく(図3.11左下),海底の東西浮度勾配

も同様である(図3.12左上).また海底浮度は閉じた海盆の場合より北半球で高く南半球 で低い.

各層の圧力分布を見ると,北半球で閉じた海盆と定性的に同じであるのに対して,南半 球では回廊域で東西勾配が小さくなる(図3.11右列;図3.12右上).海底の流速場には 南半球から赤道を横切って北半球に入る流れが見られる(図3.12下段).

南端から南緯40度までの領域について上層から底層までの基本場をR1とR1Cで比較 する.R1での順圧流線関数(図3.13上段)は西岸付近に 0.3 Sv 程度の水平循環をしめ す.R1C では東向きの海峡通過流量が22 Sv となる(図3.14).表層(525 m)の流れは 等圧線に沿い,R1 では西岸から南端南東角に向かうが,R1C では基本的に東向きの 東西流である.

R1では深層の圧力勾配は小さいが,R1C では南北圧力勾配が大きく東向きの流れ場と なる(図3.15,図3.16).1500 m の鉛直流速を見ると,R1 では西岸で湧昇し南端南 東角で沈降するのに対して,R1C では大きな鉛直流は回廊域の南側に限定され,西岸で 湧昇し東岸で沈降する循環となる.回廊域の下部では(図3.17,図3.18)R1で等圧線は 南東から北西に向かうが,R1C では東西方向にのびる.

このように R1 における基本的な循環は上層で北西から南東に向かい,南端南東角 で沈降し,下層で南東から北西に向かうのに対して,R1C では回廊域の流れは東向きと なり,回廊域の南側では上層で東向き,東岸で沈降,下層で西向き,西岸で湧昇という循 環になる.

(38)

図 3.11: [R1C-Tsym-W0]水深 525 m における(左上)浮度偏差の分布.等値線間 隔:5×104 [m s2].(右上)圧力偏差.等値線間隔:10 [hPa].水深 2750 m における

(左下)浮度偏差の分布.等値線間隔:5×105 [m s2].(右下)圧力偏差.等値線間隔:

1 [hPa].

(39)

図 3.12: [R1C-Tsym-W0]海底(5000 m)における(左上)浮度偏差の分布.等値線 間隔:5×105 [m s2].(右上)圧力偏差.等値線間隔:1 [hPa].(下)海底水平流速の分 布 [cm s1];カラー:水深 4500 mの鉛直流速(上向き正; [cm s1]).

(40)

図 3.13: [R1-Tsym-W0]最上段は順圧流線関数.等値線間隔 0.1 Sv.水深 525 m に おける(二段目)ベクトル:水平流速,カラー:鉛直流速[cm s1].(三段目)浮度偏差.

等値線間隔 5×104.(最下段)圧力偏差.等値線間隔1 hPa.

(41)

図 3.14: [R1C-Tsym-W0]最上段は順圧流線関数.等値線間隔10 Sv.水深 525 m に おける(二段目)ベクトル:水平流速,カラー:鉛直流速[cm s1].(三段目)浮度偏差.

等値線間隔 5×104.(最下段)圧力偏差.等値線間隔10 hPa.

(42)

図 3.15: [R1-Tsym-W0]最上段は 1500 m における水平流速(ベクトル)と鉛直流速

(カラー) [cm s1].水深2750 m における(二段目)水平・鉛直流速.(三段目)浮度偏 差.等値線間隔 5×105.(最下段)圧力偏差.等値線間隔 1 hPa.

(43)

図 3.16: [R1C-Tsym-W0]最上段は 1500 m における水平流速(ベクトル)と鉛直流 速(カラー)[cm s1].水深 2750 m における(二段目)水平・鉛直流速.(三段目)浮度 偏差.等値線間隔 5×105.(最下段)圧力偏差.等値線間隔 1 hPa.

(44)

図 3.17: [R1-Tsym-W0]最上段は 3000 m における水平流速(ベクトル)と鉛直流速

(カラー) [cm s1].水深4500 m における(二段目)水平・鉛直流速.(三段目)浮度偏 差.等値線間隔 5×105.(最下段)圧力偏差.等値線間隔 1 hPa.

(45)

図 3.18: [R1C-Tsym-W0]最上段は 3000 m における水平流速(ベクトル)と鉛直流 速(カラー)[cm s1].水深 4500 m における(二段目)水平・鉛直流速.(三段目)浮度 偏差.等値線間隔 5×105.(最下段)圧力偏差.等値線間隔 1 hPa.

図 3.10: [R1-Tsym-W0] (上)北向き浮度輸送(NBT) [m s − 2 · Sv].細い実線(破線)
図 3.19: [R1C-Tsym-W0](左上)表層(75 m)の密度分布.等値線間隔:実線 0.2 [kg m −3 ],破線 0.01 [kg m −3 ]. (右上)東西平均密度.等値線間隔:実線 0.2 [kg m −3 ],破 線 0.01 [kg m − 3 ] . (下段)子午面流線関数.等値線間隔: 1 [Sv] .
図 3.28: [R1-Tatl-W0](左上)表層(75 m)の密度分布.等値線間隔:実線 0.2 [kg m −3 ],破線 0.01 [kg m −3 ]. (右上)東西平均密度.等値線間隔:実線 0.2 [kg m −3 ],破線 0.01 [kg m − 3 ] . (下段)子午面流線関数.等値線間隔: 1 [Sv] .
図 3.37: [R1C-Tatl-W0] (左上)表層(75 m)の密度分布.等値線間隔:実線 0.2 [kg m −3 ],破線 0.01 [kg m −3 ]. (右上)東西平均密度.等値線間隔:実線 0.2 [kg m −3 ],破線 0.01 [kg m − 3 ] . (下段)子午面流線関数.等値線間隔: 1 [Sv] .
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